JP3364912B2 - 染料気化式プリンタ - Google Patents

染料気化式プリンタ

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JP3364912B2
JP3364912B2 JP01243094A JP1243094A JP3364912B2 JP 3364912 B2 JP3364912 B2 JP 3364912B2 JP 01243094 A JP01243094 A JP 01243094A JP 1243094 A JP1243094 A JP 1243094A JP 3364912 B2 JP3364912 B2 JP 3364912B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオカメラに
よる撮像画像、テレビジョン画像等の各種画像における
静止画像を、気化性染料を用いて印画紙上に転写する染
料気化式プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の気化式又は昇華型プリンタは、
昇華性染料が塗布された昇華性インクリボンと感熱ヘッ
ドとが用いられ、前記昇華性インクリボンを印画紙上に
重ね合わせ、画像情報に応じた電気エネルギーを感熱ヘ
ッドに印加し、この感熱ヘッドから発生する熱エネルギ
ーにより、インクリボン上の昇華性染料を印画紙上に昇
華転写させるものである。
【0003】前記従来例においては、インクリボンと感
熱ヘッドとを用いているため、インクリボンの巻取機構
及び感熱ヘッドの放熱機構が必要であり、装置が小型化
及び低コスト化が図れないばかりでなく、3原色(イエ
ロー、マゼンタ、シアン)の重ね印画を行うため、3回
の動作を繰り返して行なわなければならず作業性が悪
く、また使用済みインクリボンの処分においても環境上
の問題があった。
【0004】[先行技術]前記従来例の問題点を解決す
るため、インクリボン及び感熱ヘッドを使用しない、所
謂リボンレスの気化式又は昇華型プリンタを、本発明と
同一出願人によって既に複数件の特許出願をしている。
この先願の発明は、特願平4−300587号、特願平
5−11241号及び特願平5−12106号である。
【0005】前記先行技術における気化式プリンタ及び
そのヘッドの構成は、概ね図5〜6に示した構成を有し
ている。図において、1は気化式カラープリンタであ
り、外筐2aで覆われたフレームシャーシ2上に印画紙
50を入れるカセット3と印画用の平面ベース4とを有
している。
【0006】図5において、前記外筐2a内の印画紙排
出口2b側には、モータ5等により駆動する紙送り駆動
ローラ6bと、該紙送り駆動ローラとの間で印画紙50
を軽圧力で挟持する圧接従動ローラ6bとが設けられる
と共に、外筐2a内のカセット3の上方にはヘッド駆動
回路基板7とDC電源8を設けてある。このヘッド駆動
回路基板7と平面ベース4上に配設されたヘッド10と
は、フレキシブルハーネス7aによって接続されてい
る。
【0007】ヘッド10は、図6に示したように、ガラ
ス又は透明セラミックス等の材料でヘッドベース材13
が形成され、該ヘッドベース材13の一部にイエロー
(Y)とマゼンタ(M)とシアン(C)の着色用の染料
として、固形粉末状の三色の気化性染料12Y,12
M,12C(総称して符号12で示す)を収納する各固
形気化性染料収納部11Y,11M,11C(総称して
符号11で示す)を設けてある。
【0008】ヘッド10の下面側には高強度材からなる
耐摩耗性に優れた保護層14が設けられ、前記固形気化
性染料収納部11は、断熱層15で囲まれて形成され、
実質的に上部のヘッドベース材13と下部の保護層14
との間に形成されている。
【0009】そして、固形気化性染料収納部11の一部
が開放され、液体気化性染料導入部16から気化部17
に連通し、各固形気化性染料収納部11内の固形粉末状
の気化性染料12は液体気化性染料導入部16に取り付
けられた電気抵抗体からなるヒータ(発熱体)18によ
り加熱液化して液体気化性染料12′となって気化部1
7に供給され、その気化部17において更に高温に発熱
可能な発熱体19により液体気化性染料12′が適宜選
択的に加熱されて気化し、気化孔17aから印画紙50
の染料受容層50aに転写される。
【0010】このようなヘッド構造を有する気化式カラ
ープリンタ1において、図5に示したように、カセット
3内の印画紙50は1枚づつ分離されて平面ベース4と
ヘッド10との間に供給され、紙送り駆動ローラ6aま
で送られる。
【0011】ヘッド10は一対の軽荷重付加バネ9によ
り印画紙50を挟んで平面ベース4に軽荷重(約50
g)で押し付けられている。また、ヘッド10には3色
分(Y,M,C)の気化用の加熱手段が3列に画素分だ
け多数個並設されている。そして、各液体気化性染料導
入部16(16Y,16M,16C)から夫々加熱液化
されて各気化部17に定量供給される構成になってい
る。
【0012】この状態より、1枚の印画紙50が紙送り
駆動ローラ6aと圧接従動ローラ6bに挟持されると1
ラインづつ且つ一色づつ1ドット信号がヘッド10に送
られて、各対応する発熱体18が瞬時に発熱する。
【0013】この発熱により、各気化部17において各
液体気化性染料12′が気化され、この各気化された
Y,M,Cの気化性染料が平面ベース4と保護層14間
に送られる印画紙50の表面に塗布されている染料受容
層50aにY→M→Cと順次転写されてカラープリント
される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
行技術におけるプリンタは、液化した気化性染料を液体
気化性染料導入部から気化部に供給する際に、液化した
気化性染料自体が重力、ヘッドの摺動作用又は外力によ
る加速度の影響を受けることで、その都度の供給量にバ
ラツキが生じ、適正な量の供給に問題点を有している。
【0015】また、気化部に適性な量の液化した気化性
染料が供給されないと、適正なカラープリントがなされ
ない。即ち、供給量が少ないと充分な気化量が得られな
いし、供給量が多過ぎた場合には、気化性染料自体の界
面張力の差で高温部から周囲の低温部に引き寄せられ、
染料気化のための熱も周囲の低温部に吸収されることで
充分な気化量が得られなくなると云う問題点を有してい
る。
【0016】更に、気化部において、所定量の気化染料
を保持させるために、毛管構造を形成することが行われ
ているが、その分だけ気化部の部材を増やすことにな
り、気化部に余分な熱容量をもたせなければならないと
云う問題点を有している。
【0017】更にまた、気化部へ適正な量の気化染料を
供給するために、機械的な作動弁を取り付けることが考
えられるが、機械的な作動弁の場合には、摩耗や疲労な
どがあって、弁の使用寿命に限界があり長期に使用し得
ないと云う問題点を有している。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記先行技術の有する課
題を解決する具体的手段として本発明は、固形気化性染
料を収納する染料収納部と、染料収納部内の固形気化
性染料を加熱液化し保温しながら気化部へ導く液体気化
性染料導入部と、前記気化部に導かれた液体気化性染料
を加熱気化させて印画紙に熱転写させるヘッドを備えた
プリンタであって、前記液体気化性染料導入部に温度変
化を利用した液体気化性染料の供給と停止を行う弁手段
を設けたことを特徴とする染料気化式プリンタを提供す
るものであり、液体気化性染料供給と停止の弁手段が加
熱と冷却であって、その弁手段の加熱が、レーザー手段
による加熱であることも含み、また弁手段が、異種金属
に電流の流れ方向を変えて生ずる熱の発生と吸収とのペ
ルチェ効果を利用した加熱と冷却、又は閉弁作用に寄与
する吸熱であることも含むものである。
【0019】更に、気化部へ液化した気化性染料を供給
する液体気化性染料導入部の一部を細径管部を形成する
こと、又は一部に多孔質層を設け、これら細径管部又は
多孔質層に弁手段を設けることも含むものである。
【0020】
【作用】液体気化染料導入部から液化した気化性染料を
気化部に供給する際に、弁手段を用いることで、常に適
正な量の気化性染料を気化部に供給することができ、気
化部において加熱の強弱に対応して適正な気化量が得ら
れることから、映像に対応した鮮明なカラープリントが
得られる。また、弁手段が加熱と冷却又は吸熱作用であ
ることからして、構造が簡単で機械的損耗がなく長期に
使用できる。
【0021】
【実施例】次に本発明を図示の実施例に基づき更に詳し
く説明する。尚、プリンタの本体部分は先行技術をその
まま使用できるので図示を省略し、要部のみを示すと共
に理解を容易にするため先行技術と同一部分には同一符
号を付して説明する。
【0022】図1は本発明の第1実施例に係るヘッド1
0の主要構成部のみを示す断面図であり、該ヘッド10
には、先行技術と同様に、ヘッドベース材13の一部
に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)
の固形粉末状の気化性染料12を夫々個別に収納する固
形気化性染料収納部11と、その固形気化性染料を加熱
して液状化した染料を収納する液体気化性染料導入部1
6が形成されると共に、該液体気化性染料導入部16に
隣接し液化した液体気化性染料12′が供給される気化
部17が形成されている。
【0023】本発明の場合も、各色の気化染料は、夫々
が個々に収納部、導入部及び気化部が設けられており、
夫々の色の気化染料が選択的に、加熱気化されてプリン
トに供されるものであるから、これら各色の気化染料に
おける収納部、導入部及び気化部は夫々同形状に形成さ
れているので、夫々を総称して固形気化性染料収納部1
1、液体気化性染料導入部16及び気化部17として以
下に説明する。
【0024】前記固形気化性染料収納部11の周囲及
び、液体気化性染料導入部16と気化部17の下部が断
熱層15で囲われ、ヘッド10の下面に高強度材からな
る対摩耗性に優れた保護層14が設けられている。
【0025】液体気化性染料導入部16には、固形粉末
状の気化性染料21を加熱して液化するためのヒータ1
8が設けられると共に、導入部の一部を細径管部16a
に形成し、該細径管部16aを介して液体気化性染料1
2′を気化部17に供給するように構成してある。そし
て、この細径管部16aにもヒータ18aが設けられて
いる。
【0026】液体気化性染料12′を気化部17に供給
するに当たって、液体気化性染料導入部16又は細径管
部16aに弁手段が設けられる。この弁手段は、加熱と
冷却とによって、液体気化性染料12′の粘性を変化さ
せ、流動性の有無によって弁作用を行わせるものであ
り、例えば、細径管部16aの周面に設けた前記ヒータ
18aとは別の加熱部20と、該加熱部20の熱を外部
に放熱する放熱体21とから構成され、該放熱体21は
例えばアルミナ等の熱伝導性の優れた材料で形成され、
ヘッドベース材13を貫通して外部に露出して設けられ
ている。
【0027】この場合の加熱部20は、通電によって加
熱する反応性の良いヒータであり、瞬時の通電で速やか
に所定温度まで昇温され、液体気化性染料12′も加熱
されて流動性が高まり、流動して気化部17側に供給さ
れる。そして、通電を断にした時に放熱体21によって
加熱部20及び液体気化性染料12′の温度を外部に放
熱することで、液体気化性染料12′の流動性が低下又
はほとんど無くなり、それによって逆流防止作用が生じ
気化部17への供給が停止する。
【0028】前記ヘッドベース材13は、ガラス又はセ
ラミックス等の材料で形成され、全体として透明に形成
されている。そして、その上面の一部で、且つ前記気化
部17と対応する位置に小室22を設け、該小室22内
に染料を気化させるエネルギー源となる半導体レーザ2
3が基板24を介して取り付けてある。
【0029】気化部17には、光熱変換体25が設けら
れ、該光熱変換体25は液体気化染料12′の液状化の
状態を維持すると共に、前記半導体レーザ23からのレ
ーザ光を受けて発熱し、気化部17内にある液体気化染
料12′を瞬時に気化させ、気化孔17aから外部の印
画紙50の染料受容層50aに付着させる。
【0030】この場合に、気化した気化染料が印画紙5
0の染料受容層50aに付着して転写が行われるのであ
るが、先行技術と同様の手法でY→M→Cの順に夫々転
写されてカラープリントがなされるのであり、その転写
サイズ即ち各気化部17の大きさとしては略60〜80
ミクロンである。
【0031】光熱変換体25は、通電によって所定の温
度に加熱できる材料が使用されており、常時所定の通電
がなされて積極的な予熱状態にすることで、気化部17
内に供給された液体気化染料12′を液状化の状態に維
持すると同時に、半導体レーザ23からのレーザ光を受
けた時に、気化温度までの熱変換が速やかに行われ、所
謂速やかな応答性を維持させてある。
【0032】前記ヒータ18,18aは、例えばカーボ
ン又はシリコン系化合物で板状に形成するか、若しくは
ニッケル又はコバルトを主体とする酸化被膜であり、適
宜のフィルムの表面に蒸着又はスパッタリング等の手段
により層状に形成された、所謂面発熱体である。
【0033】この場合のヒータ18,18aは、不透
明、半透明又は透明な状態で形成することができ、その
用途に応じて選択される。そして、前記ヘッドベース材
13の下面で液体気化性染料導入部16及び細径管部1
6aに渡って取り付けてあり、通電によって50〜30
0℃の熱を発生し、固形の気化性染料12を液化すると
共に、その液化状態を維持する。
【0034】このように構成された第1実施例におい
て、固形気化性染料収納部11内に収納された気化性染
料12は、液体気化性染料導入部16の及び細径管部1
6aのヒータ18,18aによって加熱されることで液
状の液体気化性染料12′とされ、細径管部16aを通
じて気化部17へ供給される。
【0035】この供給において、細径管部16aを通じ
て液体気化性染料12′を供給するだけでも、ヘッドの
摺動作用又は外力による加速度の影響を緩和できるが、
更に細径管部16aに設けた弁手段、即ち加熱部材20
と放熱部材21とによって液体気化性染料12′の供給
を制御し、最適な状態で適量を供給するのである。
【0036】つまり、液体気化性染料導入部16の液体
気化性染料12′が気化部17に供給される時に、加熱
部材20に通電して所定の温度まで更に加熱すると、細
径管部16a内又はその近傍に位置する液体気化性染料
12′の流動性が著しく向上し、抵抗の低い気化部17
側に高速で供給される。
【0037】逆に、気化部17側への供給を停止する場
合には、加熱部材20への通電をオフにすると、加熱部
材20の熱が放熱部材21を介して外部に放出され、加
熱部材20の近傍の熱が奪われることから、液体気化性
染料12′に対して、一種の冷却現象が付与され、液体
気化性染料12′の流動性が著しく低下するか又は固形
化して流動性が失われ、それによって気化部17への染
料の供給が実質的に停止される。
【0038】従って、加熱部材20に対する加熱と冷却
は、気化部17の気化作用と連動して行われる。即ち、
気化部17が気化動作している時は、加熱部材20をオ
フにして供給を停止し、気化終了後に加熱部材20に通
電し液体気化性染料12′を加熱して流動性を高め気化
部17に高速供給する。要するに、気化部17がオンの
時に加熱部材20がオフになり、気化部17がオフの時
に加熱部材20がオンになるように設定すれば良いので
ある。
【0039】図2に示した第2実施例は、前記第1実施
例と弁手段を変更しただけで他の構成部分は、実質的に
略同一である。即ち、弁手段として、細径管部16aの
一部又は液体気化性染料導入部16に隣接させて、微細
な孔をもった多孔質層26を設け、該多孔質層26の温
度を制御する前記第1実施例と同種の加熱部材20及び
放熱部材21が設けられている。
【0040】この第2実施例の場合には、多孔質層26
の温度を制御することにより、その多孔質層26内に含
まれている液体気化性染料12′の流動性を制御して気
化部17への供給及び停止を行うものであり、その原理
は前記第1実施例と略同じである。
【0041】尚、この第2実施例において、細径管部1
6aの代わりに多孔質層26を設けるようにすれば、液
体気化性染料導入部16と気化部17との間に多孔質層
26が存在するようになり、その多孔質層26から直接
気化部17に対して液体気化性染料12′の供給と停止
が行える。
【0042】図3に示した第3実施例は、更に弁手段の
構成を変更したものである。この弁手段は、細径管部1
6aの周囲に異種金属を集積接合した熱電素子27を配
設し、該熱電素子27に通電することにより、接触点に
熱の発生または吸収の熱効果、即ちペルチェ効果が生
じ、そのペルチェ効果を利用して液体気化性染料12′
の流動性を制御するものである。
【0043】つまり、ペルチェ効果は可逆的であり、電
流の方向を逆にすると、熱の発生は熱の吸収に、熱の吸
収は熱の発生に変わる。従って、液体気化性染料12′
を供給する際には、熱が発生する方向に電流を流し、気
化部17で気化させる時には供給が不要であり、逆流を
防止するために熱を吸収する方向に電流を流すようにす
る。
【0044】このように電流の流れる方向を切り換える
ことで、熱の発生時には液体気化性染料12′の流動性
が高まって、気化部17へ液体気化性染料12′を高速
供給でき、熱の吸収時には液体気化性染料12′の熱を
奪って流動性を低下または固形化させ、それによって弁
作用を行わせるのである。
【0045】また、弁作用に主点を置いた場合には、液
体気化性染料12′の流動性を制御すれば足りるので、
ペルチェ効果の吸熱作用を利用すれば良い。即ち、液体
気化性染料12′は、液体気化性染料導入部16におい
て発熱体18により液化されて所定の流動性が確保され
ているので、その流動性を抑制するために熱電素子27
に通電し、液体気化性染料12′に対して吸熱作用を行
わせ、この部位において瞬時に流動性を低下させて閉弁
作用を遂行させるのである。いずれにしても、ペルチェ
効果を利用して弁作用を行わせることができるのであ
る。
【0046】更に、図4に示した第4実施例は、気化性
染料12中に光熱変換物質を含有したものが使用される
例であり、弁手段としては細径管部16aに存在する液
体気化性染料12′を直接加熱し、染料の流動性を制御
して供給と停止とを図るものである。
【0047】即ち、細径管部16a内の液体気化性染料
12′を直接加熱するためのエネルギー源である半導体
レーザ23aが設けられる。この半導体レーザ23aは
前記気化のための半導体レーザ23と並設状態に設けら
れるものであり、例えば同一の基板24上に一緒に取り
付けられ小室22内に配設される。但し、その出力エネ
ルギーは気化のための半導体レーザ23よりも低く設定
される。
【0048】細径管部16aには、一定の温度を維持す
るためのヒータ18bが設けられると共に、気化部17
にもヒータ18cが設けられている。これらのヒータは
何れも透明なものが使用され、その設定温度が同一また
は異なる温度、例えば細径管部16aに設けられたヒー
タ18bは気化部17に設けたヒータ18cよりも低い
温度に設定可能である。
【0049】この第4実施例においては、液体気化性染
料導入部16で液化された液化気化性染料12′が、細
径管部16aを介して気化部17に供給されるものであ
るが、例えば細径管部16aに設けたヒータ18bの温
度を他のヒータ18,18cよりも稍々低く設定する
と、細径管部16aにおける液化気化性染料12′の流
動性が稍々低下するようになる。
【0050】このような状況において、半導体レーザ2
3を駆動させて気化部17にレーザ光を照射すると、気
化部17内にある液体気化性染料12′は含有する光熱
変換物質により高温に加熱されて気化し、前記第1実施
例と同様に、気化孔17aから外部の印画紙50の染料
受容層50aに付着してプリントがなされる。
【0051】気化部17における気化作用で消費した液
体気化性染料12′は、細径管部16aから順次供給さ
れるのであるが、その供給に際して、半導体レーザ23
aを駆動し、レーザ光を細径管部16a内の液体気化性
染料12′に照射し、含有する光熱変換物質による光熱
変換で加熱されて流動性が高まり、それによって液体気
化性染料12′を気化部17に高速供給できる。
【0052】従って、気化用の半導体レーザ23と、供
給用の半導体レーザ23aとを交互に駆動することで、
気化と供給とが交互に行われるのであり、特に細径管部
16aのヒータ18bを低い温度に設定することで、細
径管部16a内において液体気化性染料12′の流動性
を低下させることができ、それによって供給停止の弁作
用を行わせることが出来るのである。
【0053】更に、この第4実施例において、光熱変換
物質を含有しない気化性染料12が使用される場合でも
使用可能である。この場合には、例えばヒータ18bが
光熱変換物質で形成され、常時は通電により低い温度に
維持されて液体気化性染料12′の流動性を低く押さえ
ており、半導体レーザ23aを駆動してヒータ18bを
照射すると、高温になって液体気化性染料12′の流動
性を高め、気化部17に対して高速供給できるのであ
る。この場合には、気化部17においてもヒータ18c
は光熱変換物質で形成されることは勿論である。
【0054】因に、ここで使用される気化性染料12
は、略120°Cで固形状態が維持され、略140°C
でその粘度が30cp(センチポイズ)の液体になり、
略160°Cで1cpの粘度になり、略250°C以上
で気化する特性を有するものである。
【0055】従って、使用される気化性染料の温度特性
を利用して、例えば液体気化性染料導入部16において
液体気化性染料12′として維持する場合には、140
°C前後に加熱した状態にし、気化部17へ高速供給す
る場合には160°C前後に加熱し、気化部17におい
て気化させる場合には250°C以上に加熱するように
すれば良いのである。そして、気化部17への供給を停
止する場合には、その加熱温度を140°Cから120
°C近傍に下げれば、必然的に流動性が低下し染料自体
が供給停止の作用をするのである。従って、使用される
気化性染料の温度特性を利用して、適宜選択的に加熱温
度を設定することで、種々の制御が可能になるのであ
る。
【0056】いづれの実施例においても、気化部17へ
の液体気化性染料12′の供給と停止とを温度制御によ
る弁手段で行うものであり、その弁手段を設けたことに
より気化部17への液体気化性染料12′の供給が安定
し、しかもヘッドの摺動動作または外力などによる慣性
力で余分な染料が供給されたりまたは供給不足が解消さ
れ、常に鮮明なプリントが可能になるのである。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る染料気
化式プリンタは、固形気化性染料を収納する染料収納部
と、染料収納部内の固形気化性染料を加熱液化し保温
しながら気化部へ導く液体気化性染料導入部と、前記
化部に導かれた液体気化性染料を加熱気化させて印画紙
に熱転写させるヘッドを備えたプリンタであって、前記
液体気化性染料導入部に温度変化を利用した液体気化性
染料の供給と停止を行う弁手段を設けた構成としたこと
により、気化部に対する液体気化性染料が常に適性量供
給され、それによって気化部での余分な染料を加熱する
ことがなくなると共に、ヘッドの摺動作用または外部か
らの衝撃による慣性作用を受けても、余分な液体気化性
染料がないため気化部からの液だれ現象が解消され、気
化作用が適性に行われて画像に対応した鮮明なプリント
が可能になると云う優れた効果を奏する。
【0058】また、弁手段を設けたことにより、液体気
化性染料の適性量の供給と相俟って逆流防止及び気化時
の染料の逃げが防止され、それによっても適正な気化作
用が遂行できるので、画像に対応した鮮明なプリントが
可能になると云う優れた効果を奏する。
【0059】更に、液体気化性染料供給と停止の弁手段
が加熱と冷却、又は弁手段の閉止作用に吸熱手段を用い
るものであって、気化性染料の熱による特性を利用して
いるため、その構成が簡単であり、しかも、機械的な弁
手段と異なり、摩耗や疲労が生じないため長期に使用す
ることができると云う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の染料気化式プリンタに係る第1実施例
のヘッド部の要部のみを拡大して示した略示的断面図で
ある。
【図2】本発明の染料気化式プリンタに係る第2実施例
のヘッド部の要部のみを拡大して示した略示的断面図で
ある。
【図3】本発明の染料気化式プリンタに係る第3実施例
のヘッド部の要部のみを拡大して示した略示的断面図で
ある。
【図4】本発明の染料気化式プリンタに係る第4実施例
のヘッド部の要部のみを拡大して示した略示的断面図で
ある。
【図5】先行技術における昇華式または気化式プリンタ
を分解して示した略示的斜視図である。
【図6】同先行技術のヘッド部の要部のみを拡大して示
した略示的断面図である。
【符号の説明】
4 平面ベース 10 ヘッド 11 固形気化性染料収納部 12 気化性染料 12′液体気化性染料 13 ヘッドベース材 14 耐熱断熱壁 15 断熱層 16(16Y,16M,16C) 液体気化性染料導入
部 16a 細径管部 17(17Y,17N,17C) 気化部 17a 気化孔 18,18a,18b,18c ヒータ 20 加熱部材 21 放熱部材 22 小室 23,23a 半導体レーザ 24 基板 25 光熱変換部材 26 多孔質層 27 熱電素子 50 印画紙 50a 染料受容層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−183860(JP,A) 特開 昭63−159064(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/015 B41J 2/175 B41J 2/325

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形気化性染料を収納する染料収納部
    と、染料収納部内の固形気化性染料を加熱液化し保温
    しながら気化部へ導く液体気化性染料導入部と、前記
    化部に導かれた液体気化性染料を加熱気化させて印画紙
    に熱転写させるヘッドを備えたプリンタであって、 前記液体気化性染料導入部に温度変化を利用した液体気
    化性染料の供給と停止を行う弁手段を設けたことを特徴
    とする染料気化式プリンタ。
  2. 【請求項2】 前記液体気化性染料導入部の一部を細径
    管部に形成し、該細径管部に前記液体気化性染料の供給
    と停止を行う弁手段を設けた請求項1に記載の染料気化
    式プリンタ。
  3. 【請求項3】 前記液体気化性染料導入部の一部に多孔
    質層を設け、該多孔質層に前記液体気化性染料の供給と
    停止を行う弁手段を設けた請求項1に記載の染料気化式
    プリンタ。
  4. 【請求項4】 前記液体気化性染料の供給と停止を行う
    弁手段が加熱と冷却である請求項1、2又は3に記載の
    染料気化式プリンタ。
  5. 【請求項5】 前記弁手段の加熱が、レーザー手段によ
    る加熱である請求項1又はに記載の染料気化式プリン
    タ。
  6. 【請求項6】 前記弁手段が、異種金属に電流の流れ方
    向を変えて生ずる熱の発生と吸収とのペルチェ効果を利
    用した加熱と冷却である請求項1、2、3又は4に記載
    の染料気化式プリンタ。
  7. 【請求項7】 前記弁手段が、液体気化性染料の流動性
    を低下させるペルチェ効果の吸熱作用を利用した請求項
    1、2、3、4又は6に記載の染料気化式プリンタ。
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