JPH08300702A - 記録方法及び記録装置 - Google Patents

記録方法及び記録装置

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Publication number
JPH08300702A
JPH08300702A JP13275695A JP13275695A JPH08300702A JP H08300702 A JPH08300702 A JP H08300702A JP 13275695 A JP13275695 A JP 13275695A JP 13275695 A JP13275695 A JP 13275695A JP H08300702 A JPH08300702 A JP H08300702A
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JP
Japan
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recording
dye
heat
recording material
heat insulating
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Application number
JP13275695A
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English (en)
Inventor
Shuji Sato
修司 佐藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 サブシャーシ264 上にヘッドチップ201 が固
定され、プリンタヘッド70が構成される。サブシャーシ
264 は、液化染料22Y、22M、22Cを収容する染料溜め
215Y、 215M、 215Cを有し、液化染料は染料導入路
218 、219 、220を経由して染料供給路84に導かれ、染
料導入口84’を通ってヘッドチップ201 の各気化部77に
這入り、発熱体75によって加熱、気化され、記録に供せ
られる。サブシャーシ264 上には、断熱層205 、銅膜20
4 、FPC203 がこの順に被着し、各発熱体75を駆動制
御するコントロールIC202 がFPC上に固定され、F
PCによって各発熱体に接続する。 【効果】 サブシャーシ中の染料の保温用ヒータ68、染
料気化用発熱体75の熱は、断熱層205 によってコントロ
ールICへの熱の伝達が抑制され、抑制され切れずに断
熱層を伝達した熱は、銅膜204 によって放熱される。こ
のため、コントロールICへの熱の伝達量は著しく少な
くなり、コントロールICが熱によってダメージ(配線
の断線等)を受けることがなく、常に良好な記録がなさ
れて信頼性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録方法及び記録装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録において、モノカ
ラーの記録は勿論のこと、ハードコピーのカラー化に対
するニーズが高まっている。これに対応して、色々な方
式のプリンタが開発され、様々な分野に展開している。
【0003】これらの記録方式の中で、適当なバインダ
樹脂中に高濃度の転写染料が分散してなるインク層が塗
布されたインクシートと、転写された染料を受容する染
着樹脂がコーティングされた印画紙等の被転写体とを一
定の圧力で密着させ、インクシート上に位置する感熱記
録ヘッドから画像情報に応じた熱を加え、この加熱に応
じてインクシートから染料受容層に転写染料を熱転写さ
せる方式がある。
【0004】上記の操作を例えば、減法混色の三原色で
あるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号
について夫々繰り返すことによって、フルカラー画像を
得るようにした所謂熱転写方式は、即時性を備え、銀塩
カラー写真並の高品位な画像を得る優れた技術として注
目を集めてはいる。
【0005】図27は、こうした熱転写方式のプリンタの
要部の概略正面図である。このプリンタによれば、感熱
記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと称する。)1とプ
ラテンローラ3とが対向し、これらの間に、ベースフィ
ルム4b上にインク層4aを設けたインクシート4と、
紙5b上に染着樹脂層(染料受容層)5aを設けた被記
録紙(被転写体)5とが挟着された状態で、プラテンロ
ーラ3によってサーマルヘッド1に押し付けられる。
【0006】そして、サーマルヘッド1によって選択的
に加熱されたインク層4a中のインク(転写染料)が被
転写体5の染着樹脂層5aにドット状に転写され、熱転
写記録が遂行される。このような熱転写記録には、一般
に、長手状のサーマルヘッドを被記録紙走行方向に直交
させ固定して配したライン方式や、サーマルヘッドを記
録紙走行方向に直交する方向に往復動させるシリアル方
式が採用されている。
【0007】図28はサーマルヘッド1の概略断面図であ
る。
【0008】高熱伝導性材料(例えばアルミニウム)か
らなる放熱板51上の一部にセラミックス基板52が耐熱接
着剤で固定され、放熱板51の他の部分上にセラミックス
基板52に並べてプリント基板152 が接着剤で固定されて
いる。
【0009】セラミックス基板52上の一方の縁部に先端
部を残してグレーズ層53が設けられ、グレーズ層52を跨
ぐように発熱体層(ポリシリコン(P−Si)や高抵抗
の金属からなる)54が図27の紙面に垂直の方向に多数並
べて配されている。そして、グレーズ層53の頂上で、各
発熱体層54上で僅かな間隙を以て対向する個別電極55と
共通電極56とが、発熱体層54に接続してセラミックス基
板52上に配されている。
【0010】個別電極55はプリンタ基板152 の側の端部
近くに迄延び、共通電極56はグレーズ層53の側の端部に
迄延びている。セラミックス基板52は、個別電極55の先
端部分を残し、個別電極55、グレーズ層53上の発熱体層
54及び共通電極56上を含めて耐摩耗保護層58で覆われて
いる。
【0011】プリント基板52上には、その配線155 に接
続するようにコントロールIC160がフェースダウンボ
ンディングによって固定され、プリント基板の配線155
と個別電極55とは、対向位置近くのパッド157 、57が金
線59でワイヤボンディングされている。かくして、コン
トロールIC160 のバンプと各発熱体層54とが電気的に
接続している。なお、共通電極56は、図示しない接地回
路に接続している。
【0012】サーマルヘッド1は、コントロールIC16
0 によって発熱体層54が選択的に発熱し、発熱体層54に
圧接しながら送られる図27のインクシート4から被記録
紙5へインクがドット状に転写され、記録を遂行する。
【0013】上記のように構成されたサーマルヘッド1
では、記録中、発熱体層54の選択的発熱により、セラミ
ックス基板52が、コントロールICの許容温度である80
℃以上の80〜100 ℃に昇温する。そのため、セラミック
ス基板の昇温に対して何らかの手立てを講じておかない
と、コントロールICが熱によってダメージを受け、正
常な記録が困難になって信頼性が低下する。
【0014】そこで、コントロールICが加熱されない
ように、コントロールIC160 を、セラミックス基板52
上ではなく、ガラスエポキシのベースを有するプリント
基板152 に設け、プリント基板152 及びセラミックス基
板52を放熱板51上に設ける。
【0015】以上のような次第で、サーマルヘッドで
は、大きな放熱板を必要とする上に、前述したように、
被記録紙とサーマルヘッドとでインクシートを挟んで圧
接させるため、ヘッドの小型化が実現し難いという難点
がある。
【0016】ところで、本出願人は、上記した如き熱転
写記録方式の利点を生かしつつ、廃棄物及び転写エネル
ギーを低減し、プリンタを小型、軽量化するために、図
29に示すような非接触方式の染料気化型レーザビームプ
リンタを既に提案した。
【0017】この記録方式によれば、熱溶融性の染料層
22を気化部17に有する記録ヘッド(例えばシリアル型の
プリンタヘッド)40と、気化した(或いは昇華した)染
料32を受容する受容層50aを持つ被記録体(印画紙)50
との間に1μm〜1mmの範囲の微小空隙17aを設けてい
る。
【0018】そして、レーザ光Lの照射によって、記録
ヘッド40の気化部17の染料収容部37に収容した液化染料
22をその沸点近傍まで選択的に加熱して気化させ、気化
染料32を空隙17a内で飛翔させて、気化穴23から被記録
体である印画紙50上に転写し、連続的な階調を持つ画像
を得る。この操作を減法混色の三原色であるイエロー、
マゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞ
れ繰り返すことによって、フルカラー化を達成できる。
【0019】なお、この記録方式では、印画紙50を記録
ヘッド40に対して例えば上方側で対向させ、気化部17の
上面付近に、レーザ18から出射されてレンズ19で集光さ
れたレーザ光Lを照射して気化染料32を上方に飛翔若し
くは移行させるのがよい。
【0020】この場合、転写染料が加熱手段により空隙
17aを移動するためには、気化現象の他に、高出力レー
ザが照射された時にしばしば見られ、染料分子の結合が
効率よく切断されてそのエネルギーを利用して非常に大
きい速度でエッチングされる現象や、沸騰や爆発により
発生したガスのエネルギーを利用して非常に大きい速度
でエッチングされる現象も利用できる(こうした気化機
構以外の転写機構をアブレーションと称する:以下、同
様)。
【0021】また、レーザ光透過性のあるヘッドベース
14に染料溜め15を設け、ヘッドベース14上に固定した蓋
体13との間に液化染料22を収容し、ここから染料供給路
27を経て気化部17に液化染料22を供給する。この場合、
気化部17への染料の供給効率及び気化効率の向上のため
に、発熱によって生じる染料の表面張力低下による染料
逃げを防止し、毛細管現象を利用して継続的な染料の供
給及び保持を行うために、小さなビーズ21からなるビー
ズ集合体20を気化部17に設けている。
【0022】そして、上記の空隙17aを保持し、X方向
(紙面垂直方向)に移動する印画紙50をガイドするため
に、蓋体13上に保護板(図示せず)を固定している。こ
の保護板には、上記の染料の液化状態を保持するための
ヒータが埋設されていてよいが、ここではヒータ26は染
料収容部(上記の通路27)内に配設する。
【0023】固体染料収納槽41内の固形粉末状の熱溶融
性染料42は、逆止弁44によって供給口43から供給され、
ヒータ26により融解点まで加熱されて溶融(液化)され
る。この液化染料22は、ビーズ集合体20による毛細管現
象によって気化部17のビーズ集合体20の上面に定量ずつ
高速に供給される。
【0024】また、このプリンタヘッドを含むプリンタ
全体は、例えばフルカラー用として図29に示すように、
イエロー、マゼンタ、シアンの各染料溜め15Y、15M、
15Cをそれぞれ共通のベース14に設けて各染料供給部又
は供給ヘッド部37Y、37M、37Cを構成し、そこから各
色の染料を12〜24個の多数のドットを形成する列状の気
化部17Y、17M、17Cに供給する。
【0025】各気化部に対しては、対応するレーザ(特
に半導体レーザチップ)18を各12〜24個アレイ状に配し
たマルチレーザアレイ30から出射される各レーザ光を多
数の集光レンズ19を配したマイクロレンズアレイ31によ
ってそれぞれ集光する(36はレーザ光Lを直角方向に導
くためのミラー)。
【0026】集光レンズとしては、図示したレンズ系で
もよいが、仮想線で示す1枚の径大の集光レンズ38を使
用してよい。このレンズ38は、光入射位置に応じて光出
射位置が上記の各気化部17C、17M、17Yに相当するよ
うに屈折経路が変化するように形成されたものである。
なお、マルチレーザアレイ30は、基板33に設けたコント
ロールIC34によって駆動制御し、またヒートシンク35
によって十分に放熱できるようになっている。
【0027】なお、モノカラー印刷の場合は、図30に示
すように、1次元レーザアレイ30を作製し、夫々のレー
ザ素子を独立かつ並列に動作できる構造にすることによ
って、簡単にビーム数の一倍以上の印刷速度が得られる
(例えば24ビームのレーザアレイを用いれば24倍の速度
となる)。
【0028】上記した各プリンタヘッドはいずれも、染
料収容部37を記録ドット数に対応した個数分だけ液化染
料22をドット状に収容すると共に、レーザ18も記録ドッ
ト数の各発光点を有するアレイ状に配したものである。
レーザ18に依らない上記の熱転写方式のプリンタでも、
サーマルヘッド1の加熱部も同様にドット状に配列され
ている。
【0029】上記したように、この染料気化型レーザビ
ームプリンタによれば、記録に消費される染料について
は、その失われた分だけを染料溜めから溶融状態で気化
部へ自発的若しくは強制的に流すことにより、或いは、
適当な基体上に連続的に塗布され、その基体が転写部に
移動することにより、気化部へ連続的に供給することが
できる。これは、染料がバインダ樹脂を殆ど含有しない
ために、可能となる。従って、記録に関与する気化部
は、繰り返して多数回使用できるので、上述した熱転写
方式においてはインクシートが1回限りの使い捨てであ
るのに対し、省資源及び環境保護の面で有利である。
【0030】また、気化型又はアブレーション型である
ために、染料層と被記録体(印画紙)とが接触しないで
記録を行え、従って、2回目以降のプリント時に上述し
た熱転写方式でみられるような染料の逆転写、混色は生
じることがないと共に、加熱部分は気化部を含むヘッド
のみとなり、上述した熱転写方式に比べて著しく消費電
力が低減する。同時に、染料の供給に上述したインクシ
ートではなく小体積の染料溜めを使用するために、プリ
ンタを小型、軽量化できる。
【0031】また、この記録方式は、染料の気化又は昇
華を利用したものであるために、上述の熱転写方式のよ
うに被記録体の染料受容層を加熱する必要がなく、イン
クシートと被記録体とを高い圧力で押し付ける必要もな
く、この点でもプリンタの小型化、軽量化に有利であ
る。そして、気化部の染料層と被記録体とが接触しない
ために、それらの間で熱融着が起こり得ないだけではな
く、染料と受容層樹脂の相溶性が小さくても記録可能で
ある。従って、染料及び受容層樹脂の設計、選択の幅が
著しく広がる。
【0032】また、染料の気化(或いは昇華)のための
熱エネルギー供給源として、光源に半導体レーザ18を用
いることを基本としているが、半導体レーザは電力から
光への変換効率が高く、その上、指向性、集光性に優れ
ているので、染料の熱エネルギー伝達効率も非常に高
い。従って、従来方式(上記のサーマルヘッドによる熱
転写やインクジェット)に比べてトータルのエネルギー
利用効率が格段に高くなり、小型化や省電力化に有利に
なるという特徴も有する。
【0033】更に、従来のインクジェット方式のカラー
プリンタでは、階調表現が難しいが、半導体レーザは出
力パワーやパルス幅等の制御が容易であるため、上記の
記録方式では簡単に多階調表現が実現できる。即ち、カ
ラービデオカメラ等で作りだされた電気的な画像を半導
体レーザによって画像信号に応じた染料転写に変換し、
銀塩写真に匹敵する少なくとも1色当たり 128階調を持
つフルカラー画像を形成することができる。
【0034】なお、この染料気化型の記録方法に適した
転写体としてのヘッド40は、転写時に瞬間的に加わる熱
量に対して十分耐える性質と、気化部(転写部)へ毛細
管現象により自発的に液状の染料を供給するための表面
積が大きくかつ転写時にも強固に染料を保持することの
できる構造(図29での20)とを有することが好ましい。
また、適当な保温装置を設けることによって、融点が室
温以上である染料又は染料混合物の使用も可能になる。
【0035】また、この記録方法に適した転写染料は、
適当な気化速度又はアブレーション速度を有し、単独若
しくは混合状態で 200℃以下において流動状態を示し、
かつ必要十分な耐熱性を具備していれば、どのような染
料でもよい。具体的には、分散染料、油溶性染料、塩基
性染料、酸性染料などが挙げられる。特に、アブレーシ
ョン機構が気化機構よりも優位を占める場合は、直接染
料のように分子量が大きくて気化速度が小さい染料や、
カーボンブラックや顔料でさえも転写は可能である。融
点が室温以上にある染料でも、染料同士を混合すること
により、或いは染料と揮発性の低分子量物質を混合する
ことにより、融点は低下する。
【0036】また、この記録方法に適した印画紙は、転
写染料と適当な相溶性を有し、転写染料を容易に受容し
て染料本来の発色を促進し、かつ染料を固定する作用が
あれば、どのような印画紙でもよい。例えば、分散染料
に対しては、分散染料と相溶性の良いポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂等を表面にコ
ートした紙などが好ましい。印画紙に転写された染料の
定着は、転写後の画像を加温して、表面の転写染料を受
像層内部に浸透させる方式も可能である。
【0037】染料転写方式の加熱手段は、大別して、熱
ヘッドによる方法と、レーザ光と、レーザ光の波長領域
を含む波長領域に吸収を示し、光エネルギーを熱エネル
ギーに変換する材料(光熱変換体)(図示せず)とレー
ザ光とを組み合わせる方法とが挙げられる。
【0038】レーザ光を使用する場合には、解像度が著
しく向上すると共に、レーザ光密度を光学系で大きくす
ることにより集中的な加熱が可能となり、到達温度が上
がり、この結果、熱効率が向上するという特徴がある。
特に、マルチレーザを使用することによって、1画面を
転写する時間は大幅に短縮される。
【0039】但し、光熱変換体は、連続的に光エネルギ
ーのレーザ光を吸収するために耐熱性を十分に満足する
ものでなければならない。従って、この方式に用いる光
熱変換体としては、レーザの発光波長に一致する吸収を
示す金属薄膜、金属薄膜と高誘電率を持つセラミック薄
膜との2層膜等の薄膜系光吸収体を直接転写部に設ける
他に、カーボンブラック、金属微粒子等の微粒子系光吸
収体や、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色
素、シアニン系色素、アントラキノン系色素等の有機系
色素又は有機金属系色素等の如く耐熱性の優れた染料又
は顔料を転写染料に均一に分散して使用してもよい。
【0040】
【発明に至る経過】また、本出願人は、インクシート及
び感熱ヘッドを必要としないで、省電力、小型化及び低
コストを図った他の昇華型カラービデオプリンタを特願
平5−236541号、特願平4−300587号、特願平5−1124
1 号、特願平5−12106 号等において提案している。
【0041】このプリンタの類似構造を図32〜図36によ
って具体的に説明する(但し、図29のヘッドと共通する
部分には共通符号を付す。)と、ヘッド部60は、分散染
料としての固形粉末状の昇華染料42を収納する染料槽41
と、下側に位置する高強度材からなる耐摩耗性の保護層
61と、中央に位置するスペーサ62と、上側に位置するヘ
ッドベース63とによって構成されている。なお、図33
は、図32とは上下を逆にして示したものである。
【0042】そして更に、染料収納槽41内の固形粉末状
の昇華染料42を加熱液化して導く液化染料供給路64と、
この液化染料供給路64に沿って所定間隔毎に複数配置さ
れ、この液化染料供給路64から供給された液化分散染料
22を気化熱によって気化させる各気化部17と、この気化
部内にて染料22の液面下に設けた気化用発熱体65と、そ
れを支える断熱材(ブロック)66と、発熱体65上におい
て染料22の保持及び供給を行う多孔性構造体である小柱
体80の群とを有している。断熱材66の両側面には発熱体
の電極65A、65Bが設けられ、図示省略した構造を介し
て取り出されている(但し、ヒータ68との間の絶縁構造
は図示省略)。
【0043】保護層61は、印画紙50に軽圧で接触する際
に各気化部17の気化穴23内に汚れや塵、埃や異物等が混
入するのを防止する機能を有しており、熱伝導率がよ
く、耐熱性、耐摩耗性に優れたタンタル等の金属系やガ
ラス系の材料によって形成されている。また、保護層61
には、各気化部17の気化穴23の一部になる四角柱状の複
数の穴61aをエッチング技術等の微細加工により形成し
てある。
【0044】スペーサ62は、例えばガラス系やセラミッ
ク系、ポリエチレン系樹脂、タンタル等の金属系で形成
され、材料や厚み及びその組み合わせにより、液化分散
染料22の溶融温度の調整と、保護層61への伝熱による印
画紙50の染料受容層50aの温度の調整とを行う機能を有
している。
【0045】なお、印画紙50は、実際には、セルロース
系の樹脂などによって形成され、分散染料を吸収する染
料受容層50aと、ベース材50bとからなっている。ベー
ス材50bは、耐熱性が強く、非吸湿性の良いポリプロピ
レン層と、ベース紙と、ポリプロピレン層に対するバラ
ンスをとり、印画紙50が反らないようにするための別の
ポリプロピレン層とが積層された構造になっており、ま
た光吸収層(これは省略可能である。)が設けられてい
てもよい。
【0046】スペーサ62には、図32、図33、図35に示す
ように、各気化部17の気化穴23の一部になる四角柱状の
複数の穴62aをそれぞれ形成していると共に、染料収納
槽41(イエロー用41Y、マゼンタ用41M、シアン用41
C)側からヘッドベース63の他端側に延びて各気化部17
の気化穴23に連通する複数の溝穴(染料供給路)64を形
成している。
【0047】更に、保護層61とスペーサ62との間には染
料液止め層67が設けられている。この染料液止め層67
は、耐熱性があって化学的に安定しているフッ素系やシ
リコン系の樹脂材料によって形成され、液化分散染料22
が保護層61の壁面を経由して外部へ漏れて印画紙50の染
料受容層50aに付着するのを防止するものである。
【0048】また、図32、図33、図34に示すように、液
止め層67には、各気化部17の気化穴23の一部になる四角
柱状の複数の穴67aをそれぞれ形成している。なお、保
護層61と染料液止め層67とスペーサ62とは、耐熱性があ
る接着剤でそれぞれ接着されている。
【0049】ヘッドベース63は、融点が高く、熱成形性
がなく、低熱伝導性である例えばガラス、セラミックス
等によってなるべく薄く形成されている。また、図33に
示すように、ヘッドベース63の各染料収納槽41側には、
各液化染料供給路64に連通する供給口(接続穴)43を形
成している。
【0050】更に、ヘッドベース63の各液化染料供給路
64側の面には、各染料槽41内まで板状のヒータ(発熱
体)68を取り付けている。このヒータ68は、例えばカー
ボン又はシリコン系化合物で形成され、通電により50℃
〜300 ℃の熱を発して固形粉末状の分散染料42を液化す
ると共に、液化状態で保温する機能を有する。
【0051】図32に示すように、ヒータ68の一方の端部
は、上方に垂直に折り曲げられて各染料収納槽41内に挿
入されていると共に、その他方の端部は各液化染料供給
路64の終端部側迄延びている。また、図36に示すよう
に、ヒータ68はヘッドベース63の全面に配置されてお
り、スペーサ62及び保護層61を保温して印画紙50の染料
受容層50aも加熱できるようになっている。
【0052】図32〜図36に示した上記のプリンタヘッド
60によれば、図29〜図31に示したプリンタヘッド40で述
べた特長を有している上に、このプリンタヘッド40と比
較すると、以下に述べるような利点を有している。
【0053】まず、各気化部17における気化のための染
料加熱は、レーザ光Lを使用するのではなく、各気化部
に設けた発熱体65の発熱によって行っているので、高価
な半導体レーザ(特に並列に複数本設けるマルチレーザ
アレイ)の代わりに低コストの発熱体の使用が可能とな
り、また、気化効率はレーザの電気光変換効率に依存せ
ずにヒータの発熱を直接利用することになり、全体とし
ての効率が向上する。
【0054】しかしながら、本発明者がプリンタヘッド
70について検討を加えた結果、次に述べるような改善す
べき点が残されていることを見出した。
【0055】即ち、上記のプリンタヘッド60にあって
も、先に図28で説明したサーマルヘッドにおけると同様
に、コントロールICへの熱(80〜200 ℃に及ぶ)の伝
達による信頼性低下や、大きな放熱板による装置小型化
に対する障害に対処する手立てを講じておらず、従って
サーマルヘッドと同様の問題点を孕んでいる。
【0056】図28で説明したサーマルヘッドにあって
は、熱源が発熱体層54のみであるので、発熱体層54とこ
れに接続する個別電極55及び共通電極56とをセラミック
ス基板52上に配し、コントロールIC160 をプリント基
板152 上に配している。このようにして、発熱体層54と
コントロールIC160 とを別個の基板上に配して放熱板
51上で互いに充分に離間させている。
【0057】これに対し、上記の記録ヘッド40、60にあ
っては、熱源として、染料気化用のレーザ光L又は発熱
体65のほかに、固形染料液化用及び液化染料保温用のヒ
ータ26又は68が在り、これらの熱源からのコントロール
ICへの熱の伝達を防ぐには、上記のサーマルヘッドの
ような構造としただけでは、ヘッドを著しく大型にしな
い限り不充分である。
【0058】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであって、前述した熱転写記録方
式の特長を有し、しかも制御手段(例えばコントロール
IC)の熱的ダメージを防止し、かつ、前記のサーマル
ヘッドにおけるような大きな放熱板が必要なくて装置の
小型化を可能とする記録方法及び記録装置を提供するこ
とを目的としている。
【0059】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録材を加熱
手段によって加熱し、この加熱された記録材を被記録体
へ移行させて記録を行うに際し、熱源が存在する記録装
置本体に、断熱手段と、この断熱手段上に位置する放熱
手段とを設け、前記加熱手段を制御するための制御手段
を前記放熱手段上に配して記録を行う記録方法に係る。
【0060】本発明において、断熱手段を記録装置本体
上に設けることができる。
【0061】本発明において、上記に替えて、断熱手段
を記録装置本体自体によって形成することもできる。
【0062】また、本発明において、記録材を収容する
記録装置本体の外面に断熱手段を配することができる。
【0063】また、本発明において、断熱材上に放熱材
を設け、この放熱材上に、配線を施した電気的絶縁材を
設け、前記配線に加熱手段制御の集積回路装置を接続す
ることが望ましい。
【0064】また、本発明において、断熱手段を、記録
材を収容する記録装置本体自体によって形成することも
できる。
【0065】また、本発明において、記録装置本体に記
録材を保持した記録材飛翔部と加熱手段とを設け、この
加熱手段と集積回路装置からの配線とを接続することが
望ましい。
【0066】また、本発明において、被記録体に間隙を
隔てて位置する記録材移行部から、前記間隙を通して記
録材を前記被記録体へ移行させることが望ましい。
【0067】また、本発明において、加熱手段として発
熱体を用いることができる。
【0068】また、本発明において、上記に替えて、加
熱手段としてレーザ光を用いることができる。
【0069】本発明はまた、記録材を加熱してこの加熱
された記録材を記録材移行部から被記録体へ移行させて
記録を行うように構成され、前記記録材を前記記録材移
行部へ供給するための記録材供給部を具備しかつ熱源が
存在する記録装置本体と、前記記録材移行部にて前記記
録材を加熱する加熱手段と、この加熱手段の駆動を制御
する制御手段と、前記記録装置本体に設けられた断熱手
段と、この断熱手段上に設けられた放熱手段とを有し、
前記制御手段が前記放熱手段上に設けられている記録装
置をも提供するものである。
【0070】本発明に基づく記録装置において、記録装
置本体の外面に断熱手段が配されるよう構成することが
できる。
【0071】また、本発明に基づく記録装置において、
上記に替えて、記録装置本体が断熱材で形成されるよう
に構成することもできる。
【0072】また、本発明に基づく記録装置において、
記録材を収容する記録装置本体の外面に断熱手段が配さ
れるように構成することが望ましい。
【0073】また、本発明に基づく記録装置において、
断熱材上に放熱材が設けられ、この放熱材上に配線を施
した電気的絶縁材が設けられ、前記配線に加熱手段制御
の集積回路装置が接続されるように構成することが望ま
しい。
【0074】また、本発明に基づく記録装置において、
記録材を収容する記録装置本体が断熱材によって形成さ
れるように構成することもできる。
【0075】また、本発明に基づく記録装置において、
記録装置本体に記録材を保持する記録材飛翔部と加熱手
段とが設けられ、この加熱手段と集積回路装置からの配
線とが接続されるように構成することが望ましい。
【0076】また、本発明に基づく記録装置において、
被記録体に間隙を隔てて記録材移行部が位置し、記録材
を前記記録材移行部から前記間隙を通して前記被記録体
へ移行させるように構成されていることが望ましい。
【0077】また、本発明に基づく記録装置において、
液状記録材を被記録体へ飛翔させて記録を行う記録材飛
翔葉構造体が記録材移行部に設けられていることが望ま
しい。
【0078】また、本発明に基づく記録装置において、
毛細管現象によって液状記録材を開口側に供給しかつ保
持するように記録材飛翔用構造体が構成されていること
が望ましい。
【0079】上記において、毛細管現象を生ずる多孔性
構造物が記録材飛翔用構造体に設けられているように構
成することが望ましい。
【0080】上記において、多孔性構造体が小柱体の集
合体によって形成されていることが望ましい。
【0081】また、本発明に基づく記録装置において、
記録材供給部上に記録材飛翔用構造体が一体に設けられ
ている構造とするのが、装置製造上で有利である。
【0082】また、本発明に基づく記録装置において、
上記に替えて、記録材飛翔用構造体が記録材供給部内に
取付けられている構造とすることもできる。
【0083】また、本発明に基づく記録装置において、
加熱手段が発熱体であり、この発熱体に電圧を印加して
記録材を加熱するように構成することができる。
【0084】また、本発明に基づく記録装置において、
上記に替えて、加熱手段がレーザであり、このレーザか
らレーザ光を照射して記録材を加熱するように構成する
こともできる。
【0085】更に、本発明に基づく記録装置において、
液状記録材が、気化又はアブレーションして前記液状記
録材と非接触状態で対向配置された被記録体へ飛翔する
ように構成することが望ましい。
【0086】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明が以下の実施例に限定されるものではないことは勿
論である。
【0087】図1はフルカラーのプリンタヘッドを示
し、同図(a)は部分平面図、同図(b)は同図(a)
のb−b線断面図、同図(c)は左側面図である。この
例によるプリンタヘッドは、図4に断面図(図1(a)
のIV−IV線断面図)に示す構造としている。
【0088】耐熱性高分子材料(この例ではポリイミ
ド)からなるベース263 上にサブシャーシ264 が固着さ
れ、更にその上にヘッドチップ201 が搭載されてプリン
タヘッド70が構成される。サブシャーシ264 は、セラミ
ックスからなり、予め所定の形状に成形され、ベース26
3 の成形時にこれにインサートされて一体になる。ヘッ
ドチップ201 の構造については、後に図5、図6によっ
て説明する。
【0089】ベース263 には液化染料22を貯溜する染料
溜め215 が形成されている。サブシャーシ264 には染料
供給路84が形成されていて、染料供給路84から分岐した
染料導入口84’がヘッドチップ201 の各気化部77に染料
を導くようにしてある。染料溜め215 と染料供給路84と
は、第一の染料導入路218(ベース263 に形成)並びに第
二の染料導入路219 及び第三の染料導入路220(いずれも
サブシャーシ264 に形成)によって接続されている。
【0090】サブシャーシ264 上には固形分散染料42を
収納する染料収納槽41が載設され、サブシャーシ264 の
染料供給路底板206 に被着されたヒータ68がL字形に折
曲し、その折曲部が染料収納槽41中に突入していて、固
形分散染料42が液化し、液化染料22が染料供給口43を通
って染料溜め215 に供給される。
【0091】次に、ヘッドチップ201 の構造を、図5、
図6によって説明する。図5はヘッドチップ201 及びこ
れに隣接するサブシャーシ部分の断面図(図6のV−V
線断面図)、図6はヘッドチップの平面図である。
【0092】このヘッドチップ201 の染料気化部77にお
いては、厚さが例えば6〜15μmのSiO2 層からなる
絶縁板73に染料収容部87が凹状に形成され、この収容部
に絶縁板73の微細加工による幅及び径が例えば1〜2μ
mの微細な小柱体80の群が気化構造体101 の一部として
設けられている。
【0093】この小柱体80は、収容部87の底面からその
上面に至るまでの高さに設けられ、かつ、各小柱体間に
は微小空隙92を有しており、この空隙によって全体とし
て多孔性構造を構成している。空隙92は、その毛細管作
用によって収容部87内で液化染料22を保持すると同時
に、プリンタの1ドット分の時系列的動作に必要な十分
な量の液化染料22を上方(気化面又は液面)へ供給する
作用をなすものである。
【0094】そして、この小柱体80の下面に接して、小
柱体群の領域のほぼ全域に亘って厚さが例えば1μm又
はそれ以下の発熱体75が設けられている。
【0095】発熱体75はカーボンやポリシリコン等のシ
リコン系化合物で染料収容部87の底面上に形成されてい
て、その両側には一対のアルミニウム電極94と95が設け
られている。
【0096】電極94−95間にはマトリックス駆動によっ
て画像信号に基づく信号電圧が印加され、これによる通
電で発熱体75において50〜500 ℃の発熱を生じ、この熱
で液化染料22を効率良く加熱して気化させるものであ
る。そして、絶縁板73下に石英ガラスからなるスペーサ
82が一体化して設けられているために、スペーサ82が断
熱材として作用し、上記の発熱体75による熱は殆ど放散
されることはない。
【0097】スペーサ82には、液化染料22の供給通路84
が形成され、これが染料導入口84’として染料収容部87
の底面に開口している。従って、液化染料22は、連続的
に染料供給路84及び導入口84’を介して染料収容部87内
に導入され、気化構造体101へ供給されることになる。
【0098】ここで注目すべきことは、上記の絶縁板73
はスペーサ82上に一体化されていることである。この一
体化構造は、絶縁板73又はスペーサ82が単独である場合
に比べて肉厚であって、機械的強度が大きくなってい
る。
【0099】従って、染料収容部87や小柱体80、更には
染料通路84等を加工するときの機械的強度が十分とな
り、割れや破壊を生じることなく、取扱い性、加工性及
び信頼性、更には歩留り及びコストパフォーマンスを向
上させることができる。
【0100】また、小柱体80及び染料収容部87をスペー
サ82上での絶縁板73のパターニングによって形成し、こ
のパターニング後にそのまま残して気化構造体101 を形
成できるから、これを接着剤によって個々に固定する必
要はなくなり、パターニング時の位置合わせのみでよい
ために小柱体80及び染料収容部87、更には導入口84’の
位置合わせを容易かつ高精度に行え、記録特性を改善す
ることができる。
【0101】そして、スペーサ82は更に、サブシャーシ
264 に接合、固定されているので、この底板102 が補強
材として作用し、ヘッドの機械的強度が一層十分となっ
ている。
【0102】上記の電極94及び95は発熱体75と共にスペ
ーサ82の上面に設けられるが、それら電極94及び95を含
む上面には、フッ素系又はシリコン系樹脂からなる染料
液止め層97が各気化部77を囲むように帯状に設けられ、
液化染料22の上方への漏れを防止している。更にこの液
止め層97上には、既述した保護層61と同等のタンタルや
ガラス等からなる保護層91が設けられている。
【0103】上記のように構成された染料気化部77は、
図5及び図6では1ドット分示したが、ヘッドチップ20
1 において実際には、図34〜図36に示したと同様に、フ
ルカラー用として各色(イエローY、マゼンタM、シア
ンC)毎に複数ドットが配置される。従って、この場
合、図5及び図6の構造がライン状に配設される。これ
らの各気化部には、各染料溜め215 から染料供給路84を
経て各色の液化染料が供給される。
【0104】そして、印画紙50をカラー印画する際に、
画像信号に応じて発熱体75により熱が発生する。この気
化熱により、各気化部の染料が気化し、保護層91の穴91
aを通り、印画紙50の受容層50aにY、M、Cの順で転
写される。
【0105】図1(a)、(b)に示すように、この例
によるヘッドチップ201 は、図32に示したヘッド60と同
様、染料22を加熱して間隙を通して印画紙50へ飛翔させ
る熱転写方式のものであるから、既述した小型化、保守
容易性、即時性、画像の高品位化、高階調性等の特長を
有している。
【0106】なお、小柱体80や各層73、82、102 は、ガ
ラスで形成したが、他の材質でも形成可能である。例え
ば、ポリイミド等の高分子材、セラミックス系、シリコ
ン系、金属系等又はこれらの組み合わせで形成すること
もできる。高分子材で形成できるのは、ヘッドチップ20
1 を印画紙50に対して押し付けない構造としているた
め、大きな圧力を受けないことに依るものであり、ま
た、発熱体75の作動時に熱放散も少なく、熱的絶縁性が
良好となる。
【0107】この例で注目すべきことは、発熱体75の駆
動を制御する集積回路装置(以下、コントロールICと
略称する)を、サブシャーシ264 上に断熱層及び放熱層
を介して取り付けていることである。
【0108】染料溜め 215Y、 215M、 215Cは、液化
染料をヘッドチップ201 の気化部へ常に供給できるよう
にするためのものであり、従って上記染料溜めを内蔵す
るサブシャーシ264 はヘッドチップ201 よりも著しく大
きく、かつ、熱源になるヒータ68を有する。そこで、図
1に示すように、サブシャーシ264 上にポリイミドから
なる断熱層205 を接着し、断熱層205 上に銅膜(アルミ
ニウム膜でも良い)204 を被着し、所定形状にしたフレ
キシブルプリントサーキット(以下、FPCと略称す
る)203 を銅膜204 上に接着し、FPC203 上にコント
ロールIC202 をフェースダウンボンディングによって
電気的に接続、固定する。
【0109】そして、図1(a)の部分拡大図である図
2及び図1(b)の部分拡大図である図3に示すよう
に、FPC203 のポリイミド製ベースフィルム 203b上
の配線203aと発熱体の電極94、95とを、金線207 によ
ってワイヤボンディングして電気的に接続する。このワ
イヤボンディングのため、FPCのベースフィルム 203
bは、可撓性を損なわない限度で厚くしている。図3中
の 202aはコントロールIC202 のフェースダウンボン
ディング用の半田バンプ、図2中の206 はコントロール
IC202 の信号入力用のFPC、 206aは配線、 206b
はベースフィルムである。なお、FPC206 へ接続する
信号出力手段(コントロールIC制御手段)は図示省略
してある。
【0110】図4、図5の発熱体75及び染料液化、保温
用ヒータ68の熱は、サブシャーシ264 を経由して断熱層
205 に伝達するが、断熱層205 によって銅膜204 への伝
達が抑制される。銅膜204 へ僅かに伝達した熱は、銅膜
204 の露出部分 204aに伝わり、此処で大気に放出され
る。従って、サブシャーシ264 に上記のような熱源が存
在していても、コントロールIC201 への熱伝達が防止
され、コントロールICが昇温してダメージ(熱による
誤動作又は破壊、配線の断線、熱によるトランジスタの
抵抗変化等)を受けることがなく、信頼性、耐久性が著
しく改善される。
【0111】また、図5で説明したように、気化部77は
既に液化している染料を気化、飛翔させて記録を行うよ
うにしているので、染料の飛翔時と非飛翔時とでの染料
の温度差を大きくとる必要がなく、放熱手段としては、
銅膜204 のように薄肉のもので済む。図28に示したサー
マルヘッドにあっては、インクの転写時にはインクシー
トのインクを融解し、非転写時には上記インクを完全に
固化した儘の状態を保持する必要があるので、転写時と
非転写時とで発熱体層の温度差を大きくせねばならず、
放熱板51を厚肉にして熱容量を大きくせねばならない。
従って、図5に示したヘッドチップ201 の構造が、プリ
ンタヘッドの小型化を可能にする所以である。
【0112】また、ヘッドチップ201 をサブシャーシ26
4 と別体に作製しておいて、両者を接合することによ
り、微細加工を施して発熱体や小柱体の群を設けたヘッ
ドチップを小型にでき、その製造原価を低減することが
できる。
【0113】図2のコントロールICのレイアウトで
は、各気化部の発熱体を1個のコントロールICで制御
している。このほか、図7に概略図示するように、Y、
M、Cの色毎に例えば24個並んだ気化部77を3つのグル
ープに分け、これらのグループ毎に、図2に示したと同
様の1個のコントロールICを配し、1個のコントロー
ルIC 202P、 202Q、 202RとY、M、Cの色毎の8
個の発熱体電極と夫々FPC 203P、 203Q、 203Rに
よって接続することができる。
【0114】図2、図7のコントロールICのレイアウ
トは、図2に示したように各発熱体電極を平面的に配置
することができ、発熱体電極のパターニングが簡単にな
る。
【0115】更に、図8に概略図示するように、Y、
M、Cの各色毎の気化部への発熱体電極について専用の
コントロールIC 202Y、 202M、 202Cによって駆動
制御すると、この駆動制御が簡単になり、各コントロー
ルICへの信号出力手段(各コントロールICの制御手
段(図示省略))の設計が簡単になる。但し、この場合
は、各発熱体電極を平面的に配置することができなくな
り、これら電極を多層配線にする必要がある。
【0116】FPC203 と電極94、95とのワイヤボンデ
ィングによる接続は、図9に示す方法を採ることができ
る。図9の接続では、電極94(95)に臨むスルーホール
73aを絶縁板73に設け、スルーホール73aに金属を充填
し、充填金属73b上にアルミニウムのパッド73cを蒸着
やスパッタによって形成し、パッド73cとFPCの配線
203aとを金線207 によってワイヤボンディングしてい
る。
【0117】FPC203 と電極94、95との接続は、ワイ
ヤボンディングに替えてビームリード方式を採用するこ
とができる。即ち、図10に示すように、FPC203 のベ
ースフィルム 203bを先端縁部で切除し、この切除部で
突出する配線 203aの部分をパッド73cに熱圧着する。
この接続方式では、ワイヤボンディング用の金線(図
3、図9の207)が不要になり、接続部の高さを小さくし
て印画線の邪魔にならぬようにするのが容易になる。
【0118】コントロールICとFPCとの接続は、フ
ェースダウンボンディングに替えてワイヤボンディング
によることができる。即ち、図11及び図11の XII−XII
線拡大断面図である図12に示すように、コントロールI
C302 の端子 302aとFPC303 、306 の配線 303a、
306aとを金線307 でワイヤボンディングし、コントロ
ールIC302 とボンディング部とをモールド樹脂208 で
封止する。但し、図11ではモールド樹脂208 は図示省略
してある。この接続法によれば、コントロールIC302
のFPC303 、306 に対する位置合わせを、フェースダ
ウンボンディングによる程には高精度にしなくても済
み、接続作用が容易になる。
【0119】以下の各実施例は、図5、図6に示した液
化染料の気化の機構に更に改良又は変形を加えた実施例
である。
【0120】図13〜図15はヘッドチップ及びこれに隣接
するサブシャーシを示し、図13は断面図(図14のXIII−
XIII線断面図)、図14はヘッドチップの平面図、図15は
図13の部分拡大図である。なお、ヘッドチップ以外は、
図1〜図4に示した前記の実施例と異なるところはな
い。
【0121】このヘッドチップ201 の染料気化部77にお
いては、厚さが20μm以下、例えば6〜15μmのSiO
2 層からなる絶縁板73に染料収容部87が凹状に形成さ
れ、この収容部に絶縁板73の微細加工による幅及び径が
10μm以下(例えば1〜2μm)、間隔が20μm以下
(例えば1〜2μm)、高さが20μm以下(例えば6〜
15μm)の微細な小円柱状の小柱体80の群が気化構造体
101 の一部として設けられている。
【0122】この小柱体80は、収容部87の底面からその
上面に至るまでの高さに設けられ、かつ、各小柱体間に
は微小空隙92を有しており、この空隙によって全体とし
て多孔性構造を構成している。空隙92は、その毛細管作
用によって収容部87内で液化染料22を保持すると同時
に、プリンタの1ドット分の時系列的動作に必要な十分
な量の液化染料22を上方(気化面又は液面)へ供給する
作用をなすものである。
【0123】そして、この小柱体80の群は左右の2つに
分けられ、その中間の小柱体のない領域において染料収
容部87の底面に厚さが例えば1μmの発熱体75が局部的
に矩形状に設けられている。従って、発熱体75は小柱体
80とは別々の領域に互いに分離して設けられている。そ
して、発熱体75は、次のような位置に配されている。
【0124】即ち、気化構造体101 において発熱体75
が、ベース材としてのスペーサ82の表面82Aを部分的に
突出させてなる幅細の突出部82Bの上面82Cに設けられ
ている。従って、小柱体80とスペーサ表面82Aとの中間
高さhのレベルに設けられている。突出部分82Bはスペ
ーサ82と一体のものであり、その上面82Cと同じ高さレ
ベルhにおいて発熱体75の一対の電極94、95が設けられ
ている。
【0125】スペーサ82上に、多孔性構造体である小柱
体80の群と発熱体75とが互いに分離されて夫々設けられ
ている(しかも、下地に断熱材としても機能するスペー
サ82が存在している)ので、発熱体75から生じる熱は多
孔性構造体へは実質的に逃げること(周囲への放熱又は
熱放出が生じること)はなく、また、発熱体75の表面は
その上に多孔性構造体は存在していないために染料22の
加熱に直接用いられ、十分に活用できることになる。こ
れによって、発熱体75による染料22に対する加熱効率を
高め、その気化効率を高めて記録性能を向上させること
ができる。
【0126】また、発熱体75が作動しない非加熱時に
は、染料22の熱を多孔性構造体を経由して周囲へ放出で
きるため、効果的に染料22の冷却を行うことができる。
【0127】そして、多孔性構造体(小柱体80の群)は
発熱体75とは分離されているため、隣接して配されてい
ても、多孔性構造体には加熱による熱的ストレスが実質
的に加わることはなく、その破損が発生せず、信頼性を
向上させることができる。また、多孔性構造体の占有面
積又は量を減らし、その加工等がより容易となる。
【0128】また、発熱体75が作動しない非加熱時に
は、染料22の熱を多孔性構造体を経由して周囲へ放出で
きるため、効果的に染料の冷却を行うことができる。
【0129】更に、前述したように、発熱体75がスペー
サ82の突出部分82B上に設けられることによって、発熱
体から発生する熱は幅細の突出部分82Bを介してしか伝
達されないので、その熱がスペーサ82側へ伝達される面
積が小さくなっている。発熱体をスペーサ82の表面に直
接設けた場合には、発熱体の熱がスペーサ82(これは断
熱材として作用する。)側へだけでなく横方向にも伝達
されるが、本例の場合は突出部分82Bを介するためにス
ペーサ82側への伝熱量が減少することになる。
【0130】この結果、発熱体75が小柱体80とは分離さ
れて設けられていることによる上述した作用効果(即
ち、小柱体80を通しての放熱がなく、また、小柱体80の
熱的ストレスを抑制すること、及び小柱体80の加工容易
性、その量の削減)が得られるのは勿論であるが、これ
に加えて、上記した突出部分82Bによる伝熱の抑制で、
発熱体75による加熱効率を更に向上させることができ
る。
【0131】しかも、発熱体75は突出部分82Bの上面82
Cに設けられ、染料22の液面の近くに存在しているた
め、発熱体75の熱は染料気化を直接左右する液面領域を
効率的に加熱することにより、染料22の気化効率を一層
向上させることができる。即ち、発熱体75の表面(熱を
発生する面)を十二分に活用することが可能となる。
【0132】また、上記突出部分82B上には小柱体80と
の間に段差部分110 が存在しているので、ここに染料22
を効果的に保持、供給でき、かつ、段差部分110 へは一
方向からでも染料を供給できるので、その導入口84’も
1つですみ、またその位置もあまり制約されない。
【0133】この実施例において上記の発熱体75の幅
(突出部分82Bの幅)w及びその高さhは種々に選択し
てよいが、上記した加熱効率の点で(2/3)h≧w≧
(1/3)hなる関係を満たしているのがよい。例え
ば、h=6μm、w=3μmであってよい。なお、小柱
体80の高さは20μm以下、径は10μm以下、間隙92は20
μm以下としてよい。
【0134】図16は、他の実施例によるヘッドチップを
示す、図6、図13と同様の平面図である。
【0135】図16のヘッドチップは、図6の例と比べ
て、発熱体75が蛇行状パターンに形成され、このパター
ン間及び周囲に小柱体80が設けられている点が異なり、
他の部分は、図14の実施例と同様に構成されている。
【0136】従って、この例にあっても、発熱体75と小
柱体80とは互いに分離して設けられるために、図13〜図
15の例と同様の作用効果が得られると共に、発熱体75が
蛇行状であることから染料に対する加熱領域を拡げ、均
一な加熱を行うことができる。
【0137】図17、図18は、更に他の実施例によるヘッ
ドチップを示し、図17はヘッドチップ及びこれに隣接す
るサブシャーシ部分の断面図(図18のXVII−XVII線断面
図)、図18はヘッドチップの平面図である。
【0138】このプリンタヘッドは、図5及び図6並び
に図13及び図14に示した例と比べて、染料収容部87にお
いて小柱体80の上方に、気化穴75aを有する発熱体75を
ブリッジ状に設けていることが異なり、他は同様に構成
されている。
【0139】即ち、発熱体75は小柱体80の上面に、電極
94及び95は絶縁板73の上面に形成されているので、発熱
体75の下部に(これより深い位置に)多孔性構造として
の小柱体80が設けられることになる。従って、この発熱
体75は、収容部87内の液化染料22の表面域において液化
染料22の表面に接するか或いはこの表面下に少なくとも
部分的に浸漬されるが、後者の状態の方が気化及び供給
効率の面で望ましいと言える。
【0140】この場合、発熱体75には、小柱体80の間隙
92が存在しない領域に多数の気化穴75aが形成されてお
り、小柱体80の空隙92の毛細管作用に加えて気化穴75a
の毛細管作用も発揮されるため、染料の保持と供給、更
には加熱・気化を効果的に行うことができる。
【0141】図19、図20は、更に他の実施例を示し、図
19はヘッドチップ及びこれに隣接するサブシャーシ部分
の断面図(図20の XIX−XIX 線断面図)、図20はヘッド
チップの平面図である。
【0142】この例は、レーザ光照射による加熱方式の
プリンタに関するものであって、図5及び図6、図13及
び図14、図16並びに図17及び図18に示した例と比べて、
染料収容部87をスペーサ82に直接設けていること、及び
発熱体を配設せずにレーザ18によるレーザ光Lで加熱を
行うことにおいて異なり、他は同様に構成されている。
【0143】即ち、スペーサ82には、染料供給通路84及
び導入口84’を設けると共に、その上面に染料収容部87
及び小柱体80を形成している。この構造もやはり、スペ
ーサ82自体は肉厚化され、機械的強度が大きくなってい
る。
【0144】従って、染料収容部87や小柱体80、更には
染料通路84等を加工するときの機械的強度が十分とな
り、割れや破壊を生じることなく、取扱い性、加工性及
び信頼性、更には歩留り及びコストパフォーマンスを向
上させることができる。
【0145】また、小柱体80及び染料収容部87をスペー
サ82のパターニングによって形成できるから、パターニ
ング時の位置合わせのみでよいために小柱体80及び染料
収容部87、更には導入口84’の位置合わせを容易かつ高
精度に行え、記録特性を改善することができる。
【0146】そして、スペーサ82は更に、石英ガラス板
からなる底板102 に接合、固定されているので、この底
板102 が補強材として作用し、ヘッドの機械的強度が一
層十分となっている。
【0147】この例によるプリンタヘッドにあっては、
図1(a)と同様の断面図である図21に示すように、下
方に位置する半導体レーザ18、18、18にFPC203 の配
線を接続し、コントロールIC202 によって各半導体レ
ーザ18の駆動を制御する。
【0148】液化染料の気化は、発熱体とレーザ光との
双方によって行うようにすることができる。図22はこの
ようにした実施例によるプリンタヘッドの図21と同様の
断面図である。この例では、ヘッドチップ201 に、図
5、図6に示した発熱体内蔵のヘッドチップを用い、か
つ、図21におけると同様の半導体レーザ18、18、18を配
設している。そして、コントロールIC202 は、FPC
203 を介してヘッドチップ201 の電極(図6の94、95)
と各半導体レーザ18との双方に電気的に接続し、発熱体
と半導体レーザとを併せて駆動制御する。
【0149】上記のように、発熱体と、半導体レーザか
らのレーザ光照射との双方によって液化染料を気化させ
ることにより、両者のいずれか一方によって液化染料を
気化させるのに較べて、両者への印加電圧を共に低くす
ることができ、発熱体と半導体レーザとの負担が共に軽
くなり、これらの寿命が延長される。なお、この例にあ
って、ヘッドチップ201 として、図13〜図15のヘッドチ
ップ、図16のヘッドチップ、図17、図18のヘッドチッ
プ、更には次に説明する図23のヘッドチップのいずれも
が採用可能である。
【0150】図23は、更に他の実施例によるヘッドチッ
プ及びこれに隣接するサブシャーシ部分を示す拡大断面
斜視図である。
【0151】このヘッドチップは、前記の各プリンタヘ
ッドとは異なり、先に図32〜図36で説明した気化部構造
と類似の気化部構造としている。即ち、図23に示すよう
に、気化部の一部になる四角柱状の複数の穴62a内に、
気化構造体101 を断熱材ブロック66と共に取り付けてい
る。このような構造により、気化構造体の発熱体75への
パルス電圧の繰り返し印加に対して耐熱性が充分であ
る。
【0152】このヘッドチップ201 は、図23に示すよう
に、図33に示した例と比べると、気化部17において断熱
材66及び発熱体75(更には小柱体80の群)からなる気化
構造物101 が形成されている点では同様であるが、基本
的に異なることは、小柱体80の群が発熱体75とは分離し
て設けられていることである。
【0153】即ち、発熱体75は、断熱材ブロック66の上
面66Aにおいて一方端から他方端にかけて局部的に矩形
状に設けられていると共に、小柱体80の群は発熱体75の
両側において発熱体75とは分離されて設けられている。
【0154】このように構成することによって、図13〜
図15の実施例におけると同様に、発熱体75の熱は小柱体
80を介して逃げることはなく、効率よく加熱に用いるこ
とができ、小柱体80の群の毛細管作用による染料の保持
及び供給効率と発熱体75上の段差部分110 での染料の保
持効果によって染料を十二分に気化させ、供給すること
ができる。
【0155】しかも、発熱体75の熱は小柱体80へ直接伝
わることはないから、小柱体80が熱的ストレスにより破
損することもない。
【0156】なお、小柱体80及び発熱体75のサイズ、間
隔、厚み等は、上記した図13〜図15の実施例で述べたも
のと同じであってよい。また、この実施例のヘッドチッ
プ201 においては、発熱体75の電極94A、95Aは断熱材
66の側面上からその周辺域へ延び、またそれらの電極94
A、95A上には配線メタル94B、95Bが設けられ、これ
ら配線メタルはコントロールIC(図1の202)に接続し
ている。
【0157】また、断熱材ブロック66は接着剤111 によ
って、染料液化用ヒータ68を設けたベース63に固定され
ている。染料収容部17を形成したスペーサ62は接着剤11
2 によってベース63上に固定されるが、染料収容部17内
に気化構造物101 が位置するようにしておく。なお、ス
ペーサ62上には、液止め層67及び保護層61を帯状に設け
ている。
【0158】なお、小柱体80や各層62、63は、ガラスで
形成したが、他の材質でも形成可能である。例えば、ポ
リイミド等の高分子材、セラミックス系、シリコン系、
金属系等又はこれらの組み合わせで形成することもでき
る。高分子材を使用できるのは、プリンタヘッド70を印
画紙50に対して押し付けない構造としているため、大き
な圧力を受けないことに依るものであり、また、発熱体
75の作動時に熱放散も少なく、熱的絶縁性が良好とな
る。
【0159】また、この例によるヘッドチップ201 によ
れば、気化構造部101 において発熱体75が、下地材とし
ての断熱材ブロック66の表面66Aを部分的に突出させて
なる幅細の突出部66Bの上面66Cに設けられているこ
と、従って、小柱体80と断熱材表面66Aとの中間高さレ
ベルに設けられている。突出部分66Bは断熱材66と一体
のものであり、その上面66Cと同じ高さレベルにおいて
発熱体75の一対の電極94、95が設けられている。
【0160】このように、発熱体75が断熱材66の突出部
分66B上に設けられることによって、発熱体から発生す
る熱は幅細の突出部分66Bを介してしか伝達されないの
で、その熱が断熱材66側へ伝達される面積が小さくなっ
ている。
【0161】この結果、発熱体75が小柱体80とは分離さ
れて設けられていることによる上述した作用効果(即
ち、小柱体80を通しての放熱がなく、また、小柱体80の
熱的ストレスを抑制すること、及び小柱体80の加工容易
性、その量の削減)が得られるのは勿論であるが、これ
に加えて、上記した突出部分66Bによる伝熱の抑制で、
発熱体75による加熱効率を更に向上させることができ
る。
【0162】しかも、発熱体75は突出部分66Bの上面66
Cに設けられ、染料22の液面の近くに存在しているた
め、発熱体75の熱は染料気化を直接左右する液面領域を
効率的に加熱することにより、染料22の気化効率を一層
向上させることができる。即ち、発熱体75の表面(熱を
発生する面)を十二分に活用することが可能となる。
【0163】また、上記突出部分66B上には小柱体80と
の間に段差部分110 が存在しているので、ここに染料22
を効果的に保持、供給でき、かつ、段差部分110 へは一
方向からでも染料を供給できるので、その導入路64aも
1つですみ、またその位置もあまり制約されない。
【0164】その他、小柱体80の群による毛細管作用に
よる作用効果も、上記した各実施例と同様に得られる。
【0165】この例において、上記の発熱体75の幅(突
出部分66Bの幅)w及びその高さhは種々に選択してよ
いが、上記した加熱効率の点で(2/3)h≧w≧(1
/3)hなる関係を満たしているのがよい。例えば、h
=6μm、w=3μmであってよい。なお、小柱体80の
高さは20μm以下、径は10μm以下、間隙92は20μm以
下としてよい。
【0166】なお、この例において、図示省略したが、
図33に示したと同様に、発熱体75を断面材ブロックの表
面66Aに直接設けてもよく(突出部66Bを設けず)、更
に、図16に示したと同様に、発熱体75を蛇行させて設け
てもよい。
【0167】上記した各実施例による各プリンタヘッド
70を有するカラービデオプリンタ200 は、図24に示すよ
うに、縦方向(X方向)の紙送りと、X方向と直交方向
のヘッドの横方向(Y方向)スキャンとによって、印刷
を行うものであり、これらの縦方向の紙送りと横方向の
ヘッドスキャンは交互に行うように構成されている。
【0168】このプリンタ200 において、各色のヘッド
チップ201(Y、M、C)を具備するプリンタヘッド70
は、シリアル型ヘッドとして、送りねじ機構からなるヘ
ッド送り軸201 とヘッド支軸202 により印画紙50の紙送
り方向Xと直交するヘッド送り方向Yに往復移動自在に
してある。
【0169】また、プリンタヘッド70の上側には、印画
紙50を挟むように支持するヘッド受けローラ(プラテン
ローラ)203が回転自在に設けられている。そして、印画
紙50は、紙送り駆動ローラ204 と従動ローラ205 との間
に挟持されて紙送り方向Xに移動するようになってい
る。なお、プリンタヘッド70は、フレキシブルハーネス
206 を介してコントロールIC(図1の202)に接続され
ている。また、紙送り駆動ローラ204 は、メカコントロ
ーラ(図示省略)に接続されている。
【0170】1ラインの印画が終了したら、ヘッド支え
を兼ねた紙送り駆動ローラ203 で印画紙50を1ライン分
送る。印画スタートは1色毎に順次に行われるが、3ド
ット以降は同時に印画される。なお、複数の第一発熱体
75がある場合は、交互に稼働させ、選択された発熱体75
は印画に供される一方、非印画の発熱体75は余熱を利用
して染料の液化や保温に使用し、温度をコントロールす
ることができる。
【0171】図23は、ライン型に構成されたヘッド70を
有するカラービデオプリンタ200 を示すものであり、印
画紙50の幅方向に亘って各色のヘッド部Y、M、Cが並
置されている。
【0172】前述した各実施例は、いずれもフルカラー
のプリンタについての例であるが、次の図26に示すプリ
ンタはモノカラーのプリンタの実施例である。
【0173】図26はモノカラー用プリンタのヘッドチッ
プ及びサブシャーシを示し、同図(a)は平面図、同図
(b)は同図(a)のb−b線断面図である。
【0174】蓋無し箱形のサブシャーシ364 上にヘッド
チップ301 が接着によって固定され、両者に囲まれた空
間に、液化染料22を収容する染料溜め315 が形成され
る。サブシャーシ364 の底壁内面には、ITOの染料保
温用ヒータ368 が被着している。ヘッドチップ301 に
は、例えば図5、図6に示したと同様の染料導入口84’
と気化構造体101 とからなる気化部77が1列に並んで例
えば24個設けられている。
【0175】染料溜め315 中の液化染料22は、染料導入
口84’を経由して気化構造体101 で気化し、記録に供せ
られる。気化部77は、帯状の液止め層97とその上の保護
層91とによって纏めて囲まれている。
【0176】サブシャーシ364 の側壁及び底壁の外面に
はアルミニウム膜(銅膜でも良い)304 が被着してい
る。そして、アルミニウム膜304 の気化部77に近い位置
から気化部77近傍に至るサブシャーシ364 及びヘッドチ
ップ301 の領域に、FPC303が接着によって固定さ
れ、FPC303 のアルミニウム膜304 上の箇所にコント
ロールIC302 がマウントされている。ヘッドチップ30
1 及びサブシャーシ364 の材料は図1の例におけるそれ
らと同じである。この例では、サブシャーシ364 自体が
断熱層として機能している。
【0177】この例では、先に図4で示した染料供給路
84を設けておらず、染料溜め315 から直接液化染料を気
化部77に供給するようにしている。しかし、図4と同様
の構造として良いことは言う迄もない。
【0178】コントロールIC302 とFPC303 の配線
とは、前述したような例えばフェースダウンボンディン
グによって電気的に接続し、FPC303 の配線と発熱体
電極とは、前述した例えばワイヤボンディングによって
電気的に接続している。
【0179】この例にあっても、気化部77の発熱体75、
染料保温用ヒータ(固形染料液化用を兼ねる)368 の熱
は、断熱層として機能するサブシャーシ364 によって外
部への伝達が抑制され、サブシャーシ外面に僅かに伝達
した熱は広いアルミニウム膜304 によって放熱されてコ
ントロールIC302 には実質的に伝わらず、コントロー
ルIC302 が熱によってダメージを受けることがなくて
信頼性が保証される。
【0180】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可
能である。
【0181】例えば、放熱のための金属の膜は、前記の
銅やアルミニウムの膜のほかに、鉄その他の金属の膜や
熱伝導性の良好なセラミックス、ガラス、シリコン系の
ものでも良く、これらをヘッドチップやサブシャーシに
貼付けるか、インサートや蒸着によって取り付けても良
い。また、放熱層の表面に微細な凹凸を設けてその表面
積を大きくし、放熱を効果的にすることができる。
【0182】また、ヘッドチップやサブシャーシ、断熱
板の材料には、前記のほかに他の適宜の材料を使用して
良い。例えばサブシャーシの材料には、セラミックスの
ほかにアルミニウム等の金属、高分子材料、シリコン系
樹脂等が使用可能である。
【0183】また、染料溜めに収容される染料は、液化
染料のほか、高粘度の流体染料や粉末状の固形分散染料
であっても良く、これを液化して毛細管現象によって気
化部へ供給するようにもできる。
【0184】また、染料収納槽は、前記した構造以外の
適宜の構造として良く、これに収納される染料等の記録
材は、固形のほか、他の形態(例えば高粘度の流体等)
であって良く、染料収納槽内での物性変化もこれに適応
した変化(例えば固体からスラリー状への変化やスラリ
ー状から液状への変化等)として良い。
【0185】また、上述した発熱体(ヒータ)75の形
状、材質、サイズ等については、種々のもの或いは組み
合わせを採用することができ、ポリ−Siの層とメタル
配線とを両用することや適宜SiNやSiO2 等の絶縁
膜を付着して保護膜を形成することもできる。ベース材
をアルミニウム、セラミックス等の高熱伝導材で形成
し、発熱体75、断熱材、ベース材によってヘッドの熱特
性を調整してもよい。
【0186】また、気化部に形成すべき多孔性構造は、
上述したものに限らず、例えば柱体の場合はその高さ、
平面又は断面形状、密度等を変化させてよいし、また、
その形成箇所も微細パターン化又は多孔質化、或いは表
面積の拡大等が要求される箇所であれば適用可能であ
る。多孔性構造体としては、柱状体以外にも、壁状体
や、図29に示したビーズ集合体、繊維体等で形成したも
のであってもよい。
【0187】また、染料気化型の記録方式に限らず、既
述したアブレーションによる記録方式も可能であり、い
ずれの場合も染料又は記録材が飛翔して転写されるもの
である。
【0188】また、記録材(染料)を収容する記録材収
容部の数やドット数、及びこれに対応した発熱体や気化
部の数は種々変更してよいし、その配列形状やサイズ等
も上述したものに限定されることはない。
【0189】また、染料収容部、染料供給通路をはじ
め、ヘッドやプリンタの構造や形状は、前記以外の適宜
の構造、形状としてよく、記録染料についても、マゼン
タ、イエロー、シアンの3色として(更には、黒を加え
た)フルカラーの記録を行うほか、2色印刷、1色のモ
ノカラー又は白黒の記録を行うことができる。
【0190】また、上述したプリンタにおいて、ヘッド
上方からレーザ光を照射してその下側に位置する被記録
紙に記録を行ってもよいし、この逆方向(下から上)に
記録を行ってもよい。発熱体75を用いる場合も同様であ
る。
【0191】また、本発明は、記録材とこの記録材を溶
解若しくは分散させかつ加熱により体積膨張する物質
(即ち、キャリア)とを含有する記録液を供給し、加熱
により前記記録液の状態を変化させて液滴を生成させ、
この液滴を前記記録ヘッドと対向配置された被記録体へ
移行させるインクジェット方式にも適用可能である。
【0192】
【発明の作用効果】本発明は、熱源が存在する記録装置
本体に、断熱手段と、この断熱手段上に位置する放熱手
段とを設け、加熱手段を制御する制御手段を放熱手段上
に配するようにしているので、断熱手段により、記録装
置本体の熱が制御手段に向かって伝達されることが抑制
される上に、断熱手段を通って熱が伝達されてもこの熱
は放熱手段によって放熱されることにより、制御手段へ
の熱の伝達量が著しく少なくなる(或いは、実質的にな
くなる)。この結果、熱によって制御手段がダメージ
(熱による誤動作又は破壊、配線の断線、熱によるトラ
ンジスタの抵抗変化等)を受けることがなく、良好な記
録が保証される。
【0193】また、上記の構造とすることにより、従来
のサーマルヘッドの放熱構造に比べて、放熱手段の占有
面積又はサイズを小さくして、記録装置の小型化が可能
になる。
【0194】本発明は更に、記録材を加熱手段によって
加熱し、この加熱された記録材を被記録体へ移行させて
記録を行うようにしてるので、既述した保守容易性、即
時性、得られる記録像の高品質化、高階調性の特長を有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるプリンタヘッドを示し、
同図(a)は概略平面図、同図(b)は概略断面図(同
図(a)のb−b線断面図)、同図(c)は概略左側面
図である。
【図2】同図1(a)の部分拡大図である。
【図3】同コントロールIC、FPC及びヘッドチップ
の電気的接続を示す正面図である。
【図4】同プリンタヘッドの断面図(図1(a)のIV−
IV線断面図)である。
【図5】同ヘッドチップの気化部及びこれに隣接するサ
ブシャーシ部分の断面図(図6のV−V線断面図)であ
る。
【図6】同ヘッドチップの気化部及びその周辺の平面図
である。
【図7】本発明の他の実施例によるコントロールICの
レイアウトを示すヘッドチップの概略部分平面図であ
る。
【図8】本発明の更に他の実施例によるコントロールI
Cのレイアウトを示すヘッドチップの概略部分平面図で
ある。
【図9】本発明の更に他の実施例によるFPCとヘッド
チップとの接続を示す正面図である。
【図10】本発明の更に他の実施例によるFPCとヘッド
チップとの接続を示す正面図である。
【図11】本発明の更に他の実施例によるFPCとヘッド
チップとの接続を示す拡大部分平面図である。
【図12】同図11のXI−XI線断面図である。
【図13】本発明の更に他の実施例によるヘッドチップの
気化部及びこれに隣接するサブシャーシ部分の断面図
(図14のXIII−XIII線断面図)である。
【図14】同ヘッドチップの気化部及びその周辺の平面図
である。
【図15】同図13の部分拡大図である。
【図16】本発明の更に他の実施例によるヘッドチップの
気化部及びその周辺の平面図である。
【図17】本発明の更に他の実施例によるヘッドチップの
気化部及びその周辺の断面図(図18のXVII−XVII線断面
図)である。
【図18】同ヘッドチップの気化部及びその周辺の平面図
である。
【図19】本発明の更に他の実施例によるヘッドチップの
気化部及びその周辺の断面図(図20の XIX−XIX 線断面
図)である。
【図20】同ヘッドチップの気化部及びその周辺の平面図
である。
【図21】同プリンタヘッドの図1(b)と同様の概略断
面図である。
【図22】本発明の更に他の実施例によるプリンタヘッド
の図1(b)と同様の概略断面図である。
【図23】本発明の更に他の実施例によるヘッドチップの
気化部及びその周辺の拡大断面斜視図である。
【図24】本発明の実施例によるプリンタヘッドを有する
プリンタの概略斜視図である。
【図25】同プリンタヘッドを有する他のプリンタの概略
斜視図である。
【図26】本発明の更に他の実施例によるプリンタヘッド
を示し、同図(a)は概略平面図、同図(b)は概略断
面図(同図(a)のb−b線断面図)である。
【図27】従来の感熱記録ヘッドを用いたプリンタの要部
正面図である。
【図28】従来の感熱記録ヘッドの断面図である。
【図29】本発明の完成前に案出されたプリンタの概略断
面図である。
【図30】同プリンタのヘッドの分解斜視図である。
【図31】同他のプリンタのヘッドの分解斜視図である。
【図32】本発明の案出前に出願されたプリンタの概略断
面図である。
【図33】同プリンタのヘッドの気化部及びその周辺の拡
大断面斜視図である。
【図34】同プリンタのヘッドの一部分の斜視図である。
【図35】同プリンタのヘッドの他の一部分の斜視図であ
る。
【図36】同プリンタヘッドの一部分の平面図である。
【符号の説明】
18・・・半導体レーザ 22・・・液化染料 32・・・気化染料 42・・・粉末状固形染料 50・・・印画紙 62、82・・・スペーサ 62a・・・染料収容部(穴) 64、84・・・染料供給路 64a、84’・・・染料導入口 66・・・断熱材 68・・・ヒータ 70・・・プリンタヘッド 73・・・絶縁板 75・・・発熱体 77・・・気化部 80・・・小柱体 83・・・染料供給口 91・・・保護層 92・・・空隙 94、95・・・電極 97・・・液止め層 101 ・・・気化構造体 200 ・・・プリンタ 201 、301 ・・・ヘッドチップ 202 、302 ・・・集積回路装置 203 、206 、303 、306 ・・・フレキシブルプリントサ
ーキット 203a・・・配線 204 ・・・銅膜 205 ・・・断熱層 207 ・・・金線 215 ・・・染料溜め 218 、219 、220 ・・・染料導入路 263 ・・・ベース 264 、364 ・・・サブシャーシ 304 ・・・アルミニウム膜 L・・・レーザ光

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材を加熱手段によって加熱し、この
    加熱された記録材を被記録体へ移行させて記録を行うに
    際し、熱源が存在する記録装置本体に、断熱手段と、こ
    の断熱手段上に位置する放熱手段とを設け、前記加熱手
    段を制御するための制御手段を前記放熱手段上に配して
    記録を行う記録方法。
  2. 【請求項2】 断熱手段を記録装置本体上に設ける、請
    求項1に記載された記録方法。
  3. 【請求項3】 断熱手段を記録装置本体自体によって形
    成する、請求項1に記載された記録方法。
  4. 【請求項4】 記録材を収容する記録装置本体の外面に
    断熱手段を配する、請求項2に記載された記録方法。
  5. 【請求項5】 断熱材上に放熱材を設け、この放熱材上
    に、配線を施した電気的絶縁材を設け、前記配線に加熱
    手段制御の集積回路装置を接続する、請求項1に記載さ
    れた記録方法。
  6. 【請求項6】 断熱手段を、記録材を収容する記録装置
    本体自体によって形成する、請求項3に記載された記録
    方法。
  7. 【請求項7】 記録装置本体に記録材を保持した記録材
    飛翔部と加熱手段とを設け、この加熱手段と集積回路装
    置からの配線とを接続する、請求項5に記載された記録
    方法。
  8. 【請求項8】 被記録体に間隙を隔てて位置する記録材
    移行部から、前記間隙を通して記録材を前記被記録体へ
    移行させる、請求項1に記載された記録方法。
  9. 【請求項9】 加熱手段として発熱体を用いる、請求項
    2に記載された記録方法。
  10. 【請求項10】 加熱手段としてレーザ光を用いる、請求
    項2に記載された記録方法。
  11. 【請求項11】 加熱手段として発熱体を用いる、請求項
    3に記載された記録方法。
  12. 【請求項12】 加熱手段としてレーザ光を用いる、請求
    項3に記載された記録方法。
  13. 【請求項13】 記録材を加熱してこの加熱された記録材
    を記録材移行部から被記録体へ移行させて記録を行うよ
    うに構成され、 前記記録材を前記記録材移行部へ供給するための記録材
    供給部を具備しかつ熱源が存在する記録装置本体と、 前記記録材移行部にて前記記録材を加熱する加熱手段
    と、 この加熱手段の駆動を制御する制御手段と、 前記記録装置本体に設けられた断熱手段と、 この断熱手段上に設けられた放熱手段とを有し、前記制
    御手段が前記放熱手段上に設けられている記録装置。
  14. 【請求項14】 記録装置本体の外面に断熱手段が配され
    ている、請求項13に記載された記録装置。
  15. 【請求項15】 記録装置本体が断熱材で形成されてい
    る、請求項13に記載された記録装置。
  16. 【請求項16】 記録材を収容する記録装置本体の外面に
    断熱手段が配されている、請求項14に記載された記録装
    置。
  17. 【請求項17】 断熱材上に放熱材が設けられ、この放熱
    材上に配線を施した電気的絶縁材が設けられ、前記配線
    に加熱手段制御の集積回路装置が接続されている、請求
    項13に記載された記録装置。
  18. 【請求項18】 記録材を収容する記録装置本体が断熱材
    によって形成されている、請求項15に記載された記録装
    置。
  19. 【請求項19】 記録装置本体に記録材を保持する記録材
    飛翔部と加熱手段とが設けられ、この加熱手段と集積回
    路装置からの配線とが接続されている、請求項17に記載
    された記録装置。
  20. 【請求項20】 被記録体に間隙を隔てて記録材移行部が
    位置し、記録材を前記記録材移行部から前記間隙を通し
    て前記被記録体へ移行させるように構成されている、請
    求項13に記載された記録装置。
  21. 【請求項21】 液状記録材を被記録体へ飛翔させて記録
    を行う記録材飛翔用構造体が記録材移行部に設けられて
    いる、請求項13に記載された記録装置。
  22. 【請求項22】 毛細管現象により液状記録材を開口側に
    供給しかつ保持する記録材飛翔用構造体が設けられてい
    る、請求項21に記載された記録装置。
  23. 【請求項23】 毛細管現象を生ずる多孔性構造物が記録
    材飛翔用構造体に設けられている、請求項22に記載され
    た記録装置。
  24. 【請求項24】 多孔性構造体が小柱体の集合体によって
    形成されている、請求項23に記載された記録装置。
  25. 【請求項25】 記録材供給部上に記録材飛翔用構造体が
    一体に設けられている、請求項21に記載された記録装
    置。
  26. 【請求項26】 記録材飛翔用構造体が記録材供給部内に
    取付けられている、請求項21に記載された記録装置。
  27. 【請求項27】 加熱手段が発熱体であり、この発熱体に
    電圧を印加して記録材を加熱するように構成されてい
    る、請求項13に記載された記録装置。
  28. 【請求項28】 加熱手段がレーザであり、このレーザか
    らレーザ光を照射して記録材を加熱するように構成され
    ている、請求項13に記載された記録装置。
  29. 【請求項29】 液状記録材が気化又はアブレーションし
    て前記液状記録材と非接触状態で対向した被記録体へ飛
    翔するようにした、請求項13に記載された記録装置。
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