JPH0752446A - レーザ気化型プリンタ - Google Patents

レーザ気化型プリンタ

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Publication number
JPH0752446A
JPH0752446A JP20057793A JP20057793A JPH0752446A JP H0752446 A JPH0752446 A JP H0752446A JP 20057793 A JP20057793 A JP 20057793A JP 20057793 A JP20057793 A JP 20057793A JP H0752446 A JPH0752446 A JP H0752446A
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JP
Japan
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dye
vaporizing
heating
vaporizable
vaporization
Prior art date
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Pending
Application number
JP20057793A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Sato
修司 佐藤
Masanori Ogata
政徳 尾形
Hiroyuki Shioda
裕之 塩田
Eiki Hirano
栄樹 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Publication of JPH0752446A publication Critical patent/JPH0752446A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気化性染料を使用したレーザ気化型プリンタ
において、気化性染料を液化し且つ保温するための温度
コントロールを容易にすると共に、省エネルギーを図
り、気化速度を速やかに行い、レーザ光源の長期使用を
可能にする。 【構成】 固形気化性染料を液化及び保温する発熱体を
光熱変換体として兼用させること、液化及び保温する発
熱体として透明発熱体を使用することで、気化部にも発
熱体を配設でき、気化部と液体気化性染料導入部とを一
緒に、温度コントロールができる共に、気化部の近傍に
断熱手段を設けること、レンズによりレーザ光の拡散を
防止し集光させることによって光熱変換体上に結像する
スポットを転写スポットよりも小さくすることにより、
省エネルギーを図ると共に、気化の熱効率を高めること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオカメラに
よる撮像画像、テレビジョン画像等の各種画像における
静止画像を、気化性染料を用いて印画紙上に転写するレ
ーザ気化型プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の気化型又は昇華型プリンタは、
昇華性染料が塗布された昇華性インクリボンと感熱ヘッ
ドとが用いられ、前記昇華性インクリボンを印画紙上に
重ね合わせ、画像情報に応じた電気エネルギーを感熱ヘ
ッドに印加し、この感熱ヘッドから発生する熱エネルギ
ーにより、インクリボン上の昇華性染料を印画紙上に昇
華転写させるものである。
【0003】前記従来例においては、インクリボンと感
熱ヘッドとを用いているため、インクリボンの巻取機構
及び感熱ヘッドの放熱機構が必要であり、装置が小型化
及び低コスト化が図れないばかりでなく、3原色(イエ
ロー、マゼンタ、シアン)の重ね印画を行うため、3回
の動作を繰り返して行なわなければならず作業性が悪
く、また使用済みインクリボンの処分においても環境上
の問題があった。
【0004】[先行技術]前記従来例の問題点を解決す
るため、インクリボン及び感熱ヘッドを使用しないレー
ザ気化型又は昇華型プリンタを、本発明と同一出願人に
よって既に複数件の特許出願をしている。この先願の発
明は、特願平4−300587号、特願平5−1124
1号及び特願平5−12106号である。
【0005】前記先行技術におけるレーザ気化型プリン
タの構成は、概ね図9〜11に示した構成を有してい
る。図において、1はレーザ気化型カラープリンタであ
り、外筐2aで覆われたフレームシャーシ2上に印画紙
50を入れるカセット3と印画用の平面ベース4とを有
している。
【0006】図9において、前記外筐2a内の印画紙排
出口2b側には、モータ5等により駆動する紙送り駆動
ローラ6bと、該紙送り駆動ローラとの間で印画紙50
を軽圧力で挟持する圧接従動ローラ6bとが設けられる
と共に、外筐2a内のカセット3の上方にはヘッド駆動
回路基板7とDC電源8を設けてある。このヘッド駆動
回路基板7と平面ベース4上に配設されたヘッド部10
とは、フレキシブルハーネス7aによって接続されてい
る。
【0007】ヘッド部10は、図10に示したように、
イエロー(Y)とマゼンタ(M)とシアン(C)の固形
気化性染料としての固形粉末状の各気化性染料12Y,
12M,12C(総称して符号12で示す)を収納する
各固形気化性染料収納部11Y,11M,11C(総称
して符号11で示す)と、下側に位置する高強度材から
なる耐摩耗性の耐熱断熱壁13と上側に位置するガラス
製、透明セラミック製等のヘッドベース材14との間に
形成され、上記各固形気化性染料収納部11内の固形粉
末状の気化性染料12をヘッドベース材14側に取り付
けられた電気抵抗体からなるヒータ(発熱体)16によ
り加熱液化して収納する挟路状の各液体気化性染料導入
部15と、この各液体気化性染料導入部15から導かれ
た液化気化性染料(液化気化性染料)12′を気化させ
る各気化部17と、上記ヘッドベース材14に支持盤1
9を介して取付けられ、各気化部17にレーザ光Lを照
射する各半導体レーザチップ(レーザ光源)18とを備
えている。
【0008】上記各気化部17の気化孔17a内には、
ヘッドベース材14に取付けられた透明断熱層20と、
この透明断熱層20に積層され、レーザ光Lの光を吸収
して熱に変換する光熱変換層(体)21と、この光熱変
換層(体)21に積層され、液化した液化気化性染料1
2′を保持する液体気化性染料保持層22とを配設して
ある。
【0009】前記透明断熱層20は透明な芳香族ポリア
ミド樹脂により形成し、前記光熱変換層21は金属の薄
膜でニッケル・コバルト合金を蒸着或はスパッタするこ
とにより形成し、前記液体気化性染料保持層22は光熱
変換層21の上に直接金属薄膜を形成し、この金属薄膜
をエッチング加工などで網目状(メッシュ状)に加工し
たものである。
【0010】尚、上記発熱体16は固形粉末状の気化性
染料12を加熱液化しながら液体気化性染料保持層22
まで案内して移行させるためのものであり、例えばカー
ボン又はシリコン系化合物で形成され、通電によって5
0〜300°Cの熱を発する不透明な発熱体を使用して
いるため、図11に示したように、気化部17に対応す
る部分を除去して又は打ち抜いて窓部40に形成してあ
る。そして、点線で示した部分は液体気化染料収納槽1
5に対応する部分を示している。
【0011】そして、レーザ気化型カラープリンタ1の
カセット3内の印画紙50は1枚づつ分離されて平面ベ
ース4とヘッド部10との間に供給され、紙送り駆動ロ
ーラ6aまで送られる。
【0012】ヘッド部10は一対の軽荷重付加バネ9に
より印画紙50を挟んで平面ベース4に軽荷重(約50
g)で押し付けられている。また、ヘッド部10には3
色分(Y,M,C)の半導体レーザチップからなるレー
ザ光源18が3列に画素分だけ多数個並び、各液体気化
性染料導入部12(12Y,12M,12C)から夫々
加熱液化されて各気化部17に定量供給される。
【0013】即ち、各固形気化性染料収納部11内の固
体粉末状の気化性染料12は発熱体16により融解点ま
で加熱されて融解(液化)され、この各液化した気化性
染料12′を各液体気化性染料導入部15の毛管現象に
よって各気化部17の気化孔17a内の液体気化性染料
保持層22に定量供給する。
【0014】この状態より、1枚の印画紙50が紙送り
駆動ローラ6aと圧接従動ローラ6bに挟持されると1
ラインづつ且つ一色づつ1ドット信号がヘッド部10に
送られて、各半導体レーザチップ18により発生したレ
ーザ光Lが各光熱変換層21により熱に変換される。
【0015】この熱により、各液体気化性染料保持層2
2に保持されている各液化気化性染料12′が気化さ
れ、この各気化されたY,M,Cの気化性染料(気化性
染料)12″が平面ベース4と保護層13間に送られる
印画紙50の表面に塗布されている染料受容層50aに
Y→M→Cと順次転写されてカラープリントされる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
行技術におけるプリンタは、先ず第1に、固形気化性染
料を加熱液化する発熱体が光を透過しない材料で形成さ
れているため、液体気化性染料導入部に設ける発熱体
と、気化部に設ける光熱変換体とを別々に設けてあるた
め、夫々の配設作業に手間が掛かり製造工程が多くなっ
てコストアップにつながるばかりでなく、気化部におけ
る液化した染料の保温状態が安定しないと云う問題点を
有している。
【0017】第2に、気化部及び液体気化性染料導入部
における加熱及び保温のための大半の熱が、熱伝導作用
によってヘッドベース材等から外部に放出されてしま
い、熱量の無駄が生じていると云う問題点を有してい
る。
【0018】第3に、レーザ光源から照射されるレーザ
光は、半導体レーザチップの照射面から所定の拡散係数
で照射されることにより、そのスポットが拡散されてし
まうため、レーザ光源と光熱変換体との距離が離れれば
離れるほど一スポットの面積が大きくなり、同じレーザ
パワーでの単位面積当たりのエネルギーが少なくなって
熱変換効率が悪くなる。
【0019】逆に、熱交換効率を高くするためには、レ
ーザ光源と光熱変換体との距離を短くして、レーザ光源
をヘッドベース材内に取り付けなければならないことか
ら、ヘッドベース材側に取り付けられた発熱体との距離
も短くなり、液体気化性染料導入部内の染料を発熱体で
加熱して液化状態に維持している間、半導体レーザチッ
プもその液化維持温度近傍に加熱されることになるの
で、熱の影響を受て劣化し使用寿命が短くなると云う問
題点を有している。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記先行技術の有する課
題を解決する具体的手段として本発明は、固形気化性染
料を収納する染料収納部と、固形気化性染料を加熱液化
する手段で液化し気化部へ導く液体気化性染料導入部
と、気化部に導かれた液体気化性染料を加熱気化させる
手段とを備えたプリンタであって、前記加熱液化する手
段と前記加熱気化させる手段とを、通電により発熱する
と共にレーザ光により発熱する兼用の発熱体で形成した
ことを特徴とするレーザ気化型プリンタを提供するこ
と、並びに前記加熱液化する手段が光を透過する発熱体
で形成され、前記加熱気化させる手段がレーザ光で発熱
する光熱変換部材で形成されたことを特徴とするレーザ
気化型プリンタを提供するものであり、前記加熱液化す
る手段を少なくとも気化部及び液体気化性染料導入部の
内壁面の一部に設けること;前記薄膜の金属層が、Ni
又はCoを主体とする合金の酸化皮膜で形成すること;
及びその薄膜の金属層は、スパッタ又は蒸着により形成
されることを特定すると共に、少なくとも前記加熱気化
させる手段を構成するレーザ光源と光熱変換体との間に
レーザ光のビームを気化性染料の転写サイズ以下にする
限定手段を設けたことを特徴とするレーザ気化型プリン
タも提供するものであり、前記レーザ光のビームを気化
性染料の転写サイズ以下にする手段は、レンズからなる
光学系により構成したこと;少なくとも気化部の近傍に
断熱手段を設けたこと;その断熱手段は、気化部とレー
ザ光源との間に設けたこと;及びその断熱手段が、エア
ーギャップ又は半エアーギャップであることも特定して
なるものである。
【0021】
【作用】固形気化性染料を液化及び保温する発熱体を光
熱変換体として兼用させること、並びに、液化及び保温
する発熱体として透明発熱体を使用することで、気化部
にも発熱体を配設でき、気化部も直接加熱することによ
り液体気化性染料導入部と一緒に、染料の液化及び保温
の温度コントロールが容易になると共に、レーザ光によ
る気化が速やかに行われる。
【0022】また、気化部の近傍に断熱手段を設けるこ
とにより、熱伝導作用によって外部に熱を逃がさないよ
うになり、省エネルギーを図ると共に、熱効率を高める
ことができる。
【0023】更に、レーザ光の制限手段を設けることに
より、レーザ光の拡散を防止し集光させることによって
光熱変換体上に結像するスポットを転写スポットよりも
小さくすることができ、集光によって単位面積当たりの
エネルギーを高め、光熱変換体上での光熱変換効率が高
くなり、液化した気化性染料の気化効率及び気化速度を
向上させると共に、レーザ光源を液体気化性染料導入部
から離隔することができ、レーザ光源の熱により悪影響
を防止することができる。
【0024】
【実施例】次に本発明を図示の実施例に基づき更に詳し
く説明する。尚、理解を容易にするため先行技術と同一
部分には同一符号を付して説明する。図1は本発明に係
る第1実施例におけるヘッド部の主要構成部のみを示す
ものであり、該ヘッド部10には、先行技術と同様に、
イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の固
形粉末状の気化性染料12を収納する固形気化性染料収
納部11と、その固形気化性染料を加熱して液状化した
染料を収納する液体気化性染料導入部15が形成され、
該液体気化性染料導入部15に隣接し液化した液体気化
性染料12′が供給される気化部17が形成されてい
る。
【0025】ここで、本発明で云う気化性染料とは、固
形気化性染料、液化気化性染料、気化性染料、昇華性染
料及び分散染料等の総称であり、25°Cから分解温度
までの温度範囲において、その蒸気圧が0.01パスカ
ル以上となる温度領域が存在する染料を気化性染料と定
義する。ただし、気相において染料分子が平均会合数n
で会合している場合には、上記蒸気圧をその平均会合数
nで割った0.01パスカル以上とする。この定義に当
て嵌まる実用染料としては、例えば市販のHSR−20
31、ESC−155及びESC−655等である。
【0026】前記液体気化性染料導入部15及び気化部
17は、その周囲及び下部が耐熱断熱壁13で形成さ
れ、該耐熱断熱壁の平面ベース4側に高強度材からなる
耐摩耗性に優れた保護層13aが配設され、前記液体気
化性染料導入部15内には液化した気化性染料12′を
毛管現象にて保持するガラス又はプラスチックビーズ等
のペレットからなる液体気化性染料保持体22が収納さ
れている。
【0027】耐熱断熱壁13の上部、即ち液体気化性染
料導入部15及び気化部17の上面には、ガラス製又は
透明セラミック製等のヘッドベース材14が配設され、
その下面側に光熱変換を兼ねた発熱体16を有するフィ
ルム16aが配設される。
【0028】このフィルム16aは、耐熱性、光透過性
及び断熱性の材料で形成されたフィルムであり、前記光
熱変換を兼ねた発熱体16は、例えばニッケル又はコバ
ルトを主体とする酸化被膜であり、前記フィルムの表面
に蒸着又はスパッタリング等の手段により層状に形成さ
れる。
【0029】この場合の発熱体16は、不透明、半透明
又は透明な状態で形成することができ、その用途に応じ
て選択される。この実施例の場合は、不透明な発熱体1
6が使用され、前記ヘッドベース材14の下面にフィル
ム16aを貼着させ、発熱体16が液体気化性染料導入
部15の所定の範囲及び気化部17に臨むように取り付
けてある。
【0030】ヘッドベース材14には、支持部材19を
介してレーザ光源18(半導体レーザチップ)が取り付
けられている。このレーザ光源18は、各気化部17に
臨ませて、対応する数だけ取り付けられる。
【0031】気化部17内には、ガラス又はプラスチッ
クビーズ等のペレットからなる液体気化性染料保持体2
2′が、光熱変換を兼ねた発熱体16に接触させた状態
で収納され、該液体気化性染料保持体の毛管現象によっ
て液化した気化性染料12′を気化部17内において保
持している。そして、液化した気化性染料12′は、順
次の消費に伴って液体気化性染料導入部15から順次供
給される。
【0032】この第1実施例においては、光熱変換を兼
ねた発熱体16に所定の電圧を印加することで、液体気
化性染料導入部15及び気化部17内を所定の温度に設
定することができ、それによって液化した気化性染料1
2′を最適な液体状態に維持して、液体気化性染料保持
体22の毛管現象によって保持させている。
【0033】そして、レーザ光源18からレーザ光Lを
照射すると、気化部17に位置している発熱体16が局
部的に加熱される。この加熱は、発熱体16が通電によ
って予め所定の温度まで上昇しているので、レーザ光L
の照射によりその照射エリア部分のみが速やかに気化温
度まで上昇し、これと接触している液体気化性染料保持
体22′も同時に加熱されることにより、液化状態にあ
る気化性染料12′が速やかに気化し、気化染料12″
となって気化部17の気化孔17aから外部に排出され
るのである。
【0034】このときに、気化孔17aに臨んで印画紙
50が存在すること、即ち、平面ベース4と保護層13
aとの間に印画紙50が送り込まれて存在することで、
気化した染料が印画紙50の染料受容層50aに付着し
て転写が行われる。この場合に、先行技術と同様の手法
でY→M→Cの順に夫々転写されてカラープリントがな
される。
【0035】図2〜4に示した第2実施例は、気化部1
7における気化エネルギーの有効利用を図るものであ
る。この実施例においても、全体的には先行技術と略同
一の構成を有するものであり、気化部17の近傍に断熱
手段30を設けた点が改良された構成部分である。従っ
て、先行技術と同一部分には同一符号を付してその詳細
は省略する。
【0036】図2において、ヘッドベース材14に光源
室14aを形成し、該光源室14a内に支持基板19を
介してレーザ光源18が取り付けられている。そして、
レーザ光源18と気化部17との間に断熱手段30が形
成される。この断熱手段は、例えば中空部にしたエアー
ギャップであり、光透過性の耐熱断熱壁13とヘッドベ
ース材14との間に形成され、実質的にはヘッドベース
材14の一部に凹部を形成して中空状のエアーギャップ
としてある。
【0037】そして、気化部17内には、例えば蒸着又
はスパッタリングなどの手段で形成した金属薄膜からな
る気化用の光熱変換体(層)21が設けられると共に、
ペレット状の液体気化性染料保持体22′も収納されて
いる。前記光熱変換体21は気化部17内において、レ
ーザ光源18側に設けられ、必要があれば液化染料収納
槽15に設けられている液化用の発熱体16と連携して
加熱されるようにしても良い。
【0038】また、気化室17の気化側においては、多
数の小孔からなる気化小孔群17bが形成され、気化し
た染料12″がこれら気化小孔群17bから、矢印aで
示したように、気化孔17aを通って外部に排出され、
平面ベース4と保護層13aとの間に送り込まれた印画
紙50上に転写される。
【0039】この実施例においては、レーザ光源18か
らのレーザ光Lにより気化部17内に設けた光熱変換体
21を加熱し、液体気化性染料保持体22′に保持され
ている液化している気化性染料を気化させるものである
が、この光熱変換体21は、図3に示したように、必ず
しも気化部17内に設ける必要はない。
【0040】つまり、気化性染料中に光吸収剤が混入さ
れている場合とか、或は液体気化性染料保持体22′の
周面に金属薄膜が形成されている場合には、気化部17
内に液体気化性染料保持体22′だけが収納されていれ
ば足りるのである。
【0041】そして、レーザ光源18からのレーザ光L
は、液化された気化性染料又は液体気化性染料保持体2
2′に直接照射され、光吸収剤又は液体気化性染料保持
体22′の周面に設けた金属薄膜が気化温度まで加熱さ
れ、前記同様に染料が気化して気化小孔群17bを通っ
て気化孔17aから外部に排出され、印画紙50に転写
されるのである。
【0042】更に、断熱手段30として、気化部17に
相当する部位だけでなく、図4に示したように、発熱体
が存在する部位の全般に設けることが出来る。即ち、液
体気化性染料導入部15から気化部17に渡る光透過性
の耐熱断熱壁13とヘッドベース材14との間に中空構
造のエアーギャップが形成される。
【0043】この中空構造のエアーギャップは、所定の
間隔を設けた空間部としても良く、またその空間部内に
例えば透明なガラスビーズ又は繊維等を充填させた半中
空構造にしも良い。要するに、レーザ光Lが透過し且つ
半エアーギャップによって熱の伝達が抑制されれば良い
のである。
【0044】この第2実施例においては、少なくとも、
急激に温度を上げて染料を気化させる必要のある気化部
17の近傍において、断熱手段30を設けたことによ
り、気化部17の熱がヘッドベース材14側に熱伝導現
象によって奪われることが抑制され、気化部17内に保
持されている液化した気化性染料が安定した温度に維持
されるようになり、レーザ光源18からレーザ光Lをス
ポット的に照射して昇温させる際に、そのスポット部分
が速やかに昇温して気化性染料を気化させる、所謂応答
性が速やかで良好になるのである。
【0045】更に、気化部17も含む液体気化性染料収
納部15に渡って断熱手段30を設けたことにより、発
熱体16が存在する部位からもヘッドベース材14側に
熱が奪われなくなるので、全般的に熱効率が良好になる
と共に、レーザ光源18が発熱体16から遮断されるよ
うになり、熱による悪影響、即ち使用寿命が長くなるの
である。
【0046】図5〜7に示した第3実施例は、レーザ光
源18の劣化を防止すること、及びレーザ光を絞ってス
ポットを限定し、染料の気化効率を高めると共に、転写
サイズを正確に確立出来るようにしたものである。
【0047】図5においては、前記第1実施例における
光熱変換を兼ねた発熱体16に対して照射されるレーザ
光Lのビームを、限定手段31により絞って小径のスポ
ットに限定し、レーザ光源18と発熱体16との距離が
離れていても、発熱体16上におけるスポットの大きさ
を転写サイズ、即ち気化孔17aよりも小さく限定する
ことが出来るのである。
【0048】前記限定手段31は、例えば光学系のレン
ズであり、該レンズはレーザ光源18から照射されるレ
ーザ光Lと光軸が略一致するように支持部材19を介し
てベース材14に取り付けられている。
【0049】この光学系のレンズは、レーザ光源18か
ら照射されて拡散したレーザ光Lを集光し光熱変換を兼
ねた発熱体16上でそのスポット径が一定の大きさ、例
えば40ミクロン以下になるような焦点距離を持ってい
るものが使用される。
【0050】そして、気化した染料の転写サイズが決定
される気化孔17aは、所謂転写サイズとして60〜8
0ミクロンに設定されており、前記レーザ光のスポット
径が転写サイズよりも小さく設定されている。
【0051】このように、レーザ光源18から照射され
たレーザ光Lを、レンズにより集光して光熱変換を兼ね
た発熱体16上におけるスポットを転写サイズよりも小
さくすることで、発熱体16上における単位面積当たり
の光エネルギーを高めることができ、それによって光熱
変換の効率が高められ、液化した気化性染料の気化率を
向上させることができるのである。
【0052】更に、図6に示した他の例においては、液
体気化性染料導入部15に配設した発熱体16を透明に
形成し、気化部17にも一連に臨むように配設し、気化
部17内には耐熱光透過性ベース材20を介して光熱変
換体(層)21が取り付けられると共に、液体気化性染
料保持体(層)22′が配設されている。
【0053】この場合でも、レーザ光の限定手段31が
レーザ光源18の光軸に揃えて配設され、その限定手段
31が光学系のレンズであり、該レンズによってレーザ
光源18から拡散して照射されるレーザ光Lを集光し、
光熱変換体21上に結像するスポット径が転写サイズ、
即ち気化孔17aよりも小さくしてある。
【0054】この例で使用される透明な発熱体16は、
所謂透明電極(ITO)で形成され、通電によって50
〜300°Cに加熱することができ、その構成は図7に
示した通りである。つまり、気化部17に相当する部分
に窓部を形成する必要がないので、製造が容易でありし
かも気化部17に臨む位置においても加熱作用があるた
め、全体としての温度コントロールが容易に行える。
【0055】限定手段31によりレーザ光を集光してス
ポット径を限定することによって、図8に示したよう
に、気化性染料をバインダと共に塗付したリボン12A
を使用することができる。この場合のヘッド部10A
は、ヘッドベース材14と、耐熱光透過性ベース20A
及び光熱変換体21Aとを積層した状態で形成され、特
別な構成の染料収納部、液体気化性染料導入部及び気化
部を必要としない。
【0056】そして、前記他の例と同様に、ヘッドベー
ス材14に支持部材19を介してレーザ光源18を設け
ると共に、レーザ光Lを集光して染料の気化エリアを限
定する限定手段31を設ける。
【0057】このように構成することで、レーザ光源1
8から照射されたレーザ光Lを、限定手段31、即ちレ
ンズにより集光して光熱変換体21A上におけるスポッ
トを転写サイズと略等しいか、又はわずかに小さく設定
し、光熱変換体21Aと平面ベース4との間に、印画紙
50と一緒にリボン12Aを供給し、従来例と同様に所
定の信号に基づいてレーザ光源18を駆動し、レーザ光
Lを照射して光熱変換体21Aを加熱し、スポットに対
応する範囲でリボン12Aから気化性染料を気化させて
転写させるものである。
【0058】この場合でも、前記と同様にレーザ光源1
8を熱の影響から保護できると共に、レーザ光Lは限定
手段によってスポット径が所定の範囲に設定できるの
で、鮮明な転写が可能になるのである。尚、白黒の転写
の場合でも使用できることは云うまでもない。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るレーザ
気化型プリンタは、固形気化性染料を収納する染料収納
部と、固形気化性染料を加熱液化する手段で液化して収
納する液体気化性染料導入部と、液化気化性染料を気化
部に導いて加熱気化させる加熱手段とを備えたプリンタ
であって、前記加熱液化する手段と前記加熱気化させる
手段とを、通電により発熱すると共にレーザ光により発
熱する兼用の発熱体で形成した構成とすることにより、
液体気化性染料導入部と気化部とに渡って発熱体を配設
することができるので、気化性染料の液化及び液化後の
保温の温度コントロールが容易に行えると共に、液化さ
れた気化性染料が導入部から気化部に渡って所定の温度
に維持されていることで、レーザ光による気化が速やか
に行われると云う優れた効果を奏する。
【0060】また、前記加熱液化する手段が、光を透過
する発熱体で形成され、加熱気化させる手段がレーザ光
源と光熱変換体とで形成されていること、前記加熱液化
する手段を少なくとも気化部及び液体気化性染料導入部
の内壁面の一部に設けたことにより、気化部に別体の光
熱交換体を設けた場合でも、気化部と液体気化性染料導
入部とに渡って発熱体を配設することができ、前記同様
に液化後の保温の温度コントロールが容易に行えると共
に、レーザ光による気化も発熱体を透過して容易に行え
ると云う優れた効果を奏する。
【0061】更に、前記レーザ光を照射するレーザ光源
と光熱変換体との間にレーザ光のビームを気化性染料の
転写サイズ以下にする限定手段を設けたことにより、単
位面積当たりのエネルギーを高めることができ、光熱変
換体上での光熱交換効率が高くなるばかりでなく、液化
した気化性染料の気化速度、即ちレーザ光照射による気
化の応答性が著しく向上すると云う優れた効果を奏す
る。
【0062】更にまた、少なくとも気化部の近傍に断熱
手段を設けたことにより、気化部および液体気化性染料
導入部における熱を、熱伝導作用によって外部に逃散す
るのを防止し、省エネルギーを図ると共に、熱効率を高
めることができると云う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例のヘッド部の要部のみ
を拡大して示した略示的断面図である。
【図2】本発明に係る第2実施例のヘッド部の要部のみ
を拡大して示した略示的断面図である。
【図3】同実施例の他の例におけるヘッド部の要部のみ
を拡大して示した略示的断面図である。
【図4】同実施例の更に他の例におけるヘッド部の要部
のみを拡大して示した略示的断面図である。
【図5】本発明に係る第3実施例のヘッド部の要部のみ
を拡大して示した略示的断面図である。
【図6】同実施例の他の例におけるヘッド部の要部のみ
を拡大して示した略示的断面図である。
【図7】同実施例の他の例に使用される発熱体の一部を
示した略示的平面図である。
【図8】同発熱体を使用した更に他の例の要部のみを拡
大して示した略示的断面図である。
【図9】先行技術のレーザ気化型プリンタを分解して示
した略示的斜視図である。
【図10】同先行技術の要部のみを拡大して示した略示
的断面図である。
【図11】同先行技術に使用されている発熱体の一部を
示した略示的平面図である。
【符号の説明】
4 平面ベース 10,10A ヘッド部 11 固形気化性染料収納部 12 気化性染料 12′液化した気化性染料 12″気化した染料 12A リボン 13 耐熱断熱壁 13a 保護層 14 ヘッドベース材 14a 光源室 15 液体気化性染料導入部 16 発熱体(ヒータ) 16a フィルム 17 気化部 17a 気化孔 17b 気化小孔群 18 レーザ光源 19 支持部材 20,20A 断熱光透過性ベース材 21,21A 光熱変換体(層) 22,22′ 液体気化性染料保持体 30 断熱手段 31 限定手段 50 印画紙 50a 染料受容層 L レーザ光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 栄樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形気化性染料を収納する染料収納部
    と、固形気化性染料を加熱液化する手段で液化し気化部
    へ導く液体気化性染料導入部と、気化部に導かれた液体
    気化性染料を加熱気化させる手段とを備えたプリンタで
    あって、 前記加熱液化する手段と前記加熱気化させる手段とを、
    通電により発熱すると共にレーザ光により発熱する兼用
    の発熱体で形成したことを特徴とするレーザ気化型プリ
    ンタ。
  2. 【請求項2】 固形気化性染料を収納する染料収納部
    と、固形気化性染料を加熱液化する手段で液化し気化部
    へ導く液体気化性染料導入部と、気化部に導かれた液体
    気化性染料を加熱気化させる手段とを備えたプリンタで
    あって、 前記加熱液化する手段が光を透過する発熱体で形成さ
    れ、前記加熱気化させる手段がレーザ光で発熱する光熱
    変換部材で形成されたことを特徴とするレーザ気化型プ
    リンタ。
  3. 【請求項3】 加熱液化する手段を少なくとも気化部及
    び液体気化性染料導入部の内壁面の一部に設けた請求項
    1又は2に記載のレーザ気化型プリンタ。
  4. 【請求項4】 加熱液化する手段が薄膜の金属層である
    請求項1、2又は3に記載のレーザ気化型プリンタ。
  5. 【請求項5】 薄膜の金属層が、Ni又はCoを主体と
    する合金の酸化皮膜である請求項4に記載のレーザ気化
    型プリンタ。
  6. 【請求項6】 薄膜の金属層は、スパッタ又は蒸着によ
    り形成される請求項4又は5に記載のレーザ気化型プリ
    ンタ。
  7. 【請求項7】 固形気化性染料を収納する染料収納部
    と、固形気化性染料を加熱液化する手段で液化し気化部
    へ導く液体気化性染料導入部と、気化部に導かれた液体
    気化性染料を加熱気化させる手段とを備えたプリンタで
    あって、 少なくとも前記加熱気化させる手段をレーザ光源と光熱
    変換体で構成し、該レーザ光源と光熱変換体との間にレ
    ーザ光のビームを気化性染料の転写サイズ以下にする限
    定手段を設けたことを特徴とするレーザ気化型プリン
    タ。
  8. 【請求項8】 レーザ光のビームを気化性染料の転写サ
    イズ以下にする限定手段は、レンズからなる光学系によ
    り構成したことを特徴とする請求項7に記載のレーザ気
    化型プリンタ。
  9. 【請求項9】 少なくとも気化部の近傍に断熱手段を設
    けた請求項1、2又は7に記載のレーザ気化型プリン
    タ。
  10. 【請求項10】 断熱手段は、気化部とレーザ光源との
    間に設けた請求項9に記載のレーザ気化型プリンタ。
  11. 【請求項11】 断熱手段が、エアーギャップ又は半エ
    アーギャップである請求項9又は10に記載のレーザ気
    化型プリンタ。
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