JP3162734U - 押圧加工システム - Google Patents

押圧加工システム Download PDF

Info

Publication number
JP3162734U
JP3162734U JP2010004758U JP2010004758U JP3162734U JP 3162734 U JP3162734 U JP 3162734U JP 2010004758 U JP2010004758 U JP 2010004758U JP 2010004758 U JP2010004758 U JP 2010004758U JP 3162734 U JP3162734 U JP 3162734U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shape
continuous
receiving portion
concavo
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2010004758U
Other languages
English (en)
Inventor
豊 辻川
豊 辻川
Original Assignee
ツジカワ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ツジカワ株式会社 filed Critical ツジカワ株式会社
Priority to JP2010004758U priority Critical patent/JP3162734U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3162734U publication Critical patent/JP3162734U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

【課題】 被加工物表面に押圧転写された転写凹凸パターンの乱れの発生、押圧転写された箔押転写凹凸パターンの転写箔材料の浮上がり、しわ、歪み等の乱れの発生、押圧切抜き加工された加工製品の切抜不良、等を防止可能であり、加工用版型表面に形成されている凹凸パターンに忠実な転写凹凸パターン、箔押転写凹凸パターンまたは切抜パターンを押圧形成できるとともに、高価な加工技術を必要とすることなく、安価に実施可能な押圧加工システムを提供する。【解決手段】 凹凸パターン部11を有する加工用版型1と、連続傾斜受部26を有する対向基板2とを備え、連続傾斜受部26の少なくとも一方向の表面はなめらかに曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面と有し、被加工物3を介して凹凸パターン部11と連続傾斜受部26が対向する位置に位置して押圧加工する押圧加工システム。【選択図】図1

Description

本考案は、押圧により加工製品や転写箔材料などの被加工物を所定形状に加工する押圧加工システムに関し、詳しくは、押圧により、加工製品の表面に所定形状の凹凸パターンを転写加工、加工製品の表面に転写箔材料を使用して所定形状の箔押凹凸パターンを転写加工、又は/及び、被加工物を所定形状のパターンに切断加工または抜き加工する、等の押圧加工システムに関する。
押圧加工システムは、加工用版型に刻設された凹凸パターンを加工製品の表面に転写形成する型押し加工、加工用版型に刻設された凹凸パターンを転写箔材料を用いて加工製品の表面に転写形成する箔押し加工、加工用版型に刻設された凹凸パターンに一致して被加工物を所定形状に切断または抜きなどの切断抜き加工、などの加工を行うための機構、装置である。押圧加工システムに使用される加工用版型としては、その用途に応じて、箔押用版、型押用版、切抜用刃型、これらを組み合わせた加工用版型などが使用される。
箔押用版の表面には、所定の文字・数字・模様・紋様・図柄・絵柄・画像・これらに類似する形状等の凹凸パターンが、凹凸により形成されている。その箔押用版を転写箔材料を介して加工製品に押圧することにより、転写箔材料により形成された、前記凹凸パターンに合致する箔押転写凹凸パターンが、加工製品の表面に転写形成される。加工製品としては、紙、紙類、各種プラスチック材料、皮革、木材、布、金属などのほとんどあらゆる材料が使用可能であり、包装容器、包装紙、装飾用品、本、ラベル、プラスチッ製品、皮革製品、布製品、金属製品、エンブレム等の各種製品に応用されている。このような押圧加工システムは、略平面表面を有する箔押用版と、略平面表面を有する支持板や受け部等の対向基板とより構成され、箔押用版と対向基板のうちの少なくとも一方が駆動することにより、箔押用版と対向基板とが互いに押圧される機構である。一般に、箔押用版は鋼鉄、真鍮、銅、マグネシウム、樹脂等により作製され、対向基板は金属より作製されている。箔押用版の表面は平面形状を有し、その平面形状の表面に、所定の文字・数字・模様・紋様・図柄・絵柄・画像・これらに類似する形状等の凹凸パターンが凹凸形状で刻設されている。また、対向基板としての支持板や受け部は、平面形状の表面を有し、一般に、鋼鉄、真鍮、銅、マグネシウム等により作製されている。
加工製品が対向基板側に位置し、箔押用版と加工製品との間に転写箔材料が位置する状態で、箔押用版と対向基板とが互いに押圧されることにより、箔押用版表面と対向基板表面のそれぞれの全領域が、同時に、押圧接触されて、所定の文字・数字・模様・紋様・図柄・絵柄・画像・これらに類似する形状等の、転写箔材料により形成された箔押転写凹凸パターンが凹凸形状で加工製品の表面に転写形成される。この際、熱盤を使用して加熱された箔押用版により押圧加工する押圧加工システムも使用され、いわゆるホットスタンピング押圧加工システムも使用される。また、このような押圧加工システムおいて、一個の箔押用版が使用される場合と、複数個の箔押用版が同時に使用される場合とがある。
型押用版は、転写箔材料を使用することなく、紙類、プラスチック、皮革、木材、布、ラミネート材料等の加工製品に直接に型押用版を押圧して、型押用版に刻設された所定の文字・数字・模様・紋様・図柄・絵柄・画像・これらに類似する形状等の凹凸パターンを、加工製品の表面に転写して型押加工するための押圧加工システムに使用される。このような押圧加工システムは、上記の箔押押圧加工システムと同様に略平面形状を有する表面をもつ型押用版と略平面表面をもつ対向基板とより構成され、その型押用版の平面形状の表面に凹凸パターンが凹凸形状で刻設されている。例えば、型押用版と対向基板のうちの少なくとも一方が駆動することにより型押用版と対向基板とが互いに押圧される機構である。加工製品が対向基板と型押用版との間に位置する状態で、型押用版と対向基板とが互いに押圧されることにより、型押用版表面と対向基板表面のそれぞれの全領域が、同時に、加工製品を介して、互いに押圧されて、所定の文字・数字・模様・紋様・図柄・絵柄・画像・これらに類似する形状等の転写凹凸パターンが凹凸形状で加工製品の表面に転写形成される。このような押圧加工システムおいて、使用される加工製品としては、紙、紙類、軟質プラスチック材料、皮革、木材、布、等の、押圧により圧縮変形する材料が使用可能である。また、一個の型押用版が使用される場合と、複数個の型押用版が同時に使用される場合とがある。
切抜用刃型は、紙類、プラスチック、皮革、木材、布、ラミネート材料、転写箔材料、等の薄片状の被加工物に切抜用刃型を押圧することにより、薄片状被加工物を所定形状に切断加工又は抜き加工するための押圧加工システムに使用される。切抜用刃型には、凹凸の刃形状で所定の刃が形成され、この刃の形状に一致して加工製品が切断又は抜き加工される。このような押圧加工システムは、上記の型押用版または箔押用版を使用した押圧加工システムと類似して、略平面形状を有する表面をもつ切抜用刃型と略平面表面をもつ対向基板とより構成され、その切抜用刃型の平面形状の表面に凹凸形状の刃型パターンが形成されている。例えば、切抜用刃型と対向基板のうちの少なくとも一方が駆動することにより切抜用刃型と対向基板とが互いに押圧される機構である。被加工物が対向基板と切抜用刃型との間に位置する状態で、切抜用刃型と対向基板とが互いに押圧されることにより、切抜用刃型表面と対向基板表面のそれぞれの全領域が、同時に、被加工物を介して、互いに押圧されて、被加工物の所定の領域が所定の形状で切断または抜き加工される。なお、このような押圧加工システムにおいて、一個の切抜用刃型が使用される場合と、複数個の切抜用刃型が同時に使用される場合とがある。また、このような切断・抜き加工と同時に、上記の箔押し加工または型押し加工とを併用して同時加工することも可能である。
このような押圧加工システムとして、特開2002−99196号公報には、箔押用版としてのホットスタンプ版と、対向基板としての受け部との間に、転写箔材料としてのホログラム転写箔と、加工製品としての被加工材料を構成した押圧転写加工方法が開示されている。
また、実公平7−55065号公報には、箔押用版としてのホットスタンピング加工用版型と、対向基板としての支持台との間に、転写箔材料としての転写箔と、加工製品としての被転写物を構成したホットスタンピング転写機が開示され、特に、加工用版型の凹凸で形成されている凹部にゴム素材を付着して、凸部と同一平面となるように加工用版型の表面を形成した加工用版型が開示されている。
また、実用新案登録第3130674号公報には、文字・模様・紋様・図柄・絵柄・画像・これらに類似する形状等の転写凹凸パターンが刻設された加工用版型の表面の少なくとも一方向の表面が、曲面形状またはアール形状の頂部と、その頂部から離れるにしたがって連続的に滑らかに低くなるような傾斜面とからなる表面形状を有する加工用版型と、対向基板としての平面形状表面を有する支持板と、その加工用版型と支持板との間に位置する転写箔材料としての転写箔フィルムと、加工製品としての被転写物を構成した平圧式転写装置が開示されている。
実公平7−55065号公報 特開2002−99196号公報 実用新案登録第3130674号公報
一般に、箔押用版、型押用版または切抜用刃型などの加工用版型を使用した平圧式の押圧加工システムにおいては、凹凸パターンを形成した加工用版型の表面が略平面形状を有し、また、支持板や受け部などの対向基板の表面も略平面形状を有しているため、加工製品や転写箔材料などの被加工物を間に位置した状態で、加工用版型と対向基板とを互いに押圧した時、もしも、加工用版型表面と対向基板表面のそれぞれの平面精度が異なり、いずれかの平面が僅かに傾いていたり、または、表面全体に波状の僅かな高低がある場合には、加工製品や転写箔材料にかかる圧力が不均一になり、その結果、加工製品に転写形成された転写凹凸パターンには、加工用版型に形成されている凹凸パターンに忠実な反転凹凸パターンではなく、転写凹凸パターンの凹凸の一部が欠けたり、または、転写箔押凹凸パターンの全面が完全に加工製品表面に固定されることなく、箔押しされた箔押転写凹凸パターンの一部が加工製品から浮き上がった状態になったり、または、切断・抜き加工の場合には、一部の箇所が切断されないなどの切断・抜き不良が発生するという課題がある。
また、特に、箔押用版を使用した押圧加工システムにおいて、加工製品が対向基板に位置し、箔押用版と加工製品との間に転写箔材料を位置する状態で、箔押用版を対向基板に向けて押圧していく時、加工製品に通気性がない場合には、転写箔材料と加工製品との間に部分的に空気を抱き込んだ状態で転写箔材料と加工製品とが接触して接着して、転写箔材料と加工製品との間に空気溜り又は気泡層が生じることがある。そのため、その空気溜り又は気泡層の部分による転写箔材料の浮き上がり、接着不良等の転写不良箇所が発生し、その結果、加工製品表面に転写された文字・記号・模様・文様・図柄・絵柄等の箔押転写凹凸パターンの必要部分において、転写箔材料の浮き上がり、接着不良、しわの発生、歪みの発生等の乱れが発生して不都合が生じることがある。
また、型押用版を使用した押圧加工システムにおいて、加工製品が対向基板側に位置する状態で、型押用版を支持板に向けて押圧していく時、加工製品に通気性がない場合には、型押用版と加工製品との間に部分的に空気を抱き込んだ状態で型押用版と加工製品とが接触して、型押用版と加工製品との間に空気溜り又は気泡層が生じることがある。そのため、その空気溜り又は気泡層の部分による押圧力の不均一等の押圧転写不良箇所が発生し、その結果、加工製品表面に転写された文字・記号・模様・文様・図柄・絵柄等の転写凹凸パターンの必要部分において、転写凹凸パターンの乱れが発生し不都合が生じることがある。
また、前述の実用新案登録第3130674号公報には、加工用版型の表面に凹凸パターンが刻設され、その凹凸パターンが刻設された表面の少なくとも一方向の表面が、最も高い頂部と該頂部から離れるに従って連続的に低くなるような傾斜面とからなる傾斜形状を有し、前記頂部が曲面形状およびアール形状のうちの少なくとも一つの形状を有し、このような表面形状をもつ表面に該凹凸パターンが刻設されていることを特徴とする加工用版型が開示され、これにより、上述したような空気溜り又は気泡層が生じることがなく、転写された文字・模様・文様・図柄・絵柄等の転写凹凸パターンの必要部分が乱れるなどの不都合の発生を防止して、高精度で鮮明な転写印刷ができる加工用版型が提供されることが記載されている。
しかしながら、実用新案登録第3130674号公報に開示されているものは、文字・記号・模様・文様・図柄・絵柄等の凹凸パターンを刻設した加工用版型の表面が、曲面形状またはアール形状などを有する構成であるため、この場合、曲面形状またはアール形状などの表面に、文字・記号・模様・文様・図柄・絵柄等の凹凸パターンを刻設する必要があり、曲面形状またはアール形状などの表面に凹凸パターンを刻設するためには、平面形状の表面に凹凸パターンを刻設する場合と比べて、著しく高度な技術を必要とし、また、その凹凸パターンを刻設するために高価な製造コストを必要とする、という課題がある。
本考案は、上述した課題を解決して、加工用版型としての型押用版を使用した押圧加工システムにおいて、加工製品表面に転写された文字・記号・模様・文様・図柄・絵柄等の転写凹凸パターンの乱れの発生を防止し、また、加工用版型としての箔押用版を使用した押圧加工システムにおいて、加工製品の表面に転写形成された箔押転写凹凸パターンにおいて、加工製品表面に転写された箔押転写凹凸パターンの必要部分において、転写箔材料の浮き上がり、接着不良、しわの発生、歪みの発生等の乱れの発生を防止して、加工用版型の表面に形成されている凹凸パターンに忠実な転写凹凸パターンまたは箔押転写凹凸パターンを転写形成するとともに、さらに、箔押用版や型押用版などの加工用版型の表面に凹凸パターンを形成するために、格別の高度な加工技術を必要とすることなく従来の技術で形成可能であって、格別の高コストを必要としなく、容易に、また、安価に実施可能な押圧加工システムを提供する。
また、加工用版型として切抜用刃型を使用した押圧加工システム、または、この切抜用刃型と同時に上記の型押用版又は箔押用版の双方を有する加工用版型を備えた押圧加工システムにおいて、一部の箇所が切断されないなどの切断・抜き不良の発生を防止するとともに、上記の型押用版又は箔押用版の双方を有する加工用版型を使用した場合には、上記と同じ効果が得られる押圧加工システムを提供する。
本考案の押圧加工システムは、表面に凹凸パターンを形成した加工用版型と、前記加工用版型に対向する位置に設置された対向基版と、前記加工用版型と前記対向基版との間に位置して供給される被加工物を備え、前記被加工物が前記加工用版型と前記被加工物との間に位置して供給された状態で、前記加工用版型と前記対向基版のうちの少なくともひとつを押圧することにより、前記凹凸パターンに対応する転写凹凸パターンを前記被加工物に転写加工する押圧加工システムにおいて、前記加工用版型は凹凸パターン部を有し、前記凹凸パターン部は平面表面を有し、前記凹凸パターンは前記凹凸パターン部の表面に凹凸形状で形成され、前記対向基版は連続傾斜受部を有し、前記連続傾斜受部は、その連続傾斜受部の少なくとも一方向の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部と、該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有し、前記凹凸パターン部と前記連続傾斜受部が互いに対向する位置に位置することを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、前記加工用版型は箔押用版であり、前記被加工物は加工製品と転写箔材料を有し、前記箔押用版における前記凹凸パターンは箔押用凹凸パターンで形成され、前記転写箔材料は前記加工用版型と前記加工製品との間に位置して供給され、前記転写箔材料と前記加工製品が前記加工用版型と前記対向基板との間に位置した状態で、前記加工用版型と前記対向基版のうちの少なくともひとつを押圧することにより、前記転写箔材料により形成された箔押転写凹凸パターンが前記加工製品の表面に転写形成されるように構成されることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、前記加工用版型は型押用版であり、前記型押用版における前記凹凸パターンは、型押用凹凸パターンで形成されて、前記被加工物の表面に前記型押用凹凸パターンに対応する転写凹凸パターンを転写形成するように構成されることを特徴とする。
前記加工用版型は切抜用刃型であり、前記切抜用刃型における前記凹凸パターンは、切抜用凹凸パターンで形成されて、前記被加工物を前記切抜用凹凸パターンに対応する形状に切断または抜き加工するように構成されることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記連続傾斜受部は、その連続傾斜受部の一方向の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有することを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記連続傾斜受部は、その連続傾斜受部の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部と、該頂部から全方向に離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有することを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記連続傾斜受部において、前記連続傾斜受部の表面のなめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する形状は、前記連続傾斜受部の断面において、所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状であることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記連続傾斜受部は樹脂材料により構成されることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記連続傾斜受部は、前記加工用版型と前記対向基板が押圧された時、押圧に対して圧縮変形可能であるとともに、押圧の解除により元の形状に戻るような圧縮弾性を有する材料により構成されることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記連続傾斜受部表面の頂部と最も低い部分との高さ寸法差は、前記連続傾斜受部表面の傾斜している最も長い方向の長さ寸法に対して、0.0005%から5%の範囲にあることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記連続傾斜受部は断面形状において、0.5mから50mの範囲の曲率半径のアール形状の連続傾斜形状面を有することを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記対向基板は、さらに、平面形状表面を有する基板平面部を有し、前記連続傾斜受部は、前記基板平面部の平面表面から突出して形成されていることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記連続傾斜受部は、その連続傾斜形状面を形成した方向の端部において、前記基板平面部の表面から垂直面または傾斜面を有して立ち上がった立上り側面を有し、前記連続傾斜形状面は、その立上り側面を除く前記連続傾斜受部の表面に形成されていることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記基板平面部と前記連続傾斜受部は互いに別体で構成され、前記基板平面部は互いに平行な表面と裏面とを有する板形状であり、前記連続傾斜受部は前記基板平面部の表面に固定されて構成されることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記連続傾斜受部は、前記基板平面部の表面に直接に樹脂材料を成型加工した状態で固定形成されていることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記基板平面部は表面から裏面が透けて見える程度の透明性を有する透明樹脂材料により構成されることを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記加工用版型の前記凹凸パターン部と前記対向基板の前記連続傾斜受部のそれぞれの表面形状は、前記加工用版型と前記対向基板が前記加工製品を互いに押圧した状態において、前記凹凸パターン部の表面領域が前記連続傾斜受部の表面領域の範囲内にあるような表面形状を有することを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記加工用版型と前記対向基板が互いに押圧された時に、前記加工製品は、その加工製品の表面側と裏面側の双方の表面が前記対向基板の表面に沿って屈曲変形可能な程度の屈曲変形可撓性を有することを特徴とする。
本考案の押圧加工システムにおいて、望ましくは、前記加工用版型は、一つの加工用版型に形成された複数個の凹凸パターン部、または、凹凸パターン部を形成した複数個の加工用版型を有し、前記対向基版は、一つの基板平面部に形成された複数個の連続傾斜受部、または、連続傾斜受部を形成した複数個の対向基版を有し、それぞれの前記複数個の凹凸パターン部は、それぞれの前記連続傾斜受部に対向する位置に設置されて構成されることを特徴とする。
本考案の対向基板は、前記押圧加工システムに使用される対向基板であることを特徴とする。
請求項1の押圧加工システムにより、次の作用効果が得られる。
(a)加工用版型に形成された凹凸パターンを、押圧により、その凹凸パターンに対応する凹凸パターンを被加工物に加工する押圧加工システムにおいて、加工用版型と対向基板との間に被加工物が位置した状態で、加工用版型と対向基板のうちの少なくともひとつを押圧していく時、初めに、被加工物裏面は対向基板の連続傾斜受部のなめらかな曲面形状を有する最も高い頂部に接触するとともに被加工物表面は加工用版型に接触し、その後、被加工物裏面は、順次、連続傾斜受部の連続傾斜形状面に沿って接触していき、そして、被加工物の表面と裏面は、連続傾斜受部と凹凸パターン部のそれぞれの全領域に接触して押圧され、その結果、対向基板の連続傾斜受部に支えられて、凹凸パターンを形成している凹凸パターン部の全領域が被加工物の表面を均等に押圧することになる。この場合、加工用版型表面と対向基板表面のそれぞれの平面精度が異なり、いずれかの平面が僅かに傾いていたり、または、表面に僅かな波うち形状がある場合にも、対向基板の連続傾斜受部が連続傾斜形状面を有しているために、加工用版型の凹凸パターン部の全領域が被加工物の表面を均等に押圧することになる。従って、被加工物には、転写凹凸パターンの凹凸の一部が欠けることなく、転写凹凸パターンの乱れの発生が防止されるとともに、加工用版型に形成されている凹凸パターンに忠実な転写凹凸パターンが加工される。
(b)被加工物として、樹脂コートされた紙類、防水コートされた紙類、プラスチックフィルムとラミネートされた紙類、プラスチックフィルムシート、皮革製、厚紙、プラスチック、金属製等の通気性が少ない被加工物を使用した場合にも、被加工物が加工用版型と対向基板との間に位置する状態で、加工用版型と対向基板のうちの少なくともひとつが押圧していく時、対向基板の連続傾斜受部の頂部または最も高い部分が被加工物裏面に接触し、そして、対向基板の連続傾斜受部の表面に沿って、順次、被加工物が対向基板に接触していく。被加工物が加工用版型と対向基板に挟まれて接触して押圧されていく時、これらの加工用版型・被加工物・対向基板などの部材の間の空気は、加工用版型・被加工物・対向基板の部材間に抱き込まれることなく、連続傾斜受部の頂部からその周囲または両側に連続的な連続傾斜形状面に沿って徐々に逃がされながら、これら部材間に空気溜り又は気泡層が生じることなく、これら部材間が正確に接触し、そのため、その空気溜り又は気泡層の部分による接触不良又は押圧力の不均一等の転写不良箇所の発生が防止される。さらに、この場合、まず初めに接触する連続傾斜受部の頂部または最も高い部分がなめらかな曲面形状を有するために、被加工物に押圧痕による筋などの不都合の発生もない。その結果、被加工物に転写された転写凹凸パターンの乱れ等の不都合の発生が防止され、使用した加工用版型に刻設された凹凸パターンに忠実で、高精度で、鮮明で、耐久性のある転写凹凸パターンが被加工物に加工される。
(c)本構成においては、凹凸パターンは加工用版型の凹凸パターン部の平面形状の表面に刻設形成されている。従って、曲面形状またはアール形状などの連続傾斜形状面に凹凸パターンを形成する場合と比べて、高度な刻設技術を必要とすることなく容易に凹凸パターンを形成可能であり、また、その凹凸パターンを刻設するために格別の高価な製造コストを必要としなく、安価に製造できる。
請求項2の、加工用版型として箔押用版を構成した押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(d)箔押用版などの加工用版型に形成された凹凸パターンを、押圧により、その凹凸パターンに対応する転写凹凸パターンを加工製品に加工する押圧加工システムにおいて、加工用版型と対向基板との間に転写箔材料と加工製品が位置するとともに、加工用版型と加工製品との間に転写箔材料が位置する状態で、加工用版型と対向基板とのうちの少なくともひとつが押圧していく時、初めに、加工製品裏面は対向基板の連続傾斜受部のなめらかな曲面形状を有する最も高い頂部に接触するとともに、加工製品表面は転写箔材料裏面に接触し、同時に、転写箔材料表面は加工用版型に接触し、その後、加工製品裏面は、順次、連続傾斜受部の連続傾斜形状面に沿って接触していき、そして、加工製品の表面が転写箔材料裏面に接触するとともに、転写箔材料と加工製品は、連続傾斜受部と凹凸パターン部のそれぞれの全領域に接触して押圧され、その結果、対向基板の連続傾斜受部に支えられて、凹凸パターンを有する凹凸パターン部の全領域が転写箔材料と加工製品とを均等に押圧することになる。この場合、加工用版型表面と対向基板表面のそれぞれの平面精度が異なり、いずれかの平面が僅かに傾いていたり、または、表面に僅かな波うち形状がある場合にも、対向基板の連続傾斜受部が連続傾斜形状面を有しているために、凹凸パターンを有する凹凸パターン部の全領域が転写箔材料と加工製品を均等に押圧することになる。従って、加工製品には、箔押転写凹凸パターンの凹凸の一部が欠けることなく、箔押転写凹凸パターンの乱れの発生を防止し、加工用版型に形成されている凹凸パターンに忠実な箔押転写凹凸パターンが転写加工形成される。
(e)加工製品として、樹脂コートされた紙類、防水コートされた紙類、プラスチックフィルムとラミネートされた紙類、プラスチックフィルムシート、皮革製、厚紙、プラスチック、金属製等の、通気性が少ない加工製品を使用した場合において、このような加工製品と転写箔材料が加工用版型と対向基板との間に位置するとともに転写箔材料が加工用版型と加工製品との間に位置する状態で、加工用版型と対向基板のうちの少なくともひとつが押圧していく時、対向基板の頂部または最も高い部分が加工製品裏面に接触するとともに加工製品表面が転写箔材料裏面に接触し、そして、対向基板の連続傾斜受部の表面に沿って、順次、加工製品裏面が対向基板に接触していくとともに、加工製品表面が転写箔材料裏面に接触していく。このような、加工製品と転写箔材料が加工用版型と対向基板に挟まれて接触して押圧されていく時、これらの加工用版型・転写箔材料・加工製品・対向基板などの部材の間の空気は、これらの加工用版型・転写箔材料・加工製品・対向基板の部材間に抱き込まれることなく、連続傾斜受部の連続的な連続傾斜形状面に沿って徐々に逃がされながら、これら部材間に空気溜り又は気泡層が生じることなく、これら部材間が正確に接触し、そのため、その空気溜り又は気泡層の部分による接触不良又は押圧力の不均一等の転写不良箇所の発生が防止される。さらに、この場合、まず初めに接触する連続傾斜受部の頂部または最も高い部分がなめらかな曲面形状を有するために、加工製品や転写箔材料表面に押圧痕による筋などの不都合の発生もない。その結果、加工製品表面に転写された箔押転写凹凸パターンの乱れ等の不都合の発生が防止され、使用した加工用版型に刻設された凹凸パターンに忠実で、高精度で、鮮明で、耐久性のある箔押転写凹凸パターンが加工製品に転写加工形成される。
(f)特に、転写箔材料として、プラスチックフィルム層および金属箔のうちの少なくともひとつを含む転写箔材料などの、通気性が少ない転写箔材料を使用した場合において、上記の(e)の作用効果がさらに向上する。
請求項3の、加工用版型として型押用版を構成した押圧加工システムにより、次の効果が得られる。
(g)前記の(a)、(b)、(c)の作用効果が得られるとともに、特に、型押用版に刻設されている型押用凹凸パターンに忠実な転写凹凸パターンが被加工物表面に凹凸形状で転写形成される。
請求項4の、加工用版型として切抜用刃型を構成した押圧加工システムにより、次の効果が得られる。
(h)前記の(a)、(b)、(c)の作用効果が得られるとともに、特に、切抜用刃型に形成されている切抜用凹凸パターンに忠実なパターン形状で被加工物が切り抜き加工される。
請求項5の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(i)対向基板の連続傾斜受部の一方向の表面が、なめらかな最も高い頂部とその頂部から離れるにしたがって連続的になめらかに低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する構成においては、前述のすべての作用効果が得られるとともに、特に、最も高い頂部が連続傾斜受部の中央部に位置し、その中央部の頂部から離れるにしたがって連続的になめらかに低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する構成においては、連続傾斜受部の中央部が最も高くなっていることにより、被加工物にかかる押圧が、その連続傾斜受部の中央部から少なくとも一方向の両側方向において均等になり、また、中央部の頂部から最も低い部分までの距離が短くなるため、対向基板の連続傾斜受部に支えられて、凹凸パターンを形成している加工用版型の全領域が被加工物を均等に押圧することになり、前述の(a)、(d)の作用効果がさらに向上する。また、空気が連続傾斜受部の頂部の最も高い部分の両側に分散して逃がされ、さらに、最も低い部分までの距離が短くなるため、その空気溜り又は気泡層の発生を防止する作用がさらに向上し、その結果、上記の(b)、(e)の作用効果がさらに向上する。
請求項6の押圧加工システムにより、前述の作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(j)対向基板の連続傾斜受部が、なめらかな曲面形状を有する最も高い頂部と、その頂部から全方向に離れるにしたがって連続的になめらかに低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する構成においては、前述のすべての作用効果が得られるとともに、特に、連続傾斜受部の中央部が最も高くなっていることにより、被加工物にかかる押圧が、その連続傾斜受部の頂部から周囲の全方向において均等になるため、対向基板の連続傾斜受部に支えられて、凹凸パターンを形成している加工用版型の全領域が被加工物を均等に押圧することになり、前述の(a)、(d)の作用効果がさらに向上する。また、空気が連続傾斜受部の頂部の最も高い部分の周囲に均等に分散して逃がされるため、その空気溜り又は気泡層の発生を防止する作用がさらに向上し、その結果、上記の(b)、(e)の作用効果がさらに向上する。
請求項7の押圧加工システムにより、前述の作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(k)前記連続傾斜受部において、前記連続傾斜受部の表面のなめらかな曲面形状を有する最も高い頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する形状が、前記連続傾斜受部の断面において、所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状である構成であって、連続傾斜受部の一方向のみに所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状である場合、または、連続傾斜受部の全方向に所定の曲率半径の部分球面形状を有する形状である場合のいずれの形状においても、連続傾斜受部の表面における断面形状は一方向または全方向において所定の曲率半径を有する円弧状アール形状であり、連続傾斜受部の任意の表面においても一定の接線角を有する同じなめらかな曲率面を有することになる。この構成により、加工用版型と対向基板が互いに押圧されていく時、連続傾斜形状面のすべての位置にかかっていく押圧力が同じになり、加工用版型の全領域が加工製品の表面を均等に押圧することになるとともに、また、部材間に存在していた空気の逃げる状態が一定となって空気が逃げやすくなり、空気溜り又は気泡層の発生を防止する作用がさらに向上する。また、特に、最も高い頂部は連続傾斜受部の中央部に位置すること形状が望ましい。これにより、連続傾斜受部の中央部が最も高くなっていることにより、被加工物にかかる押圧が、その連続傾斜受部の中央部から全方向において均等になり、また、中央部の頂部から最も低い部分までの距離が短くなるため、対向基板の連続傾斜受部に支えられて、凹凸パターンを形成している加工用版型の全領域が被加工物を均等に押圧することになり、前述の(a)、(d)の作用効果がさらに向上する。また、空気が連続傾斜受部の中央部に位置する最も高い頂部から全方向の周囲に分散して逃がされ、さらに、最も低い部分までの距離が短くなるため、その空気溜り又は気泡層の発生を防止する作用がさらに向上し、その結果、上記の(b)、(e)、(f)の作用効果がさらに向上する。
請求項8の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(l)一般に、樹脂材料は、硬さ、柔軟性、圧縮弾性率などの点において種々の性質を有する材料が存在し、従って、連続傾斜受部を樹脂材料により形成することにより、所望の性質の連続傾斜形状面を有する連続傾斜受部を構成することができ、容易に安価に作製できる。
請求項9の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(m)連続傾斜受部は、前記加工用版型と前記対向基板が押圧された時、押圧に対して圧縮変形可能であるとともに、押圧の解除により元の形状に戻るような圧縮弾性を有する材料により構成されることにより、加工用版型と対向基板が互いに押圧されていくとき、はじめに接触する対向基板の連続傾斜受部の頂部が圧縮されて変形されるとともに、徐々に、加工製品や転写箔材料(転写箔材料を使用する箔押転写の場合)などの被加工物と対向基板の間の空気が逃げながら連続傾斜形状面をも圧縮変形され、最終的に、対向基板の連続傾斜受部は加工用版型表面の平面形状に合致する略平面形状に圧縮変形されるために、被加工物に加えられる押圧力が均一になるとともに各部材間の気泡が除去され、連続傾斜受部の曲面形状等によるパターン歪を最少に抑えた転写凹凸パターン、箔押転写凹凸パターン、または、切断抜き凹凸パターンが被加工物に加工形成される作用効果が著しく向上する。また、続傾斜受部は、押圧の解除により元の形状に戻るような圧縮弾性を有することにより、繰り返しの押圧転写作業においても、上記の作用効果が維持できる効果がある。
請求項10の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(n)前記連続傾斜受部表面の最も高い頂部と最も低い部分との高さ寸法差は、前記連続傾斜受部表面の傾斜している最も長い方向の長さ寸法に対して、0.0005%から5%の範囲にある構成により、前述のすべての作用効果を低減させることなく、上記の空気溜り又は気泡層の部分による接触不良又は押圧力の不均一等の転写不良箇所の発生が防止されるという作用効果が著しく向上するとともに、転写凹凸パターンや箔押転写凹凸パターンなどにおける歪等の発生が最小限に抑えられ、さらに、加工時における押圧速度を高速にして加工した場合にも、上記の作用効果が発揮される。使用した加工用版型に刻設された凹凸パターンに忠実で、高精度で、鮮明で、耐久性のある転写凹凸パターン、箔押転写凹凸パターン、または、切断抜きパターンが被加工物に加工されるとともに、高速転写加工が可能になり、生産性が著しく向上する。
請求項11の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(o)前記連続傾斜受部が断面形状において0.5mから50mの範囲の曲率半径のアール形状の連続傾斜形状面を有する構成により、前述の作用効果を低減させることなく、空気溜り又は気泡層の部分による接触不良又は押圧力の不均一等の転写不良箇所の発生が防止されるという作用効果が著しく向上するとともに、転写凹凸パターンや箔押転写凹凸パターンなどにおける歪等の発生が最小限に抑えられ、さらに、加工時における押圧速度を高速にして加工した場合にも、上記の作用効果が発揮される。使用した加工用版型に刻設された凹凸パターンに忠実で、高精度で、鮮明で、耐久性のある転写凹凸パターン、箔押転写凹凸パターン、または、切断抜きパターンが被加工物に加工されるとともに、高速転写加工が可能になり、生産性が著しく向上する。
請求項12の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(p)前記対向基板が、さらに、平面形状表面を有する基板平面部を有し、前記連続傾斜受部が前記基板平面部の平面表面から突出して形成されている構成により、基板平面部の表面の所望の領域位置に連続傾斜受部を形成した対向基板を使用することが可能になる。従って、押圧加工システムに加工用版型と対向基板を設置する時に、加工用版型の凹凸パターン部に対向する位置に、対向基板の基板平面部に形成した連続傾斜受部が位置するように、対向基板をあらかじめ構成した対向基板を使用することにより、加工用版型と対向基板の位置合わせ設置が容易になり、その結果、前述のすべての効果をさらに効果的に発揮できる押圧加工システムが得られる。さらに、被加工物として紙類のような薄い屈曲変形可能な加工製品を使用した場合、または、被加工物として紙類のような薄い屈曲変形可能な加工製品と薄い屈曲変形可能な転写箔材料との双方を使用した場合、被加工物が加工用版型と対向基板とにより押圧されたとき、連続傾斜受部に接触していない被加工物の領域がこの基板平面部の平面表面に支えられて、大きく屈曲変形することなく、対向基板の表面形状に合致して連続傾斜受部の高低差に相当する寸法だけ屈曲変形するだけであり、被加工物の加工領域以外の領域に悪影響を与えることなく押圧加工できる押圧加工システムが得られる。さらに、連続傾斜受部が対向基板の表面全体に形成することなく所定の領域のみに形成された構成であるため、対向基板の表面の必要な領域のみに連続傾斜形状面を形成しているため、傾斜角度が同じ連続傾斜形状面である場合に最も高い頂部ともっとも低い部分との寸法差を最小限に小さくした連続傾斜受部を構成でき、その結果、押圧された時における加工製品の屈曲変形が最小限に抑えられ、被加工物の加工領域以外の領域に悪影響を与えることなく押圧加工できる押圧加工システムが得られる。
請求項13の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(q)前記連続傾斜受部が、その連続傾斜形状面を形成した方向の端部において、前記基板平面部の表面から垂直面または傾斜面を有して立ち上がった立上り側面を有し、前記連続傾斜形状面は、その立上り側面を除く前記連続傾斜受部の表面に形成されている構成において、被加工物としての加工製品が加工用版型と対向基板により押圧された時、押圧力が弱い場合には、加工製品の裏面は連続傾斜受部表面のみに接触して、基板平面部表面には接触しなく、また、押圧力が強い場合には、加工製品の裏面は連続傾斜受部表面に強い押圧で接触するとともに、基板平面部表面には弱い押圧力で接触する。すなわち、いずれの場合も、加工製品の裏面は連続傾斜受部表面に集中して押圧力がかかることになり、その結果、前述の(a)、(b)、(d)、(e)の作用効果がさらに向上する。
請求項14の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(r)対向基板の基板平面部と連続傾斜受部とを別体で構成して、基板平面部の表面に連続傾斜受部を固定した構成により、連続傾斜受部の連続傾斜形状面の高低差が微小(例えば1mm以下の微小)であっても、対向基板における連続傾斜受部の領域を明確に視認することができるために、加工用版型と加工製品と対向基板の相互の位置関係を視認可能であり、これらの部材の設置合わせ時の制御が容易になり、正確な位置合わせが可能となる。また、対向基板を製造するための製造コストが低く抑えられる効果が得られる。例えば、基板平面部と連続傾斜受部とを一体で構成する場合には、一枚の板材料から切削などの機械加工手段により、基板平面部と、その基板平面部から突出した所定形状の連続傾斜受部を加工形成する必要があり、この場合、高度の加工技術または高価な加工装置を必要とし、製造コストが著しく高くなる。これに対して、基板平面部と連続傾斜受部とを別体で構成する場合には、まず、製作が容易で安価に製作できる基板平面部を作製し、その後、その基板平面部に、別体の所定形状の連続傾斜受部を固定して製作することができ、これにより、安価な対向基板が構成可能となる。さらに、押圧加工システムに適用できる所定厚さの対向基板を構成する場合、所望厚さの板形状の基板平面部を選択して構成することにより、容易に所望厚さの対向基板を構成することが可能となり、その結果、既存の転写装置に設置可能で、所望の高い寸法精度を有する対向基板を構成した押圧加工システムが得られる。
請求項15の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(s)連続傾斜受部を前記基板平面部の表面に直接に樹脂材料を成型加工して固定形成されている構成により、高い寸法精度を有する所定形状の連続傾斜形状面の連続傾斜受部を構成可能であり、また、連続傾斜受部を容易に安価に作製できる。例えば、連続傾斜受部の形状に合致する金型を準備し、その金型の中に硬化前の熱硬化性樹脂材料を充填するとともに基板平面部をその熱硬化性樹脂材料に接触した状態で設置して、熱硬化性樹脂材料を加熱または圧縮して硬化することにより、前記基板平面部の表面に直接に固定された熱硬化性樹脂による連続傾斜受部が製作できる。また、このような金型の利用により、所定形状の連続傾斜受部を有する対向基板を数多く作製することが可能であり、高い寸法精度を有するとともに、同じ寸法の連続傾斜受部を有する対向基板を構成でき、また、容易に、しかも、安価に作製できる。
請求項16の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(t)基板平面部は表面から裏面が透けて見える程度の透明性を有する透明樹脂材料により構成されることにより、対向基板を視認しながら転写装置の所定の位置に正確に設置可能となるとともに、対向基板における連続傾斜受部の領域を明確に視認することができるために、加工用版型と被加工物と対向基板の相互の位置関係を容易に視認でき、これらの部材の設置合わせ制御が容易になり、その結果、被加工物を所望の位置、形状に加工することができる。
請求項17の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(u)加工用版型と対向基板の連続傾斜受部のそれぞれの表面形状は、加工用版型と対向基板が加工製品を互いに押圧した状態において、加工用版型の凹凸パターン部の表面領域が対向基板の連続傾斜受部の表面領域の範囲内にあるような表面形状を有する構成により、被加工物を介して、加工用版型の凹凸パターン部のすべての領域が対向基板の連続傾斜受部の領域内に位置して接触するために、加工用版型の凹凸パターン部における被加工物への加圧力が均一になるとともに、加工用版型の凹凸パターン部における空気溜りの発生が防止され、前述の(a)、(b)、(d)、(e)の効果が効率よく著しく有効に発揮できる。その結果、加工用版型に刻設されている凹凸パターン形状に忠実に加工される。
請求項18押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(v)加工用版型と対向基板が互いに押圧された時に、被加工物が対向基板の表面に沿って屈曲変形可能な程度の屈曲変形可撓性を有する構成により、例えば、被加工物として、紙、プラスチックフィルム、布などの屈曲変形可能な加工製品を使用した場合、または、このような屈曲変形可能な加工製品と屈曲変形可能な転写箔材料との双方を使用した場合、被加工物を介して加工用版型と対向基板が互いに押圧されていくとき、徐々に、被加工物と対向基板の間の空気が逃げながら、被加工物の全体が対向基板の連続傾斜受部の連続傾斜形状面に沿って屈曲変形するとともに、加工製品自身の裏面も連続傾斜受部の連続傾斜形状面に沿って圧縮変形し、そして、このような屈曲変形するとともに圧縮変形した状態で、被加工物が加工用版型と対向基板に押圧されて、被加工物が所定形状に加工される。なお、被加工物として加工製品と転写箔材料が使用された場合には、最終的に、加工製品自身と転写箔材料自身が連続傾斜受部の連続傾斜形状面に沿って屈曲変形するとともに加工製品自身の裏面も連続傾斜受部の連続傾斜形状面に沿って圧縮変形した状態で、加工用版型と対向基板が互いに押圧されて、加工製品の表面に箔押転写凹凸パターンが形成され、そのために、加工製品に加えられる押圧力が均一になるとともに各部材間の気泡が除去され、加工用版型に刻設されている凹凸パターン形状に忠実な転写凹凸パターンまたは箔押転写凹凸パターンが加工製品表面に形成される。また、加工用版型として切抜用凹凸パターンを形成した切抜用刃型を使用した場合には、被加工物自身が連続傾斜受部の連続傾斜形状面に沿って屈曲変形するとともに加工製品自身の裏面も連続傾斜受部の連続傾斜形状面に沿って圧縮変形した状態で、加工用版型と対向基板が互いに押圧されて、被加工物が凹凸パターンの刃型に一致して切断または抜き加工される。
請求項19の押圧加工システムにより、前述のすべての作用効果に加えて、さらに、次の作用効果が得られる。
(w)加工用版型は、一つの加工用版型に形成された複数個の凹凸パターン部、または、凹凸パターン部を形成した複数個の加工用版型を有し、対向基版は、一つの基板平面部に形成された複数個の連続傾斜受部、または、連続傾斜受部を形成した複数個の対向基版を有し、それぞれの複数個の凹凸パターン部は、それぞれの連続傾斜受部に対向する位置に設置されて構成される構成により、前述のすべての作用効果を有するとともに、さらに、被加工物を複数個の所定パターンに加工することが可能となる。また、複数個の凹凸パターン部においてそれぞれの凹凸パターンの凹凸深さに差がある場合においても、連続傾斜受部の作用効果により、被加工物にかかる押圧力が均一になり、また、それぞれの部材間の空気を逃がす効果が維持され、その結果、複数個のそれぞれの凹凸パターに忠実な複数個の所定のパターンに加工される。
(x)特に、加工用版型が、被加工物としての加工製品を所定形状に切断又は抜き加工するための刃形状で形成された切抜用凹凸パターンと同時に、加工製品の表面に所定形状の転写凹凸パターンを形成するための凹凸形状で形成された型押用凹凸パターン、又は、加工製品の表面に転写箔材料の所定形状で形成された箔押転写凹凸パターンを形成するための凹凸形状で形成された箔押用凹凸パターンを有する押圧加工システムの場合には、切断又は抜き加工と、型押加工又は箔押加工が同時に一工程で加工でき、そのために、加工製品に加工される切断抜き加工部と転写凹凸パターン部(又は箔押転写凹凸パターン部)との相対位置が正確に位置合わせされて加工される押圧加工システムが得られる。
前述の請求項1から請求項18に構成される対向基板により、前述のすべての作用効果が得られる。
本考案の一実施例の押圧加工システムの概略構成図 本考案の一実施例の押圧加工システムに備えられる加工用版型の実施例の拡大図 本考案の一実施例の押圧加工システムに備えられる対向基板の実施例の拡大図 本考案の他の実施例の対向基板の正面図 本考案の他の実施例の押圧加工システムの概略構成図 本考案の他の実施例の押圧加工システムに備えられる加工用版型の他の実施例の拡大図 本考案の他の実施例の押圧加工システムに備えられる対向基板の他の実施例の拡大図 本考案のさらに他の実施例の押圧加工システムの概略構成図 本考案のさらに他の実施例の押圧加工システムに備えられる対向基板の実施例の拡大図 本考案のさらに他の実施例の対向基板の正面図 本考案のさらに他の実施例の押圧加工システムに備えられる対向基板の実施例の拡大図 本考案のさらに他の実施例の平圧式の押圧加工システムの概略構成図 本考案のさらに他の実施例の押圧加工システムの概略構成図 本考案のさらに他の実施例の押圧加工システムに備えられる加工用版型の実施例の拡大図 本考案のさらに他の実施例の押圧加工システムに備えられる加工用版型の実施例の拡大図 本考案のさらに他の実施例の押圧加工システムに備えられる加工用版型の実施例の拡大図
以下に本考案の構成等について、実施例と図面を示しながら説明する。図面において、構成要素の形状・大きさ・寸法等は正確に示すものではなく形状、構成、作用効果等の特徴を説明するための概略を示すものである。
実施例1.
図1は本考案の一実施例の加工用版型と対向基板とを備えた押圧加工システムの概略構成図であり、加工用版型として箔押用版を備え、被加工物として加工製品と転写箔材料とを有する押圧加工システムの原理的な機構を示す。図2は本考案の押圧加工システムに構成される加工用版型の一実施例を示し、(a)は平面図であり、(b)はAA線の断面図であり、(c)はBB線の断面図である。図3は本考案の押圧加工システムに構成される対向基板の一実施例を示し、(a)は平面図であり、(b)はCC線の断面図であり、(c)はDD線の断面図である。
図1の押圧加工システムにおいて、被加工物3として、加工製品33と転写箔材料34が使用される。加工用版型1が第一基盤8に設置され、対向基板2が第二基盤9に設置され、加工用版型1と対向基板2は互いに対向する位置に設置されている。加工用版型1と対向基版2との間に位置して加工製品33が載置または供給され、加工用版型1と加工製品33との間に転写箔材料34が載置または供給される。図2に示されるように、加工用版型1は略平面形状の表面を有し、その略平面形状の表面に凹凸パターン部11が形成され、その凹凸パターン部11に凹凸パターン12としての箔押用凹凸パターン121が凹凸形状で刻設されている。図3に示されるように、対向基板2は連続傾斜受部26を有し、連続傾斜受部26は、その連続傾斜受部26の少なくとも一方向の表面において、なめらかな曲面形状を有する最も高い頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する。
ここで、対向基板2の連続傾斜受部26の形状について説明する。本考案の押圧加工システムにおいて、「連続傾斜受部26は、その連続傾斜受部26の少なくとも一方向の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する」ことを特徴とする。なお、図3において、連続傾斜受部26は、その連続傾斜受部26の一方向(CC方向)の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有し、CC方向と直交するDD方向は断面において所定の一定表面を有する形状である。
「なめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面」の語句について説明する。「曲面形状」の語句は「鋭角等の突起部または段差等が存在することなく、なめらかに、または、緩やかな傾斜面を有する面形状」を意味する。「傾斜面」の語句は「断面において曲線状または直線状に傾斜している面」を意味する。「連続傾斜形状面」の語句は「頂部、傾斜面、頂部と傾斜面の境界を含めた連続傾斜受部の全表面がなめらかに連続して傾斜している面」を意味する。「なめらかな曲面形状を有する頂部」の語句は、「頂部が、鋭角等の突起部または段差等が存在することなく、なめらかな、または、ゆるやかな、曲面形状を有する」を意味する。すなわち、「連続傾斜受部がなめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する」の構成は、「頂部と傾斜面と頂部傾斜面境界を含む連続傾斜受部の全表面が、加工用版型と対向基板との間で被加工物が押圧されたときに、被加工物に押圧痕跡が生じない程度の連続傾斜形状面を有する」の構成であり、この構成により、加工用版型と対向基板との間で被加工物が押圧されたときに、被加工物に、対向基板の連続傾斜受部の形状に起因する押圧痕跡が転写発生しなくなる作用効果がある。なお、「頂部」の語句は、連続傾斜受部の「最も高い部分」または「最も高い頂部」を意味する。
例えば、(イ)頂部がなめらかな曲面形状であって、その頂部の曲面に連続してつながって連続的に低くなるような、所定形状の曲線的傾斜面または直線的傾斜面を有する表面形状もこの連続傾斜形状面の範ちゅうに入る。
また、「なめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面」としては、特に、所定方向の断面において、連続傾斜形状面の表面の全体が円弧の一部の表面形状であって、所定の曲率アールを有する表面形状であるような表面形状を意味する。すなわち、(ロ)頂部と傾斜面とを含めた連続傾斜形状面の全体が、断面において、所定の曲率半径の円弧アール形状を有する表面形状を意味する。この形状において、連続傾斜受部26の全方向において連続傾斜形状面を有する形状の場合、連続傾斜受部26は連続傾斜形状面の全体が所定の円球状の部分的球面を有する形状となる。
対向基板2としては、図3に示される対向基板に限定されることなく、図4に示されるような連続傾斜受部26を有する対向基板2も実施可能である。図4は対向基板2の他の実施例の正面図を示し、(a)の対向基板2はなめらかな曲面形状を有する頂部が連続傾斜受部26表面の端に位置し、その頂部から離れるにしたがって、なめらかに連続して曲線的または直線的に低くなるような傾斜面を有する形状を有する。(b)の対向基板2は頂部が任意の位置に位置し、その頂部から離れるにしたがって、なめらかに連続して曲線的または直線的に低くなるような傾斜面を有する形状を有する。(c)の対向基板2は頂部が連続傾斜受部26表面の中央部に位置し、その頂点部から離れるにしたがって連続して曲線的または直線的に低くなるような傾斜面を有する形状を有する。(d)の対向基板2は頂部と傾斜面とを含めた連続傾斜形状面の全体が、断面において、所定の曲率半径の円弧アール形状を有する表面形状を有する。すなわち、前述のように、この形状において、連続傾斜受部26の全方向において連続傾斜形状面を有する形状の場合、連続傾斜受部26の表面は連続傾斜形状面の全体が所定の円球状の部分的球面を有する形状となる。
これらの(a)、(b)、(c)、(d)のそれぞれの正面図において、頂部はなめらかな所定の曲面形状を有し、その頂部と傾斜面とは角部や突起部が存在しなく連続的になめらかにつながるような形状を有する。または、頂部と傾斜面とを含めた連続傾斜形状面の全体が所定の曲率半径の部分的球面形状を有して連続傾斜受部を形成する。
加工製品33としては、特に限定されることなく、あらゆる加工製品33が使用できる。特に、加工用版型1と対向基板2が互いに押圧された時に、加工製品33が、その加工製品33の表面側と裏面側の双方の表面が対向基板2の表面に沿って屈曲変形可能な程度の屈曲変形可撓性を有する加工製品33が特に望ましい。このような加工製品33としては、例えば、紙類、繊維織物、布、不織布等の通気性のある加工製品が使用できる。また、樹脂コートされた紙類、防水コートされた紙類、プラスチックフィルムとラミネートされた紙類、プラスチックフィルムシート、皮革製品、などのような通気性のない屈曲変形可撓性を有する加工製品33も使用できる。このような加工製品を使用した場合において、前述の加工製品にかかる加圧力を均一にする効果や、転写箔材料34と加工製品33と対向基板2の間の気泡を逃がす点において著しい効果が得られる。
また、加工製品33としては、プラスチック成型品、金属板、木板、等の、屈曲変形可撓性を持たないが、押圧により、圧縮変形可能な性質を持つ加工製品33も使用できる。この場合、転写箔材料34が凹凸形状で加工されるとともに、加工製品33も凹凸形状で加工され箔押転写凹凸パターンが加工製品の表面に転写形成される。この場合、上記の作用効果がやや劣る場合があるが、柔軟性、硬さ、厚さ、などの加工製品の形状や物性、または、押圧転写条件などを適宜、選択することにより、使用可能である。
また、加工製品33としては、金属板、硬質プラスチック成型品などのような、押圧により、圧縮変形不可能な性質を持つ加工製品33も使用できる。この場合、転写箔材料34により凹凸形状で加工された箔押転写凹凸パターンが加工製品33の表面に転写形成される。
転写箔材料34としては公知の転写箔材料が使用され、例えば、金属蒸着フィルム、着色フィルム、金属箔積層フィルム、酸化金属薄膜付フィルム、これらの積層フィルム等が使用される。また、このような転写箔材料に替えて、金属箔、着色紙等も使用できる。このような転写箔材料34の他の例としては、例えば、キャリアフィルム層・離型層・保護層・着色層・金属層・接着層とから構成された積層フィルムが使用され、箔押転写時には、保護層・着色層・金属層・接着層が加工製品33表面に転写接着されて、所望の箔押転写凹凸パターンが転写印刷形成される。一般に、このような転写箔材料は通気性がないために、本実施例の構成により前述の加工用版型1と転写箔材料34と加工製品333と対向基板2の間の気泡を逃がす点において著しい効果が得られる。
加工用版型1に使用される材質は、凹凸形状の凹凸パターンを刻設加工が可能であるとともに、押圧時に変形しない程度の硬さを有する硬い材質材料が使用され、その使用される目的に応じて、例えば、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、その他の公知の金属、鋼、ステンレス、真ちゅう、その他の公知の合金、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、添加物含有樹脂、その他の公知の樹脂、などが使用される。また、加工用版型1を第一基盤8に固定する構成としては特に限定されることなく、例えば、図示していないが、接着手段による固定、または、凹凸パターンに影響を及ぼさない領域におけるボルト等の固定部材の使用による固定が実施される。または、別体の取付板を使用して第一基盤8に固定するとともに、その取付板に加工用版型1を固定する構成も使用できる。また、第一基盤8と加工用版型1の間に加工用版型1を加熱するための熱盤が設置された押圧加工システムも可能である。
このような加工用版型1の表面の所定の領域に凹凸パターン部11が形成され、その凹凸パターン部11の表面に、文字・記号・模様・文様・図柄・絵柄等の所望の箔押用凹凸パターン121が凹凸形状で刻設されている。これらの文字・記号・模様・文様・図柄・絵柄等は凹による凹パターンまたは凸による凸パターンまたはこれらの凹凸の組み合わせによる凹凸パターンにより形成され、その箔押用凹凸パターン121の凹凸形状は特に限定されないが、例えば、線幅約0.01mmから約0.1mmの万線状模様、点幅約0.1から約1mmの複数点により描かれた図柄・絵柄、約1mmから約10mmの大きさの文字・記号・文様、または、これらの組み合わせなどの凹凸パターンが適用される。箔押用凹凸パターン121の深さは特に限定されないが、例えば、約0.01mmから約3mmである。このような箔押用凹凸パターン121は、腐蝕エッチング加工、機械加工、またはこれらの組み合わせ等により刻設される。例えば、図2に示される凹凸パターン部11において、黒い部分が凹形状に刻設されている。また、凹凸パターン部11において、黒い部分が凸形状に刻設されている形状も使用可能である。なお、図2の(b)、(c)において、箔押用凹凸パターン121の凹凸の図示は省略してあり、実際には、図2の(b)、(c)の断面図において、凹凸パターンに相当する所定寸法の凹部および凸部が形成されている。
このような転写箔材料34を使用した押圧加工システムに使用される加工用版型としては、公知の箔押用パターン形状を形成した箔押用版が使用される。例えば、転写箔材料として前述の積層フィルムを使用した場合、キャリアフィルム層を残して、保護層・着色層・金属層・接着層のみを加工製品の表面に転写形成することが可能になるような転写箔材料を部分的に切断可能な切断用凹凸形状部と、文字・記号・模様・文様・図柄・絵柄等を表現するパターン用凹凸形状部との双方の凹凸形状部を刻設した箔押用版の加工用版型が使用される。
また、本実施例において使用される加工用版型としては、図2に示されるような加工用版型に限定されることなく、所定形状の厚さを有する平板形状の平板型加工用版型、または、所定の形状に曲げることができる程度の薄い厚さを有するフレキシブル加工用版型などが使用できる。フレキシブル加工用版型の場合には、そのフレキシブル加工用版型が別のベース基板に固定された状態で使用される。
図2において、凹凸パターン部11は加工用版型の表面よりも一段高く突出した平面領域に形成されているが、これに限定されることなく、加工用版型1の表面と同じ高さで凹凸パターン部11を形成し、その凹凸パターン部11に凹凸パターンを形成した構成も実施可能である。
本実施例の加工用版型1の一実施例を示す図2、および、対向基板2の一実施例を示す図3において、連続傾斜受部26の平面図における形状および加工用版型1の凹凸パターン部11が形成されている領域の平面図における形状はいずれも長方形であるが、この形状に限定されることなく、連続傾斜受部26および凹凸パターン部11の形成領域の平面図における形状は、それぞれ、正方形、三角形、五角形、多角形、円、楕円などの任意の形状が実施可能であり、この場合、加工用版型1と対向基板2が互いに押圧されたときに、凹凸パターン部11の領域が連続傾斜受部26の領域の内に入るような形状が望ましい。
このような構成において、第一基盤8と第二基盤9のうちの少なくとも一方を駆動して、転写箔材料34と加工製品33を押圧していく時、はじめに、対向基板2の連続傾斜受部26の頂部としての中央部の最も高い部分が対向位置する加工製品33を接触押圧するとともに転写箔材料34をも押圧しながら加工用版型1を押圧し、そして連続傾斜受部26の連続的に滑らかに低くなるように形成された連続傾斜形状面に沿って順次その両側または周囲の低い部分が加工製品33を介して転写箔材料34を接触押圧していき、最後に、加工製品33と転写箔材料34は加工用版型1と連続傾斜受部26の双方の全面により押圧され、転写箔材料34により形成された転写凹凸パターンが加工製品33の表面に転写形成される。この場合、加工用版型1表面と対向基板2表面のそれぞれの平面精度が異なり、いずれかの平面が僅かに傾いていたり、または、表面に僅かな波うち形状がある場合にも、対向基板2の連続傾斜受部26が連続傾斜形状面を有しているために、凹凸パターンを形成している加工用版型1の全領域が転写箔材料34と加工製品33を均等に押圧することになる。従って、加工製品33には、箔押転写凹凸パターンの凹凸の一部が欠けることなく、箔押転写凹凸パターンの乱れの発生を防止し、加工用版型1に形成されている箔押用凹凸パターン121に忠実な箔押転写凹凸パターンが転写形成される。
さらに、加工製品33に通気性がない場合にも、加工用版型1と転写箔材料34との間、及び、転写箔材料34と加工製品33との間に部分的に空気を抱き込むことなく空気を周囲に逃がしながら転写箔材料34と加工製品33とが接触して接着して、転写箔材料34と加工製品33との間に空気溜り又は気泡層が生じることが防止される。そのため、その空気溜り又は気泡層の部分による転写箔材料の浮き上がり、接着不良、押圧力の不均一等の転写不良箇所の発生が防止される。さらに、対向基板の頂部または最も高い部分が曲面形状またはアール形状を有するために、転写箔材料34および加工製品33などに押圧痕などによる筋などの不都合の発生ない。その結果、転写箔材料の浮き上がり、接着不良、しわの発生、歪みの発生等の乱れ等の不都合の発生が防止され、使用した箔押用版に刻設された箔押用凹凸パターン121に忠実で、高精度で、鮮明で、耐久性のある箔押転写凹凸パターンが加工製品33の表面に転写形成される。
これにより、前述の「考案の効果」の項目で説明した(a)から(f)の効果が得られる。
なお、転写箔材料34を使用した箔押転写システムにおいて、加工製品33の表面に転写形成される箔押転写凹凸パターンは、転写箔材料34が凹凸形状で転写形成されるとともに、加工製品の表面もその転写箔材料34による凹凸形状と合致して凹凸形状で形成され場合と、転写箔材料34のみが凹凸形状で転写形成された状態で、加工製品の表面に転写形成される場合がある。これらの転写状態は、使用する加工用版型1の凹凸パターンの形状、転写箔材料34の種類、加工製品の種類などを制御することによって、所望の転写状態を設定することができる。
実施例2.
実施例2は、前述の実施例1において、転写箔材料を使用することなく、加工用版型1の凹凸パターン部11に刻設されている凹凸パターン12を、加工製品33の表面に転写して、転写凹凸パターンを形成するための押圧加工システムの一実施例を示す。
図5は、本考案の他の押圧加工システムの一実施例を示し、加工用版型と対向基板を備えた平圧式の押圧加工システムの概略構成図であり、押圧加工システムの原理的な機構を示す。図5の押圧加工システムは、図1に示される押圧加工システムを構成する構成要素のうち、転写箔材料が構成されなく、加工用版型1としては型押用版が使用され、その他の構成は図1と同じ構成であり、前述の実施例1の説明と同じである。図5において、加工用版型1が第一基盤8に設置され、対向基板2が第二基盤9の前記加工用版型に対向する位置に設置されている。加工用版型1と対向基版2との間に位置して被加工物3としての加工製品33が載置または供給される。
図14は本考案の押圧加工システムに備えられる加工用版型として使用される型押用版の実施例の拡大図であり、(a)は平面図、(b)はMM線の断面図、(c)はNN線の断面図である。図14において、加工用版型1の表面は略平面を有し、その平面表面の所定の領域に凹凸パターン部11が形成され、この凹凸パターン部11に凹凸パターン12として凹凸形状の型押用凹凸パターン122が刻設されている。なお、図14の(b)、(c)において、凹凸パターンの凹凸形状の図示は省略されている。なお、本実施例に使用される加工用版型1に形成されている型押用凹凸パターン122は、文字などの凹凸パターンを加工製品の表面に押圧転写形成に最適な凹凸形状を形成した型押用凹凸パターン122を有する型押用版1が使用される。
対向基板2としては、図3または図4に示されるような対向基板が使用され、連続傾斜受部26を有し、連続傾斜受部26は、その連続傾斜受部26の少なくとも一方向の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する。その他の構成などは実施例1の説明と同じである。
このような構成において、第一基盤8と第二基盤9のうちの少なくとも一方を駆動して、被加工物3としての加工製品33を押圧していく時、はじめに、対向基板2の連続傾斜受部26の頂部としての中央部の最も高い部分が対向位置する加工製品33を接触押圧しながら加工用版型1を押圧し、そして連続傾斜受部26の連続的になめらかに低くなるように形成された連続傾斜形状面に沿って順次その両側または周囲の低い部分が加工製品33を接触押圧していき、最後に、加工製品33は加工用版型1と連続傾斜受部26の双方の全面により押圧され、転写凹凸パターンが加工製品33の表面に転写形成される。
これにより、前述の「考案の効果」の項目で説明した(a)、(b)、(c)、(g)の効果が得られる。
実施例3.
前述の実施例1、2において、対向基板3の連続傾斜受部26の表面の一方向の表面になめらかな曲面形状を有する頂部を有し、その頂部から離れるにしたがって連続的になめらかに低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面を有する構成の一実施例について説明する。特に、頂部が連続傾斜受部26の表面の中央部に位置する構成の一実施例について説明する。
前述の図3において、対向基板3の連続傾斜受部26の表面の一方向の表面が、なめらかな曲面形状の頂部と、その頂部から離れるにしたがって連続的になめらかに低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面を有する。特に、頂部が連続傾斜受部26の表面の中央部に位置し、その頂部から両側に離れるにしたがって連続的になめらかに低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面を有する。頂部は角形状ではなく曲面形状を有する。すなわち、図3(a)の平面図に示されるように連続傾斜受部26は長方形表面を有し、図3(b)のCC方向である横方向の断面図に示されるように連続傾斜受部26の長辺方向において、最も高い頂部が中央部に形成され、中央部から両側に離れるにしたがって連続的になめらかに傾斜して低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有し、その頂部はなめらかな曲面形状を有し、図3(c)のDD方向の断面図に示されるように、連続傾斜受部26の表面の短辺方向の表面は同一高さである。
図3において、対向基板3の連続傾斜受部26は、CC方向の一方向のみにおいて、(イ)最も高い頂部がなめらかな曲面形状を有し、その頂部の曲面に連続してつながって低くなるような直線的傾斜面または所定形状の曲線的傾斜面を有する連続傾斜形状面、および、(ロ)頂部と傾斜面とを含めた連続傾斜形状面の全体が、断面において、所定の曲率半径の円弧アール形状を有する連続傾斜形状面、のいずれかの連続傾斜形状面を有する。
なお、本実施例では一方向のみにおいて、表面の中央部に頂部を有し、中央部から離れるにしたがって連続的になめらかに低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面を有する構成であるが、この構成に限定されることなく、任意の多方向において、表面の中央部に最も高い頂部を有し、中央部から離れるにしたがって連続的になめらかに低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面を有する構成も可能である。この場合、隣り合う方向との境界において鋭角表面や突起表面を有することなく、連続的に滑らかな境界となる表面形状が望ましい。例えば、平面図の縦方向と横方向の二方向において、表面の中央部に最も高い頂部を有し、中央部から離れるにしたがって連続的になめらかに低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面を有する構成である場合、その隣り合う方向間の境界においても、連続的になめらかな境界となる表面形状が望ましく、これにより、加工用版型の形状に起因する加工製品の表面の押圧痕跡の形成が防止される。
実施例4.
前述の実施例1、2において、特に、連続傾斜受部26が、その連続傾斜受部26の表面において、最も高い頂部と、その頂部から全方向に離れるに従って連続的に低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面を有する構成の一実施例について説明する。
図6は本考案の押圧加工システムに構成される加工用版型としての箔押用版の他の実施例を示し、(a)は平面図であり、(b)はEE線の断面図であり、(c)はFF線の断面図である。図6において、加工用版型1としての箔押用版は略平面表面を有する薄板状であって、平面図において略正方形の形状を有し、その加工用版型1の表面から突出して所定高さの略円形状で平面形状の表面を有する凹凸パターン部11が形成され、その凹凸パターン部11に凹凸パターン12としての箔押用凹凸パターン121が凹凸形状で刻設されている。
また、実施例2で説明した図14に示されるような型押用版に類似する加工用版型1を使用して型押加工することも可能であるが、この場合、型押用版1の形状が平面図において正方形である形状が望ましい。
図7は本考案の押圧加工システムに構成される対向基板の他の実施例を示し、(a)は平面図であり、(b)はGG線の断面図であり、(c)はHH線の断面図である。図7の対向基板2において、対向基板2は平面図において略正方形を有し、その対向基板2の連続傾斜受部26は、その連続傾斜受部26の表面において、最も高い頂部と、該頂部から全方向に離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する。ここで、対向基板2は平面図において略正方形状に限定されることなく、例えば、円形、楕円形、長方形、多角形などの任意の形状の対向基板2が実施可能である。また、最も高い頂部が対向基板2の任意の所望の位置にあり、該頂部から全方向に離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する形状が実施可能である。特に、最も高い頂部が対向基板2の中央部に位置するように形成された対向基板2が特に望ましい。
図1または図5の押圧加工システムを使用して、加工用版型1と対向基板2のうちの少なくともひとつが押圧されたとき、対向基板2の連続傾斜受部26の領域内に、加工用版型1の凹凸パターン部11の領域が入るような加工用版型1と対向基板2の形状構成が特に望ましい。
実施例5.
前述の実施例1−4において、特に、連続傾斜受部26が、連続傾斜受部26の表面のなめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する形状が、連続傾斜受部26の断面において、所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状である構成が望ましい。
例えば、図3に示す対向基板2において、対向基板2の一方向のみ(CC方向)における連続傾斜受部の表面が断面において、所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状を有する。また、図7に示す対向基板2において、対向基板2の全方向における連続傾斜受部の表面が所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する部分球面形状を有する。特に望ましくは、これらの形状においては、頂部は連続傾斜受部26の表面の中央部に位置し、所定の曲率半径を有する円弧状・アール形状の連続傾斜形状面を形成して連続傾斜受部26を構成する。
実施例6.
前述の実施例1から実施例5において、特に、対向基板2の連続傾斜受部26は樹脂材料により構成されてなる構成が実施可能である。
対向基板2の一実施例を示す図3、4、7において、連続傾斜受部26が樹脂材料により構成されている。樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、軟質エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、その他の公知の所定の硬さや圧縮柔軟性または圧縮弾性を有する熱硬化性樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、添加剤を含有する熱可塑性樹脂、その他の公知の所定の硬さや圧縮柔軟性または圧縮弾性を有する熱可塑性樹脂などにより作製された材料が使用できる。
実施例7.
前述の実施例1から実施例6において、特に、対向基板2の連続傾斜受部26が、加工用版型1と対向基板2が押圧された時、押圧に対して圧縮変形可能であるとともに、押圧の解除により元の形状に戻るような圧縮弾性を有する材料により構成された構成が実施可能である。
加工用版型1の一実施例を示す図2、6、14において、加工用版型1として、例えば、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、その他の公知の金属、鋼、ステンレス、真ちゅう、その他の公知の合金、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、添加物含有樹脂、その他の公知の樹脂、などが使用された場合、図3、4、7に示す連続傾斜受部26において、これらの加工用版型1に使用されている材料よりも圧縮柔軟性を有するとともに、押圧の解除により元の形状に戻るような圧縮弾性を有する材料としては、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などにより作製された連続傾斜受部26が構成される。これらの圧縮弾性を有する柔軟性樹脂において、種々の硬さを持つ多種類の樹脂、補強材・柔軟剤などの添加剤を含有する樹脂、などがあり、目的に応じて選定して使用できる。
実施例8.
実施例1から実施例7において、連続傾斜受部26が、前述の(イ)の所定の曲面形状を有する連続傾斜形状面、および、(ロ)の所定の曲率半径のアール形状を有する連続傾斜形状面、のいずれの形状を有する場合においても、連続傾斜受部表面の最も高い頂部と最も低い部分との高さ寸法差は、連続傾斜受部表面の傾斜している最も長い方向の長さ寸法に対して、0.0005%から5%の範囲にある構成が望ましい。これにより前述の(n)の効果が得られる。0.0005%未満の寸法差の場合には、連続傾斜受部26の最も高い頂部と最も低い部分との差が小さくなるため、被加工物にかかる加圧力を均一にする効果がやや劣り、特に転写箔材料を使用した箔押加工システムの場合には、加工製品33と転写箔材料34と対向基板2の間の気泡を逃がす効果がやや劣る傾向がある。5%を超える寸法差の場合には、連続傾斜受部26のもっとも高い頂部と最も低い部分との差が大きくなるため、加工製品の表面に転写形成された箔押転写凹凸パターンまたは転写凹凸パターンの形状に歪みが発生することがある。この寸法差において、0.005%から0.5%の範囲の寸法差が最も望ましく、前述の加工製品にかかる加圧力を均一にする効果や、特に転写箔材料を使用した場合には、転写箔材料34と加工製品33と対向基板2の間の気泡を逃がす点において著しい効果が得られる。
実施例9.
実施例1から実施例7において、対向基板2の連続傾斜受部26が、前述の(ロ)頂部と傾斜面とを含めた連続傾斜形状面の全体が断面において所定の曲率半径のアール形状を有する連続傾斜形状面を有する形状である場合、このアール形状を有する連続傾斜形状面において、アールの曲率半径は、特に限定されないが、0.5mから50mの範囲の曲率半径を有するアール形状が望ましい。これにより前述の(o)の効果が得られる。0.5m未満の曲率半径の場合には、連続傾斜受部26の最も高い頂部と最も低い部分との差が大きくなるため、加工製品の表面に転写形成された箔押転写凹凸パターンまたは転写凹凸パターンの形状に歪みが発生することがある。50mを超える曲率半径の場合には、連続傾斜受部26の最も高い頂部と最も低い部分との差が小さくなるため、前述の加工製品にかかる加圧力を均一にする効果がやや劣り、また、転写箔材料34と加工製品33と対向基板2の間の気泡を逃がす効果がやや劣る傾向がある。特に、アールの曲率半径において、3mから30mの範囲の曲率半径を有するアール形状が最も望ましく、前述の加工製品にかかる加圧力を均一にする効果や、特に転写箔材料34を使用した場合には、転写箔材料34と加工製品33と対向基板2の間の気泡を逃がす点において著しい効果が得られる。
実施例10.
図8は本考案の押圧加工システムのさらに他の実施例を示し、対向基板2が平面形状表面を有する基板平面部25と連続傾斜受部26とを有する。図8の押圧加工システムにおいては、連続傾斜受部26が基板平面部25から突出して形成されている。図9は図8の押圧加工システムに構成される対向基板の一実施例を示し、(a)は平面図であり、(b)はII線の断面図であり、(c)はJJ線の断面図である。
図8の押圧加工システムにおいて、加工用版型1が第一基盤8に設置され、対向基板2が第二基盤9に設置され、対向基板2と加工用版型は互いに対向する位置に設置されている。加工用版型1と対向基版2との間に位置して加工製品33が供給され、加工用版型1と加工製品33との間に転写箔材料34が供給される。図9に示されるように、対向基板2は基板平面部25と、その基板平面部25の表面から突出して形成された連続傾斜受部26とを有し、連続傾斜受部26は、その連続傾斜受部26の少なくとも一方向の表面において、最も高い頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる曲面形状およびアール形状のうちの少なくとも一つの連続傾斜形状面を有する。
本実施例における加工用版型1としては、実施例1において説明した図2に類似する加工用版型1が使用可能であり、略平面表面を有する加工用版型1の表面から突出して所定高さの凹凸パターン部11が形成され、その凹凸パターン部11に凹凸形状で凹凸パターン12としての箔押用凹凸パターン121が刻設されている。
また、転写箔材料を使用することなく加工製品の表面に直接に転写凹凸パターンを転写形成する型押加工システムの場合には、前述の実施例2で説明した図14に類似する加工用版型1も使用可能であり、略平面表面を有する加工用版型1の表面に凹凸パターン部11が形成され、その凹凸パターン部11に凹凸形状で凹凸パターン12としての型押用凹凸パターン122が刻設されている。
図9の対向基板2において、対向基板2は基板平面部25と連続傾斜受部26とを備える。基板平面部25は、平面図において長方形を有し、互いに平行な平面の表面と裏面とを有する所定の厚さの板形状である。連続傾斜受部26はその基板平面部25の表面の所定の領域から突出して形成され、連続傾斜受部26は、その連続傾斜受部26の横方向(II方向)の表面において、なめらかな曲面形状を有する最も高い頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する。この連続傾斜受部26としては、例えば、対向基板2の横方向のみにおいて、(イ)断面において、最も高い頂部が曲面形状であって、その頂部の曲面に連続してつながって低くなるような直線的傾斜面または所定形状の曲線的傾斜面を有する表面形状、または、(ロ)断面において、連続傾斜形状面の全体が円弧の一部の表面形状であるような表面形状、すなわち、頂部と傾斜面とを含めた連続傾斜形状面の全体が、断面において、所定の曲率半径の球面の一部であるようなアール形状を有する表面形状を有する。
図10は本実施例において構成される対向基板2の他の実施例であって、対向基板2の横方向の正面図を示す。図10において、平板形状の基板平面部25の表面から突出して形成された連続傾斜受部26の形状であって、(a)の対向基板2は連続傾斜受部26の頂部が端に位置し、その頂部から離れるにしたがって、なめらかに連続して曲線的または直線的に低くなるような形状を有し、(b)の対向基板2は連続傾斜受部26の頂部が任意の位置に位置し、その頂部から離れるにしたがって、なめらかに連続して曲線的または直線的に低くなるような形状を有し、(c)の対向基板2は連続傾斜受部26の中央部に頂部が位置し、その頂点部から離れるにしたがって連続して曲線的または直線的に低くなるような形状を有し、(d)と(e)の対向基板2は連続傾斜受部26が所定の曲率半径の球面の一部であるようなアール形状を有する表面形状を有する。後で説明するが、(a)から(d)は連続傾斜受部26の周囲の側面に立上り側面27を有し、(e)は立上り側面を有しない形状である。これらの図10(a)、(b)、(c)、(d)、(e)のそれぞれの連続傾斜受部26において、頂部は所定の曲面形状を有し、その頂部傾斜面とは角部なく連続的になめらかにつながるような形状を有する。または、頂部と傾斜面とを含めた連続傾斜形状面の全体が断面において所定の曲率半径のアール形状を有して連続傾斜受部を形成する。
また、対向基板の一方向のみにおいて連続傾斜形状面を有する形状に限定されることなく、対向基板の全方向に連続傾斜形状面を有する形状も実施可能であり、この場合、対向基板の全方向の断面図または正面図において、図10(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に類似する形状を有する。
次に、実施例10のさらに具体的な実施例または変形例について説明する。
実施例10A.
前述の実施例2に構成される対向基板2に替えて、実施例10の基板平面部25と連続傾斜受部26とを備えた対向基板2と、図14に示される型押用版の加工用版型1を構成した押圧加工システムが実施可能である。すなわち、転写箔材料を使用することなく、加工製品の表面に転写凹凸パターンを形成する押圧加工システムが実施可能である。
実施例10B.
前述の実施例3に構成される対向基板2に替えて、実施例10の基板平面部25と連続傾斜受部26とを備えるとともに、連続傾斜受部26の一方向の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部とその頂部から離れるに従って連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する連続傾斜受部26を有する対向基板2を構成した押圧加工システムが実施可能である。
実施例10C.
前述の実施例4に構成される対向基板2に替えて、実施例10の基板平面部25と連続傾斜受部26とを備えるとともに、連続傾斜受部26の表面において、頂部とその頂部から全方向に離れるに従って連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する連続傾斜受部26を有する対向基板2を構成した押圧加工システムが実施可能である。
実施例10D.
前述の実施例5に構成される対向基板2に替えて、実施例10の基板平面部25と連続傾斜受部26とを備えるとともに、連続傾斜受部26の表面に、断面において、所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状で連続傾斜形状面を形成した連続傾斜受部26を有する対向基板2を構成した押圧加工システムが実施可能である。この構成において、対向基板2の一方向のみの断面形状が所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状と、対向基板2の全方向の断面形状が所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状の、いずれの形状も実施可能である。
本実施例の押圧加工システムに構成される対向基板2の実施例の拡大図が図11に示される。図11において、(a)は平面図であり、(b)はKK線の断面図であり、(c)はLL線の断面図である。
図11に示す一実施例の対向基板2において、対向基板2は基板平面部25と連続傾斜受部26とを備え、連続傾斜受部26はその基板平面部25の表面の所定領域から突出して形成され、その連続傾斜受部26は、全方向に、所定の曲率半径を有するアール形状の連続傾斜形状面を有する。すなわち、連続傾斜受部26の表面は所定の曲率半径を有する円球の一部分の形状を有する。基板平面部25は平面図において略正方形の板形状であり、その基板平面部25の表面から突出して平面図において略円形状の連続傾斜受部26が形成されている。
なお、変形例として、図11の対向基板2において、連続傾斜受部26が平面図において略正方形を有し、対向基板2の一方向のみにおいて所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状も実施可能である。
実施例10E.
前述の実施例6に構成される対向基板2に替えて、実施例10の基板平面部25と連続傾斜受部26とを備えるとともに、連続傾斜受部26が樹脂材料により形成された対向基板2を構成した押圧加工システムが実施可能である。
実施例10F.
前述の実施例7に構成される対向基板2に替えて、実施例10の基板平面部25と連続傾斜受部26とを備えるとともに、連続傾斜受部26が圧縮変形可能であるとともに、押圧解除により元の形状に戻るような圧縮弾性を有する材料により形成された対向基板2を構成した押圧加工システムが実施可能である。
実施例10G.
前述の実施例7に構成される対向基板2に替えて、実施例10の基板平面部25と連続傾斜受部26とを備えるとともに、前記連続傾斜受部表面の最も高い頂部と最も低い部分との高さ寸法差が前記連続傾斜受部表面の傾斜している最も長い方向の長さ寸法に対して、0.0005%から5%の範囲にある連続傾斜受部26を有する対向基板2を構成した押圧加工システムが実施可能である。
実施例10H.
前述の実施例8に構成される対向基板2に替えて、実施例10の基板平面部25と連続傾斜受部26とを備えるとともに、連続傾斜受部が0.5mから50mの範囲の曲率半径のアール形状の連続傾斜形状面を有する連続傾斜受部26を有する対向基板2を構成した押圧加工システムが実施可能である。
実施例11.
前述の実施例10、実施例10A−10Hにおいて、特に、連続傾斜受部26が基板平面部25の表面から垂直面または傾斜面を有して立ち上がった立上り側面27を有する構成が望ましい。
例えば、対向基板2の一実施例を示す図9、10、11において、連続傾斜受部26は、その連続傾斜受部26の連続傾斜形状面を形成した方向の端部において、基板平面部25の表面から垂直面または傾斜面を有して立ち上がった立上り側面27を有する。傾斜面の傾斜角度は特に限定されることがなく、例えば、断面において直線状傾斜角を有する立上り側面27、または、断面において曲線的な傾斜角を有する立上り側面27、または、断面において、90度までの所定の角度の直線的な傾斜角を有する立上り側面27を有する。連続傾斜形状面は、その立上り側面27を除く連続傾斜受部26の表面に形成されている。
この立上り側面27の立ち上がり方向の高さは、特に限定されないが、例えば、約0.01mmから10mmの範囲で実施され、特に、0.05mmから1mmの範囲が望ましい。また、立上り側面27の立ち上がり方向の高さがゼロである形状、すなわち、図10(e)に示されるように、連続傾斜受部26が立上り側面27を有することなく、基板平面部25から直接になめらかな傾斜面を形成した連続傾斜形状面の表面を有する形状構成も実施可能である。
実施例12.
前述の実施例10、実施例11の対向基板2の一実施例を示す図9、10、11において、特に、基板平面部25と連続傾斜受部26は互いに別体で構成され、基板平面部25は互いに平行な表面と裏面とを有する板形状であり、連続傾斜受部26は基板平面部25の表面に固定されてなる構成が実施可能である。
すなわち、対向基板2は、略板形状を有する基板平面部25と、所定の曲面形状またはアール形状の連続傾斜形状面を有する連続傾斜受部26とが、互いに別体で構成された対向基板2も実施可能であり、この構成が特に望ましい。例えば、基板平面部25の表面に連続傾斜受部26の裏面を接着剤などを使用した接着手段により接着して固定された構成、または、基板平面部25の表面に直接に熱硬化性樹脂などを成型硬化して連続傾斜受部26を形成した構成、などが使用できる。
具体的実施例としては、例えば、基板平面部25として、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、これらの合金などの板状の金属材料により作製されたもの、または、ガラス繊維製・炭素繊維製・セラミック繊維製などの粉末・織布・不織布と樹脂とを混合または含浸して硬化形成した強化プラスチック材料により作製されたもの、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、添加剤含有熱可塑性樹脂、その他の公知の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、その他の公知の熱硬化性樹脂が使用される。そして、連続傾斜受部26として、上記の基板平面部25を構成する材料とは別材料の、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、その他の公知の所定の硬さや圧縮柔軟性を有する熱硬化性樹脂、ポリエチレン樹脂、添加剤含有熱可塑性樹脂、その他の所定の硬さや圧縮柔軟性を有する公知の熱可塑性樹脂などにより作製されたものが使用できる。
なお、対向基板2としては、これに限定されることなく、連続傾斜受部26と基板平面部25が、ひとつの材料を使用して切削などの加工により所定形状に作製された構成、または、ひとつの材料を使用して樹脂成型などにより一体的に同時に成型して作製された構成も実施可能である。
実施例13.
前述の実施例10、11、12において、特に、対向基板2の連続傾斜受部26が基板平面部25の表面に直接に樹脂材料を成型加工して固定形成された構成、すなわち、連続傾斜受部26が基板平面部25の表面に直接に成型加工して固定された樹脂材料を有する構成が実施可能である。
対向基板2の一実施例を示す図9、10、11において、所定材料により作製された基板平面部25の表面に、直接に、樹脂材料を成型加工して固定して形成した連続傾斜受部26が構成される。樹脂材料としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が使用され、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、その他の所定の硬さや圧縮柔軟性を有する公知の熱硬化性樹脂が使用できる。これらの熱硬化性樹脂原材料を、連続傾斜受部26の所定の曲面形状またはアール形状の反転形状に合致する凹形状を有する金型の中に注入・充填し、あらかじめ作製しておいた基板平面部25の表面を、その金型の開放部の熱硬化性樹脂原材料に接触しながら押圧した状態で、熱硬化性樹脂原材料を硬化反応させ、これにより、連続傾斜受部26が基板平面部25の表面に直接に熱硬化性樹脂を成型加工して固定された構成を有する対向基板2が得られる。
実施例14.
前述の実施例10、11、12における対向基板2の一実施例を示す図9、10、11において、特に、対向基板2の基板平面部25はその基板平面部25の表面から裏面が透けて見える程度の透明性を有する透明樹脂材料により形成された構成が実施可能である。
透明樹脂材料としては、例えば、ガラス繊維製、セラミック繊維またはアラミド繊維等の織布、不織布または粉末に、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはフェノール樹脂などを含浸または混合して硬化した繊維強化熱硬化性樹脂、または、強い機械的強度を有する公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが使用できる。
一般に、基板平面部25の厚さにより透明度合いが異なり、厚さが厚くなるにしたがって透明度が不透明になる傾向にある。例えば、繊維を含有する繊維強化エポキシ樹脂において、0.3mmから3mm程度の厚さの場合に濁った状態であるが表面から裏面側の物体が透けて見える程度の透明性を有するが、しかしながら、その厚さが3mmを超える厚い場合には表面から裏面側の物体が見えなくなる程度の不透明となる。したがって、基板平面部25の厚さと使用材料とを選定して、表面から裏面が透けて見える基板平面部25を構成することが望ましい。
実施例15.
前述の実施例1の図1、実施例2の図5、実施例10の図8に示される押圧加工システムにおいて、加工用版型1と対向基板2の連続傾斜受部26のそれぞれの表面形状は、加工用版型1と対向基板2が加工製品33を互いに押圧した状態において、加工用版型1の凹凸パターン部11の表面領域が対向基板2の連続傾斜受部26の表面領域の範囲内にあるような表面形状を有する構成が実施可能である。これにより、前述の(u)の作用効果が得られる。凹凸パターン部11の表面領域の一部が連続傾斜受部26の表面領域の範囲外の領域に位置するような構成の場合には、その凹凸パターン部11の範囲外にある領域の凹凸パターンが連続傾斜受部26に接触しなくなることがあり、前述の(u)の十分な作用効果が得られないことがある。
実施例16.
前述の実施例1の図1、実施例2の図5、実施例10の図8に示される押圧加工システムにおいて、被加工物3として、加工用版型1と対向基板2が互いに押圧された時に、被加工物3が対向基板2の表面に沿って屈曲変形可能な程度の屈曲変形可撓性を有する構成が、特に望ましい。対向基板2の表面に沿って屈曲変形可能な程度の屈曲変形可撓性を有する被加工物3としては、紙類、プラスチック製フィルム、布類、皮革類、薄板状ゴム類、これらの材料の積層複合体、その他の薄板状材料であって、屈曲変形可能な程度の薄い厚さを有する材料製の加工製品33、または、前述の実施例1で説明した着色フィルム、金属蒸着フィルム、積層フィルムなどの転写箔材料34が使用できる。なお、図1、図8の転写箔材料34を使用した場合には、転写箔材料34も加工製品33と互いに接触しながら対向基板2の表面形状に一致して屈曲変形する。
実施例17.
図12および図13に、複数の凹凸パターン部と複数の連続傾斜受部を構成した一実施例の押圧加工システムの概略図を示す。前述の実施例1の図1および実施例2の図5に示される押圧加工システムの加工用版型1に替えて、加工用版型1は、一つの加工用版型1に形成された複数個の凹凸パターン部11、または、それぞれの凹凸パターン部11を形成した複数個の加工用版型1を有する。それぞれの凹凸パターン部11には凹凸パターン12が凹凸形状で形成されている。対向基版2は、一つの基板平面部25に形成された複数個の連続傾斜受部26、または、連続傾斜受部26を形成した複数個の対向基版25を有する。それぞれの複数個の凹凸パターン部11は、それぞれの連続傾斜受部26に対向する位置に設置され、加工製品33と転写箔材料34(型押転写システムの場合には転写箔材料を使用しない)が加工用版型1と対向基板2との間に位置して供給された状態で、それぞれの凹凸パターン部11とそれぞれの連続傾斜受部26の少なくとも一方を押圧することにより、それぞれの凹凸パターン12に対応するそれぞれの転写凹凸パターン(型押転写システムの場合)または箔押転写凹凸パターン(箔押転写システムの場合)が加工製品33の表面に転写形成されるような構成である。
図12おいて、加工用版型1は凹凸パターン部11を形成した複数個の加工用版型1を有し、対向基版2は連続傾斜受部26を形成した複数個の対向基版25を有する。すなわち、図12において、縦方向、横方向に2個づつの合計4個の加工用版型1が配置され、それぞれの加工用版型1にはそれぞれの凹凸パターン部11が形成されている。また、縦方向、横方向に2個づつの合計4個の対向基板2が配置され、その4個の対向基版25のそれぞれの対向基版25には、それぞれの基板平面部25とそのそれぞれの基板平面部に形成されたそれぞれの連続傾斜受部26が形成されている。このような構成で、それぞれの複数個の凹凸パターン部11とそれぞれの連続傾斜受部26とが互いに対向する位置に設置されている。
ここで、それぞれ4個の加工用版型1と対向基板2を構成したが、これに限定されることなく、2個、3個、5個、6個、その他の複数個の加工用版型1を構成し、それぞれの対向する位置に、2個、3個、5個、6個、その他の複数個の対向基板2を設置した構成も実施可能である。
図13において、加工用版型1は一つの加工用版型1に形成された複数個の凹凸パターン部11を有し、対向基版2は、一つの基板平面部25に形成された複数個の連続傾斜受部26を有する。すなわち、一つの加工用版型1に複数個の凹凸パターン部11が形成されており、また、対向基板2においては、一つの基板平面部25の表面に複数個の連続傾斜受部26が形成されている。このような構成で、それぞれの複数個の凹凸パターン部11とそれぞれの連続傾斜受部26とが互いに対向する位置に設置されている。
ここで、それぞれ4箇所の凹凸パターン部11と連続傾斜受部26を構成したが、これに限定されることなく、2、3、5、6箇所、その他の複数個所の凹凸パターン部11を有する加工用版型1を構成し、それぞれの凹凸パターン部11に対向する位置に、2、3、5、6箇所、その他の複数個所の連続傾斜受部26を有する対向基板2を設置した構成も実施可能である。
実施例18.
図15に、加工用版型1が切抜用刃型である一実施例の加工用版型の概略図を示し、(a)は平面図であり、(b)はOO線における断面図であり、(c)はPP線における断面図である。図15において、加工用版型1である切抜用刃型1の凹凸パターン部11に、凹凸パターン12である切抜用凹凸パターン123が形成されている。切抜用凹凸パターン123の刃の形状は断面において、三角形の刃先を有する両刃、垂直側面を有する両刃または片刃などの公知の任意の形状が実施できる。また、腐食液を使用したエッチング加工、または、切削などの機械加工により作製された公知の刃形状凹凸パターンを有する切抜用刃型が使用できる。また、基材に帯刃を埋め込んだトムソン刃などの刃により作製された公知の刃形状凹凸パターンを有する切抜用刃型が使用できる。
このような切抜用刃型1を有する加工用版型1を使用して、図5に類似する押圧加工システムを構成する。このような状態で加工用版型1と対向基板2のうちの少なくとも一方を押圧することにより、被加工物3としての加工製品33の所定の領域が切抜用凹凸パターンに一致する形状(本実施例の場合には六角形の形状)で抜き加工される。この場合の作用効果は、前述の実施例2で説明した作用効果と類似し、抜き部の欠如などの不都合の発生が防止された刃形状凹凸パターンに正確に一致する形状で抜き加工された加工製品が得られる。
実施例18A.
図16に、凹凸パターン12として、抜き加工するための刃形状を有する切抜用凹凸パターン123と、箔押加工するための凹凸形状を有する箔押用凹凸パターン121の双方の凹凸パターンを形成した加工用版型の一実施例の概略図を示し、(a)は平面図であり、(b)はPP線における断面図であり、(c)はQQ線における断面図である。図16において、加工用版型1の凹凸パターン部11に箔押加工用の箔押用凹凸パターン121(本実施例の場合には凹凸形状で刻設されたABCDE文字の反転パターン)と、その箔押用凹凸パターン121を囲む位置に形成された抜き加工用の切抜用凹凸パターン123(本実施例の場合には六角形に切り抜くための両刃刃先形状を有する凹凸パターン)が形成されている。
箔押用凹凸パターン121と切抜用凹凸パターン123を形成した加工用版型1を使用して、図1に示されるような押圧加工システムを構成する。この状態で加工用版型1と対向基板2のうちの少なくとも一方を押圧することにより、加工製品33の所定の領域に箔押し加工された箔押転写凹凸パターンが転写形成されるとともに、切抜用凹凸パターン123に一致する形状で抜き加工されて、箔押しされた箔押転写凹凸パターンを含む領域の加工製品33の所定の領域が抜き加工される。これにより、前述の実施例1で説明した作用効果と類似した箔押転写凹凸パターンが転写形成されるとともに、抜き部の欠如などの不都合の発生が防止された刃形状凹凸パターンに正確に一致する形状で抜き加工された加工製品が得られる。
実施例19.
前述の実施例1の図1に示される転写箔材料と加工製品を使用した押圧加工システム、または、前述の実施例2の図5に示される転写箔材料を使用することなく加工製品のみを使用した押圧加工システムにおいて、対向基板2の形状寸法に関する具体的実施例を説明する。
図3に示される対向基板2において、対向基板2の表面に連続傾斜受部26が形成されている。その連続傾斜受部26の表面は、横方向のみに、その中央部になめらかな曲面形状を有する最も高い頂部と、その頂部から離れるに従って連続的に低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面で形成されている。連続傾斜受部26の横長さが100mmであり、縦長さが60mmである。
連続傾斜受部26の形状としては、例えば、下記の形状が実施できる。
実施例19A:連続傾斜受部26の頂部は曲率半径10mの曲面形状を有し、その頂部から離れるに従って連続的に低くなる断面において滑らかな曲線状傾斜面の連続傾斜形状面で形成され、その頂部と最も低い部分(すなわち、連続傾斜受部26の端部)との高さの寸法差は0.04mmである。
実施例19B:連続傾斜受部26は断面において、曲率半径8mのアールを有する断面円弧状の連続傾斜形状面で形成され、その連続傾斜受部26表面の頂部と最も低い部分との高さの寸法差は0.06mmである。
実施例19C:連続傾斜受部26の頂部は突起のないなめらかな曲面形状を有し、その頂部から離れるに従って連続的に低くなる断面直線状傾斜面の連続傾斜形状面で形成され、その頂部と最も低い部分との高さの寸法差は0.111mmである。
実施例20.
前述の実施例10に示される押圧加工システムにおいて、対向基板2の形状寸法に関する具体的実施例を説明する。本実施例の対向基板2は基板平面部25とその基板平面部25から突出して形成された連続傾斜受部26から構成され、その連続傾斜受部26の表面は横方向のみに連続傾斜形状面を有する構成である。図9の対向基板2において、対向基板2は基板平面部25とその基板平面部25から突出した連続傾斜受部26から構成され、その連続傾斜受部26の表面は、横方向のみに、その中央部になめらかな曲面形状を有する最も高い頂部と、その頂部から離れるに従って連続的に低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面で形成され、対向基板2の基板平面部25の横長さが120mm、縦長さが80mm、厚さが0.5mmであり、連続傾斜受部26の横長さが100mm、縦長さが60mm、横方向において立上り側面27を有する。
連続傾斜受部26の形状としては、例えば、下記の形状が実施できる。
実施例20A:連続傾斜受部26は断面において曲率半径6mのアール形状の断面円弧状の連続傾斜形状面で形成され、そのアール曲面の連続傾斜受部26表面の頂部と最も低い部分(すなわち、連続傾斜受部26の端部)との高さの寸法差は0.04mmである。立上り側面27は基板平面部25の表面から垂直に立ち上がり、その立ち上がり高さが0.1mmである。
実施例20B:連続傾斜受部26は断面において曲率半径8mの断面円弧アール形状の連続傾斜形状面で形成され、円弧アールの連続傾斜受部26表面の頂部と最も低い部分との高さの寸法差は0.02mmである。立上り側面27は基板平面部25の表面から垂直に立ち上がり、その立ち上がり高さが0.15mmである。
実施例20C:連続傾斜受部26の頂部は突起のないなめらかな曲面形状を有し、その頂部から離れるに従って連続的に低くなる断面直線状傾斜面の連続傾斜形状面で形成され、その頂部と最も低い部分との高さの寸法差は0.015mmmmである。立上り側面27は基板平面部25の表面から約45度の角度で垂直に立ち上がり、その立ち上がり高さが0.2mmである。
実施例21.
前述の実施例10に示される押圧加工システムにおいて、対向基板2の形状寸法に関する他の具体的実施例を説明する。本実施例の対向基板2は基板平面部25とその基板平面部25から突出して形成された連続傾斜受部26から構成され、その連続傾斜受部26の表面は頂部から全方向に連続傾斜形状面を有する構成である。図11に示される対向基板2において、対向基板2は基板平面部25とその基板平面部25から突出した連続傾斜受部26から構成され、その連続傾斜受部26の表面は、その中央部になめらかな曲面形状を有する最も高い頂部と、その頂部から全方向に離れるに従って連続的に低くなるような傾斜面からなる連続傾斜形状面で形成されている。また、基板平面部25は平面図において、横長さと縦長さが100mmの正方形であって、厚さが0.5mmである。また、全方向の側面において立上り側面27を有する。
連続傾斜受部26の形状としては、例えば、下記の形状が実施できる。
実施例21A:図11の対向基板において、連続傾斜受部26は平面図において円形状を有し、その中央部に最も高い頂部を有し、連続傾斜受部26の表面の全方向に、曲率半径が10mの部分的球面アール形状を有する連続傾斜形状面、すなわち、球面の一部分の形状で形成されている。連続傾斜受部26の立上り側面27は基板平面部25の表面から垂直に立ち上がり、その立ち上がり高さが0.1mmである。部分的球面アールの連続傾斜受部26表面の頂部と最も低い部分(すなわち、連続傾斜受部26の端部)との高さの寸法差は約0.01mmから約0.2mmである。また、平面図において円形状を有する連続傾斜受部26の直径は約50mmから130mmである。これらの連続傾斜受部26の直径と、曲率半径と、頂部と低い部分との高さの寸法差などの寸法は、相互に関連して決定される。
実施例21B:図11の対向基板において、連続傾斜受部26は平面図において円形状を有し、その中央部に滑らかな曲面形状の最も高い頂部を有し、その頂部から全方向に頂部から離れるに従って断面曲面状で連続的に低くなるような連続傾斜形状面を有する。連続傾斜受部26の立上り側面27は基板平面部25の表面から垂直に立ち上がり、その立ち上がり高さが0.15mmである。連続傾斜受部26表面の頂部と最も低い部分との高さの寸法差は約0.01mmから約0.2mmである。また、平面図において円形状を有する連続傾斜受部26の直径は約50mmから130mmである。
実施例21C:図11の対向基板において、連続傾斜受部26は平面図において円形状を有し、その中央部に最も高い頂部を有し、連続傾斜受部26の表面の全方向に、曲率半径が6mの部分的球面アール形状を有する連続傾斜形状面、すなわち、球面の一部分の形状で形成されている。連続傾斜受部26は立上り側面27を形成することなく、連続傾斜受部26は基板平面部25の表面から曲率半径が6mの部分的球面アール形状を有する連続傾斜形状面状態で形成されている。部分的球面アールの連続傾斜受部26表面の頂部と最も低い部分(すなわち、連続傾斜受部26の端部)との高さの寸法差は約0.01mmから約0.2mmである。また、平面図において円形状を有する連続傾斜受部26の直径は約50mmから130mmである。これらの連続傾斜受部26の直径と、曲率半径と、頂部と低い部分との高さの寸法差などの寸法は、相互に関連して決定される。
実施例22.
本考案におけるさらに具体的な実施例を説明する。前述の実施例10において構成される図2に示す加工用版型1において、加工用版型1は、横長さ110mm・縦長さ70mmの板形状の真ちゅう材料により作製され、その表面に所定の凹凸パターン部11が構成されて、その凹凸パターン部11に所定の凹凸パターン12が刻設されている。また、前述の図9に示す対向基板2において、繊維強化エポキシ樹脂を使用して厚さ0.5mm・横長さ120mm・縦長さ80mmの表面から裏面が透けて見える程度の透明性を有する基板平面部25を構成し、その基板平面部25の表面の端から20mm余白領域を残した領域に、直接に、加工用版型1を構成する材料よりも押圧に対して圧縮変形可能な程度の圧縮柔軟性を有するウレタン樹脂を使用して、横方向断面において曲率半径10mの円弧を有するとともに立上り側面長さ0.2mmを有する連続傾斜受部26を成型加工して固定形成されて、対向基板2が構成されている。このような加工用版型1と対向基板2を、図8に示す押圧加工システムに設置し、そして、加工製品33としての厚さ0.2mmのプラスチックフィルム層をラミネート積層した厚紙と、転写箔材料34としてのキャリアフィルム層・離型層・保護層・着色層・金属層・接着層とから構成された積層フィルムを使用して、箔押し加工を行う。これにより、凹凸パターン12に忠実な凹凸形状で転写箔材料により形成された箔押転写凹凸パターンが加工製品33の表面に転写形成される。
実施例23.
本考案におけるさらに具体的な他の実施例を説明する。前述の実施例10において構成される図6に示す加工用版型1において、加工用版型1は、横長さ100mm・縦長さ100mmの平面図が正方形の板形状の鋼鉄材料により作製され、その表面に所定形状の直径70mmの凹凸パターン部11が形成され、その凹凸パターン部11に所定の凹凸パターン12が凹凸形状で刻設されている。また、前述の図11に示す対向基板2において、フェノール樹脂を使用して厚さ1.0mm・横長さ120mm・縦長さ120mmの平面図正方形の基板平面部25を構成し、その基板平面部25の表面に、直径80mmの連続傾斜受部26が、直接に、加工用版型1を構成する材料よりも押圧に対して圧縮変形可能な程度の圧縮柔軟性を有するシリコーン樹脂を使用して、中央部に最も高い頂部を有し、その頂部から全方向に離れるに従って連続的に低くなるような曲率半径8mの部分的球面を有するとともに立上り側面長さ0.1mmを有する連続傾斜受部26を成型加工して固定形成されている。このような加工用版型1と対向基板2を、図8に示す押圧加工システムに設置し、そして、加工製品33としての厚さ0.1mmの厚紙と、転写箔材料34としてのキャリアフィルム層・離型層・保護層・着色層・金属層・接着層とから構成された積層フィルムを使用して、箔押し加工を行う。凹凸パターン12に忠実な凹凸形状で転写箔材料により形成された箔押転写凹凸パターンが加工製品33の表面に転写形成される。
実施例24.
本考案において、加工用版型1としては、前述の実施例で説明した加工用版型に限定されることなく、押圧により、被加工物を加工できる機能を有する加工用版型1が使用できる。例えば、加工用版型1が箔押用凹凸パターンを形成した箔押用版、型押用凹凸パターンを形成した型押用版、切抜用凹凸パターンを形成した切抜用刃型、または、箔押用凹凸パターンと切抜用凹凸パターンの双方の凹凸パターンを形成した加工用版型1であって、屈曲可能な程度の柔軟性を有するフレキシブルな加工用版型1が使用できる。この場合、このフレキシブル加工用版型1は、所定形状の基板に固定されて構成される。
加工用版型としての型押用版を使用した押圧加工システムにおいて、加工製品表面に転写された文字・記号・模様・文様・図柄・絵柄等の転写凹凸パターンの乱れの発生を防止し、また、加工用版型としての箔押用版を使用した押圧加工システムにおいて、加工製品の表面に転写形成された箔押転写凹凸パターンにおいて、転写箔材料の浮き上がり、接着不良、しわの発生、歪みの発生等の乱れの発生を防止し、また、加工用版型としての切抜用刃型を使用した押圧加工システムにおいて、加工用版型の表面に形成されている刃形状の凹凸パターンに忠実な形状で加工製品を切断又は抜き加工するとともに、さらに、加工用版型の表面に凹凸パターンを形成するために、格別の高価な加工技術を必要とすることなく従来の技術で形成可能であって、容易に、また、安価に実施可能な押圧加工システムを提供する。
1 加工用版型、型押用版、箔押用版、切抜用型
11 凹凸パターン部
12 凹凸パターン、
121 箔押用凹凸パターン
122 型押用凹凸パターン
123 切抜用凹凸パターン
2 対向基板
25 基板平面部
26 連続傾斜受部
27 立上がり側面
3 被加工物
33 加工製品
34 転写箔材料
8 第一基盤
9 第二基盤

Claims (20)

  1. 表面に凹凸パターンを形成した加工用版型と、前記加工用版型に対向する位置に設置された対向基版と、前記加工用版型と前記対向基版との間に位置して供給される被加工物を備え、前記被加工物が前記加工用版型と前記被加工物との間に位置して供給された状態で、前記加工用版型と前記対向基版のうちの少なくともひとつを押圧することにより、前記凹凸パターンに対応する転写凹凸パターンを前記被加工物に転写加工する押圧加工システムにおいて、
    前記加工用版型は凹凸パターン部を有し、前記凹凸パターン部は平面表面を有し、前記凹凸パターンは前記凹凸パターン部の表面に凹凸形状で形成され、
    前記対向基版は連続傾斜受部を有し、
    前記連続傾斜受部は、その連続傾斜受部の少なくとも一方向の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部と、該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有し、
    前記凹凸パターン部と前記連続傾斜受部が互いに対向する位置に位置することを特徴とする押圧加工システム。
  2. 前記加工用版型は箔押用版であり、
    前記被加工物は加工製品と転写箔材料を有し、
    前記箔押用版における前記凹凸パターンは箔押用凹凸パターンで形成され、
    前記転写箔材料は前記加工用版型と前記加工製品との間に位置して供給され、
    前記転写箔材料と前記加工製品が前記加工用版型と前記対向基板との間に位置した状態で、前記加工用版型と前記対向基版のうちの少なくともひとつを押圧することにより、前記転写箔材料により形成された箔押転写凹凸パターンが前記加工製品の表面に転写形成されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の押圧加工システム。
  3. 前記加工用版型は型押用版であり、
    前記型押用版における前記凹凸パターンは、型押用凹凸パターンで形成されて、前記被加工物の表面に前記型押用凹凸パターンに対応する転写凹凸パターンを転写形成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の押圧加工システム。
  4. 前記加工用版型は切抜用刃型であり、
    前記切抜用刃型における前記凹凸パターンは、切抜用凹凸パターンで形成されて、前記被加工物を前記切抜用凹凸パターンに対応する形状に切断または抜き加工するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の押圧加工システム。
  5. 前記連続傾斜受部は、その連続傾斜受部の一方向の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  6. 前記連続傾斜受部は、その連続傾斜受部の表面において、なめらかな曲面形状を有する頂部と、該頂部から全方向に離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれが1項に記載の押圧加工システム。
  7. 前記連続傾斜受部において、前記連続傾斜受部の表面のなめらかな曲面形状を有する頂部と該頂部から離れるにしたがって連続的に低くなるような傾斜面とからなる連続傾斜形状面を有する形状は、前記連続傾斜受部の断面において、所定の曲率半径の円弧状アール形状を有する形状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  8. 前記連続傾斜受部は樹脂材料により構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  9. 前記連続傾斜受部は、前記加工用版型と前記対向基板が押圧された時、押圧に対して圧縮変形可能であるとともに、押圧の解除により元の形状に戻るような圧縮弾性を有する材料により構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  10. 前記連続傾斜受部表面の頂部と最も低い部分との高さ寸法差は、前記連続傾斜受部表面の傾斜している最も長い方向の長さ寸法に対して、0.0005%から5%の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  11. 前記連続傾斜受部は断面形状において、0.5mから50mの範囲の曲率半径のアール形状の連続傾斜形状面を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  12. 前記対向基板は、さらに、平面形状表面を有する基板平面部を有し、
    前記連続傾斜受部は、前記基板平面部の平面表面から突出して形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  13. 前記連続傾斜受部は、前記連続傾斜形状面を形成した方向の端部において、前記基板平面部の表面から垂直面または傾斜面を有して立ち上がった立上り側面を有し、
    前記連続傾斜形状面は、その立上り側面を除く前記連続傾斜受部の表面に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の押圧加工システム。
  14. 前記基板平面部と前記連続傾斜受部は互いに別体で構成され、
    前記基板平面部は互いに平行な表面と裏面とを有する板形状であり、
    前記連続傾斜受部は前記基板平面部の表面に固定されて構成されることを特徴とする請求項12または13に記載の押圧加工システム。
  15. 前記連続傾斜受部は、前記基板平面部の表面に直接に樹脂材料を成型加工された状態で固定形成されていることを特徴とする請求項12、13または14に記載の押圧加工システム。
  16. 前記基板平面部は表面から裏面が透けて見える程度の透明性を有する透明樹脂材料により構成されることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  17. 前記加工用版型の前記凹凸パターン部と前記対向基板の前記連続傾斜受部のそれぞれの表面形状は、前記加工用版型と前記対向基板が前記被加工物を互いに押圧した状態において、前記凹凸パターン部の表面領域が前記連続傾斜受部の表面領域の範囲内にあるような表面形状を有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかひとつに記載の押圧加工システム。
  18. 前記加工用版型と前記対向基板が互いに押圧された時に、前記被加工物は前記対向基板の表面に沿って屈曲変形可能な程度の屈曲変形可撓性を有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  19. 前記加工用版型は、一つの加工用版型に形成された複数個の凹凸パターン部、または、凹凸パターン部を形成した複数個の加工用版型を有し、
    前記対向基版は、一つの基板平面部に形成された複数個の連続傾斜受部、または、連続傾斜受部を形成した複数個の対向基版を有し、
    それぞれの前記複数個の凹凸パターン部は、それぞれの前記連続傾斜受部に対向する位置に設置されて構成されることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1項に記載の押圧加工システム。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の押圧加工システムに使用される前記対向基板。
JP2010004758U 2010-06-28 2010-06-28 押圧加工システム Expired - Lifetime JP3162734U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010004758U JP3162734U (ja) 2010-06-28 2010-06-28 押圧加工システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010004758U JP3162734U (ja) 2010-06-28 2010-06-28 押圧加工システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3162734U true JP3162734U (ja) 2010-09-16

Family

ID=54865527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010004758U Expired - Lifetime JP3162734U (ja) 2010-06-28 2010-06-28 押圧加工システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3162734U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013236673A (ja) * 2012-05-11 2013-11-28 Aoki Moritoshi 箔押層付きアクリル板

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013236673A (ja) * 2012-05-11 2013-11-28 Aoki Moritoshi 箔押層付きアクリル板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7375972B2 (en) Appearance protective case and appearance protective case assembly
US20110084579A1 (en) Housing of electronic device and manufacturing methord thereof
KR102279018B1 (ko) 3중 적층 포밍시트
JP3162734U (ja) 押圧加工システム
WO2011012051A1 (en) Method for preparing keypad assembly, keypad assembly and keypad having the same
US7055427B2 (en) Media embellishing die
JP6832915B2 (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2012020499A (ja) 点字打刻装置
JP3144782U (ja) 型押用版
JP2013049818A (ja) 粘着シートおよびその製造方法
JP3140937U (ja) 押圧転写加工用版および画像形成体
TWI488757B (zh) 立體金屬標牌製作方法及其立體金屬標牌
CN100417512C (zh) 在基体中加工三维结构的装置
JP2013045346A (ja) カード、カードの製造方法
JP2023021204A (ja) エレベータに応用される点字プレート及びその製造方法
KR20100075527A (ko) 키 시트
JP3159438U (ja) ベース基材付押圧加工用型
JP3184789U (ja) 押圧加工機構
JP3182764U (ja) シリコーンゴムプレスパッド
US11667099B2 (en) System for creating a relief pattern on a substrate
JP2014030994A (ja) 樹脂製品、および樹脂製品の製造方法
JP6467791B2 (ja) ブランク製造方法およびブランクを製造するための打抜機
JP2849169B2 (ja) エンボス加工装置
CN217099367U (zh) 烫金凹凸一体板
JP2013099913A (ja) 箔押転写加工方法および箔押転写加工システム

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3162734

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130825

Year of fee payment: 3

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111121

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20120424

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term