JP3162184B2 - 光検出デバイス - Google Patents
光検出デバイスInfo
- Publication number
- JP3162184B2 JP3162184B2 JP16359292A JP16359292A JP3162184B2 JP 3162184 B2 JP3162184 B2 JP 3162184B2 JP 16359292 A JP16359292 A JP 16359292A JP 16359292 A JP16359292 A JP 16359292A JP 3162184 B2 JP3162184 B2 JP 3162184B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- optical waveguide
- substrate
- amorphous carbon
- photoconductive layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Light Receiving Elements (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ通信機器や
電子精密機器等においてデータ信号や遠隔制御信号、あ
るいは距離測定信号の検出などに利用される光検出デバ
イスに関する。
電子精密機器等においてデータ信号や遠隔制御信号、あ
るいは距離測定信号の検出などに利用される光検出デバ
イスに関する。
【0002】
【従来の技術】光信号を検出するデバイスとしては、入
射した信号光を受光部において正確にかつ精度良く検出
するために、光導波路における信号光強度の減衰を抑
え、さらに、光導波路における色収差による信号光の波
長特性の分散を抑える特性を備えたものが必要とされ
る。このため、光検出デバイスの光導波路には、回折格
子や特殊レンズおよびクラッド材が使用されている。と
ころで、従来の光検出デバイスでは、光導波路部品に
は、SiO2系の材料が母材として使用されていた。
射した信号光を受光部において正確にかつ精度良く検出
するために、光導波路における信号光強度の減衰を抑
え、さらに、光導波路における色収差による信号光の波
長特性の分散を抑える特性を備えたものが必要とされ
る。このため、光検出デバイスの光導波路には、回折格
子や特殊レンズおよびクラッド材が使用されている。と
ころで、従来の光検出デバイスでは、光導波路部品に
は、SiO2系の材料が母材として使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光導波
路部品がSiO2系の材料を母材として形成されている
場合には、屈折率制御性を高くすることができないとい
う問題があった。また、これに伴い、従来では、量産性
を高くしたり、また、大きな開口率をもった導波路を設
計したりすることが困難であった。
路部品がSiO2系の材料を母材として形成されている
場合には、屈折率制御性を高くすることができないとい
う問題があった。また、これに伴い、従来では、量産性
を高くしたり、また、大きな開口率をもった導波路を設
計したりすることが困難であった。
【0004】本発明は、屈折率制御性,量産性が高く、
さらには耐環境性に優れた光検出デバイスを提供するこ
とを目的としている。
さらには耐環境性に優れた光検出デバイスを提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、請求項1記載の発明は、入射した信号光
を集光するための集光レンズ部と、集光レンズ部で集光
された光を導波させるための光導波路と、光導波路から
の光を受光して光電変換を行なうための光導電層とが、
基板上に形成されており、集光レンズ部,光導波路,光
導電層は、無定形炭素材料で形成されていることを特徴
としている。これにより、集光レンズ部,光導波路にお
ける屈折率制御性を高くすることができ、また、製造工
程が簡単となり量産性を高くすることなどが可能とな
る。
成するために、請求項1記載の発明は、入射した信号光
を集光するための集光レンズ部と、集光レンズ部で集光
された光を導波させるための光導波路と、光導波路から
の光を受光して光電変換を行なうための光導電層とが、
基板上に形成されており、集光レンズ部,光導波路,光
導電層は、無定形炭素材料で形成されていることを特徴
としている。これにより、集光レンズ部,光導波路にお
ける屈折率制御性を高くすることができ、また、製造工
程が簡単となり量産性を高くすることなどが可能とな
る。
【0006】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の光検出デバイスにおいて、光導波路は、透明度が高
く光吸収の低いものに改質されていることを特徴として
いる。これにより、信号光をその強度を減衰させず、導
波させることができる。
載の光検出デバイスにおいて、光導波路は、透明度が高
く光吸収の低いものに改質されていることを特徴として
いる。これにより、信号光をその強度を減衰させず、導
波させることができる。
【0007】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の光検出デバイスにおいて、前記光導電層の基板と対
向する面,および基板と反対側の面には、それぞれ金属
電極が設けられており、集光レンズ部および/または光
導波路の基板と対向する面,基板と反対側の面の少なく
とも一方の面には、上記金属電極と同じ材料で反射層が
設けられていることを特徴としている。これにより、反
射層を設ける場合にも製造工程の増加を防止し、また反
射層を設けることにより、信号光の集光効率を高めるこ
とができる。
載の光検出デバイスにおいて、前記光導電層の基板と対
向する面,および基板と反対側の面には、それぞれ金属
電極が設けられており、集光レンズ部および/または光
導波路の基板と対向する面,基板と反対側の面の少なく
とも一方の面には、上記金属電極と同じ材料で反射層が
設けられていることを特徴としている。これにより、反
射層を設ける場合にも製造工程の増加を防止し、また反
射層を設けることにより、信号光の集光効率を高めるこ
とができる。
【0008】また、請求項4記載の発明は、請求項1ま
たは2記載の光検出デバイスにおいて、デバイス表面が
無定形炭素材料の保護膜で覆われていることを特徴とし
ている。これにより、デバイスの耐環境性を向上させる
ことができる。
たは2記載の光検出デバイスにおいて、デバイス表面が
無定形炭素材料の保護膜で覆われていることを特徴とし
ている。これにより、デバイスの耐環境性を向上させる
ことができる。
【0009】
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1(a)は本発明に係る光検出デバイスの一
実施例の平面図,図1(b)は図1(a)のA−A線に
おける断面図である。図1(a),(b)を参照する
と、本実施例の光検出デバイスは、単一の基板1上に、
信号光が入光する入光窓8と、入光した信号光を集光す
るための集光レンズ部7と、集光レンズ部7で集光した
光を導波させるための受光用光導波路4と、光導波路4
からの光を受光する受光部(受光素子の光導電層)6
と、光遮蔽部(保護膜)3とが設けられ、また、集光レ
ンズ部7,受光用光導波路4の上面および下面には、上
部反射層5bおよび下部反射層2bがそれぞれ配置さ
れ、受光部6の上面および下面には、上部電極5aおよ
び下部電極2aがそれぞれ配置されて、集積回路構成の
ものとなっている。
明する。図1(a)は本発明に係る光検出デバイスの一
実施例の平面図,図1(b)は図1(a)のA−A線に
おける断面図である。図1(a),(b)を参照する
と、本実施例の光検出デバイスは、単一の基板1上に、
信号光が入光する入光窓8と、入光した信号光を集光す
るための集光レンズ部7と、集光レンズ部7で集光した
光を導波させるための受光用光導波路4と、光導波路4
からの光を受光する受光部(受光素子の光導電層)6
と、光遮蔽部(保護膜)3とが設けられ、また、集光レ
ンズ部7,受光用光導波路4の上面および下面には、上
部反射層5bおよび下部反射層2bがそれぞれ配置さ
れ、受光部6の上面および下面には、上部電極5aおよ
び下部電極2aがそれぞれ配置されて、集積回路構成の
ものとなっている。
【0011】ここで、基板1は、Si等の無機材料で形
成され、また、上部反射層5b,下部反射層5a,上部
電極5a,下部電極2aは、Al等の金属材料で形成さ
れている。また、入光窓8,集光レンズ部7,受光用光
導波路4,受光部6,光遮蔽部(保護膜)3は、無定形
炭素材料で形成されている。
成され、また、上部反射層5b,下部反射層5a,上部
電極5a,下部電極2aは、Al等の金属材料で形成さ
れている。また、入光窓8,集光レンズ部7,受光用光
導波路4,受光部6,光遮蔽部(保護膜)3は、無定形
炭素材料で形成されている。
【0012】ところで、無定形炭素材料は、量産に適し
たプラズマ化学気相蒸着(p−CVD)法等で、炭化水
素系ガスを原料とし、投入電力や水素濃度の調整で、屈
折率を1.5乃至2.5程度の大きい範囲で変化させる
ことができる。また、堆積された材料の一部の屈折率を
イオンビーム法やアニール処理によって調節することが
できる。従って、無定形炭素材料により上記のように、
集光レンズ部7,光導波路4を形成すると、光導波路部
品の屈折率制御性並びに量産性を高めることができる。
また、無定形炭素材料は、光伝導性を有するので、無定
形炭素材料によって、上記のように、光導電層である受
光部6を形成することができる。さらに、無定形炭素材
料は対薬品性が高いので、上記のように、入光窓8,光
遮蔽部(保護膜)3を無定形炭素材料で形成すると、光
検出デバイスが長期にわたり湿度が高く酸性物質等の存
在する悪環境で使用されるときも、デバイスの劣化を抑
えることができ、デバイスの耐環境性を向上させること
ができる。
たプラズマ化学気相蒸着(p−CVD)法等で、炭化水
素系ガスを原料とし、投入電力や水素濃度の調整で、屈
折率を1.5乃至2.5程度の大きい範囲で変化させる
ことができる。また、堆積された材料の一部の屈折率を
イオンビーム法やアニール処理によって調節することが
できる。従って、無定形炭素材料により上記のように、
集光レンズ部7,光導波路4を形成すると、光導波路部
品の屈折率制御性並びに量産性を高めることができる。
また、無定形炭素材料は、光伝導性を有するので、無定
形炭素材料によって、上記のように、光導電層である受
光部6を形成することができる。さらに、無定形炭素材
料は対薬品性が高いので、上記のように、入光窓8,光
遮蔽部(保護膜)3を無定形炭素材料で形成すると、光
検出デバイスが長期にわたり湿度が高く酸性物質等の存
在する悪環境で使用されるときも、デバイスの劣化を抑
えることができ、デバイスの耐環境性を向上させること
ができる。
【0013】また、このように、耐環境性を備えた入光
窓8,屈折率制御性の良い集光レンズ部7および光導波
路4,並びに受光部6を、全て同一の無定形炭素材料で
形成できるので、製造工程を簡単なものにすることがで
きる。
窓8,屈折率制御性の良い集光レンズ部7および光導波
路4,並びに受光部6を、全て同一の無定形炭素材料で
形成できるので、製造工程を簡単なものにすることがで
きる。
【0014】図1の構成の光検出デバイスを作製するた
めには、先ず、Si等の無機材料で形成されている基板
1上に、金属層をパターン形成し、下部電極2aおよび
下部反射層2bを作成する。具体的には、Alを蒸着法
で1000〜2000Å程度堆積し、Alにより下部電
極2aおよび下部反射層2bを形成する。次いで、基板
1上に(より詳しくは下部電極2a,下部反射層2bも
含めた基板面上に)、無定形炭素膜を一様に形成する。
この炭素膜は、炭化水素ガスを原料ガスとしてプラズマ
CVD法等により堆積され、堆積した無定形炭素膜は、
後述のようにして、下部電極2a上部で受光部,すなわ
ち受光素子の光導電層6となり、下部反射層2bの上部
で集光レンズ部7,光導波路4となる。この際、無定形
炭素膜の膜厚は、集光のためには、厚い方が良いが、炭
素膜の内部応力の影響を抑えるため、信号光の中心波長
の数倍程度の2μm程度のものにするのが良い。また、
無定形炭素膜の光伝導度は、暗電流と白色光照射電流比
で、1対10以上が好ましい。
めには、先ず、Si等の無機材料で形成されている基板
1上に、金属層をパターン形成し、下部電極2aおよび
下部反射層2bを作成する。具体的には、Alを蒸着法
で1000〜2000Å程度堆積し、Alにより下部電
極2aおよび下部反射層2bを形成する。次いで、基板
1上に(より詳しくは下部電極2a,下部反射層2bも
含めた基板面上に)、無定形炭素膜を一様に形成する。
この炭素膜は、炭化水素ガスを原料ガスとしてプラズマ
CVD法等により堆積され、堆積した無定形炭素膜は、
後述のようにして、下部電極2a上部で受光部,すなわ
ち受光素子の光導電層6となり、下部反射層2bの上部
で集光レンズ部7,光導波路4となる。この際、無定形
炭素膜の膜厚は、集光のためには、厚い方が良いが、炭
素膜の内部応力の影響を抑えるため、信号光の中心波長
の数倍程度の2μm程度のものにするのが良い。また、
無定形炭素膜の光伝導度は、暗電流と白色光照射電流比
で、1対10以上が好ましい。
【0015】このようにして、無定形炭素膜を堆積した
後、この無定形炭素膜に集光レンズ部7と光導波路4と
受光部6を形成するため、集光レンズ部7,受光部6と
なる部分をマスクした上で、光導波路4となる部分に対
し水素プラズマ処理等を施す。これにより、集光レンズ
部7,受光部6となる部分を高い屈折率のまま残す一方
で、光導波路4となる部分を屈折率が1.6程度で透明
度が高く光吸収の低い無定形炭素膜に改質する。
後、この無定形炭素膜に集光レンズ部7と光導波路4と
受光部6を形成するため、集光レンズ部7,受光部6と
なる部分をマスクした上で、光導波路4となる部分に対
し水素プラズマ処理等を施す。これにより、集光レンズ
部7,受光部6となる部分を高い屈折率のまま残す一方
で、光導波路4となる部分を屈折率が1.6程度で透明
度が高く光吸収の低い無定形炭素膜に改質する。
【0016】しかる後、受光部6上に上部電極5aを、
また、集光レンズ部7,光導波路4上に上部反射層5b
をそれぞれ作成する。具体的には、下部電極2aおよび
下部反射層2bと全く同様の方法で、Alを蒸着法によ
り1000〜2000Å程度堆積して、形成する。次い
で、上部電極5a,上部反射層5bを覆うように、無定
形炭素膜を500〜1000Å程度堆積し、光遮蔽部
(保護膜)3を形成する。
また、集光レンズ部7,光導波路4上に上部反射層5b
をそれぞれ作成する。具体的には、下部電極2aおよび
下部反射層2bと全く同様の方法で、Alを蒸着法によ
り1000〜2000Å程度堆積して、形成する。次い
で、上部電極5a,上部反射層5bを覆うように、無定
形炭素膜を500〜1000Å程度堆積し、光遮蔽部
(保護膜)3を形成する。
【0017】このように、本実施例では、入光窓8,集
光レンズ部7,光導波路4,受光部6を全て無定形炭素
材料で形成することによって、同一基板1上への集積回
路設計が可能となり、また、作成工程の短縮化を図るこ
とができる。なお、上記工程において、基板1上に一様
に形成される無定形炭素膜の屈折率が2.0程度になる
ようにすると、光導波路4のみを改質するだけで良く、
製造工程をより簡略化することができる。
光レンズ部7,光導波路4,受光部6を全て無定形炭素
材料で形成することによって、同一基板1上への集積回
路設計が可能となり、また、作成工程の短縮化を図るこ
とができる。なお、上記工程において、基板1上に一様
に形成される無定形炭素膜の屈折率が2.0程度になる
ようにすると、光導波路4のみを改質するだけで良く、
製造工程をより簡略化することができる。
【0018】また、下部反射層2b,上部反射層5bに
ついても、これを下部電極2a,上部電極5aと同じ材
料(例えばAl)で形成できるので、反射層を電極形成
時に同時にパターン形成できて、工程を増加させずにこ
れらを設けることができる。なお、下部反射層2b,上
部反射層5bは、必ずしも必要ではないが、これらが設
けられていることによって、信号光の集光効率,取り込
み効率をより向上させることができる。
ついても、これを下部電極2a,上部電極5aと同じ材
料(例えばAl)で形成できるので、反射層を電極形成
時に同時にパターン形成できて、工程を増加させずにこ
れらを設けることができる。なお、下部反射層2b,上
部反射層5bは、必ずしも必要ではないが、これらが設
けられていることによって、信号光の集光効率,取り込
み効率をより向上させることができる。
【0019】本願の発明者は、実際に、以下の方法で、
光検出デバイスを作成した。すなわち、先ず、Si単結
晶基板1上に下部電極2aと下部反射層2bとを作成し
た。具体的には所定のパターンのマスクを基板1上に設
け、蒸着法によりAlを1000Å堆積し作成した。次
いで、水素希釈のメタンガス(CH4)を原料ガスと
し、プラズマCVD法を使用して次表の条件1で、基板
全面に一様に無定形炭素膜を2μmの厚さに堆積した。
光検出デバイスを作成した。すなわち、先ず、Si単結
晶基板1上に下部電極2aと下部反射層2bとを作成し
た。具体的には所定のパターンのマスクを基板1上に設
け、蒸着法によりAlを1000Å堆積し作成した。次
いで、水素希釈のメタンガス(CH4)を原料ガスと
し、プラズマCVD法を使用して次表の条件1で、基板
全面に一様に無定形炭素膜を2μmの厚さに堆積した。
【0020】
【表1】
【0021】この時、無定形炭素膜はギャップエネルギ
ーが1.6eVで、赤色光を中心波長とする信号の検出
に有効であった。また、測定波長が6328Åで屈折率
は2.0であった。次に、集光レンズ部7と光導波路4
とを形成した。光導波路4は、上記の無定形炭素膜に光
導電層4と平とつレンズ(集光レンズ部7)の形状を残
すようにレジストパターンを形成し、水素プラズマ処理
により屈折率を1.6に減少させ、透過率を92%に増
加させた。なお、ここで、水素プラズマ処理は、水素原
子の無定形炭素膜中への取込みによりダングリングボン
ドを減少させ、sp3−C成分を増加させる効果を得る
ためになされるものである。また、平とつレンズのとつ
側の曲率は3mmであり、レンズの厚さは1.5mmで
あり、また平とつレンズの入光窓8となる側のレンズ幅
dは5.2mmであった。また、光導波路4の長さLは
5mmに設定した。次いで、集光レンズ部7,光導波路
4,光導電層6が形成された無定形炭素膜の上部にマス
ク板を使い蒸着法でAlを1000Å堆積した。これに
より光導電層6の上部電極5aと導波路4の上部反射層
5bとを形成した。次に、デバイス全体に無定形炭素膜
を表1の条件2で堆積しデバイス保護膜3を形成した。
このようにして、極めて容易にかつ短時間で光検出デバ
イスを作製することができた。
ーが1.6eVで、赤色光を中心波長とする信号の検出
に有効であった。また、測定波長が6328Åで屈折率
は2.0であった。次に、集光レンズ部7と光導波路4
とを形成した。光導波路4は、上記の無定形炭素膜に光
導電層4と平とつレンズ(集光レンズ部7)の形状を残
すようにレジストパターンを形成し、水素プラズマ処理
により屈折率を1.6に減少させ、透過率を92%に増
加させた。なお、ここで、水素プラズマ処理は、水素原
子の無定形炭素膜中への取込みによりダングリングボン
ドを減少させ、sp3−C成分を増加させる効果を得る
ためになされるものである。また、平とつレンズのとつ
側の曲率は3mmであり、レンズの厚さは1.5mmで
あり、また平とつレンズの入光窓8となる側のレンズ幅
dは5.2mmであった。また、光導波路4の長さLは
5mmに設定した。次いで、集光レンズ部7,光導波路
4,光導電層6が形成された無定形炭素膜の上部にマス
ク板を使い蒸着法でAlを1000Å堆積した。これに
より光導電層6の上部電極5aと導波路4の上部反射層
5bとを形成した。次に、デバイス全体に無定形炭素膜
を表1の条件2で堆積しデバイス保護膜3を形成した。
このようにして、極めて容易にかつ短時間で光検出デバ
イスを作製することができた。
【0022】図2は図1(a),(b)の光検出デバイ
スを用いた光信号検出装置の構成例を示す図である。こ
の光信号検出装置は、図1(a),(b)の光検出デバ
イス11にパルス電圧を印加するためのパルス発振回路
9と、光検出デバイス11の受光部6の電圧変位を検出
する電圧変位検出回路10とを有している。この場合、
光検出デバイス11の一方の電極(例えば下部電極2
a)は、接地電位に接続され、他方の電極(例えば上部
電極5a)は、パルス発振回路9の出力側、並びに電圧
変位検出回路10の入力側に接続される。
スを用いた光信号検出装置の構成例を示す図である。こ
の光信号検出装置は、図1(a),(b)の光検出デバ
イス11にパルス電圧を印加するためのパルス発振回路
9と、光検出デバイス11の受光部6の電圧変位を検出
する電圧変位検出回路10とを有している。この場合、
光検出デバイス11の一方の電極(例えば下部電極2
a)は、接地電位に接続され、他方の電極(例えば上部
電極5a)は、パルス発振回路9の出力側、並びに電圧
変位検出回路10の入力側に接続される。
【0023】次に、このような構成の光信号検出装置の
動作について説明する。パルス発振回路9からは、図3
(a)あるいは図3(b)に示すようなパルス電圧が出
力され、光検出デバイス11は、このパルス電圧によっ
てパルス駆動される。なお、パルス電圧値Vは、受光部
6の膜厚と、受光部6の伝導度と、電圧変位検出回路1
0のオペアンプ(図示せず)の耐圧とに主に依存して決
まるが、30V以上であるのが好ましい。また、パルス
電圧のON時間τaとOFF時間τbとの割合い、すなわ
ちパルスデューティ比は、1/10以上であるのが好ま
しい。
動作について説明する。パルス発振回路9からは、図3
(a)あるいは図3(b)に示すようなパルス電圧が出
力され、光検出デバイス11は、このパルス電圧によっ
てパルス駆動される。なお、パルス電圧値Vは、受光部
6の膜厚と、受光部6の伝導度と、電圧変位検出回路1
0のオペアンプ(図示せず)の耐圧とに主に依存して決
まるが、30V以上であるのが好ましい。また、パルス
電圧のON時間τaとOFF時間τbとの割合い、すなわ
ちパルスデューティ比は、1/10以上であるのが好ま
しい。
【0024】このように光検出デバイス11がパルス駆
動されるとき、信号光が光検出デバイス11に入射しな
い場合には、受光部6にパルス電圧が印加されても受光
部6の伝導度が低いことから、受光部6は高抵抗成分の
静電体となり、電流が流れず、従って、電極2a,5a
間の電位差は、Vに保持される。
動されるとき、信号光が光検出デバイス11に入射しな
い場合には、受光部6にパルス電圧が印加されても受光
部6の伝導度が低いことから、受光部6は高抵抗成分の
静電体となり、電流が流れず、従って、電極2a,5a
間の電位差は、Vに保持される。
【0025】これに対し、信号光が光検出デバイス11
に入光窓8から入射すると、この信号光は集光レンズ部
7で集光され、光導波路4を導波して受光部6を照射す
る。光検出デバイス11がパルス駆動され、受光部6に
パルス電圧が印加されているとき、受光部6に信号光が
入射すると、受光部6の伝導度が高くなり、受光部6が
低抵抗となって、電極2a,5a間の電位差は、Vから
降下する。電圧変位検出回路10は、この電位差の変化
を検出することで、光信号を検出することができる。
に入光窓8から入射すると、この信号光は集光レンズ部
7で集光され、光導波路4を導波して受光部6を照射す
る。光検出デバイス11がパルス駆動され、受光部6に
パルス電圧が印加されているとき、受光部6に信号光が
入射すると、受光部6の伝導度が高くなり、受光部6が
低抵抗となって、電極2a,5a間の電位差は、Vから
降下する。電圧変位検出回路10は、この電位差の変化
を検出することで、光信号を検出することができる。
【0026】ところで、図2に示す構成例では、光検出
デバイス11をパルス駆動するようにしているので、パ
ルス的な信号光に対してその同期をとることが可能とな
る。例えば、光デジタル通信では、パルス状の信号光が
光検出デバイス11に入射するので、これに同期させて
光検出デバイス11をパルス駆動することにより、雑音
の影響を低減することができ、高S/N比で、光信号の
検出を行なうことができる。
デバイス11をパルス駆動するようにしているので、パ
ルス的な信号光に対してその同期をとることが可能とな
る。例えば、光デジタル通信では、パルス状の信号光が
光検出デバイス11に入射するので、これに同期させて
光検出デバイス11をパルス駆動することにより、雑音
の影響を低減することができ、高S/N比で、光信号の
検出を行なうことができる。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
発明によれば、入射した信号光を集光するための集光レ
ンズ部と、集光レンズ部で集光された光を導波させるた
めの光導波路と、光導波路からの光を受光して光電変換
を行なうための光導電層とが、基板上に形成されてお
り、集光レンズ部,光導波路,光導電層が、無定形炭素
材料で形成されているので、屈折制御性が高く、耐環境
性に優れており、また、上記各部分が全て無定形炭素に
よる同一の材料で作成されることにより、製造工程の短
縮を図ることができ、量産性を向上させることができ
る。
発明によれば、入射した信号光を集光するための集光レ
ンズ部と、集光レンズ部で集光された光を導波させるた
めの光導波路と、光導波路からの光を受光して光電変換
を行なうための光導電層とが、基板上に形成されてお
り、集光レンズ部,光導波路,光導電層が、無定形炭素
材料で形成されているので、屈折制御性が高く、耐環境
性に優れており、また、上記各部分が全て無定形炭素に
よる同一の材料で作成されることにより、製造工程の短
縮を図ることができ、量産性を向上させることができ
る。
【0028】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の光検出デバイスにおいて、光導波路は、透明
度が高く光吸収の低いものに改質されていることを特徴
としている。これにより、信号光をその強度を減衰させ
ず、導波させることができる。
項1記載の光検出デバイスにおいて、光導波路は、透明
度が高く光吸収の低いものに改質されていることを特徴
としている。これにより、信号光をその強度を減衰させ
ず、導波させることができる。
【0029】また、請求項3記載の発明によれば、光導
電層の基板と対向する面,基板と反対側の面に、それぞ
れ形成された金属電極と同じ材料で反射層が設けられて
いるので、電極を形成する際に電極と同時に反射層をパ
ターン形成することができて、反射層を設ける場合に
も、工程を増加させずに済み、また、反射層が設けられ
ることによって、信号光の集光効率,取り込み効率を向
上させることができる。
電層の基板と対向する面,基板と反対側の面に、それぞ
れ形成された金属電極と同じ材料で反射層が設けられて
いるので、電極を形成する際に電極と同時に反射層をパ
ターン形成することができて、反射層を設ける場合に
も、工程を増加させずに済み、また、反射層が設けられ
ることによって、信号光の集光効率,取り込み効率を向
上させることができる。
【0030】また、請求項4記載の発明によれば、デバ
イス表面が無定形炭素の保護膜で覆われているので、デ
バイスの耐環境性を向上させることができる。
イス表面が無定形炭素の保護膜で覆われているので、デ
バイスの耐環境性を向上させることができる。
【0031】
【図1】(a)は本発明に係る光検出デバイスの一実施
例の平面図、(b)は図1(a)のA−A線における断
面図である。
例の平面図、(b)は図1(a)のA−A線における断
面図である。
【図2】図1(a),(b)の光検出デバイスを用いた
光信号検出装置の構成例を示す図である。
光信号検出装置の構成例を示す図である。
【図3】(a),(b)はパルス発振回路からのパルス
電圧の一例を示す図である。
電圧の一例を示す図である。
1 基板 2a 下部電極 2b 下部反射層 3 光遮蔽部(保護膜) 4 光導波路 5a 上部電極 5b 上部反射層 6 受光部 7 集光レンズ部 8 入光窓 9 パルス発振回路 10 電圧変位検出回路 11 光検出デバイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−203163(JP,A) 特開 昭62−211659(JP,A) 特開 昭59−29471(JP,A) 特開 平2−257101(JP,A) 特開 平1−115167(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/00 - 31/024 G02B 6/12 - 6/138 G02B 6/42 - 6/43
Claims (4)
- 【請求項1】 入射した信号光を集光するための集光レ
ンズ部と、集光レンズ部で集光された光を導波させるた
めの光導波路と、光導波路からの光を受光して光電変換
を行なうための光導電層とが、基板上に形成されてお
り、前記集光レンズ部,光導波路,光導電層は、無定形
炭素材料で形成されていることを特徴とする光検出デバ
イス。 - 【請求項2】 請求項1記載の光検出デバイスにおい
て、前記光導波路は、透明度が高く光吸収の低いものに
改質されていることを特徴とする光検出デバイス。 - 【請求項3】 請求項1記載の光検出デバイスにおい
て、前記光導電層の基板と対向する面,および基板と反
対側の面には、それぞれ金属電極が設けられており、前
記集光レンズ部および/または前記光導波路の基板と対
向する面,基板と反対側の面の少なくとも一方の面に
は、前記金属電極と同じ材料で反射層が設けられている
ことを特徴とする光検出デバイス。 - 【請求項4】 請求項1,2または3記載の光検出デバ
イスにおいて、デバイス表面が無定形炭素材料の保護膜
で覆われていることを特徴とする光検出デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16359292A JP3162184B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 光検出デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16359292A JP3162184B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 光検出デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05335604A JPH05335604A (ja) | 1993-12-17 |
JP3162184B2 true JP3162184B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=15776853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16359292A Expired - Fee Related JP3162184B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 光検出デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3162184B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112525232A (zh) * | 2020-11-27 | 2021-03-19 | 武汉云岭光电有限公司 | 波导探测器及其制备方法 |
-
1992
- 1992-05-29 JP JP16359292A patent/JP3162184B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05335604A (ja) | 1993-12-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1014034B1 (de) | Integrierter optoelektronischer Sensor und Verfahren zu dessen Herstellung | |
US10971636B2 (en) | Photoelectric detection structure, manufacturing method therefor, and photoelectric detector | |
GB2188482A (en) | Optical sensor | |
US5091638A (en) | Contact image sensor having light-receiving windows | |
US4405915A (en) | Photoelectric transducing element | |
EP1175600B2 (de) | Integrierter optoelektronischer dünnschichtsensor | |
JP3162184B2 (ja) | 光検出デバイス | |
JPS59117277A (ja) | 受光素子 | |
JPH0746823B2 (ja) | イメ−ジセンサ | |
JPH02174161A (ja) | 画像読取装置 | |
JP7044430B1 (ja) | 受光装置 | |
TWI781720B (zh) | 光偵測裝置 | |
JPS62195610A (ja) | 光検出装置 | |
KR0134627B1 (ko) | 이미지 센서로서의 포토다이오드 및 그 제조방법 | |
JP2573342B2 (ja) | 受光素子 | |
JPH04250664A (ja) | 光センサおよびその製造方法 | |
JPH0738138A (ja) | 紫外光センサ | |
JPS5984476A (ja) | 光学機器用基板の製造方法 | |
JP2830177B2 (ja) | 画像読取装置 | |
JP2682639B2 (ja) | 光センサー | |
JPH0286170A (ja) | イメージセンサ | |
JPH01108765A (ja) | 密着型イメージセンサ作製方法 | |
JPS6252977A (ja) | 非晶質Si系の感光デバイス | |
JPH02295167A (ja) | イメージセンサー | |
JPS5838060A (ja) | 密着型イメ−ジセンサの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080223 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |