JP3160972U - カートン - Google Patents

Abstract

【課題】カートンを持ち上げるときの力がジッパーに直接作用するのを防止することができるカートンを提供する。【解決手段】複数の物品を保持する底壁パネル１１，１２と、この低壁パネル１１，１２の縁部から立ち上がる側壁パネル１３と、この側壁パネル１３の上縁部どうしを連結する頂壁パネル１４とを備えた筒状体をなす。頂壁パネル１４に、筒状体を運搬するためのハンドル穴３０を設けるとともに、カートンを開封する際に破断する二本一対のジッパー４１によって両側を区切られた切取りパネル４０を設け、切取りパネル４０は、筒状体の開口に臨む頂壁パネル１４の縁部であって側壁パネル１３側へ偏った箇所から内側へ向け側壁パネル１３側へ傾斜して延在している。【選択図】図２

Description

本考案は、缶などの複数の物品を収容するカートンに係り、特に、カートンを持ち上げるときの力がジッパーに直接作用するのを防止する技術に関する。

従来より、ソフトドリンク等の飲料用ボトルや缶等の物品を複数収容して流通や消費者の使用に供されるキャリアやカートンが提供されている。たとえば、特許文献１には、三角形の筒状体をなして複数のボトルを持ち運びできるようにしたキャリアが開示されている。このキャリアは、筒状体の低壁からボトルの首部を挿入してキャップの下縁部を筒状体の頂部付近に形成した開口に係合させ、開口に連続して形成した二本一対のジッパーを引き裂いてボトルをキャリアから１本づつ取り外すようにしている。

特許文献２には、矩形の筒状体をなし、缶を２列にして４本または６本収容するカートンが開示されている。このカートンは、筒状体の頂壁パネルに２個のハンドル穴を備え、ハンドル穴の周囲に、筒状体に一方の開口から他方の開口へ延在する二本一対のジッパーを設けたもので、ジッパーを引き裂くことでカートンを開封するようになっている。

また、図４に示すように、ハンドル穴を１個にしたカートンも提供されている。図４に示すカートンは、低壁パネル１、側壁パネル２、および頂壁パネル３からなる矩形の筒状体からなり、頂壁パネル３のほぼ中央にハンドル穴４を形成し、ハンドル穴４を囲むようにして二本一対のジッパー５を形成したものである。このようなカートンでは、内部に缶を４個収容し、ハンドル穴４に例えば親指を掛け、他の指で頂壁パネル３の縁部や側壁パネル２を支持して持ち運び、ジッパー５の指掛けタブ５ａを持って引き裂くようになっている。

米国特許第４，３１８，４７６号公報 特開２００５−３４３４６９号公報

しかしながら、図４に記載のカートンでは、ハンドル穴４と指掛けタブ５ａを持って運ぶと、ジッパー５に力が掛かって引き裂かれるおそれがある。

本考案は、上記状況に鑑みてなされたものであり、カートンを持ち上げるときの力がジッパーに直接作用するのを防止することができるカートンを提供することを目的としている。

本考案は、複数の缶等の円筒状物品を互いの円周側面が接するように配置して保持するためのカートンであって、複数の物品を保持する底壁パネルと、この低壁パネルの縁部から立ち上がる側壁パネルと、この側壁パネルの上縁部どうしを連結する頂壁パネルとを備えた筒状体をなし、頂壁パネルに、筒状体を運搬するための把持部を設けるとともに、カートンを開封する際に破断する二本一対のジッパーによって両側を区切られた切取りパネルを設け、切取りパネルは、筒状体の開口に臨む頂壁パネルの縁部であって側壁パネル側へ偏った箇所から内側へ向けて延在することを特徴とする。

上記構成のカートンを運搬するに際しては、把持部と筒状体の開口に臨む頂壁パネルの縁部とを把持する。この場合において、頂壁パネルの縁部の中央部を把持するのが普通の動作であるから、切取りパネルから外れた所が把持され、よって、カートを持ち上げる力が切取りパネルに直接作用することがない。

ここで、筒状体の開口に臨む頂壁パネルの縁部の中央部に、内側へ向けて凹む凹部を設けることが望ましい。このような態様では、使用者は凹部を指掛け部と認識して把持するので、不用意に切取りパネルを把持するといった事態を確実に防止することができる。

切取りパネルは、凹部と側壁パネルの中間部から把持部と側壁パネルの中間部へ向けて延在することが望ましい。たとえば、切取りパネルは、凹部と側壁パネルの上縁部の中間部から側壁パネル側へ傾斜して延在させることができる。このような態様では、把持部と切取りパネルとの距離が確保されるので、把持部の強度が確保される。

把持部の構成は任意であり、指を挿入する穴や、指を掛ける帯状のものや箱状のものとすることができる。把持部の数は１個でも２個でもよく、１個であれば頂壁パネルの中央に配置し、２個であれば頂壁パネルの中央を挟むように配置する。カートンに収容する缶の数は、３個、４個、６個、８個、１０個など任意である。また、円筒状物品の配置は四角形状や三角形状とすることができる。

本考案のカートンにあっては、カートンを運搬する際に使用者が切取りパネルを把持するのが防止され、カートンを持ち上げるときの力がジッパーに直接作用するのを防止することができる。したがって、カートンの運搬中にジッパーが意図せず破断するような事故を未然に防止することができる。

本考案の実施形態のカートンを形成するためのカートンブランクの平面図である。 物品を収納した状態の本考案のカートンを示す斜視図である。 本考案の他の実施形態のカートンを形成するためのカートンブランクの平面図である。 従来のカートンを示す斜視図である。

以下、本考案の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、図１に示す４個の物品を保持するカートンを例に説明するが、本考案では、そのようなカートンに限定されず、例えば３個の物品や６個の物品を保持するカートンや、それ以上の物品を保持するカートン等、本考案に規定する範囲であれば任意のカートンを作製することができる。

図１には、ボール紙またはそれに類する折り曲げ自在なシート材から作製されたブランク１０が示されている。図１において、ブランク１０は、第１底壁パネル１１および第２低壁パネル１２と、側壁パネル１３と、頂壁パネル１４とを備え、これらは折目線１５〜１８によって折り曲げ自在に接続されている。これらパネル１１〜１４を折り曲げることによって、図２に示すカートンが形成され、缶Ｃ等の物品を保持することができる。

第１底壁パネル１１には、カートンを組み立てる際に接合部となる複数の係合フラップ１９が打ち抜き形成され、かつ折目線１９ａを介して第１底壁パネル１１と折り曲げ自在に接続されている。一方、第２底壁パネル１２には、それら係合フラップ１９を受容する複数の係合フラップ受容部２０が打ち抜き形成されている。

側壁パネル１３の両側には、折込パネル２１が折目線２２を介して折り曲げ自在に形成されている。また、パネル１１〜１４の両側には、折目線１５〜１８を跨いだ状態で物品支持パネル２３が折目線２４を介して折り曲げ自在に形成されている。これら物品支持パネル２３は、カートンが組み立てられた状態において、缶Ｃの上端および下端に引っ掛かってこれを支持し、缶Ｃがカートンから脱落するのを防ぐ。また、折込みパネル２１は、缶Ｃと側壁パネル１３との間に挟まれることにより、物品支持パネル２３が外側へ開くのを阻止している。

頂壁パネル１４の中央部には、ハンドル穴（把持部）３０が形成されている。ハンドル穴３０の両側には、指当てタブ３１が折目線３２を介して折り曲げ自在に打ち抜き形成されている。指当てタブ３１は、内側に折り曲げられることにより、指への当たりをソフトにする。また、ハンドル穴３０の両側方に位置する頂壁パネル１４の縁部には、内側へ凹む凹部３３が滑らかな曲線をもって形成されている。そして、一方の凹部３３の側方には、互いに平行な二本のジッパー４１で囲まれた切取りパネル４０が形成されている。

ここで、ジッパー４１とは、一種のミシン目、破断線、切り離し線、あるいは切り取り線を意味する。ジッパー４１には、く字状に屈曲くしたスリット４１ａと、スリット４１と逆方向に屈曲したイニシャルスリット４１ｂが形成されている。このイニシャルスリット４１ｂにより、一旦は切取りパネル４０の外方へ向かった破断が止められ、破断を後続するスリット４１ａに連絡する。切取りパネル４０は、頂壁パネル１４の縁部から斜めに向け折目線１４のほぼ中央部へ向けて延在している。このため、切取りパネル４０とハンドル穴３０との間に距離が確保されている。また、切り取りパネル４０の端部には、カートンを開封するための破断起端となる指掛けタブ４２が形成されている。

図１に示すブランクからカートンを組み立てるために、連続的な折り曲げ作業が行われる。折り曲げ作業は、直線状の機械ラインでブランクないしカートンを反転または回転させることなく行われる。以下はその手順を示すものであるが、本発明は以下の例に限定されるものではない。

まず、水平に置かれた頂壁パネル１４上に缶Ｃ等の物品を載置する。この時、缶Ｃの上端部を下にして頂壁パネル１４上に載置するのが通常であるが、特に限定されない。次に、折目線２２に沿って折込パネル２１をカートン内方に１８０度折り曲げて側壁パネル１３に密着させながら、折目線１６および１７に沿って側壁パネル１３を垂直上方に折り曲げ、これら側壁パネル１３を缶Ｃの側面に密着させる。続いて、折目線１５よび１８に沿って第１底壁パネル１１および第２底壁パネル１２を側壁パネル１３に対して９０度に折り曲げ、缶Ｃの下面に、第２底壁パネル１２、第１底壁パネル１１の順に重ね合わせ、両端が開口した矩形筒状体を形成する。第１底壁パネル１１に形成された係合フラップ１９を例えば指などで押圧して係合フラップ受容部２０に挿入し、第１底壁パネル１１および第２底壁パネル１２を接合する。なお、係合フラップ１９による接合に代えて、例えば糊付け等、接合方法は任意に選択可能である。こうしてカートンに複数の缶Ｃが荷積みされたパッケージが完成する（図２参照）。

このパッケージを運搬するには、指当てタブ３１を内側へ折り曲げる。これにより指に当たる面積が増加し、指に当たる感触がソフトになる。そして、例えば親指をハンドル穴３０に挿入し、他の指を凹部３３に掛けて持ち上げる。なお、凹部３３に指を掛けるのではなく側壁パネル１３を指で支持することもできる。

次に、カートンから缶Ｃを取り出すには、切取りパネル４０に形成された指掛けタブ４２を把持し、上方へ向けて引く。これにより、指掛けタブ４２の両端から破断が生じ、この破断は、指掛けタブ４２から最も近くに形成されたイニシャルスリット４１ｂに伝播する。指掛けタブ４２のさらなる引き裂きに伴って、イニシャルスリット４１ｂが裂け、イニシャルスリット４１ｂの後端部に破断が生じる。この破断はスリット４１ａに伝播し、ジッパー４１を破断させ、カートンが開封される。

上記構成のカートンによれば、パッケージを運搬するに際して切取りパネルから外れた凹部３３が把持されるから、パッケージを持ち上げる力が切取りパネル４０に直接作用することがない。したがって、運搬中に意図せずジッパー４１が破断されるようなことがない。特に、上記実施形態では、ハンドル穴３０の両側に凹部３３を形成しているので、不用意に指掛けタブ４２を把持するといった事態を確実に防止することができる。また、上記実施形態では、切取りパネル４０は、頂壁パネル１４の縁部から斜めに向け折目線１４のほぼ中央部へ向けて延在している。これにより、切取りパネル４０とハンドル穴３０との間に距離が確保され、ハンドル穴３０の近くに弱化部分がなく強度が確保されている。

上記実施形態では切取りパネル４０を１つ設けているが、図３に示すように２つ設けることもでき、あるいは３つまたは４つ設けることもできる。また、本考案は、切取りパネル４０が頂壁パネル１４の途中まで形成されているものに限定されず、切取りパネルが頂壁パネルの一方の縁部から他方の縁部まで達し、切取りパネルを頂壁パネルから除去するとカートンが完全に開く構造のものにも適用可能である。

上記の説明で使用した頂、底、端、先、後、内側、および外側などの方向を表わす用語は、それぞれのパネルをそのような方向に限定するものではなく、単にパネルどうしを互いに区別するためのものにすぎない。折目線という用語は必ずしも単一の折目線を指すものではなく、本考案の範囲を逸脱しない限りにおいて、１または複数の刻み線や、例えばミシン目やプレス型押しで薄くした線等の容易に折れたり曲がったりする線であっても良い。また、本考案は、考案の範囲から逸脱することなく、種々の配列の物品のカートンに適用することができる。

以上説明したように、本考案によれば、持ち運びの際に意図せずジッパーが破断するような事故を未然に防止することができる物品収納用のカートンを提供することができる。

１０ カートンブランク
１１ 第１底壁パネル
１２ 第２低壁パネル
１３ 側壁パネル
１４ 頂壁パネル
３０ ハンドル穴（把持部）
４０ 取りパネル
４１ ジッパー

Claims (3)

1. 複数の缶等の円筒状物品を互いの円周側面が接するように配置して保持するためのカートンであって、
   前記複数の物品を保持する底壁パネルと、この低壁パネルの縁部から立ち上がる側壁パネルと、この側壁パネルの上縁部どうしを連結する頂壁パネルとを備えた筒状体をなし、
   前記頂壁パネルに、前記筒状体を運搬するための把持部を設けるとともに、カートンを開封する際に破断する二本一対のジッパーによって両側を区切られた切取りパネルを設け、 前記切取りパネルは、前記筒状体の開口に臨む前記頂壁パネルの縁部であって前記側壁パネル側へ偏った箇所から内側へ向けて延在することを特徴とするカートン。
2. 前記筒状体の開口に臨む前記頂壁パネルの縁部の中央部に、内側へ向けて凹む凹部を設けたことを特徴とする請求項１に記載のカートン。
3. 前記切取りパネルは、前記凹部と前記側壁パネルの中間部から前記把持部と前記側壁パネルの中間部へ向けて延在することを特徴とする請求項２に記載のカートン。

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