JP3160905B2 - 徐放性抗菌製剤 - Google Patents
徐放性抗菌製剤Info
- Publication number
- JP3160905B2 JP3160905B2 JP31771590A JP31771590A JP3160905B2 JP 3160905 B2 JP3160905 B2 JP 3160905B2 JP 31771590 A JP31771590 A JP 31771590A JP 31771590 A JP31771590 A JP 31771590A JP 3160905 B2 JP3160905 B2 JP 3160905B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fatty acid
- allyl isothiocyanate
- oil
- base
- higher alcohol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
Description
品等の食品類、動物の飼料、化粧品等を保存し、品質を
保持するために用いられあるいは木材、糊料等を防腐
し、厨房等でも容易に使用し得る製剤で、特に細菌類ま
たは真菌類等含有微生物の増殖を抑制する製剤に関する
ものである。
となり、その増殖の場として利用され、結果として腐敗
を招くことが知られている。
流通させる必要があるが、具体的には如何に有害微生物
の増殖を防止するかということである。
は、 (1) 低温で保存する。
後、無菌的環境に保持する。
り、複雑な工程を要したり、人体にとって安全性上疑問
のある化学薬品を添加するなどの諸問題が存在してい
た。
響が大きく、使用上細かい条件を守る必要がある。
出現が要求され、特に目的物の保存上は長期にわたって
少量づつ徐々に抗菌性物質を放出する製剤の開発が期待
されているが、今日まで廉価で有用なものは得られてい
ない。
殺菌力があるイソチオシアン酸アリルが健康に無害であ
ることに着目してなされたものであり、その概要は以下
に記すとおりである。
なわち油脂と、脂肪酸呑高級アルコールエステル類すな
わち蜜蝋やキャンデリラワックス等の蝋類との混合物
に、イソチオシアン酸アリルを配合することにより、徐
放性の抗菌製剤を得たものであり、イソチオシアン酸ア
リルを単独あるいはイソチオシアン酸アリルを蝋類を含
まない油脂のみに保持させた場合に比べ、その揮発速度
を適度に低下させて徐放性とするものであり、 請求項2の発明は、前記のイソチオシアン酸アリルに
代えてイソチオシアン酸アリルを相当量含有するアブラ
ナ科の植物であるワサビやワサビ大根、カラシ等の植物
の根、茎、葉又は種子を、おろし、抽出または粉砕する
ことにより得られたイソチオシアン酸アリルを含有する
油溶性物質を添加することにより、同様な徐放性抗菌製
剤を得たものである。
呈し、揮発することによりガス体となる抗菌活性のイソ
チオシアン酸アリルを0.1〜60重量%の割合で、下記に
より得られる基剤の中に添加することにより得られる。
グリセリンエステル類と、脂肪酸の高級アルコールエス
テル類とを配合して成る混合基剤である。
ことにより、当該製剤に含有しているイソチオシアン酸
アリルの揮発量および揮発速度の制御が可能となる。
め、動植物性油脂およびそれらを水素添加又は分画精製
した油脂が使用される。
ャンデリラワックス等のような蝋類が挙げられる。それ
らを適宜配合することにより、目的とする保存温度にお
いて取り扱いの容易な硬度とイソチオシアン酸アリルガ
ス放出能力を有する溶解保持基剤を調製することができ
る。特に融点が40℃以上で室温で固形を呈する油脂や蝋
は広範囲の割合でイソチオシアン酸アリルを添加した後
も広い温度で固形状態を維持するものが多く、それらは
保存対象物にも付着し難いため、取り扱いが容易であり
都合がよい。イソチオシアン酸アリルを含有する植物を
用いた場合もイソチオシアン酸アリルの含有量を勘案し
て前記と同様な量を配合して徐放性抗菌製剤を得ること
ができる。
形状を維持しやすいので都合がよい。当該発明による抗
菌性製剤はそれらの融点以上に加温し、溶解させた後に
冷却することにより、球状、シート状、棒状あるいはサ
イコロ状等に成型したり、繊維、パルプ製マットないし
紙等に含浸させ、更には多孔性のシリカゲル等に吸着さ
せる等の方法により製剤化が可能である。
放出効率が良いのみでなく、粒の大きさや数を選択する
ことにより容易にイソチオシアン酸アリルガスの量を制
御することができるため都合がよい。
剤とし、この基剤90重量部にイソチオシアン酸アリル10
重量部を添加し溶解して、本発明の試料1を作成した。
同様にして本発明の試料2を作成した。
同様にして本発明の試料3を作成した。
以外は実施例1と同様にして本発明の試料4を作成し
た。
アン酸アリル10重量部を添加溶解して、比較例1の試料
を作成した。
ぞれ12ccをとり、内径70mmのシャーレ中に流し込み、室
温下で3日間水平に保ち、イソチオシアン酸アリルの放
出量(%)を検討したところ第1図に示すとおりで実施
例1〜4の試料は比較例1に比べて、イソチオシアン酸
アリルの放出が抑制され顕著な除法効果が認められた。
この基剤90重量部にイソチオシアン酸アリル10重量部を
添加し、溶解してビーズ状の本発明の試料5を作成し
た。
試料6を作成した。
本発明の試料7を作成した。
本発明の試料8を作成した。
して比較例2の試料を作成した。
12ccをとり、内径70mmのシャーレ中に流し込み、室温下
で6時間放置し、イソチオシアン酸アリルの放出量
(%)を検討したところ第2図に示すとおりで、実施例
5〜8の試料は比較例2に比べて顕著な徐放効果が認め
られた。
なる基剤を80℃に加温し、その100重量部にイソチオシ
アン酸アリルを5重量部を溶解して型に流し込み2mm×4
0mm×100mmのプレートを成型して実施例9のプレート製
剤とした。
例9と同様にして実施例10のプレート製剤とした。
例10と同様にして実施例11のプレート製剤とした。
比較用のプレート製剤とした。
らを室温中に放置し、96時間後におけるイソチオシアン
酸アリルの放出量を測定した。その結果は第3図に示す
とおりで、本発明の各実施例のものは比較例3に比べて
顕著な徐放効果が認められた。
中のその濃度には比例せず、放出された絶対量はイソチ
オシアン酸アリルの製剤中の濃度に依存していた。
した場合も基剤中の高級アルコールの脂肪酸エステルに
よって放出速度の制御が可能であることが明らかとなっ
た。
ニングブレンダーを用いてワサビジュースを調製した。
このジュースを濾過後、静置し、ヘキサン層と水層とに
分離させた。ヘキサン層を分取し、ロータリーエバポレ
ーターでヘキサンを除去し、ワサビ精油(ワサビ茎の油
溶性出物…以下ワサビ精油という)2.5gを得た。このワ
サビ精油を用い、大豆油100重量部に対しキャンデリラ
ワックス10重量部を添加したものを調製し、その9重量
部にワサビ精油1重量部を加えたもの2.0gを、60℃に加
熱し、紙製マット(3mm×66mm×70mm)に添加して本発
明の試料12を得た。
例12と同様にして本発明の試料13を作成した。
同様にして比較用の試料を作成した。
放置後のマットからのイソチオシアン酸アリルの放出量
を測定したところ第4図のとおりである。
が認められた。
リルをガスとして放出する量を、油脂と蝋とを併用した
複合効果により効果的に抑制することができる。この場
合、イソチオシアン酸アリルは単体で用いてもよいが、
これを含有するアブラナ科の植物であるワサビ,ワサビ
大根,カラシの根、茎、葉又は種子に油溶性物質といて
存在するので、これらの植物のどの部分でも抽出、おろ
し、粉砕されて得たものを適用することが可能である。
酸アリルの放出量の比較グラフ 第2図は実施例5〜8および比較例2のイソチオシアン
酸アリルの放出量の比較グラフ 第3図は実施例9〜11および比較例3のイソチオシアン
酸アリルの放出量の比較グラフである。 第4図は実施例12〜13および比較例4のイソチオシアン
酸アリルの放出量の比較グラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】脂肪酸のグリセリンエステル類と、脂肪酸
の高級アルコールエステル類とを配合してなる常温で固
形又はペースト状の油溶性物質を基剤とし、その基剤に
イソチオシアン酸アリルを溶解保持せしめたことを特徴
とする徐放性抗菌製剤。 - 【請求項2】脂肪酸のグリセリンエステル類と、脂肪酸
の高級アルコールエステル類とを配合してなる常温で固
形又はペースト状の油溶性物質を基剤とし、その基剤に
アブラナ科の植物であるワサビ、ワサビ大根もしくはカ
ラシから得たイソチオシアン酸アリルを含有する油溶性
抽出物を溶解保持せしめたことを特徴とする徐放性抗菌
製剤。 - 【請求項3】脂肪酸のグリセリンエステル類と、脂肪酸
の高級アルコールエステル類とを配合してなる常温で固
形又はペースト状の油溶性物質を基剤とし、その基剤に
イソチオシアン酸アリルを溶解保持することを特徴とす
る徐放性抗菌製剤の製造方法。 - 【請求項4】脂肪酸のグリセリンエステル類と、脂肪酸
の高級アルコールエステル類とを配合してなる常温で固
形又はペースト状の油溶性物質を基剤とし、その基剤に
アブラナ科の植物であるワサビ、ワサビ大根もしくはカ
ラシから得たイソチオシアン酸アリルを含有する油溶性
抽出物を溶解保持することを特徴とする徐放性抗菌製剤
の製造方法。 - 【請求項5】脂肪酸のグリセリンエステル類と、脂肪酸
の高級アルコールエステル類とを配合してなる常温で固
形又はペースト状の油溶性物質を基剤とし、その基剤に
イソチオシアン酸アリル又はアブラナ科な植物であるワ
サビ、ワサビ大根もしくはカラシから得たイソチオシア
ン酸アリルを含有する油溶性抽出物を保持せしめた抗菌
製剤において、前記脂肪酸のグリセリンエステル類と脂
肪酸の高級アルコールエステル類との配合割合を調整す
ることによって、当該製剤に含有しているイソチオシア
ン酸アリルの揮発量および揮発速度を制御する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31771590A JP3160905B2 (ja) | 1990-11-26 | 1990-11-26 | 徐放性抗菌製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31771590A JP3160905B2 (ja) | 1990-11-26 | 1990-11-26 | 徐放性抗菌製剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04207179A JPH04207179A (ja) | 1992-07-29 |
JP3160905B2 true JP3160905B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=18091227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31771590A Expired - Lifetime JP3160905B2 (ja) | 1990-11-26 | 1990-11-26 | 徐放性抗菌製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3160905B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5985303A (en) * | 1995-08-11 | 1999-11-16 | Okada; Toru | Shelf-life extender for food use |
JP3405907B2 (ja) * | 1997-10-07 | 2003-05-12 | レンゴー株式会社 | 揮散性薬剤放出シート |
JP3387425B2 (ja) * | 1998-09-10 | 2003-03-17 | 松下電器産業株式会社 | 空気調和機 |
US7186045B2 (en) | 2000-02-16 | 2007-03-06 | L'oreal S.A. | Device and method for applying a cosmetic product |
FR2804846B1 (fr) * | 2000-02-16 | 2002-08-09 | Oreal | Dispositif de conditionnement et d'application comportant une structure poreuse incorporant un agent biocide |
US8475862B2 (en) | 2003-10-01 | 2013-07-02 | The Procter & Gamble Company | Isothiocyanate preservatives and methods of their use |
US7658961B2 (en) * | 2003-10-01 | 2010-02-09 | The Procter & Gamble Company | Isothiocyanate preservatives and methods of their use |
JP2006169189A (ja) * | 2004-12-17 | 2006-06-29 | Rengo Co Ltd | チョークブルード病抑止剤 |
-
1990
- 1990-11-26 JP JP31771590A patent/JP3160905B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04207179A (ja) | 1992-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6151513B2 (ja) | 抗菌組成物及び関連使用方法 | |
US20130164361A1 (en) | Enhanced formulations, compositions and methods for pest control | |
AU2003269660A1 (en) | Pesticidal compositions | |
CN105307494B (zh) | 抗微生物组合物及相关使用方法 | |
JP3160905B2 (ja) | 徐放性抗菌製剤 | |
KR101976709B1 (ko) | 사과산, 구연산 및 피트산을 함유하는 항균제 조성물 | |
JP4163694B2 (ja) | 青果物用腐敗防止組成物、及び、青果物 | |
CN101072505B (zh) | 白垩病抑制剂 | |
JPH06227931A (ja) | 抗菌性成分、該抗菌性成分を含有する抗菌性製品、および抗菌性成分の製造法 | |
JP2796589B2 (ja) | 徐放性抗菌性製剤 | |
CN109418683A (zh) | 冬瓜蜡在作为防腐剂和抗微生物剂中的用途 | |
JPH02145502A (ja) | 農作物の病害防除剤 | |
JPH09110603A (ja) | 腹足類誘引防除毒餌剤 | |
JP4339670B2 (ja) | 食品用エアゾール組成物及び食品用スプレー | |
JP2011201846A (ja) | 酢酸臭を大幅に軽減させた、根菜類成分の酢酸油出液とミネラル成分による植物活性効果を伴う抗菌組成物 | |
KR102064661B1 (ko) | 적화용 조성물 및 이를 이용한 적화 방법 | |
CN102480938A (zh) | 将药剂引入植物体的方法 | |
KR100615892B1 (ko) | 쑥추출물을 함유하는 천연 방부제 | |
JP2001270834A (ja) | ウドからの抽出物、その製造方法及びウドからの抽出物を含む消毒剤 | |
KR100700504B1 (ko) | 알킬 지방산 에스터를 함유하는 식물병 방제용 조성물 | |
CN113994963B (zh) | 一种含有乙酸二氢香芹酯的抑芽剂及其用途 | |
CN102334728A (zh) | 醇基膏状凹凸棒芥末杀菌保鲜剂的生产方法 | |
CN112450215B (zh) | 一种含有二氢香芹酮的抑芽剂及其用途 | |
CN102326824A (zh) | 醇基芥末杀菌保鲜液的生产方法 | |
CN102334725A (zh) | 醇基大蒜杀菌保鲜液的生产方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080223 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |