JP3160495B2 - 硬軟球の選別装置 - Google Patents

硬軟球の選別装置

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三郎 堀川
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株式会社キンキクレスコ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は主として野球のバッテ
ィングセンターに於て、打ち終えた硬、軟球をボール溜
めピット(会所)よりコンベアにより上方に搬送し、個
別に設置されている硬式用バッティングマシン及び軟式
用バッティングマシンに夫々振り分けて連続供給するた
めの硬軟球選別装置に関する。
【0002】硬、軟両バッティングマシンを設置してい
るバッティングセンターに於ては図1の如く、打ち終え
た硬球H、軟球Sは混然と1個所もしくは数個所のボー
ル溜めピット2に誘導してピット2より斜立した駆動コ
ンベア3の自動搬入操作範囲内に集合球を自動供与して
硬球H、軟球Sの区別なく各球毎コンベア3によって持
ち上げて、コンベア3の上方より個別に球を放出して爾
後硬軟球選別装置1を経て硬式もしくは軟式バッティン
グマシンに搬送コンベアによって供給するようになって
いる。
【0003】
【従来の技術】従来のこうした硬軟球選別装置1は図の
如く、硬、軟球の選別を上方よりの圧縮による求心方向
への弾性変形の差を利用して選別していた。
【0004】すなわち、図3の如くコンベア(不図示、
図1の符号3相当)より放出され供給手段4を経て供与
された硬軟球H、Sを、選別コンベア5上に隔置された
一対のベアリングロータ6、6上に騎乗させた後、当該
ボールH、Sの頂部に下向付勢弾力をもった押えローラ
7を作用させてボールH、Sをベアリングロータ6、6
間に押し込んでその弾性変形によって縮径された軟球S
はロータ6、6間を経て軟球受け(8)に落下させ、弾
性変形の小さな硬球Hは騎乗状態で前進させる、と云う
構成を採っていた。
【0005】なお、図中符号9は押えローラ7の枢動リ
ンクであって図外のスプリングの蓄積弾力によって常時
下向きに弾発付勢され、この弾力と押えローラ7の重量
によってボールH、Sに上記圧縮変形が与えられる。ボ
ールがロータ6、6間にない場合は図中実線位にある
が、ロータ6、6間にボールH、Sが騎乗して直下に至
ると点線位に下傾する。
【0006】この従来技術の問題点は下記の如くであ
る。 イ)ボールH、Sに圧縮による弾性変形を与えるので消
耗が多くなる、 ロ)圧縮変形によるボールH、Sの落下が次第によって
スムースになされない場合、例えばボールが割れている
ため弾性変形が不規則となる等、次位の供給ボールと所
謂噛み込みが生じ、保守に人手を要する、 ハ)押えローラ7による押圧力の調整の適性化が比較的
面倒である(新球と古球とは弾性変形代が変わるの
で)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点の
改善を解決課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の解決手段の概略
と、そのねらいは下記の如くである。 a ボールの消耗を少なくすることを心掛けて従来のよ
うな圧縮をするやり方に変わって、硬軟両ボールの反発
跳上りの差を利用する、 b 跳上りを垂直方向ではなく長手方向に沿って斜めに
バウンドさせ、跳上りの差を、長手方向に沿った距離差
(飛程差)として顕在化させる、 c ボール個当りの跳上りに不調があっても、次位のボ
ールの跳上りの邪魔とならないようにする、つまり噛み
込みを防止する。
【0009】以下に本発明の具体的解決構成を図2、3
について述べると、使用済みもしくは新しい硬球H及び
軟球Sが混然として前後列状に供給されるボール供給手
段4、この供給手段4のボール放出位置の下方に位置付
けられた反発性跳上げ板10、及び上記ボール供給手段
4よりこの跳上げ板10上に斜め上方より落下されて夫
々個別の放物線軌跡h、sを描いて長手方向に跳上って
落下する硬球H1、軟球S1を個別に受容する球受け1
1及び軟球受け12とより成る硬軟球選別装置に関す
る。
【0010】
【実施例及び作用】図2、3は本発明の代表的実施例を
示す。使用済み(打球練習済み)の硬軟球H、Sはバッ
ティングセンターの施設として慣用されているボール溜
めピット2に混然と集められ連続駆動している斜めの駆
動コンベア3によって1個ずつ斜め上方に搬送されその
上端より落下される。この例ではコンベア3がボール供
給手段4を兼ねている。
【0011】このボール落下位置の斜め直下には反発性
跳上げ板10が設置されている。この跳上げ板10は上
下二層の板部材の積層体よりなり、このうち上板部材1
01は薄い硬質板部材、例えば鉄板や硬質プラスチック
板、下板部材102は厚い高弾性エラストマー板の如き
高弾性板部材よりなり、コンベアの高さの変化に対応す
るために長手方向に移動自在且つボール供給手段4(コ
ンベア3)のボール放出位置と、跳上げ板10との相対
に於てバウンドさせる(入射)角度を変えるために傾斜
角調整自在とされている。すなわち跳上げ板10は長手
方向に沿ったレール103上にコロ104をもって移動
自在且つ図外の傾動手段により傾斜角調整自在とされて
いる。
【0012】バッティングセンター用硬球は公式球のよ
うな皮製のものではその傷みが早くて不経済性となるこ
とから、軟球よりは硬質の合成ゴムが使われることが多
いので軟球Sとこのような硬球Hとを跳上げ板10をも
って区別的な跳上り(バウンド)を実施させるのに上板
部材101として硬質部材を用い、下板部材102とし
て高弾性板部材とする必要がある。
【0013】かくすると、上記硬球Hが薄い硬質上板部
材101に落下したときの硬質対硬質の衝当は厚い高弾
性下板部材102によって緩衝吸収されてその跳上りが
顕著に抑えられ放物線軌跡hは小となり、一方軟球Sが
落下したとき、硬質上板部材101に軟質対硬質の衝当
による弾性跳上りは高弾性下板部材102の高反発弾力
によって付勢されるので、結果として跳上りは増幅され
放物線軌跡sは大となり、硬軟球H、Sが跳上げ板10
上に落下したときの跳上りの差はバウンド球の放物線軌
跡h、s間の顕著な差として取り出せる。
【0014】硬球Hとして皮製のものを用いた場合は跳
上げ板10は上述の積層板に代って単一な硬質板であっ
てもよいことはもちろんである。
【0015】異なる放物線軌跡h、sをもって夫々長手
方向に沿ってバウンドした硬軟球H1、S1はその着地
個所に設置されている個別の硬球受け11、軟球受け1
2に夫々受容される。この受け11、12として図のも
のは個別の搬送コンベア11C、12Cとして示してお
り、このコンベア11C、12C内に受容された硬球H
1及び軟球S1は当該コンベア11C、12Cを経て図
外で公知の水平コンベア、斜設コンベアに移送された
後、硬式バッティングマシン及び軟式バッティングマシ
ンに夫々連続供与されるのである。
【0016】掲記の実施例は本発明の代表的なものを示
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求
項1の要旨を逸脱しない範囲で多くの公知技術による代
替、付加、変更が可能であることは云う迄もない(例え
ばコンベア3のボール放出位置に別個のボール供給手段
4(例えば別のコンベア)を設けてこの手段4より跳上
げ板10上にボールを落下供給すること、硬軟球受け1
1、12を水平コンベアに代わって容器とすること
等)。また、本発明はバッティングセンターに於ける使
用済み硬軟球の選別を主眼とするも、新球の選別をする
こと、この他テニスの硬軟球を選別するためにも同じ原
理によって実施可能となろう。
【0017】
【発明の効果】以上述べた所から明らかなように、本発
明によれば硬軟球を跳上げ板上に両球を落下した場合の
跳上りの差によって選別するので、ボールの消耗が少な
いのはもちろん、跳上った両球を上下方向の位置で受け
止めるのではなく長手方向に沿って受け止めるため両球
のバウンド差が飛程差として顕別出来るので正確な選別
が可能となり、更に先行球の跳上りの後は次球の落下軌
跡外に出るので先後ボール間の噛み込みがなく保守が容
易であり、加えて全体構成に於ては従来装置に跳上げ板
と硬軟球受けとを付加するだけで済むので、構成簡単、
故障も少なく且つコストとなる利益をもたらすのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のバッティングセンターに於て用いられて
いる硬軟球選別装置の概略を示す側面図。
【図2】本発明の代表的実施例を示す側面図。
【図3】図2に於ける跳上げ板のみの拡大斜視図。
【符号の説明】
H 選別前の硬球 S 選別前の軟球 H1 選別後の硬球 S1 選別後の軟球 1 硬軟球選別装置 2 ボール溜めピット 3 コンベア 4 供給手段 5 選別コンベア 6 ベアリングロータ 7 押えローラ 8 軟球受け 9 枢動リンク 10 跳上げ板 101 硬質板部材 102 高弾性板部材 103 レール 104 コロ 11 硬球受け 12 軟球受け h 硬球の放物線軌跡 s 軟球の放物線軌跡

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬球(H)及び軟球(S)が混然として
    前後列状に供給されるボール供給手段(4)と、 この供給手段(4)のボール放出位置の下方に位置付け
    られた跳上げ板(10)と、 上記ボール供給手段(4)からこの跳上げ板(10)上
    に落下させた硬球(H1)及び軟球(S1)の飛程差に
    より硬球(H1)及び軟球(S1)を選別して個別に受
    容する硬球受け(11)及び軟球受け(12)と、 より成る硬軟球選別装置。
  2. 【請求項2】 跳上げ板(10)が上下二つの板部材を
    積層して成る請求項1記載の硬軟球選別装置。
  3. 【請求項3】 この上板部材(101)が、鉄板、硬質
    プラスチックスの如き薄い硬質板部材であり、下板部材
    (102)は厚い高弾性板部材である請求項2記載の硬
    軟球選別装置。
  4. 【請求項4】 跳上げ板(10)が、移動調整自在に及
    び又は傾動角度調整自在にされている請求項1ないし3
    にいずれかに記載の硬軟球選別装置。
  5. 【請求項5】 ボール供給手段(4)が、硬球(H1)
    及び軟球(S1)のボールを1個づつ分離して供給し、
    跳上げ板(10)上に落下させるコンベアである請求項
    1に記載の硬軟球選別装置。
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