JP3160476U - 熱転写用プリント済紙体 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで、かつ、プリンタを用いて容易かつ効率的に作成可能であるとともに、作業容易性も兼ね備えた熱転写用プリント済紙体を提供する。【解決手段】熱転写により布地にプリントするためのプリント済紙体であって、コンピュータを用いてデザインされたプリント図柄3が、特殊昇華型インクをインク成分とするプリンタにより、普通紙2の紙面上に反転印刷されている。プリンタとしては、インクジェットプリンタが考え得る。【選択図】図1
Description
本考案は、熱転写用プリント済紙体に関し、詳しくは、熱転写により布地にプリントするためのプリント済紙体に関するものである。
近年、Tシャツ等の布地に所定のデザインをプリントする場合には、布地専用プリンタを用いて、該デザインを染料によって直接布地にプリントアウトすることが行われている。かかる技術によれば、コンピュータ等でプリント図柄をデザインし、そのままプリンタで布地にプリントできることから、作業容易性の面で効果を奏するものである。しかしながら、該技術に使用する布地専用プリンタは非常に高価であり、それを業種として商売を行う場合を除き、一般的に普及するものではなく、実用性の乏しいものであった。
また、古くからのプリント技術として、熱溶融性を備える顔料や染料により、所定のデザインが反転された図柄をフィルム系用紙の紙面に載せ、該顔料や染料を固化したものが知られている。すなわち、顔料や染料が載せられた紙面を布地にあてがい、その反対面から熱を加えることで顔料や染料が布地に転写し、所定のデザインが布地にプリントされるものである。かかる技術によると、アイロン等さえあれば、誰でも簡単に布地へのプリントを行うことは可能である。しかしながら、フィルム系用紙の紙面に熱溶融性を備える顔料や染料を載せることについて、一般需要者にはほぼ不可能であり、したがって、需要者自身が自らデザインした図柄等を反映させることができるものではなく、決められた既存の完成されたデザインの中から好みのデザイン図柄を選択して、個々に前記転写作業を行うこととなるため、オリジナル性に欠如してしまう。
本考案は、上記問題点や技術背景に鑑みてなされたものであって、アイロン等の発熱媒体を使って、誰でも容易に且つ低コストで、オリジナル性のある図柄等を、熱転写により布地にプリントすることが可能な熱転写用プリント済紙体を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本考案は、熱転写により布地にプリントするための熱転写用プリント済紙体であって、コンピュータを用いてデザインされたプリント図柄が、特殊昇華型インクをインク成分とするプリンタにより、普通紙の紙面上に反転印刷されている構成となっている。
また、本考案は、前記熱転写用プリント済紙体において、前記プリンタが、インクジェットプリンタである構成を採用し得る。
さらに、本考案は、前記熱転写用プリント済紙体において、前記プリント図柄が、個人情報に関するデザインである構成とすることができる。
またさらに、本考案は、前記熱転写用プリント済紙体を使ってプリント図柄を転写することによりできる被服であって、プリント図柄として個人情報に関するデザインを採用することで、第三者が該プリント図柄を見て被服着用者の個人情報を掌握することが可能である個人情報表示被服である。
そしてまた、本考案は、前記熱転写用プリント済紙体を使ってプリント図柄を転写することによりできる被服であって、プリント図柄としてIDカード情報に関するデザインを採用することで、該プリント図柄を提示してIDカードの提示と同様の効果を奏することを特徴とするID被服である。
本考案にかかる熱転写用プリント済紙体によれば、自らデザインしたオリジナル性を備える図柄等を、インクジェットプリンタを用いて低コストで紙媒体に反転印刷し、その印刷済みの熱転写用プリント済紙体によって、アイロン等の発熱媒体を使って、熱転写により容易に布地に該デザインをプリントすることができる。したがって、衣服類へのプリントによるオリジナルTシャツ等や、のぼり・旗等を、簡単かつ低コストで作成することが可能になるという効果を奏する。
また、本考案にかかる熱転写用プリント済紙体によれば、コンピュータを用いてプリント図柄をデザインするものであるため、既存のポスターやパンフレット、写真等もスキャンすることでコンピュータに取り込んでプリント図柄とすることが可能であり、該プリント図柄を反転印刷して本考案にかかる熱転写用プリント済紙体とする態様により、これら写真等を素早く転写して布地にプリントすることができる。
なお、プリントする図柄を個人情報に関するデザインとすることで、例えば要介護者や老人、幼児、ペットその他の個人情報を予め被服にプリントしておくことで、認知症や徘徊症対策として、また、幼児やペットの迷子対策として、さらには、介護者・保護者その他自己を紹介するような場面において、個人の特定などが容易となり、しかも個人情報の情報量が多い場合であっても、プリント対象が布地の被服であるため、表示の大きさが邪魔になる心配がない。そしてまた、衣服自体にIDカードやゼッケンの機能を備えさせることも、簡単かつ低コストで可能であるといった、優れた効果を奏するものである。
以下、本考案にかかる熱転写用プリント済紙体の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1の実施形態を示す斜視図である。
本実施形態における熱転写用プリント済紙体1は、図面に示すように、コンピュータCを用いてデザインされた所定のプリント図柄3が、特殊昇華型インクをインク成分とするプリンタPによって、普通紙2の紙面上に反転印刷されている構成となっている。
なお、図1(a)は、プリント図柄3として個人情報に関するデザインを採用した場合、図1(b)は、該プリント図柄3としてオリジナル模様に関するデザインを採用した場合、について図示されている。
本実施形態における熱転写用プリント済紙体1は、図面に示すように、コンピュータCを用いてデザインされた所定のプリント図柄3が、特殊昇華型インクをインク成分とするプリンタPによって、普通紙2の紙面上に反転印刷されている構成となっている。
なお、図1(a)は、プリント図柄3として個人情報に関するデザインを採用した場合、図1(b)は、該プリント図柄3としてオリジナル模様に関するデザインを採用した場合、について図示されている。
本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1でプリントされるプリント図柄3は、図面に示したような個人情報やオリジナル模様等に限定されるものではなく、あらゆるデザインをプリント図柄3として採用することができる。すなわち、写真や絵、文字、図形など、コンピュータCでデザインされ、あるいは、コンピュータCに取り込み可能な種々のデザインが採用可能である。
なお、プリント図柄3として個人情報を採用した場合、例えば、要介護者や老人等の個人情報を予め衣服にプリントしておくことで、認知症や徘徊症対策として、また、幼児やペットの迷子対策として、さらには、介護者・保護者その他自己を紹介するような場面において、個人の特定が容易となり、しかも個人情報の情報量が多い場合であっても、プリント対象が布地の衣服であるため、表示の大きさが邪魔になる心配がない。
また、個人情報をプリントすることで学生等のゼッケン・ネームプレートとして機能をもたせることもでき、さらには、IDカードの代わりとして会社制服等に個人情報をプリントすることも可能となる。
また、個人情報をプリントすることで学生等のゼッケン・ネームプレートとして機能をもたせることもでき、さらには、IDカードの代わりとして会社制服等に個人情報をプリントすることも可能となる。
デザインされたプリント図柄3を普通紙2へ印刷する場合には、該プリント図柄3を反転させて印刷することとなる。これは言うまでもないが、プリント対象たる布地4に熱転写を行う際、普通紙2の裏側からプリント図柄3に熱を加えるため、該プリント図柄3が左右反転されて布地に転写されることとなるためである。
本考案に使用する特殊昇華型インクは、普通紙2に印刷可能なインクであって、かつ、普通紙2の裏側から印刷された部分を熱源により熱を加えることで、対象へと熱転写可能なインクである。したがって、該特殊昇華型インクを用いることで、誰でも容易にオリジナルデザインによる熱転写用プリント済紙体1を作成することができる。
コンピュータCでデザインされたプリント図柄3を普通紙2へ印刷するためのプリンタについて、印刷用インクとして前記特殊昇華型インクが用いられていれば、特に限定するものではなく、例えば、インクジェットプリンタが考え得る。このとき、通常の染料系や顔料系のインクの代わりに、特殊昇華型インクが充填されたインクカートリッジをプリンタPにセットすればよい。
また、本考案で使用される紙については、特に限定するものではなく、前記特殊昇華型インクが印刷され得るものであればよいが、特殊昇華型インクは普通紙2に印刷可能であるため、コスト面を考慮すると、普通紙2で足りる。
なお、プリント図柄3をプリント対象たる布地4に熱転写を行うための発熱媒体としては、特に限定するものではないが、誰でも簡単に転写作業ができるものとして、家庭用のアイロンI等が考え得る。
以上の通り構成される本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1について、ここで該熱転写用プリント済紙体1を作成するまでの過程について説明する。図2は、本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1の作成過程を示す説明図である。
すなわち、本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1の作成過程は、以下の工程を経て行われる。
(1)まず、コンピュータCに取り込んだ画像やコンピュータCで自ら作成したデザインを用いて、プリント図柄3を作成する。
(2)次に、該コンピュータCでデザインされたプリント図柄3を、特殊昇華型インクによりプリンタPを用いて普通紙2に印刷する。このとき、該プリント図柄3は、コンピュータC内での処理によって反転された状態で印刷される。
以上の簡単な二つの工程により、熱転写用プリント済紙体1は完成する。
(1)まず、コンピュータCに取り込んだ画像やコンピュータCで自ら作成したデザインを用いて、プリント図柄3を作成する。
(2)次に、該コンピュータCでデザインされたプリント図柄3を、特殊昇華型インクによりプリンタPを用いて普通紙2に印刷する。このとき、該プリント図柄3は、コンピュータC内での処理によって反転された状態で印刷される。
以上の簡単な二つの工程により、熱転写用プリント済紙体1は完成する。
次に、本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1を使用して、プリント図柄3を布地4に転写する作業手順について説明する。図3は、本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1の使用手順を示す説明図である。
すなわち、本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1の使用手順は、以下の工程を経て行われる。
(1)プリント対象たる布地4を用意し、プリントすべき場所を特定し、その場所へ完成した熱転写用プリント済紙体1におけるプリント図柄3の印刷面をあてがう。
(2)次いで、前記熱転写用プリント済紙体1におけるプリント図柄3の裏側から、アイロンI等の発熱媒体により熱を加える。このとき、転写不良や転写むらが発生しないよう、プリント図柄3全体に満遍なく熱を加える。なお、転写にかかる時間は、熱を加えて5秒〜15秒程度である。
(3)最後に、加熱を止め、使用済みとなった熱転写用プリント済紙体1を取り外す。
以上の簡単な三つの工程により、熱転写用プリント済紙体1を使った布地4へのプリント図柄3熱転写は終了する。
(1)プリント対象たる布地4を用意し、プリントすべき場所を特定し、その場所へ完成した熱転写用プリント済紙体1におけるプリント図柄3の印刷面をあてがう。
(2)次いで、前記熱転写用プリント済紙体1におけるプリント図柄3の裏側から、アイロンI等の発熱媒体により熱を加える。このとき、転写不良や転写むらが発生しないよう、プリント図柄3全体に満遍なく熱を加える。なお、転写にかかる時間は、熱を加えて5秒〜15秒程度である。
(3)最後に、加熱を止め、使用済みとなった熱転写用プリント済紙体1を取り外す。
以上の簡単な三つの工程により、熱転写用プリント済紙体1を使った布地4へのプリント図柄3熱転写は終了する。
ところで、上述した本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1を被服に対して使用する場合に、プリント図柄3として、個人情報に関するデザインを採用することで、個人情報表示被服とすることが考え得る。すなわち、要介護者や老人、幼児、ペット、介護者、保護者等といった被服着用者の個人情報をプリント図柄3として被服に転写しておくことで、そのプリント図柄3を見た第三者が、被服着用者の個人情報を掌握することが可能となるため、要介護者や老人等の認知症や徘徊症の人が着用する被服として、また、幼児やペットの迷子対策用被服として、さらには、介護者や保護者その他自己を紹介するような場面における自己紹介被服として、個人の特定が容易であって、その用途は無数に考え得る。
同様に、上述した本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1を被服に対して使用する場合に、プリント図柄3として、IDカード情報に関するデザインを採用することで、ID被服とすることが考え得る。すなわち、被服着用者のIDカード情報をプリント図柄3として被服に転写しておくことで、IDカードの提示が必要な場面において、被服のプリント図柄3を提示することで、IDカードの提示と同様の効果を奏することとなる。これにより、通常IDカードは、カードケースに入った状態で首からぶら下げて携行するケースが多いが、それが必要なくなり、紛失の心配もない。
本考案は、布地4へ転写可能なプリント図柄3を、コンピュータCを使ってデザインし、プリンタPで普通紙2へ特殊昇華型インクにより印刷することで、誰でも簡単に且つ低コストで、熱転写用プリント済紙体1を作成することが可能である。そしてまた、その熱転写用プリント済紙体1を使って、誰でも簡単に布地4である被服やのぼり・旗などに自在にオリジナルデザインをプリントすることができる。このことは、オリジナルデザインを施した被服を作成できるのみならず、要介護者や老人、幼児、ペット、介護者、保護者等の個人情報を予め被服にプリントしておくことで、認知症や徘徊症対策として、また、幼児やペットの迷子対策として、さらには、介護者や保護者その他自己を紹介するような場面において、個人の特定が容易となり、そしてまた、学生等のゼッケン・ネームプレートとして機能をもたせたり、IDカードの代わりとして会社制服等に個人情報をプリントすることも可能であって、その利用価値は非常に高いものである。
さらにまた、例えば、あるキャンペーン等における応募絵画等をポスターにする場合には、通常、紙媒体としてのポスター掲示がほとんどであったが、本考案にかかる熱転写用プリント済紙体1を使って、該応募絵画等を簡単にTシャツやポロシャツへプリントすることにより、動く無償の広告塔として、さらなる有効活用が図られることとなり、本考案の利用価値は高く、かつ、産業上の利用可能性は非常に大きいといえる。
1 熱転写用プリント済紙体
2 普通紙
3 プリント図柄
4 布地
C コンピュータ
I アイロン(発熱媒体)
P プリンタ
2 普通紙
3 プリント図柄
4 布地
C コンピュータ
I アイロン(発熱媒体)
P プリンタ
Claims (5)
- 熱転写により布地にプリントするためのプリント済紙体であって、
コンピュータを用いてデザインされたプリント図柄が、特殊昇華型インクをインク成分とするプリンタにより、普通紙の紙面上に反転印刷されていることを特徴とする熱転写用プリント済紙体。 - 前記熱転写用プリント済紙体において、前記プリンタが、インクジェットプリンタであることを特徴とする請求項1に記載の熱転写用プリント済紙体。
- 前記熱転写用プリント済紙体において、前記プリント図柄が、個人情報に関するデザインであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写用プリント済紙体。
- 前記熱転写用プリント済紙体を使ってプリント図柄を転写することによりできる被服であって、
プリント図柄として個人情報に関するデザインを採用することで、第三者が該プリント図柄を見て被服着用者の個人情報を掌握することが可能であることを特徴とする個人情報表示被服。 - 前記熱転写用プリント済紙体を使ってプリント図柄を転写することによりできる被服であって、
プリント図柄としてIDカード情報に関するデザインを採用することで、該プリント図柄を提示してIDカードの提示と同様の効果を奏することを特徴とするID被服。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009007389U JP3160476U (ja) | 2009-10-19 | 2009-10-19 | 熱転写用プリント済紙体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009007389U JP3160476U (ja) | 2009-10-19 | 2009-10-19 | 熱転写用プリント済紙体 |
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2009
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