JP3160407U - 排水トラップ改修用部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間且つ容易に既設の排水トラップの排水機能および封水機能を回復できるとともに、長期間にわたる使用が可能な排水トラップ改修用部品を提供する。【解決手段】本排水トラップ改修用部品20は、既設の排水トラップの立上りに挿入される挿入パイプ部20aと、該挿入パイプ部の上端である開口端から所定長さだけ下がった位置における前記挿入パイプ部の外周から外側へ放射状に延在した後、前記開口端より高い位置まで延在することにより椀状に形成された封水部20bとを具える。【選択図】図2
Description
本考案は、既設の排水トラップの改修に用いられる排水トラップ改修用部品に関するものである。
一般に、浴室や洗い場などには排水設備として、下水道の悪臭および害虫などが室内へ侵入するのを防ぐための排水トラップが設けられている。例えば、排水トラップは、図1(a)にその断面図を示すように、トラップ本体1と封水わん2とからなり、コンクリートスラブ11に埋め込まれている。
トラップ本体1は、円筒状の胴部1aと、この胴部1aの内側に形成された円筒状の立上り1bと、胴部1aの下端と立上り1bの下端とを接続する底部1cと、この底部1cの外周から延び排水パイプ3を連結するための連結部1dと、防水層12を支持するために胴部1aの外周から延在するフランジ状のつば部1eと、を具えている。また、図1(b)にトラップ本体1の平面図を示すように、底部1cには、4個の凸部1fが設けられ、凸部1f間が通水用の凹部となっている。なお、この種のトラップ本体を用いる場合、3個以上の凹部が設けられていることが一般的である。
立上り1bの上端である開口を覆うように、下向きに開口する封水わん2が取り付けられている。封水わん2の開口部は、凸部1f上に水平に設置されている。
トラップ本体1の胴部1aと立上り1bと底部1cとによって形成される領域に水が滞留すると、この滞留した水とトラップ本体1と封水わん2とによって、室内と排水パイプ3とが遮断される。なお、図示は省略しているが、通常、図中Aで示す上面位置に排水トラップを覆うように目皿が設けられる。
トラップ本体1は、円筒状の胴部1aと、この胴部1aの内側に形成された円筒状の立上り1bと、胴部1aの下端と立上り1bの下端とを接続する底部1cと、この底部1cの外周から延び排水パイプ3を連結するための連結部1dと、防水層12を支持するために胴部1aの外周から延在するフランジ状のつば部1eと、を具えている。また、図1(b)にトラップ本体1の平面図を示すように、底部1cには、4個の凸部1fが設けられ、凸部1f間が通水用の凹部となっている。なお、この種のトラップ本体を用いる場合、3個以上の凹部が設けられていることが一般的である。
立上り1bの上端である開口を覆うように、下向きに開口する封水わん2が取り付けられている。封水わん2の開口部は、凸部1f上に水平に設置されている。
トラップ本体1の胴部1aと立上り1bと底部1cとによって形成される領域に水が滞留すると、この滞留した水とトラップ本体1と封水わん2とによって、室内と排水パイプ3とが遮断される。なお、図示は省略しているが、通常、図中Aで示す上面位置に排水トラップを覆うように目皿が設けられる。
ところで、以前に施工された排水トラップは、鋳物などの金属で作られている場合がある。このような金属製の排水トラップは、施工後15〜20年が経過すると、金属部分の発錆等により腐食して、排水機能および封水機能を果たすことができなくなる。そのために、例えば、下水道の悪臭および害虫などが室内へ侵入するといった問題が生じていた。特に、立上り1bおよび封水わん2の内面が腐食することが多く、封水わん2は容易に交換することができるが、立上り1bの改修方法として、従来様々な方法が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、既設の排水トラップ本体の底部からコンクリートスラブを貫通するまで穿孔し、この穿孔に新たなパイプを挿入し、この穿孔とパイプの間の隙間に防水材を充填し、挿入したパイプと既設の排水トラップ本体の一部とを封水部として利用する方法が開示されている。
また、特許文献2には、排水トラップの立上りが発錆等により欠損していた場合、立上りの錆を除去した後、欠損部に接着剤を塗着して、欠損凹部を埋めるとともに、接着剤によって立上りを初期高さに復元する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、既設の排水トラップの一部を利用するため、既設の排水トラップの全部を撤去して、新しい排水トラップを設置する場合に比べて施工方法が簡便になり、作業時間が短くなるという利点はあるものの、穿孔作業を要するため、穿孔機による騒音が大きく、多量のゴミ等が発生し、作業完了まで数日間を要するという問題がある。
一方、特許文献2に記載の方法では、穿孔作業を必要としないため応急処置としては有効ではあるが、復元した立上りが破損しやすく、復元作業後に長期間にわたって使用することはできないという問題が懸念される。
一方、特許文献2に記載の方法では、穿孔作業を必要としないため応急処置としては有効ではあるが、復元した立上りが破損しやすく、復元作業後に長期間にわたって使用することはできないという問題が懸念される。
そこで、本考案の目的は、穿孔作業を必要とせず、短時間且つ容易に既設の排水トラップの排水機能および封水機能を回復できるとともに、長期間にわたる使用が可能な排水トラップ改修用部品を提供することにある。
本考案の排水トラップ改修用部品は、既設の排水トラップの立上りに挿入される挿入パイプ部と、前記挿入パイプ部の上端である開口端から所定長さだけ下がった位置における前記挿入パイプ部の外周から外側へ放射状に延在した後、前記開口端より高い位置まで延在することにより椀状に形成された封水部と、を具えることを特徴とする。
本考案の排水トラップ改修用部品は、前記封水部の、前記開口端より高い位置まで延在した排水流入側の縁部から外側へ放射状に延在したフランジ部が形成されていることが好適である。
本考案の排水トラップ改修用部品は、前記挿入パイプ部が、既設の排水トラップの底部に連結された排水パイプに達する長さを有することが好適である。
本考案により、短時間且つ容易に既設の排水トラップの排水機能および封水機能を回復できるとともに、長期間にわたる使用が可能な排水トラップ改修用部品を提供することができる。
以下、図面を参照して本考案を詳細に説明する。
図2(a)は本考案の第1実施例に係る排水トラップ改修用部品の断面図であり、図2(b)は本考案の第1実施例に係る排水トラップ改修用部品の平面図である。
排水トラップ改修用部品20は、既設の排水トラップの立上りに挿入される円筒状の挿入パイプ部20aと、封水部20bと、フランジ部20cと、を具えている。
封水部20bは、挿入パイプ部20aの上端である開口端20aEから所定長さd1だけ下がった位置20aPの外周から外側へ放射状に延在した後、開口端20aEより所定長さd2だけ高い位置まで延在することにより椀状に形成されている。以下に詳述するが、挿入パイプ部20aの開口端20aEと位置20aPの間の外周面と封水部20bとの間に水が溜まることにより、本考案の封水機能を達成することができる。それゆえ、d1が短すぎると十分な量の水を溜めることができないため、d1は10mm以上とすることが好ましく、さらに50mm以上とすることがより好ましい。なお、d1およびd2は既設の排水トラップの大きさおよび使用する封水わんの形状および大きさに合わせて決定すればよい。
フランジ部20cは、封水部20bの排水流入側の縁部から外側へ放射状に延在している。なお、本考案において、フランジ部20cは必須ではないが、排水トラップ改修用部品20と床面との接着性を高めるためや、流入を確実にして排水効率を高めるためなどの点から、フランジ部20cを設けることが好ましい。図2(b)に示すフランジ部20cは円形であるが、四角形やその他の形状とすることもできる。
図2(a)は本考案の第1実施例に係る排水トラップ改修用部品の断面図であり、図2(b)は本考案の第1実施例に係る排水トラップ改修用部品の平面図である。
排水トラップ改修用部品20は、既設の排水トラップの立上りに挿入される円筒状の挿入パイプ部20aと、封水部20bと、フランジ部20cと、を具えている。
封水部20bは、挿入パイプ部20aの上端である開口端20aEから所定長さd1だけ下がった位置20aPの外周から外側へ放射状に延在した後、開口端20aEより所定長さd2だけ高い位置まで延在することにより椀状に形成されている。以下に詳述するが、挿入パイプ部20aの開口端20aEと位置20aPの間の外周面と封水部20bとの間に水が溜まることにより、本考案の封水機能を達成することができる。それゆえ、d1が短すぎると十分な量の水を溜めることができないため、d1は10mm以上とすることが好ましく、さらに50mm以上とすることがより好ましい。なお、d1およびd2は既設の排水トラップの大きさおよび使用する封水わんの形状および大きさに合わせて決定すればよい。
フランジ部20cは、封水部20bの排水流入側の縁部から外側へ放射状に延在している。なお、本考案において、フランジ部20cは必須ではないが、排水トラップ改修用部品20と床面との接着性を高めるためや、流入を確実にして排水効率を高めるためなどの点から、フランジ部20cを設けることが好ましい。図2(b)に示すフランジ部20cは円形であるが、四角形やその他の形状とすることもできる。
本考案の排水トラップ改修用部品20は、金属、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等から選択される1種類以上の材料から製造される。金属としては、例えば、鋳鉄、黄銅、ステンレス等が使用されるが、耐食性の観点からはステンレスが好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂であり、熱硬化性樹脂としては、例えば繊維強化不飽和ポリエステル樹脂(FRP)であり、ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂(GFRP)を代表例としてあげることができる。
また、排水トラップ改修用部品20は、パイプ部20aと封水部20bとフランジ部20cとを同一材料で一体成形することもできるし、別体で成形することもできる。例えば、パイプ部20aを塩化ビニル樹脂で作製し、この挿入パイプ部20aの外側に、ハンドレイアップ法等でFRPを接着積層成形することにより封水部20bとフランジ部20cとを作製することもできる。
接着積層成形の際、プライマーを使用するとFRPと塩化ビニル樹脂との間でより強力な接着力が得られるので好ましい。プライマーとしてはウレタン系のプライマーを用いることができる。
また、挿入パイプ部20aの長さd1およびd3をやや長めに作っておくことにより、仕様にあわせて作業現場で挿入パイプ部20aを適切な長さに切断することができるので好ましい。
また、排水トラップ改修用部品20は、パイプ部20aと封水部20bとフランジ部20cとを同一材料で一体成形することもできるし、別体で成形することもできる。例えば、パイプ部20aを塩化ビニル樹脂で作製し、この挿入パイプ部20aの外側に、ハンドレイアップ法等でFRPを接着積層成形することにより封水部20bとフランジ部20cとを作製することもできる。
接着積層成形の際、プライマーを使用するとFRPと塩化ビニル樹脂との間でより強力な接着力が得られるので好ましい。プライマーとしてはウレタン系のプライマーを用いることができる。
また、挿入パイプ部20aの長さd1およびd3をやや長めに作っておくことにより、仕様にあわせて作業現場で挿入パイプ部20aを適切な長さに切断することができるので好ましい。
挿入パイプ部20aを塩化ビニル樹脂で作製し、封水部20bをFRPで作製する場合は、例えば、図3(a)に示すように、挿入パイプ部20aの外周のある位置20aPにおいて封水部20bを接着してもよいし、図3(b)に示すように、挿入パイプ部20aの外周上に挿入パイプ部20aの下端に向かってFRPを接着して封水部20bを作製してもよい。この場合、下方に向かい接着層に若干テーパーが付くが、このテーパーは小さいほうが好ましい。すなわち、接着層根元20bPの厚みdsが0.5mm〜3.0mmとするのがよい。dsが0.5mmより小さいと接着層の強度が十分ではないおそれがあり、またdsが3.0mmを超えると、排水トラップ改修用部品20を既設の排水トラップに装着した際の安定性が損なわれるおそれがあるためである。
また、挿入パイプ部20aにテーパーを設けたくない場合は、図3(c)に示すように、挿入パイプ部20aの外周に段差を設け、この段差を埋める形でFRPを接着して封水部20bを作製してもよいし、図3(d)に示すように、挿入パイプ部20aの下端までを覆うようにFRPを接着して封水部20bを作製してもよい。
また、挿入パイプ部20aにテーパーを設けたくない場合は、図3(c)に示すように、挿入パイプ部20aの外周に段差を設け、この段差を埋める形でFRPを接着して封水部20bを作製してもよいし、図3(d)に示すように、挿入パイプ部20aの下端までを覆うようにFRPを接着して封水部20bを作製してもよい。
図4は本考案の第1実施例に係る排水トラップ改修用部品が既設の排水トラップ本体内に挿入されている図である。
円筒状の挿入パイプ部20aは、既設の排水トラップの立上り1bの内部に挿入される。挿入パイプ部20aは、排水パイプ3にまで達する長さd3を有することが好ましい。なぜなら、仮に、挿入パイプ部20aの長さd3が短く、挿入パイプ部20aが立上り1bの中間くらいまでしか達しない場合には、この部分の立上り1bは発錆等によって強度が低下しているので、挿入パイプ部20aを安定して保持することができないおそれがあるためである。なお、長さd3は、既設の排水トラップの大きさ等によって決定され、既設の排水パイプ3への挿入距離Dは、少なくとも10mm程度確保されることが好ましい。
挿入パイプ部20aの外径は、立上り1bの内径より0.5mm〜8mmほど小さいことが好ましく、0.5mm〜6mmほど小さいことがさらに好ましい。なぜなら、挿入パイプ部20aの外径と立上り1bの内径との差が0.5mm未満の場合、挿入パイプ部20aを立上り1bの内部に挿入することが困難となるおそれがあるからである。一方、この差が8mm超の場合、挿入パイプ部20aと立上り1bとの間隙に注入するシーリング剤4bが十分でないと、排水トラップ改修用部品20を固定することができないとともに、シール効果が低下するおそれがあるためである。
なお、挿入パイプ部20aの外径とは、図3(b)の構成の場合、接着層根元20bPにおける外径を意味する。
封水部20bの底部外側は既設の排水トラップの立上り1bの上端1bEに接触しているため、この上端1bEによって排水トラップ改修用部品20が支持されている。封水部20bの外径は、既設の排水トラップの胴部1aの内径より小さい。
フランジ部20cは接着剤5を介して床面13の上に固定されている。このフランジ部20cと床面13および上述の上端1bEとによって、排水トラップ改修用部品20が支持されている。
円筒状の挿入パイプ部20aは、既設の排水トラップの立上り1bの内部に挿入される。挿入パイプ部20aは、排水パイプ3にまで達する長さd3を有することが好ましい。なぜなら、仮に、挿入パイプ部20aの長さd3が短く、挿入パイプ部20aが立上り1bの中間くらいまでしか達しない場合には、この部分の立上り1bは発錆等によって強度が低下しているので、挿入パイプ部20aを安定して保持することができないおそれがあるためである。なお、長さd3は、既設の排水トラップの大きさ等によって決定され、既設の排水パイプ3への挿入距離Dは、少なくとも10mm程度確保されることが好ましい。
挿入パイプ部20aの外径は、立上り1bの内径より0.5mm〜8mmほど小さいことが好ましく、0.5mm〜6mmほど小さいことがさらに好ましい。なぜなら、挿入パイプ部20aの外径と立上り1bの内径との差が0.5mm未満の場合、挿入パイプ部20aを立上り1bの内部に挿入することが困難となるおそれがあるからである。一方、この差が8mm超の場合、挿入パイプ部20aと立上り1bとの間隙に注入するシーリング剤4bが十分でないと、排水トラップ改修用部品20を固定することができないとともに、シール効果が低下するおそれがあるためである。
なお、挿入パイプ部20aの外径とは、図3(b)の構成の場合、接着層根元20bPにおける外径を意味する。
封水部20bの底部外側は既設の排水トラップの立上り1bの上端1bEに接触しているため、この上端1bEによって排水トラップ改修用部品20が支持されている。封水部20bの外径は、既設の排水トラップの胴部1aの内径より小さい。
フランジ部20cは接着剤5を介して床面13の上に固定されている。このフランジ部20cと床面13および上述の上端1bEとによって、排水トラップ改修用部品20が支持されている。
次に、本考案の第1実施例に係る排水トラップ改修用部品を既設の排水トラップ本体内に挿入する手順について図4および図5を用いて説明する。
図1に示す排水トラップから封水わん2を取り外した後、立上り1bの内部の錆等を取り除く。
次に、好ましくは、胴部1aと立上り1bと底部1cとに囲まれた空間、すなわち、既設の排水トラップ本体1の封水部にシーリング剤4a(あるいはモルタル)を注入する。この空間はシーリング剤4a等を注入せず空洞のままでもよいが、シーリング剤4a等を注入した方が排水トラップ改修用部品20が固定され、さらに衛生上の観点からも好ましい。
次に、排水トラップ改修用部品20を、既設の排水トラップ本体1の立上り1bの内部に挿入する。ここで、立上り1bの内周面および/または挿入パイプ部20aの外周面にシーリング剤4bを塗布しておくことが好ましい。シーリング剤としては、市販のシリコーン系のものおよびウレタン系のもの等、防水用のものを使用することができる。
なお、床面13に存在するタイルの目地等はパテやモルタル等で処理し、平らにならしておくことが好ましい。フランジ部20cと床面13との間に接着剤5を塗布し、フランジ部20cを床面13に固定する。封水部20bが長すぎて、フランジ部20cと床面13との間に間隙が生ずることがあるが、このような場合は、床面13の上にモルタル層等を設けて調整すればよい。また、本考案の排水トラップ改修用部品を製造する際、その高さ等の寸法を、既設の排水トラップに合わせて製造することにより、上述した間隙を調整する作業を回避することも可能であり、できればこの方法が好ましい。
次に、図5に示すように、必要に応じて、フランジ部20cの端の部分にシーリング剤4cを塗布し、モルタル6a等で段差を調整した後、通常の方法でFRP塗膜防水7等を施す。
そして、挿入パイプ部20aの開口を覆うように、新たな封水わん21を被せ、封水部20bに水を溜めると、本来の排水トラップが有していた封水機能および排水機能を回復して、下水道の悪臭および害虫などが室内へ侵入するのを防ぐことができる。
図1に示す排水トラップから封水わん2を取り外した後、立上り1bの内部の錆等を取り除く。
次に、好ましくは、胴部1aと立上り1bと底部1cとに囲まれた空間、すなわち、既設の排水トラップ本体1の封水部にシーリング剤4a(あるいはモルタル)を注入する。この空間はシーリング剤4a等を注入せず空洞のままでもよいが、シーリング剤4a等を注入した方が排水トラップ改修用部品20が固定され、さらに衛生上の観点からも好ましい。
次に、排水トラップ改修用部品20を、既設の排水トラップ本体1の立上り1bの内部に挿入する。ここで、立上り1bの内周面および/または挿入パイプ部20aの外周面にシーリング剤4bを塗布しておくことが好ましい。シーリング剤としては、市販のシリコーン系のものおよびウレタン系のもの等、防水用のものを使用することができる。
なお、床面13に存在するタイルの目地等はパテやモルタル等で処理し、平らにならしておくことが好ましい。フランジ部20cと床面13との間に接着剤5を塗布し、フランジ部20cを床面13に固定する。封水部20bが長すぎて、フランジ部20cと床面13との間に間隙が生ずることがあるが、このような場合は、床面13の上にモルタル層等を設けて調整すればよい。また、本考案の排水トラップ改修用部品を製造する際、その高さ等の寸法を、既設の排水トラップに合わせて製造することにより、上述した間隙を調整する作業を回避することも可能であり、できればこの方法が好ましい。
次に、図5に示すように、必要に応じて、フランジ部20cの端の部分にシーリング剤4cを塗布し、モルタル6a等で段差を調整した後、通常の方法でFRP塗膜防水7等を施す。
そして、挿入パイプ部20aの開口を覆うように、新たな封水わん21を被せ、封水部20bに水を溜めると、本来の排水トラップが有していた封水機能および排水機能を回復して、下水道の悪臭および害虫などが室内へ侵入するのを防ぐことができる。
以上のように、既設の排水トラップ本体1が、発錆等によって排水機能および封水機能を果たさなくなった場合、本考案の排水トラップ改修用部品20を用いることにより、穿孔作業を必要とせず、短時間且つ容易に既設の排水トラップの排水機能および封水機能を回復させることができる。
図6を用いて、図5に示す封水わん21をさらに説明する。図6(a)は、封水わんの底面図、図6(b)は封水わんの正面図を示す。封水わん21は、その開口縁に、封水わん21の外周側から内側に水を通過させるための水路21aを4箇所設けている。水路21aの間の筒状部21bが、封水部20bに接触し、封水わん21を支持している。
図7は封水わんのその他の例を示す。図7(a)は封水わんの底面図であり、図7(b)は、図7(a)における封水わんのX−X断面図、図7(c)は、図7(a)における封水わんのY−Y断面図である。
封水わん22は、上部の内周に4個の凸部22aを有している。この凸部22aが挿入パイプ部20aの開口端20aE上に乗り、封水わん22を支持する。言うまでもないが、封水わん22の開口縁は封水部20bに接触していない構造である。すなわち、わんの周囲を構成する筒状部22bの長さd4が封水部20bに接触しない長さに設定されている。
封水わん22は、上部の内周に4個の凸部22aを有している。この凸部22aが挿入パイプ部20aの開口端20aE上に乗り、封水わん22を支持する。言うまでもないが、封水わん22の開口縁は封水部20bに接触していない構造である。すなわち、わんの周囲を構成する筒状部22bの長さd4が封水部20bに接触しない長さに設定されている。
図8は、本考案の第2実施例に係る排水トラップ改修用部品に、その他の例の封水わんを設置している図である。
封水わん23は、わん部とその上部の目皿部23bとが一体に構成されている。目皿部23bには、複数の流水用孔23cが設けてある。
また、本考案の第2実施例に係る排水トラップ改修用部品50は、そのフランジ部50cに段差部50dが設けてあり、この段差部50dが目皿部23bと接触して、封水わん23を支持している。
封水わん23は、わん部とその上部の目皿部23bとが一体に構成されている。目皿部23bには、複数の流水用孔23cが設けてある。
また、本考案の第2実施例に係る排水トラップ改修用部品50は、そのフランジ部50cに段差部50dが設けてあり、この段差部50dが目皿部23bと接触して、封水わん23を支持している。
また、図9に示すように、立上り1bの上端1bEが腐食等によって凹部を有する場合、パテ24等でこの凹部を埋めて、その上端1bEの凹凸をならして水平にした後、本考案の排水トラップ改修用部品20の挿入パイプ部20aを立上り1bの内部に挿入することが好ましい。あるいは、凸部を研磨して立上り1bの上端を水平にしてもよい。
立上り1bの上端1bEが凹凸を有したままの状態で、本考案の排水トラップ改修用部品20を挿入すると、この凹凸部分は封水部20bの底部外側に接触して、排水トラップ改修用部品20を支持することとなる。すると、排水トラップ改修用部品20が不安定となるため、立上り1bの上端1bEの凹凸をならすことが好ましい。
立上り1bの上端1bEが凹凸を有したままの状態で、本考案の排水トラップ改修用部品20を挿入すると、この凹凸部分は封水部20bの底部外側に接触して、排水トラップ改修用部品20を支持することとなる。すると、排水トラップ改修用部品20が不安定となるため、立上り1bの上端1bEの凹凸をならすことが好ましい。
図10は本考案の第3実施例に係る排水トラップ改修用部品が既設の排水トラップ本体内に挿入されている図である。
本考案の第3実施例に係る排水トラップ改修用部品30のフランジ部30cは、勾配1/100〜1/20で、排水側に向かって傾斜していることが好ましい。なぜなら、フランジ部30cが床面に対して傾斜していると、排水溝に向かって勾配(テーパー)がつけられることとなり、水が流れやすいためである。
また、フランジ部30cと従来の床面13との間の間隙は、モルタル6b等によって埋め、上述したのと同様の方法でFRP塗膜防水7を施す。
本考案の第3実施例に係る排水トラップ改修用部品30のフランジ部30cは、勾配1/100〜1/20で、排水側に向かって傾斜していることが好ましい。なぜなら、フランジ部30cが床面に対して傾斜していると、排水溝に向かって勾配(テーパー)がつけられることとなり、水が流れやすいためである。
また、フランジ部30cと従来の床面13との間の間隙は、モルタル6b等によって埋め、上述したのと同様の方法でFRP塗膜防水7を施す。
図11は本考案の第4実施例に係る排水トラップ改修用部品が既設の排水トラップ本体内に挿入されている図である。
本考案の第4実施例に係る排水トラップ改修用部品40は、フランジ部を有していない。ここで、封水部40bと既設の排水トラップ本体1の外縁部1cとの間隙にはシーリング剤4aを設けることが好ましい。また、必要に応じて、モルタル等で段差を調整した後、通常の方法で、封水部40bの排水流入開口縁を覆うようにFRP塗膜防水7等が施されている。
そして、図示を省略するが、挿入パイプ部40aの開口を覆うように、新たな封水わんを被せ、封水部40bに水を溜めると、本来の排水トラップが有していた封水機能および排水機能を回復して、下水道の悪臭および害虫などが室内へ侵入するのを防ぐことができる。
本考案の第4実施例に係る排水トラップ改修用部品40は、フランジ部を有していない。ここで、封水部40bと既設の排水トラップ本体1の外縁部1cとの間隙にはシーリング剤4aを設けることが好ましい。また、必要に応じて、モルタル等で段差を調整した後、通常の方法で、封水部40bの排水流入開口縁を覆うようにFRP塗膜防水7等が施されている。
そして、図示を省略するが、挿入パイプ部40aの開口を覆うように、新たな封水わんを被せ、封水部40bに水を溜めると、本来の排水トラップが有していた封水機能および排水機能を回復して、下水道の悪臭および害虫などが室内へ侵入するのを防ぐことができる。
1 トラップ本体
1a 胴部
1b 立上り
1c 底部
1d 連結部
1e つば部
1f 凸部
2 封水わん
3 排水パイプ
4a シーリング剤
4b シーリング剤
4c シーリング剤
5 接着剤
6a モルタル
6b モルタル
7 FRP塗膜防水層
11 コンクリートスラブ
12 防水層
13 床面
20 排水トラップ改修用部品
20a 挿入パイプ部
20b 封水部
20c フランジ部
21 封水わん
21b 筒状部
22 封水わん
22a 凸部
22b 筒状部
23 封水わん
23b 目皿部
23c 流水用孔
24 パテ
30 排水トラップ改修用部品
30c フランジ部
40 排水トラップ改修用部品
40a 挿入パイプ部
40b 封水部
50 排水トラップ改修用部品
50c フランジ部
50d 段差部
1a 胴部
1b 立上り
1c 底部
1d 連結部
1e つば部
1f 凸部
2 封水わん
3 排水パイプ
4a シーリング剤
4b シーリング剤
4c シーリング剤
5 接着剤
6a モルタル
6b モルタル
7 FRP塗膜防水層
11 コンクリートスラブ
12 防水層
13 床面
20 排水トラップ改修用部品
20a 挿入パイプ部
20b 封水部
20c フランジ部
21 封水わん
21b 筒状部
22 封水わん
22a 凸部
22b 筒状部
23 封水わん
23b 目皿部
23c 流水用孔
24 パテ
30 排水トラップ改修用部品
30c フランジ部
40 排水トラップ改修用部品
40a 挿入パイプ部
40b 封水部
50 排水トラップ改修用部品
50c フランジ部
50d 段差部
Claims (3)
- 既設の排水トラップの立上りに挿入される挿入パイプ部と、
前記挿入パイプ部の上端である開口端から所定長さだけ下がった位置における前記挿入パイプ部の外周から外側へ放射状に延在した後、前記開口端より高い位置まで延在することにより椀状に形成された封水部と、
を具えることを特徴とする排水トラップ改修用部品。 - 前記封水部の、前記開口端より高い位置まで延在した排水流入側の縁部から外側へ放射状に延在したフランジ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の排水トラップ改修用部品。
- 前記挿入パイプ部は、既設の排水トラップの底部に連結された排水パイプに達する長さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の排水トラップ改修用部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010002431U JP3160407U (ja) | 2010-04-12 | 2010-04-12 | 排水トラップ改修用部品 |
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JP2010002431U JP3160407U (ja) | 2010-04-12 | 2010-04-12 | 排水トラップ改修用部品 |
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Family Applications (1)
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JP2010002431U Expired - Fee Related JP3160407U (ja) | 2010-04-12 | 2010-04-12 | 排水トラップ改修用部品 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3160407U (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012117237A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-21 | Nihon Setsubi Kogyo Co Ltd | 排水トラップの補修方法と補修部材 |
JP2013032618A (ja) * | 2011-07-30 | 2013-02-14 | Maruichi Corp | 破損した排水トラップの再生方法 |
JP2015021319A (ja) * | 2013-07-22 | 2015-02-02 | 一郎 南雲 | 床排水トラップの再生工法 |
JP2022000561A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 株式会社小島製作所 | インナートラップ、及び既設排水トラップの補修方法 |
-
2010
- 2010-04-12 JP JP2010002431U patent/JP3160407U/ja not_active Expired - Fee Related
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JP7435977B2 (ja) | 2020-06-19 | 2024-02-21 | 株式会社小島製作所 | インナートラップ、及び既設排水トラップの補修方法 |
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