JP3160248B2 - デュアル原子価の希土類添加物を含む研摩用スラリー - Google Patents

デュアル原子価の希土類添加物を含む研摩用スラリー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理表面を研摩
するのに特に適したスラリーの構成成分に関する。本発
明は特に超小型電子技術に適用されうることが判った。
しかしながらスラリーの構成成分は又、例えばガラス等
の他の基板に対して使用されることができる。本発明の
スラリーは従来のものに比べて優れた研摩特性を示す。
【0002】
【従来の技術】超小型電子技術の分野では、代表的には
引っ掻き傷(スクラッチ)のない被処理表面が、これを
平坦化するために、又は望ましくない材料を除去するた
めに研摩される。例を挙げると、例えばアルミニウム、
銅及びタングステンのような金属が平坦化される。これ
らの表面は研摩用の研摩剤が引っ掻き傷を生じないよう
に酸化される。更に、代表的には、アルミニウム、銅若
しくはタングステンの下側に高融点金属(refractory m
etal)の裏当てが取り付けられて、下側の絶縁体に対す
る良好な接着を与えそして更に下のレベルの金属体に対
する良好なコンタクト抵抗を与える。裏当てとしてニオ
ブ、タンタル及びチタンが単独で使用され、若しくはこ
れらの窒化物と組み合わされて使用され、又は他の高融
点金属が使用される。製造工程の後半(BEOL)で使
用される2重のダマシーン(象眼、Damascene)プロセス
では、金属の線幅及びこれらを互いに分離するSiO2
の幅は非常に狭い。もしも研摩プロセスがSiO2の線
を浸食すると、これと共に金属線も浸食されてこれらの
抵抗が増大する。従って、裏打ち(ライナー)が研摩停
止部材として働く研摩スラリーを提供することが望まし
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】金属線の幅とSiO2
スペースの幅とが同じであるとすると、アルミニウム合
金は絶縁体にエッチングされたトレンチを充填するの
で、これらの上の連続的なアルミニウム層は、パターン
が形成されていないフィールドの部分の上よりもトレン
チの深さの半分だけ薄くなる。トレンチの深さの半分で
ある。フィールドの部分からアルミニウム合金を除去す
る際に、パターンが形成された領域(パターン化された
領域)はこれの上の連続的なアルミニウム・フィルムが
除去された後も長い間研摩されてしまう。薄いSiO2
の線上に強固な研摩停止部材が存在しない限り、パター
ン化された領域は著しく浸食され、これにより抵抗値は
過度に高くなる。
【0004】超小型電子技術の分野においては他の問題
が生じ、ここで、製造工程の後半(BEOL)で使用さ
れる導電体の例は、銅の百分率が0.5重量%のオーダ
であるアルミニウム銅合金である。ライナーの下側はチ
タンであり、そしてこれは350゜Cを越える温度に曝
されるとTiAl3を形成する。この金属構成は過去に
おいて、金属がパターン化されそして絶縁物が研摩され
る反応性イオン・エッチング・プロセスで使用された。
絶縁物がパターン化されそしてアルミニウム合金がリフ
ロー・プロセスによりパターンを充填する新たなダマシ
ーン技術では、過剰のアルミニウムは、水をベースにし
たスラリーで研摩することにより除去される。Al−C
u合金からの銅が研摩の間に溶液中に入り込む。研摩プ
ロセスがTiAl3層の下のチタンに富む層に到達する
と、銅がこの上に無電気メッキによりメッキされる。こ
の理由は、銅が活性チタンよりもはるかに陽性であるか
らである(チタンは従来の研摩の間不動にならない)。
【0005】SiO2の研摩の分野で最も頻繁に使用さ
れる研摩剤はシリカであるが、これの研摩速度(率)は
高くない。更に、商業的に入手可能な或るシリカ・スラ
リーはニッケル不純物を含む。これらのスラリーが、超
小型電子技術の分野でSiO2絶縁物を研摩するために
使用されると、ニッケル不純物がタングステン・スタッ
ド上に又はこれの隣接部分にメッキされてしまい、短絡
が生じて信頼性の低下をもたらす。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の従来の
問題点を解決した研摩に適するスラリー構成成分を提供
する。特に、本発明は、高融点金属(refractory meta
l)ライナーが研摩停止部材として働くことができるスラ
リーを提供する。又、本発明のスラリーは、促進された
研摩動作を実現する。本発明のスラリーは銅及びニッケ
ルが存在したとしてもこれらがメッキ状に付着するのを
防止する。
【0007】本発明は、研摩粒子及びデュアル原子価
(dual-valent)の、即ち2つの安定した原子価を示す希
土類イオン又はこれのコロイド状水酸化物の懸濁液を含
む研摩用スラリーに関する。本明細書で使用するデュア
ル原子価とは、上記のように2つの安定した原子価を示
すという意味である。希土類イオンは、これが示す2つ
の原子価のうち高い方の原子価を示すものでなければな
らない。研摩粒子の量は約0.2重量%乃至約20重量
%であり、そしてデュアル原子価の希土類イオン又は水
酸化物の量は、約0.05重量%乃至約2重量%であ
る。これらの量は、スラリーの研摩粒子及び希土類イオ
ン又は水酸化物の総量に基づく値即ち総量に対する値で
ある。
【0008】本発明は又、ウエハ等の被処理表面を研摩
する方法に関する。この方法は、上述のスラリーを被処
理表面に与え、そしてスラリーを有する被処理表面を研
摩用パッドに接触させてこの被処理表面を研摩すること
を含む。
【0009】更に、本発明は、コロイド状のデュアル原
子価の希土類の水酸化物を0.05重量%乃至約2重量
%含み、希土類の水酸化物はこれの高い方の原子価のも
のである懸濁液に関する。
【0010】本発明は又、上述の懸濁液を使用してシリ
カ基板の被処理表面を研摩する方法に関する。この方法
は、上述の懸濁液をシリカ基板の被研摩表面に与え、そ
してこの被研摩表面を研摩用パッドに接触させてこのシ
リカ基板の被処理表面を研摩することを含む。このプロ
セスは研摩材を必要としない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一態様に従うと、研摩粒
子及びデュアル原子価の希土類イオン即ち2つの安定し
た原子価を示す希土類イオン若しくはこれのコロイド状
水酸化物の懸濁液を含むスラリーが提供される。希土類
は、これが示す2つの原子価のうち高い原子価のものが
使用される。本発明に適する希土類の例は、Ce4+,P
4+、はTb4+若しくはこれらの混合物又はこれらのコ
ロイド状水酸化物の懸濁液例えばCe(OH)4を含
む。デュアル原子価の希土類イオン若しくは希土類水酸
化物コロイド(rare earth hydroxide colloid)は、研
摩スラリー内の酸化用触媒及びOHイオンの源として働
く。希土類元素のうち上記のCe(セリウム)、Pr
(プラセオジム)及びTb(テルビウム)は、正常な3
価の原子価のほかに4価の原子価をも示す。そしてこれ
らの4価の原子価のものが本発明で使用されて、上述の
ように従来のものに比べて優れた研摩特性を生じる。
【0012】デュアル原子価の希土類はアルミニウム、
銅及びタングステンの研摩プロセスを改善するのに特に
効果的である。更に、OHラヂカルのドナーとして、コ
ロイド状のデュアル原子価の希土類水酸化物(colloida
l dual-valent rare earth hydroxide)の原子価の高い
もののスラリーはこれら自身で、又は他の研摩剤と組合
わさって、超小型電子技術の分野で従来使用されてきた
研摩用スラリーよりも早いSiO2研摩速度を与える。
上述のコロイド状の水酸化物は、自由なOHラジカルを
解放することができ、そしてSiO2の解重合を加速し
て、SiO2の研摩速度を増大する。
【0013】更に、本発明の添加剤は、例えばNb(ニ
オブ),Ta(タンタル)、Ti(チタン)、これらの
窒化物又はこれらの混合物のような高融点金属ライナー
が被研摩構造内に存在しているならば、これらを研摩停
止部材として働かせることができる。
【0014】希土類イオンは酸性pH状況下では酸化用
触媒として働き、一方、これらのコロイド状水酸化物は
中性及びアルカリ性pH状況下で酸化用触媒として働
く。従って、デュアル原子価の希土類研摩添加剤は、p
Hの値全域に亘って働く。従って、本発明は広い範囲の
研摩用途において使用されることができ、そしてこれら
の研摩作用はpHの値に依存して緩やかとなり又は急激
になる。
【0015】使用できる研摩粒子は、従来研摩スラリー
に使用されてきたものを含む。適切な研摩粒子の例は、
アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア及びこれらの混
合物である。
【0016】研摩粒子は、代表的には約10nm乃至1
000nmの粒子サイズ、望ましくは約50nm乃至1
00nmの粒子サイズを有する。
【0017】研摩粒子の量は約0.2重量%乃至約20
重量%であり、望ましくは約1重量%乃至約5重量%で
ある。デュアル原子価の希土類イオン又は水酸化物の量
は、約0.05重量%乃至約2重量%であり、望ましく
は約0.1重量%乃至約0.6重量%である。これらの
量は、スラリー内の研摩粒子及び希土類イオン又は水酸
化物の総量に基づく。
【0018】スラリーは、水性のスラリーであることが
望ましい。
【0019】本発明の懸濁液に関して述べると、この懸
濁液は、約0.05重量%乃至約2重量%そして望まし
くは約0.1重量%乃至約0.6重量%のコロイド状の
デュアル原子価の希土類水酸化物(colloidal dual vale
nt rare earth hydroxide)であり、ここで希土類はこれ
が示す2つの原子価のうちの高いほうの原子価のもので
ある。水酸化物粒子は代表的には約5nm乃至約100
nmの直径を有し、そして特定な例では約20nmであ
る。これらは、例えば焼かれたCeO2粒子よりもはる
かに多い(OH)ラジカルの源となる。代表的なCeO
2粒子は約1ミクロンのレンジの直径を有し、そしてこ
れらの総表面積は、コロイド状粒子の総表面積よりもは
るかに小さい。
【0020】セリアを焼いてからミリングして作られた
二酸化セリウムは、光学の業界で使用されてきたが超小
型電子技術の業界では使用されなかった。その理由は、
かなり大きな粒子が水性雰囲気中で安定な懸濁液を形成
しないからである。更に、これは安定な研摩速度をパッ
ド上で作り出すのに100時間のオーダのランーイン時
間を要する。ランーイン時間とはこれらの濃度を研摩パ
ッド上で必要なレベルにまで引き上げるに必要な時間で
ある。
【0021】本発明を知り得た当業者ならば特に実験を
行わなくとも研摩又は平坦化プロセスのパラメータを決
めることができるであろう。例えば、研摩パッドの回転
速度は約10rpm乃至約150rpmであり、ウエハ
のような被研摩体を支持するウエハ・キャリアの回転速
度は約10rpm乃至約150rpmであり、そして下
方への力は約0.14Kg/cm2(2psi)乃至約
0.70Kg/cm2(10psi)である。研摩パッ
ドは、超小型電子技術の分野で標準的に使用されている
ものである。
【0022】本発明に従って研摩されうる被処理表面
は、例えば流動できる酸化物のような、シリコン原子及
び酸素原子を含む材料そして二酸化シリコンを含む。上
記のものと異なるものを含む他の材料の被処理表面を研
摩することもできる。
【0023】研摩粒子及びデュアル原子価の希土類イオ
ン即ち2つの安定した原子価を示す希土類イオン若しく
はこれのコロイド状水酸化物の懸濁液を含む本発明のス
ラリーは、超小型電子技術の分野で使用される材料の被
研摩表面を研摩するのに特に適する。コロイド状のデュ
アル原子価の希土類元素の水酸化物の懸濁液は、シリカ
即ち二酸化シリコンを研摩するのに特に適する。
【0024】本発明を更に示すために次の例を示すが、
これに限定されるものではない。
【0025】例 1 図1の(A)に示すように、溝即ちトレンチのパターン
が設けられたSiO2基板1上にアルミニウム合金層2
が付着された構造(いわゆるダマシーン構造)が平坦化
処理を受けた。SiO2基板1のうちパターン化された
部分の上のアルミニウム層2の厚さは、このSiO2
板1のうちパターンが設けられていないフィールド部分
の上のアルミニウム層よりもトレンチの深さの半分だけ
薄い。従って、フィールドの部分からアルミニウム合金
層2を除去する際に、パターン化された領域は、これの
上の連続的なアルミニウム・フィルムが除去された後も
長い間研摩されてしまう。従って、本発明に従う強固な
研摩停止部材が、薄いSiO2ライン即ち線の頂部に設
けられていないと、このパターン化された領域が大きく
研摩されてしまって、所望の抵抗値よりも著しく高い抵
抗値になってしまう。同時継続の米国特許出願第08/
691、704号に示されているニオブ(ニオビウム)
・ライナー3をSiO2基板1の頂部に配置することが
できる。
【0026】使用した研摩スラリーは、水中のpHが約
4で粒子サイズが約75nmのコロイド状のアルミナを
約3重量%、及び約3.5グラム/リットルの水溶性
(NH42Ce(NO36 を含む。セリウムは4価の
セリウムである。セリウム・コンパウンドの添加の後
の、スラリーのpHは2である。このスラリーは、約5
0(パッド)/50(キャリア)rpmの回転速度で回
転されるポリテックス(Polytex)(rodel社)研摩パッド
及び約0.42Kg/cm2(6psi)の圧力の押し
つけ力を使用した場合、約300nm/分の研摩速度で
アルミニウム合金を研摩する。研摩プロセスが、SiO
2ラインの頂部のニオブ・ライナーに到達すると、Ce
4+イオンがニオブ・ライナーを酸化してNb25にし、
そして研摩プロセスはここで停止し、幅の狭いSiO2
ラインの浸食を防止する。しかしながら、パターンが設
けられていないフィールド部分のアルミニウムの研摩
は、これの下側のニオブ・ライナーに到達するまで継続
される。
【0027】次いで、酸化されたニオブを除去するため
に、コロイド状のシリカ・スラリーが使用され、そして
これは簡単に行われる。ライナーを研摩停止部材として
働かせる本発明に従うスラリーの添加物を使用すると、
パターンが形成された領域の浸食を防止し、そしてウエ
ハのエッジと中央部との間に生じる研摩の度合いが一様
にならないという悪い効果をなくする。
【0028】例 2 アルミニウム合金の代わりに銅が使用され、そしてタン
タル又はこれの窒化物がニオブ・ライナーの代わりに使
用されたことを除いて例1のプロセスが繰り返された。
銅に対する金属研摩速度がアルミニウムに対する研摩速
度よりいっそう高いということを除いて、例1と同様の
結果が得られた。これは、アルミニウムの表面よりも銅
の方がデュアル原子価の希土類イオンにより酸化され易
く、そして銅の酸化物がアルミニウムの酸化物よりも機
械的に柔らかいことに起因するものと思われる。
【0029】例 3 タングステンがアルミニウム合金の代わりに使用され、
そしてチタン又はこれの窒化物がニオブ・ライナーの代
わりに使用されたことを除いて、例1のプロセスが繰り
返された。これの結果は例1の結果と同様であった。
【0030】例 4 図2に示す構造を平坦化した。この構造は、ウエハの製
造工程の後半に行われてウエハの上に導体を形成する工
程(BEOL)での構造を示し、そしてこの導体は、約
0.5重量%の銅を含むアルミニウム銅合金である。こ
の合金の下側はチタン・ライナーであり、そしてこれ
は、350゜よりも高い温度にさらされると、TiAl
3を形成する。図示のように、絶縁物の表面にトレンチ
が形成されてパターン化され、そしてこのトレンチ内に
アルミニウム合金が(リフロー・プロセスにより)充填
され、そして研摩により過剰のアルミニウムが除去され
る。Al−Cu合金からの銅が研摩中に溶液中に入り込
む。研摩プロセスが、ライナーのうちのチタンに富んだ
層(チタン・リッチ層)に到達すると、従来の技術によ
ると、この上に銅が無電気メッキによりメッキされる。
銅は活性チタンよりもはるかに陽性である。
【0031】しかしながら、本発明の希土類添加物は、
銅イオンを不溶性の銅の酸化物に変換し、そして又ライ
ナーのうちの底部にあるチタン・リッチ層を酸化し、そ
してこれらの両者が銅のメッキの発生を防止する。
【0032】この例では例1で使用したスラリーと同じ
研摩スラリーが使用された。銅のメッキ現象は防止さ
れ、そしてアルミニウムが平坦化された。
【0033】例 5 研摩スラリーが、約10重量%のシリカ及び約0.13
重量%のCe(OH)4を含む水性スラリーであること
を除いて例4が繰り返された。このスラリーのpHはほ
ぼ中性(7.7のpH)でありかくして非腐食性であ
る。
【0034】このスラリーは、約2リットルの30N5
0クレボゾル(Klebosol)を約2リットルの水に加えるこ
とにより準備された。30N50クレボゾル(Hoechst
社)は、50nmの直径のシリカ粒子を30重量%含
み、そして9.86のpHを有する。これに、2リット
ルの水に6×3.5gの(NH42Ce(NO36を溶
解した溶液を勢い良く攪拌して加えた。得られた結果
は、例4の結果と同様であった。
【0035】例 6 研摩スラリーが、ほぼ中性のpHで、約0.11重量%
のコロイド状のCe(OH)4及び10重量%のシリカ
を含む水性スラリーである点を除いて例4が繰り返され
た。
【0036】このスラリーは、4×3gの(NH42
e(NO36 を1リットルの水に溶解することにより
準備された4×1.5gの固体KOHが他の1リットル
の水に溶解され、そして勢い良く攪拌しながらセリア溶
液に加えられた。Ce(OH)4は、薄い黄色のコロイ
ド状の化学的沈殿物を形成する。このコロイド状懸濁液
の2リットルが、中性pHの市販のシリカ・スラリー2
リットル中に混合された。シリカ・スラリーは、20重
量%の濃度のシリカを有する。
【0037】例 7 二酸化シリコン特にTEOS(テトラ・エトオキシ・オ
ルソ・シリケート)酸化物が、8.9のpHのCe(O
H)4を0.6重量%含むスラリーで研摩された。
【0038】プラテン及びキャリアの回転速度をそれぞ
れ100/100rpmとし、押しつけ力を0.35K
g/cm2(5psi)としたパン−ダブリュ(Pan-W)
パッド(Freudenberg社)を使用して研摩が行われた。
約200nm/分の研摩速度が得られた。これに対し
て、超小型電子技術の業界で広く使用されている10.
2のpHのシリカを10重量%含むアルカリ性シリカ・
スラリーを使用した同様の条件の場合には、70nm/
分の研摩速度しか得られない。
【0039】約0.6重量%のコロイド状のCe(O
H)4を加えた上述のアルカリ性スラリーを使用した同
様な条件のもとでの研摩では、研摩速度が約70%だけ
増大した。
【0040】例 8 スラリーが、8.9のpHで0.6重量%のコロイド状
のCe(OH)4及び約1重量%の焼かれたCeO2(直
径が1ミクロンの粒子)を含むことを除いて、例7が繰
り返された。研摩速度は、ランーイン時間を全く必要と
しないで最初のウエハから約500nm/分であり、そ
してこれは安定して持続された。
【0041】前述のように、ランーイン時間とは、研摩
パッド上の研摩材の濃度を必要なレベルにまで引き上げ
るに必要な時間である。
【0042】例 9 10重量%のシリカを与えるように2部(パーツ)の水
あたり1部(パーツ)のSC−1シリカ分散(Cabot)を
含み、そして約0.5重量%のコロイド状Ce(OH)
4を含み、そして8.84のpHを有するスラリーを使
用してTEOS酸化物が研磨された。Ce(OH)
4は、(NH42Ce(NO36とK(OH)とが2:
1の比の水性溶液から準備された。研摩は、50/50
rpmで、0.56Kg/cm2(8psi)の下方へ
の力で、SubaIV/IC1000パッドの積層体を使用して行わ
れた。研摩速度は170nm/分であった。
【0043】比較例 10 スラリーがCe(OH)4を含まず、そして10.18
のpHを有することを除いて例9が繰り返された。研摩
速度は100nm/分まで減少された。
【0044】例 11 Ce(OH)4が、セリウム塩とK(OH)との比を
3:2にして9.6のpHを生じるように準備されたこ
とを除いて例9が繰り返され、そして0.35Kg/c
2(5psi)の下方への力を使用して研摩が行われ
た。研摩速度は120nm/分であった。
【0045】比較例 12 スラリーがCe(OH)4を含まないことを除いて例1
1が繰り返された。研摩速度は70nm/分であった。
【0046】
【発明の効果】本発明は、高融点金属ライナーが研摩停
止部材として働くことができるスラリーを提供する。
又、本発明のスラリーは、促進された研摩動作を実現す
る。本発明のスラリーは銅及びニッケルが存在したとし
てもこれらがメッキ状に付着するのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って研摩されたダマシーン構造を示
す図である。
【図2】従来のスラリーを使用した場合のBEOL時の
構造に銅がメッキされる機構を示す図である。
【符号の説明】
1 SiO2基板 2 Al層 3 Nbライナー層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−168431(JP,A) 特開 昭60−108489(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/14 550 B24B 37/00 H01L 21/304 622

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】研摩粒子及びコロイド状のデュアル原子価
    の希土類の水酸化物の懸濁液を含み、ここで上記希土類
    の水酸化物はこれの高い方の原子価のものであり、そし
    て上記研摩粒子の量は0.2重量%乃至20重量%であ
    り、そして上記コロイド状の水酸化物の量は、0.05
    重量%乃至2重量%であり、上記量は、上記研摩粒子及
    び上記コロイド状の水酸化物の総量に基づき、上記コロ
    イド状の水酸化物は5nm乃至100nmの粒子直径を
    有するスラリーを被処理表面の上に与えるステップと、 上記被処理表面に研摩パッドを接触させて上記被処理表
    面を研摩するステップとを含み、 上記研摩される被処理表面の下に高融点金属のライナー
    が設けられており、そして、上記高融点金属は、ニオ
    ブ、タンタル、チタン、これらの窒化物及びこれらの混
    合物から成る群から選択されることを特徴とする被処理
    表面の研摩方法。
  2. 【請求項2】研摩粒子及びコロイド状のデュアル原子価
    の希土類の水酸化物の懸濁液を含み、ここで上記希土類
    の水酸化物はこれの高い方の原子価のものであり、そし
    て上記研摩粒子の量は0.2重量%乃至20重量%であ
    り、そして上記コロイド状の水酸化物の量は、0.05
    重量%乃至2重量%であり、上記量は、上記研摩粒子及
    び上記コロイド状の水酸化物の総量に基づき、上記コロ
    イド状の水酸化物は5nm乃至100nmの粒子直径を
    有するスラリーを被処理表面の上に与えるステップと、 上記被処理表面に研摩パッドを接触させて上記被処理表
    面を研摩するステップとを含み、 上記研摩される被処理表面の下に高融点金属のライナー
    が設けられていることを特徴とする被処理表面の研摩方
    法。
  3. 【請求項3】上記希土類は、Ce4+、Pr4+、Tb
    4+及びこれらの混合物から成る群から選択されること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被処理表面
    の研摩方法。
  4. 【請求項4】上記希土類は、Ce4+であることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の被処理表面の研摩
    方法。
  5. 【請求項5】上記研摩粒子は、アルミナ、シリカ、ジル
    コニア、セリア及びこれらの混合物から成る群から選択
    されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    被処理表面の研摩方法。
  6. 【請求項6】上記研摩粒子は10nm乃至1000nm
    の粒子サイズを有することを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の被処理表面の研摩方法。
  7. 【請求項7】上記スラリーは水性スラリーであることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被処理表面の
    研摩方法。
  8. 【請求項8】上記被処理表面は、アルミニウム、銅、タ
    ングステンおよびに二酸化シリコンから成る群から選択
    されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    被処理表面の研摩方法。
  9. 【請求項9】上記研摩の間の上記研摩パッドの回転速度
    は10rpm乃至150rpmであり、上記被処理表面
    を有するウエハを支持するウエハ・キャリアの回転速度
    は10rpm乃至150rpmであることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の被処理表面の研摩方法。
  10. 【請求項10】コロイド状のデュアル原子価の希土類の
    水酸化物を0.05重量%乃至2重量%含み、ここで上
    記希土類の水酸化物はこれの高い方の原子価のものであ
    る懸濁液を被処理表面の上に与えるステップと、 上記被処理表面に研摩パッドを接触させて上記被処理表
    面を研摩するステップとを含み、上記研摩される被処理
    表面の下に高融点金属のライナーが設けられていること
    を特徴とする被処理表面の研摩方法。
  11. 【請求項11】上記被処理表面は、二酸化シリコンであ
    ることを特徴とする請求項10に記載の被処理表面の研
    摩方法。
  12. 【請求項12】上記被処理表面は、シリコン及び酸素を
    含む流動性酸化物の材料であることを特徴とする請求項
    10に記載の被処理表面の研摩方法。
  13. 【請求項13】上記研摩の間の上記研摩パッドの回転速
    度は10rpm乃至150rpmであり、上記被処理表
    面を有するウエハを支持するウエハ・キャリアの回転速
    度は10rpm乃至150rpmであることを特徴とす
    る請求項11に記載の被処理表面の研摩方法。
  14. 【請求項14】上記希土類は、Ce4+、Pr4+、T
    4+及びこれらの混合物から成る群から選択されるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の被処理表面の研摩方
    法。
  15. 【請求項15】上記希土類は、Ce4+であることを特
    徴とする請求項10に記載の被処理表面の研摩方法。
  16. 【請求項16】上記懸濁液は水性懸濁液であることを特
    徴とする請求項10に記載の被処理表面の研摩方法。
  17. 【請求項17】上記コロイド状の水酸化物は、5nm乃
    至100nmの粒子直径を有することを特徴とする請求
    項10に記載の被処理表面の研摩方法。
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