JPH10279928A - 研磨速度抑制化合物 - Google Patents

研磨速度抑制化合物

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JPH10279928A
JPH10279928A JP4791998A JP4791998A JPH10279928A JP H10279928 A JPH10279928 A JP H10279928A JP 4791998 A JP4791998 A JP 4791998A JP 4791998 A JP4791998 A JP 4791998A JP H10279928 A JPH10279928 A JP H10279928A
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polishing
silica
polishing rate
slurry
acid
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Gregory Burankareoni
グレゴリー ブランカレオニ
Lee Melbourne Cook
リー メルボルン クック
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨スラリーに混合すると、表面がシリコン
やケイ酸塩などから成る対象物の研磨速度を制御するこ
とができる研磨速度抑制化合物を提供しようとするも
の。 【解決手段】 研磨スラリーに混合されるべき研磨速度
抑制化合物であって少なくとも2つの酸性基を有し、研
磨スラリーの溶液中で酸が解離するとシリコンやシリカ
あるいはケイ酸塩の表面への錯化合を可能にする陰イオ
ンを生じると共に、前記2つの酸性基のうちの第1解離
可能酸の pKaは前記研磨スラリーの pH より0.5を越
えては大きくない範囲にあること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス、半導体、
誘電体/金属複合材および集積回路の研磨に関する。よ
り詳細には、本発明は、シリカと他の成分との間で研磨
速度が異なることが望まれる複合材料の表面処理の改良
をもたらす研磨速度抑制化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の研磨合成物やスラリーは、一般的
に、研磨粒子を含む溶液から成る。エラストマーパッド
が基板に押しつけられ、回される状態で、部品、または
基板がスラリー中に浸漬されるか、あるいは、その中で
濯がれて、スラリー粒子が荷重下で基板に押しつけられ
る。パッドが横方向に動くとスラリー粒子が基板表面を
横断することになり、その結果、磨滅をもたらし、基板
表面の容積を除去することになる。
【0003】多くの場合、表面除去の速度は、専ら、印
加圧力の程度、パッド回転の速度およびスラリー粒子の
化学的活性により決まる。従って、基板に対して化学的
活性が高いスラリー粒子 (例えば、 SiO2 に対する CeO
2)は、より不活性な粒子 (例えば、 SiO2 に対する La2
O3) よりも顕著に高い研磨速度を示す。このような研磨
粒子の化学的活性を高めることが、例えばアメリカ特許
第 4,959,113号のような、多くの特許の基礎になってい
る。
【0004】研磨速度を促進する別の手段として、それ
自体が基板に対して腐食性を有する成分をスラリーに加
えるものがあり、研磨粒子と共に用いると、研磨速度を
高くすることができる。しばしば化学機械的研磨(CM
P)とよばれるこの工程は、半導体および半導体デバイ
ス、特に集積回路の研磨に好ましい技術である。シリコ
ンウエハ表面をより良く研磨するために使用するCMP
処理の例が、ペイン(Payne) のアメリカ特許第 4,169,3
37号に開示されている。ベイヤー(Beyer) 他のアメリカ
特許第 4,944,836号およびチャウ (Chow) 他のアメリカ
特許第4,702,792 号は、集積回路構造の相互接続ヴァイ
アス (vias) のような誘電体/金属複合材構造の研磨に
おける速度選択性を改善する際にCMPを使用すること
を教えている。特に、これら特許は、金属成分の溶解を
促進する添加剤を採用することを教えている。この技術
およびその他の関連技術の目的とするところは、加工後
の表面が共面となるように回路の金属部分を優先的に除
去することにある。この処理工程は、通常、平坦化と呼
ばれる。
【0005】金属平坦化の選択性を可能な限り改善する
ことが極めて望ましい。カー (Carr) 他のアメリカ特許
第 4,954,142号は、対象となる金属成分に対して選択的
なキレート剤をスラリーに添加することによる、誘電体
/金属複合材構造のCMP平坦化のより良い改善につい
て教えている。この先行技術は、金属相の腐食速度を促
進し、金属対誘電体相 (metal versus dielectric phas
e)の除去の選択性を高め、平坦化工程をより効率的にし
ている。
【0006】シリカまたはケイ酸塩材料の腐食を促進す
るような態様で、 Si4+ とキレート化合または錯化合す
る数多くの陰イオンが明らかにされている。ベーコン(B
acon) とラゴン(Raggon)による論文 (アメリカン セラ
ミック ソサエティ ジャーナル(J. Amer. Ceram. So
c. vol. 42, pp.199-205, 1959)) に記載されているよ
うに、シリカおよびケイ酸塩ガラスの腐食を中性溶液中
(pH〜7)で促進する種々の弱酸がある。その効果は、ピ
ロカテコール/ケイ酸塩錯体とほぼ同じように、Si4+
陽イオンと錯化合する酸 (共役塩基) の自由陰イオンの
能力に帰するものであり、ローゼンハイム(Rosenheim)
他の論文(アー.ローゼンハイム (A. Rosenheim) 、ベ
ー. ライプマン(B. Raibmann) 、ゲー. シェンデル(G.
Schendel); ツァイトシュリフト アン・オルガニッシ
ェ ウント アルゲマイネ ヒェミー (Z. anorg. u. a
llgem. Chem., vol.196, pp. 160-76, 1931)において、
下記に示すように記載されている。
【0007】
【化1】
【0008】ベーコン及びラゴンにより記載されている
腐食性陰イオンはすべて類似の構造を有し、それらの構
造はさらにピロカテコール (1, 2- ジヒドロキシベンゼ
ン)に極めて類似していた。すなわち、すべてが、カル
ボン酸基に対してアルファ位置にある第二または第三炭
素サイトにおいてヒドロキシル基を有するモノあるいは
ジカルボン酸であった。不活性化合物に対する活性化合
物の例を下に示す。
【0009】 HOOC-CHOH-CHOH-COOH : 酒石酸 (活性) pKa1=3.02 対 HOOC-CH2-CH2-COOH : 琥珀酸 (不活性) pKa1=4.2 pKa は下記の反応により定義される、自由陰イオンの形
成のための会合係数Ka の対数である。
【0010】
【化2】
【0011】従って、より低い pKaがより強い酸を示
す。同等の pH では、より高い共役塩基濃度が溶液中で
見いだされる。
【0012】先行技術の腐食関係文献も、静止溶液中の
カテコールの腐食効果について記載している。エルンス
ベルガー (Ernsberger) の論文 (アメリカン セラミッ
クソサエティ ジャーナル (J. Amer. Ceram. Soc. vo
l. 42, pp. 373-5, 1959))に見られるように、エチレン
ジアミンテトラ酢酸 (EDTA)液にピロカテコールを
添加すると、 pH 範囲 10 〜14で、炭酸石灰ケイ酸塩ガ
ラスの浸食を促進する。この促進は顕著なもので、溶液
中にEDTAのみがある場合よりも、少なくとも2倍の
速度であった。pH 12.5 で最大効果が得られた。ここで
も、その効果は自由 Si4+ 陽イオンのカテコールとの錯
化合に起因していた。
【0013】上記から、この課題に関する出版文献が、
このような添加剤が静止露出下でシリカまたはケイ酸塩
に対して腐食性を呈することを示しているのは明らかで
ある。腐食がおこるのは、自由 Si4+ 陽イオンとの錯化
合物またはキレート化合物が形成されることによると考
えられる。従って、アメリカ特許第 4,954,142号の教え
と同じ態様においては、このような添加剤が研磨溶液中
に存在する時、研磨中のより高いシリカ除去速度が予測
されたであろう。その結果、このようなタイプの添加剤
では、金属/シリカの選択性が甚だしく低下することが
予測されたため、金属平坦化においては今まで決して使
用されることはなかった。
【0014】上述の先行技術のCMP処理は好ましく見
えるものの、重大な欠点がある。特に、先行技術のCM
Pスラリー中に加えられたエッチング液は等方性を有す
る。即ち、露出相の全部分をその位置に関係なく浸食す
る。従って、エッチング液がCMPスラリーに大量に加
えられると、凹んだ形状部分がエッチングされる時、そ
の表面にざらつきや表面アレ(テクスチャー)が増加す
る。集積回路の研磨においては、この効果はわん状変形
(ディッシング)と呼ばれ、基板表面の重要部分がより
耐久性のある成分から成る時に工程の最後でしばしば発
生する。研磨の目的が表面アレのない均一平面を作るこ
とにあるため、このことは極めて望ましくない。
【0015】複合構造のシリカ相の研磨速度が制御され
て低下可能な場合、選択性を顕著に改善できることが、
上記の説明から明らかである。このことは他の (金属)
相に対して浸食性の少ない溶液の使用を可能にし、よっ
て、わん状変形を少なくして金属/シリカ複合材のCM
P処理を効果的に行うことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上に鑑みこの発明
は、研磨スラリーに混合すると、表面がシリコンやケイ
酸塩などから成る対象物の研磨速度を制御することがで
きる研磨速度抑制化合物を提供しようとするものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明では次のような技術的手段を講じている。
【0018】この発明の研磨速度抑制化合物は、研磨ス
ラリーに混合されるべき研磨速度抑制化合物であって少
なくとも2つの酸性基を有し、研磨スラリーの溶液中で
酸が解離するとシリコンやシリカあるいはケイ酸塩の表
面への錯化合を可能にする陰イオンを生じると共に、前
記2つの酸性基のうちの第1解離可能酸の pKaは前記研
磨スラリーの pH より0.5を越えては大きくない範囲
にあることを特徴とする。
【0019】この研磨速度抑制化合物は少なくとも2つ
の酸性基を有し、研磨スラリーの溶液中で酸が解離する
と陰イオンを生じるが、2つの酸性基のうち第1解離可
能酸の pKaは研磨スラリーの pH より0.5を越えては
大きくない範囲にあるので研磨スラリーの溶液中で酸は
陰イオンとして存在し得る。
【0020】そして前記陰イオンはシリコンやシリカあ
るいはケイ酸塩の表面への錯化合が可能であるので、効
率的にシリカ等の研磨速度を抑制することができる。す
なわち、研磨速度抑制化合物の陰イオンがシリカ等の研
磨速度を抑えることができる。
【0021】ところで前記研磨スラリーの pH は前記第
1解離可能酸の pKaに等しい値かそれより大きい値であ
ることとすることができる。また前記陰イオンはシリコ
ンやシリカあるいはケイ酸塩表面に、その表面ヒドロキ
シル基との相互反応によって錯化合または結合するもの
とすることもできる。
【0022】さらに前記研磨スラリーに添加すべき量
を、0.05モル濃度になる量から使用温度における溶
解度の濃度となる量までの間の量とすることができる。
このように構成すると、シリカの除去速度を抑制するた
めにより効果的な量となる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明において、表面がシリコン
およびケイ酸塩から成る対象物の研磨速度を抑えるある
種の化合物に予想外の能力があることが判明した。これ
ら化合物を研磨スラリーに混合すると、前記表面の研磨
速度を制御することができ、それにより前記表面が例え
ば、誘電体/金属複合材等の複合材料の1成分である場
合、前例のない程の選択性が得られる。さらにより予想
外であるのは、これら同じ化合物が、静止状態下では、
シリカおよびケイ酸塩面の腐食に対する促進剤として作
用することが先行技術によって教えられていることであ
る。
【0024】上述の通り、ここでいう研磨速度抑制化合
物とは、溶液中で解離して特定クラスの自由陰イオンを
生ずる化合物であり、この陰イオンとはシリコン、シリ
カまたはケイ酸塩表面に表面ヒドロキシル基(Si-OH) と
の相互反応によって錯化合または結合すると考えられる
陰イオンである。
【0025】予想外なことに、正反対の作用も生じるこ
とが分かった。即ち、研磨合成物にこのクラスの陰イオ
ンを導入すると、研磨工程において実際にシリカの除去
を抑えることである。この抑制効果は、以下の実施例で
明確に実証される。
【0026】より詳細には、前記の研磨速度抑制化合物
の陰イオンが SiO2 の研磨速度を抑えるためは、2つの
特性を同時に持たなければならないことに気がついた。
第1に、これら陰イオンは、その構造中に、シリカまた
はケイ酸塩表面への錯化合を可能にする少なくとも2つ
の酸性基を有していなくてはならないこと、第2に、効
率的にシリカの研磨速度を抑制するため、第1解離可能
酸の pKaが研磨合成物の pH より大幅には大きくないこ
とである。この明細書において、大幅にとは、0.5 単位
(pKa または pH ) の範囲とする。
【0027】酸種族とは、解離可能陽子を有する機能グ
ル−プの種族をいう。カルボキシレート、ヒドロキシ
ル、スルホンおよびホスホン基を含むが、これらに限定
されるものではない。カルボキシレートおよびヒドロキ
シル基が、最も多様な効果のある種族中に存在するの
で、好ましい。
【0028】第1解離可能酸の pKaは、構造に大きく影
響される。上記の2つの必要条件が満たされる限り、多
様な構造が効果的であることがわかった。特に効果的で
あるのは、例えば、リンゴ酸とリンゴ酸塩、酒石酸と酒
石酸塩およびグルコン酸とグルコン酸塩を含む直線鎖状
モノおよびジカルボン酸と塩のような、アルファ位置に
ヒドロキシル基を有する2つ以上のカルボキシレート基
を備えた構造である。また、クエン酸とクエン酸塩のよ
うな、カルボキシレート基に対してアルファ位置にある
第二または第三ヒドロキシル基を備えたトリおよびポリ
カルボン酸および塩が、効果的である。さらには、オル
ト−ジおよびポリヒドロキシ安息香酸および酸性塩、フ
タル酸および酸性塩、ピロカテコール、ピロガロール、
没食子酸と没食子酸塩およびタンニン酸とタンニン酸塩
のようなベンゼンリングを含有する化合物も効果的であ
る。これらの化合物が効果的であるとする理由は、構造
に見られる包括的な電子非局在化にある。この非局在化
は、低い pKa値により証明されるように、溶液中の共役
塩基に対する高い安定性につながる。
【0029】没食子酸 : pKa1 =4.4 リンゴ酸 : pKa1 =3.4 タンニン酸: pKa1 =3.02 クエン酸 : pKa1 =3.1 フタル酸 : pKa1 =2.95 本発明に示される pKaの限度は、研磨速度抑制効果のた
めに、自由陰イオンまたは共役塩基が妥当な濃度で存在
しなければならないとする要件によるものである。 pH
<< pKaでは、自由陰イオンは殆ど存在しない。 pH = p
Kaでは、酸が 50 %解離されている。 pH >> pKaでは、
本質的に、全ての酸が陰イオンとして存在する。従っ
て、通常研磨において得られる pH 値の範囲を示すよう
に解離定数を選択しなくてはならない。理想的には、研
磨合成物の pH は、シリカ錬磨速度抑制に使用する添加
剤の pKa1 に等しい値か、それより大きい必要がある。
【0030】添加剤の pKa1 が合成物の pH より大幅に
大きい場合、不十分な自由陰イオンが溶液中で発生し、
抑制効果は生じない。従って、酒石酸、クエン酸および
フタル酸 (pKa ≦3.1)のような添加剤は、研磨ケイ酸塩
(pH〜4-11) で見られる通常の pH 範囲に対応する pH
範囲以上で効果的である必要があり、またそれが好まし
い。これと対照的に、ピロカテコール (pKa1〜10) を添
加すると、 Si ウエハの研磨で見られ得るような、極め
て高い溶液 pH においてのみ有用であり、より限定的な
利用性を有する。
【0031】シリカの除去速度を抑制する化合物の効果
的な量は、通常 0.1モル以上から、使用温度における研
磨合成物への化合物の溶解度までである。
【0032】本発明の研磨合成物の研磨粒子は、微細研
磨に一般的に用いられる SiO2 、ZrO2、CeO2、Al2O3
よびダイヤモンドのような粒子のいずれでもよい。代表
的には、研磨合成物に用いられる研磨粒子の量は、研磨
合成物において固形物が重量で約1%から 15 %の範囲
である。以下に述べる実施例では、使用した研磨粒子は
アルミナ (Al2O3)の極微粒子である。
【0033】本発明の研磨合成物の酸化剤は、酸化剤の
酸化ポテンシャルが、研磨される複合材の金属の酸化ポ
テンシャルより大きいことを条件に、水性媒体中に溶解
可能な任意の酸化剤とすることができる。一般的な酸化
剤としては、塩素酸塩、過塩素酸塩、亜塩素酸塩、硝酸
塩、過硫酸塩および過酸化物がある。以下の実施例で
は、過酸化水素が酸化剤として使用され、タングステン
の除去速度を促進するのに効果的であることが見いださ
れた。本発明の研磨合成物が効果を有する複合材に通常
含まれる金属は、タングステン、銅およびアルミニウム
であるものの、任意の金属が本発明の範囲内に含まれ
る。酸化剤は重量比で研磨合成物の 50 %まで用いるこ
とができるが、最も代表的には 10 %から 40 %の範囲
内である。
【0034】この実施形態によると、シリコン、シリ
カ、シリコンまたはシリカ含有材料を研磨する溶液であ
って、シリコンまたはシリカ相の研磨速度が特定の添加
剤または錯化合剤を添加することにより、変更あるいは
制御されうる溶液を提供することができる。
【0035】これは、金属とシリカの複合材を含むシリ
コン、シリカまたはシリコン含有材料を研磨する合成物
であって、水性媒体、研磨粒子、酸化剤およびシリカの
除去速度を抑える陰イオンから成る合成物を提供するこ
とにより達成された。少なくとも2つの酸性基を含み、
第1の解離可能酸の pKaが、研磨合成物の pH より大幅
には大きくない化合物から、上記の陰イオンは得られ
る。
【0036】そしてCMP処理の研磨機構に関し、この
研磨速度抑制化合物によって表面がシリコンやケイ酸塩
などから成る対象物の研磨速度を制御してメカニカル研
磨作用とケミカル研磨作用とのバランスを調節すること
により、加工効率(加工速度)の向上と表面性状(スク
ラッチ・フリー、面粗度等)の向上との両立を図ること
もできる。
【0037】また研磨工程において、改善された選択性
をもたらす複合材料、特に、集積回路構造で生ずるよう
な金属誘電体複合材に使用する改良された研磨スラリー
および研磨方法を提供することができる。
【0038】
【実施例】本質的な特徴を立証して明確にするため、本
発明で用意された数例の合成物が以下に示されている
が、いかなる場合にあっても、これらの実施例に限定さ
れるものではない。 (実施例1)以下のように、2つの研磨合成物が準備さ
れた。第2の合成物は、 SiO2 の研磨速度を抑制するた
めに加える添加剤として、0.3 モル濃度のフタル酸水素
カリウムを含む点で、第1の合成物と異なる。双方の合
成物は、ストラスボー6DS研磨機(Strasbaugh 6DS P
olishing Machine) 上で同一条件により、 Si 基板上に
CVD付着したタングステン金属フィルム、および Si
基板上で熱成長した SiO2 のサンプルを研磨するのに用
いられた。研磨条件は以下の通りであった。
【0039】 圧力 : 7 psi スピンドル速度: 40 rpm プラテン速度 : 50 rpm パッドタイプ : ローデル(Rodel) IC1000, 38″径 スラリー流量 : 150 ml/min 温度 : 230℃ 合成物1 1000g 超微粒アルミナスラリー(33 %固体) 1000g H2O 2000ml 50 % H2O2 pH= 5.6 W 金属の研磨速度 = 436 オングストローム/分 SiO2 の研磨速度 = 140 オングストローム/分 選択比 (W/SiO2) = 3.1:1 合成物2 1000g 超微粒アルミナスラリー(33 %固体) 1000g H2O 2000ml 50 % H2O2 221.6g フタル酸水素カリウム pH= 2.9 W 金属の研磨速度 = 1038 オングストローム/分 SiO2 の研磨速度 = 68 オングストローム/分 選択比 (W/SiO2) = 15.3:1 フタル酸塩を添加すると、スラリー pH が、ほぼフタル
酸の pKa1 の近くまで減少した。低下した pH により、
タングステン研磨速度は増加した。フタル酸の添加によ
り、 SiO2 研磨速度は2分の1に低下した( SiO2 研磨
速度が合成物1では 140 オングストローム/分であっ
たのが、合成物2では 68 オングストローム/分となっ
た)。このことはシリカに対するタングステンの除去の
選択性を5倍改善し、極めて望ましい結果であった。こ
の実施例では、タングステンの除去を加速するため、合
成物に過酸化水素を採り入れた。このような低い pH
で、合成物2の高い効果が得られたことは驚くべきこと
である。アメリカ特許第 4,956,313号およびアメリカ特
許第 4,992,135号は、タングステン対シリカの除去にお
いて最適の選択性を得るためには6以上の溶液 pH を用
いることが効果があると教えており、上記はこの教えと
正反対の結果となっている。このように、実施例の合成
物2は、金属/誘電体複合材の研磨に使用されるもので
あり、本発明の好ましい実施例を構成する。 (実施例2)シリカの研磨速度抑制が過酸化水素の付加
によるものではなかったことをより明確に示すため、実
施例1のテストを、不活性塩 (硝酸アンモニウム) がフ
タル酸塩に対して同等通常濃度で添加された状態で、過
酸化物の添加なしに、繰り返した。ウエハおよび研磨の
条件は実施例1と同一であった。以下で示されるよう
に、タングステン除去速度は同一であったものの、シリ
カ除去速度はフタル酸が合成物に添加されると、1/2
倍に抑えられた( SiO2 の研磨速度が合成物3では 227
オングストローム/分であったのが、合成物4では 119
オングストローム/分となった)。この実施例では、フ
タル酸含有合成物の pH は pKa1 を大幅に上回ってい
る。
【0040】合成物3 1000g 超微粒アルミナスラリー(33 %固体) 3000g H2O 177g NH4NO3 ( 通常 0.6) pH= 7.6 W 金属の研磨速度 = 71オングストローム/分 SiO2 の研磨速度 = 227オングストローム/分 合成物4 1000g 超微粒アルミナスラリー(33 %固体) 3000g H2O 221.6g フタル酸水素カリウム (通常 0.6) pH= 3.6 W 金属の研磨速度 = 71オングストローム/分 SiO2 の研磨速度 = 119オングストローム/分 (実施例3)シリカ研磨の速度に関する本発明の陰イオ
ンの効果をさらに明らかにするために、いろんな濃度の
フタル酸水素カリウムを、新たに準備された上記合成物
1のロットに添加した。ウエハおよび研磨の条件はここ
でも実施例1および2と同一であった。試験結果を以下
に要約する。
【0041】
【表1】
【0042】フタル酸を添加しない合成物に関して、タ
ングステン研磨速度、シリカ研磨速度の双方、および選
択性は、実施例1のデータと一致する。シリカ研磨速度
は、フタル酸濃度の増加につれて直接的に減少し、一
方、タングステン研磨速度は、フタル酸添加が 0.05 モ
ル濃度以上では比較的一定に保たれる。これらのデータ
は実施例1のフタル酸含有合成物2のデータと一致す
る。これらのデータは、本発明の合成物の効果が、金属
相に相応する研磨選択性がより良くなるにつれて、シリ
カの研磨速度を抑えることを明確に示している。この実
施例では、効果を得るために、〜0.1 モルの厳密な濃度
が要求される。このような厳密な濃度を超えて化合物を
添加しても、本発明では好ましい実施例となる。しかし
ながら、勿論、使用温度での合成物の溶解度に等しい濃
度まででのみ有用である。フタル酸水素カリウムについ
ては、溶解度の限界は室温において約 0.5モル濃度であ
る。 (実施例4)上記の実施例1の合成物2が準備され、シ
ートタングステン、シート SiO2 の双方のサンプル、お
よび集積回路のサンプルの研磨に用いられた。集積回路
は、相互レベル接続部(スタッド)を含むデバイス、お
よび約 2000 オングストロームのタングステン金属で被
覆されたシリカ誘電体層からなるものを使用した。シー
トウエハの構成は集積回路に含まれているものと同一で
あった。すべてのサンプルは、以下の条件で、ストラス
バー モデル 6DS プラナライザー (Stras-baugh
Model 6DS Planarizer) 上で研磨された。
【0043】 圧力 : 7 psi キャリヤ速度 : 25 rpm プラテン速度 : 25 rpm パッドタイプ : IC-1000 スラリー流量 : 100 ml/min シートタングステンウエハは 900オングストローム/分
の除去速度を示し、一方、シート SiO2 の除去速度は 7
0 オングストローム/分で、 12.9:1 の選択性であっ
た。これは、実施例1において異なる機械条件で得られ
た選択性と近似している。集積回路サンプルの研磨は、
目視可能な金属被覆の跡がすべて消滅するまで継続され
た。50×倍率で観察した研磨後の金属表面には、すっき
りしたラインとスタッドが見られた。わん状変形は全く
見られなかった。酸化層はかき傷、ピットあるいはヘイ
ズを全く伴わず極めて滑らかであった。 200×倍率での
検査では、シャープなラインと滑らかな金属面が認めら
れた。酸化層の損傷は全く観察されなかった。テンコー
ル P1 ウエハ プロフィロメータ (Tencor P1 Wafe
r Profilometer) による表面位相の測定は、ウエハのト
ータル インディケーティッド ランナウト (Total In
dicated Runout) TIRが、位置と形状によって、500
μm の走査距離にわたり 1200 オングストロームと 400
0 オングストローム間であることを示し、回路が十分に
平坦化されたことを示していた。TIRは走査距離上の
最大と最小の表面形状の相違をいい、一般的に認められ
ているウエハの平坦度の尺度である。
【0044】
【発明の効果】この発明は上述のような構成であり、次
の効果を有する。
【0045】研磨スラリーに混合すると陰イオンが溶液
中で解離してシリカ等の研磨速度を抑えることができる
ので、表面がシリコンやケイ酸塩などから成る対象物の
研磨速度を制御することができる研磨速度抑制化合物を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/304 622 H01L 21/304 622C 622D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨スラリーに混合されるべき研磨速度
    抑制化合物であって少なくとも2つの酸性基を有し、研
    磨スラリーの溶液中で酸が解離するとシリコンやシリカ
    あるいはケイ酸塩の表面への錯化合を可能にする陰イオ
    ンを生じると共に、前記2つの酸性基のうちの第1解離
    可能酸の pKaは前記研磨スラリーの pH より0.5を越
    えては大きくない範囲にあることを特徴とする研磨速度
    抑制化合物。
  2. 【請求項2】 前記研磨スラリーの pH は前記第1解離
    可能酸の pKaに等しい値かそれより大きい値である請求
    項1記載の研磨速度抑制化合物。
  3. 【請求項3】 前記陰イオンはシリコンやシリカあるい
    はケイ酸塩表面に、その表面ヒドロキシル基との相互反
    応によって錯化合または結合するものである請求項1又
    は2記載の研磨速度抑制化合物。
  4. 【請求項4】 前記研磨スラリーに添加すべき量を、
    0.05モル濃度になる量から使用温度における溶解度
    の濃度となる量までの間の量とした請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の研磨速度抑制化合物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6436835B1 (en) 1998-02-24 2002-08-20 Showa Denko K.K. Composition for polishing a semiconductor device and process for manufacturing a semiconductor device using the same
US6579153B2 (en) 2000-01-12 2003-06-17 Jsr Corporation Aqueous dispersion for chemical mechanical polishing and chemical mechanical polishing process
US7087530B2 (en) 2000-03-27 2006-08-08 Jsr Corporation Aqueous dispersion for chemical mechanical polishing

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