JP3159629B2 - ドリル送出機構付き超音波加工装置及びこれに用いる線状ドリル - Google Patents

ドリル送出機構付き超音波加工装置及びこれに用いる線状ドリル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工用ドリルに縦振動
あるいは捩じれ振動等の超音波振動を与えながら、ファ
インセラミクス等の難削材に微細孔を形成し、あるいは
これを研削する超音波加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファインセラミックス、ファイン
カーボン等の難削材に対する微細孔の加工には主として
超音波加工装置が使用されており、かかる目的で使用さ
れる従来の超音波加工装置としては、微小直径(例えば
直径0.07〜0.1mm程度)の線状ドリルが装着さ
れると共に、当該ドリルに20kHz以上の超音波振動
振動を印加する超音波振動子を備えたものが一般的であ
る。
【0003】そして、このような加工装置では、上記ド
リルとワークとを適当な加工圧で当接させると共に、ワ
ークの加工面とドリルとの当接位置には砥粒が分散され
た研削油剤を供給し、この状態で超音波振動子によって
ドリルに超音波振動を印加すると、かかる印加によって
生じたドリルの縦振動あるいは捩じれ振動に伴って砥粒
に運動エネルギが与えられ、ドリルの進出に伴いワーク
に微細孔が形成され、あるいは既にワークに形成されて
いた微細孔の下孔を研削することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
して行われる超音波加工では、ワークのみならずドリル
の先端も徐々に磨耗していくので、加工時間の累積に伴
い定期的にドリルの交換を行うことが要求される。しか
し、微細孔の加工に用いられる線状ドリルは前述のよう
にその直径が非常に小さいことから、加工中における磨
耗が特に激しく、かかる交換作業を頻繁に行わなければ
ならなかった。このため、例えばファインセラミクスに
微細孔を形成してなる光ファイバケーブルの接続コネク
タ等においては、その生産効率を高めることが困難であ
り、結果的に製品コストが嵩んでしまうという問題点が
あった。
【0005】また、上記線状ドリルは超音波加工装置に
設けられたコレットチャックによって把持固定されるの
であるが、当該線状ドリルはその直径が非常に小さいこ
とから、コレットチャックへの装着時における芯出しが
困難であり、一回のドリル交換作業に長時間を要する
他、交換後におけるワークの加工精度の維持が難しいと
いう問題点もあった。
【0006】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、線状ドリルの交
換作業を行うことなく長時間連続して加工を行うことが
でき、ワークに対する微細孔の加工精度及び加工効率を
著しく高めることが可能な超音波加工装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的を達
成する本発明の超音波加工装置は、線状ドリルに超音波
振動を与えながら被加工物に微細孔を形成する超音波加
工装置であって、先端が上記被加工物に当接すると共
に、ガイドパイプ内を進退自在に貫通する長尺な線状ド
リルと、上記ガイドパイプが貫通する超音波振動子と、
この超音波振動子の先端に固定され、上記ガイドパイプ
内から被加工物に向けて線状ドリルを連続的に送り出す
と共に、当該線状ドリルを把持固定するドリル送出手段
とから構成され、線状ドリルの磨耗に応じて当該ドリル
を被加工物に向けて連続的に送り出して使用されるもの
である。
【0008】このような技術的手段において、上記ドリ
ル送出手段としては、上記線状ドリルを被加工物へ向け
て所定量ずつ連続的に送出し、且つ、超音波加工に当た
り送出された線状ドリルを確実に把持し得るものであれ
ば、その構成を適宜設計変更しても差し支えない。
【0009】このドリル送出手段としては、例えばシャ
ープペンシルにおける芯送り出し機構の如く、上記線状
ドリルが進退自在に貫通すると共に、先端には当該線状
ドリルを把持するチャック爪を備えたチャックパイプ
と、このチャックパイプが進退自在に貫通すると共に、
上記チャック爪を締め付けるチャック座が形成されたチ
ャックガイドと、上記ガイドパイプの先端と上記チャッ
クパイプの後端とを連結して、当該ガイドパイプの進退
に応じてチャックパイプをチャックガイドに対して進退
させるノック部材とから構成することができる。このよ
うな構成によれば、上記ガイドパイプが進出した際にチ
ャック爪が開き、線状ドリルがチャックパイプから送り
出される一方、上記ガイドパイプが後退した際にチャッ
ク爪が線状ドリルを把持固定するので、ガイドパイプの
進退に応じて線状ドリルが被加工物へ向けて所定量ずつ
連続的に送出される。
【0010】また、このようなチャック爪を用いたドリ
ル送出手段においては、線状ドリルを把持するチャック
爪の先端が僅かずつではあるが磨耗するので、超音波加
工の累積時間に応じてチャック爪を交換できるよう、上
記ドリル送出手段が超音波振動子に対して着脱自在であ
ることが好ましい。
【0011】更に、上記線状ドリルを送出するためにガ
イドパイプを進退させる手段としては、例えばシャープ
ペンシルの如く後端方向に向かって弾性部材で付勢され
たガイドパイプを適宜手動で押圧するようにしても良い
が、線状ドリルの磨耗量に応じて自動的にこれを送出す
るという観点からすれば、上記ガイドパイプの後端にピ
ストン部材を設け、このピストン部材を空気圧、水圧あ
るいは油圧等の流体圧力に応じて進退させるのが好まし
い。
【0012】一方、本発明の超音波加工装置に用いる線
状ドリルとしては、例えば超硬タングステン、ピアノ線
等から形成された一様な径を有するもの(以下、台金)
であれば差し支えないが、上記ドリル送出手段が線状ド
リルを所定量ずつ送り出すことを考慮した場合、当該線
状ドリルには所定間隔毎にドリル送出手段の把持部を形
成すると共に、この把持部の外径を台金の外径よりも大
きく設定するのが好ましい。把持部の外径を大きく設定
する手法としては、台金の外周に把持部となるパイプを
所定間隔毎に嵌合させても良いし、台金の外周に所定間
隔毎にメッキ処理を施すようにしても良い。このように
把持部の外径を大きく設定すれば、ドリル送出手段で線
状ドリルの把持部を確実に保持することができる。
【0013】また、超音波加工の実施に当たっては、線
状ドリルと被加工物の当接位置に砥粒が分散された研削
油剤を供給する必要があるが、予め台金に砥粒が電着さ
れた線状ドリルを使用することで、研削油剤中に砥粒を
分散させる手間を省略することができる。この場合、砥
粒は台金の長手方向に沿って一様に電着する必要はな
く、前述した把持部の間にのみ電着しておけば良い。
【0014】ところで、超音波加工の実施中においては
線状ドリルと被加工物の当接位置に対して前述した研削
油剤を供給してやる必要があるが、上記線状ドリルは非
常に細いものなので、かかる当接位置の側方から研削油
剤を供給すると、線状ドリルの先端に振れが発生し、被
加工物に対する微細孔の加工精度が悪化する懸念があ
る。この点に関し、本発明では線状ドリルが挿通してい
るガイドパイプが超音波振動子を貫通しているので、上
記ガイドパイプ及びドリル送出手段を取り巻くように研
削却液の供給通路を配設し、この供給通路がガイドパイ
と共に超音波振動子を貫通するように構成すれば、かか
る研削油剤は線状ドリルの長手方向に沿って被加工物と
の当接位置に供給されることとなり、線状ドリルの先端
の振れを防止して加工精度の向上を図ることができる。
【0015】
【作用】このような技術的手段からなる本発明によれ
ば、超音波振動子を貫通するガイドパイプ内を線状ドリ
ルが貫通しており、上記超音波振動子の先端に固定され
たドリル送出手段が上記線状ドリルを被加工物に向けて
連続的に送り出し、且つ、これを把持固定するので、加
工時間の累積に伴い線状ドリルの先端が磨耗してきた場
合でも、上記ドリル送出手段で線状ドリルを送り出すこ
とにより、線状ドリルの交換作業を行うことなく連続し
て加工を継続することができる。
【0016】また、このように線状ドリルの交換作業を
行う必要がないので、従来交換作業の度に必要であった
線状ドリルの芯出し作業は一切不要となり、しかも超音
波加工装置に対する線状ドリルの取付精度を常に所定の
精度に維持することができる。
【0017】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の超音波加
工装置を詳細に説明する。◎第一実施例 図1は本発明を適用した超音波加工装置の第一実施例を
示すものである。同図において、符号1は先端が被加工
物(図示せず)に当接すると共にこの装置を上下に貫通
する長尺な線状ドリル、符号2は上記線状ドリル1に超
音波振動を与えるための振動子10並びに線状ドリルを
連続的に送出するためのドリル送出手段20が収納され
た加工ヘッド、符号3は上記線状ドリル1を振動子10
と共に正逆両方向へ回転させるサーボモータ、符号4は
研削油剤を当該装置に取り込むための取り入れ口41が
形成された研削油剤供給ユニット、符号5は上記ドリル
送出手段20に対して線状ドリル1の送り出しを行わし
めるエアシリンダユニットである。
【0018】先ず、上記加工ヘッド2について説明す
る。加工ヘッド2の先端には上記ドリル送出手段20が
配設されており、当該装置を貫通する線状ドリル1を把
持固定すると共に、上記エアシリンダユニット5の動作
に応じて線状ドリル1を加工ヘッド2の先端から被加工
物に向けて所定量ずつ繰り出すように構成されている。
【0019】図2に示すように、上記ドリル送出手段2
0は、上記線状ドリル1が進退自在に貫通すると共に先
端にチャック爪21を備えたチャックパイプ22と、こ
のチャックパイプ22が進退自在に貫通すると共に、先
端に上記チャック爪21を締め付けるチャック座23が
形成されたチャックガイド24と、上記チャックパイプ
22の後端に固定されると共に上記チャックガイド24
との間にスプリング25が介装されたノック部材26と
から構成されており、上記ノック部材26をチャックガ
イド24に向けて適宜押圧することにより、シャープペ
ンシルの芯送り出し機構の如く上記チャック爪21から
線状ドリル1が繰り出されるようになっている。すなわ
ち、ノック部材26を押圧するとチャック爪21がチャ
ック座23から浮き上がって開放され、線状ドリル1が
チャックパイプ内から送り出される一方、ノック部材2
6の押圧を解除すると、チャック爪21がチャック座2
3に引き込まれ、線状ドリル1がチャック爪21によっ
て把持固定されるものである。
【0020】上記ノック部材26は後に詳述するエアシ
リンダユニット5によって適宜押圧されるが、かかるエ
アシリンダユニット5の押圧力をノック部材26に伝達
する手段としては線状ドリル1と共に当該装置を貫通す
るガイドパイプ6が用いられている。図2においてノッ
ク部材26に連結されているパイプ6がこのガイドパイ
プであり、線状ドリル1はこのガイドパイプ6内を挿通
してエアシリンダユニット5からドリル送出手段20ま
で送り込まれている。
【0021】また、上記チャックガイド24の先端には
チャック爪21から繰り出される線状ドリル1を案内す
るガイドキャップ27が取付られているが、線状ドリル
1の一部分に極端な曲げ応力が集中するのを防止するた
め、かかるガイドキャップ27の先端部27aは直径の
異なる幾つかのパイプを入れ子式に連結して構成されて
いる。
【0022】図3は本実施例の装置で使用される線状ド
リル1を示すものである。この線状ドリル1は直径0.
07〜0.12mm程度の極細台金線1aの周囲にダイ
ヤモンド砥粒1bを一様に電着して形成されており、加
工に際して外部から砥粒を供給しなくても被加工物の研
削加工が行えるようになっている。
【0023】しかし、台金線1aの周囲にダイヤモンド
砥粒1bを一様に電着した場合には、ドリル送出手段2
0のチャック爪21がダイヤモンド砥粒1bの上から線
状ドリル1を把持することになり、線状ドリル1に印加
される超音波振動の影響でチャック爪21が早期に磨耗
することが懸念される。従って、図4に示すように、台
金線1aの周囲にダイヤモンド砥粒1bを所定間隔で電
着し、台金線1aが露出している部分をチャック爪21
の把持部1cとするのが好ましい。
【0024】また、前述したように線状ドリル1はその
直径が極端に細いものなので、そのままの台金線1aを
チャック爪21で把持したのでは、線状ドリル1の固定
不確実なものとなる懸念がある。従って、図5に示すよ
うに、チャック爪21による把持部1dの径をダイヤモ
ンド砥粒1bの電着部のそれよりも大きく設定し、この
大径把持部1dをチャック爪21で把持するのが好まし
い。把持部1dの径を大きく設定する方法としては、台
金線1aの周囲にパイプを嵌合させる方法や、メッキ処
理によって台金線1aの径を太らせる方法がある。
【0025】図6は、上記ドリル送出手段20によって
図5に示す線状ドリル1を把持固定した状態を示すもの
である。この図に示されるように、線状ドリル1はその
大径把持部1dがチャック爪21に固定されて使用さ
れ、線状ドリル1をチャック爪21から繰り出す場合に
は、次の大径把持部1dがチャック爪21によって把持
固定される。また、チャック爪21から繰り出された最
初の把持部1dはカッタによって線状ドリル1から切り
落とされ、これによって線状ドリル1の先端にはダイヤ
モンド砥粒1bの電着部が準備されることになる。
【0026】一方、図2において、線状ドリル1を案内
するガイドキャップ27の周囲にはこれを取り囲むよう
にして研削油剤の注油パイプ28が配列されており、前
述した研削油剤供給ユニット4から送られてきた研削油
剤が線状ドリル1の先端目がけて注がれるようになって
いる。上記研削油剤供給ユニット4から注油パイプ28
に至るまでの研削油剤の送油は、上記ガイドパイプ6を
取り囲むようにして配設された研削油剤の供給パイプ7
によって行われる。この供給パイプ7はガイドパイプ6
と共に上記サーボモータ3及び超音波振動子10を貫通
しており、上記ドリル送出手段20を覆うように配設さ
れた連結パイプ29によって上記注油パイプ28に連結
されている。また、図2中のA−A断面に示されるよう
に、上記供給パイプ7は被覆パイプ8によってガイドパ
イプ6の周囲に取りまとめられている。
【0027】このように、本実施例では超音波振動子1
0を貫通する線状ドリル1に沿って研削油剤の供給パイ
プ7を設け、線状ドリル1の先端に対しては当該ドリル
1の長手方向から研削油剤を注油するようにしたので、
被加工物の研削加工中において線状ドリル1の先端に振
れが発生するのを可及的に防止できるようになってい
る。
【0028】尚、上記供給パイプ7及び被覆パイプ8と
しては、図7に示すように、研削油剤の送油通路7′が
開設された多孔パイプ8′を用い、上記ガイドパイプ6
を多孔パイプ8′の中心に挿通させるようにしても良
い。このように構成すれば、多数の供給パイプ7を被覆
パイプ8で束ねる手間を省略することができる。
【0029】次に、上記線状ドリル1を超音波振動子1
0と共に回転させるための構成について説明する。上記
加工ヘッド2のハウジング2aには上記サーボモータ3
の出力軸30に連結されたロータ11が内装されてお
り、かかるロータ11は上記ハウジング2aに対して回
転自在に支承されている。
【0030】図8は上記ロータ11を示すものである。
このロータ11はロータ本体11a及びこれに固定され
るロータカバー11bとから構成されており、これらの
結合によって形成される中空部内に後述する超音波振動
子10及びホーン12が収納されている。また、上記ロ
ータ本体11aの外周面にはその円周方向に沿ったスリ
ップリング13が2箇所に設けられており、このスリッ
プリング13は上記超音波振動子10の圧電素子10a
に接続されている。従って、このスリップリング13に
対してハウジング2a側から付勢された給電ブラシ14
を摺接させることで、回転するロータ11内の超音波振
動子10に電源を接続することができるようになってい
る。
【0031】ロータ11内に収容される超音波振動子1
0は、図9に示されるように、上記環状電極13からの
リード線が接続された圧電素子10aと、この圧電素子
10aを挟むようにして互いに固定された前面板10b
及び裏打板10cとから構成され、上記前面板10bの
一端に形成された延長部15が圧電素子10a及び裏打
板10cを貫通している。また、上記前面板10bの外
周面には超音波振動の節となる位置に対応してフランジ
部16が設けられており、ロータカバー11bをロータ
本体11aに固定した際に上記フランジ部16がこれら
の間に挟み込まれ、超音波振動子10がロータ11の内
周面に対して非接触で固定されるようになっている。
【0032】一方、図8に示すように、上記前面板10
bには当該超音波振動子10で発生した超音波振動を前
述のドリル送出手段20に伝達するホーン12が固定さ
れており、かかるホーン12の先端には前述のドリル送
出手段20を装着するための収容室17が形成されてい
る。この実施例において上記ドリル送出手段20はホー
ン12に対して着脱自在であり、上記収容室17にドリ
ル送出手段20を装着した際に、ドリル送出手段20の
ノック部材26がガイドパイプ6と連結され、且つ、連
結パイプ29が被覆パイプ8と連結されるようになって
いる(図2参照)。また、ホーン12に対するドリル送
出手段20の固定は、当該ドリル送出手段20を収容室
17に装着した後に、ホーン12の先端に止めキャップ
18を螺合させて行う。従って、かかる止めキャップ1
8を外せば容易にドリル送出手段20を交換することが
できる。
【0033】尚、この実施例においてホーン12は前面
板10bに形成された雌ねじ19に螺合し、超音波振動
子10と強固に固定されている。また、前面板10bの
延長部15及びホーン12の先端部はボールブッシュ9
を介してロータ本体11aあるいはロータカバー11b
に夫々支承されており、かかるボールブッシュ9がロー
タ本体11a及びロータカバー11bに対する超音波振
動の伝播を防止している。
【0034】そして、以上のように構成された本実施例
の装置の加工ヘッド2においては、サーボモータ3の出
力軸30が回転すると、これに連結されたロータ11が
回転を生じ、線状ドリル1を超音波振動子10と共に回
転させながら被加工物に対して研削加工を施すことがで
きるものである。
【0035】一方、超音波振動子10の発熱によるロー
タ11の寸法精度の変化を抑えるため、本実施例の加工
ヘッド2のハウジング2aには圧搾空気が対流する空冷
ジャケット31が設けられている。かかる圧搾空気は前
述の研削液供給ユニットに形成された空気取り入れ口4
2から当該装置に取り込まれ、中空状に形成されたサー
ボモータ3の出力軸30を介して上記加工ヘッド2のハ
ウジング2a内に送り込まれる。
【0036】次に、上記ガイドパイプ6を介してドリル
送出手段20のノック部材26を押圧するエアシリンダ
ユニット5について説明する。かかるユニット51は、
図10に示すように、空圧室が形成されたシリンダ部材
52と、上記ガイドパイプ6に連結されると共に線状ド
リル1が貫通する動作ロッド53と、この動作ロッド5
3に固定されると共にシリンダ部材52の内部を進退す
るピストン部材54と、上記空圧室に作動空気を送り込
むポート55,56を備えたハウジング57とから構成
されている。尚、図中において、符号58はガイドパイ
プ6の回転を上記動作ロッド53に伝達することなく両
者を連結するクラッチ部材である。
【0037】このような構成のもと、ポート55を通じ
てシリンダ部材52の空圧室へ作動空気を圧送すると、
ピストン部材54は動作ロッド53を引き戻し、ガイド
パイプ6のノック部材26の押圧が解除される。その結
果、ドリル送出手段20ではチャック爪21が線状ドリ
ル1を把持固定する。一方、ポート56を通じてシリン
ダ部材52の空圧室へ作動空気を圧送すると、ピストン
部材54は動作ロッド53を押圧し、ガイドパイプ6が
ノック部材26を押圧する。その結果、ドリル送出手段
20ではチャック爪21が開き、線状ドリル1がガイド
キャップ27の先端から繰り出される。従って、圧搾空
気を導くポートを適宜切り替えることによってドリル送
出手段20が作動し、線状ドリル1が加工ヘッド2から
被加工物に向けて所定量ずつ繰り出される。尚、図10
はピストン部材54が動作ロッド53を引き戻している
状態を示している。
【0038】そして、以上のように構成された本実施例
の超音波加工装置によれば、上記エアシリンダユニット
5を動作させることにより、ドリル送出手段20から連
続的に線状ドリル1が繰り出されるので、線状ドリル1
の先端が磨耗した場合であっても、線状ドリル1の交換
作業を行うことなく連続的に被加工物の研削加工を実施
することができるものである。
【0039】◎第二実施例 次に、本発明の超音波加工装置の第二実施例について説
明する。前述の第一実施例では予めダイヤモンド砥粒が
電着された線状ドリル1を用いたが、この実施例の装置
では研削油剤中に砥粒を分散させ、線状ドリル1として
は砥粒が未電着の台金線を用いるようにした。
【0040】このため、図11のB−B断面に示される
ように、ガイドパイプ6の周囲を供給パイプ7a,7b
で二重に取り囲み、一方の供給パイプ7aを研削油剤用
の供給パイプに、他方の供給パイプ7bを砥粒用の供給
パイプとし、ドリル送出手段20を覆う連結パイプ29
内において砥粒が研削油剤中に分散されるようにした。
また、図示はしないが、第一実施例の研削油剤供給ユニ
ット4には砥粒専用の取り入れ口を設け、上記砥粒用供
給パイプ7bが研削油剤用供給パイプ7aと共にサーボ
モータ3及び超音波振動子10を貫通するように構成し
た。
【0041】このように研削油剤と砥粒とを別々に当該
装置に取り入れるようにしたのは、砥粒の過剰供給を防
止するためである。すなわち、研削油剤は絶えず線状ド
リル1の先端に供給している必要があるが、砥粒は研削
加工の進展状況に応じて断続的に供給すれば足りるから
である。従って、本実施例では砥粒の無駄使いを防止し
ながら、前述の第一実施例と同様、線状ドリル1の交換
を行うことなく連続的に被加工物の研削加工を実施する
ことができる。
【0042】尚、この第二実施例におけるその他の構成
は前述の第一実施例と同じなので、ここではその説明を
省略する。
【0043】また、前述の第一実施例及び第二実施例で
はサーボモータ3の出力軸30を加工ヘッド2のロータ
11に直接連結したが、サーホモータを加工ヘッド2と
隣接配置し、タイミングベルトやギヤを用いてサーボモ
ータの出力軸の回転をロータ11に伝達するようにして
も良い。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の超音
波加工装置によれば、加工時間の累積に伴い線状ドリル
の先端が磨耗してきた場合でも、上記ドリル送出手段で
線状ドリルを送り出すことにより、線状ドリルの交換作
業を行うことなく被加工物に対して連続して加工を施す
ことができるので、手間のかかる線状ドリルの交換作業
が不要となり、加工効率を著しく高めることが可能とな
る。
【0045】また、線状ドリルの交換作業が不要となる
ことから、超音波加工装置に対する線状ドリルの取付精
度が損なわれることもないので、常に所定の精度を維持
して被加工物に加工を施すことができ、被加工物の加工
精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超音波加工装置の第一実施例を示す
概略構成図である。
【図2】 第一実施例に係るドリル送出手段を示す拡大
図である。
【図3】 第一実施例の超音波加工装置に使用する線状
ドリルを示す斜視図である。
【図4】 図3に示す線状ドリルにチャック爪の把持部
を形成したものを示す斜視図である。
【図5】 図4に示す線状ドリルの把持部を太らせたも
のを示す斜視図である。
【図6】 図5に示す線状ドリルのドリル送出手段にお
ける把持固定状態を示す斜視透視図である。
【図7】 第一実施例に係る供給パイプ及び被覆パイプ
の変形例を示す断面図である。
【図8】 第一実施例に係る加工ヘッドのロータを示す
断面図である。
【図9】 第一実施例に係る超音波振動子を示す正面図
である。
【図10】 第一実施例に係る研削油剤供給ユニット及
びエアシリンダユニットを示す拡大図である。
【図11】 第二実施例に係るドリル送出手段の周辺を
示す拡大図である。
【符号の説明】
1…線状ドリル、6…ガイドパイプ、10…超音波振動
子、20…ドリル送出手段、21…チャック爪、22…
チャックパイプ、23…チャック座、24…チャックガ
イド、26…ノック部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 37/00 B24B 1/04 B24D 5/00,7/18 B26D 7/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状ドリルに超音波振動を与えながら被
    加工物に微細孔を形成する超音波加工装置であって、 先端が上記被加工物に当接すると共に、ガイドパイプ内
    を進退自在に貫通する長尺な線状ドリルと、上記ガイド
    パイプが貫通する超音波振動子と、この超音波振動子の
    先端に固定され、上記ガイドパイプ内から被加工物に向
    けて線状ドリルを連続的に送り出すと共に、当該線状ド
    リルを把持固定するドリル送出手段とから構成されるこ
    とを特徴とする超音波加工装置。
  2. 【請求項2】 上記ドリル送出手段は、上記線状ドリル
    が進退自在に貫通すると共に、先端には当該線状ドリル
    を把持するチャック爪を備えたチャックパイプと、この
    チャックパイプが進退自在に貫通すると共に、上記チャ
    ック爪を締め付けるチャック座が形成されたチャックガ
    イドと、上記ガイドパイプの先端と上記チャックパイプ
    の後端とを連結して、当該ガイドパイプの進退に応じて
    チャックパイプをチャックガイドに対して進退させるノ
    ック部材とから構成されることを特徴とする請求項1記
    載の超音波加工装置。
  3. 【請求項3】 上記ドリル送出手段が超音波振動子に対
    して脱着自在であることを特徴とする請求項2記載の超
    音波加工装置。
  4. 【請求項4】 流体圧力に応じて進退するピストン部材
    を上記ガイドパイプの後端に連結したことを特徴とする
    請求項2又は請求項3記載の超音波加工装置。
  5. 【請求項5】 研削油剤を上記線状ドリルの先端に供給
    する液通路が上記ガイドパイプ及びドリル送出手段を取
    り巻くように設けられ、上記ガイドパイプと共に超音波
    振動子を貫通していることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の超音波加工装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の超音波加工装置に用いら
    れる線状ドリルであって、 一様な径を有する長尺な台金の長手方向に沿って上記チ
    ャック爪の把持部が所定間隔で形成されると共に、当該
    把持部の径が上記台金の径よりも大きいことを特徴とす
    る線状ドリル。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の超音波加工装置に用いら
    れる線状ドリルであって、 一様な径を有する長尺な台金の長手方向に沿って砥粒電
    着部が間欠的に形成されると共に、互いに隣接する砥粒
    電着部の間が上記チャック爪の把持部となっていること
    を特徴とする線状ドリル。
  8. 【請求項8】 上記把持部の外径が上記砥粒電着部と同
    等あるいはそれ以上の径に形成されていることを特徴と
    する請求項7記載の線状ドリル。
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