JP3159606U - 刃物 - Google Patents

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【課題】ナノレベルのサイズのダイヤモンド微粒子を用いて良好な切れ味を維持することができる刃物を提供する。【解決手段】刃物の刃体1の刃先部分には、めっき膜2が形成されている。めっき膜2は、金属マトリックス中に平均粒径1nm〜1000nmのダイヤモンド微粒子が均一に分散されており、刃付け処理により刃先尖端にめっき膜が露出している。めっき膜からは高硬度のダイヤモンド微粒子が露出して良好な切れ味が維持され、また刃先尖端に刃こぼれや折損等が生じにくくなって耐久性が向上する。【選択図】図1

Description

本考案は、ナイフ、包丁、バリカン、はさみ、等の手持ち用刃物、メス等の医療用刃物、食品切断用又はプラスチック切断用の切断機械用刃物といった刃物に関する。
上述した刃物では、切断する際の良好な切れ味とともにその切れ味を維持する耐久性が求められている。こうした刃物では、金属製の基体の刃先を研磨して鋭利となるように形成し、切れ味を維持するようにしているが、刃先が刃こぼれしやすい欠点があった。
例えば、冷凍食品、半解凍食品などのような比較的硬い食材を刃物を用いて加工する場合、刃物本体への機械的衝撃力が大きいため、刃物が欠けたり折損しやすく、また加工する際の刃物の摩耗量が大きいため切れ味が劣化しやすく刃物の寿命が短くなるとった問題がある。
そのため、刃物の耐久性を向上させるための改良工夫が提案されている。例えば、特許文献1では、刃先に高硬度のセラミック層を形成することが提案されており、セラミック層の表面に金属コーティング層を被覆し、刃先において平面研削されたセラミック層の平面が露出するようにしている。
また、特許文献2では、粒径100μm以下のダイヤモンド粒子をチタン合金粒子とともに圧縮成型して焼結した焼結物に、刃付け加工を施してダイヤモンド粒子がほぼ一線上に配列固定された刃先を形成する点が記載されており、刃先にダイヤモンド粒子を用いることで良好な切れ味を持続するようにしている。また、特許文献3では、外刃本体1の内刃2と接触する内側摺接面部を、Ni又はNi合金からなる金属マトリックス中にダイヤモンドを含む複合材微粒子を均一に分散させて耐磨耗性を有するようにした電気かみそり用外刃が記載されている。
特許第3402849号公報 特許第3641794号公報 特開平11−319340号公報
上述した特許文献では、刃先に金属コーティング層やダイヤモンド粒子等を分散させて良好な切れ味を維持するようにしているが、金属コーティング層では微細な刃こぼれが生じやすく、またダイヤモンド粒子等を分散させた場合には粒子の脱離が生じて良好な切れ味が維持できないおそれがある。
ダイヤモンド粒子のサイズが大きい場合金属コーティング層から脱離しやすくなるため、ダイヤモンド粒子のサイズを小さくすることが考えられるが、ダイヤモンド粒子のサイズが小さくなると、凝集しやすくなって均一に分散させることが困難になる。そのため、ダイヤモンド粒子の分布が不均一となり、金属コーティング層の硬度にムラが生じるようになって耐久性の面で弱くなる。
そこで、本考案は、ナノレベルのサイズのダイヤモンド微粒子を用いて良好な切れ味を維持することができる刃物を提供することを目的とする。
本考案に係る刃物は、金属マトリックス中に平均粒径1nm〜1000nmのダイヤモンド微粒子を均一に分散した複合めっき膜が少なくとも刃先に形成されていることを特徴とする。さらに、前記複合めっき膜中の前記ダイヤモンド微粒子の含有率が0.1〜30容量%であることを特徴とする。さらに、前記複合めっき膜は、金属めっき液中に、親水性ポリマー又はイオン性官能基が導入された平均粒径1nm〜1000nmのダイヤモンド微粒子及びイオン性又は非イオン性の界面活性剤が均一に分散している複合めっき液を用いて無電解めっき処理により形成されていることを特徴とする。
本考案は、上記のような構成を有することで、金属マトリクス中に平均粒径1nm〜1000nmのダイヤモンド微粒子を均一に分散させた複合めっき膜を少なくとも刃先に形成しているので、ダイヤモンド微粒子の存在により高硬度の材料を切断する場合にも刃こぼれがほとんど生じることなく良好な切れ味を維持する刃物を得ることができる。
すなわち、ダイヤモンド微粒子のサイズが小さく均一に分散しているので、めっき膜を薄くすることができ、めっき膜を形成した刃先の角度を鋭利な状態に設定することが可能となる。そして、ダイヤモンド微粒子のサイズがナノレベルと小さいため金属マトリクス中に埋め込まれて粒子の保持力が増加し、ダイヤモンド微粒子が脱離しにくくなる。さらに、刃先を刃付け処理により研磨する場合には、金属マトリクスの内部にまでダイヤモンド微粒子が均一に分散しているので、研磨後の刃先にもダイヤモンド微粒子が露出して切れ味を維持することができる。
また、ナノレベルのサイズのダイヤモンド微粒子を用いることで刃先面の平滑性が向上するようになり、刃物の摺動性が改善し切断後の切断面をより平滑化することができる。
本考案の実施形態に関する正面図である。 刃先部分に関するA−A断面図である。 複合めっき膜の断面を撮影したSEMの拡大写真である。 切れ味試験装置に関する概略構成図である。 切れ味試験の試験結果を示すグラフである。 耐久性試験の試験結果を示すグラフである。
以下、本考案に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本考案を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本考案は、以下の説明において特に本考案を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本考案の実施形態に関する正面図である。この例では、刃物として包丁の刃先に、ナノレベルのサイズのダイヤモンド微粒子が均一に分散しためっき膜が形成されている。包丁は、刃体1の一方の端部に手で把持するための把持部3が取り付けられている。刃体1はステンレス等の金属製で、刃先部分には両面にめっき膜2が形成されている。
めっき膜2の膜厚は、5μm〜20μmで、より好ましくは10μm〜15μmである。膜厚が5μmよりも薄くなるとめっき膜2が剥離しやすくなり、20μmよりも厚くなると、めっき膜2により形成される刃先角度が大きくなって切れ味に悪影響を与えるようになる。
図2は、刃先部分に関するA−A断面図である。刃体1の両側面にはめっき膜2が形成されており、刃先部分の一方の側面には刃付け面10が公知の研磨器により形成されている。したがって、刃付け面10ではめっき膜2が研削されて除去され刃体1が露出している。刃付け処理により形成された刃先尖端11は、他方の側面に形成されためっき膜2が延設されて鋭利な形状(刃先角度;24度〜27度)に形成されている。
めっき膜2の内部にはダイヤモンド微粒子が均一に分散しているので、刃先尖端11を刃付け処理により形成する際にめっき膜2が研磨されてもその表面にダイヤモンド微粒子が露出するようになる。そのため、刃先尖端11の硬度が向上するとともに刃こぼれが生じにくくなり、冷凍食品や半解凍食品を包丁により加工する場合にも刃先の欠けや折損を抑えて切れ味を維持することができ、耐久性が向上する。
また、ナノレベルのサイズのダイヤモンド微粒子が刃先尖端11の表面に露出しているので、表面の平滑性が向上するようになる。そのため、包丁により冷凍食材や半解凍食品を切断する場合に平滑な切断面を形成することができ、食材に与えるダメージを最小限にすることが可能となる。
めっき膜2は、金属めっき液にナノレベルのサイズのダイヤモンド微粒子を均一に分散させた複合めっき液を、電界めっき処理又は無電解めっき処理により形成することができる。
本考案において使用される金属めっき液としては特に制限はないが、ニッケルイオン、コバルトイオン、銅イオン、金イオン、鉄イオン、パラジウムイオン、白金イオン、スズイオン及びロジウムイオンよりなる群から選ばれた1種又は2種以上の金属イオンを含むものが使用でき、特に好ましいものとしてはニッケルイオンを含む金属めっき液が挙げられる。
本考案に使用するダイヤモンド微粒子としては、平均粒径が1nm〜1000nm、好ましくは10nm〜1000nm、特に好ましくは10nm〜200nmのものを使用するとよい。こうしたダイヤモンド微粒子は、通常入手可能な多結晶タイプ、単結晶タイプ、クラスタータイプのものを用いることができる。摺動特性の優れた複合めっき膜を得るには、粒径の小さいものを用いるとよい。
金属めっき液中にてダイヤモンド微粒子を均一に分散させるために、ダイヤモンド粒子の表面に親水性ポリマー又はイオン性官能基を導入するが、例えば、カチオン性官能基の場合、酸性領域下で容易にプロトンと結合してオニウムを形成するアミノ基、チオール基、水酸基、ホスフィン基等が挙げられる。この中でも、最もオニウムを形成しやすいアミノ基が好ましく、二つのアミノ基を有するアミジン骨格がさらに好ましい。
そのため、ダイヤモンド微粒子と反応させるアゾ系ラジカル開始剤は、アミジン骨格を有するものが好ましい。アミジンは塩酸塩になっていても環状体でもよい。具体的に列挙すると、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。これらは市販されており容易に入手できる。
イオン性官能基を導入したダイヤモンド微粒子を分散させた水性分散液を製造するには、ダイヤモンド微粒子をアゾ系ラジカル開始剤と水系溶媒中で反応させて行う。水系溶媒中にダイヤモンド微粒子及びアゾ系ラジカル開始剤を混合して、加熱又は光照射によりラジカル反応を開始させればよい。加熱する場合は50℃以上、好ましくは65〜75℃に加熱すれば十分であり、数十時間で反応は完了する。反応の速度は、アゾ系ラジカル開始剤の量に依存し、ダイヤモンド微粒子の重量の0.1〜5倍量のアゾ系開始剤を用いることが好ましい。アゾ系開始剤の量が5倍量を越えるとダイヤモンド微粒子に導入される有機物の量は増加しなくなり、0.1倍量未満ではダイヤモンド微粒子に導入される有機物が少なく分散性が不十分になる。
水系溶媒は、水、又は水と水溶性溶媒との混合物であり、通常は水を用いればよい。使用するアゾ系ラジカル開始剤が水に溶解しない場合には、水溶性溶媒を適宜混合して用いることができる。水溶性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、エチレングリコール、グリセリン、低分子量ポリエチレングリコール等の脂肪族ポリオール、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン等の含硫黄溶媒、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の含燐溶媒等が挙げられる。
反応時のダイヤモンド微粒子の濃度は、1〜20重量%であることが好ましく、さらに5〜10重量%が好ましい。濃度が20重量%よりも高くなるとダイヤモンド微粒子が凝集してしまい、凝集したダイヤモンド微粒子とアゾ系ラジカル開始剤との間の反応が不十分となってをイオン性官能基を導入するのが難しくなり、1重量%未満では複合めっき液中のダイヤモンド微粒子の濃度が低下して複合めっき膜中のダイヤモンド微粒子の共析量が低下する。
上述の方法で得られたダイヤモンド微粒子の水性分散液は、そのまま金属めっき液中に添加することもできるが、未反応のアゾ系ラジカル開始剤や過剰な塩類を除くために分離・洗浄といった処理を行うことが好ましい。分離方法としては、濾過、遠心分離等の方法が用いられる。濾材としては0.1μm程度のメンブランフィルターが分離ロスが少なく好ましい。洗浄する場合には通常脱塩水を用いるが、残存するアゾ系ラジカル開始剤等の有機物を除去しやすいように水溶性の有機溶媒を適宜混合してもよい。また、pHを調整するために、各種塩類を溶解して用いることもできる。
水性分散液中でのダイヤモンド微粒子の再凝集を抑制するためには、水性分散液をpH3〜8の範囲に調整することが好ましい。強酸又は塩基の液性の場合には、ダイヤモンド微粒子の表面の電荷が対イオンによって中和され、電荷反発による分散安定性が阻害される。pH調整剤としては、燐酸1水素塩、燐酸2水素塩、炭酸水素塩、炭酸塩、水酸化物等が挙げられるが、これらのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等を用いることもできる。
また、ダイヤモンド微粒子の表面に導入する官能基を親水性ポリマーにすることで、微粒子表面における高分子鎖による立体反発力を高めて、ダイヤモンド微粒子を安定して分散させることもできる。
この場合、アゾ系ラジカル開始剤の両末端を水酸基からCl(塩素)末端に変換し、次いで得られる化合物に高分子鎖を付与することができる。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)残基、ポリジメチルシロキサン(PDMS)残基等が挙げられる。水酸基からCl末端への変換は、公知の酸クロライド化反応の反応条件を広く適用できる。引き続き行われる高分子との反応は、一般的な脱塩化水素反応であり、通常、塩基性化合物の存在下で行うのが有利である。ここで、PEG残基としては、具体的には、
−(CH2CH2O)−(nは約4以上、好ましくは約10以上の整数)
が挙げられる。また、PDMS残基としては、
−[Si(CH32−O]−(mは約3以上、好ましくは40以上の整数)
が挙げられる(特開2006−219591号公報参照)。
また、ダイヤモンド微粒子に対して、アミノ基含有シランカップリング剤又はアミノ基含有シリコーンオイルにより乾式下で表面処理してその表面にアミノ基を導入し、導入されたアミノ基についてアクリル酸メチルのマイケル付加反応及びジアミンによる末端アミノ化を乾式下で繰り返すことによりグラフト反応させて、ポリアミンデンドリマーをダイヤモンド微粒子の表面に形成することも可能である(特開2001−106940号公報参照)。
以上説明した親水性ポリマー又はイオン性官能基を導入したダイヤモンド微粒子をそのまま金属めっき液中に添加しても、金属めっき液中ではニッケルイオン等の電解質イオンの強いイオン強度の影響を受けるため、ダイヤモンド微粒子間に働く静電的反発力が打ち消され、凝集・沈殿を生じてしまう。
そのため、こうしたダイヤモンド微粒子の凝集・沈殿を抑制し、金属めっき液中でダイヤモンド微粒子を安定して分散させるために、分散剤として界面活性剤を添加することが好ましい。添加する界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性等のイオン性界面活性剤、又は非イオン性界面活性剤が挙げられる。例えば、イオン性界面活性剤の場合、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等であり、これらはダイヤモンド微粒子の表面に導入したイオン性官能基により適宜選択すればよい。ここで用いるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6の整数である。
また、親水性ポリマーを導入したダイヤモンド微粒子の場合、非イオン系界面活性剤を用いることが好ましく、例えばPEGの場合ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテルやアルキルフェノール系の界面活性剤が挙げられる。
分散剤として用いる界面活性剤は、分子量30,000〜200,000の単独重合体又は共重合体の界面活性剤が好ましい。分子量が200,000よりも大きいと、ダイヤモンド微粒子間架橋を引き起こし、分散剤よりもむしろ凝集剤として作用するようになる。また、分子量が30,000よりも小さいと、吸着速度は速くてもダイヤモンド微粒子からの脱着が起こりやすくなって分散剤としての効果は小さくなる。
上述のように作製された分散液を金属めっき液に添加して複合めっき液を製造する場合、ダイヤモンド微粒子の添加量は、複合めっき液中の組成において0.5〜10g/リットルであることが好ましい。ダイヤモンド微粒子の添加量をこの範囲に調整した複合めっき液を用いてめっき処理すれば、めっき膜中にダイヤモンド微粒子を均一に分散させることができ、さらにダイヤモンド微粒子の含有率を0.1〜30容量%の範囲で調整することもできる。
また、複合めっき液に使用する還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン等の次亜リン酸塩やアミンボラン類、またはヒドラジン塩等が挙げられる。複合めっき液中の還元剤の濃度は、使用する還元剤の種類や析出させる金属により相違するが、複合めっき液中の組成において20〜50g/リットルであることが好ましい。
また、複合めっき液の調整にあたっては、ダイヤモンド微粒子の分散状態を妨げない範囲で錯化剤を添加することが好ましい。複合めっき液に使用できる錯化剤としては、クエン酸、乳酸、コハク酸、マロン酸、プロピオン酸、アジピン酸、リンゴ酸、グリコール酸等の有機酸やこれらの水溶性塩が挙げられ、これらのうち一種又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。添加する錯化剤の濃度は、複合めっき液中の組成において10〜40g/リットルであることが好ましい。
上述にように製造された複合めっき液を用いて公知の無電解めっき処理を実施する場合、ダイヤモンド微粒子が安定して分散された複合めっき液に刃体1の刃先部分を浸漬させることにより、刃先部分の表面において、金属マトリックス中にダイヤモンド微粒子がナノレベルで均一に分散されためっき膜2を形成させることができる。
また、めっき処理を実施する場合には、金属イオンの還元反応を促進させ、複合めっき膜の析出速度を一定に保つために、複合めっき液の酸性度をpH3〜5にすることが好ましい。複合めっき液のpHを調整するためには、塩酸、硫酸、スルファミン酸等の酸性溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等のアルカリ性溶液を調整剤として適宜添加することができる。
さらに、析出速度を保つためには、めっき処理中の浴温を85〜90℃に調整して実施することが好ましい。また、必要に応じて、めっき処理中に複合めっき液を撹拌したり、被めっき体を揺動させることで、めっき効率を向上させたり、複合めっき膜の外観及び膜厚を一定に保つことができる。
以上に説明した複合めっき液の製造方法及びそれを用いた複合めっき方法について、好ましい形態の一つとしては、例えば、上述したような親水性ポリマー又はイオン性官能基を導入したダイヤモンド微粒子(平均粒径;1nm〜1000nm)及び界面活性剤を複合めっき液中に均一に分散させたNi−P無電解複合めっき液(下記組成参照)及びそれを使用した複合めっき方法が挙げられる。
<無電解複合めっき液の組成>
・硫酸ニッケル六水和物 25〜30g/リットル
・界面活性剤 0.5〜10g/リットル
・ダイヤモンド微粒子 0.5〜10g/リットル
・リンゴ酸(錯化剤) 10〜50g/リットル
・コハク酸(錯化剤) 10〜50g/リットル
・次亜リン酸ナトリウム(還元剤) 20〜50g/リットル
この複合めっき方法では、液温85〜90℃、pH4〜5に調整した上記の無電解複合めっき浴に、刃体1を30〜60分程度浸漬させて無電解複合めっきを行い、刃体1の刃先表面にNi−Pマトリックス中にダイヤモンド微粒子が均一に分散した複合めっき膜が形成される。
この複合めっき方法によれば、5〜20μmの複合めっき膜を刃体1の表面に形成でき、膜の内部に平均粒径が1nm〜1000nmに調整されたダイヤモンド微粒子を均一に分散することが可能となる。そして、ダイヤモンド微粒子の析出量を0.1〜30容量%にすることができ、刃先表面を高硬度にするのに十分な量のダイヤモンド微粒子を析出させることが可能となる。
上記の無電解複合めっき液を用いて無電解複合めっき処理を行う上で、めっき処理の進行により金属イオンが還元剤によって金属に還元され、また、ダイヤモンド微粒子が共析するにことにより、複合めっき液中の金属イオン濃度、還元剤濃度及びダイヤモンド微粒子濃度が低下し、またpHも低下することになる。
したがって、連続的に又は一定時間毎に複合めっき液中に金属塩、還元剤、ダイヤモンド微粒子及びpH調整剤を補給して、それらの濃度を建浴状態に維持することが好ましい。この場合、金属イオン、還元剤、ダイヤモンド微粒子の濃度の低下量及びpHの変化量と、複合めっき膜の析出量は互いに比例関係にあると考えられる。また、複合めっき膜の析出速度は、複合めっき液の濃度が初期濃度と同じであれば、同一めっき条件においてほぼ一定であると考えられるため、一定時間毎に一定量の金属塩、還元剤、ダイヤモンド微粒子及びpH調整剤を適量補給することにより、複合めっき液中の濃度をほぼ初期濃度に維持することができる。
無電解複合めっき液は、めっき処理で消費される金属塩等の補給を行うことにより、少なくても2ターン、一般的には、3〜4ターン程度まで良好に複合めっき処理を続けることができ、連続的にめっき処理を行っても、表面が平滑で均一性に優れた複合めっき膜を安定して形成でき、また、析出速度やダイヤモンド微粒子の共析量の低下も少ない。ここで、1ターンとは、無電解複合めっき液中の初期金属イオン濃度に相当する量の金属が析出した時点での複合めっき液の状態を表しており、複合めっき液の消耗度を示す。
以下に実施例を挙げ、本考案をさらに詳しく説明するが、本考案はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
<アニオン性官能基導入ダイヤモンド微粒子の作製>
ダイヤモンド微粒子は、住石マテリアルズ株式会社製のSCMファインダイヤ(平均粒径;250nm)を用いた。また、ダイヤモンド微粒子の表面にアニオン性官能基を導入するマクロアゾ開始剤として、和光純薬工業株式会社製の「V−501(4,4’−azobis(4−cyanoantanoic acid))」(以下「V−501」という)を使用した。
撹拌子と冷却管、熱電対を備えた100ミリリットル丸底フラスコ中にダイヤモンド微粒子(2.0g)及びV−501(2.0g)を加え、次いでメタノール溶媒200ミリリットルを加えて撹拌しながら、窒素雰囲気下で50℃に加熱して24時間反応させた。24時間反応させた後、ダイヤモンド微粒子の表面に対するアニオン性官能基の導入量を増やすために、V−501(2.0g)をメタノール20ミリリットルに溶解させ、24時間反応させた溶液に添加し、さらに窒素雰囲気下で50℃に加熱して24時間反応させた。
反応終了後、反応溶媒を除去して未反応のモノマーを除去した。ダイヤモンド微粒子の表面において物理的に吸着しているモノマーを完全に除去するために、再度メタノールを100ミリリットル加え、超音波処理によりダイヤモンド微粒子を分散させ、1.5×104rpmで約60分間遠心分離を行った。遠心分離後、メタノールを除去して得られたダイヤモンド微粒子を吸引乾燥により乾燥した。
乾燥させたダイヤモンド微粒子(1.0g)に、0.1M−NaOH水溶液100ミリリットルを加えて超音波処理により分散させ、マグネティックスターラーで撹拌しながら、60℃に加熱して6時間以上洗浄を行った。洗浄した後、反応生成物と溶媒を分離するために、1.5×104rpmで約60分間遠心分離を行った。遠心分離後、上澄のNaOH水溶液を除去して純水30ミリリットルを加え、超音波処理によりダイヤモンド微粒子を分散させる中和処理を行った。この中和処理は、ダイヤモンド微粒子を含む溶液が中性になるまで数回繰り返し行った。
こうして作製されたアニオン性官能基導入ダイヤモンド微粒子を純水100ミリリットルに分散させて、2重量%のダイヤモンド微粒子分散液を得た。
得られたダイヤモンド微粒子分散液を金属めっき液に添加し、下記の組成の複合めっき液を調製した。
<複合めっき液の組成>
・硫酸ニッケル六水和物 30g/リットル
・界面活性剤 5g/リットル
・酢酸ナトリウム 12g/リットル
・クエン酸ナトリウム 12g/リットル
・次亜リン酸ナトリウム 24g/リットル
・ダイヤモンド微粒子 2g/リットル
調製した複合めっき液は、硫酸又は水酸化アンモニウム溶液を適宜添加してpH5.0に調整した。次に、複合めっき液の温度を90℃(複合めっき液の使用温度)に昇温させた。このとき、複合めっき液中のダイヤモンド微粒子は、良好な分散状態を維持しており、製造された複合めっき液は、使用温度に昇温しても安定した分散状態を保持することが確認できた。分散状態は、沈殿の有無及び複合めっき液の色等を目視でチェックして良好な分散状態であることを確認した。
複合めっき液を用いて刃体(材料;ステンレス鋼(SUS304))に複合めっき処理を行った。刃体を複合めっき液に浸漬し、刃体全面に複合めっき処理を60分間行った。複合めっき処理した刃体に対して、膜厚計測装置(株式会社キーエンス製;VH−Z450)を用いて複合めっき膜の膜厚を測定し、膜厚は約7μmであった。
図3は、形成された複合めっき膜の断面を撮影した電子顕微鏡(SEM)の拡大写真である。図3に示す拡大写真を観察した結果、複合めっき膜中のダイヤモンド微粒子は平均粒径が約250nmのサイズで均一に分散共析していることが確認できた。
複合めっき膜が形成された刃体の刃先部分を砥石により研磨して刃付け処理を行い、刃付け尖端に複合めっき膜を露出させて鋭利な形状に仕上げた。
<複合めっき膜を形成した包丁の切れ味評価試験>
平均粒径が250nmのダイヤモンド微粒子を用いて実施例1と同様の方法でステンレス製の包丁の刃先部分に膜厚約7μmの複合めっき膜を形成し、刃付け処理を行って刃先尖端の刃先角度を26度に設定した。
図4は、切れ味試験装置に関する概略構成図である。包丁100は、図示せぬホルダに固定されており、刃先が水平方向に沿うように設定されている。包丁100の下方には載置台101が設置されており、載置台101は、レール102に水平方向に摺動可能に取り付けられている。そして、図示せぬ駆動機構により40mm/sの移動速度で水平方向に80mmの移動距離で往復動するようになっている。したがって、1回の往復動で160mm移動することになる。
載置台101の上面には、シート材の積層物103が載置されている。積層物103は、市販の紙(厚さ0.08mm)又はテトラフルオロエチレン(PTFE)製樹脂シート(厚さ0.2mm)を多数枚積層した状態で載置し、その上面に包丁を配置し1kgの荷重を加えて包丁の刃先尖端を圧接した状態に設定する。そして、載置台101を1回往復動させて包丁により切断された深さを計測する切断試験を行う。以後、切断された紙又は樹脂シートを新たなものに交換して同様の切断試験を繰り返し行って試験回数の増加による切断深さの変化から包丁の切れ味を評価した。
図5は、切れ味試験を行った場合の試験回数の増加に伴う切断深さの変化を示すグラフである。このグラフをみると、紙の場合には、最初切断深さの若干の低下がみられるものの以後はほぼ同じレベルに維持されており、樹脂シートの場合には、切断深さの低下はみられず、切断回数による切れ味の低下が生じていないことがわかる。
<包丁の耐久性試験>
包丁として市販のステンレス製包丁を3本用意し、2本の包丁にのみ平均粒径が50nmのダイヤモンド微粒子を用いて実施例1と同様の方法でステンレス製の包丁の刃先部分に膜厚15μmの複合めっき膜を形成し、刃付け処理を行って刃先尖端の刃先角度を26度に設定した。めっき処理していない包丁を包丁Aとし、めっき処理した包丁を包丁B1及びB2とする。
包丁の耐久性試験には、人工木材を用いた。人工木材は、木材を屑状に細かく破砕した原料に接着剤を混合し固形化して製作した。製作された人工木材は、密度0.6g/cm3、曲げ強さ25N/mm2及び含水率7%であり、基本的に紙と同質の材料で角材状に形成したものである。
耐久試験では、3本の包丁A、B1及びB2を用いて上述した切断試験に使用した試験装置により人工木材に対して摺動させて行った。そして、所定の往復回数ごとに、紙又は樹脂シートによる切れ味評価試験を行って切断深さを計測した。
図6は、耐久性試験の試験結果を示すグラフである。縦軸に切断深さをとって横軸に往復回数をとっている。このグラフをみると、めっき処理していない包丁Aは、往復回数が増加すると、切断深さが低下して切れ味が落ちてくることがわかる。一方、めっき処理した包丁B1及びB2では、往復回数が増加しても切断深さが低下することがほとんどなく、切れ味が維持されていることがわかる。
これらの試験結果によれば、ダイヤモンド微粒子が均一に分散した複合めっき膜を刃物の刃先部分に形成することで、良好な切れ味を維持し耐摩耗性及び耐久性を十分に備えた刃物が実現できることがわかる。
以上説明した複合めっき膜は、刃体の素材がステンレス以外のものでも形成することができ、とくに限定されない。例えば、炭素鋼、超硬合金、アルミニウムといった素材に対しても形成することができる。そのため、幅広い分野の刃物に対して適用可能で、例えば、ナイフ、包丁、バリカン、はさみ、ニッパ等の手持ち用刃物、メス等の医療用刃物、食品切断用又はプラスチック切断用の切断機械用刃物に適用できる。
そして、めっき膜の厚さやダイヤモンド微粒子のサイズ及び含有量は、用途に応じて適宜調整することができ、汎用性の高い刃物を実現することができる。
1 刃体
2 めっき膜
3 把持部
10 刃付け面
11 刃先尖端

Claims (4)

  1. 金属マトリックス中に平均粒径1nm〜1000nmのダイヤモンド微粒子を均一に分散した複合めっき膜が少なくとも刃先に形成されていることを特徴とする刃物。
  2. 前記複合めっき膜中の前記ダイヤモンド微粒子の含有率が0.1〜30容量%であることを特徴とする請求項1に記載の刃物。
  3. 前記複合めっき膜は、金属めっき液中に、親水性ポリマー又はイオン性官能基が導入された平均粒径1nm〜1000nmのダイヤモンド微粒子及びイオン性又は非イオン性の界面活性剤が均一に分散している複合めっき液を用いて無電解めっき処理により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の刃物。
  4. 前記金属は、ニッケル又はニッケル合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の刃物。
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