JP3159586U - 船外機 - Google Patents
船外機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3159586U JP3159586U JP2010001405U JP2010001405U JP3159586U JP 3159586 U JP3159586 U JP 3159586U JP 2010001405 U JP2010001405 U JP 2010001405U JP 2010001405 U JP2010001405 U JP 2010001405U JP 3159586 U JP3159586 U JP 3159586U
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- contact surface
- elastic member
- mount
- outboard motor
- stopper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
Description
ステアリングブラケットは、アッパーマウントユニットを介してエンジンホルダを支持している。ロアーマウントブラケットは、ロアーマウントユニットを介してエンジンホルダの下方のドライブシャフトハウジングを支持している。このように、エンジンホルダおよびドライブシャフトハウジングは、上下に並ぶアッパーマウントユニットおよびロアーマウントユニットによって支持されている。
すなわち、エンジンの振動が船体に伝わることを抑制するためには、第1アッパーマウントおよび第2アッパーマウントは柔らかいほうがよい。しかしながら、第1アッパーマウントが柔らかいと、プロペラの推進力(エンジンの出力)の増大に伴う第1アッパーマウントの歪み量が大きくなる。このため、第1アッパーマウントの劣化が早く進むので、第1アッパーマウントの振動抑制効果を長期に渡って維持し難い。反対に、第1アッパーマウントを硬くすると、第1アッパーマウントの歪み量は小さくすることができる。しかしながら、この場合、第1アッパーマウントの振動抑制効果が低くなってしまう。
上記の目的を達成するための請求項1記載の考案に係る船外機は、エンジンおよびプロペラを含む船外機本体と、船体の船尾に取り付けられるブラケットと、第1弾性部材を有するマウントと、前記マウントを保持する保持ユニットと、第1変位規制部材と、第2弾性部材と、第2変位規制部材とを含む。前記船外機は、前記ブラケットから当該ブラケットの後方に延びる軸部材を含む。前記マウントは、前記軸部材に差し込まれた内筒と、前記内筒を取り囲む外筒と、前記内筒および前記外筒の間に配置され当該内筒および外筒に結合された第1弾性部材と、を含む。前記保持ユニットは、前記船外機本体に支持され、後方に向けられた第1接触面を有する。前記第1変位規制部材は、前記軸部材の軸方向に沿って前記保持ユニットの第1接触面に対向するように前方に向けられた第2接触面を有し、前記軸部材に支持されている。前記第2弾性部材は、前記第1接触面が前記第2接触面に近づく方向に所定量以上変位したときに前記第1接触面と前記第2接触面との間で圧縮されるように構成されている。前記第2変位規制部材は、前記軸方向に見たときに前記第2弾性部材と重ならないように前記第1接触面と前記第2接触面との間に配置され、前記軸方向の厚みが前記第2弾性部材よりも薄く、前記第2弾性部材よりも高弾性の材料からなる。
この構成において、船体を高速で前進させるために、プロペラが高速回転しているとき(以下、「高負荷前進時」ともいう。)、保持ユニットの第1接触面は、第1変位規制部材に向けて後方に所定量以上変位する。これにより、第2弾性部材は、保持ユニットの第1接触面と第1変位規制部材の第2接触面とによって圧縮される。このとき、第2弾性部材は、船外機本体の振動を吸収する。保持ユニットの第1接触面がさらに後方に変位すると、保持ユニットの第1接触面は、第2変位規制部材に接触する。この場合、第2変位規制部材が保持ユニットの第1接触面と第1変位規制部材の第2接触面との間に挟まれる。第1変位規制部材は軸部材に支持されており、かつ、第2変位規制部材は高弾性であるので、保持ユニットの後方への変位を規制できる。これにより、第2弾性部材の圧縮量を制限できるから、保持ユニットと第1変位規制部材との間で第2弾性部材が押し潰されることを防止できる。したがって、第2弾性部材の損傷を抑制できるから、第2弾性部材の振動抑制効果を長期に渡って維持することができる。このように、第2弾性部材の圧縮量が第2変位規制部材によって制限されるので、第2弾性部材は、その耐久性を犠牲にすることなく、柔らかい素材で作製することができる。このため、第2弾性部材は、優れた振動抑制効果を発揮することができる。
この構成により、第2変位規制部材は、その周方向の全域に渡って第1接触面および第2接触面に接触できる。したがって、第2変位規制部材が第1接触面および第2接触面に挟まれて圧縮力を受けている場合において、第2変位規制部材と対応する第1接触面および第2接触面との接触状態が安定する。したがって、第1変位規制部材は、第2変位規制部材を介して保持ユニットから伝わる荷重を安定して受けることができる。これにより、保持ユニットの変位を、第2変位規制部材を用いて確実に規制することができる。
また、この場合において、前記第2弾性部材は、前記第2変位規制部材の外周を取り囲む環状部を含むことが好ましい。これにより、第2弾性部材は、第2変位規制部材に隣接して配置されることになる。このため、第2変位規制部材は、第2弾性部材が押し潰されることを効果的に抑制できる。
第2弾性部材は、保持ユニットの第1接触面と第1変位規制部材の第2接触面とにより圧縮されると、第1接触面の外周縁部および第2接触面の外周縁部に向けて拡がるように弾性変形する。そこで、第1接触面および第2接触面のそれぞれの外周縁部よりも内側に第2弾性部材が配置される。これにより、弾性変形した第2弾性部材の縁部が、第1接触面の外周縁部および第2接触面の外周縁部にまで至らないようにすることができる。これにより、第2弾性部材が第1接触面の外周縁部および第2接触面の外周縁部に擦れることを抑制できる。したがって、第2弾性部材が第1接触面および第2接触面(保持ユニットおよび第1変位規制部材)によって削られることを抑制できる。
この構成によれば、マウント保持部と板部材とは別部材となる。したがって、マウント保持部の形状に拘らず、第1接触面を第2弾性部材の対向面に整合する形状に形成できる。具体的には、第2弾性部材の対向面が軸部材に直交する平坦面であれば、第1接触面もまた軸部材に直交する平坦面に形成できる。さらに具体的には、マウント保持部が複数の部品を含む場合には、第2弾性部材に対向する表面を段差のない平坦面に形成することが困難な場合もある。このような場合であっても、板部材を用いることによって、第1接触面を平坦面に形成できる。また、マウント保持部の第2弾性部材に対向する表面が軸部材と直交する方向に対して傾斜している場合も考えられる。このような場合でも、板部材を用いることによって、軸部材に直交する平坦面からなる第1接触面を提供できる。このように、板部材を用いることによって、第1接触面を第2弾性部材の対向面の形状に容易に整合させることができるので、第1接触面と第2弾性部材との接触面積を大きくすることができる。これにより、第1接触面からの荷重が分散されて第2弾性部材に受けられるので、第2弾性部材の圧縮量を抑制でき、かつ、その局所的な変形を抑制できる。これにより、第2弾性部材は、たとえ柔らかい素材で作製される場合であっても、充分な耐久性を有することができる。とくに、第1接触面および第2弾性部材の対向面をいずれも軸部材に直交する平坦面に形成すれば、第1接触面から第2弾性部材への荷重の伝達が安定する。しかも、第2弾性部材の摩耗を最小限にできる。
前記マウント保持部は、前記船外機本体のケースと一体化した本体部と、この本体部に対して着脱可能に構成されたカバーとを含み、前記本体部およびカバーが、前記第1外筒を保持する保持溝を内部に形成するように構成されていてもよい。このように、マウント保持部を本体部とカバーの複数の部材で構成した場合でも、板部材を用いることによって、第1接触面を、段差の無い平坦な面にすることができる。したがって、第1接触面と、第2弾性部材との接触状態を安定することができる。また、本体部とカバーとの結合部を、第2弾性部材に直接接触しないようにすることができる。よって本体部とカバーとの結合部と、第2弾性部材との接触により第2弾性部材が損傷することを抑制できる。また、カバーを本体部から取り外すことにより、本体部の保持溝を露出することができる。本体部の保持溝を露出した状態で、保持溝にマウントを嵌めることができる。さらに、マウントが嵌められた本体部にカバーを取り付けることができる。したがって、マウントを保持ユニットに取り付ける作業を容易にすることができる。
図1は、この考案の一実施形態に係る船外機1の左側面図である。図1では、船外機1が基準姿勢にある状態を示している。基準姿勢とは、プロペラ7の回転軸線が水平でかつ船体中心線に沿う向きとなる船外機1の姿勢である。以下の説明における前後、左右、および上下は、それぞれ、船外機1が基準姿勢にあるときの前後、左右、および上下である。また、以下では、特に説明しない限り、船外機1は、推進力を発生していない状態であるとして説明する。
船外機本体2は、エンジン4と、ドライブシャフト5と、プロペラシャフト6と、プロペラ7と、歯車機構8とを含む。エンジン4は、エンジンカバー9に収容されている。また、ドライブシャフト5、プロペラシャフト6、および歯車機構8は、マウントプレート20、アッパーケース10およびロアーケース11に収容されている。マウントプレート20は、エンジンカバー9の下方に配置されており、エンジン4を支持している。アッパーケース10は、マウントプレート20の下方に配置されている。ロアーケース11は、アッパーケース10の下方に配置されている。
図2は、取付機構3の主要部の構成を示す分解斜視図である。図1および図2に示すように、クランプブラケット12は、左右に間隔を空けて配置された右ブラケット12Rおよび左ブラケット12Lを含む。左右のブラケット12R、12Lは、それぞれ、船体101の船尾102に固定されるように構成されている。船外機1は、左右のブラケット12R、12Lと船体101との固定により、船体101に取り付けられるように構成されている。
船外機本体2は、上部と下部の二箇所において、取付機構3に連結されている。すなわち、船外機1は、船外機本体2を取付機構3にマウントさせるための2つのマウント構造(アッパーマウント構造およびロアーマウント構造)を有している。アッパーマウント構造は、ステアリングブラケット16に結合されている。ロアーマウント構造は、ロアーブラケット18を含む。すなわち、船外機本体2のアッパーケース10の下部は、その左端部および右端部においてロアーブラケット18に支持されている(図1では、アッパーケース10の左端部および右端部のうち左端部のみを図示)。
図3は、アッパーマウント構造の詳細を示す分解斜視図である。船外機本体2のマウントプレート20は、左右方向Y1における船外機本体2の中心を挟んだ二箇所においてステアリングブラケット16に支持されている。船外機1は、左右方向Y1に並び、ステアリングブラケット16に取り付けられた一対の左ボルト21Lおよび右ボルト21Rと、左ボルト21Lに保持された左マウント22Lと、右ボルト21Rに保持された右マウント22Rとを含む。
右筒23Rは、前後方向X1に延びる円筒状に形成されており、前後方向X1に延びる挿通孔231Rと、右筒23Rの後端に配置された座面232Rとを含む。挿通孔231Rの前端は、右筒23Rの前端に開放されている。挿通孔231Rの後端は、座面232Rに開放されている。座面232Rは、略鉛直な平坦面である。
左マウント22Lおよび右マウント22Rは、それぞれ、左ボルト21Lおよび右ボルト21Rに対応している。左マウント22Lおよび右マウント22Rは、ステアリングブラケット16とマウントプレート20とを相対変位可能につなぐために設けられている。
第1内筒26Lは、ボルト軸211Lにスライド可能に差し込まれている。第1内筒26Lの前端は、左筒23Lの座面232Lに受けられている。
第1外筒27Lは、金属等の剛性材料を用いて円筒に形成されている。第1外筒27Lは、第1内筒26Lを取り囲んでいる。第1外筒27Lの全長は、第1内筒26Lの全長よりも短い。
右マウント22Rは、左マウント22Lと同様の構成を有している。具体的には、右マウント22Rは、第1内筒26Rと、第1外筒27Rと、第1弾性部材28Rとを含む。第1内筒26Rは、金属等の剛性材料を用いて円筒に形成されている。
第1外筒27Rは、金属等の剛性材料を用いて円筒に形成されている。第1外筒27Rは、第1内筒26Rを取り囲んでいる。第1外筒27Rの全長は、第1内筒26Rの全長よりも短い。
船外機1は、船外機本体2のマウントプレート20に固定された保持ユニット30を含む。保持ユニット30は、左マウント22Lおよび右マウント22Rを保持している。保持ユニット30は、左マウント22Lおよび左ボルト21Lを介して、ステアリングブラケット16の左筒23Lに支持されている。さらに、保持ユニット30は、右マウント22Rおよび右ボルト21Rを介して、ステアリングブラケット16の右筒23Rに支持されている。すなわち、船外機本体2のマウントプレート20は、左マウント22L、左ボルト21L、右マウント22Rおよび右ボルト21Rを介してステアリングブラケット16に支持されている。
図4に示すように、前壁32には、左右方向Y1に並ぶ左挿通孔321Lおよび右挿通孔321Rが形成されている。前壁32の左挿通孔321Lには、ステアリングブラケット16の左筒23Lの後端、および左マウント22Lの第1内筒26Lの前端が配置されている。前壁32の右挿通孔321Rには、ステアリングブラケット16の右筒23Rの後端、および右マウント22Rの第1内筒26Rの前端が配置されている。
マウント保持部38は、マウントプレート20の収容部31の底壁36と一体化した本体部40と、本体部40に対して着脱可能に構成されたカバー41とを含む。本体部40は、略水平な平坦面である。
具体的には、取付ボルト42は、カバー41の左端に形成された挿通孔421を挿通し、さらに、本体部40の上面に形成されたねじ孔(図示せず)に結合されている。取付ボルト43は、カバー41の右端に形成された挿通孔422を挿通し、さらに、本体部40の上面に形成されたねじ孔402に結合されている。取付ボルト44は、カバー41の左右の中央部に形成された挿通孔423を挿通し、さらに、本体部40の上面に形成されたねじ孔403に結合されている。これらカバー41と本体部40との協働により、マウント保持部38が形成されている。
保持溝46Lの底面461Lは、左マウント22Lの第1外筒27Lを全周に渡って受けている。また、保持溝46Lは、第1外筒27Lを前後方向X1に挟んでいる。これにより、保持溝46Lは、左マウント22Lの第1外筒27Lを固定しており、第1外筒27Lの前後移動を規制している。また、第1内筒26Lは、円筒面45Lの内方の空間を通っており、円筒面45Lの前方および後方に突出している。
保持溝46Rの底面461Rは、右マウント22Rの第1外筒27Rを全周に渡って受けている。また、保持溝46Rは、第1外筒27Rを前後方向X1に挟んでいる。これにより、保持溝46Rは、右マウント22Rの第1外筒27Rを固定しており、第1外筒27Rの前後移動を規制している。また、第1内筒26Rは、円筒面45Rの内方の空間を通っており、円筒面45Rの前方および後方に突出している。
図4に示すように、左部391Lには、挿通孔393Lが形成されている。挿通孔393Lには、左マウント22Lの第1内筒26Lが差し込まれている。これにより、板部材39は、左マウント22Lの第1内筒26Lおよびボルト軸211Lに支持されている。
板部材39は、第1内筒26L,26Rに対して前後方向X1に移動可能に構成されている。板部材39の前面394は、マウント保持部38の後面381と前後方向X1に対向している。板部材39の後面は、第1接触面395とされている。第1接触面395は、船外機1の後方を向いている。
第1ストッパ51は、この考案の「第1変位規制部材」の一例である。第1ストッパ51は、高負荷前進時にマウントプレート20が後方に所定量以上変位することを規制するように構成されている。第1ストッパ51は、所定の厚みを有する平板によって形成されている。前後方向X1に見たときに、第1ストッパ51の外郭形状は、板部材39の外郭形状と略同じとされている。
図4の保持ユニット30の後方部分の構成を示す拡大断面図である図6に示すように、第1ストッパ51の左部511Lには、挿通孔513Lが形成されている。挿通孔513Lの大きさは、ボルト軸211Lの差し込みは可能であるけれども、左マウント22Lの第1内筒26Lの差し込みはできない大きさとされている。挿通孔513Lには、ボルト軸211Lが差し込まれている。これにより、第1ストッパ51は、ボルト軸211Lに支持されている。第1ストッパ51の左部511Lにおいては、挿通孔513Lの周囲が、第1内筒26Lおよび左ボルト21Lの頭部212Lに挟まれている。これにより、第1ストッパ51は、左ボルト21Lに対する前後方向X1の移動を規制されている。すなわち、第1ストッパ51は、保持ユニット30から遠ざかる方向(後方向)への変位が規制されるように、かつ、保持ユニット30に近づく方向(前方向)への変位が規制されるように、左ボルト21Lに支持されている。
第2弾性部材50は、第1ストッパ51の第2接触面514に向けて保持ユニット30の第1接触面395が後方に所定量以上変位した場合(高負荷前進時)において、第1接触面395と第2接触面514との間で圧縮される。第2弾性部材50は、板部材39の第1接触面395と第1ストッパ51の第2接触面514との間に配置されている。これにより、板部材39は、第2弾性部材50と、マウント保持部38との間に配置されている。
図6に示すように、第2弾性部材50の左部501Lは、板部材39の左部391Lと、第1ストッパ51の左部511Lとの間に配置されている。左部501Lには、挿通孔503Lが形成されている。挿通孔503Lには、第2ストッパ52L、第1内筒26Lおよびボルト軸211Lが差し込まれている。これにより、第2弾性部材50は、左ボルト21Lに支持されている。
第2ストッパ52L,52Rは、それぞれ、この考案の「第2変位規制部材」の一例である。第2ストッパ52L,52Rは、それぞれ、第1接触面395と第2接触面514との間で第2弾性部材50が押し潰されることを防止するために設けられている。
第2ストッパ52Lは、第2弾性部材50よりも高弾性の材料、たとえば、アルミニウム合金などの金属(剛性材料)からなる。第2ストッパ52Lは、ボルト軸211Lおよび第1内筒26Lを取り囲む円環状に形成されている。第2ストッパ52Lの内径は、第1内筒26Lの外径と略同じである。また、第2ストッパ52Lの外径は、第2弾性部材50の挿通孔503Lの直径と略同じである。前後方向X1において、第2ストッパ52Lの厚みL1は、第2弾性部材50の厚みL2よりも薄い(L1<L2)。
第2ストッパ52Rは、第2ストッパ52Lと同様の材料により形成されている。第2ストッパ52Rは、ボルト軸211Rおよび第1内筒26Rを取り囲む円環状に形成されている。第2ストッパ52Rの内径は、第1内筒26Rの外径と略同じである。また、第2ストッパ52Rの外径は、第2弾性部材50の挿通孔503Rの直径と略同じである。前後方向X1において、第2ストッパ52Rの厚みL1は、第2弾性部材50の厚みL2よりも薄い(L1<L2)。
図3に示すように、第3ストッパ53は、ウレタンなどの素材を用いて平板状に形成されている。第3ストッパ53は、前後方向X1に見たときに、左右の中央の下部に切欠を有する形状となっている。第3ストッパ53は、左ボルト21Lに対応する左部531Lと、右ボルト21Rに対応する右部531Rと、左部531Lおよび右部531Rを結合する結合部532とを含む。
凸部56は、左右方向Y1において、左ボルト21Lと右ボルト21Rとの間に配置されている。凸部56は、第1ストッパ51と一体化された板状の部材であり、第1ストッパ51の上端から前後方向X1に沿って後方に延びている。
凸部56は、凹部57に所定の差し込み長さL6で差し込まれている。差し込み長さL6は、第3ストッパ53の可動長さL5よりも長い(L6>L5)。
図4に示すように、船外機1が推進力を発生していないときにおいて、船外機本体2に設けられた保持ユニット30は、左マウント22L、左ボルト21L、右マウント22Rおよび右ボルト21Rを介してステアリングブラケット16に支持されている。このとき、エンジンの振動など、船外機本体2の振動は、左マウント22Lの第1弾性部材28Lおよび右マウント22Rの第1弾性部材28Rで吸収され、ステアリングブラケット16に伝わることが抑制される。
また、図1を参照して、船外機1は、船舶100を後進させるとき、プロペラ7を前記一方向とは反対の他方向に回転する。これにより、船外機1は、船舶100を後進させる推進力を発生する。このとき、船外機本体2は、アッパーケース10やロアーケース11周辺の部分において後向きの力F3を受ける。この力は、ロワーマウントなどを介して船体に伝達される。このロワーマウントと船体との接点が支点となり、後向きの力F3はマウントプレート20周辺の上部において前向きの力F4となって作用する。
以上説明したように、この実施形態によれば、船舶100を前進させる推進力を発生する方向にプロペラ7が回転しているとき、その推進力によって、船外機本体2の下部は、前方へと押される。このとき、反対に、マウントプレート20および保持ユニット30は、ステアリングブラケット16から遠ざかるように後方に変位する。
このとき、第2弾性部材50は、船外機本体2の振動を吸収することができる。保持ユニット30の第1接触面395がさらに後方に変位すると、保持ユニット30の第1接触面395は、各第2ストッパ52L,52Rに接触する。この場合、第2ストッパ52L,52Rは、保持ユニット30の第1接触面395と第1ストッパ51の第2接触面514との間に挟まれる。第1ストッパ51は保持ユニット30から遠ざかる後方への変位が規制されており、かつ、第2ストッパ52L,52Rは高弾性であるので、保持ユニット30の後方への変位量を規制できる。これにより、第2弾性部材50の圧縮量を制限できるから、保持ユニット30と第1ストッパ51との間で第2弾性部材50が押し潰されることを防止できる。
これにより、第2弾性部材50は、左右方向Y1に長く形成されるので、第2弾性部材50を大きくすることができる。これにより、第2弾性部材50は、保持ユニット30および第1ストッパ51に対して大きな面積の対向面を有する。この大面積の対向面に対向するように、保持ユニット30の板部材39および第1ストッパ51が、それぞれ右部391R,511R、左部391L,511Lおよび結合部392,512を有している。したがって、第2弾性部材50は、第1接触面395および第2接触面514からの荷重を大きな面積に分散させて受けることができる。よって、第2弾性部材50が単位面積あたりに受ける圧力が低い。その結果、第2弾性部材50の圧縮量が小さくなるから、その劣化を抑制することができる。したがって、第2弾性部材50の振動抑制効果を長期に渡って維持することができる。また、第2弾性部材50を大きくすることで、第2弾性部材50をより柔らかい素材で作製することができる。このため、第2弾性部材50は、優れた振動抑制効果を有することができる。
さらに、第2弾性部材50の左部501Lおよび右部501Rは、それぞれ、対応する第2ストッパ52L,52Rの外周を取り囲む環状に形成されている。これにより、第2弾性部材50は、対応する第2ストッパ50Lおよび第2ストッパ50Rに隣接して配置されることになる。このため、各第2ストッパ52L,52Rは、第2弾性部材50が押し潰されることを効果的に抑制できる。
さらに、マウント保持部38は、マウントプレート20と一体化した本体部40と、本体部40に着脱可能なカバー41とを含む。このように、マウント保持部38を本体部40とカバー41の複数の部材で構成した場合でも、板部材39に第1接触面395を設けることで、第1接触面395を、段差の無い平坦な面にすることができる。したがって、第1接触面395と、第2弾性部材50との接触状態を安定することができる。また、本体部40とカバー41との結合部を、第2弾性部材50に直接接触しないようにすることができる。よって、本体部40とカバー41との結合部と、第2弾性部材50との接触により第2弾性部材50が損傷することを抑制することができる。
また、船舶100がジャンプし、その後、船舶100が着水したときにおいて、船外機本体2のマウントプレート20(保持ユニット30)は、後方に向かう大きな衝撃力を受けることがある。このとき、保持ユニット30は、各第2ストッパ52L,52R、第1ストッパ51および各ボルト21L,21Rを介してステアリングブラケット16に剛的に支持される。これにより、第1弾性部材28L,28Rおよび第2弾性部材50には、大きな衝撃力は作用しない。したがって、上記の衝撃力に対するアッパーマウント構造の耐久性が優れる。
たとえば、前述の実施形態では、保持ユニット30は、マウント保持部38と板部材39とを含み、板部材39に第1接触面395を形成した構成であるけれども、これに限定されない。保持ユニット30の板部材39を省略し、マウント保持部38の後面381に第1接触面395を形成してもよい。この場合、第1接触面395は、船外機本体2のマウントプレート20に直接支持されたマウント保持部38に形成される。
さらに、前述の実施形態では、第2ストッパ52L,52Rは、それぞれ、円筒状である構成を説明したけれども、これに限定されない。第2ストッパ52L,52Rは、多角形の環状に形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、第2弾性部材50は、1つ設けられる構成を説明したけれども、これに限定されない。第2弾性部材50の左部501Lと右部501Rとを、別部材で形成することにより、第2弾性部材50を複数設けてもよい
さらに、前述の実施形態では、板部材39は、1つ設けられる構成を説明したけれども、これに限定されない。板部材39の左部391Lと右部391Rとを、別部材で形成することにより、板部材39を複数設けてもよい。
また、前述の実施形態では、前後方向X1に見たときに、第2弾性部材50は、第1接触面395の外周縁部395aの内側で、かつ、第2接触面514の外周縁部514aの内側に配置された構成を説明したけれども、これに限定されない。前後方向X1に見たときに、第2弾性部材50の一部は、第1接触面395の外周縁部395aの外側に配置されていてもよい。また、第2弾性部材50の一部は、第2接触面514の外周縁部514aの外側に配置されていてもよい。
また、前述の実施形態では、第3ストッパ53を用いることにより、マウントプレート20の前方への変位を規制する構成を説明したけれども、これに限定されない。第3ストッパ53に代えて、各ボルト21L,21Rの頭部212L,212Rに嵌るキャップを設け、これらのキャップを第3ストッパとして用いてもよい。
2 船外機本体
4 エンジン
7 プロペラ
16 ステアリングブラケット(ブラケット)
22L 左マウント(マウント)
22R 右マウント(マウント)
26L,26R 第1内筒(内筒)
27L,27R 第1外筒(外筒)
28L,28R 第1弾性部材
30 保持ユニット
38 マウント保持部
39 板部材
50 第2弾性部材
51 第1ストッパ(第1変位規制部材)
52L,52R 第2ストッパ(第2変位規制部材)
53 第3ストッパ(ストッパ)
56 凸部
57 凹部
101 船体
102 船尾
211L ボルト軸(軸部材、左軸部材)
211R ボルト軸(軸部材、右軸部材)
395 第1接触面
395a 第1接触面の外周縁部
501L (第2弾性部材の)左部
501R (第2弾性部材の)右部
502 (第2弾性部材の)結合部
514 第2接触面
514a 第2接触面の外周縁部
L1 (第2変位規制部材)の厚み
L2 第2弾性部材の厚み
L5 可動長さ
L6 差し込み長さ
X1 前後方向(軸方向)
Y1 左右方向
Claims (6)
- エンジンおよびプロペラを含む船外機本体と、
船体の船尾に取り付けられるブラケットと、
前記ブラケットから当該ブラケットの後方に延びる軸部材と、
前記軸部材に差し込まれた内筒と、前記内筒を取り囲む外筒と、前記内筒および前記外筒の間に配置され当該内筒および外筒に結合された第1弾性部材と、を含むマウントと、
前記船外機本体に支持され、後方に向けられた第1接触面を有し、前記マウントを保持する保持ユニットと、
前記軸部材の軸方向に沿って前記保持ユニットの第1接触面に対向するように前方に向けられた第2接触面を有し、前記軸部材に支持される第1変位規制部材と、
前記第1接触面が前記第2接触面に近づく方向に所定量以上変位したときに前記第1接触面と前記第2接触面との間で圧縮される第2弾性部材と、
前記軸方向に見たときに前記第2弾性部材と重ならないように前記第1接触面と前記第2接触面との間に配置され、前記軸方向の厚みが前記第2弾性部材よりも薄く、前記第2弾性部材よりも高弾性の材料からなる第2変位規制部材とを含む、船外機。 - 前記軸部材は、前記船外機の左右方向に並んで設けられた一対の左軸部材および右軸部材を含み、
前記マウントは、前記左軸部材および右軸部材にそれぞれ対応する左マウントおよび右マウントを含み、
前記第2弾性部材は、前記左マウントおよび右マウントにそれぞれ対応する左部および右部と、前記左部および右部を結合する結合部とを含み、
前記第2接触面が、前記第2弾性部材の前記左部、右部および結合部にわたって延びており、
前記第1接触面が、前記第2弾性部材の前記左部、右部および結合部に対向する領域にわたって延びている、請求項1記載の船外機。 - 前記第2変位規制部材は、前記軸部材を取り囲む環状に形成されている、請求項1または2記載の船外機。
- 前記軸方向に見たときに、前記第2弾性部材が、前記第1接触面の外周縁部の内側で、かつ、前記第2接触面の外周縁部の内側に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の船外機。
- 前記保持ユニットは、前記マウントを保持するマウント保持部と、前記マウント保持部と前記第2弾性部材との間に配置され、前記第1接触面を有する板部材とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の船外機。
- 前記第1変位規制部材の後方に配置され、前記保持ユニットが前記軸方向に沿って前方に変位したときに前記軸部材の後端と前記船外機本体とに挟まれることにより前記船外機本体の変位を規制するストッパと、
前記第1変位規制部材および前記ストッパの一方に形成され前記軸方向に延びる凸部と、前記第1変位規制部材および前記ストッパの他方に形成され前記凸部が差し込まれる凹部とを含み、前記凸部と凹部とが前記ストッパの前記軸方向の可動長さよりも長い差し込み長さで差し込まれた抜け止め構造と、をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の船外機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010001405U JP3159586U (ja) | 2010-03-05 | 2010-03-05 | 船外機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010001405U JP3159586U (ja) | 2010-03-05 | 2010-03-05 | 船外機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3159586U true JP3159586U (ja) | 2010-05-27 |
Family
ID=54862842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010001405U Expired - Lifetime JP3159586U (ja) | 2010-03-05 | 2010-03-05 | 船外機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3159586U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8690618B2 (en) | 2010-10-13 | 2014-04-08 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Marine vessel propulsion apparatus |
CN104870306A (zh) * | 2012-12-06 | 2015-08-26 | 铃木株式会社 | 用于船外机的框架装置 |
-
2010
- 2010-03-05 JP JP2010001405U patent/JP3159586U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8690618B2 (en) | 2010-10-13 | 2014-04-08 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Marine vessel propulsion apparatus |
CN104870306A (zh) * | 2012-12-06 | 2015-08-26 | 铃木株式会社 | 用于船外机的框架装置 |
CN104870306B (zh) * | 2012-12-06 | 2016-12-28 | 铃木株式会社 | 用于船外机的框架装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9701383B1 (en) | Outboard motor and marine propulsion support system | |
US3358668A (en) | Outboard motor cowl mounting | |
JPS6111839B2 (ja) | ||
JPH048695A (ja) | 船外機の弾性マウントを介した連結構造 | |
JP3159586U (ja) | 船外機 | |
EP3403916B1 (en) | Outboard motor | |
US6830492B1 (en) | Marine drive trim cylinder with two stage damping system | |
JP5302853B2 (ja) | 船外機のマウント構造 | |
JP2017100679A (ja) | 船外機の歯車の支持構造 | |
JP2012236561A (ja) | 船外機のステアリング装置 | |
JP3159294U (ja) | 船外機 | |
JP2013107604A (ja) | 船外機のギアの支持構造 | |
US8795010B1 (en) | Drive unit mount for a marine outboard engine | |
US5443406A (en) | Vibration isolating mounting for outboard motor | |
JP2009298194A (ja) | 船外機のマウント装置 | |
JP4784147B2 (ja) | 船外機のマウント装置 | |
JP3706859B2 (ja) | 船外機の操舵装置 | |
JP2017213949A (ja) | 船外機 | |
JP4569751B2 (ja) | 船外機の装着構造 | |
JP5187014B2 (ja) | 船外機のマウント装置 | |
JP6597255B2 (ja) | 船外機の遠隔操舵機構 | |
JP2000318689A (ja) | 船外機のマウント構造 | |
JPH0755198Y2 (ja) | 船外機の懸架装置 | |
JP5605055B2 (ja) | 船外機のマウント装置 | |
JP3192125B2 (ja) | 船外機の弾性マウントを介した連結構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3159586 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |