JP3159586U - 船外機 - Google Patents

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幸栄 小久保
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Abstract

【課題】振動抑制効果に優れ、しかも振動抑制効果を長期に渡って維持することのできる船外機を提供する。【解決手段】船外機1は、ステアリングブラケット16から後方に延びるボルト21L,21Rと、左マウント22Lおよび右マウント22Rと、船外機本体2に支持され、各マウント22L,22Rを保持する保持ユニット30とを含む。保持ユニット30の後方には、第1ストッパ51が配置されている。保持ユニット30の第1接触面395と第1ストッパ51の第2接触面514との間には、第2弾性部材50および第2ストッパ52L,52Rが配置されている。保持ユニット30の第1接触面395が後方に変位すると、第2弾性部材50は、第1接触面395と第2接触面514との間で圧縮される。各第2ストッパ52L,52Rは、前後方向X1に見たときに第2弾性部材50と重ならないように配置され、前後方向X1に短く形成されている。【選択図】図4

Description

この考案は、船外機に関する。
特許文献1に記載の船外機は、船体に取り付けられるクランプブラケットと、クランプブラケットに取り付けられたスイベルブラケットと、スイベルブラケットの上部に取り付けられたステアリングブラケットとを含む。また、この船外機は、スイベルブラケットの下部に取り付けられたロアーマウントブラケットをさらに含む。
ステアリングブラケットは、アッパーマウントユニットを介してエンジンホルダを支持している。ロアーマウントブラケットは、ロアーマウントユニットを介してエンジンホルダの下方のドライブシャフトハウジングを支持している。このように、エンジンホルダおよびドライブシャフトハウジングは、上下に並ぶアッパーマウントユニットおよびロアーマウントユニットによって支持されている。
アッパーマウントユニットは、たとえば、特許文献1の図2に記載されている。このアッパーマウントユニットは、弾性部材からなる第1アッパーマウントを含む。第1アッパーマウントは、ステアリングブラケットから後方に延びるアッパーマウントボルトに差し込まれている。また、第1アッパーマウントは、エンジンホルダのアッパーマウント保持部に保持されている。これにより、エンジンホルダは、第1アッパーマウントおよびアッパーマウントボルトを介して、ステアリングブラケットに支持されている。第1アッパーマウントは、弾性部材であり、エンジンが低回転のときのエンジンホルダの振動を吸収するようになっている。
また、アッパーマウントボルトに固定された板部材とアッパーマウント保持部との間の隙間には、弾性部材からなる第2アッパーマウントが配置されている。船体を前方に向けて推進させるように船外機のプロペラが回転した場合、プロペラを含む船外機の下部は、前方に変位する。一方、エンジンホルダを含む船外機の上部は、クランプブラケットから遠ざかるように後方に変位する。大出力でエンジンを運転して船体を前進させているとき(高負荷前進運転時)、アッパーマウント保持部は、第2アッパーマウントを後方に押しながら後方に変位する。このとき、第2アッパーマウントは、アッパーマウント保持部と板部材とに挟まれる。これにより、第2アッパーマウントは、アッパーマウント保持部(エンジンホルダ)が後方へ変位することを規制する。したがって、高負荷前進運転時、第1アッパーマウントと第2アッパーマウントは協働して、エンジンホルダの振動を吸収し、エンジンの振動が船体に伝わることを抑制している。
特開2006−312379号公報
自動車や自動二輪車のように陸上で使用される輸送機器においては、エンジンの振動はタイヤを介して地面に伝わるので、エンジンの振動が抑制されやすい。これに対して、船舶は、水上に浮遊した状態で使用されるから、船外機のエンジンが発生する振動は、抑制され難い。船外機のエンジンが発生する振動は、船外機全体を前後左右に振動させ、この振動がさらに船体に伝達されて船体を振動させることになる。
船外機のエンジンの振動は、主にアッパーマウントユニットおよびロワーマウントユニットを介してクランプブラケットに伝わり、さらに船体に伝わる。したがって、エンジンの振動を船体に伝達し難くするために、アッパーマウントユニットの弾性部材およびロワーマウントユニットの弾性部材は、柔らかいほうがよい。
すなわち、エンジンの振動が船体に伝わることを抑制するためには、第1アッパーマウントおよび第2アッパーマウントは柔らかいほうがよい。しかしながら、第1アッパーマウントが柔らかいと、プロペラの推進力(エンジンの出力)の増大に伴う第1アッパーマウントの歪み量が大きくなる。このため、第1アッパーマウントの劣化が早く進むので、第1アッパーマウントの振動抑制効果を長期に渡って維持し難い。反対に、第1アッパーマウントを硬くすると、第1アッパーマウントの歪み量は小さくすることができる。しかしながら、この場合、第1アッパーマウントの振動抑制効果が低くなってしまう。
また、船体がジャンプしたときなど、大きな衝撃がエンジンホルダに入力されることがある。たとえば、エンジンホルダが、船体の後方に向かう大きな衝撃を受けたときを考える。この場合、特許文献1のエンジンホルダのアッパーマウント保持部は、アッパーマウントボルトに固定された板部材に向けて勢いよく変位し、第2アッパーマウントを強い力で圧縮する。このため、第2アッパーマウントは、押し潰されるおそれがある。第2アッパーマウントが押し潰されると、第2アッパーマウントは損傷し、本来の振動抑制効果を維持できなくなってしまう。第2アッパーマウントが損傷しないように、第2アッパーマウントを硬くすることも考えられる。しかしながら、この場合、第2アッパーマウントの振動抑制効果が低くなってしまう。
そこで、この考案の目的は、振動抑制効果に優れ、しかも振動抑制効果を長期に渡って維持することのできる船外機を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の考案に係る船外機は、エンジンおよびプロペラを含む船外機本体と、船体の船尾に取り付けられるブラケットと、第1弾性部材を有するマウントと、前記マウントを保持する保持ユニットと、第1変位規制部材と、第2弾性部材と、第2変位規制部材とを含む。前記船外機は、前記ブラケットから当該ブラケットの後方に延びる軸部材を含む。前記マウントは、前記軸部材に差し込まれた内筒と、前記内筒を取り囲む外筒と、前記内筒および前記外筒の間に配置され当該内筒および外筒に結合された第1弾性部材と、を含む。前記保持ユニットは、前記船外機本体に支持され、後方に向けられた第1接触面を有する。前記第1変位規制部材は、前記軸部材の軸方向に沿って前記保持ユニットの第1接触面に対向するように前方に向けられた第2接触面を有し、前記軸部材に支持されている。前記第2弾性部材は、前記第1接触面が前記第2接触面に近づく方向に所定量以上変位したときに前記第1接触面と前記第2接触面との間で圧縮されるように構成されている。前記第2変位規制部材は、前記軸方向に見たときに前記第2弾性部材と重ならないように前記第1接触面と前記第2接触面との間に配置され、前記軸方向の厚みが前記第2弾性部材よりも薄く、前記第2弾性部材よりも高弾性の材料からなる。
たとえば、船体を前進させる推進力を発生する方向にプロペラが回転しているとき、その推進力によって、船外機本体の下部は、前方へと押される。このとき、反対に、保持ユニットは、ブラケットから遠ざかるように後方に変位することがある。
この構成において、船体を高速で前進させるために、プロペラが高速回転しているとき(以下、「高負荷前進時」ともいう。)、保持ユニットの第1接触面は、第1変位規制部材に向けて後方に所定量以上変位する。これにより、第2弾性部材は、保持ユニットの第1接触面と第1変位規制部材の第2接触面とによって圧縮される。このとき、第2弾性部材は、船外機本体の振動を吸収する。保持ユニットの第1接触面がさらに後方に変位すると、保持ユニットの第1接触面は、第2変位規制部材に接触する。この場合、第2変位規制部材が保持ユニットの第1接触面と第1変位規制部材の第2接触面との間に挟まれる。第1変位規制部材は軸部材に支持されており、かつ、第2変位規制部材は高弾性であるので、保持ユニットの後方への変位を規制できる。これにより、第2弾性部材の圧縮量を制限できるから、保持ユニットと第1変位規制部材との間で第2弾性部材が押し潰されることを防止できる。したがって、第2弾性部材の損傷を抑制できるから、第2弾性部材の振動抑制効果を長期に渡って維持することができる。このように、第2弾性部材の圧縮量が第2変位規制部材によって制限されるので、第2弾性部材は、その耐久性を犠牲にすることなく、柔らかい素材で作製することができる。このため、第2弾性部材は、優れた振動抑制効果を発揮することができる。
また、第2変位規制部材は、保持ユニットの第1変位規制部材に向かう変位量を制限する。したがって、保持ユニットが第1変位規制部材に向けて変位するとき、第1弾性部材の歪み量も制限されることになる。これにより、第1弾性部材の劣化を抑制できるので、第1弾性部材の振動抑制効果が長期に渡って維持される。さらに、第1弾性部材を硬くすることにより第1弾性部材の歪み量を小さくする必要がないから、第1弾性部材は柔らかい素材で作製することができる。これにより、第1弾性部材は、優れた振動抑制効果を発揮することができる。その結果、操船者その他の乗員に感じられるエンジン振動を抑制できる。以上より、優れた振動抑制効果を長期間に渡って維持することのできる船外機を実現することができる。
請求項2記載の考案は、前記軸部材は、前記船外機の左右方向に並んで設けられた一対の左軸部材および右軸部材を含み、前記マウントは、前記左軸部材および右軸部材にそれぞれ対応する左マウントおよび右マウントを含み、前記第2弾性部材は、前記左マウントおよび右マウントにそれぞれ対応する左部および右部と、前記左部および右部を結合する結合部とを含み、前記第2接触面が、前記第2弾性部材の前記左部、右部および結合部にわたって延びており、前記第1接触面が、前記第2弾性部材の前記左部、右部および結合部に対向する領域にわたって延びている、請求項1記載の船外機である。
この構成により、第2弾性部材は、船外機の左右方向に長く形成されるので、第2弾性部材を大きくすることができる。これにより、第2弾性部材は、保持ユニットおよび第1変位規制部材に対して大きな面積の対向面を有する。この大面積の対向面に対向するように、保持ユニットおよび第1変位規制部材が、それぞれ右部、左部および結合部を有している。したがって、第2弾性部材は、第1接触面および第2接触面からの荷重を大きな面積に分散させて受けることができる。よって、第2弾性部材が単位面積あたりに受ける圧力が低い。その結果、第2弾性部材の圧縮量が小さくなるから、その劣化を抑制することができる。したがって、第2弾性部材の振動抑制効果を長期に渡って維持することができる。また、第2弾性部材を大きくすることで、第2弾性部材をより柔らかい素材で作製することができる。このため、第2弾性部材は、優れた振動抑制効果を有することができる。
請求項3記載の考案は、前記第2変位規制部材は、前記軸部材を取り囲む環状に形成されている、請求項1または2記載の船外機である。
この構成により、第2変位規制部材は、その周方向の全域に渡って第1接触面および第2接触面に接触できる。したがって、第2変位規制部材が第1接触面および第2接触面に挟まれて圧縮力を受けている場合において、第2変位規制部材と対応する第1接触面および第2接触面との接触状態が安定する。したがって、第1変位規制部材は、第2変位規制部材を介して保持ユニットから伝わる荷重を安定して受けることができる。これにより、保持ユニットの変位を、第2変位規制部材を用いて確実に規制することができる。
この場合において、前記第2変位規制部材は、前記軸部材に支持されていることが好ましい。これにより、第2変位規制部材に軸部材を差し込むという簡易な構成で、第2変位規制部材を軸部材によって支持することができる。
また、この場合において、前記第2弾性部材は、前記第2変位規制部材の外周を取り囲む環状部を含むことが好ましい。これにより、第2弾性部材は、第2変位規制部材に隣接して配置されることになる。このため、第2変位規制部材は、第2弾性部材が押し潰されることを効果的に抑制できる。
請求項4記載の考案は、前記軸方向に見たときに、前記第2弾性部材が、前記第1接触面の外周縁部の内側で、かつ、前記第2接触面の外周縁部の内側に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の船外機である。
第2弾性部材は、保持ユニットの第1接触面と第1変位規制部材の第2接触面とにより圧縮されると、第1接触面の外周縁部および第2接触面の外周縁部に向けて拡がるように弾性変形する。そこで、第1接触面および第2接触面のそれぞれの外周縁部よりも内側に第2弾性部材が配置される。これにより、弾性変形した第2弾性部材の縁部が、第1接触面の外周縁部および第2接触面の外周縁部にまで至らないようにすることができる。これにより、第2弾性部材が第1接触面の外周縁部および第2接触面の外周縁部に擦れることを抑制できる。したがって、第2弾性部材が第1接触面および第2接触面(保持ユニットおよび第1変位規制部材)によって削られることを抑制できる。
前記第1接触面および前記第2接触面が前記第2弾性部材を圧縮して前記第2変位規制部材に接している状態(第2変位規制部材が圧縮される場合は、さらにその圧縮状態)において、第2弾性部材の圧縮量が最大となる。この最大圧縮状態において、前記第2弾性部材が、前記第1接触面の外周縁部の内側に配置され、かつ、前記第2接触面の外周縁部の内側に配置されていることが好ましい。これにより、第2弾性部材の最大圧縮状態においても、第2弾性部材が第1接触面の外周縁部に接触して削られることを抑制でき、かつ、第2弾性部材が第2接触面の外周縁部に接触して削られることを抑制できる。
請求項5記載の考案は、前記保持ユニットは、前記マウントを保持するマウント保持部と、前記マウント保持部と前記第2弾性部材との間に配置され、前記第1接触面を有する板部材とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の船外機である。
この構成によれば、マウント保持部と板部材とは別部材となる。したがって、マウント保持部の形状に拘らず、第1接触面を第2弾性部材の対向面に整合する形状に形成できる。具体的には、第2弾性部材の対向面が軸部材に直交する平坦面であれば、第1接触面もまた軸部材に直交する平坦面に形成できる。さらに具体的には、マウント保持部が複数の部品を含む場合には、第2弾性部材に対向する表面を段差のない平坦面に形成することが困難な場合もある。このような場合であっても、板部材を用いることによって、第1接触面を平坦面に形成できる。また、マウント保持部の第2弾性部材に対向する表面が軸部材と直交する方向に対して傾斜している場合も考えられる。このような場合でも、板部材を用いることによって、軸部材に直交する平坦面からなる第1接触面を提供できる。このように、板部材を用いることによって、第1接触面を第2弾性部材の対向面の形状に容易に整合させることができるので、第1接触面と第2弾性部材との接触面積を大きくすることができる。これにより、第1接触面からの荷重が分散されて第2弾性部材に受けられるので、第2弾性部材の圧縮量を抑制でき、かつ、その局所的な変形を抑制できる。これにより、第2弾性部材は、たとえ柔らかい素材で作製される場合であっても、充分な耐久性を有することができる。とくに、第1接触面および第2弾性部材の対向面をいずれも軸部材に直交する平坦面に形成すれば、第1接触面から第2弾性部材への荷重の伝達が安定する。しかも、第2弾性部材の摩耗を最小限にできる。
また、簡単な形状の板部材に第1接触面を形成するので、第1接触面の形成は容易である。その結果、船外機の製造コストを低減することができる。
前記マウント保持部は、前記船外機本体のケースと一体化した本体部と、この本体部に対して着脱可能に構成されたカバーとを含み、前記本体部およびカバーが、前記第1外筒を保持する保持溝を内部に形成するように構成されていてもよい。このように、マウント保持部を本体部とカバーの複数の部材で構成した場合でも、板部材を用いることによって、第1接触面を、段差の無い平坦な面にすることができる。したがって、第1接触面と、第2弾性部材との接触状態を安定することができる。また、本体部とカバーとの結合部を、第2弾性部材に直接接触しないようにすることができる。よって本体部とカバーとの結合部と、第2弾性部材との接触により第2弾性部材が損傷することを抑制できる。また、カバーを本体部から取り外すことにより、本体部の保持溝を露出することができる。本体部の保持溝を露出した状態で、保持溝にマウントを嵌めることができる。さらに、マウントが嵌められた本体部にカバーを取り付けることができる。したがって、マウントを保持ユニットに取り付ける作業を容易にすることができる。
請求項6記載の考案は、前記第1変位規制部材の後方に配置され、前記保持ユニットが前記軸方向に沿って前方に変位したときに前記軸部材の後端と前記船外機本体とに挟まれることにより前記船外機本体の変位を規制するストッパと、前記第1変位規制部材および前記ストッパの一方に形成され前記軸方向に延びる凸部と、前記第1変位規制部材および前記ストッパの他方に形成され前記凸部が差し込まれる凹部とを含み、前記凸部と凹部とが前記ストッパの前記軸方向の可動長さよりも長い差し込み長さで差し込まれた抜け止め構造と、をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の船外機である。
この構成によれば、保持ユニット周辺部における船外機本体の前方への変位を規制するためのストッパが設けられている。このストッパは、凸部と凹部との差し込みによって抜け止めされている。しかも、凸部は、凹部に対して、ストッパの軸方向の可動長さよりも長い差込長さで差し込まれている。これにより、凸部が凹部から抜けることを防止できる。よって、ストッパの位置のずれを防止できる。これにより、ストッパは、船外機本体の前方への変位を確実に規制できる。
この考案の一実施形態に係る船外機の左側面図である。 取付機構の主要部の構成を示す分解斜視図である。 アッパーマウント構造の詳細を示す分解斜視図である。 図1のIV−IV線に沿う切断面を示す断面図であり、マウント保持部の本体部の上面よりも上方における切断面を示している。 図4のV−V線に沿う切断面を示す断面図である。 図4の保持ユニットの後方部分の構成を示す拡大断面図である。 船外機の主要部を上から見た断面図であり、高負荷前進時の状態を示す。 船外機の主要部を上から見た断面図であり、高負荷後進時の状態を示す。
以下では、この考案の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この考案の一実施形態に係る船外機1の左側面図である。図1では、船外機1が基準姿勢にある状態を示している。基準姿勢とは、プロペラ7の回転軸線が水平でかつ船体中心線に沿う向きとなる船外機1の姿勢である。以下の説明における前後、左右、および上下は、それぞれ、船外機1が基準姿勢にあるときの前後、左右、および上下である。また、以下では、特に説明しない限り、船外機1は、推進力を発生していない状態であるとして説明する。
船外機1は、船外機本体2と、取付機構3とを含む。船外機本体2は、取付機構3によって船体101の船尾102に取り付けられるように構成されている。船舶100は、船体101と船外機1とを含む。
船外機本体2は、エンジン4と、ドライブシャフト5と、プロペラシャフト6と、プロペラ7と、歯車機構8とを含む。エンジン4は、エンジンカバー9に収容されている。また、ドライブシャフト5、プロペラシャフト6、および歯車機構8は、マウントプレート20、アッパーケース10およびロアーケース11に収容されている。マウントプレート20は、エンジンカバー9の下方に配置されており、エンジン4を支持している。アッパーケース10は、マウントプレート20の下方に配置されている。ロアーケース11は、アッパーケース10の下方に配置されている。
ドライブシャフト5は、エンジン4の下方で上下方向Z1に沿って配置されている。ドライブシャフト5は、エンジン4によって回転される。また、プロペラシャフト6は、ドライブシャフト5の下方で前後方向X1に沿って配置されている。歯車機構8は、ドライブシャフト5の下端部とプロペラシャフト6の前端部とを連結している。ドライブシャフト5の回転は、歯車機構8によってプロペラシャフト6に伝達される。また、プロペラ7は、プロペラシャフト6の後端部に取り付けられている。プロペラ7は、ロアーケース11の外に配置されている。船体101を前進または後進させる推進力は、プロペラ7の回転により発生される。プロペラ7により発生される推進力は、前後方向X1への力である。プロペラ7により発生される推進力は、ロアーケース11からアッパーケース10およびマウントプレート20に伝わる。
取付機構3は、クランプブラケット12と、スイベルブラケット13と、チルトシャフト14と、ステアリングシャフト15と、ステアリングブラケット16と、ロアーブラケット18とを含む。
図2は、取付機構3の主要部の構成を示す分解斜視図である。図1および図2に示すように、クランプブラケット12は、左右に間隔を空けて配置された右ブラケット12Rおよび左ブラケット12Lを含む。左右のブラケット12R、12Lは、それぞれ、船体101の船尾102に固定されるように構成されている。船外機1は、左右のブラケット12R、12Lと船体101との固定により、船体101に取り付けられるように構成されている。
スイベルブラケット13は、介在部13aと、介在部13aに連結された筒状部13bとを有している。図2に示すように、介在部13aは、左右のブラケット12R、12Lの間に配置されている。介在部13aは、チルトシャフト14を介して、左右のブラケット12R、12Lに連結されている。チルトシャフト14は、左右方向Y1に沿って配置されている。スイベルブラケット13は、クランプブラケット12に対して、チルトシャフト14の中心軸線回りに回動可能に連結されている。
図1に示すように、筒状部13bは、介在部13aの後方で上下方向Z1に沿って配置されている。ステアリングシャフト15は、筒状部13bを挿通している。ステアリングシャフト15は、筒状部13bに対してステアリングシャフト15の中心軸線回りに回転可能に構成されている。また、ステアリングシャフト15の上端部および下端部は、それぞれ、筒状部13bの上端および下端から突出している。ステアリングシャフト15の上端部は、ステアリングブラケット16を介して、船外機本体2のマウントプレート20に取り付けられている。
また、ステアリングシャフト15の下端部は、ロアーブラケット18を介して、船外機本体2のアッパーケース10の下部に取り付けられている。船外機本体2は、ステアリングブラケット16の左右への操作により、ステアリングシャフト15の中心軸線まわりに左右に回動される。これにより、船舶100が操舵される。
船外機本体2は、上部と下部の二箇所において、取付機構3に連結されている。すなわち、船外機1は、船外機本体2を取付機構3にマウントさせるための2つのマウント構造(アッパーマウント構造およびロアーマウント構造)を有している。アッパーマウント構造は、ステアリングブラケット16に結合されている。ロアーマウント構造は、ロアーブラケット18を含む。すなわち、船外機本体2のアッパーケース10の下部は、その左端部および右端部においてロアーブラケット18に支持されている(図1では、アッパーケース10の左端部および右端部のうち左端部のみを図示)。
ステアリングブラケット16およびロアーブラケット18は、スイベルブラケット13およびクランプブラケット12を介して、船体101の船尾102に取り付けられるように構成されている。
図3は、アッパーマウント構造の詳細を示す分解斜視図である。船外機本体2のマウントプレート20は、左右方向Y1における船外機本体2の中心を挟んだ二箇所においてステアリングブラケット16に支持されている。船外機1は、左右方向Y1に並び、ステアリングブラケット16に取り付けられた一対の左ボルト21Lおよび右ボルト21Rと、左ボルト21Lに保持された左マウント22Lと、右ボルト21Rに保持された右マウント22Rとを含む。
図4は、図1のIV−IV線に沿う切断面を示す断面図である。ステアリングブラケット16は、この考案の「ブラケット」の一例である。ステアリングブラケット16は、ステアリングシャフト15が差し込まれ固定された固定孔16aを含む。ステアリングブラケット16は、ステアリングシャフト15の回転に伴い、ステアリングシャフト15の回りを回転する。ステアリングブラケット16は、固定孔16aの左方に配置された左筒23Lと、固定孔16aの右方に配置された右筒23Rとを含む。
左筒23Lは、前後方向X1に延びる円筒状に形成されており、挿通孔231Lと、左筒23Lの後端に配置された座面232Lとを含む。挿通孔231Lの前端は、左筒23Lの前端に開放されている。挿通孔231Lの後端は、座面232Lに開放されている。座面232Lは、略鉛直な平坦面である。
右筒23Rは、前後方向X1に延びる円筒状に形成されており、前後方向X1に延びる挿通孔231Rと、右筒23Rの後端に配置された座面232Rとを含む。挿通孔231Rの前端は、右筒23Rの前端に開放されている。挿通孔231Rの後端は、座面232Rに開放されている。座面232Rは、略鉛直な平坦面である。
左ボルト21Lは、前後方向X1に延びるボルト軸211Lと、ボルト軸211Lの後端に配置された頭部212Lとを含む。ボルト軸211Lは、左筒23Lの挿通孔231Lに差し込まれている。ボルト軸211Lの前端は、ステアリングブラケット16の左筒23Lの前方に突出している。このボルト軸211Lの前端には雄ねじ部213Lが形成されている。この雄ねじ部213Lには、ナット25Lが取り付けられている。ボルト軸211Lは、左筒23Lの座面232Lから後方に突出している。
右ボルト21Rは、前後方向X1に延びるボルト軸211Rと、ボルト軸211Rの後端に配置された頭部212Rとを含む。ボルト軸211Rは、右筒23Rの挿通孔231Rに差し込まれている。ボルト軸211Rの前端は、ステアリングブラケット16の右筒23Rの前方に突出している。このボルト軸211Rの前端には雄ねじ部213Rが形成されている。この雄ねじ部213Rには、ナット25Rが取り付けられている。ボルト軸211Rは、右筒23Rの座面232Rから後方に突出している。
ボルト軸211L,211Rは、この考案の「軸部材」の一例である。また、ボルト軸211Lは、この考案の「左軸部材」の一例であり、ボルト軸211Rは、この考案の「右軸部材」の一例である。また、前後方向X1は、この考案の「軸部材の軸方向」の一例である。
左マウント22Lおよび右マウント22Rは、それぞれ、左ボルト21Lおよび右ボルト21Rに対応している。左マウント22Lおよび右マウント22Rは、ステアリングブラケット16とマウントプレート20とを相対変位可能につなぐために設けられている。
左マウント22Lは、第1内筒26Lと、第1外筒27Lと、第1弾性部材28Lとを含む。第1内筒26Lは、金属等の剛性材料を用いて円筒に形成されている。
第1内筒26Lは、ボルト軸211Lにスライド可能に差し込まれている。第1内筒26Lの前端は、左筒23Lの座面232Lに受けられている。
第1外筒27Lは、金属等の剛性材料を用いて円筒に形成されている。第1外筒27Lは、第1内筒26Lを取り囲んでいる。第1外筒27Lの全長は、第1内筒26Lの全長よりも短い。
第1弾性部材28Lは、ゴムなどの弾性部材を用いて円筒状に形成されている。第1弾性部材28Lは、第1内筒26L第1外筒27Lとの間に配置されている。第1弾性部材28Lは、第1内筒26Lおよび第1外筒27Lに、加硫接着などにより結合されている。
右マウント22Rは、左マウント22Lと同様の構成を有している。具体的には、右マウント22Rは、第1内筒26Rと、第1外筒27Rと、第1弾性部材28Rとを含む。第1内筒26Rは、金属等の剛性材料を用いて円筒に形成されている。
第1内筒26Rは、ボルト軸211Rにスライド可能に差し込まれている。第1内筒26Rの前端は、右筒23Rの座面232Rに受けられている。
第1外筒27Rは、金属等の剛性材料を用いて円筒に形成されている。第1外筒27Rは、第1内筒26Rを取り囲んでいる。第1外筒27Rの全長は、第1内筒26Rの全長よりも短い。
第1弾性部材28Rは、ゴムなどの弾性部材を用いて円筒状に形成されている。第1弾性部材28Rは、第1内筒26Rと第1外筒27Rとの間に配置されている。第1弾性部材28Rは、第1内筒26Rおよび第1外筒27Rに、加硫接着などにより結合されている。
船外機1は、船外機本体2のマウントプレート20に固定された保持ユニット30を含む。保持ユニット30は、左マウント22Lおよび右マウント22Rを保持している。保持ユニット30は、左マウント22Lおよび左ボルト21Lを介して、ステアリングブラケット16の左筒23Lに支持されている。さらに、保持ユニット30は、右マウント22Rおよび右ボルト21Rを介して、ステアリングブラケット16の右筒23Rに支持されている。すなわち、船外機本体2のマウントプレート20は、左マウント22L、左ボルト21L、右マウント22Rおよび右ボルト21Rを介してステアリングブラケット16に支持されている。
図3に示すように、マウントプレート20の前部には、保持ユニット30を収容する収容部31が形成されている。収容部31は、マウントプレート20の上面を窪ますようにして形成された箱状の部分である。この収容部31は、前壁32と、左壁33と、右壁34と、後壁35と、底壁36とを含む。
図4に示すように、前壁32には、左右方向Y1に並ぶ左挿通孔321Lおよび右挿通孔321Rが形成されている。前壁32の左挿通孔321Lには、ステアリングブラケット16の左筒23Lの後端、および左マウント22Lの第1内筒26Lの前端が配置されている。前壁32の右挿通孔321Rには、ステアリングブラケット16の右筒23Rの後端、および右マウント22Rの第1内筒26Rの前端が配置されている。
左壁33は、前壁32の左端から後方に延びている。右壁34は、前壁32の右端から後方に延びている。後壁35は、左右方向Y1に延びており、左壁33の後端および右壁34の後端に接続されている。平面視において、後壁35の中央は、後方に窪んでいる。これにより、後壁35には、窪み351が形成されている。後壁35の前端面は、窪み351の左方および右方に配置されている。後壁35の前端面は、ストッパ面352を含む。ストッパ面352は、前方を向いており、左ボルト21Lの頭部212Lおよび右ボルト21Rの頭部212Rと向かい合っている。
図3に示すように、保持ユニット30は、左マウント22Lおよび右マウント22Rを保持するマウント保持部38と、マウント保持部38の後方に配置された板部材39とを含む。
マウント保持部38は、マウントプレート20の収容部31の底壁36と一体化した本体部40と、本体部40に対して着脱可能に構成されたカバー41とを含む。本体部40は、略水平な平坦面である。
カバー41は、本体部40を上方から覆うように配置されている。このカバー41は、平面視において略台形状に形成されている。カバー41は、本体部40に、取付ボルト42,43,44を用いて固定されている。
具体的には、取付ボルト42は、カバー41の左端に形成された挿通孔421を挿通し、さらに、本体部40の上面に形成されたねじ孔(図示せず)に結合されている。取付ボルト43は、カバー41の右端に形成された挿通孔422を挿通し、さらに、本体部40の上面に形成されたねじ孔402に結合されている。取付ボルト44は、カバー41の左右の中央部に形成された挿通孔423を挿通し、さらに、本体部40の上面に形成されたねじ孔403に結合されている。これらカバー41と本体部40との協働により、マウント保持部38が形成されている。
図4を参照して、図4は、マウント保持部38のうち、本体部40の上面よりも上方における切断面を示す断面図である。したがって、図4では、カバー41の切断面が表示されている。マウント保持部38の内部には、左右方向Y1に並ぶ一対の円筒面45L,45Rが形成されている。円筒面45L,45Rは、それぞれ、保持溝46Lおよび保持溝46Rを含む。
保持溝46Lは、左マウント22Lを保持する溝である。保持溝46Lの底面461Lは、円筒に形成されている。
保持溝46Lの底面461Lは、左マウント22Lの第1外筒27Lを全周に渡って受けている。また、保持溝46Lは、第1外筒27Lを前後方向X1に挟んでいる。これにより、保持溝46Lは、左マウント22Lの第1外筒27Lを固定しており、第1外筒27Lの前後移動を規制している。また、第1内筒26Lは、円筒面45Lの内方の空間を通っており、円筒面45Lの前方および後方に突出している。
保持溝46Rは、右マウント22Rを保持する溝である。保持溝46Rの底面461Rは、円筒に形成されている。
保持溝46Rの底面461Rは、右マウント22Rの第1外筒27Rを全周に渡って受けている。また、保持溝46Rは、第1外筒27Rを前後方向X1に挟んでいる。これにより、保持溝46Rは、右マウント22Rの第1外筒27Rを固定しており、第1外筒27Rの前後移動を規制している。また、第1内筒26Rは、円筒面45Rの内方の空間を通っており、円筒面45Rの前方および後方に突出している。
図5は、図4のV−V線に沿う切断面を示す断面図である。マウント保持部38の後面381は、略鉛直(厳密には上斜め前)に延びる略平坦な面である。前述したように、マウント保持部38は、本体部40とカバー41との協働により形成されている。したがって、マウント保持部38の後面381は、カバー41と本体部40との境界でわずかに段差が生じている。
図3に示すように、板部材39は、所定の厚みを有する平板によって形成されている。板部材39は、たとえば、金属や合成樹脂などの高い剛性を有する剛性材料を用いて形成されている。板部材39は、左右方向Y1に長く、上下方向Z1に短い形状に形成されている。前後方向X1に見て、板部材39の4隅は、滑らかな湾曲形状に形成されている。この板部材39は、マウント保持部38の本体部40およびカバー41と前後方向X1に対向している。
板部材39は、左マウント22L、右マウント22Rおよびマウント保持部38を介して、マウントプレート20に支持されている。板部材39は、ボルト軸211Lに対応する左部391Lと、ボルト軸211Rに対応する右部391Rと、左部391Lおよび右部391Rを結合する結合部392とを含む。
図4に示すように、左部391Lには、挿通孔393Lが形成されている。挿通孔393Lには、左マウント22Lの第1内筒26Lが差し込まれている。これにより、板部材39は、左マウント22Lの第1内筒26Lおよびボルト軸211Lに支持されている。
右部391Rには、挿通孔393Rが形成されている。挿通孔393Rには、右マウント22Rの第1内筒26Rが差し込まれている。これにより、板部材39は、右マウント22Rの第1内筒26Rおよびボルト軸211Rに支持されている。
板部材39は、第1内筒26L,26Rに対して前後方向X1に移動可能に構成されている。板部材39の前面394は、マウント保持部38の後面381と前後方向X1に対向している。板部材39の後面は、第1接触面395とされている。第1接触面395は、船外機1の後方を向いている。
図3に示すように、船外機1は、板部材39(保持ユニット30)の後方に配置された、第1ストッパ51、第2弾性部材50、一対の第2ストッパ52L,52Rおよび第3ストッパ53を含む。
第1ストッパ51は、この考案の「第1変位規制部材」の一例である。第1ストッパ51は、高負荷前進時にマウントプレート20が後方に所定量以上変位することを規制するように構成されている。第1ストッパ51は、所定の厚みを有する平板によって形成されている。前後方向X1に見たときに、第1ストッパ51の外郭形状は、板部材39の外郭形状と略同じとされている。
第1ストッパ51は、たとえば、金属や合成樹脂などの高い剛性を有する剛性材料を用いて形成されている。第1ストッパ51は、左右方向Y1に長く、上下方向Z1に短い略矩形状に形成されている。前後方向X1に見て、第1ストッパ51の4隅は、滑らかな湾曲形状に形成されている。この第1ストッパ51は、板部材39と前後方向X1に対向している。
第1ストッパ51は、ボルト軸211Lに対応する左部511Lと、ボルト軸211Rに対応する右部511Rと、左部511Lおよび右部511Rを結合する結合部512とを含む。
図4の保持ユニット30の後方部分の構成を示す拡大断面図である図6に示すように、第1ストッパ51の左部511Lには、挿通孔513Lが形成されている。挿通孔513Lの大きさは、ボルト軸211Lの差し込みは可能であるけれども、左マウント22Lの第1内筒26Lの差し込みはできない大きさとされている。挿通孔513Lには、ボルト軸211Lが差し込まれている。これにより、第1ストッパ51は、ボルト軸211Lに支持されている。第1ストッパ51の左部511Lにおいては、挿通孔513Lの周囲が、第1内筒26Lおよび左ボルト21Lの頭部212Lに挟まれている。これにより、第1ストッパ51は、左ボルト21Lに対する前後方向X1の移動を規制されている。すなわち、第1ストッパ51は、保持ユニット30から遠ざかる方向(後方向)への変位が規制されるように、かつ、保持ユニット30に近づく方向(前方向)への変位が規制されるように、左ボルト21Lに支持されている。
第1ストッパ51の右部511Rには、挿通孔513Rが形成されている。挿通孔513Rの大きさは、ボルト軸211Rの差し込みは可能であるけれども、右マウント22Rの第1内筒26Rの差し込みはできない大きさとされている。挿通孔513Rには、ボルト軸211Rが差し込まれている。これにより、第1ストッパ51は、ボルト軸211Rに支持されている。第1ストッパ51の右部511Rにおいては、挿通孔513Rの周囲が、第1内筒26Rおよび右ボルト21Rの頭部212Rに挟まれている。これにより、第1ストッパ51は、右ボルト21Rに対する前後方向X1の移動を規制されている。すなわち、第1ストッパ51は、保持ユニット30から遠ざかる方向(後方向)への変位が規制されるように、かつ、保持ユニット30に近づく方向(前方向)への変位が規制されるように、右ボルト21Rに支持されている。
第1ストッパ51の前面は、第2接触面514とされている。第2接触面514は、前後方向X1に沿って前方を向いている。第2接触面514は、第1接触面395と前後方向X1に対向している。
第2弾性部材50は、第1ストッパ51の第2接触面514に向けて保持ユニット30の第1接触面395が後方に所定量以上変位した場合(高負荷前進時)において、第1接触面395と第2接触面514との間で圧縮される。第2弾性部材50は、板部材39の第1接触面395と第1ストッパ51の第2接触面514との間に配置されている。これにより、板部材39は、第2弾性部材50と、マウント保持部38との間に配置されている。
図3に示すように、第2弾性部材50は、ゴムなどの弾性部材を用いて所定の厚みを有する板状に形成されている。第2弾性部材50の素材は、第1弾性部材28L,28Rの素材よりも硬い。また、第2弾性部材50の素材は、第1ストッパ51および第2ストッパ52L,52Rの素材よりは柔らかい。前後方向X1に見たときに、第2弾性部材50は、板部材39の配置領域内に配置され、かつ、第1ストッパ51の配置領域内に配置されている。すなわち、前後方向X1に見たとき、第2弾性部材50は、板部材39の第1接触面395の外周縁部395aの内側に配置され、かつ、第1ストッパ51の第2接触面514の外周縁部514aの内側に配置されている。
第2弾性部材50は、左右方向Y1に長く、上下方向Z1に短い形状に形成されている。第2弾性部材50は、左マウント22Lに対応する円筒状の左部501Lと、右マウント22Rに対応する円筒状の右部501Rと、左部501Lおよび右部501Rを結合する結合部502とを含む。
図6に示すように、第2弾性部材50の左部501Lは、板部材39の左部391Lと、第1ストッパ51の左部511Lとの間に配置されている。左部501Lには、挿通孔503Lが形成されている。挿通孔503Lには、第2ストッパ52L、第1内筒26Lおよびボルト軸211Lが差し込まれている。これにより、第2弾性部材50は、左ボルト21Lに支持されている。
第2弾性部材50の右部501Rは、板部材39の右部391Rと、第1ストッパ51の右部511Rとの間に配置されている。右部501Rには、挿通孔503Rが形成されている。挿通孔503Rには、第2ストッパ52R、第1内筒26Rおよびボルト軸211Rが差し込まれている。これにより、第2弾性部材50Rは、右ボルト21Rに支持されている。
上記の構成により、板部材39の第1接触面395は、第2弾性部材50の左部501L、右部501Rおよび結合部502に対向する領域に渡って延びている。同様に、第1ストッパ51の第2接触面514は、第2弾性部材50の左部501L、右部501Rおよび結合部502に対向する領域に渡って延びている。
第2ストッパ52L,52Rは、それぞれ、この考案の「第2変位規制部材」の一例である。第2ストッパ52L,52Rは、それぞれ、第1接触面395と第2接触面514との間で第2弾性部材50が押し潰されることを防止するために設けられている。
第2ストッパ52Lは、第2弾性部材50の挿通孔503Lの周面と第1内筒26Lとの間に配置されている。これにより、第2ストッパ52Lは、前後方向X1に見たときに、第2弾性部材50と重ならないように、第1接触面395と第2接触面514との間に配置されている。
第2ストッパ52Lは、第2弾性部材50よりも高弾性の材料、たとえば、アルミニウム合金などの金属(剛性材料)からなる。第2ストッパ52Lは、ボルト軸211Lおよび第1内筒26Lを取り囲む円環状に形成されている。第2ストッパ52Lの内径は、第1内筒26Lの外径と略同じである。また、第2ストッパ52Lの外径は、第2弾性部材50の挿通孔503Lの直径と略同じである。前後方向X1において、第2ストッパ52Lの厚みL1は、第2弾性部材50の厚みL2よりも薄い(L1<L2)。
第2ストッパ52Rは、第2弾性部材50の挿通孔503Rの周面と第1内筒26Rとの間に配置されている。これにより、第2ストッパ52Rは、前後方向X1に見たときに、第2弾性部材50と重ならないように、第1接触面395と第2接触面514との間に配置されている。
第2ストッパ52Rは、第2ストッパ52Lと同様の材料により形成されている。第2ストッパ52Rは、ボルト軸211Rおよび第1内筒26Rを取り囲む円環状に形成されている。第2ストッパ52Rの内径は、第1内筒26Rの外径と略同じである。また、第2ストッパ52Rの外径は、第2弾性部材50の挿通孔503Rの直径と略同じである。前後方向X1において、第2ストッパ52Rの厚みL1は、第2弾性部材50の厚みL2よりも薄い(L1<L2)。
以上の構成により、マウント保持部38の後面381と板部材39の前面394との間には、前後方向X1に長さL3を有する隙間54が形成されている。また、板部材39の第1接触面395と各第2ストッパ52L,52Rの前面との間には、前後方向X1に長さL4を有する隙間55が形成されている。したがって、マウント保持部38は、長さL3+L4に渡って、第1ストッパ51に向けて後方に変位可能である。
第3ストッパ53は、この考案の「ストッパ」の一例である。第3ストッパ53は、前後方向X1に沿って保持ユニット30が所定量以上前方に変位した場合、各ボルト21L,21Rの後端とマウントプレート20とに挟まれる。これにより、第3ストッパ53は、マウントプレート20(船外機本体2)の変位を規制する。
図3に示すように、第3ストッパ53は、ウレタンなどの素材を用いて平板状に形成されている。第3ストッパ53は、前後方向X1に見たときに、左右の中央の下部に切欠を有する形状となっている。第3ストッパ53は、左ボルト21Lに対応する左部531Lと、右ボルト21Rに対応する右部531Rと、左部531Lおよび右部531Rを結合する結合部532とを含む。
図6に示すように、第3ストッパ53の左部531Lは、左ボルト21Lの頭部212Lと、収容部31の後壁35のストッパ面352との間に配置されている。左ボルト21Lの後端とストッパ面352との間の前後方向X1の距離は、左部531Lの厚みよりも長い。これにより、第3ストッパ53は、左ボルト21Lとストッパ面352との間で前後方向X1に可動長さL5に渡って変位可能である。
第3ストッパ53の右部531Rは、右ボルト21Rの頭部212Rと、収容部31の後壁35のストッパ面352との間に配置されている。右ボルト21Rの後端とストッパ面352との間の前後方向X1の距離は、右部531Rの厚みよりも長い。これにより、第3ストッパ53は、右ボルト21Rとストッパ面352との間で前後方向X1に可動長さL5だけ変位可能である。
船外機1は、第3ストッパ53の、各ボルト21L,21Rとストッパ面352との間からの抜けを防止する抜け止め構造をさらに含む。具体的には、図3に示すように、第1ストッパ51には、凸部56が設けられている。また、第3ストッパ53には、凹部57を含む箱状部58が設けられている。
凸部56は、左右方向Y1において、左ボルト21Lと右ボルト21Rとの間に配置されている。凸部56は、第1ストッパ51と一体化された板状の部材であり、第1ストッパ51の上端から前後方向X1に沿って後方に延びている。
箱状部58は、第3ストッパ53と一体化された部材である。凹部57は、箱状部58の前面の一部を後方に窪ますようにして形成されている。図5に示すように、凹部57には、凸部56が差し込まれている。凸部56は、凹部57に対して前後方向X1に変位可能である。
凸部56は、凹部57に所定の差し込み長さL6で差し込まれている。差し込み長さL6は、第3ストッパ53の可動長さL5よりも長い(L6>L5)。
以上が船外機1の概略構成である。次に、船外機1の作用を説明する。
図4に示すように、船外機1が推進力を発生していないときにおいて、船外機本体2に設けられた保持ユニット30は、左マウント22L、左ボルト21L、右マウント22Rおよび右ボルト21Rを介してステアリングブラケット16に支持されている。このとき、エンジンの振動など、船外機本体2の振動は、左マウント22Lの第1弾性部材28Lおよび右マウント22Rの第1弾性部材28Rで吸収され、ステアリングブラケット16に伝わることが抑制される。
図1を参照して、船外機1は、船舶100を前進させるとき、プロペラ7を一方向に回転する。これにより、船外機1は、船舶100を前進させる推進力を発生する。このとき、船外機本体2は、アッパーケース10やロアーケース11周辺の部分において前向きの力F1を受ける。この力は、ロワーマウントなどを介して船体に伝達される。このロワーマウントと船体との接点が支点となり、前向きの力F1はマウントプレート20周辺の上部において後向きの力F2となって作用する。
このとき、図7に示すように、マウントプレート20および保持ユニット30は、第1弾性部材28Lの変形により、ステアリングブラケット16から遠ざかるように後方に(第2接触面514に向けて)変位する。船舶100が高負荷(高速)で前進している高負荷前進時においては、前記後向きの力F2が大きい。これにより、保持ユニット30の後方への変位量は、隙間54,55の長さL3+L4(図6参照)に達する。
これにより、図7に示すように、マウント保持部38および板部材39は、第2弾性部材50を後方に向けて押圧する。このとき、板部材39の第1接触面395および第1ストッパ51の第2接触面514によって、第2弾性部材50が圧縮される。ここで、第2ストッパ52L,52Rは、第1接触面395と第2接触面514との間に配置されている。これにより、第1接触面395と第2接触面514との間の間隔は、第2ストッパ52L,52Rの前後方向X1の厚みL1未満にはならない。したがって、第2弾性部材50は、押し潰されることがない。
第1接触面395と第2接触面514との間の間隔が第2ストッパ52L,52Rの厚みL1と同じとき、第2弾性部材50の前後方向X1への圧縮量は、最大となる。このとき、第2弾性部材50は、前後方向X1に沿って見たときに、第1接触面395の外周縁部395aの内側に位置し、かつ、第2接触面514の外周縁部514aの内側に位置している。
保持ユニット30の板部材39が第1ストッパ51に最も近づいたときにおいて、船外機本体2のマウントプレート20(保持ユニット30)に作用する後向きの力F2は、大きい。この力F2は、第1接触面395、各第2ストッパ52L,52R、第1ストッパ51および各ボルト21L,21Rを介して、ステアリングブラケット16に受けられる。このときの、保持ユニット30の後方への変位量は、隙間54,55の長さL3+L4であり、小さい。したがって、各第1弾性部材28L,28Rの歪み量は小さく、しかも、第2弾性部材50は、第1接触面395と第2接触面514との間で押し潰されない。
また、保持ユニット30は、各第2ストッパ52L,52R、第1ストッパ51および各ボルト21L,21Rを介して高い剛性でステアリングブラケット16に支持されている。したがって、船外機1の前進航走時において、優れた操縦性を確保できる。
また、図1を参照して、船外機1は、船舶100を後進させるとき、プロペラ7を前記一方向とは反対の他方向に回転する。これにより、船外機1は、船舶100を後進させる推進力を発生する。このとき、船外機本体2は、アッパーケース10やロアーケース11周辺の部分において後向きの力F3を受ける。この力は、ロワーマウントなどを介して船体に伝達される。このロワーマウントと船体との接点が支点となり、後向きの力F3はマウントプレート20周辺の上部において前向きの力F4となって作用する。
このとき、図8に示すように、マウントプレート20は、各ボルト21L,21Rに対して第1弾性部材28Lの変形により前方に変位する。船舶100が高負荷(高速)で後進している高負荷後進時においては、前記前向きの力F4が大きい。これにより、マウントプレート20の前方への変位量は、第3ストッパ53の可動長さL5(図6参照)に達する。
これにより、図8に示すように、マウントプレート20の収容部31の後壁35のストッパ面352は、第3ストッパ53の後面533に接触する。このとき、後壁35は、第3ストッパ53を介して各ボルト21L,21Rの頭部212L,212Rに受けられる。このため、マウントプレート20の前方への変位が規制される。このとき、保持ユニット30は、前方に向けて可動長さL5しか動かない。したがって、各第1弾性部材28L,28Rの歪み量は小さい。また、第2弾性部材50は、圧縮されておらず、第1接触面395と第2接触面514との間で押し潰されない。
また、船外機本体2のマウントプレート20のストッパ面352は、各ボルト21L,21Rを介して高い剛性でステアリングブラケット16に支持されている。したがって、船外機1の後進航走時において、優れた操縦性を確保できる。
以上説明したように、この実施形態によれば、船舶100を前進させる推進力を発生する方向にプロペラ7が回転しているとき、その推進力によって、船外機本体2の下部は、前方へと押される。このとき、反対に、マウントプレート20および保持ユニット30は、ステアリングブラケット16から遠ざかるように後方に変位する。
船舶100を高速で前進させるために、プロペラ7が高速回転しているとき(高負荷前進時)、保持ユニット30の第1接触面395は、第1ストッパ51に向けて後方に変位する。これにより、第2弾性部材50は、保持ユニット30の第1接触面395と第1ストッパ51の第2接触面514とによって圧縮される。
このとき、第2弾性部材50は、船外機本体2の振動を吸収することができる。保持ユニット30の第1接触面395がさらに後方に変位すると、保持ユニット30の第1接触面395は、各第2ストッパ52L,52Rに接触する。この場合、第2ストッパ52L,52Rは、保持ユニット30の第1接触面395と第1ストッパ51の第2接触面514との間に挟まれる。第1ストッパ51は保持ユニット30から遠ざかる後方への変位が規制されており、かつ、第2ストッパ52L,52Rは高弾性であるので、保持ユニット30の後方への変位量を規制できる。これにより、第2弾性部材50の圧縮量を制限できるから、保持ユニット30と第1ストッパ51との間で第2弾性部材50が押し潰されることを防止できる。
したがって、第2弾性部材50の損傷を抑制できるから、第2弾性部材50の振動抑制効果を長期に渡って維持することができる。このように、第2弾性部材50の圧縮量が第2ストッパ52L,52Rによって制限されるので、第2弾性部材50は、その耐久性を犠牲にすることなく、柔らかい素材で作製することができる。このため、第2弾性部材50は、優れた振動抑制効果を発揮することができる。
また、第2ストッパ52L,52Rは、保持ユニット30の第1ストッパ51に向かう変位量を制限する。したがって、保持ユニット30が第1ストッパ51に向けて後方に変位するとき、各第1弾性部材28L,28Rの歪み量も制限されることになる。これにより、各第1弾性部材28L,28Rの劣化を抑制できるので、各第1弾性部材28L,28Rの振動抑制効果が長期に渡って維持される。さらに、各第1弾性部材28L,28Rを硬くすることにより各第1弾性部材28L,28Rの歪み量を小さくする必要がないから、各第1弾性部材28L,28Rは柔らかい素材で作製することができる。これにより、第1弾性部材50は、優れた振動抑制効果を発揮することができる。その結果、操船者その他の乗員に感じられるエンジン振動を抑制できる。以上より、優れた振動抑制効果を長期間に渡って維持することのできる船外機1を実現することができる。
また、第1ストッパ51の第2接触面514は、第2弾性部材50の左部501Lおよび右部501Rにわたって延びている。さらに、保持ユニット30の第1接触面395は、第2弾性部材50の左部501Lおよび右部501Rに対向する領域にわたって延びている。
これにより、第2弾性部材50は、左右方向Y1に長く形成されるので、第2弾性部材50を大きくすることができる。これにより、第2弾性部材50は、保持ユニット30および第1ストッパ51に対して大きな面積の対向面を有する。この大面積の対向面に対向するように、保持ユニット30の板部材39および第1ストッパ51が、それぞれ右部391R,511R、左部391L,511Lおよび結合部392,512を有している。したがって、第2弾性部材50は、第1接触面395および第2接触面514からの荷重を大きな面積に分散させて受けることができる。よって、第2弾性部材50が単位面積あたりに受ける圧力が低い。その結果、第2弾性部材50の圧縮量が小さくなるから、その劣化を抑制することができる。したがって、第2弾性部材50の振動抑制効果を長期に渡って維持することができる。また、第2弾性部材50を大きくすることで、第2弾性部材50をより柔らかい素材で作製することができる。このため、第2弾性部材50は、優れた振動抑制効果を有することができる。
さらに、第2ストッパ52L,52Rは、それぞれ、ボルト軸211Lおよびボルト軸211Rを取り囲む環状に形成されている。これにより、各第2ストッパ52L,52Rは、その周方向の全域に渡って第1接触面395および第2接触面514に接触できる。したがって、第2ストッパ52L,52Rが第1接触面395および第2接触面514に挟まれて圧縮力を受けている場合において、各第2ストッパ52L,52Rと、対応する第1接触面395および第2接触面514との接触状態が安定する。したがって、第1ストッパ51は、各第2ストッパ52L,52Rを介して保持ユニット30から伝わる荷重を安定して受けることができる。これにより、保持ユニット30の変位を、第2ストッパ52L,52Rを用いて確実に規制することができる。
また、各第2ストッパ52L,52Rは、それぞれ、ボルト軸211L,211Rに支持されている。これにより、第2ストッパ52L,52Rにボルト軸211L,211Rを差し込むという簡易な構成で、第2ストッパ52L,52Rをボルト軸211L,211Rによって支持することができる。
さらに、第2弾性部材50の左部501Lおよび右部501Rは、それぞれ、対応する第2ストッパ52L,52Rの外周を取り囲む環状に形成されている。これにより、第2弾性部材50は、対応する第2ストッパ50Lおよび第2ストッパ50Rに隣接して配置されることになる。このため、各第2ストッパ52L,52Rは、第2弾性部材50が押し潰されることを効果的に抑制できる。
また、第2弾性部材50は、保持ユニット30の第1接触面395と第1ストッパ51の第2接触面514とにより圧縮されると、第1接触面395の外周縁部395aおよび第2接触面514の外周縁部514aに向けて拡がるように弾性変形する。そこで、前後方向X1に見たときに、第1接触面395の外周縁部395aの内側で、かつ、第2接触面514の外周縁部の内側に第2弾性部材50が配置される。これにより、弾性変形した第2弾性部材50の縁部が、第1接触面395の外周縁部395aおよび第2接触面514の外周縁部514aにまで至らないようにすることができる。これにより、第2弾性部材50が、第1接触面395の外周縁部395aおよび第2接触面514の外周縁部514aに擦れることを抑制できる。したがって、第2弾性部材50が第1接触面395および第2接触面514(保持ユニット30および第1ストッパ51)によって削られることを抑制できる。
また、第1接触面395および第2接触面514が第2弾性部材50および各第2ストッパ52L,52Rを圧縮している状態において、第2弾性部材50の圧縮量が最大となる。この最大圧縮状態において、第2弾性部材50が、前記第1接触面395の外周縁部395aの内側に配置されている。しかも、このとき、第2弾性部材50は、第2接触面514の外周縁部514aの内側に配置されている。これにより、第2弾性部材50の最大圧縮状態においても、第2弾性部材50が第1接触面395の外周縁部395aに接触して削られることを抑制できる。その上、第2弾性部材50が第2接触面514の外周縁部514aに接触して削られることを抑制できる。
また、保持ユニット30は、マウント保持部38と、板部材38とは別部材で形成された板部材39とを含む。これにより、マウント保持部38の形状に拘らず、板部材39において、第1接触面395を第2弾性部材50の前面(対向面)に整合する形状に形成できる。具体的には、第2弾性部材50の前面がボルト軸211L,211Rに略直交する平坦面であるので、第1接触面395もまたボルト軸211L,211Rに直交する平坦面に形成できる。
さらに具体的には、マウント保持部38が複数の部品を含んでいるので、第2弾性部材50に対向するマウント保持部38の後面を段差のない平坦面に形成することが困難である。このような場合であっても、板部材39を用いることによって、第1接触面391を平坦面に形成できる。また、マウント保持部38の第2弾性部材50に対向する後面381が、ボルト軸211L,211Rと直交する方向に対してわずかに傾斜している。このような場合でも、板部材39を用いることによって、ボルト軸211L,211Rに直交する平坦面からなる第1接触面395を提供できる。このように、板部材39を用いることによって、第1接触面395を第2弾性部材50の前面の形状に容易に整合させることができるので、第1接触面395と第2弾性部材50との接触面積を大きくすることができる。
これにより、第1接触面395からの荷重が分散されて第2弾性部材50に受けられるので、第2弾性部材50の圧縮量を抑制でき、かつ、その局所的な変形を抑制できる。これにより、第2弾性部材50は、たとえ柔らかい素材で作製される場合であっても、充分な耐久性を有することができる。とくに、第1接触面395および第2弾性部材50の前面をいずれもボルト軸211L,211Rに直交する平坦面に形成しているので、第1接触面395から第2弾性部材50への荷重の伝達が安定する。しかも、第2弾性部材50の摩耗を最小限にできる。
また、簡単な形状の板部材39に第1接触面395を形成するので、第1接触面395の形成は容易である。その結果、船外機1の製造コストを低減することができる。
さらに、マウント保持部38は、マウントプレート20と一体化した本体部40と、本体部40に着脱可能なカバー41とを含む。このように、マウント保持部38を本体部40とカバー41の複数の部材で構成した場合でも、板部材39に第1接触面395を設けることで、第1接触面395を、段差の無い平坦な面にすることができる。したがって、第1接触面395と、第2弾性部材50との接触状態を安定することができる。また、本体部40とカバー41との結合部を、第2弾性部材50に直接接触しないようにすることができる。よって、本体部40とカバー41との結合部と、第2弾性部材50との接触により第2弾性部材50が損傷することを抑制することができる。
また、本体部40からカバー41を取り外すことにより、本体部40の各保持溝46L,46Rを露出した状態で、各保持溝46L,46Rに対応するマウント22L,22Rを嵌めることができる。さらに、左マウント22Lおよび右マウント22Rが嵌められた本体部40にカバー41を取り付けることができる。したがって、左マウント22Lおよび右マウント22Rを保持ユニット30に取り付ける作業を容易にすることができる。
さらに、船外機1には、第3ストッパ53が設けられている。これにより、保持ユニット30の周辺部における船外機本体2の前方への変位を、第3ストッパ53によって規制することができる。この第3ストッパ53は、凸部56と凹部57との差し込みによって、抜け止めされている。しかも、凸部56は、凹部57に対して、第3ストッパ53の前後方向X1の可動長さL5よりも長い差込長さL6で差し込まれている。これにより、凸部56が凹部57から抜けることを防止できる。よって、第3ストッパ53の位置のずれを防止できる。これにより、第3ストッパ53は、船外機本体2の前方への変位を確実に規制できる。
また、マウントプレート20の収容部31内に、保持ユニット30を含むアッパーマウント構造が配置されている。このため、アッパーマウント構造をコンパクトに配置することができる。これにより、船外機本体2の小型化を達成することができる。
また、船舶100がジャンプし、その後、船舶100が着水したときにおいて、船外機本体2のマウントプレート20(保持ユニット30)は、後方に向かう大きな衝撃力を受けることがある。このとき、保持ユニット30は、各第2ストッパ52L,52R、第1ストッパ51および各ボルト21L,21Rを介してステアリングブラケット16に剛的に支持される。これにより、第1弾性部材28L,28Rおよび第2弾性部材50には、大きな衝撃力は作用しない。したがって、上記の衝撃力に対するアッパーマウント構造の耐久性が優れる。
また、船舶100がジャンプし、その後、船舶100が着水したとき、船外機本体2のマウントプレート20は、前方に向かう大きな衝撃力を受けることがある。このとき、マウントプレート20のストッパ面352は、第3ストッパ53および各ボルト21L,21Rを介してステアリングブラケット16に剛的に支持される。したがって、大きな衝撃力は、第1弾性部材28L,28Rに伝わらない。したがって、上記の衝撃力に対するアッパーマウント構造の耐久性が優れる。
この考案の実施の形態の説明は以上であるが、この考案は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の実施形態では、保持ユニット30は、マウント保持部38と板部材39とを含み、板部材39に第1接触面395を形成した構成であるけれども、これに限定されない。保持ユニット30の板部材39を省略し、マウント保持部38の後面381に第1接触面395を形成してもよい。この場合、第1接触面395は、船外機本体2のマウントプレート20に直接支持されたマウント保持部38に形成される。
また、前述の実施形態では、第1ストッパ51は1つ設けられる構成を説明したけれども、これに限定されない。第1ストッパ51の左部511Lと右部511Rとを別部材で形成することにより、第1ストッパ51を複数設けてもよい。
さらに、前述の実施形態では、第2ストッパ52L,52Rは、それぞれ、円筒状である構成を説明したけれども、これに限定されない。第2ストッパ52L,52Rは、多角形の環状に形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、第2ストッパ52L,52Rは、それぞれ、第2弾性部材50の左部501Lおよび右部501Rの内部に配置された構成を説明したけれども、これに限定されない。第2ストッパ52L,52Rは、第1接触面395と第2接触面514との間に配置されていればよい。たとえば、第2ストッパ52L,52Rは、第2弾性部材50を取り囲む形状であってもよい。
さらに、前述の実施形態では、第2ストッパ52L,52Rが別々に形成されている構成を説明したけれども、これに限定されない。第2ストッパ52L,52Rは、一体成形されていてもよい。
また、前述の実施形態では、第2弾性部材50は、1つ設けられる構成を説明したけれども、これに限定されない。第2弾性部材50の左部501Lと右部501Rとを、別部材で形成することにより、第2弾性部材50を複数設けてもよい
さらに、前述の実施形態では、板部材39は、1つ設けられる構成を説明したけれども、これに限定されない。板部材39の左部391Lと右部391Rとを、別部材で形成することにより、板部材39を複数設けてもよい。
また、前述の実施形態では、第3ストッパ53は、1つ設けられる構成を説明したけれども、これに限定されない。第3ストッパ53の左部531Lと右部531Rとを別部材で形成することにより、第3ストッパ53を複数設けてもよい。
また、前述の実施形態では、前後方向X1に見たときに、第2弾性部材50は、第1接触面395の外周縁部395aの内側で、かつ、第2接触面514の外周縁部514aの内側に配置された構成を説明したけれども、これに限定されない。前後方向X1に見たときに、第2弾性部材50の一部は、第1接触面395の外周縁部395aの外側に配置されていてもよい。また、第2弾性部材50の一部は、第2接触面514の外周縁部514aの外側に配置されていてもよい。
さらに、前述の実施形態において、第3ストッパ53の抜け止め構造は、第1ストッパ51に設けられた凸部56と、第3ストッパ53に設けられた凹部57と、を含む構成を説明したけれども、これに限定されない。凸部56を第3ストッパ53に設け、かつ、凹部57を第1ストッパ51に設けてもよい。
また、前述の実施形態では、第3ストッパ53を用いることにより、マウントプレート20の前方への変位を規制する構成を説明したけれども、これに限定されない。第3ストッパ53に代えて、各ボルト21L,21Rの頭部212L,212Rに嵌るキャップを設け、これらのキャップを第3ストッパとして用いてもよい。
その他、実用新案登録請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 船外機
2 船外機本体
4 エンジン
7 プロペラ
16 ステアリングブラケット(ブラケット)
22L 左マウント(マウント)
22R 右マウント(マウント)
26L,26R 第1内筒(内筒)
27L,27R 第1外筒(外筒)
28L,28R 第1弾性部材
30 保持ユニット
38 マウント保持部
39 板部材
50 第2弾性部材
51 第1ストッパ(第1変位規制部材)
52L,52R 第2ストッパ(第2変位規制部材)
53 第3ストッパ(ストッパ)
56 凸部
57 凹部
101 船体
102 船尾
211L ボルト軸(軸部材、左軸部材)
211R ボルト軸(軸部材、右軸部材)
395 第1接触面
395a 第1接触面の外周縁部
501L (第2弾性部材の)左部
501R (第2弾性部材の)右部
502 (第2弾性部材の)結合部
514 第2接触面
514a 第2接触面の外周縁部
L1 (第2変位規制部材)の厚み
L2 第2弾性部材の厚み
L5 可動長さ
L6 差し込み長さ
X1 前後方向(軸方向)
Y1 左右方向

Claims (6)

  1. エンジンおよびプロペラを含む船外機本体と、
    船体の船尾に取り付けられるブラケットと、
    前記ブラケットから当該ブラケットの後方に延びる軸部材と、
    前記軸部材に差し込まれた内筒と、前記内筒を取り囲む外筒と、前記内筒および前記外筒の間に配置され当該内筒および外筒に結合された第1弾性部材と、を含むマウントと、
    前記船外機本体に支持され、後方に向けられた第1接触面を有し、前記マウントを保持する保持ユニットと、
    前記軸部材の軸方向に沿って前記保持ユニットの第1接触面に対向するように前方に向けられた第2接触面を有し、前記軸部材に支持される第1変位規制部材と、
    前記第1接触面が前記第2接触面に近づく方向に所定量以上変位したときに前記第1接触面と前記第2接触面との間で圧縮される第2弾性部材と、
    前記軸方向に見たときに前記第2弾性部材と重ならないように前記第1接触面と前記第2接触面との間に配置され、前記軸方向の厚みが前記第2弾性部材よりも薄く、前記第2弾性部材よりも高弾性の材料からなる第2変位規制部材とを含む、船外機。
  2. 前記軸部材は、前記船外機の左右方向に並んで設けられた一対の左軸部材および右軸部材を含み、
    前記マウントは、前記左軸部材および右軸部材にそれぞれ対応する左マウントおよび右マウントを含み、
    前記第2弾性部材は、前記左マウントおよび右マウントにそれぞれ対応する左部および右部と、前記左部および右部を結合する結合部とを含み、
    前記第2接触面が、前記第2弾性部材の前記左部、右部および結合部にわたって延びており、
    前記第1接触面が、前記第2弾性部材の前記左部、右部および結合部に対向する領域にわたって延びている、請求項1記載の船外機。
  3. 前記第2変位規制部材は、前記軸部材を取り囲む環状に形成されている、請求項1または2記載の船外機。
  4. 前記軸方向に見たときに、前記第2弾性部材が、前記第1接触面の外周縁部の内側で、かつ、前記第2接触面の外周縁部の内側に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の船外機。
  5. 前記保持ユニットは、前記マウントを保持するマウント保持部と、前記マウント保持部と前記第2弾性部材との間に配置され、前記第1接触面を有する板部材とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の船外機。
  6. 前記第1変位規制部材の後方に配置され、前記保持ユニットが前記軸方向に沿って前方に変位したときに前記軸部材の後端と前記船外機本体とに挟まれることにより前記船外機本体の変位を規制するストッパと、
    前記第1変位規制部材および前記ストッパの一方に形成され前記軸方向に延びる凸部と、前記第1変位規制部材および前記ストッパの他方に形成され前記凸部が差し込まれる凹部とを含み、前記凸部と凹部とが前記ストッパの前記軸方向の可動長さよりも長い差し込み長さで差し込まれた抜け止め構造と、をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の船外機。
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