JP3158990B2 - Ti合金製エンジンバルブの製造法 - Google Patents
Ti合金製エンジンバルブの製造法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、Ti合金製エン
ジンバルブの製造方法に関するものである。
ジンバルブの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、Ti合金製エンジンバルブは、強
靭で耐熱鋼製エンジンバルブに比べて軽量であるところ
から、これを組込むことによりエンジンの回転数を大幅
に増大することができると言われている。しかし、Ti
合金製エンジンバルブは高価であるために、スポーツカ
ー、レーシングカーなどの特殊な自動車のエンジンバル
ブに使用されていた。
靭で耐熱鋼製エンジンバルブに比べて軽量であるところ
から、これを組込むことによりエンジンの回転数を大幅
に増大することができると言われている。しかし、Ti
合金製エンジンバルブは高価であるために、スポーツカ
ー、レーシングカーなどの特殊な自動車のエンジンバル
ブに使用されていた。
【0003】しかし、近年、自動車を軽量化して燃費を
減少させるべく、通常の自家用車のエンジンバルブにT
i合金製エンジンバルブを採用する試みもなされてい
る。このTi合金製エンジンバルブに使用されるTi合
金は、重量%で、Ti−6%Al−4%V合金、Ti−
6%Al−2%Sn−4%Zr−2%Mo−0.1%S
n合金、Ti−6%Al−2%Sn−4%Zr−2%M
o合金、Ti−6%Al−6%V−2%Sn合金、Ti
−33.3%Al−2.7%Cr−4.8%Nb合金な
どが知られており、これらTi合金を真空溶解したの
ち、Ti合金溶湯を金型に遠心鋳造してTi合金製エン
ジンバルブ鋳物を製造する。
減少させるべく、通常の自家用車のエンジンバルブにT
i合金製エンジンバルブを採用する試みもなされてい
る。このTi合金製エンジンバルブに使用されるTi合
金は、重量%で、Ti−6%Al−4%V合金、Ti−
6%Al−2%Sn−4%Zr−2%Mo−0.1%S
n合金、Ti−6%Al−2%Sn−4%Zr−2%M
o合金、Ti−6%Al−6%V−2%Sn合金、Ti
−33.3%Al−2.7%Cr−4.8%Nb合金な
どが知られており、これらTi合金を真空溶解したの
ち、Ti合金溶湯を金型に遠心鋳造してTi合金製エン
ジンバルブ鋳物を製造する。
【0004】得られたTi合金製エンジンバルブ鋳物
は、鋳物内部に発生した微小な巣をつぶすためのHIP
処理または歪除去のための熱処理が施される。
は、鋳物内部に発生した微小な巣をつぶすためのHIP
処理または歪除去のための熱処理が施される。
【0005】例えば、Ti合金製エンジンバルブ鋳物の
HIP処理は、図3に示されるように、Ti合金製エン
ジンバルブ鋳物1を容器2内にステム部3を上に向けて
装入し、Arガス雰囲気中、温度:1300℃、圧力:
2000kgf/cm2 で所定時間保持して行う。
HIP処理は、図3に示されるように、Ti合金製エン
ジンバルブ鋳物1を容器2内にステム部3を上に向けて
装入し、Arガス雰囲気中、温度:1300℃、圧力:
2000kgf/cm2 で所定時間保持して行う。
【0006】また、Ti合金製エンジンバルブ鋳物の熱
処理は大気中、温度:1300℃にTi合金製エンジン
バルブ鋳物をステム部を上に向けて立てた状態に保持し
て行なう。HIP処理または熱処理したTi合金製エン
ジンバルブ鋳物は、必要に応じて表面研削または研摩さ
れてTi合金製エンジンバルブを作製する。
処理は大気中、温度:1300℃にTi合金製エンジン
バルブ鋳物をステム部を上に向けて立てた状態に保持し
て行なう。HIP処理または熱処理したTi合金製エン
ジンバルブ鋳物は、必要に応じて表面研削または研摩さ
れてTi合金製エンジンバルブを作製する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、遠心鋳
造して得られたTi合金製エンジンバルブ鋳物は、HI
P処理または熱処理が施されるが、上記HIP処理また
は熱処理中にTi合金製エンジンバルブ鋳物1は、図4
に示されるように、ステム部3とヘッド部4の付け根部
5からステム部3が傾斜するように変形し、かかる変形
の生じたTi合金製エンジンバルブ鋳物1′のステム部
3をヘッド部4に対して直角に矯正することは困難であ
る。したがって、図4に示されるように変形したTi合
金製エンジンバルブ鋳物1′は不良品として廃棄処分さ
れ、エンジンバルブの歩留りが低下する。上記Ti合金
製エンジンバルブ鋳物の変形はヘッド部を台の開口(図
示せず)に支持してステム部を下方に向けてぶらさげた
状態でHIP処理または熱処理を行っても発生するとこ
ろから、Ti合金製エンジンバルブ鋳物の巣などの鋳造
欠陥が付け根部に主として発生することによるものと考
えられるが明らかではない。
造して得られたTi合金製エンジンバルブ鋳物は、HI
P処理または熱処理が施されるが、上記HIP処理また
は熱処理中にTi合金製エンジンバルブ鋳物1は、図4
に示されるように、ステム部3とヘッド部4の付け根部
5からステム部3が傾斜するように変形し、かかる変形
の生じたTi合金製エンジンバルブ鋳物1′のステム部
3をヘッド部4に対して直角に矯正することは困難であ
る。したがって、図4に示されるように変形したTi合
金製エンジンバルブ鋳物1′は不良品として廃棄処分さ
れ、エンジンバルブの歩留りが低下する。上記Ti合金
製エンジンバルブ鋳物の変形はヘッド部を台の開口(図
示せず)に支持してステム部を下方に向けてぶらさげた
状態でHIP処理または熱処理を行っても発生するとこ
ろから、Ti合金製エンジンバルブ鋳物の巣などの鋳造
欠陥が付け根部に主として発生することによるものと考
えられるが明らかではない。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
HIP処理または熱処理中にTi合金製エンジンバルブ
鋳物が変形するのを防止すべく研究を行った結果、図1
に示されるような少なくともステム部3とヘッド部4の
付け根部5に、少なくとも1個のリブ6の付いたTi合
金製エンジンバルブ鋳物中間体10を作製し、このリブ
6の付いたTi合金製エンジンバルブ中間体10にHI
P処理または熱処理を施すと、付け根部5からの変形は
全く発生せず、HIP処理または熱処理後のTi合金製
エンジンバルブ中間体10のリブ6を除去することによ
り不良品を全く生ずることなくTi合金製エンジンバル
ブを製造することができるという知見を得たのである。
HIP処理または熱処理中にTi合金製エンジンバルブ
鋳物が変形するのを防止すべく研究を行った結果、図1
に示されるような少なくともステム部3とヘッド部4の
付け根部5に、少なくとも1個のリブ6の付いたTi合
金製エンジンバルブ鋳物中間体10を作製し、このリブ
6の付いたTi合金製エンジンバルブ中間体10にHI
P処理または熱処理を施すと、付け根部5からの変形は
全く発生せず、HIP処理または熱処理後のTi合金製
エンジンバルブ中間体10のリブ6を除去することによ
り不良品を全く生ずることなくTi合金製エンジンバル
ブを製造することができるという知見を得たのである。
【0009】この発明は、かかる知見に基いてなされた
ものであって、少なくともステム部3とヘッド部4の付
け根部5に少なくとも1個のリブを設けたTi合金製エ
ンジンバルブ鋳物中間体をHIP処理または熱処理した
のち、上記リブを削除するTi合金製エンジンバルブの
製造法に特徴を有するものである。
ものであって、少なくともステム部3とヘッド部4の付
け根部5に少なくとも1個のリブを設けたTi合金製エ
ンジンバルブ鋳物中間体をHIP処理または熱処理した
のち、上記リブを削除するTi合金製エンジンバルブの
製造法に特徴を有するものである。
【0010】この発明のTi合金製エンジンバルブの製
造法で用いるTi合金製エンジンバルブ中間体に設けら
れたリブ6は付け根部5のみにステム部の軸方向に平行
に1個設けられていれば十分であるが、複数個のリブを
等間隔に設ける方が一層好ましい。
造法で用いるTi合金製エンジンバルブ中間体に設けら
れたリブ6は付け根部5のみにステム部の軸方向に平行
に1個設けられていれば十分であるが、複数個のリブを
等間隔に設ける方が一層好ましい。
【0011】上記リブ6は、図1に示されるように、ス
テム部3の長さ方向に沿って一部設ければ十分である
が、リブ6を図2に示されるようにステム部3の全長に
亘って設けてもよい。
テム部3の長さ方向に沿って一部設ければ十分である
が、リブ6を図2に示されるようにステム部3の全長に
亘って設けてもよい。
【0012】
実施例1 直径:9mm、長さ:125mmのステム部および外径:4
2mmのヘッド部を有し、ステム部から付け根部を通って
ヘッド部に至る幅:3mm、高さ:3mmの寸法を有するリ
ブを等間隔に3個設けたTi−34.2Alからなる組
成のTi合金製エンジンバルブ鋳物中間体を10個作製
し、これらTi合金製エンジンバルブ鋳物中間体を容器
内にステム部が上を向くように並べて装入し、Arガス
雰囲気中、温度:1300℃、圧力:2000kgf/cm
2 で3.5時間保持の条件のHIP処理を行ったが、ス
テム部が傾斜する変形は全く生じなかった。
2mmのヘッド部を有し、ステム部から付け根部を通って
ヘッド部に至る幅:3mm、高さ:3mmの寸法を有するリ
ブを等間隔に3個設けたTi−34.2Alからなる組
成のTi合金製エンジンバルブ鋳物中間体を10個作製
し、これらTi合金製エンジンバルブ鋳物中間体を容器
内にステム部が上を向くように並べて装入し、Arガス
雰囲気中、温度:1300℃、圧力:2000kgf/cm
2 で3.5時間保持の条件のHIP処理を行ったが、ス
テム部が傾斜する変形は全く生じなかった。
【0013】従来例1 ステム部およびヘッド部の寸法並びに合金の成分組成が
実施例1と全く同じリブのないTi合金製エンジンバル
ブ鋳物を10個作製し、これらを実施例1と全く同様に
容器内に並べたのち、実施例1と同一条件のHIP処理
を行ったところ、HIP処理されたTi合金製エンジン
バルブ鋳物10個の内9個にステム部が傾斜する変形が
生じた。
実施例1と全く同じリブのないTi合金製エンジンバル
ブ鋳物を10個作製し、これらを実施例1と全く同様に
容器内に並べたのち、実施例1と同一条件のHIP処理
を行ったところ、HIP処理されたTi合金製エンジン
バルブ鋳物10個の内9個にステム部が傾斜する変形が
生じた。
【0014】実施例2 実施例1で用意したTi合金製エンジンバルブ鋳物中間
体10個を大気中、温度:1300℃、3.5時間保持
の熱処理を行ったが、ステム部が傾斜する変形は全く生
じなかった。
体10個を大気中、温度:1300℃、3.5時間保持
の熱処理を行ったが、ステム部が傾斜する変形は全く生
じなかった。
【0015】従来例2 従来例1で用意したリブのないTi合金製エンジンバル
ブ鋳物10個を実施例2と同じ条件の熱処理を行ったと
ころ、熱処理したTi合金製エンジンバルブ鋳物10個
の内3個にステム部が傾斜する変形が生じた。
ブ鋳物10個を実施例2と同じ条件の熱処理を行ったと
ころ、熱処理したTi合金製エンジンバルブ鋳物10個
の内3個にステム部が傾斜する変形が生じた。
【図1】この発明のTi合金製エンジンバルブの製造法
で使用するTi合金製エンジンバルブ鋳物中間体の斜視
図である。
で使用するTi合金製エンジンバルブ鋳物中間体の斜視
図である。
【図2】この発明のTi合金製エンジンバルブの製造法
で使用するTi合金製エンジンバルブ鋳物中間体の斜視
図である。
で使用するTi合金製エンジンバルブ鋳物中間体の斜視
図である。
【図3】従来のTi合金製エンジンバルブ鋳物のHIP
処理方法を説明するための説明図である。
処理方法を説明するための説明図である。
【図4】従来のTi合金製エンジンバルブ鋳物をHIP
処理した場合に生じる変形の説明図である。
処理した場合に生じる変形の説明図である。
1 Ti合金製エンジンバルブ鋳物 2 容器 3 ステム部 4 ヘッド部 5 付け根部 6 リブ 10 Ti合金製エンジンバルブ鋳物中間体 1′ 変形したTi合金製エンジンバルブ鋳物
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−229213(JP,A) 特開 平6−2095(JP,A) 特開 平6−81616(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 3/02 F01L 3/20
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくともステム部とヘッド部の付け根
部に少なくとも1個のリブを設けたTi合金製エンジン
バルブ鋳物中間体をHIP処理または熱処理したのち、
上記リブを削除することを特徴とするTi合金製エンジ
ンバルブの製造法。 - 【請求項2】 上記少なくとも1個のリブは、ステム部
から付け根部を通ってヘッド部に至るように設けられて
いることを特徴とする請求項1記載のTi合金製エンジ
ンバルブの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23920695A JP3158990B2 (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | Ti合金製エンジンバルブの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23920695A JP3158990B2 (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | Ti合金製エンジンバルブの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0960510A JPH0960510A (ja) | 1997-03-04 |
JP3158990B2 true JP3158990B2 (ja) | 2001-04-23 |
Family
ID=17041321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23920695A Expired - Fee Related JP3158990B2 (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | Ti合金製エンジンバルブの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3158990B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4768974B2 (ja) * | 2004-07-02 | 2011-09-07 | 株式会社黒木工業所 | ロストワックス鋳物の熱間静水圧プレス装置への装入方法 |
-
1995
- 1995-08-24 JP JP23920695A patent/JP3158990B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0960510A (ja) | 1997-03-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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