JP2841630B2 - マグネシウム合金鍛造ホイールの製造方法 - Google Patents
マグネシウム合金鍛造ホイールの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、例えば航空機又は自動車用として使用され
るマグネシウム合金（以下「Mg合金」という）鍛造ホイ
ールの製造方法に関するものである。
るマグネシウム合金（以下「Mg合金」という）鍛造ホイ
ールの製造方法に関するものである。
（従来の技術） 現在、実用化されている航空機用及び自動車用ホイー
ルには主として鉄又はAlホイールが使用されているが、
更に省エネルギの観点より軽量化のニーズが高まり、よ
り軽いMg合金ホイールが注目されてきた。
ルには主として鉄又はAlホイールが使用されているが、
更に省エネルギの観点より軽量化のニーズが高まり、よ
り軽いMg合金ホイールが注目されてきた。
しかし、軽量化のニーズが高まってきたといっても、
鉄又はAlホイールのニーズに比べるとまだ少なく、また
ホイールの形状は複雑であるため、現在製品化されてい
るMg合金ホイールのほとんどは鋳造によって製造されて
いる。
鉄又はAlホイールのニーズに比べるとまだ少なく、また
ホイールの形状は複雑であるため、現在製品化されてい
るMg合金ホイールのほとんどは鋳造によって製造されて
いる。
（発明が解決しようとする課題） ところが、鋳造によってMg合金ホイールを製造する場
合には、鋳造方案の困難さにより非常に良品率が低く、
また鋳造品であるがゆえ内部欠陥等により、下記第１表
に示すように、強度的にも、製品としての信頼性も低か
った。
合には、鋳造方案の困難さにより非常に良品率が低く、
また鋳造品であるがゆえ内部欠陥等により、下記第１表
に示すように、強度的にも、製品としての信頼性も低か
った。
本発明は、上記した問題点を解決できるMg合金鍛造ホ
イールの製造方法を提供することを目的としている。
イールの製造方法を提供することを目的としている。
（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本発明者らは種々の鍛造試
験を行い、実用化可能なMg合金鍛造ホイールの製造方法
を確立した。
験を行い、実用化可能なMg合金鍛造ホイールの製造方法
を確立した。
すなわち、本発明に係るMg合金鍛造ホイールの製造方
法は、重量％で、Zn:4.8〜6.2％、Zr:0.45〜5.0％及び
不可避的不純物を含むMg合金用素材を加熱した後、予備
鍛造成形及び仕上鍛造成形を行い、次に素材を加熱後一
次スピニング成形加工を行い、更にその後素材を再加熱
して二次スピニング成形加工を行う、しかる後所定の熱
処理及び機械加工することを要旨としているのである。
法は、重量％で、Zn:4.8〜6.2％、Zr:0.45〜5.0％及び
不可避的不純物を含むMg合金用素材を加熱した後、予備
鍛造成形及び仕上鍛造成形を行い、次に素材を加熱後一
次スピニング成形加工を行い、更にその後素材を再加熱
して二次スピニング成形加工を行う、しかる後所定の熱
処理及び機械加工することを要旨としているのである。
そしてその際には、予備鍛造成形前の素材加熱温度が
180〜430℃、予備鍛造及び仕上鍛造時の成形金型温度20
0〜350℃及び平均加工歪速度が10-1〜100/secとするこ
とが好ましい。
180〜430℃、予備鍛造及び仕上鍛造時の成形金型温度20
0〜350℃及び平均加工歪速度が10-1〜100/secとするこ
とが好ましい。
また更に、１次スピニング成形加工前及び二次スピニ
ング成形加工前の素材加熱温度が夫々180〜430℃で、一
次及び二次スピニング成形加工時のマンドレル温度が夫
々300〜350℃とすることが好ましい。
ング成形加工前の素材加熱温度が夫々180〜430℃で、一
次及び二次スピニング成形加工時のマンドレル温度が夫
々300〜350℃とすることが好ましい。
本発明において、予備鍛造成形前、一次スピニング成
形加工前及び二次スピニング成形加工前の素材加熱温度
を180〜430℃としたのは、180℃未満では、素材の変形
抵抗が非常に大きく、かつそれに伴い成形時に割れが発
生するからである。一方430℃を超えても成形時に割れ
が発生するからである。
形加工前及び二次スピニング成形加工前の素材加熱温度
を180〜430℃としたのは、180℃未満では、素材の変形
抵抗が非常に大きく、かつそれに伴い成形時に割れが発
生するからである。一方430℃を超えても成形時に割れ
が発生するからである。
また本発明において、予備鍛造及び仕上鍛造時の成形
金型温度を200〜350℃としたのは、200℃未満では、成
形時間中に金型に素材温度をうばわれ、前述した理由に
より成形が困難となるからである。一方350℃を超える
と、連続操業時に金型温度が上昇して最適素材加熱温度
の上限を越え、素材成形時に素材に割れの発生を招来す
るからである。
金型温度を200〜350℃としたのは、200℃未満では、成
形時間中に金型に素材温度をうばわれ、前述した理由に
より成形が困難となるからである。一方350℃を超える
と、連続操業時に金型温度が上昇して最適素材加熱温度
の上限を越え、素材成形時に素材に割れの発生を招来す
るからである。
また本発明において、予備鍛造時及び仕上鍛造時の平
均加工歪速度を10-1〜100/secとしたのは、10-1/sec未
満では成形に長時間を要し、その間に素材温度の低下を
招いて前述の理由により成形が困難となるからである。
一方、100/secを超えると成形時の素材加工による素材
温度の上昇を招き、最適素材加工温度を越える恐れがあ
るからである。
均加工歪速度を10-1〜100/secとしたのは、10-1/sec未
満では成形に長時間を要し、その間に素材温度の低下を
招いて前述の理由により成形が困難となるからである。
一方、100/secを超えると成形時の素材加工による素材
温度の上昇を招き、最適素材加工温度を越える恐れがあ
るからである。
また本発明において、一次及び二次スピニング成形加
工時のマンドレル温度を300〜350℃としたのは、300℃
未満では成形時間中にマンドレルに素材温度をうばわ
れ、前述した理由によって成形が困難となるからであ
る。一方350℃を超えると連続操業時マンドレル温度が
上昇して最適素材温度の上限を越え、素材成形時に素材
に割れを発生することになるからである。
工時のマンドレル温度を300〜350℃としたのは、300℃
未満では成形時間中にマンドレルに素材温度をうばわ
れ、前述した理由によって成形が困難となるからであ
る。一方350℃を超えると連続操業時マンドレル温度が
上昇して最適素材温度の上限を越え、素材成形時に素材
に割れを発生することになるからである。
なお本発明において、仕上鍛造成形前の素材加熱温度
を規定していないのは、予備鍛造成形から仕上鍛造成形
までを１回の加熱により実施することができ工程省略化
が図れるからである。
を規定していないのは、予備鍛造成形から仕上鍛造成形
までを１回の加熱により実施することができ工程省略化
が図れるからである。
（作用） 上記した本発明方法によれば、割れの発生を可及的に
抑えて良品率の高い、かつ強度的にも非常に優れたMg合
金鍛造ホイールを製造できる。
抑えて良品率の高い、かつ強度的にも非常に優れたMg合
金鍛造ホイールを製造できる。
（実 施 例） 以下本発明方法の一実施例を第１図に示す工程図に基
づいて説明する。
づいて説明する。
先ず寸法がφ200mm×L200mmの下記第２表に示す化学
組成のZK60A合金を390℃±10℃に加熱し、４時間以上保
持した。
組成のZK60A合金を390℃±10℃に加熱し、４時間以上保
持した。
そして、その後金型温度を200〜350℃、加工歪速度の
平均を10-1〜100/secに保持して予備鍛造成形と仕上鍛
造成形を行った。
平均を10-1〜100/secに保持して予備鍛造成形と仕上鍛
造成形を行った。
しかる後、一次スピニング成形加工、二次スピニング
成形加工と順次行うが、これらスピニング成形加工の前
に素材を一旦390±10℃の範囲に加熱して５分間保持
し、スピニング成形加工時のマンドレルを300℃に加熱
した後成形加工を行った。
成形加工と順次行うが、これらスピニング成形加工の前
に素材を一旦390±10℃の範囲に加熱して５分間保持
し、スピニング成形加工時のマンドレルを300℃に加熱
した後成形加工を行った。
そして、二次スピニング成形加工後直ちに水冷して15
0±５℃の範囲に24時間保持し、その後空冷（熱処理）
し、第２図に示す如き形状に機械加工した。
0±５℃の範囲に24時間保持し、その後空冷（熱処理）
し、第２図に示す如き形状に機械加工した。
かかる本発明方法によって製造したMg合金鍛造ホイー
ルの機械的性質を調査したところ、下記第３表に示す如
く従来の鋳造製ホイール（第１表参照）と比べ優れてい
るのが確認された。
ルの機械的性質を調査したところ、下記第３表に示す如
く従来の鋳造製ホイール（第１表参照）と比べ優れてい
るのが確認された。
また、亀裂進展速度を調査した結果、第３図に示すよ
うに鋳造品と損色のない結果が得られた。
うに鋳造品と損色のない結果が得られた。
更に上記本発明方法を実施した場合の良品率は98％
で、Alホイールと同じ条件で鍛造して製造した場合の良
品率30〜40％と比べ、大幅に向上した。
で、Alホイールと同じ条件で鍛造して製造した場合の良
品率30〜40％と比べ、大幅に向上した。
（発明の効果） 以上説明したように本発明方法によれば、亀裂進展に
おいても鋳造品と損色がなく、かつ機械的性質において
は鋳造品より優れた鍛造品を高い良品率で製造すること
が可能となる。
おいても鋳造品と損色がなく、かつ機械的性質において
は鋳造品より優れた鍛造品を高い良品率で製造すること
が可能となる。
第１図は本発明方法の工程図、第２図は本発明方法によ
り製造したMg合金鍛造ホイール形状の一例を示す図、第
３図は本発明製造品の亀裂進展速度の結果を示す図であ
る。
り製造したMg合金鍛造ホイール形状の一例を示す図、第
３図は本発明製造品の亀裂進展速度の結果を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ // Ｃ２２Ｆ 1/00 ６３０ Ｃ２２Ｆ 1/00 ６３０Ａ ６３０Ｂ ６３１ ６３１Ａ ６８２ ６８２ ６８３ ６８３ ６９１ ６９１Ｂ ６９４ ６９４Ｂ ６９４Ｚ (56)参考文献 特開 昭61−115641（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−65048（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−221142（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C22F 1/16 B21K 1/32 B21H 1/04 B21D 53/26 C22C 23/04
Claims (3)
- 【請求項１】重量％で、Zn:4.8〜6.2％、Zr:0.45％〜5.
0％及び不可避席不純物を含むマグネシウム合金用素材
を加熱した後、予備鍛造成形及び仕上鍛造成形を行い、
次に素材を加熱後一次スピニング成形加工を行い、更に
その後素材を再加熱して二次スピニング成形加工を行
い、しかる後所定の熱処理及び機械加工することを特徴
とするマグネシウム合金鍛造ホイールの製造方法。 - 【請求項２】予備鍛造成形前の素材加熱温度が180〜430
℃、予備鍛造及び仕上鍛造時の成形金型温度が200〜350
℃及び平均加工歪速度が10-1〜100/secとすることを特
徴とする請求項１記載のマグネシウム合金鍛造ホイール
の製造方法。 - 【請求項３】予備鍛造成形前、一次スピニング成形加工
前及び二次スピニング成形加工前の素材加熱温度が夫々
180〜430℃、一次及び二次スピニング成形加工時のマン
ドレル温度が夫々300〜350℃とすることを特徴とする請
求項１又は２記載のマグネシウム合金鍛造ホイールの製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3264990A JP2841630B2 (ja) | 1990-02-14 | 1990-02-14 | マグネシウム合金鍛造ホイールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3264990A JP2841630B2 (ja) | 1990-02-14 | 1990-02-14 | マグネシウム合金鍛造ホイールの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03236452A JPH03236452A (ja) | 1991-10-22 |
| JP2841630B2 true JP2841630B2 (ja) | 1998-12-24 |
Family
ID=12364709
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3264990A Expired - Lifetime JP2841630B2 (ja) | 1990-02-14 | 1990-02-14 | マグネシウム合金鍛造ホイールの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2841630B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0909339B1 (en) * | 1996-06-21 | 2001-11-21 | General Electric Company | Method for processing billets from multiphase alloys |
| RU2119842C1 (ru) * | 1996-06-21 | 1998-10-10 | Институт проблем сверхпластичности металлов РАН | Способ изготовления осесимметричных деталей и способ получения заготовок для его осуществления (варианты) |
| JP2000164225A (ja) * | 1998-11-25 | 2000-06-16 | Toshiba Corp | 固体高分子電解質型燃料電池のセパレータおよびその製造方法 |
| JP3523512B2 (ja) * | 1999-01-20 | 2004-04-26 | シャープ株式会社 | マグネシウム合金の鍛造方法 |
| JP4331300B2 (ja) | 1999-02-15 | 2009-09-16 | 日本発條株式会社 | 中空スタビライザの製造方法 |
| CN100386175C (zh) * | 2005-09-08 | 2008-05-07 | 于克儒 | 用镁合金型材制作自行车轮辋的方法 |
| DE102007009456A1 (de) * | 2007-02-27 | 2008-08-28 | Volkswagen Ag | Verwendung einer Magnesiumlegierung zur Herstellung eines Rades und Verfahren zur Herstellung eines Rades aus einer Magnesiumlegierung |
| CN103056611B (zh) * | 2012-12-20 | 2014-10-29 | 河北立中有色金属集团有限公司 | 一种镁合金汽车轮毂铸造旋压复合成形方法 |
| CN106607665A (zh) * | 2015-10-23 | 2017-05-03 | 中国兵器工业第五九研究所 | 一种镁合金构件的成形方法 |
| CN112676510A (zh) * | 2020-12-03 | 2021-04-20 | 江苏力野精工科技有限公司 | 一种用于汽车轻合金零部件锻压成型的设备及使用方法 |
| CN114540687B (zh) * | 2021-12-16 | 2022-11-25 | 中信戴卡股份有限公司 | 一种镁合金及其制备方法及应用该镁合金制备车轮的工艺 |
-
1990
- 1990-02-14 JP JP3264990A patent/JP2841630B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03236452A (ja) | 1991-10-22 |
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