JP3158566B2 - 酵母での異種蛋白の製造方法、プラスミド及び形質転換体 - Google Patents

酵母での異種蛋白の製造方法、プラスミド及び形質転換体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酵母で機能する新規異種
シグナルペプチドを用いることによる異種蛋白質の分泌
発現に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】組換えD
NA技術により、目的蛋白質を組換え宿主に産生させる
場合、その宿主が目的蛋白質を分泌発現することに多く
の利点が見出される。即ち、目的蛋白質が宿主細胞内に
直接発現されると宿主の増殖、生存に不都合な毒性を示
す場合、目的蛋白質を分泌発現することでこの毒性を回
避することができる。また、毒性を持たない場合でも、
目的蛋白質が宿主細胞内に多量に蓄積すると宿主の増殖
を抑制する場合があるが、分泌発現ではこれを避けるこ
とが可能である。また、目的蛋白質が宿主細胞内に蓄積
するような発現系では、目的蛋白質が宿主細胞内で変性
し、不溶化する現象がよく見られるが、分泌発現の系で
はこれを回避できる。また、商業的に組換えDNA技術
を用いて目的蛋白質を生産する場合、目的蛋白質が細胞
内に蓄積する系では目的蛋白質を精製する為に、細胞を
破壊し、その破壊液中から目的蛋白質を精製する必要が
ある。このような精製では組換え宿主由来の不純物が多
く混入し、高純度の目的蛋白質を得る事が困難である。
【0003】一方、分泌発現系で目的蛋白質を生産する
場合には、培養液から目的蛋白質を精製すればよく、組
換え宿主由来の不純物の混入は最小限に防ぐことがで
き、大きなメリットとなる。また、蛋白質の多くは、糖
鎖の付加、ジスルフィド結合の形成、不活性な前駆体蛋
白質の限定水解による活性化、特定のアミノ酸のリン酸
化、カルボキシル化等の修飾を受けるが、これらの中に
は各種細胞で共通に備わった機能もあり、これらの修飾
のいくつかは分泌の過程で生じる。従って、目的蛋白質
を分泌発現で生産する場合、細胞内に蓄積する系に比較
して、より自然な蛋白質に近い機能および構造を持った
蛋白質の生産が期待される。
【0004】現在までに、酵母を宿主として、酵母由来
の分泌シグナルを用いて、目的産物を生産した例として
は、SUC2シグナル配列を用いたもの(シュン・ナン
・チャンら:特開昭60−41488号公報)、MFα
1シグナル配列を用いたもの(アンソニー・ジェイ・ブ
レイク:特開昭59−132892号公報)が挙げられ
る。また、酵母を宿主として、酵母以外の分泌シグナル
を用いて、目的産物を生産した例としては、Aspergillu
s awamori 由来のグルコアミラーゼのシグナル配列を用
いたもの(エム・エー・イニスら:Science, 228 , 21
(1985)), Rhizopus 由来のグルコアミラーゼのシグナ
ル配列を用いたもの(ヨシズミハジメら:Trends in Bi
otechnology, 5 , 277 (1987)) 、 Mucor pusillus 由
来のアスパルチックプロテアーゼのシグナル配列を用い
たもの(ヤマシタタカシら:Molecular General Geneti
cs, 210 , 462 (1987)) 、卵白リゾチームのシグナル配
列を用いたもの(ジガミヨシフミら:Gene, 43, 273(19
86))が挙げられる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは酵母による
蛋白質の分泌発現に必須なベクターを構成するシグナル
ペプチドについて研究を重ねて来たところ、Aspergillu
s oryzae由来のアルカリプロテアーゼ(黄麹菌由来アル
カリプロテアーゼ)シグナルペプチドが酵母におけるベ
クターのシグナルペプチドとして機能することを見出
し、さらに研究を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は下記(1) 〜(3) に関す
るものである。 (1) Aspergillus oryzae由来アルカリプロテアーゼのシ
グナル配列を用いて、異種蛋白質を酵母で分泌発現させ
ることを特徴とする異種蛋白質の製造方法。 (2) Aspergillus oryzae由来アルカリプロテアーゼのシ
グナルペプチドDNA配列の上流に酵母で機能するプロ
モーター、下流に異種蛋白質をコードするDNA配列及
び酵母で機能するターミネーターを連結した配列からな
るプラスミド。 (3) 請求項2記載のプラスミドを用いて形質転換させた
酵母。 本発明における異種蛋白質には特に制限はないが、好ま
しくはヒト血清アルブミン、インターフェロン−α,β
あるいはγ、ウロキナーゼ、成長ホルモン、インシュリ
ン、各種リンホカインなどが挙げられる。このような異
種蛋白質遺伝子は、特開昭62−29985号公報(ヒ
ト血清アルブミン)、特開昭63−52883号公報
(HBsAg)、特開昭61−185189号公報(イ
ンターフェロン−α)、特開昭61−108397号公
報(インターフェロン−γ)、特開昭60−18059
1号公報(ウロキナーゼ)などに記載されている。
【0007】上述の文献中では、異種蛋白質遺伝子を含
むプラスミドとして開示されている。
【0008】本発明の酵母を形質転換するための組換え
プラスミドは、シグナルペプチド遺伝子の下流に異種蛋
白質遺伝子を自体既知の手段で連結し、これらを含むプ
ラスミドとして自体既知の手段にて調製される。
【0009】プロモーターおよびターミネーターは酵母
で機能するものであれば特に限定されない。
【0010】プロモーターとしては、PGKプロモータ
ー、ADHプロモーター、PHO5プロモーター、GA
L1プロモーター、GAL10プロモーター、GAP−
DHプロモーターなどが好適に使用される。
【0011】プロモーターは黄麹菌アルカリプロテアー
ゼシグナルペプチド遺伝子の上流に位置する。
【0012】ターミネーターとしてはPHO5ターミネ
ーター、GAP−DHターミネーターなどが好適に使用
される。
【0013】ターミネーターは異種蛋白質遺伝子の下流
に位置する。
【0014】プロモーター、ターミネーターは各々プラ
スミドに組み込まれた形で入手される。
【0015】プラスミドDNAは酵母中で自律複製可能
なものであれば特に限定されない。具体的には、pJD
B207、pJDB219などが例示される。
【0016】本発明の組換えプラスミドは、上述したプ
ラスミド群から各々、黄麹菌アルカリプロテアーゼシグ
ナルペプチド遺伝子−異種蛋白質遺伝子からなるDNA
配列、プロモーターを含むDNA配列およびターミネー
ターを含むDNA配列を制限酵素により切り出した後に
連結(接続)して適当なプラスミドに組み込むか、また
は、一方のDNA配列を切り出した後に他方のプラスミ
ド中に組み込むかのいずれかの方法により得られる。
【0017】その際、配列の順序は上流から下流に向か
って、プロモーター、黄麹菌アルカリプロテアーゼシグ
ナルペプチド遺伝子、異種蛋白質遺伝子、ターミネータ
ーとなるように調製する。
【0018】また、選別時のマーカーとして、抗生物質
〔G418、クロラムフェニコール等〕耐性遺伝子ある
いは宿主の栄養要求性を補う遺伝子を組み込むことも可
能である。
【0019】本発明のDNA配列を用いて形質転換体を
調製する方法としては、当該DNA配列を組み込んだ組
換えプラスミドを用いる方法、あるいは当該DNA配列
を宿主(酵母)の染色体上に挿入する方法などが挙げら
れる。
【0020】この組換えプラスミドを用いて形質転換体
を製作する方法ひいては異種蛋白質を製造する方法は以
下の通りである。
【0021】組換えプラスミドを宿主細胞に導入する。
宿主細胞としては酵母が用いられる。具体的には挿入さ
れるプラスミドが担持する選択マーカー遺伝子によって
相補する変異をもった変異株、たとえばロイシン要求性
変異株であるサッカロミセス・セレビシェ(Saccharomy
ces cerevisiae) AH22(a, his 4, leu 2, can 1)等が好
適に用いられる。
【0022】宿主細胞(酵母)の形質転換は公知の方
法、たとえば、リチウム法、プロトプラストポリエチレ
ングリコール融合法、エレクトロポレーション法などに
より行う。
【0023】必要な形質転換体を選択する。
【0024】形質転換株は、宿主細胞用として自体公知
の培地で培養する。培地としては YNB液体培地〔0.7%
Yeast Nitrogen Base (Difco社) 、2%グルコー
ス〕、およびYPD液体培地〔1%イーストエキストラ
クト(Difco 社) 、2%バクトペプトン(Defco 社) 2
%グルコース〕などが例示される。
【0025】培養は、通常15〜43℃(好適には30
℃程度)で20〜100時間程度行い、必要により通気
や攪拌を加えることもできる。培養後、培養上清を回収
し、自体公知の方法、たとえばアフィニティクロマトグ
ラフィー、分画法などにより異種蛋白質を精製する。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法により、目的とする異種蛋
白質を分泌発現で生産することができ、細胞内で蓄積す
る系に比較して、より自然な蛋白質に近い機能および構
造を有する異種蛋白質の生産が期待できる。
【0027】また、目的蛋白質が細胞内に蓄積する系で
は目的蛋白質を精製する為に、細胞を破壊し、その破壊
液中から目的蛋白質を精製する必要があるが、本発明の
方法によればかかる精製の必要がない。特に異種蛋白質
の効率的な発現に対して有用と考えられる。
【0028】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために、実施例
を挙げるが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。
【0029】なお、本発明において多くの技法、反応お
よび分析方法は当業界においてよく知られている。特に
ことわらない限り、全ての酵素は商業的供給源、たとえ
ば宝酒造;ニューイングランド バイオラブス(NE
B)(NewEngland Biolabs)マサチューセッツ、米国;ア
マーシャム(Amerscham)、英国およびベセスダ リサー
チ ラボラトリーズ〔Bethesda Research Labolatories
(BRL) 〕、メリーランド、米国から入手することができ
る。
【0030】酵素反応のための緩衝液および反応条件は
特に断らない限り各酵素の製造元の推奨にしたがって使
用した。
【0031】プラスミドを用いた大腸菌の形質転換法、
電気泳動法およびDNAのゲルからの回収法は、「モレ
キュラークローニング」コールドスプリングハーバーラ
ボラトリー〔「Moleculer Cloning 」Cold Spring Harb
or Laboratory (1982)〕に記載されている方法により行
った。酵母の形質転換は、「メソッド・イン・イースト
・ジェネティクス」コールドスプリングハーバーラボラ
トリー〔「Method inYeast Genetics」Cold Spring Har
bor Laboratory (1981)〕に記載されている方法で行っ
た。
【0032】実施例1(ヒト血清アルブミンの産生) 1.アルカリプロテアーゼ遺伝子のシグナル配列の予測 黄麹菌の産生するアルカリプロテアーゼのmRNAから
翻訳されると考えられる未成熟な蛋白質のアミノ酸配列
(特願昭63−170018号公報)を、配列表・配列
番号1に示す。 G. von Heijne (G. von Hijne (1986)
Nucl. Acids Res., 14, 4683-4690)は R. Staden (R.St
aden (1984) Nucl. Acids Res., 12, 505-519)の手法を
応用して、既知の分泌蛋白質シグナルペプチドのアミノ
酸配列を統計的に解析し、シグナルペプチド切断部位を
予測する方法を報告している。そこでその手法を用いて
アルカリプロテアーゼのシグナルペプチド切断部位を予
測したところ、20番目のGlyと21番目のAlaの
間で切断されると考えられた。
【0033】2.シグナル配列の設計及び合成 シグナル配列をコードするDNAは化学合成により製造
した。使用するコドンは全て酵母のcodon usage に合わ
せた。シグナルペプチドのアミノ酸配列をコードするD
NA配列をアプライドバイオシステム社製DNA合成機
モデル381Aを用い、ホスフォアミダイト法にて合成
した。そのDNA配列を配列表・配列番号2に示す。ま
た、異なる表記方法による当該配列を図1に示す。
【0034】3.酵母でヒト血清アルブミンを分泌発現
させる為のプラスミドDNAの作製 使用したプラスミドはpHSA1, pHSA2, pGAL12, pPT2であ
り、これらのプラスミドの詳細は特願昭63-33657号公報
に開示されている。pHSA1 、pHSA2 、 pGAL12 及びpPT2
を構築する手順は、それぞれ図2、図3、図4、図5及
び図6に示した通りである。
【0035】上記合成DNAの5'末端をATP 及びT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼによりリン酸化した。一方、pHSA
1 を XbaI及びHincIIで消化しヒト血清アルブミン蛋白
質のN末端側をコードする約1kbのDNA断片 HSA1 を
電気泳動で単離した。上記リン酸化した合成DNAと H
SA1 を混合し、T4 DNAリガーゼを用いて連結し、さらに
XbaIおよびBamHIで消化した。pHSA2 を XbaI及びBa
mHIで消化後、アルカリホスファターゼで処理した。こ
れらのDNAを混合し、T4 DNAリガーゼで連結後、大腸
菌エシェリシアコリHB101 コンピテントセルに導入し
た。得られたトランスフォーマントのうち、図7及び図
8に示したプラスミドpAP-0 を有するクローンを得た。
【0036】pAP-0 をEcoRI及びBamHIで消化後、アル
カリホスファターゼで処理した。pGAL12をEcoRI及びBa
mHIで消化後、電気泳動により GAL1 プロモーターを有
する1 kb のDNA断片を単離し、上記処理をしたpAP-0
と混合し、T4 DNAリガーゼにより連結した。得られた
トランスフォーマントより、図9及び図10に示したプ
ラスミドpAP-1 を有するクローンを得た。 pAP-1は GAL
1 プロモーター下流に黄麹菌由来のアルカリプロテアー
ゼシグナルペプチドをコードするDNA配列、およびそ
の直後に成熟ヒト血清アルブミン蛋白質をコードするD
NA配列、およびその直後のヒト血清アルブミンcDNA由
来 3' 非翻訳領域がpUC19 のEcoRI- HindIII 部位に挿
入されたプラスミドDNAである。
【0037】pAP-1 をEcoRI及びHindIII で消化し、電
気泳動により2.7 kbの GAL1 プロモーター、シグナルペ
プチド、成熟ヒト血清アルブミン蛋白質、非翻訳領域を
コードしたDNA断片を単離した。また、pPT2をBamHI
で消化し、さらにアルカリホスファターゼで処理した。
これと上記 2.7 kb DNA断片を混合し、dATP, dGTP,
dTTP, 及び dCTP 存在下、DNAポリメラーゼI,クレ
ノウ断片にて付着末端を修復した。更に、T4DNAリガー
ゼにより連結し、大腸菌HB101 に導入した。得られたト
ランスフォーマントより、図11及び12に示したプラ
スミドpAP-2 を有するクローンを得た。pAP-2 は大腸菌
及び酵母中で自律増殖可能なプラスミドで、酵母におい
て機能する GAL1 プロモーターの支配下にコンセンサス
シグナルペプチドとそれに続いて成熟ヒト血清アルブミ
ン蛋白質をコードするDNA配列を有している。さら
に、 pAP-2は大腸菌においてアンピシリン耐性を付与す
る遺伝子、及び酵母においてロイシン栄養要求性を補う
遺伝子を有しており、これらの遺伝子はトランスフォー
マントの選択マーカーとして使用可能である。
【0038】4.プラスミドpAP-2 の酵母への導入とヒ
ト血清アルブミンの分泌発現 4-1. プラスミドpAP-2 の酵母への導入 ヒト血清アルブミン分泌発現用プラスミドpAP-2 を酵母
サッカロミセスセレビシエ AH22 に以下の方法により導
入した。
【0039】YPD メディウム(イーストエキストラクト
10 g、バクトペプトン 20 gを水に溶解し900 mlとし
た後オートクレーブ滅菌し、別にオートクレーブ滅菌し
た 20 %グルコース 100mlと混合した。)50ml中 37
℃、一夜振盪培養したサッカロミセスセレビシエ AH22
を遠心し、得られた細胞を水20mlに懸濁後、再度遠心し
て細胞を得た。これを10mlの 50 mMジチオスレイトー
ル、1.2 M ソルビトール、25 mM EDTA, pH 8.5に懸濁
し、 30 ℃で10分間穏やかに振盪した。遠心により細胞
を集め、1.2 M ソルビトール 10 mlに懸濁し、再度遠心
により細胞を集めた。細胞を 10 mlの 1.2 Mソルビトー
ルに懸濁し、遠心により細胞を集めた。細胞を10 mlの
0.2mg/mlザイモリアーゼ100T, 1.2Mソルビトール、10
mM EDTA, 0.1M クエン酸ナトリウム、pH5.8 に懸濁後、
30 ℃で1時間穏やかに振盪した。遠心で細胞を集め、
1.2 M ソルビトール、次いで 10 mM塩化カルシウム, 1.
2 M ソルビトール各 10 mlで洗浄し、遠心で細胞を集め
た。細胞を1mlの 10 mM塩化カルシウム, 1.2 M ソルビ
トールに懸濁した。懸濁液100 μlを滅菌試験管にと
り、5μl(5μg)のpAP-2 と混合し、室温に 15 分
間静置した。更に、1.2 mlの 20 %ポリエチレングリコ
ール 4000, 10 mM塩化カルシウム, 10 mM トリス-塩酸,
pH7.5 を加え穏やかに混合後、室温で 20 分間静置し
た。遠心で細胞を集め、0.1 mlの1.2 M ソルビトール、
10 mM 塩化カルシウム含有YPD メディウムに懸濁し、30
℃で30分間穏やかに振盪した。懸濁液1,5, 10, 20 およ
び 50 μlをそれぞれ 45 ℃に保温した 10 mlの1.2 M
ソルビトール、3 %ノーブルアガー、2 %グルコース、
0.7 %イーストナイトロジェンベースに懸濁し、1.2 M
ソルビトール、3 %バクトアガー、2 %グルコース、0.
7 %イーストナイトロジェンベースから成るプレートに
拡げた。プレートが固化したら、30℃で3日間静置培養
した。
【0040】4-2.形質転換酵母のHSA産生 形成したコロニーを爪楊枝で採取し、3 mlの0.7 %イー
ストナイトロジェンベース、2 %グルコースに懸濁後、
30℃で2日間振盪培養した。そのうちの 1.5mlを遠心
し、細胞を集め 3mlのYPGメディウム(イーストエキス
トラクト10g、バクトペプトン 20 gを水に溶解し 900
mlとした後オートクレーブ滅菌し、別にオートクレーブ
滅菌した20%ガラクトース 100mlと混合した。)に懸濁
し、30℃で振盪培養した。培養上清のヒト血清アルブミ
ン濃度をRPHA法にて測定したところ、培養3日目で
最高20〜40μg/mlのヒト血清アルブミンが検出され
た。
【0041】これら、組換え酵母により培地中に分泌さ
れたヒト血清アルブミンを高度精製し、N末端アミノ酸
配列を調べたところ、7番目までの配列が血漿由来と一
致した。従って、シグナルペプチダーゼによる認識と切
断が正しく行われたと推定された。
【0042】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Met Gln Ser Ile Lys Arg Thr Leu Leu Leu Leu Gly Ala Ile Leu Pro 5 10 15 Ala Val Leu Gly Asp Ala His Lys Ser Val 20 25 配列番号:2 配列の長さ:73 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:アスペルギルス オリーゼ(Aspergillus oryzae) 配列の特徴 特徴を示す記号:sig peptide 存在位置:15..74 特徴を示した方法:S 配列: GATCCAAAAA AAAA ATG CAA TCT ATT AAG AGA ACT TTG TTG TTG TTG GGT 50 Met Gln Ser Ile Lys Arg Thr Leu Leu Leu Leu Gly -20 -15 -10 GCT ATT TTG CCA GCT GTT TTG GGT 74 Ala Ile Leu Pro Ala Val Leu Gly -5
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はアルカリプロテアーゼ遺伝子のシグナル
配列をコードするDNA配列を示す図である。
【図2】図2はpHSA1 を構築する手順を示す図である。
【図3】図3はpHSA1 を構築する手順を示す図(続き)
である。
【図4】図4はpHSA2 を構築する手順を示す図である。
【図5】図5はpGAL12を構築する手順を示す図である。
【図6】図6はpPT2を構築する手順を示す図である。
【図7】図7はpAP-0 を構築する手順を示す図である。
【図8】図8はpAP-0 を構築する手順を示す図(続き)
である。
【図9】図9はpAP-1 を構築する手順を示す図である。
【図10】図10はpAP-1 を構築する手順を示す図(続
き)である。
【図11】図11はpAP-2 を構築する手順を示す図であ
る。
【図12】図12はpAP-2 を構築する手順を示す図(続
き)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:865) (72)発明者 川辺 晴英 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株式会社ミドリ十字 中央研究所内 (56)参考文献 Mol.Gen.Genet.,Vo l.219(1989)p.33−38 Science,Vol.228[4695 ](1985)p.21−26 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/81 C12N 1/19 C12P 21/02 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表配列番号1に示されるアミノ酸配
    列中アミノ酸番号1〜20で示されるAspergillus oryz
    ae由来アルカリプロテアーゼのシグナルペプチドをコー
    ドするDNA配列の上流に酵母で機能するプロモータ
    ー、下流に異種蛋白質をコードするDNA配列及び酵母
    で機能するターミネーターを連結した配列を含むプラス
    ミド。
  2. 【請求項2】 Aspergillus oryzae由来アルカリプロテ
    アーゼのシグナルペプチドをコードするDNA配列が配
    列表配列番号2に示される塩基配列中塩基番号15〜7
    4で示される請求項1記載のプラスミド。
  3. 【請求項3】 酵母で機能するプロモーターがGAL1
    プロモーターであり、酵母で機能するターミネーターが
    PHO5ターミネーターである請求項1または2記載の
    プラスミド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のプラス
    ミドを用いて形質転換させた酵母。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の酵母を培地中で培養し
    、異種蛋白質を分泌発現させることを特徴とする異種
    蛋白質の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Mol.Gen.Genet.,Vol.219(1989)p.33−38
Science,Vol.228[4695](1985)p.21−26

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Publication number Publication date
JPH05115295A (ja) 1993-05-14

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