JP3157911B2 - 化合物半導体基板の熱処理方法及びその熱処理装置 - Google Patents

化合物半導体基板の熱処理方法及びその熱処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化合物半導体基板の熱処
理方法およびその熱処理装置であって、特にランプを用
いた短時間アニール法に係る。
【0002】
【従来の技術】近年、Siに代わる半導体として注目を
集めているGaAsやInPなどの化合物半導体を用い
た集積回路(特に、GaAs集積回路)は、その優れた
特性により高集積化と高性能化が進められている。
【0003】上記化合物半導体を半絶縁性基板として、
電界効果トランジスタなどを作成する場合には、イオン
注入法や不純物熱拡散法を用いて、半導体基板に不純物
原子を添加することにより、該基板の表面に充分なキャ
リア移動度を有する活性層を形成し、その後、イオン注
入によって非晶質化した半導体結晶の結晶性を回復し、
かつ注入された不純物原子を活性化するために、該基板
を熱処理する。
【0004】しかし、化合物半導体基板では、熱処理に
より構成元素の熱解離や注入された不純物原子の外部拡
散が生じるため、基板の表面領域でキャリア数の増減、
キャリア濃度プロファイルの異常な広がりなどが生じる
などの問題がある。
【0005】そこで、前記問題を解決すべく、種々の熱
処理法(=アニール法)が提案されている。例えば、電
気炉によるキャップアニールや、蒸気圧の高い構成元素
の圧下でアニールを行うキャップレスアニールが行われ
ている。しかし、キャップアニールによる熱処理では、
用いる保護膜の種類、膜質及び膜厚などが不純物濃度プ
ロファイルに大きな影響を与えることや、キャップレス
アニールでも、比較的長時間(通常、数十分間)を要す
る電気炉アニールでは、不純物原子の熱拡散は避けられ
ないなどの問題があった。
【0006】その後、電気炉アニールに代わるアニ−ル
法として、ハロゲンランプ、キセノンランプなどを熱源
に用いたランプアニールや、レーザー、電子ビームなど
を用いたビームアニールなどの短時間アニール技術が盛
んに開発されてきている。特に、ランプアニール(Ra
pid Thermal Anneal)は、熱源とし
てハロゲンランプやキセノンランプを用いるため処理が
簡便であり、しかも高温の熱処理を短時間に行うことが
でき、化合物半導体の熱処理方法として注目されてい
る。
【0007】また、本発明者らは上記問題を解決するた
めに、特開平2−291119に示すごとく、Siイオ
ンを注入した化合物半導体(例えば、GaAs)基板上
に、化合物半導体基板を構成する蒸気圧の高い元素(例
えば、As)がイオン注入されたSi基板を、該Si基
板のイオン注入面と該化合物半導体基板のイオン注入面
とが対向するように載置した状態で、短時間でアニール
することを特徴とする方法を提案した。
【0008】さらには、電気炉アニールの場合と同様
に、蒸気圧の高い構成元素、例えばGaAs基板におけ
るAsの外部拡散を抑制するために、AsH3 を用いて
該基板にAs圧を印加する方法が提案されている(J.
Kasahara et.al.,J.Appl.Phy
s.,Vol.50.No12,p.8229,(19
79))。例えば、図4に示すように、Siサセプタ4
3上にGaAs基板41を載置し、該基板上にAsH3
ガス48を流しながら、石英板44を介してハロゲンラ
ンプ45の赤外光(波長0.4〜4.0μm)を照射す
ることによりアニールを行う。この場合、まずGaAs
基板41が赤外光を吸収して加熱され、その熱でAsH
3 が熱分解することにより、GaAs基板41にAs圧
が印加される方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の化合物半導体基
板を構成する蒸気圧の高い元素(例えば、As)が、イ
オン注入されたSi基板を用いる方法によれば、基板面
内における不純物濃度プロファイルを均一に制御するこ
とは可能となる。しかし、イオン注入された化合物半導
体基板とは別に、蒸気圧の高い構成元素がイオン注入さ
れたSi基板を用意しなければならず、しかも該Si基
板は何回でも使用することはできないために、プロセス
の煩雑化を招いてしまうなどの問題がある。
【0010】また、上記AsH3 を用いて該基板にAs
圧を印加する方法によれば、AsH3 の温度上昇よりG
aAs基板の方が先に温度上昇するため、通常の処理時
間(数秒間)ではAsH3 が充分に熱分解されず、As
圧が上昇する前にGaAs基板の熱処理が終了してしま
うことがある。逆に、AsH3 が充分に熱分解されるま
で熱処理を長時間にわたって行うと、石英板がハロゲン
ランプの赤外光を吸収しないため加熱されず、温度の低
い石英板にAsが付着する。その結果、GaAs基板に
は赤外光が均一に照射されず、基板面内における不純物
濃度プロファイルを再現性よく均一に制御することがで
きない。
【0011】本発明は上記の問題点を解決するものであ
り、その目的とするところは、簡単で、しかも量産性に
優れたプロセスにより、構成元素の熱解離や注入不純物
原子の外部拡散を均一に、しかも再現性よく制御するこ
とが可能な化合物半導体基板の熱処理方法およびその熱
処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、イオン注入された化合物半導体基板を
熱処理する方法において、前記化合物半導体基板を構成
する元素のうち、蒸気圧の高い元素の化合物ガスを、
圧水銀ランプ、ArFエキシマレーザー、重水素ランプ
のいずれかによって分解することにより得られる前記構
成元素の圧下で、前記基板を熱処理する工程を包含する
ことを特徴とする。
【0013】本発明の化合物半導体基板の熱処理装置
は、イオン注入された化合物半導体基板を構成する元素
のうち、蒸気圧の高い元素の化合物ガスを一方から導入
する熱処理室を備え、前記熱処理室は、低圧水銀ラン
プ、ArFエキシマレーザー、重水素ランプのいずれか
の紫外光源を前記ガスの導入側に、赤外光源をガスの下
流側に有し、かつ、該赤外光源下にイオン注入された化
合物半導体基板を配置するためのサセプタとを有するこ
とを特徴とする。
【0014】本発明の化合物半導体基板の熱処理装置
は、紫外光源と赤外光源とが相対して配置され、かつ、
前記紫外光源と前記赤外光源との間に、紫外光を透過し
ない仕切り板を配置した熱処理室と、イオン注入された
化合物半導体基板を構成する元素のうち、蒸気圧の高い
元素の化合物ガスが前記紫外光源と前記仕切り板の間の
空間領域及び赤外光源と前記仕切り板の間の空間領域に
導入され、かつ、仕切り板により分離された熱処理室内
の前記紫外光源側に近い側に、イオン注入された化合物
半導体基板を配置することを特徴とする。この際、該仕
切り板はサセプタとしても作用し、該基板は該仕切り板
上に載置される。
【0015】本発明は、前記仕切り板が、金蒸着の石英
板であることを特徴とする。
【0016】本発明は、上記目的を達成するために、イ
オン注入された化合物半導体基板を熱処理する方法にお
いて、放電により生成された不活性ガスのプラズマに、
イオン注入された化合物半導体基板を構成する元素のう
ち、蒸気圧の高い元素の化合物ガスを混入させることに
よって得られる前記構成元素の圧下で、赤外光源を用い
て前記化合物半導体基板を熱処理することを特徴とす
る。
【0017】本発明の化合物半導体基板の熱処理装置
、マイクロ波放電管などの放電により不活性ガスのプ
ラズマを生成する装置と、イオン注入された化合物半導
体基板を構成する元素のうち、蒸気圧の高い元素の化合
物ガスを前記生成された不活性ガスのプラズマに混入す
る装置と、前記蒸気圧の高い元素の化合物ガスを前記生
成された不活性ガスのプラズマに混入する装置により解
離された構成元素が導入される熱処理室と、前記熱処理
室の赤外光源下に前記イオン注入された化合物半導体基
板を配置するためのサセプタと、を備えることを特徴と
する。
【0018】本発明の熱処理方法は、電気炉を用いた熱
アニールやハロゲンランプまたはキセノンランプを用い
たランプアニールなどに適用することができる。なかで
も、処理が簡便であり、高温の熱処理を短時間に行える
ランプアニールが好ましい。本発明の方法で熱処理し得
る化合物半導体基板としては、例えば、GaAs基板や
InP基板などのIIIーV族化合物半導体基板が挙げら
れる。一般に、IIIーV族化合物半導体基板において
は、V族元素の蒸気圧の方がIII族元素の蒸気圧よりも
高いため、例えばGaAs基板を熱処理する場合にはA
s圧下で、InP基板を熱処理する場合にはP圧下で熱
処理を行う。他の化合物半導体基板を熱処理する場合に
も、一般的には、基板の構成元素のうち、蒸気圧が高
く、熱処理の間に熱解離しやすい元素の圧下で熱処理を
行う。
【0019】
【作用】一般に、化学結合は、その結合エネルギーより
も大きなエネルギーの光、その多くは紫外光により結合
が切断され、原子に解離する。例えば、As−H結合は
波長200nm付近の光により切断されるため、AsH
3 を光分解すれば解離Asが得られる。As−As結
合、As−ハロゲン結合、例えば、As−F、As−C
l、あるいはAs−有機系官能基結合、例えば、As−
CH3 、As−C25 、As−C65 、なども紫外
光により結合が切断されるため、As化合物、例えばA
2 、AsF3 、AsCl3 、As(CH33 、As
(C253 、As(C653 などを光分解して
も解離Asが得られる。また、P−H結合、P−P結
合、P−ハロゲン結合、例えばP−F、P−Cl、ある
いはP−有機系官能基結合、例えば、P−CH3 、P−
25 、P−C65 、なども紫外光により結合が切
断されるため、P化合物、例えばPH3 、P2 、P4
PF3 、P(CH33 、P(C253 、P(C6
53 などを光分解すると、解離Pが得られる。
【0020】したがって、GaAs基板のキャップレス
アニールを行う場合、本発明の熱処理装置によれば、熱
処理室に導入するAs化合物ガス、例えばAsH3を、
該AsH3が該GaAs基板上に到達する前に、紫外光
源、例えば低圧水銀ランプから発せられる紫外光で分解
し、ランプアニールなどの数秒間の熱処理を行うことに
より、該GaAs基板の表面には充分なAs圧が印加さ
れる。あるいは、InP基板のキャップレスアニールを
行う場合、熱処理室に導入するP化合物ガス、例えばP
3を、該PH3がInP基板上に到達する前に、紫外光
源、例えば低圧水銀ランプから発せられる紫外光で分解
すれば、ランプアニールなどの数秒間の熱処理でも、該
InP基板の表面には充分なP圧が印加される。紫外光
の照射を熱処理時のみに限定すれば、ランプアニールな
どの数秒間の熱処理の場合、熱処理時を除いてはAs圧
もしくはP圧が印加されないため、熱処理装置の熱処理
室内を汚染する度合いは小さい。
【0021】さらに、本発明の熱処理装置によれば、紫
外光源と赤外光源とを相対するように設置し、前記紫外
光源と前記赤外光源の間に、紫外光を透過しない仕切
り、例えば金を蒸着した石英板を設け、例えば、紫外光
源側に該GaAs基板もしくは該InP基板を配置すれ
ば、何回もの熱処理プロセスを繰り返し行っても、熱処
理装置の赤外光源側の熱処理室は汚染されず、かつ、前
記基板に十分なAs圧あるいはP圧が印加される。
【0022】さらに、気体は直流又は交流電圧が印加さ
れると放電を起こし、プラズマが生成する。すなわち、
気体分子は解離し、イオンやラジカルが生成する。例え
ば、Arのマイクロ波放電により、ArイオンやArラ
ジカルが生成し、AsH3 のマイクロ波放電では、As
ラジカルやAsイオンが生成する。また、プラズマ中に
導入された気体分子も解離をおこす。
【0023】したがって、例えば、GaAs基板のキャ
ップレスアニールを行う場合、熱処理室に導入するAs
化合物ガス、例えばAsH3 を、該AsH3 が該GaA
s基板上に到達する前に、放電ガス、例えばArのマイ
クロ波放電より生成したプラズマ中に導入すれば、As
3 が解離しAsが生成するため、ランプアニールなど
の数秒間の熱処理でも、該GaAs基板の表面には充分
なAs圧が印加される。 あるいは、InP基板のキャ
ップレスアニールを行う場合、熱処理室に導入するP化
合物ガス、例えばPH3 を、該PH3 が該InP基板上
に到達する前に、放電ガス、例えばArのマイクロ波放
電より生成したプラズマ中に導入すれば、PH3 が解離
しPが生成するため、ランプアニールなどの数秒間の熱
処理でも、該InP基板の表面には充分なP圧が印加さ
れる。
【0024】AsH3 あるいはPH3 の導入を熱処理時
のみに限定すれば、ランプアニールなどの数秒間の熱処
理の場合、熱処理時を除いてはAs圧、あるいは、P圧
が印加されないため、熱処理装置の熱処理室内を汚染す
ることはない。
【0025】
【実施例】図1は、実施例1の化合物半導体の熱処理方
法を説明するための熱処理装置の断面図である。図1を
用いて、本発明の第1の実施例のランプアニールによる
半導体基板の熱処理装置の構成およびその熱処理方法に
ついて説明する。
【0026】ここで、図1中、1は熱処理室、11はG
aAs基板、12は2 8 Si+ がイオン注入されたGa
As基板表面、13はSiサセプタ、14は石英板、1
5はハロゲンランプ、16は低圧水銀ランプ、17はガ
ス導入口、18はAsH3 ガスの流れを示しており、1
9はAsH3 が光分解されて生じたAsの流れを示して
おり、20はAsH3 が光分解されて生じたAs以外の
解離成分の流れを示している。
【0027】GaAs基板11には2 8 Si+ をイオン
注入する。本実施例では50keV、4×101 2 cm
- 2 のイオン注入を行った。次に、熱処理室1内のSi
サセプタ13の上で、2 8 Si+ をイオン注入した表面
12を上向きにして、ハロゲンランプ15の下部にGa
As基板11を置き、ランプアニールを行う。熱処理の
際には、熱処理室1内上部のハロゲンランプ15からの
赤外光が、石英板14を介して2 8 Si+ をイオン注入
した表面12に照射される。
【0028】また、熱処理室内には内圧が2.0Tor
rになるようにAsH3 ガス18が導入されており、熱
処理の際には、AsH3 ガス18がGaAs基板11上
に到達する前に、ハロゲンランプ15よりもAsH3
ス導入口17側に設けられた低圧水銀ランプ16からの
紫外光により、As19とAs以外の解離成分20に分
解するため、GaAs基板11にはAs圧が印加され
る。ランプアニールの条件は、本実施例では加熱速度1
0°C/sec、アニール温度850°C、アニール時
間10secとした。
【0029】このようにして熱処理されたGaAs基板
11の表面を光学顕微鏡を用いて観察したところ、従来
の方法でキャップレスアニールしたGaAs基板に比べ
て、表面に現れるピットの数が減少していた。すなわ
ち、Asの外部拡散が抑制された。また、GaAsのシ
ート抵抗は従来法のそれよりも低下し、かつ基板面内で
の均一性も向上した。
【0030】図2は、実施例2の化合物半導体の熱処理
方法を説明するための熱処理装置の断面図である。図2
を用いて、本発明の第2の実施例のランプアニールによ
る半導体基板の熱処理方法およびその熱処理装置の構成
について説明する。
【0031】ここで、図2中、2は熱処理室、21はG
aAs基板、22は2 8 Si+ がイオン注入されたGa
As基板表面、23は石英サセプタ、201は金薄膜、
24と24aは石英板、25はハロゲンランプ、26は
低圧水銀ランプ、27はガス導入口、28はAsH3
スの流れを示しており、29はAsH3 が光分解されて
生じたAsの流れを示しており、30はAsH3 が光分
解されて生じたAs以外の解離成分の流れを示してい
る。
【0032】GaAs基板21に2 8 Si+ をイオン注
入する。本実施例のイオン注入条件は実施例1と同じと
する。次に、熱処理室2内部に設置された仕切り板とし
ても作用する石英サセプタ23の上に、2 8 Si+ をイ
オン注入した表面22を上向きにしてGaAs基板21
を置き、ランプアニールを行う。熱処理の際には、熱処
理室2内下部のハロゲンランプ25からの赤外光が、石
英板24aを介して2 8 Si+ をイオン注入した表面2
2に照射される。また、石英サセプタ23で分離された
熱処理室2内の上部には、内圧が2.0Torrになる
ようにAsH3ガス28が導入されており、石英サセプ
タ23と低圧水銀ランプ26間の空間領域に導入された
AsH3 ガス28が、低圧水銀ランプ26からの紫外光
によりAs29とAs以外の解離成分30に分解するた
め、熱処理の際にはGaAs基板21にはAs圧が印加
される。
【0033】ここで、石英サセプタ23には、その低圧
水銀ランプ26側のGaAs基板が配置される部分を除
いて、金の膜201が1μm蒸着してあるため、低圧水
銀ランプ26からの紫外光は金の膜を透過できず、石英
サセプタ23とハロゲンランプ25の間に紫外光は到達
しない。そのため、石英サセプタ23とハロゲンランプ
25との間の熱処理室2内の下部に導入されたAsH3
ガス28は分解せず、ハロゲンランプ側の石英板24a
と石英サセプタ23はAsにさらされない。ランプアニ
ールの条件は、実施例1と同じとした。
【0034】このようにして熱処理されたGaAs基板
21の表面を光学顕微鏡を用いて観察したところ、従来
の方法でキャップレスアニールしたGaAs基板に比べ
て、表面に現れるピットの数が減少していた。すなわ
ち、Asの外部拡散が抑制された。また、GaAsのシ
ート抵抗は従来法のそれよりも低下し、かつ基板面内で
の均一性も向上した。
【0035】実施例1の熱処理方法およびその装置によ
れば、短時間とはいえ、石英板が蒸気圧の高い構成元
素、例えばAsにさらされるため、長時間使用した石英
板14には蒸気圧の高い構成元素が付着する。その結
果、基板面内における不純物濃度プロファイルにおい
て、長期的に見れば再現性、均一性が低下してゆく問題
点がある。
【0036】しかし、実施例2の熱処理方法およびその
装置によれば、特に、ハロゲンランプ側の石英板24a
の汚染の度合いが、従来法や実施例1による場合に比べ
て小さくなり、長期的に見ても基板面内での不純物濃度
プロファイルの再現性、均一性が得られる利点がある。
【0037】上記実施例では紫外光源として、低圧水銀
ランプを用いたが、その他の紫外光源として、例えばA
rFエキシマレーザー、 重水素ランプなどを用いてもよ
い図3は、実施例3の化合物半導体の熱処理方法を説明
するための熱処理装置の断面図である。図3を用いて、
本発明の第3の実施例のランプアニールによる半導体基
板の熱処理方法およびその熱処理装置の構成について説
明する。
【0038】ここで、図3中、3は熱処理室、31はG
aAs基板、32は2 8 Si+ がイオン注入されたGa
As基板表面、33はSiサセプタ、34は石英板、3
5はハロゲンランプ、301はマイクロ波導波管、30
2はマイクロ波電源、303は内側管、304は外側放
電管、38はAsH3 ガスの流れを示しており、39は
マイクロ波プラズマによりAsH3 が解離して生じたA
sの流れを示しており、40はマイクロ波プラズマによ
りAsH3 が解離して生じたAs以外の解離成分の流れ
を示しており、305はArガスの流れを示している。
【0039】外側放電管304に導入されたArガス3
05には、マイクロ波導波管301によりマイクロ波電
力80Wでマイクロ波が印加されるため、外側放電管3
04内にプラズマが生成する。また、内側管303に導
入されたAsH3 ガス39は、内側管303の熱処理室
側開口部でArプラズマに混入し、As39とAs以外
の解離成分40に分解されて熱処理室に導入される。A
rガス305及びAsH3 ガス38は、外側放電管30
4及び内側管303内圧が5×10- 4 Torrになる
ように導入した。
【0040】GaAs基板31には2 8 Si+ をイオン
注入する。本実施例のイオン注入条件は実施例1と同じ
とする。次に、熱処理室3内のサセプタ33の上に2 8
Si+ をイオン注入した表面32を上向きにして、Ga
As基板31を置き、ハロゲンランプ35からの赤外光
が石英板34を介して、2 8 Si+ をイオン注入した表
面32に照射されることにより、熱処理を行う。また、
熱処理室内にはマイクロ波プラズマにより解離したAs
39が導入されており、熱処理の際には、GaAs基板
31にAs圧が印加される。ランプアニールの条件は、
実施例1と同じとした。
【0041】このようにして熱処理されたGaAs基板
31の基板表面を光学顕微鏡を用いて観察したところ、
従来の方法でキャップレスアニールしたGaAs基板に
比べ、表面に現れるピットの数が減少していた。すなわ
ち、Asの外部拡散が抑制された。また、GaAsのシ
ート抵抗は、従来法のそれよりも低下し、かつ、基板面
内での均一性も向上した。
【0042】上記3つの実施例では、As圧を印加する
ためにAsH3 ガスを用いたが、他のAs化合物、例え
ばAs2 、AsF3 、AsCl3 、As(CH33
As(C253 、As(C653 などを用いて
もよい。
【0043】更に、上記実施例では化合物半導体基板と
して、GaAs基板を用いたが、その他の化合物半導体
基板、例えばInPなどにも本発明は有効である。ただ
し、InP基板の場合にはPH3 、P2 、P4 、PF
3 、P(CH33 、P(C253 、P(C6
53 などP化合物ガスを用いる必要がある。すなわ
ち、III−V族化合物半導体基板を熱処理するときに
は、V族元素の化合物ガスを用いる必要がある。
【0044】更に、上記実施例では、GaAs基板に2
8 Si+ をイオン注入した場合について説明している
が、本発明は2 8 Si+ イオンを活性化させる場合に限
定されることはなく、B+ 、Zn+ 、Mg+ 、C+ イオ
ンなどの不純物原子を活性化する場合にも有効である。
【0045】
【発明の効果】本発明の化合物半導体の熱処理方法およ
び熱処理装置を用いれば、化合物半導体基板のキャップ
レスアニール中に、十分なV族元素圧を印加することが
でき、熱処理後の活性層の電気的特性及びその均一性を
改善することができる。したがって、保護膜を用いず
に、簡単に、良好な活性層を得ることができる。
【0046】さらには、活性層の電気的特性および均一
性が長期にわたり再現性よく得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の化合物半導体の熱処理方法を説明す
るための熱処理装置の断面図である。
【図2】実施例2の化合物半導体の熱処理方法を説明す
るための熱処理装置の断面図である。
【図3】実施例3の化合物半導体の熱処理方法を説明す
るための熱処理装置の断面図である。
【図4】従来法による化合物半導体の熱処理方法を説明
するための熱処理装置の断面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 熱処理室 11、21、31、41 GaAs基板 12、22、32、42 2 8 Si+ がイオン注入され
たGaAs基板表面 13、33、43 サセプタ 14、24、24a、34、44 石英板 15、25、35、45 ハロゲンランプ 16、26 低圧水銀ランプ 17、27、47 ガス導入口 18、28、38、48 AsH3 ガスの流れ 19、29 AsH3 が光分解されて生じたAsの流れ 20、30 AsH3 が光分解されて生じたAs以外の
解離成分の流れ 23 石英サセプタ 39 マイクロ波プラズマによりAsH3 が解離して生
じたAsの流れ 40 マイクロ波プラズマによりAsH3 が解離して生
じたAs以外の解離成分の流れ 201 金薄膜 301 マイクロ波導波管 302 マイクロ波電源 303 内側管 304 外側放電管 305 Arガスの流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/265 H01L 21/324

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン注入された化合物半導体基板を熱
    処理する方法において、 前記化合物半導体基板を構成する元素のうち、蒸気圧の
    高い元素の化合物ガスを、低圧水銀ランプ、ArFエキ
    シマレーザー、重水素ランプのいずれかによって分解す
    ることにより得られる前記構成元素の圧下で、前記基板
    を熱処理する工程を包含することを特徴とする化合物半
    導体基板の熱処理方法。
  2. 【請求項2】 イオン注入された化合物半導体基板を構
    成する元素のうち、蒸気圧の高い元素の化合物ガスを一
    方から導入する熱処理室を備え、前記熱処理室は、低圧
    水銀ランプ、ArFエキシマレーザー、重水素ランプの
    いずれかの紫外光源を前記ガスの導入側に、赤外光源を
    ガスの下流側に有し、かつ、該赤外光源下にイオン注入
    された化合物半導体基板を配置するためのサセプタとを
    有することを特徴とする化合物半導体基板の熱処理装
    置。
  3. 【請求項3】 紫外光源と赤外光源とが相対して配置さ
    れ、かつ、前記紫外光源と前記赤外光源との間に、紫外
    光を透過しない仕切り板を配置した熱処理室と、イオン
    注入された化合物半導体基板を構成する元素のうち、蒸
    気圧の高い元素の化合物ガスが前記紫外光源と前記仕切
    り板の間の空間領域及び赤外光源と前記仕切り板の間の
    空間領域に導入され、かつ、仕切り板により分離された
    熱処理室内の前記紫外光源側に近い側に、イオン注入さ
    れた化合物半導体基板を配置することを特徴とする化合
    物半導体基板の熱処理装置。
  4. 【請求項4】 前記仕切り板が、金蒸着の石英板である
    ことを特徴とする請求項3記載の化合物半導体の熱処理
    装置。
  5. 【請求項5】 イオン注入された化合物半導体基板を熱
    処理する方法において、放電により生成された不活性ガ
    スのプラズマに、前記イオン注入された化合物半導体基
    板を構成する元素のうち、蒸気圧の高い元素の化合物ガ
    スを混入させることによって得られる前記構成元素の圧
    下で、赤外光源を用いて前記化合物半導体基板を熱処理
    することを特徴とする化合物半導体基板の熱処理方法。
  6. 【請求項6】 放電により不活性ガスのプラズマを生成
    する装置と、 イオン注入された化合物半導体基板を構成する元素のう
    ち、蒸気圧の高い元素 の化合物ガスを前記生成された不
    活性ガスのプラズマに混入する装置と、 前記蒸気圧の高い元素の化合物ガスを前記生成された不
    活性ガスのプラズマに混入する装置により解離された構
    成元素が導入される熱処理室と、前記熱処理室の赤外光
    源下に前記イオン注入された化合物半導体基板を配置す
    るためのサセプタと、を備えることを特徴とする化合物
    半導体基板の熱処理装置。
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