JP3157548B2 - 導波路型光タップ回路 - Google Patents
導波路型光タップ回路Info
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Description
分野等で用いる導波路型光タップ回路に関するものであ
る。さらに詳しくは、作製誤差に強く消光比の優れた導
波路型光タップ回路構成に関するものである。
発展、普及させるためには、光ファイバと受・発光素子
の高性能化、低価格化に加えて、光分岐結合器、光合分
波器、光スイッチ等の各種光回路部品の開発が不可欠と
なってきた。なかでも、信号光の一部を必要に応じて主
伝送路から引き出す光タップ回路は、光LAN(Local A
rea Network)等の光通信回線を構築したり、あるいはト
ランスバーサルフィルタ等の光信号処理回路を構成する
等の技術産業分野で重要性を増すと考えられる。
イバ型の光タップ回路(タップ数=3)の構成説明図で
ある。図3において、2は主光ファイバ、3a, 3b, 3cは
それぞれタップ用光ファイバであり、主光ファイバ2と
タップ用光ファイバ3a, 3b,3cのそれぞれ一部は互いに
融着され、光タップ要素としての方向性結合器4a, 4b,
4cを構成している。主光ファイバ1を伝わる信号光の一
部は、方向性結合器4a, 4b, 4cを経由してタップ用光フ
ァイバ3a, 3b, 3cへと取り出される。取り出し量(タッ
ピング率)は、方向性結合器4a, 4b, 4cの光結合率をあ
らかじめ設定しておくことにより決定される(例えばタ
ッピング率5%)。しかし、図3の光タップ構成では、
タッピング率が固定されており、需要の変化等に応じて
タッピング率を柔軟に変更することが困難であるという
問題点があった。
ファイバ型に加えて導波路型が提案されている。導波路
型は小面積に多数のタップを収容できるので、光通信分
野のみならず光信号処理分野にもその応用を期待されて
いる。図4は、文献(笹山、奥野、葉原、「コヒーレン
ト光トランスバーサルフィルタを用いたFDM交換にお
ける演算型遅延回路」、1991年電子情報通信学会春季全
国大会講演論文集、分冊4、B−988)に開示されている
導波路型光トランスバーサルフィルタの光タップ回路部
分(説明簡略化のためタップ数=3について図示)の構
成説明図である。図4の導波路型光タップ回路は、シリ
コン基板上の石英系光導波路を基本として構成されてお
り、11はシリコン基板、12は主光導波路、13a, 13b, 13
c はタップ用光導波路、14a, 14b, 14c は光タップ要素
である。光タップ要素14a, 14b,14c はそれぞれ対称形
マッハツェンダ型光干渉計回路構成をもち、主光導波路
12とタップ用光導波路13a, 13b, 13c とがそれぞれ2箇
所で近接し構成する一対の方向性結合器15a と16a 、15
b と16b 、15c と16c および主光導波路12の上に装荷さ
れた光位相シフタとししての薄膜ヒータ17a, 17b, 17c
から成っている。方向性結合器15a, 16a, 15b, 16b, 15
c,16c の光結合率は50%近傍に設定されている。前記の
マッハツェンダ光干渉計回路はいわゆる対称形であり、
方向性結合器15a と16a 、15b と16b 、15cと16c を連
結するそれぞれ2本の導波路の光路長は等しく設定され
ている。
薄膜ヒータ17a に電力を印加しないオフ状態では、2個
の方向性結合器15a, 16aの結合率(50 %)が加算され、
光タップ要素としては100 %結合状態にあり、タッピン
グ率は100 %となっている。そこで、薄膜ヒータ17a を
駆動して温度上昇による光導波路の屈折率変化( 熱光学
効果) を利用して方向性結合器15a, 16a間の実効光路長
差を2分の1波長に近づけると、タッピング率は0%に
近づき、ヒータ電力の調整により、所望の5〜10%程度
のタッピング率を達成できる。しかし、このタッピング
率を維持するために各光干渉計回路に0.5 ワットもの電
力を供給する必要があり、タップ数が増加すると放熱や
安定性等に問題が生じる欠点があった。またタッピング
が必要でない箇所にも維持電力が必要になるという難点
があった。
の欠点に鑑みなされたもので、小さい維持電力でタッピ
ング率の調節が可能な導波路型光タップ回路を提供する
ことにある。
プ回路は、基板と、該基板上に配置され信号光を伝える
主光導波路と、前記基板上に配置され前記信号光の一部
を引き出すためのタップ用光導波路からなり、タップ用
光導波路は主光導波路に2箇所で近接して2個の方向性
結合器を構成し、該2個の方向性結合器の間の領域でタ
ップ用光導波路が主光導波路より長くされ、これにより
主光導波路とタップ用光導波路の実効光路長差が信号光
波長の2分の1近傍に設定され、前記領域内の主光導波
路に前記実効光路長差を調節し信号光引出し量を制御す
るための光位相シフタが設けられていることを特徴とす
る。ここで、実効光路長とは光導波路の長さに光導波路
の実効屈折率を乗じたものである。
個の方向性結合器間において、2分の1波長程度の実効
光路長差が設定されていることにより、光位相シフタが
オフの状態では、信号光は主光導波路に留まった状態で
マッハツェンダ光干渉計回路を通過するし、タッピング
率は0%となり、必要に応じて光位相シフタを駆動する
ことにより、所望のタッピングを実現できる。タッピン
グが不必要な場合には、維持電力が不要である。
説明する。以下の実施例では、光導波路としてシリコン
基板上に形成した石英系単一モード光導波路を使用し、
光位相シフタとして熱光学効果位相シフタを採用した光
タップ回路について説明するが、これは、この組合せ
が、単一モード光ファイバとの接続性に優れ、しかも偏
波依存性の無い光タップ回路を提供できるためであり、
本発明は、これらの組合せに限定されるものではない。
ップ数=3)の構成図であり、(a) は平面図、(b),(c)
は、それぞれ図1(a)のA−A′、B−B′における拡
大断面図である。図1(a) において、21はシリコン基
板、22は石英系光導波路からなる主光導波路、23a, 23
b, 23c はタップ用光導波路であり、24a, 24b, 24c は
光タップ要素である。
ンダ光干渉計回路構成をもち、例えば光タップ要素24a
は、主光導波路22とタップ用光導波路23a とが2箇所で
近接し構成する2個の方向性結合器(50 %結合率)25a,
26aと、主光導波路22の上に装荷された光位相シフタと
しての薄膜ヒータ27a からなっている。ここで特徴的な
ことは、方向性結合器25a, 26a間の主光導波路22とタッ
プ用光導波路23a との実効光路長差が2分の1波長近傍
に設定されていることである(この実施例では、主光導
波路側が短い)。すなわち、信号光波長が1.3 μm の場
合には実効光路長差0.65μm に設定されている。薄膜ヒ
ータ27a は短い方の光導波路、ここでは主光導波路側に
設定されている。他の光タップ要素24b, 24cも同等の構
造をもっている。
に例示したように、シリコン基板21の上の厚さ50μm 程
度の石英系ガラスクラッド層31に埋設された断面寸法6
μm×6μm の石英系ガラス光導波路からなっている。
方向性結合器部では、50%程度の光結合率を達成するよ
う主光導波路およびタップ用光導波路は、長さ0.5mm程
度にわたって数μm 間隔まで近接している。薄膜ヒータ
27a, 27b, 27c は、クロム金属膜を幅50μm 、長さ5mm
程度にわたって蒸着することにより形成したものであ
る。
a, 24b, 24c は、それぞれ薄膜ヒータ27a, 27b, 27c が
オフ状態では、主光導波路22からそれぞれタップ用光導
波路23a, 23b,23C へのタッピリング率は零%である。
その理由は、2分の1波長、すなわち位相に換算して18
0 度相当の実効光路長差を持つ非対称形マッハツェンダ
光干渉計回路においては、2個の方向性結合器は、逆位
相で連結されるので、その結合作用を互いに打ち消し合
い、見かけ上、方向性結合器が存在しないように作用す
るからである。
を引き出したい場合には、対応する薄膜ヒータに給電
し、その下部の光導波路の実効光路長を石英系ガラスの
熱光学効果を利用して増加させ、マッハツェンダ光干渉
計回路の非対称性を緩和して対称形に近づければよい。
駆動電力とタッピリング率との実験結果を示す説明図で
ある。駆動電力が零の場合はタッピング率が零であり、
駆動電力が増加するにつれてタッピング率は100 %に向
って増加する。この実施例では駆動電力0.5 Wにおいて
100 %タッピング率に到達したが、最大タッピング率を
与える駆動電力は、光導波路の微細構造や薄膜ヒータ微
細構造によって大きく左右されることを付記する。
する方向性結合器25a と26a 、25bと26b 、25c と26c
の結合率が、製作上の誤差要因により理想的な50%から
ずれた場合は、100 %の最大タッピング率に到達するこ
とができない(例えば方向性結合器の結合率が35%の場
合、最大タッピング率は90%に留まる)が、100 %のタ
ッピング率が必要になる場合は少ないので、実用上は支
障がない。
る非対称形マッハツェンダ光干渉計回路の内の実効光路
長の短い方の主光導波路に薄膜ヒータを設けた。これ
は、熱光学位相シフタ(薄膜ヒータ)の作用により、マ
ッハツェンダ光干渉計回路の初期の非対称性を緩和し
て、タッピング率を増加させる方が、光タップ回路とし
ての波長依存性が少なくて望ましいことによる。
限定して説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、タップ数が8や16の大規模の光タップ回路の構
成にも適用できることはもち論である。
ハツェンダ光干渉計回路の2個の方向性結合器間2分の
1波長程度の実効光路長差が設定されていることによ
り、光位相シフタがオフの状態では、信号光は主光導波
路に留まった状態でマッハツェンダ光干渉計回路を通過
し、タッピング率は0%となる。また必要に応じて光位
相シフタを駆動することにより、所望のタッピングを実
現できる。タッピングが不必要な場合には、維持電力が
不要であり、「使用時に金を払ってもらう」という課金
の観点からも理にかなっている。本発明の導波路型光タ
ップ回路は、光LAN等の光通信回線を構築したり、あ
るいはトランスバーサルフィルタ等の光信号処理回路を
構成する等の技術産業分野で重要性を増すと考えられ
る。
施例の構成を示す平面図である。 (b) は図1(a) のA−A′における拡大断面図である。 (c) は図1(a) のB−B′における拡大断面図である。
フタ駆動電力とタッピング率との関係例を示す説明図で
ある。
である。
ある。
成をもつ光タップ要素 15a, 16a, 15b, 16b, 15c, 16c 方向性結合器(50 %結
合) 17a, 17b, 17c 熱光学位相シフタとしての薄膜ヒータ 21 シリコン基板 22 主光導波路 23a, 23b, 23c タップ用光導波路 24a, 24b, 24c 非対称形マッハツェンダ光干渉計回路
構成をもつ光タップ要素 25a, 26a, 25b, 26b, 25c, 26c 方向性結合器(50 %結
合) 27a, 27b, 27c 熱光学位相シフタとしての薄膜ヒータ 31 クラッド層
Claims (2)
- 【請求項1】 基板と、該基板上に配置され信号光を伝
える主光導波路と、前記基板上に配置され前記信号光の
一部を引き出すためのタップ用光導波路からなり、タッ
プ用光導波路は主光導波路に2箇所で近接して2個の方
向性結合器を構成し、該2個の方向性結合器の間の領域
でタップ用光導波路が主光導波路より長くされ、これに
より主光導波路とタップ用光導波路の実効光路長差が信
号光波長の2分の1近傍に設定され、前記領域内の主光
導波路に前記実効光路長差を調節し信号光引出し量を制
御するための光位相シフタが設けられていることを特徴
とする導波路型光タップ回路。 - 【請求項2】 前記主光導波路およびタップ用光導波路
がガラス光導波路であり、前記光位相シフタが薄膜ヒー
タから成る熱光学効果位相シフタであることを特徴とす
る請求項1記載の導波路型光タップ回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17779991A JP3157548B2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 導波路型光タップ回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17779991A JP3157548B2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 導波路型光タップ回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH052155A JPH052155A (ja) | 1993-01-08 |
JP3157548B2 true JP3157548B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=16037295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17779991A Expired - Lifetime JP3157548B2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 導波路型光タップ回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3157548B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6330388B1 (en) | 1999-01-27 | 2001-12-11 | Northstar Photonics, Inc. | Method and apparatus for waveguide optics and devices |
US20020090170A1 (en) | 2000-11-27 | 2002-07-11 | Bendett Mark P. | Apparatus and method for integrated photonic devices having adjustable gain |
US20030185514A1 (en) * | 2002-03-29 | 2003-10-02 | Bendett Mark P. | Method and apparatus for tapping a waveguide on a substrate |
-
1991
- 1991-06-24 JP JP17779991A patent/JP3157548B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
1991年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集、分冊4、B−988 |
光学 第18巻第12号 p.681−686 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH052155A (ja) | 1993-01-08 |
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