JP3157328B2 - 電子部品用リード電極の切断バリ除去方法 - Google Patents

電子部品用リード電極の切断バリ除去方法

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JP3157328B2 JP04359093A JP4359093A JP3157328B2 JP 3157328 B2 JP3157328 B2 JP 3157328B2 JP 04359093 A JP04359093 A JP 04359093A JP 4359093 A JP4359093 A JP 4359093A JP 3157328 B2 JP3157328 B2 JP 3157328B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばガラスシールタ
イプの電子部品に使用されるリード電極のように精密仕
上げを要するリード電極の先端切断端面周縁に延在する
切断バリを除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9はガラスシールタイプの半導体電子
部品として代表的に挙げられるダブルヒートシンクダイ
オード(以下、DHDと略称する)の一般的な構造を示
している。この図に示すように、一般的な構造のDHD
1は所定長さ寸法のガラス筒2の内部中央にダイオード
素子3を配設するとともに、前記ガラス筒2の両端開口
部からそれぞれリード電極4を突入させ、これらリード
電極4の端面を前記ダイオード素子3の両端に形成され
たアノード側及びカソード側電極3aにそれぞれ機械的
に接触させてある。
【0003】前記リード電極4は先端電極片5がヒート
シンクにより形成されており、この電極片5の基端部に
デュメット線6を接続した構造となっており、駆動時に
発熱するダイオード素子3の熱をヒートシンクである電
極片5に素早く移動させるように構成されている。
【0004】図10は電極片5を構成する金属線材の切
断端面を示している。この図に示すように、前記電極片
5に使用される金属線材50としては、例えば鉄やニッ
ケル等からなる芯線5aの周面に銅被膜5bを形成して
なるものが使用される。
【0005】図11(A)〜(C)は上記DHD1に使
用される構成のリード電極4の一般的な製造工程を工程
順に示している。即ち、上記リード電極4を作製すると
きは、図11(A)に示すように、金属線材50を一端
部から超硬合金チップやダイヤモンドチップを備えたカ
ッターCにより順次、所定寸法に切断する。
【0006】これによって得られた各切断片が図11
(B)に示すように、ヒートシンクである電極片5とし
て使用されるものである。そして、図11(C)に示す
ように、該電極片5の基端面にデュメット線6をテール
ワイヤ溶接等の手法によって接続することにより、リー
ド電極4が得られる。
【0007】ところで、上記した線材50の切断工程に
おいて、該線材50をカッターCで切断したとき、殆ど
全ての種類の線材は、電極片5となる切断片の端面周縁
にバリaが発生することが知られている。特に、金属線
材の場合、芯線5aの周面を取り巻く銅被膜5bが展延
性に優れたものであるため、切断時に切断片の端面に可
成りな長さのバリaが発生する場合がある。
【0008】このような切断片を電極片5として使用す
ると、例えば図9に示すように、組立時に一方のリード
電極4の電極片端面から垂れ下がったバリaが他方のリ
ード電極4の電極片端面に接触したり、あるいは一方の
リード電極4から分離したバリaが組立後に両方の電極
片5間の真空空間で妄動したりして、電流リーク不良を
惹き起こすことがある。このような電流リーク不良の発
生を防止するためには、線材50の切断後、その切断端
面、特にダイオード素子3の電極3aに接触させる先端
側端面のバリaを可及的に除去する必要がある。
【0009】従来では、上記バリaの除去対策として、
例えば図12に示すように、エアブロー手段7の吸引口
7aに、ナイロン(商品名)繊維等からなる回転ブラシ
8を配備した装置を用い、該装置の回転ブラシ8と対面
する位置に、適宜個数のリード電極4を起立状態で並列
させた上で、各リード電極4の電極片先端側端面に回転
ブラシ8を接触させながらエアブロー手段7を駆動し
て、各電極片5の先端側端面周縁から延びるバリaにブ
ラシ8を摺擦させることにより、バリaを機械的に除去
する方法が採られていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来方法によると、エアブロー手段7によって吸
引されるバリaは既に電極片5から分離しているか、ほ
ぼ分離しかかっているものに限られるため、全体から見
て除去されるバリaの数量は僅少でしかない。
【0011】また、リード電極4を構成するデュメット
線6は電極片5よりも軟弱であるため、上記のような従
来方法によると、デュメット線6を固定したところで、
該デュメット線6上に設けられている電極片5が回転ブ
ラシ8と摺擦することによって多少揺動してブラシ8の
摺擦力が弱められることが避けられない。
【0012】さらに、バリaの中には電極片5と強く結
合しているものも存在するため、ナイロン等の合成繊維
からなる回転ブラシ8の摺擦力のみでは電極片5から分
離されないバリaも多く残存する。このように上記従来
方法では必要且つ十分なバリ取りを行えないという問題
点があった。
【0013】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたもので、リード電極の先端切断端面周縁に延在す
る切断バリを、効率的にほぼ完全に除去することが可能
で、電流リーク不良等を防止し得る電子部品用リード電
極の切断バリ除去方法を提供することを目的とするもの
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述のDHD
に使用されるリード電極のように、先端部が導電性金属
線材の切断片により形成されたリード電極の先端切断端
面周縁に延在する切断バリを除去する方法であって、上
記目的を達成するために前記リード電極の先端切断端面
を板状体表面に打撃するようにしている。
【0015】
【作用】上記構成によると、リード電極は先端切断端面
が板状体の表面に打撃されることにより、該リード電極
の先端切断端面周縁に延在するバリが該端面から分離
し、また、該端面の周縁部分が部分円弧状に面取りされ
た形状に変形される。このようにバリが除去され、先端
切断端面周縁のエッジが取り除かれたリード電極を電子
部品に装着した場合、バリの垂れ下がりや、分離された
バリが妄動することによる電流リークの発生を極力防止
することができる。
【0016】
【実施例】図1〜図4は本発明方法の一実施例を示して
いる。なお、本実施例ではDHDを例に挙げて説明す
る。また、上記従来例と構成が共通する部分には共通の
符号を付すこととする。図1は本実施例方法によって既
にバリが除去されたリード電極を使用したDHDを示し
ている。この図において、1はDHD、2はDHD1の
外装部を構成するガラス筒、3はガラス筒2内中央の素
子収容部2aに装着されるダイオード素子、4はガラス
筒2の両端開口部に突入させたリード電極である。
【0017】また、3aはダイオード素子3の両端に形
成されたアノード側及びカソード側電極、5はヒートシ
ンクにより形成されたリード電極4の先端電極片、6は
電極片5の基端部に溶接されたデュメット線であって、
これらの構成及び作用は前記従来例と同様であるので、
重複を避けるためにその詳しい説明を省略する。
【0018】図2はバリ除去加工前の電極片5の状態を
示している。前記電極片5は導電性金属線材としての直
径約 0.8mm程度の金属線材を所定寸法に切断して形成さ
れており、図2に示すように、カッターによって切断さ
れた両端面周縁に該金属線材の銅被膜端部が展延するこ
とによって形成された切断バリaが延在している。
【0019】本実施例方法では、該電極片5の両端面の
バリa、特に先端側切断端面のバリaを次のような工程
を経て除去している。即ち、図3に模式的に示すよう
に、ステンレス鋼からなる有底円筒状ケース9と、ステ
ンレス鋼等の金属材からなる平坦な板状体10とを準備
する。
【0020】ケース9の内径は適宜本数のリード電極4
を起立姿勢で整列配置可能な寸法に設定され、また、そ
の電極収容部の高さはリード電極4が上下方向に自在に
遊動可能な寸法に設定されている。さらに、板状体10
はケース9の開口部を完全に閉塞できる広さのものが使
用される。
【0021】そして、複数本のリード電極4をそれぞ
れ、電極片5の先端切断端面がケース開口部に臨む起立
姿勢で収容する。但しこの場合、各リード電極4がケー
ス9内で振動によって倒伏しないようにし、しかも該振
動によって若干の横振りが可能な状態としておく。な
お、ケース9内に収容されるリード電極4の本数が少な
いときは、該リード電極4の全長よりもある程度小さい
内径寸法を有するケース9を使用して、電極4の倒れ込
みを防ぐようにしてもよい。
【0022】次いで、リード電極4が収容されたケース
9の開口部を板状体10によって全面的に閉塞し、さら
にこの状態で図3に示したように上下反転させることに
より、ケース9内の各リード電極4の電極片5が下向き
となるように倒立させ、この状態を保持してケース9及
び板状体10を同時に上下方向に振動させる。
【0023】この振動によってリード電極4は板状体1
0とケース9の内底面間で上下動するが、上動時にはデ
ュメット線6の遊端部がケース9の内底面に当たり、下
動時には電極片5の先端面が板状体10と衝突する。こ
れによりケース9内の各リード電極4の電極片先端切断
端面が、これと対向する板状体10の表面で連続的に打
撃されるものである。
【0024】このようにケース9内のリード電極4は上
下に振動することは勿論であるが、同時に若干の横振り
動作も生じるので、電極片5は切断端面のみならず、該
端面と周面とのエッジ部も板状体10に打ち付けられる
と同時に、隣合う電極片5間でも衝突が起こり得る。
【0025】前記切断端面周縁部に延在するバリaは振
動時に受ける衝撃によって、該切断端面から分離され、
ほぼ完全に除去される。また、同時に電極片5の切断端
面周縁は連続的に打撃されることにより図4に示すよう
に、部分円弧状に面取りされてエッジが取り除かれた形
状に変形される。
【0026】上記実施例による切断バリaの除去工程
は、例えば図5に示すような振動発生装置11を用いて
多数のリード電極4に同時にバリ取り加工を施すことが
できる。該振動発生装置11は例えば、単位個数のケー
ス9の開口部を同時に閉塞可能な寸法の板状体10と、
この板状体10上に複数のケース9を倒立状態で固定す
るか、あるいはこの固定状態で両者9、10を収容する
保持手段12とを備え、該保持手段12をエアシリンダ
等の往復駆動装置13の動作端に連動連結した構成とす
ることができる。
【0027】上記構成の振動発生装置によると、各ケー
ス9内に前述のようにして複数本のリード電極4を収容
し、それぞれのケース9を倒立させて、その開口部が板
状体10で閉塞されるように該板状体10上に固定し、
保持手段12でこの状態を保持した上で、往復駆動装置
13を駆動させることにより、各ケース9内に収容され
たリード電極4の電極片5が一斉に板状体10の表面か
ら打撃作用を受けて、バリ取り加工が施されるものであ
る。
【0028】いま、本実施例が対象とする電極片5の切
断加工後、リード電極4を作製した上、前述の工程を経
てバリ取り加工を施し、電極片5に残存しているバリa
の数量を一定の振動数毎にカウントしたところ、図6に
示すような結果が得られた。この図から明らかなように
3000回の上下振動を繰り返すことにより、バリaの
数量が約1/10まで減少した。この加工を施した電極
片5を用いてDHD1を作製したところ、不良品の発生
率も同様に1/10程度の減少が見られた。
【0029】なお、上記実施例において、板状体10の
表面は平滑な平坦面であっても良いが、例えば図7に拡
大して示すように、電極片5の切断端面の寸法に対応す
る微細な凹凸を有する粗面10aに形成すれば、打撃作
用によるバリ取り効果を一層高めることができて好都合
である。また、図示してはいないが、板状体10として
メッシュ板を使用することもできる。
【0030】さらに、ケース9はステンレス鋼以外の金
属材料やプラスチック材料等の硬質性材料によっても形
成することができ、またその形状も必ずしも円筒形状に
限られるものではなく、その他多角形状や方形状断面を
有するものとしてもよい。
【0031】図8(A)〜(C)は、本発明方法の他の実施
例を示している。本実施例においては、図8(A)に示す
ように、前記実施例と同様の金属材等の硬質性材料から
なる上面が開口したケース14を準備し、図8(B)に示
すように、該ケース14内に単一もしくは複数本のリー
ド電極4を、電極片5の先端切断端面がケース内底面と
対向する起立姿勢で収容する。但し、ケース底壁14a
の内底面は平坦に形成されているものとする。
【0032】次いで、図8(C)に示すように、リード電
極4が収容されたケース14の上面開口部を蓋体15に
よって全面的に閉塞し、さらにこの状態を保持して蓋体
15によって閉塞されたケース14を上下方向に振動さ
せる。
【0033】この振動によってリード電極4は蓋体15
とケース14の内底面間で上下動するが、上動時にはデ
ュメット線6の遊端部が蓋体15の内天面に当たり、下
動時には電極片5の先端面がケース内底面と衝突する。
これによりケース14内の各リード電極4の電極片先端
切断端面が、これと対向するケース内底面、即ちケース
底壁14aの内底面で連続的に打撃されるようにしてい
る。
【0034】この実施例方法ではケース14の底壁14
aが電極片5が打撃される板状体として機能するもので
あり、前記実施例のように該ケース14を上下反転させ
る必要がないので、その分、工程を簡略化することがで
きる。
【0035】また、蓋体15は金属材、プラスチック材
等により形成したものの他、ゴム材のような弾性材料に
よっても形成することができる。この弾性材によって形
成された蓋体15を使用すると、リード電極4のデュメ
ット線6が該蓋体15の内天面に当たるとき、該デュメ
ット線6に発生する応力を緩和させるので、デュメット
線6の損傷による不良品の発生を効果的に抑制し得る点
で好ましい。
【0036】なお、該蓋体15は図8(C)に示すよう
に、ケース14の開口部に嵌着される態様のものの他、
前記実施例で使用される板状体10と同様に、ケース1
4の開口部に面接して閉塞する態様のものを使用しても
よく、要はケース14の開口部を閉塞した状態におい
て、該ケース14と一体的に上下動させられるものであ
れば、諸種の態様のものを用いることができる。
【0037】さらに、前記各実施例では本発明方法をD
HDに使用されるヒートシンクとして機能する電極片の
バリ取りに適用しているが、その他精密リード電極全般
について対応し得ることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるとき
は、リード電極の先端切断端面を板状体表面に打撃する
ようにしたことにより、リード電極の先端切断端面に延
在するバリが打撃作用によって該端面から効果的に分離
除去される。従って、先端切断端面周縁のエッジが取り
除かれたリード電極を電子部品に装着した場合、バリの
垂れ下がりや、分離されたバリが妄動することによる電
流リークの発生を極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例方法によってバリ取り加工さ
れたリード電極が組み込まれたDHDの一例を示す断面
図。
【図2】 そのバリ取り加工前のリード電極の状態を示
す要部斜視図。
【図3】 その途中工程を模式的に示す断面図。
【図4】 そのバリ取り加工後のリード電極の状態を示
す要部斜視図。
【図5】 多数個を同時に加工し得る装置の一例を模式
的に示す断面図。
【図6】 本実施例方法によりバリ取り加工した試験結
果を示す線図。
【図7】 板状体表面の別態様を拡大して示す要部断面
図。
【図8】 本発明の他の実施例方法をその工程順に示す
模式図。
【図9】 一般的なDHDにおいてバリが存在する状態
を示す断面図。
【図10】 電極片を構成する金属線材の切断端面を示
す断面図。
【図11】 リード電極の一般的な製造工程を工程順に
示す図。
【図12】 バリ取りに使用される従来装置を模式的に
示す図。
【符号の説明】
1 ダブルヒートシンクダイオード(DHD) 3 ダイオード素子 4 リード電極 5 電極片 9 ケース 10 板状体 14 ケース 14a ケース底壁 15 蓋体 a 切断バリ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部が導電性金属線材の切断片により
    形成されたリード電極の先端切断端面周縁に延在する切
    断バリを除去する方法であって、前記リード電極の先端
    切断端面を板状体表面に打撃することを特徴とする電子
    部品用リード電極の切断バリ除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9856070B2 (en) 2010-04-13 2018-01-02 The Salford Valve Company Limited Aerosol spray device
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