JP3156523B2 - 耐水素誘起割れ用鋼材の製造方法 - Google Patents
耐水素誘起割れ用鋼材の製造方法Info
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Description
素が、非金属介在物とマトリックスとの界面に集積し、
鋼材中に割れを発生させる現象を抑制する特性を有する
鋼の製造方法に関するものである。
のとなっている。特に、鋼材の使用される雰囲気、溶接
等による組み立て・接合条件、あるいは鋼材に対する負
荷条件等が厳しく、鋼材の優れた材質特性と同時に優れ
た清浄性が要求される。 〔1〕近年、石油消費量の増加に伴う油田の開発および
パイプラインの敷設が数多く計画されており、このよう
な情勢下において、石油や天然ガスを輸送するためのパ
イプやそれを貯蔵するためのタンク等は、石油や天然ガ
スに含有される硫化水素と水との共存条件下で使用され
るので、石油や天然ガスに接する鋼材の表面が著しく腐
食される。このような条件下における鋼材の腐食によっ
て発生した水素は、鋼材中に侵入し、延伸されたMnS
等の硫化物系介在物の周辺に集積してその部分の水素圧
力を高めるために、鋼板の表面に平行な水素誘起割れを
生じさせ、場合によっては、鋼板表面に平行に発生した
水素誘起割れが、板厚方向に階段状につながり、板厚方
向に貫通して鋼材を破壊させるに至らしめる。
れは、鋼材の腐食に伴って発生した水素が、鋼材中に侵
入し、介在物と地鉄との境界面に集まり、その水素ガス
圧力によって生ずるものである。介在物の内でも、Mn
S介在物は切欠き効果の大きい先端形状をしているた
め、鋼材の水素誘起割れはMnS介在物の量およびその
展伸度と強い相関があり、伸長したMnS介在物が少な
いほど割れ感受性は低下することが明らかとなってい
る。
な腐食環境で使用される鋼材に対しては、鋼材中のS含
有量を低下させて、水素誘起割れの発生起点となる硫化
物系介在物を減少させ、更に、Caを添加して介在物の
形態を制御して、水素誘起割れ感受性を低下させること
が一般に行われている。
として、例えば、特開平4−259352号公報に開示
された方法(以下、先行技術1という)があり、その内
容は、高炉から出銑された溶銑を鋳床脱珪により、Si
≦0.10 wt.% にした後、溶銑脱硫装置で、S≦0.
004 wt.% にし、次いで溶銑脱燐装置により、P≦
0.015 wt.% にする。このようにして得られた溶銑
を、上底吹転炉に装入して、脱炭・脱燐を行ない、C≦
0.040 wt.% 、P≦0.010 wt.% にし、取鍋に
出鋼し、取鍋精錬装置で脱酸、脱硫を行ない、全酸素含
有量(T.O)≦300ppm、S≦0.0008 wt.
% にする。次いで、RH脱ガス装置で脱水素、脱窒素を
行ない、H≦1ppm、N≦400ppmにし、その後
溶鋼にCaを0.0005〜0.002 wt.% 含有させ
て、MnSの形態制御を行なうとともに、過剰のCaの
含有を防止し、水素誘起割れの起点となるCa−Al硫
酸化物系介在物をも低減させるというものである。
大スパン化が進み、鉄骨用鋼材の厚肉化に伴い、鋼材の
溶接施工量が増加した。一方、溶接作業者の不足、工期
短縮という社会的背景から、建築柱や橋桁等のBOX構
造部の角継手部の溶接法は、従来の炭酸ガス溶接で下盛
り溶接した後に、サブマ−ジア−ク溶接(以下、SAW
という)で多層溶接する方法から、鉄粉入りボンド型フ
ラックスを使用した多電極のSAWで1層溶接する方法
が主流となってきた。
もに溶接入熱が増大し、例えば、厚さ60mmの鋼材を
溶接する入熱は500kJ/cmにも達する。大入熱で
溶接するほど、フラックスの消費量が増えるため、フラ
ックスに含有された水分が解離して生成した水素が溶接
継手内に侵入し、HAZに水素割れが発生し易くなり、
構造物の安全性を確保する上で問題となっている。図8
は、大入熱SAWで施工されたBOX構造物の角溶接部
のマクロ組織を模式図的に示す縦断面図である。水素割
れ1は、フランジ鋼板2のHAZ3内の板厚中央部に発
生している。同図において、4は溶接金属であり、フラ
ンジ鋼板2とウェブ鋼板5とは溶接金属4によって接合
されている。なお、6は裏当て金である。
板厚中央に多く存在するMnS非金属介在物(以下、非
金属介在物を単に介在物という)と地鉄との界面に溶接
水素が集積し、溶接の拘束力下で、界面剥離から周囲の
硬化組織に伝播し、割れに至ったものであることがわか
った。この種の割れは、特に、引張強さ(TS)レベル
が50kgf/mm2 級鋼以上の連続鋳造鋼片から製造された
高張力鋼材に発生する頻度が高い。なお、連続鋳造材に
おいては、板厚中央にC、Mn、P等が偏析しており、
特に、50kgf/mm2 級鋼の圧延鋼材の板厚中央は、一般
に硬いベイナイト組織を呈している。
異なるが、上記のようなMnS介在物に起因した水素割
れ防止に関する従来技術が、例えば、先行技術1に開示
されている。先行技術1は、サワ−用ラインパイプ等の
製造方法に関するものであり、石油や天然ガスに含有さ
れている硫化水素と水とにより、パイプの内面が腐食さ
れ、腐食により発生した水素が、鋼材中に侵入し、Mn
S介在物と地鉄との界面に集積した結果発生する水素誘
起割れを抑制する技術に関するものである。先行技術1
には、S<0.001 wt.% の極低硫溶鋼にCaを添加
し、硫化物系介在物の球状化を図る製造方法が開示され
ている。なお、硫化物系介在物は、Caを添加しない場
合は、通常、MnSであり、熱間圧延により伸展し易
く、鋼材中にA系介在物として存在するが、Caを添加
すると、凝固時に析出する硫化物は、MnSからCaS
に変化する。CaSは熱間圧延により伸展しにくく、鋼
材中にC系介在物として存在する。即ち、鋼中へのCa
添加により硫化物系介在物が、A系介在物からC系介在
物に変化する、即ち、球状化する。
関する従来技術が、特開平4−272156号公報に開
示されている。(以下、先行技術2という)。先行技術
2では、鋼材中の偏析部の硬さおよびA系介在物量を限
定するものとし、その観点からS含有量を、0.002
wt.% 以下にし、Caを添加して非金属介在物の球状化
をはかることができ、また、TiおよびNbを複合添加
することにより、所定の強度・靱性を確保するために必
要な圧下量をTiおよびNbを添加しない場合よりも減
らし、MnS介在物の伸長化を防止することができる旨
記載されている。
製造する場合、従来技術では、下記の問題がある。即
ち、先行技術1の方法によって、水素誘起割れの発生頻
度の低減された鋼材が得られはしたものの、鋼材が使用
される腐食環境条件によっては未だ満足できるレベルの
ものではなかった。そこで、水素割れ発生の原因につい
て、更に研究を重ねた。先行技術に開示された方法で得
られた鋼材に発生した水素誘起割れの発生部位を,EP
MA(Electron Probe Micro Analizer) で分析した結
果、水素誘起割れの起点は、Al2 O3 を主体とする脱
酸生成物(以下、Al2 O3 系酸化物系介在物という)
であることが明らかとなった。そして、先行技術1の方
法で得られた鋼材においては、従来、水素誘起割れの発
生原因となっていた、水素誘起割れ感受性の高いMnS
介在物は無くなり、しかも、Ca−Al硫酸化物系介在
物も低減したため、従来は、水素誘起割れの発生起点と
なっていなかったAl2 O3 系酸化物系介在物が、新た
に、水素誘起割れの発生起点となったことが判明した。
る水素誘起割れの、新たな発生起点である少量のAl2
O3 系酸化物系介在物の残存を抑制することができる技
術が要請される。
する場合、従来技術では、下記の問題がある。先行技術
1に開示された方法では、下記理由により溶鋼の製造コ
ストがかさむ。即ち、先行技術1では、S含有量が0.
001 wt.% 未満になるまで溶鋼を脱硫(以下、強脱硫
という)するために、高価なアルミナ質耐火レンガを内
張りした取鍋を用い、転炉から取鍋に流入したスラグを
除滓し、強脱硫処理用の造滓材を添加し、しかも取鍋精
錬装置内で長時間の溶鋼脱硫処理をしなければならな
い。これに対して、S含有量が0.003 wt.% 以下に
なるまで溶鋼を脱硫(以下、軽脱硫という)すればよい
場合には、取鍋の内張りに安価なジルコニア−シリカ系
レンガを用いることができ、脱硫処理時間も短時間で完
了する。従って、溶鋼の脱硫処理が軽脱硫で所期の目的
を達成し得る場合は、溶鋼の製造コストも安くなる。
る先行技術2の方法のように、S含有量が0.002 w
t.% 程度の溶鋼にCaを添加すると、Ca−Al硫酸化
物系介在物が多量に生成し、圧延鋼材中にB系介在物が
クラスタ−状に残存し易くなる。このような鋼材を使用
して、大入熱のSAWでBOX構造に組み立てた場合に
は、クラスタ−状のCa−Al硫酸化物系介在物に起因
する水素割れが発生することが、本発明者等の研究によ
り明らかとなった。
も、Ca添加により生成した介在物に起因する大入熱S
AWによるBOX構造物の角溶接HAZに水素割れが発
生しないようにすることができる技術が要請される。
使用環境条件下において、鋼材中に侵入した水素が、非
金属介在物とマトリックスとの界面に集積し、鋼材内部
に割れを発生させる現象を抑制する優れた特性を有する
鋼材の製造方法、特に、サワ−用ラインパイプ等におい
て水素誘起割れの発生が抑制された鋼材を製造する方
法、並びに、大入熱SAWによるBOX構造物の角継手
HAZの水素割れの発生を抑制し得る鋼材用スラブを、
安価に製造する方法を提供することにある。
水素誘起割れ用鋼材の製造方法は、溶銑を予備処理し、
次いで予備処理された前記溶銑を、転炉において脱炭し
脱燐し、前記転炉から出鋼された溶鋼を、取鍋において
脱酸し脱硫し脱ガスし、そして前記溶鋼にカルシウムを
添加し、このようにして得られた前記溶鋼を連続鋳造
し、得られた鋳片を圧延することによって鋼材を製造す
る方法において、前記溶鋼が脱酸される前の前記溶鋼の
フリ−酸素含有量が600ppm以下となるように前記
溶鋼の前記転炉における終点炭素含有量を制御し、前記
溶鋼の脱酸をし、前記溶鋼に前記カルシウムを添加した
後、前記溶鋼を不活性ガスによって2分以上攪拌し、次
いで前記溶鋼を前記取鍋内で30分以上静置することに
特徴を有するものである。
〔2〕に述べる第2および第3の発明をした。
優れたラインパイプ用鋼材を製造するために、伸長した
MnS介在物を徹底的に低減する方法として、超強脱硫
処理を前提とし、必要に応じて、過剰とならない適正範
囲内の含有量のCaを添加することとし、更に、このよ
うにMnS介在物が微量になった場合の水素誘起割れの
起点であるAl2 O3 系酸化物系介在物を徹底的に低減
させる取鍋精錬条件について、鋭意研究を重ねた。
方法は、溶銑を予備処理し、次いで予備処理された前記
溶銑を、転炉において脱炭し脱燐し、前記転炉から出鋼
された溶鋼を、取鍋において脱酸し脱硫し脱ガスし、そ
して前記溶鋼にカルシウムを添加し、このようにして得
られた前記溶鋼を連続鋳造し、得られた鋳片を圧延する
ことによって鋼材を製造する方法において、前記溶鋼が
脱酸される前の前記溶鋼のフリ−酸素含有量が600p
pm以下となるように前記溶鋼の前記転炉における終点
炭素含有量を制御し、前記溶鋼の脱酸をアルミニウムで
行ない、前記溶鋼をS含有量が0.001 wt.% 未満に
なるまで脱硫し、そして、前記溶鋼に前記カルシウムを
添加した後、前記溶鋼を不活性ガスによって2分以上攪
拌し、次いで前記溶鋼を前記取鍋内で30分以上静置す
ることに特徴を有するものである。
低コストで製造するために、軽脱硫処理溶鋼にCaを添
加することを前提とし、クラスタ−状のCa−Al硫酸
化物系介在物を低減せしめる取鍋精錬条件について、鋭
意研究を重ねた。その結果、溶鋼のAl脱酸前における
フリ−酸素含有量(O)、鋼材中のCa含有量とS含有
量との比、溶鋼へのCa添加後の溶鋼攪拌時間、およ
び、攪拌終了後の溶鋼静置時間を適正化することによ
り、水素割れの起点になるクラスタ−状のCa−Al硫
酸化物系介在物をなくし得ることを見出した。更に、適
正な取鍋精錬(表1参照)の条件下で製造した50kgf/
mm2 級鋼材においては、大入熱SAWによるBOX構造
の角溶接HAZの水素割れ感受性が著しく低下し、改善
されることを確認した。
方法は、溶銑を予備処理し、次いで予備処理された前記
溶銑を、転炉において脱炭し脱燐し、前記転炉から出鋼
された溶鋼を、取鍋において脱酸し脱硫し脱ガスし、そ
して前記溶鋼にカルシウムを添加し、このようにして得
られた前記溶鋼を連続鋳造し、得られた鋳片を圧延する
ことによって下記化学成分組成: 炭素(C) :0.08〜0.2 wt.% 、 シリコン(Si):0.5 wt.% 以下、 マンガン(Mn):1.0〜1.6 wt.% 、 燐(P) :0.02 wt.% 以下、 硫黄(S) :0.003 wt.% 以下、 カルシウム(Ca):Ca( wt.% )/S( wt.% )と
して、0.5〜2、 可溶性アルミニウム(sol.Al):0.005〜0.0
6 wt.% 、 銅(Cu) :0〜0.5 wt.% (無添加の場合を
含む)、 ニッケル(Ni):0〜0.5 wt.% (無添加の場合を
含む)、 ニオブ(Nb) :0〜0.03 wt.% (無添加の場合
を含む)、 バナジウム(V):0〜0.03 wt.% (無添加の場合
を含む)、および、 チタン(Ti) :0〜0.02 wt.% (無添加の場合
を含む) を有する鋼材の製造方法において、前記溶鋼が脱酸され
る前の前記溶鋼のフリ−酸素含有量が400ppm以下
となるように前記溶鋼の前記転炉における終点炭素含有
量を制御し、前記溶鋼の脱酸をアルミニウムで行ない、
前記溶鋼をS含有量が0.001〜0.003 wt.% の
範囲内になるまで脱硫し、そして、前記鋼材のS含有量
( wt.% )とCa含有量( wt.% )との比が、0.5〜
2の範囲内になるように前記溶鋼に前記カルシウムを添
加した後、前記溶鋼を不活性ガスによって2分以上攪拌
し、次いで前記溶鋼を前記取鍋内において30分以上静
置することに特徴を有するものである。
理を行うことは、後の転炉における脱燐精錬や取鍋にお
ける脱硫処理の負荷を軽減したり、あるいは極低燐鋼や
極低硫鋼を製造するために有効であるから、本発明にお
いても適宜、溶銑予備処理を実施すべきである。
炉あるいは上底吹転炉いずれで行ってもよい。そして、
精錬の終点におけるC含有量に応じてフリ−酸素含有量
が定まる。転炉精錬終了後、溶鋼が取鍋へ出鋼された
後、アルミニウム等の脱酸剤によって脱酸される前の溶
鋼のフリ−酸素含有量は、転炉終点における溶鋼のフリ
−酸素含有量によって支配される。従って、転炉終点に
おける目標C含有量は、最終鋼材製品の目標C含有量、
および連続鋳造工程までの製造条件を考慮して決定され
る。また、終点における目標C含有量の制御は常法によ
って行われる。なお、取鍋への出鋼時あるいは出鋼後に
おける、転炉スラグ流入防止あるいは除滓によって、次
の取鍋精錬の効果が一層発揮される。
−酸素含有量を測定し、それに応じて適正量の脱酸剤を
添加することができる。溶鋼の脱硫反応は、脱酸後であ
れば効率的に行われる。脱ガス精錬は特に脱水素に有効
である。その後、Ca添加によって、Al2 O3 系介在
物やSと反応し、Ca−Al硫酸化物系介在物が生成
し、有害なAl2 O3 系介在物やMnS系介在物が鋼材
に残存するのが回避される。更に、Ca添加後溶鋼は所
定時間不活性ガスによって攪拌されるので、上記Ca−
Al硫酸化物系介在物が凝集・肥大し、溶鋼中を浮上し
易くなる。溶鋼攪拌後、所定時間溶鋼を静置することに
よって、凝集・肥大したCa−Al硫酸化物系介在物は
溶鋼から浮上・分離して除去される。溶鋼の攪拌時間ま
たは静置時間は、一定時間以上確保しないと上述した効
果が十分発揮されない。しかしながら、それらの時間が
長くなるほど溶鋼の温度が低下する。そのような場合は
必要に応じて溶鋼の加熱装置、例えばア−ク加熱装置で
溶鋼を昇温する。従って、前記溶鋼の攪拌時間または静
置時間の上限値(最大時間)は、操業上支障をきたさな
い範囲内とする。そして、溶鋼の昇温が不要な範囲内に
おさえるのが望ましい。
されて得られる鋼片は、非金属介在物が少なく、且つ均
質な成分組成を有するので、耐水素誘起割れ用鋼材に適
した鋼となる。
造方法は、更に、下記〔1〕または〔2〕の作用を有す
る。
優れた鋼材を製造するためには、鋼材中に、Al2 O3
系酸化物介在物およびCa−Al硫酸化物系介在物が残
存するのを抑制することが重要である。溶鋼に対して脱
酸処理を施す前における、溶鋼中のフリ−酸素含有量を
可及的に低く制御しておくことによって、脱酸剤として
のAlを添加したときに生成する酸化物(Al2 O3 )
系介在物の量を、可及的に少なくすることができる。し
かしながら、溶鋼中のフリ−酸素含有量は、転炉終点時
の溶鋼中のC含有量が低いほど高くなる。ところが、耐
水素誘起割れ性に優れたラインパイプ用鋼材のC含有量
は、通常0.08 wt.% よりも低い値に限定されるの
で、転炉終点時の目標C含有量も、その後の製造工程で
のCピックアップを考慮の上、所定値以下に抑えなけれ
ばならない。このような制約条件を伴いながらも、脱酸
前の溶鋼中のフリ−酸素含有量の制御、取鍋精錬による
強脱硫(S<0.0010 wt.% )、Ca添加、並びに
所定時間の溶鋼の攪拌および静置によって、伸長化した
硫化物系介在物(MnS)およびクラスタ−状のCa−
Al硫酸化物系介在物の残存だけでなく、微量のAl2
O3 系介在物の残存をも抑制することが可能となる。
御し、転炉から取鍋に出鋼された溶鋼を脱酸する前に、
フリ−酸素含有量(O)を、600ppm以下に制御し
ておくことによって、脱酸処理によって生成する脱酸生
成物(酸化物系介在物)の量が少なくなり、それ以後の
精錬工程で酸化物系介在物を溶鋼から十分に浮上分離さ
せることができる。フリ−酸素含有量が、600ppm
超では、上述した作用が得られない。
ることによって、溶鋼中にCa−Al硫酸化物系介在物
が生成する。次いで、溶鋼中に不活性ガスを2分以上吹
き込み、溶鋼を攪拌することによって、Ca−Al硫酸
化物系介在物を凝集肥大化させることができ、更に、凝
集肥大化されたCa−Al硫酸化物系介在物を溶鋼中か
ら溶鋼外への浮上分離を促進させることができる。溶鋼
の攪拌処理時間が短すぎるとCa−Al硫酸化物系介在
物を十分に凝集、浮上させることができない。従って、
2分以上溶鋼を攪拌することが必要である。
鍋内の溶鋼を静置させることによって、溶鋼中に未だ懸
濁浮遊しているAl2 O3 系介在物およびCa−Al硫
酸化物系介在物の、溶鋼からの浮上分離を促進させるこ
とができる。取鍋内の溶鋼の静置時間が、短すぎると上
記介在物が十分に浮上分離することができない。従っ
て、30分以上溶鋼を静置させておくことが必要であ
る。
製造するためには、S≦0.003wt.% 以下の溶鋼に
Caを適正量添加することによって、大入熱SAWによ
る溶接部の水素集積場所である、伸長化した硫化物系介
在物(MnS)、および、クラスタ−状のCa−Al硫
酸化物系介在物の生成を防止する技術が最も重要であ
る。
の製造方法を前述した如く限定した理由について述べ
る。 (1)溶鋼中のフリ−酸素、並びに溶鋼の脱酸:溶鋼に
対して脱酸処理を施す前における、溶鋼中のフリ−酸素
含有量を可及的に低く制御しておくことによって、脱酸
剤としてのAlを添加したときに生成する酸化物(Al
2 O3 )の量を、可及的に少なくすることができる。一
方、上記フリ−酸素含有量は、転炉精錬終点時のフリ−
酸素含有量が低いほど低く、そのフリ−酸素含有量は、
転炉精錬終点時のC含有量と密接な相関関係があり、C
含有量が高いほど、フリ−酸素含有量は低くなる。
ラブ中のC含有量は、0.08〜0.20 wt.% に調整
するものであるから、合金鉄や連続鋳造モ−ルドパウダ
−等からの溶鋼へのCピックアップ量を推定することに
よって、転炉精錬終点時のC含有量の目標値が決定され
る。
錬の終点におけるC含有量を制御することによって終点
フリ−酸素含有量(O)が制御される。転炉精錬終了
後、取鍋に出鋼された溶鋼がAlによって脱酸される前
において、溶鋼中のフリ−酸素含有量が400ppm以
下に制御されることによって、脱酸処理により生成する
脱酸生成物( Al2 O3 ) の量が少なくなり、後述する
Ca添加前までの精錬工程で脱酸生成物を溶鋼から十分
に浮上分離させることができる。Al脱酸前のフリ−酸
素含有量が400ppm超では、後述するCa添加時に
多量の脱酸生成物(Al2 O3 )が残存し、Caを添加
すると、CaがAl2 O3 を還元すると同時に硫化物を
も生成させ、多量のCa−Al硫酸化物系介在物(Ca
−Al−O−S)が生成してしまい、これは溶鋼が凝固
するまでに十分に浮上分離することが困難であるため、
最終的に、圧延鋼材中にクラスタ−状のB系介在物とし
て残存してしまう。従って、Al脱酸前の溶鋼中のフリ
−酸素含有量は400ppm以下に限定すべきであり、
しかる後に、Alで溶鋼を脱酸すべきである。
後、脱硫する。鋼材中のS含有量は低いほどCa−Al
硫酸化物系介在物(Ca−Al−O−S)の残存量も少
なくなり、大入熱SAWの角継手部の水素割れ防止に効
果がある。しかしながら、S含有量が、0.001 wt.
% 未満となるまで溶鋼を脱硫しなければならない場合
は、取鍋精錬プロセスが複雑となり、下記理由により大
幅なコストアップとなる。即ち、転炉スラグを完全に
除滓し、新たに脱硫用スラグを添加する必要がある、
脱硫に一層長時間を要する、取鍋に高価な高アルミナ
質耐火物を内張りしたものを使用する必要がある。その
理由は、例えば、通常のジルコニア−シリカ系耐火物を
内張りした取鍋を使用して長時間、溶鋼を脱硫すると、
取鍋の耐火物中のSiO2 と溶鋼中のAlとが反応して
Al2 O3 が生成し、溶鋼を汚染し、更に、取鍋耐火物
の溶損も著しくなるからである。
まで脱硫する必要がなければ、転炉スラグを使用する
ことができる、脱硫が短時間で完了する、通常のジ
ルコニア−シリカ系耐火物を内張りした取鍋を使用する
ことができる、等の理由で、S<0.001 wt.% の強
脱硫処理に比較すると、大幅なコスト低減が可能であ
る。しかしながら、S含有量が0.003 wt.% を超え
ると、硫化物の球状化を図るために多量のCaを添加す
ることが必要となり、前述した転炉精錬の終点フリ−酸
素含有量(O)の制御、並びに、後述する溶鋼の攪拌時
間および静置時間を制御しても、鋼材中に多量のCa−
Al硫酸化物系介在物が残存してしまう。従って、溶鋼
の脱硫は、S含有量が0.001〜0.003 wt.% の
範囲内となるまで行なうべきである。
溶鋼を脱ガス処理する。鋼材中に水素が多量に残存して
いると、本発明の目的とする溶接部における水素割れを
助長するので、溶鋼の脱ガス処理は必須である。溶接部
における水素割れを発生させないために、溶鋼中の水素
含有量を2ppm以下にすることが望ましい。
加すると、硫化物が球状化する効果が顕れる。しかしな
がら、鋼材の化学成分組成において、Ca含有量( wt.
% )がS含有量( wt.% )の0.5倍未満となるような
量しか溶鋼にCaを添加しないと、硫化物が球状化する
効果が発揮されない。一方、鋼材の化学成分組成におい
て、Ca含有量( wt.%)がS含有量( wt.% )の2倍
を超えるような量のCaを溶鋼に添加すると、その後、
溶鋼の攪拌および静置をすることによって、溶鋼中の介
在物の低減を図っても、鋼材中にCa−Al硫酸化物系
介在物が残存する。鋼材中のCa含有量およびS含有量
はスラブ中のそれと実質的に同じである。従って、スラ
ブの化学成分組成において、Ca含有量( wt.% )とS
含有量(wt.% )との比、即ち、Ca/Sの値は、0.
5〜2の範囲内にすべきである。
吹き込んで攪拌することにより、溶鋼へのCa添加によ
り生成したCa−Al硫酸化物系介在物の凝集・肥大化
を促進させ、更にそれを溶鋼の系外へ浮上・分離させ
る。その際、凝集・肥大化した介在物は主として溶鋼表
面のスラグへ移行する。しかしながら、不活性ガスによ
る溶鋼の攪拌時間が、2分未満では、上記効果を十分発
揮することができない。従って、溶鋼中への不活性ガス
の吹き込みによる溶鋼攪拌時間は、2分以上とすべきで
ある。
終了した後、次いで、取鍋内の溶鋼を静置させることに
よって、溶鋼中に未だ懸濁浮遊しているCa−Al硫酸
化物系介在物の溶鋼からの浮上分離を促進させることが
できる。取鍋内溶鋼の静置時間が短すぎると上記介在物
が十分浮上分離しない。即ち、静置時間が30分未満で
はその効果が十分発揮されない。従って、溶鋼の静置時
間は、30分以上とすべきである。
大入熱溶接用鋼スラブの化学成分組成を前述した如く限
定した理由について述べる。その化学成分組成の限定
は、水素割れの発生頻度が最も多い50kgf/mm2 級の鋼
材に対し、BOX柱用としての必要な諸特性、即ち、強
度、靱性、大入熱SAW耐水素割れ性、仮付け溶接性、
HAZ靱性等の必要水準に基づいて決めた。
要な元素である。しかしながら、C含有量が、0.08
wt.% 未満では、TS>490MPaを満たすためには
多量の合金元素の添加が必要となるので、コスト高を招
く。一方、C含有量が、0.2 wt.% 超では、BOX構
造物の仮付け溶接時に、溶接部の鋼材余熱が必要とな
る。従って、C含有量は、0.08〜0.2 wt.% の範
囲内とすべきである。
鋼の予備脱酸等に必要な元素である。しかしながら、そ
の含有量が、0.5 wt.% を超えると、鋼材の靱性およ
び溶接HAZの靱性を劣化させる。従って、Si含有量
は、0.5 wt.% 以下とすべきである。
に必要な元素である。しかしながら、その含有量が、
1.0 wt.% 未満では、TS>490MPaを満たすこ
とができない。一方、Mnは、スラブにおける中央偏析
を発生し易く、その含有量が、1.6wt.% を超える
と、板厚中央部が著しく硬化し、大入熱SAWの水素割
れを助長する。従って、Mn含有量は、1.0〜1.6
wt.% の範囲内に限定すべきである。
あり、その含有量は低いほど望ましい。また、非常に中
央偏析し易い元素であり、その含有量が0.02 wt.%
超では、板厚中央が著しく硬化し、大入熱SAWの水素
割れを助長する。従って、P含有量は、0.02 wt.%
以下とすべきである。
作用・効果については、前述した通りであり((2)、
(4)、(5)および(6)参照)、その記載理由か
ら、S含有量は、0.001〜0.003 wt.% の範囲
内とし、Ca含有量は、スラブ中のCa含有量( wt.%
)/S含有量( wt.% )が、0.5〜2の範囲内であ
ることを満たすこととすべきである。
ては、前述したとおりであり((1)、(2)、
(4)、(5)および(6)参照)、また、sol.Alと
してのAl含有量(sol.Al含有量という)が、0.0
05 wt.% 未満では、十分な脱酸効果が発揮されない。
一方、その含有量が、0.06 wt.% 超では、鋼材の清
浄性が劣化し、大入熱SAWの水素割れを助長する。従
って、sol.Al含有量は、0.005〜0.06 wt.%
の範囲内に限定すべきである。
させることなく、強度上昇をはかることができる有用な
元素である。しかしながら、その含有量が、0.5 wt.
% 超では、鋼材のCu割れを防止するために、多量のN
iを添加することが必要となり、コスト高を招く。従っ
て、Cu含有量は0〜0.5 wt.% (無添加の場合を含
む)の範囲内に限定すべきである。
性向上に有用な元素である。しかしながら、Niは高価
な元素であるため、コスト高を避けるため、0.5 wt.
% 以下が望ましい。従って、Ni含有量は0〜0.5 w
t.% (無添加の場合を含む)の範囲内に限定した。
上昇させる有用な元素である。しかしながら、その含有
量が、0.03 wt.% 超では、HAZ靱性が著しく劣化
する。従って、Nb含有量は、0〜0.03 wt.% (無
添加の場合を含む)の範囲内に限定すべきである。
上昇させる有用な元素である。しかしながら、その含有
量が、0.03 wt.% 超では、HAZ靱性が著しく劣化
する。従って、V含有量は、0〜0.03 wt.% (無添
加の場合を含む)の範囲内に限定すべきである。
度を上昇させるとともに、適正量の添加においては、H
AZ靱性の向上にも寄与する、有用な元素である。しか
しながら、その含有量が、0.02 wt.% 超では、HA
Z靱性が劣化する。従って、Ti含有量は、0〜0.0
2 wt.% (無添加の場合を含む)の範囲内に限定すべき
である。
る。
鋼材を製造する方法について、実施例により、更に詳細
に説明する。
要例を示す。表1を参照しながら実施例を説明する。
た後、溶銑脱硫装置でS含有量を、0.004 wt.% 以
下に脱硫し、次いで、溶銑脱燐装置でP含有量を、0.
015 wt.% 以下に脱燐した。このようにして、脱硫お
よび脱燐された溶銑を上吹き転炉または上下吹転炉に装
入し、溶銑に対して転炉精錬により脱炭および脱燐を行
ない、転炉精錬の終点におけるC含有量を、0.03〜
0.04 wt.% の範囲内、P含有量を、0.010 wt.
% 以下にし、このようにして脱炭および脱燐された溶鋼
を取鍋に出鋼した。転炉内で合金成分として所定量のC
u、Niを添加した。なお、転炉精錬の終点におけるC
含有量の下限を0.03 wt.% にしたのは、後のAlに
よる脱酸前の溶鋼中フリ−酸素含有量を600ppm以
下に制御するためである。
スラグを除滓装置で除滓した。除滓は、スラグから溶鋼
への復P防止のために行なった。取鍋の内張りには、高
アルミナ質耐火物を使用し、溶鋼中フリ−酸素含有量の
増加、および耐火物の溶損による酸化物系介在物による
溶鋼汚染を抑制した。次いで、溶鋼を収容した取鍋を、
溶鋼のア−ク加熱機能および雰囲気調整機能を有する取
鍋精錬装置へ移送し、取鍋精錬装置において、溶鋼のフ
リ−酸素含有含有量(O)を酸素濃淡電池で測定し、O
≦600ppmになっていることを確認した。次いで、
取鍋精錬装置において、取鍋内の溶鋼表面に脱硫用スラ
グとして、CaOおよび合成フラックスからなる造滓材
を添加した。なお、造滓材の配合は、測定済のO含有量
から推定される、後に行われるAl脱酸によって生成す
るAl2 O3 介在物の量を加算して、形成すべきスラグ
の成分組成目標値を、CaO=60 wt.% 、SiO2 =
10 wt.% 、Al2 O3 =30 wt.% と定めて算出し
た。この成分組成を有するスラグは、溶鋼のS含有量
を、8ppm以下という極低硫鋼を得るためのものであ
る。
Nbを添加すると共に、測定済のO含有量に応じた量の
Alを添加して溶鋼を脱酸した。なお、C量が不足の場
合は加炭も実施した。更に、ア−ク加熱処理によって、
溶鋼およびスラグを加熱し、同時に脱硫して溶鋼のS含
有量を、S≦8ppmとした。
取鍋内の溶鋼に対してRH脱ガス装置で脱水素処理を施
し、H含有量を、1.5ppm以下にした。次に、パウ
ダ−インジェクション装置で、取鍋内の溶鋼中にCa−
Si合金の粉体を不活性ガスと共に吹き込んで、溶鋼に
Caを添加した。Ca−Si合金の添加量を、鋼材の化
学成分組成の含有量が、Ca/S≧2で、且つ、Ca=
15〜20ppmの範囲となるようにした。このよう
に、Ca添加量を調整するのは、MnS介在物の形態を
水素誘起割れ発生の起点となりにくいように制御し、且
つ、過剰な添加を防止するためである。次いで、Arガ
スを溶鋼に2.0Nm3 /minの流量で2分(mi
n)以上の時間吹き込んで攪拌した。次に、攪拌終了後
の取鍋内の溶鋼を30分以上静置した。
型連続鋳造機に鋳造してスラブにし、得られたスラブを
厚板圧延機により圧延して鋼板を製造した。このように
して製造された鋼板を、UOEミルによって管に成形
し、鋼管を製造した。このようにして製造された鋼管か
らサンプルを採取し、得られたサンプルに対して鋼材の
水素誘起割れ試験を行ない、耐水素誘起割れ性を評価し
た。水素誘起割れ試験は、ASTM 01−77に規定
されたNACE溶液により行ない、そして、水素誘起割
れの発生頻度を、超音波探傷試験によって評価し、水素
誘起割れ発生指数で示した。
示すこの発明の範囲内の方法、および、比較例NO.21
〜23で示すこの発明の範囲外の方法によって、API
規格X−65グレ−ドの鋼管を製造し、そして、各々の
鋼管からサンプルを採取して水素誘起割れ試験を行な
い、水素誘起割れの発生頻度を評価した。同表には、各
鋼管の化学成分組成および水素誘起割れ発生指数を併記
した。
製造された本発明実施例NO.11および12の鋼管の水
素誘起割れ発生指数は、脱酸前のフリ−酸素含有量、C
a添加後の溶鋼の攪拌時間、または、溶鋼の攪拌終了か
ら連続鋳造開始までの溶鋼静置時間のうちいずれか1 つ
が本発明の範囲外である比較例NO.11、12および1
3よりも、著しく小さく、耐水素誘起割れ性が優れてい
た。
以上、Ca添加後の溶鋼の攪拌終了から連続鋳造開始ま
での溶鋼静置時間を30分以上とし、即ち、この両条件
を本発明の範囲内とし、一方、取鍋精錬での脱酸前にお
ける溶鋼のフリ−酸素含有量を本発明の範囲の内外で種
々変化させて、API規格X−65グレ−ドの鋼管を製
造し、各々の鋼管からサンプルを採取して水素誘起割れ
試験を行ない、水素誘起割れ発生指数を測定した。
含有量に対する水素誘起割れ発生指数を示すグラフであ
る。同図から明らかなように、脱酸前のO含有量が60
0ppm以下の場合は、水素誘起割れ発生指数が著しく
小さく、耐水素誘起割れ性の優れた鋼材が得られた。
有量を600ppm以下、Ca添加後の溶鋼攪拌終了か
ら連続鋳造開始までの溶鋼静置時間を30分以上とし、
即ち、この両条件を本発明の範囲内とし、一方、Ca添
加後のArガスによる溶鋼攪拌時間を本発明の範囲の内
外で種々変化させて、API規格X−65グレ−ドの鋼
管を製造し、各々の鋼管からサンプルを採取して、水素
誘起割れ試験を行い、水素誘起割れ発生指数を測定し
た。
攪拌時間に対する、水素誘起割れ発生指数を示すグラフ
である。同図から明らかなように、Ca添加後の不活性
ガスによる溶鋼攪拌時間が2分以上の場合は、水素誘起
割れ発生指数が著しく小さく、耐水素誘起割れ性の優れ
た鋼材が得られた。
00ppm以下Ca添加後の溶鋼の攪拌時間を2分以上
とし、即ち、この両条件を本発明の範囲内とし、Ca添
加後の溶鋼攪拌終了から連続鋳造開始までの溶鋼静置時
間を本発明の範囲の内外で種々変化させて、API規格
X−65グレ−ドの鋼管を製造し、各々の鋼管からサン
プルを採取して、水素誘起割れ試験を行い、水素誘起割
れ発生指数を測定した。
対する水素誘起割れ発生指数を示すグラフである。同図
から明らかなように、Ca添加後の溶鋼攪拌終了から連
続鋳造開始までの溶鋼静置時間が30分以上の場合は、
水素誘起割れ発生指数が著しく小さく、耐水素誘起割れ
性の優れた鋼材が得られた。
の製造方法、およびその厚鋼板の製造方法について説明
する。
参照しながら実施例を説明する。高炉から出銑された溶
銑を、鋳床で脱珪した後、溶銑脱硫装置でS含有量を、
0.005 wt.% 以下に脱硫し、次いで、溶銑脱燐装置
で0.02 wt.% 以下まで脱燐した。このようにして、
脱硫および脱燐された溶銑を上吹転炉に装入し、転炉精
錬により脱炭を行ない、取鍋における脱酸前の溶鋼中フ
リ−酸素量(O)を、400ppm以下に制御した。
転炉で実施することも可能である。また、Cu、Niの
添加は、転炉で実施したが、後工程の取鍋精錬装置内で
行ってもよい。
物を内張りした取鍋に、250tonの溶鋼を出鋼し
た。次いで、溶鋼を収容した取鍋を、溶鋼のア−ク加熱
機能および雰囲気調整機能を有する取鍋精錬装置に移送
し、その取鍋精錬装置において、溶鋼のフリ−酸素含有
量(O)を酸素濃淡電池で測定し、O≦400ppmに
なっていることを確認した。
V、Ti等を添加すると共に、O含有量に応じた量のA
lを添加して、溶鋼を脱酸した。なお、C量が不足の場
合は加炭も実施した。更に、ア−ク加熱処理によって、
溶鋼およびスラグを加熱し、同時に脱硫して溶鋼のS含
有量を、0.001〜0.003 wt.% の範囲内にし
た。この程度の脱硫は、転炉スラグをほぼそのまま使用
することによって行なうことができた。また、転炉スラ
グの組成は多少変動する場合があり、その場合には若干
のCaOや造滓材を添加すればよい。
鍋内の溶鋼に対してRH脱ガス装置で脱水素処理を施
し、H含有量を2ppm以下にした。次に、パウダ−イ
ンジェクション装置で、取鍋内の溶鋼中にCa−Si合
金の粉体をArガスと共に吹き込んで、溶鋼にCaを添
加した。Ca添加量は、Ca−Si合金の添加により、
鋼材の化学成分組成において、0.5≦Ca( wt.% )
/S( wt.% )≦2を満たすように調整した。
m3 /minで、2分(min)以上の時間吹き込んで
攪拌した。次に、取鍋内の溶鋼を30分以上静置した。
型連続鋳造機にてスラブを鋳造し、得られたスラブを1
100°C以上に加熱し、厚板圧延機にて圧延し、鋼板
を製造した。鋼板圧延は、オ−ステナイト域で終了し、
放冷した。また、圧延後、加速冷却してもよい。
JIS G 0555に準拠し、介在物の清浄度を測定
した。また、同鋼板を対象に、図9に示す寸法・形状の
試験体で半ボックス施工試験を行ない、溶接部の超音波
探傷を実施し、割れの発生状況を測定した。同図におい
て、7はSAWによる角溶接部、5はウェブ鋼板、2は
フランジ鋼板、8はダイアフラム、そして9はエレクト
ロスラグ溶接によるダイヤフラム溶接部であり、tは板
厚を示す。半ボックス施工試験におけるSAW角溶接
は、2電極の1層溶接であり、溶接入熱は、鋼板板厚に
応じて300kJ/cm(板厚30mmのとき)〜60
0kJ/cm(板厚70mmのとき)で実施した。その
際、溶接フラックスには、50kgf/mm2 級の鉄粉入りボ
ンド型フラックスを、温度30°C、湿度80%の環境
で3時間放置し、故意に吸湿させたものを用いた。吸湿
フラックスを用いたのは、溶接時に鋼中に侵入する水素
量を上昇させ、鋼板の溶接水素による割れ感受性を、明
瞭に評価するためである。溶接ワイヤ−には、50kgf/
mm2 級の6.4mmφのものを用いた。溶接後3日間放
置し、図9中に矢印でUSTと示した溶接フランジ角部
を、JIS G 0901に準じて超音波探傷を行な
い、割れプロフィ−ルを、図10のように描いた。同図
において、斜線部は超音波探傷により検出された△欠陥
および×欠陥のエコ−発生部分10であり、C1 、
C2 、C3 はその長さ、即ち、割れ発生部分の溶接長方
向の長さを示す。溶接長Lに対する、各割れの長さ
C1 、C2 、C3 ・・・の和の割合(長さ%)をHAZ
割れ率、即ち、HAZ割れ率=(C1 +C2+C3 +・
・・)/Lと定義した。なお、この試験においては、L
=700mmである。
−Ca鋼であって、表3に示す範囲内の化学成分組成の
鋼種(以下、A鋼という)を有する鋼板を製造した。A
鋼の精錬条件は、脱硫処理については、すべてのチャ−
ジを取鍋で軽脱硫(溶鋼中のS含有量を0.001〜
0.003 wt.% の範囲内)したが、脱酸前の溶鋼中フ
リ−酸素含有量、Ca添加後のArガスによる溶鋼攪拌
時間、攪拌終了後の溶鋼静置時間、および、Ca/Sの
値(S含有量は21〜25ppmの範囲内であって、ほ
ぼ一定)については、同表に示したように、各チャ−ジ
により本発明の範囲内または範囲外に変化させた。な
お、同表中( )内の数値は、上記試験の基準試験条件
であり、いずれも本発明の範囲内の条件である。
mmであり、各々の鋼板について、実施例2で述べた方
法により、介在物の清浄度試験、および大入熱SAW施
工試験(入熱:450kJ/cm)を実施した。
よび鋼板のCa/Sの内、脱酸前の溶鋼中フリ−酸素含
有量のみを、220〜600ppmの範囲内で変化さ
せ、Ca/S=1.2、Ca添加後のArガスによる溶
鋼攪拌時間=2分、且つ、攪拌終了後の溶鋼静置時間=
30分と一定にした場合の、鋼板の試験結果を示した。
同図から明らかなように、脱酸前の溶鋼中フリ−酸素含
有量が、400ppm超のものには、B系介在物が認め
られ、HAZ割れも発生し、フリ−酸素含有量の増加と
共に、B系介在物量およびHAZ割れ共に劣化する。こ
れに対して、脱酸前の溶鋼中フリ−酸素含有量が、40
0ppm以下のものには、B系介在物が認められず、し
かもHAZ割れも発生せず、優れていた。
よび鋼板のCa/Sの内、Ca添加後のArガスによる
溶鋼攪拌時間のみを、0.9〜2.8分の範囲内で変化
させ、その他は基準試験条件、即ち、Ca/S=1.
2、脱酸前の溶鋼中フリ−酸素含有量=400ppm、
且つ、攪拌終了後の溶鋼静置時間=30分と一定にした
場合の、鋼板の試験結果を示した。同図から明らかなよ
うに、Ca添加後のArガスによる溶鋼攪拌時間が、2
分未満のものには、B系介在物が認められ、HAZ割れ
も発生し、溶鋼攪拌時間の減少と共に、B系介在物量お
よびHAZ割れ共に劣化する。これに対して、溶鋼攪拌
時間が、2分以上のものには、B系介在物が認められ
ず、しかもHAZ割れも発生せず、優れていた。
よび鋼板の成分中Ca/Sの内、攪拌終了後の溶鋼静置
時間のみを、15〜45分の範囲内で変化させ、その他
は基準試験条件、即ち、Ca/S=1.2、脱酸前の溶
鋼中フリ−酸素含有量=400ppm、且つ、Ca添加
後のArガスによる溶鋼攪拌時間=2分と一定にした場
合の、鋼板の試験結果を示した。同図から明らかなよう
に、攪拌終了後の溶鋼静置時間が、30分未満のものに
は、B系介在物が認められ、HAZ割れも発生し、溶鋼
静置時間の減少と共に、B系介在物量およびHAZ割れ
共に劣化する。これに対して、溶鋼攪拌時間が、30分
以上のものには、B系介在物が認められず、しかもHA
Z割れも発生せず、優れていた。
よび鋼板のCa/Sの内、鋼板のCa/Sのみを、0〜
2.7の範囲内で変化させ、その他は基準試験条件、即
ち、脱酸前の溶鋼中フリ−酸素含有量=400ppm、
Ca添加後のArガスによる溶鋼攪拌時間=2分、且
つ、攪拌終了後の溶鋼静置時間=30分と一定にした場
合の、鋼板の試験結果を示した。同図から明らかなよう
に、鋼板のCa/Sが、0.5未満のものには、A系介
在物が認められ、HAZ割れも発生し、鋼板のCa/S
の減少と共に、両者共に劣化する。一方、鋼板のCa/
Sが、2.0超のものには、B系介在物が認められ、H
AZ割れも発生し、鋼板のCa/Sの増加と共に、両者
共に劣化する。これに対して、鋼板のCa/Sが、0.
5〜2.0の範囲内のものには、A系介在物およびB系
介在物のいずれも認められず、しかもHAZ割れも発生
せず、優れていた。
を、表4に本発明実施例NO.1〜10で示す本発明の範
囲内の方法、および、同表に比較例NO.11〜20で示
す本発明の範囲外の方法によって製造し、そして、前記
実施例1で述べた方法により、介在物の清浄度試験、お
よび半ボックス施工試験を行なった。同表には、各鋼板
の化学成分組成を併記した。表5には、表4に示した条
件で製造した各鋼板の板厚、引張強さ(TS)、清浄度
および半ボックス施工試験の結果を示す。
る。即ち、脱酸前の溶鋼中フリ−酸素含有量、Ca添加
後の溶鋼攪拌時間、攪拌終了後の溶鋼静置時間、並び
に、鋼板の成分中S含有量およびCa/Sの内、何れか
1つ以上が、本発明の範囲外にある鋼板では、A系介在
物(MnS)および/またはB系介在物(Ca−Al硫
酸化物系介在物クラスタ−)、並びにC系介在物が認め
られた。半ボックス施工試験でも、HAZ割れが発生し
た。
鋼板では、C系介在物は認められたものの、A系介在物
(MnS)およびB系介在物(Ca−Al硫酸化物系介
在物クラスタ−)はいずれも認められなかった。また、
半ボックス試験体において、HAZ割れの発生は皆無で
あった。引張強度も、TS>490MPaを満足してい
た。
溶鋼のS含有量を0.001〜0.003 wt.% 程度ま
で脱硫する軽脱硫鋼においても、溶鋼の脱酸前のフリ−
酸素含有量を低く抑え、鋼材中のCa( wt.% )/S
( wt.% )値が適正になるようにCaを添加し、Ca添
加後の溶鋼の攪拌時間を所定時間確保し、且つ、溶鋼の
攪拌終了後から連続鋳造開始までの溶鋼静置時間を十分
長く確保するので、大入熱SAWのHAZ水素割れの起
点となるA系介在物およびB系介在物が著しく低減し、
HAZ割れ発生率が著しく低下する。即ち、上記製造方
法に、鋼材の化学成分組成の適正化を付加することによ
って、大入熱SAWで溶接施工しても、HAZ割れの危
険性が著しく低いBOX構造用の50kgf/mm2 級鋼材を
低コストで製造することができる大入熱溶接用鋼スラブ
を製造することができるので、工業上有用な効果がもた
らされる。
よび取鍋精錬の双方により溶湯を脱硫し、脱酸前の溶鋼
のフリ−酸素含有量を低く抑え、Ca添後の溶鋼攪拌時
間を所定時間確保し、且つ、攪拌後の溶鋼静置時間を十
分長く確保する。従って、鋼材中のCa−Al系硫酸化
物系介在物のみならずAl2 O3 系酸化物系介在物の発
現をも抑制することができるので、耐水素誘起割れ性に
優れた鋼材を製造することができる、工業上有用な効果
がもたらされる。
誘起割れ発生指数を示すグラフである。
する水素誘起割れ発生指数を示すグラフである。
での溶鋼静置時間に対する水素誘起割れ発生指数を示す
グラフである。
物量およびHAZ割れ率との関係を示すグラフである。
およびHAZ割れ率との関係を示すグラフである。
量およびHAZ割れ率との関係を、示すグラフである。
介在量並びにHAZ割れ率との関係を、示すグラフであ
る。
接部のマクロ組織を模式図的に示す横断面図である。
験体の形状、および超音波探傷試験位置の説明図であ
る。
定義を説明する図である。
生部分、 UST 超音波探傷実施場所、 t 板厚、 C1 ,C2 ,C3 超音波探傷欠陥エコ−発生部分の長
さ、 L 溶接長。
Claims (3)
- 【請求項1】 溶銑を予備処理し、次いで予備処理され
た前記溶銑を、転炉において脱炭し脱燐し、前記転炉か
ら出鋼された溶鋼を、取鍋において脱酸し脱硫し脱ガス
し、そして前記溶鋼にカルシウムを添加し、このように
して得られた前記溶鋼を連続鋳造し、得られた鋳片を圧
延することによって鋼材を製造する方法において、 前記溶鋼が脱酸される前の前記溶鋼のフリ−酸素含有量
が600ppm以下となるように前記溶鋼の前記転炉に
おける終点炭素含有量を制御し、前記溶鋼を脱酸し、そ
して前記溶鋼に前記カルシウムを添加した後、前記溶鋼
を不活性ガスによって2分以上攪拌し、次いで前記溶鋼
を前記取鍋内で30分以上静置することを特徴とする、
耐水素誘起割れ用鋼材の製造方法。 - 【請求項2】 溶銑を予備処理し、次いで予備処理され
た前記溶銑を、転炉において脱炭し脱燐し、前記転炉か
ら出鋼された溶鋼を、取鍋において脱酸し脱硫し脱ガス
し、そして前記溶鋼にカルシウムを添加し、このように
して得られた前記溶鋼を連続鋳造し、得られた鋳片を圧
延することによって鋼材を製造する方法において、 前記溶鋼が脱酸される前の前記溶鋼のフリ−酸素含有量
が600ppm以下となるように前記溶鋼の前記転炉に
おける終点炭素含有量を制御し、前記溶鋼をアルミニウ
ムで脱酸し、前記溶鋼をS含有量が0.001 wt.% 未
満になるまで脱硫し、そして、前記溶鋼に前記カルシウ
ムを添加した後、前記溶鋼を不活性ガスによって2分以
上攪拌し、次いで前記溶鋼を前記取鍋内で30分以上静
置することを特徴とする、耐水素誘起割れ用鋼材の製造
方法。 - 【請求項3】 溶銑を予備処理し、次いで予備処理され
た前記溶銑を、転炉において脱炭し脱燐し、前記転炉か
ら出鋼された溶鋼を、取鍋において脱酸し脱硫し脱ガス
し、そして前記溶鋼にカルシウムを添加し、このように
して得られた前記溶鋼を連続鋳造し、得られた鋳片を圧
延することによって下記化学成分組成: 炭素(C) :0.08〜0.2 wt.% 、 シリコン(Si):0.5 wt.% 以下、 マンガン(Mn):1.0〜1.6 wt.% 、 燐(P) :0.02 wt.% 以下、 硫黄(S) :0.003 wt.% 以下、 カルシウム(Ca):Ca( wt.% )/S( wt.% )と
して、0.5〜2、 可溶性アルミニウム(sol.Al):0.005〜0.0
6 wt.% 、 銅(Cu) :0〜0.5 wt.% (無添加の場合を
含む)、 ニッケル(Ni):0〜0.5 wt.% (無添加の場合を
含む)、 ニオブ(Nb) :0〜0.03 wt.% (無添加の場合
を含む)、 バナジウム(V):0〜0.03 wt.% (無添加の場合
を含む)、および、 チタン(Ti) :0〜0.02 wt.% (無添加の場合
を含む)を有する鋼材を製造する方法において、 前記溶鋼が脱酸される前の前記溶鋼のフリ−酸素含有量
が400ppm以下となるように前記溶鋼の前記転炉に
おける終点炭素含有量を制御し、前記溶鋼をアルミニウ
ムで脱酸し、前記溶鋼をS含有量が0.001〜0.0
03 wt.% の範囲内になるまで脱硫し、そして、前記鋼
材のS含有量( wt.% )とCa含有量(wt.% )との比
が、0.5〜2の範囲内になるように前記溶鋼に前記カ
ルシウムを添加した後、前記溶鋼を不活性ガスによって
2分以上攪拌し、次いで前記溶鋼を前記取鍋内において
30分以上静置することを特徴とする、耐水素誘起割れ
用鋼材の製造方法。
Priority Applications (1)
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