JP3155554U - 鳥獣害防止用籠 - Google Patents
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Abstract
【課題】鳥獣類から農作物を保護するための保護籠を、簡易で安価な方法により提供する。【解決手段】鳥獣害防止用籠1は、下底及び該下底を囲繞する周壁14を備える下籠10と、上底及び該上底を囲繞する周壁を備える上籠110とから構成され、該下籠と該上籠の周壁の開口縁部同士を閉止して形成される空間に農作物を収容する網目状の籠であって、前記下籠と前記上籠の周壁の開口縁部同士を閉止することによって、少なくとも1つの穴50を形成して構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、畑や果樹園などの耕作地において、カラスや猪、白鼻身などの鳥獣類から、農作物を保護するための保護籠に関する。
従来より、カラスや猪、猿、白鼻身、犬、猫などの鳥獣による農作物被害は各地で発生しているが、近年の自然開発、動物保護の風潮等により、その被害は深刻さを増すばかりである。
このような鳥獣害より農作物を保護するため、多数の考案が提案されている。
例えば特許文献1には、耕作地等の周囲に所定高さで張り巡らす農作物防護ネットが開示されている。上記繊維性の農作物防護ネットには、動物の嫌う忌避剤を塗布、含浸させて猪や鹿などの野生動物による農作物の被害を防除する。
また、文献1のような農作物防護ネットを電線で構成し、獣類から農作物を保護する電気柵の発明等も多数考案されている(例えば特許文献2、3など)。
しかし、これらの農作物防護ネットや電気柵等は、耕作地等の周囲にネットや電線を張り巡らせるため、大仕掛けでコストが高くつくという問題が有る。また、カラスなどの鳥類による耕作地への侵入を防ぐことはできない。
一方、特許文献4には、太陽電池で発電した電力をバッテリーに充電することができ、どこにでも持ち運び設置が簡単で、モータの動力により金属塊が回転し、本体の金属箱に衝突しガンガンと騒音を作り、有害動物を撃退する装置が開示されている。この撃退装置は、当該装置に設置した発光ダイオードを赤く目のように光らせ、あるいは、設置した音声ICに犬や猛獣類の声を発生させることによっても有害動物を撃退することができる。
しかし、このような音や光などによる有害動物撃退法も、それら鳥獣類が慣れてしまえば効果を挙げることができない。また、上記有害動物撃退装置の開発・製造にもコストがかかる。
その他、トタン板で壁をする方法や、ビニールシートを張る方法など、多数の考案がなされているが、いずれもコスト高の問題や、設置作業の大変さ、耐用年数の短さ等の問題があり、一般に普及するには至っていない。
そこで本発明は、鳥獣類から農作物を保護するための保護籠を、簡易で安価な方法により提供することを目的とする。
本発明の鳥獣害防止用籠は、下底及び該下底を囲繞する周壁を備える下籠と、上底及び該上底を囲繞する周壁を備える上籠とから構成され、該下籠と該上籠の周壁の開口縁部同士を閉止して形成される空間に農作物を収容する網目状の籠であって、前記下籠と前記上籠の周壁の開口縁部同士を閉止することによって、少なくとも1つの穴が形成されることを特徴とする。
本発明の鳥獣害防止用籠は、前記網目状の籠の一部または全部に蛍光塗料を塗布してもよい。
本発明の鳥獣害防止用籠は、前記網目状の籠の一部または全部に忌避剤を塗布してもよい。
本発明の鳥獣害防止用籠は、下籠と上籠の形成する空間に農作物を収容して、下籠と上籠を閉止することができるので、鳥獣の攻撃から農作物を保護することができる。この鳥獣害防止用籠は、プラスチック等で容易に作成でき、持ち運び及び組み立てが容易で製造コストを極めて低く抑えることができる。又、収容する農作物の大きさに応じて、大きさの異なる鳥獣害防止用籠を容易に、安価に製造することができ、耐用年数もかなり長く見込むことができる。
また、本発明の鳥獣害防止用籠は、下籠と上籠の周壁の開口縁部同士を閉止する際に、少なくとも1つの穴が形成されるため、農作物から延びる蔦をこの穴に通してこれを収容することができる。したがって、本発明の鳥獣害防止用籠に農作物を収容後も、この農作物を育成することができる。
さらに、本発明の鳥獣害防止用籠は網目状の籠であるので、日光や空気を籠内部に収容された農作物に供給することができ、この農作物の育成に資することができる。
また、本発明の鳥獣害防止用籠は、網目状の籠の一部または全部に蛍光塗料を塗布することにより、夜蛍光を発し、鳥獣を威嚇して農作物への攻撃を牽制することができる。
あるいは、網目状の籠の一部または全部に忌避剤を塗布して鳥獣に生理的嫌悪感を生じさせ、内部に収容した農作物への攻撃を回避することができる。
以下、図面を参照しながら本考案に係る鳥獣害防止用籠の実施形態について説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
本発明にかかる鳥獣害防止用籠1は、図1、図3に示すように、下底12及び下底12を囲繞する周壁14を備える下籠10と、上底112及び上底112を囲繞する周壁114を備える上籠110とから構成され、下籠10と上籠110の周壁14、114の開口縁部16、116同士を閉止して形成される空間に農作物を収容する網目状の籠である。そして、下籠10と上籠110の周壁14、114の開口縁部16、116同士を閉止することによって、少なくとも1つの穴50が形成される。
図2、図3を参照して、下籠10の開口縁部16(図3)は、縁部辺18、20、22、24で構成され、同様に、上籠110の開口縁部116(図3)は、縁部辺118、120、122、124で構成される。したがって、上記開口縁部16、116同士を閉止するとは、縁部辺18、20、22、24と縁部辺118、120、122、124をそれぞれ当接させて、固定することを意味する。
本実施形態においては、縁部辺18と縁部辺118は、図4に示すように、軸60を介して軸支される。すなわち、縁部辺18に付設された軸支部材30、31に軸60を嵌挿させ、縁部辺118の上端部と下端部にそれぞれ付設された軸受け130、131に嵌入して、下籠10と上籠110とを開閉自在に連結させる。
また、図5は、縁部辺22、122(図2)を当接させた状態の部分拡大図である。縁部辺22、122に係合突起42、142を設け、固定具70を両係合突起42、142に跨るように嵌装させる。すなわち、固定具70の内部嵌装孔72を係合突起42、142に嵌合させる。この際、係合突起42、142に嵌装している固定具70の両端部を、立設板40、140と、係止リブ44、144とで挟み込む。
このような、固定具70による係合突起42、142への嵌装・閉止は、開口縁部16、116(図3)同士を閉止するために、縁部辺20と120、22と122あるいは24と124間(図2)で少なくとも1箇所以上必要となる。また、縁部辺18と縁部辺118も上記のように軸支せず、固定具70を係合突起42、142へ嵌装して開口縁部16、116同士を閉止してもよい。
なお、下籠10と上籠110の開口縁部16、116同士の閉止方法は、上記のような固定具70の係合突起42、142への嵌装に限定されず、その他のあらゆる閉止方法が用いられてよい。
また、図3に示すように、縁部辺20と120の中央部に半円形の穴52、54を設け、図2に示す縁部辺20と120同士を閉止した状態で、穴50が形成されるようにする(図1)。なお、穴50は、縁部辺20と120の中央部に限らず、縁部辺20と120、22と122あるいは24と124間の任意の位置に少なくとも一個形成されてよい。
以上説明した鳥獣害防止用籠1は、下籠10と上籠110の開放状態で、メロンやナスなどの農作物を下籠10(または上籠110)に収容し、穴50に当該農作物の蔓を通すように上籠110(または下籠10)を閉止して用いられる。上記のように、鳥獣害防止用籠1は網目状の籠であるので、日光、空気を十分に通し、収容した農作物の生育に支障をきたすことなく、鳥獣による攻撃から当該農作物を保護することができる。鳥獣害防止用籠1を形成する材料は特に限定されず、プラスチックや特殊鋼、ステンレスなど、鳥獣の攻撃に耐え得る強度を持ち、錆など劣化を生じにくい材料が望ましい。また、鳥獣害防止用籠1の大きさは、収容する農作物の種類・大きさに応じて任意に決定することができる。
また、鳥獣害防止用籠1は、網目状の籠の一部または全部に蛍光塗料を塗布してもよい。夜、蛍光を発することで、鳥獣を警戒させ、耕作地等に侵入するのを事前に防止することができる。蛍光塗料は特に限定されず、市販のものであってよい。
あるいは、鳥獣害防止用籠1は、網目状の籠の一部または全部に忌避剤を塗布してもよい。激辛唐辛子やニンニクのエキス等の刺激味をもたらすもの、クレゾール等の嘔吐感をもたらすものを忌避剤として鳥獣害防止用籠1の外面に塗布することにより、鳥獣に生理的嫌悪感を生じさせ、これら鳥獣の攻撃から農作物を保護することができる。なお、忌避剤は、鳥獣に生理的嫌悪感を生じさせ、内部に収容した農作物に害を与えないものであれば特に限定されない。
以上、本発明にかかる鳥獣害防止用籠について説明したが、本発明の鳥獣害防止用籠は上記実施例に限定されるものではない。例えば本発明の鳥獣害防止用籠は、本体の網状籠に網状の蓋を開閉自在に取り付け、蓋を閉止した状態で本体と蓋間に穴が形成される構造であってもよい。閉止方法は公知の方法でよく、大きさ、材料も適宜選択可能である。本体と蓋間の穴に蔓を通して農作物を籠内部に収容でき、鳥獣の攻撃から農作物を保護することができる。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
本発明に係る鳥獣害防止用籠は、蔓等を通じて成育する果物や野菜などの農作物を鳥獣の攻撃から保護するため、個々の農作物に対して利用することが出来る。
1:鳥獣害防止用籠
10:下籠
12:下底
14、114:周壁
16、116:開口縁部
18、20、22、24、118、120、122、124:縁部辺
30、31:軸支部材
40、140:立設板
42、142:係合突起
44、144:係止リブ
50:穴
52、54:半円形の穴
60:軸
70:固定具
110:上籠
112:上底
130、131:軸受け
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Claims (3)
- 下底及び該下底を囲繞する周壁を備える下籠と、上底及び該上底を囲繞する周壁を備える上籠とから構成され、該下籠と該上籠の周壁の開口縁部同士を閉止して形成される空間に農作物を収容する網目状の籠であって、
前記下籠と前記上籠の周壁の開口縁部同士を閉止することによって、少なくとも1つの穴が形成されることを特徴とする鳥獣害防止用籠。 - 前記網目状の籠の一部または全部に蛍光塗料を塗布した、請求項1に記載の鳥獣害防止用籠。
- 前記網目状の籠の一部または全部に忌避剤を塗布した、請求項1または2に記載の鳥獣害防止用籠。
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JP2018100388A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | 大阪ウイントン株式会社 | 鳥類忌避塗料 |
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2009
- 2009-09-10 JP JP2009006486U patent/JP3155554U/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2018100388A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | 大阪ウイントン株式会社 | 鳥類忌避塗料 |
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