JP3155552B2 - 超酸化物の不均斉変化に有効な触媒としての窒素含有−大環状リガンドのマンガン錯体 - Google Patents

超酸化物の不均斉変化に有効な触媒としての窒素含有−大環状リガンドのマンガン錯体

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願の相互参照 この出願は、放棄された出願番号第07/732,853号の部
分継続出願である1992年2月3日出願の係属中である出
願番号第07/829,865号の部分継続出願である。
発明の背景 1.発明の分野 本発明は、超酸化物不均斉変化に有効な触媒としての
化合物に関し、更に特定的には、超酸化物を触媒的に不
均斉変化させる窒素含有−15員大環状リガンドのマンガ
ン(II)またはマンガン(III)錯体に関する。
2.関連技術 超酸化物不均斉変化酵素は、式(1)に従って、超酸
化物の酸素および過酸化水素への変換を触媒する(以
下、不均斉変化と称する)。
超酸化物から誘導される反応性酸素代謝物は、虚血性心
筋の再潅流、炎症性腸疾患、リュウマチ性関節炎、変形
性関節炎、アテローム、高血圧、転移、乾癬、移植器官
拒絶、放射線−誘導障害、喘息、インフルエンザ、発
作、火傷、外傷等の多くの炎症性疾患における組織病理
に寄与するために要求される。例えば、Simic,M.G.ら、
Oxygen Radicals in Biology and Medicine,Basic
Life Science,Vol.49,Plenum Press,New Yorkおよ
びLondon,1988;weiss J.Cell.Biochem.,1991 Suppl.1
5C,216 Abstract C110(1991);Petkau,A.,Cancer T
rea.Rev.13,17(1986);McCord,J.Free Radicals Bio
l.Med.,2,307(1986);およびBannister,J.V.らCrit.R
ev.Biochem.,22,111(1987)参照。
超酸化物が、一酸化窒素(NO)として同定されている
内皮誘導血管弛緩因子(EDRF)の消耗に関与すること、
およびEDRFが超酸化物不均斉変化酵素による消耗から保
護されることが知られている。このことは、血管痙攣、
血栓症およびアテロームの病原における超酸化物から誘
導される活性酸素の中心的役割を示唆している。例え
ば、Gryglewski,R.J.ら、“超酸化物陰イオンは内皮誘
導血管弛緩因子の消耗に関与する”、Nature,Vol.320,4
54−56(1986)およびPalmer,R.M.J.ら、“一酸化窒素
の放出は排皮誘導血管弛緩因子の生物学的活性を説明す
る”、Nature,Vol.327,523−26(1987)。
天然、組換えおよび修飾超酸化物不均斉変化酵素によ
る臨床試験および動物研究は、完了しあるいは進行中で
あり、上述した疾患の超酸化物濃度の低減に治療的に有
効であることを示している。しかしながら、有望な治療
薬としての酵素の使用には、経口活性の欠如、インビボ
での短い半減期、非ヒト誘導酵素による免疫生成、およ
び低い組織分配性等の多くの問題を生じている。
発明の要約 本発明は、少なくとも部分的に超酸化物により媒介さ
れる炎症性疾患状態または病状の治療剤として有用な超
酸化物不均斉変化酵素(SOD)の低分子量模倣物に向け
られるものである。本発明のSOD模倣物は、窒素含有15
員大環状リガンドのマンガン(II)またはマンガン(II
I)錯体である。
図面の簡単な記述 図1は、例47に記述されるラットの平均血圧に対する
例1のマンガン(II)錯体の効果を例示する図である。
本発明の詳細な記述 本発明は、超酸化物の酸素および過酸化水素への変換
に触媒作用を有する窒素含有15員大環状リガンドのマン
ガン(II)またはマンガン(III)錯体に向けられるも
のである。これらの錯体は、次式で表される: 式中、R、R′、R1、R′、R2、R′、R3
R′、R4、R′、R5、R′、R6、R′、R7
R′、R8、R′、R9およびR′は、独立して、水
素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキ
ル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シク
ロアルキルシクロアルキル、シクロアルケニルアルキ
ル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロアルケニ
ル、アルケニルシクロアルキル、アルケニルシクロアル
ケニル、ヘテロ環、アリール、およびアラルキル基を表
し;R1もしくはR′およびR2もしくはR′、R3もし
くはR′およびR4もしくはR′、R5もしくはR′
およびR6もしくはR6′、R7もしくはR′およびR8もし
くはR′ならびに、R9もしくはR′およびRもしく
はR′は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、
独立して3−20個の炭素原子を有する飽和、部分的飽和
または不飽和の環式基を形成し;RもしくはR′およびR1
もしくはR′、R2もしくはR′およびR3もしくは
R′、R4もしくはR′およびR5もしくはR′、R6
もしくはR′およびR7もしくはR′、R8もしくは
R′およびR9もしくはR′はそれらが結合する炭素
原子と一緒になって、独立して2−20個の炭素原子を有
し、窒素原子を含むヘテロ環式基を形成し、但し窒素原
子を含むヘテロ環式基が窒素原子に結合する水素原子を
含まない芳香族性ヘテロ環式基である場合、上記式に示
される様に窒素原子が大環状リガンドまたは錯体にあっ
て該窒素原子に結合する水素、および大環式基の同じ炭
素原子に結合するR基は、存在せず;RおよびR′、R1
よびR′、R2およびR′、R3およびR′、R4およ
びR′、R5およびR′、R6およびR′、R7および
R′、R8およびR′、R9およびR′は、それらが
結合する炭素原子と一緒になって、独立して3−20個の
炭素原子を有する飽和、部分的飽和または不飽和の環式
基を形成し;R、R′、R1、R′、R2、R′、R3
R′3R4、R′、R5、R′、R6、R′、R7、R′
、R8、R′、R9およびR′は、大環状基の異なる
炭素原子に結合するR、R′、R1、R′、R2
R′、R3、R′、R4、R′、R5、R′、R6
R′、R7、R′、R8、R′、R9およびR′のう
ちの異なる1つと一緒に結合して、次式: (CH2xM(CH2wL(CH2zJ(CH2 (式中、w、x、yおよびzは、独立して0−10の整数
を表し、M、LおよびJは独立して、アルキル、アルケ
ニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ
アリール、アルクアリール、アルクヘテロアリール、ア
ザ、アミド、アンモニウム、オキサ、チア、スルホニ
ル、スルフィニル、スルホンアミド、ホスホニル、ホス
フィニル、ホスフィノ、ホスホニウム、ケト、エステ
ル、カルバメート、ウレア、チオカルボニル、ボレー
ト、ボラン、ボラザ、シリル、シロキシ、シラザおよび
それらの組合せからなる群から選択される)により表さ
れるストラップを形成してもよく、あるいはこれらの組
合せを表す。従って、本発明の錯体は、上記に定義され
るR基、飽和、部分的飽和または不飽和の環式基、窒素
含有ヘテロ環式基、飽和、部分的飽和または不飽和の環
構造、ならびにストロップの何れかの組合せを有しう
る。
環式基の炭素原子に結合する“R"基は、該環式基に対
してアキシャル位またはエカトリアル位であり得る。
“R"基が水素以外の場合、あるいは隣接する2個の“R"
基即ち隣接する炭素原子上の基が、それらが結合する炭
素原子と共に飽和、部分的飽和もしくは不飽和の環式基
または窒素含有ヘテロ環式基を形成する場合、あるいは
同じ炭素原子に結合する2個の“R"基が、該炭素原子と
一緒になって、飽和、部分的飽和もしくは不飽和の環構
造を形成する場合には、少なくともいくつかの“R"基
が、活性および安定性向上のためにエカトリアル位にあ
ることが好ましい。このことは、水素ではない“R"基を
含む該錯体である場合に特にそうである。
X、YおよびZは、一座もしくは多座配位子または配
位系またはそれらの対応する陰イオン(例えば安息香酸
もしくは安息香酸陰イオン、フェノールもしくはフェノ
キシド陰イオン、アルコールもしくはアルコキシド陰イ
オン)から誘導される適当なリガンドまたは、荷電−中
和陰イオンを表す。X、YおよびZは独立して、ハライ
ド、オキソ、アクオ、ヒドロキソ、アルコール、フェノ
ール、ジオキシジェン、パーオキソ、ヒドロパーオキ
ソ、アルキルパーオキソ、アリールパーオキソ、アンモ
ニア、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロシクロ
アルキルアミノ、ヘテロシクロアリールアミノ、アミン
オキシド、ヒドラジン、アルキルヒドラジン、アリール
ヒドラジン、一酸化窒素、シアニド、シアネート、チオ
シアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、ア
ルキルニトリル、アリールニトリル、アルキルイソニト
リル、アリールイソニトリル、ナイトレート、ナイトラ
イト、アジド、アルキルスルホン酸、アリールスルホン
酸、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、ア
ルキルアリールスルホキシド、アルキルスルフェン酸、
アリールスルフェン酸、アルキルスルフィン酸、アリー
ルスルフィン酸、アルキルチオールカルボン酸、アリー
ルチオールカルボン酸、アルキルチオールチオカルボン
酸、アリールチオールチオカルボン酸、アルキルカルボ
ン酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、オキサール酸等)、ア
リールカルボン酸(安息香酸、フタル酸等)、ウレア、
アルキルウレア、アリールウレア、アルキルアリールウ
レア、チオウレア、アルキルチオウレア、アリールチオ
ウレア、アルキルアリールチオウレア、スルフェート、
スルファイト、ビスルフェート、ビスルファイト、チオ
スルフェート、チオスルファイト、ヒドロスルファイ
ト、アルキルホスフィン、アリールホスフィン、アルキ
ルホスフィンオキシド、アリールホスフィンオキシド、
アルキルアリールホスフィンオキシド、アルキルホスフ
ィンスルフィド、アリールホスフィンスルフィド、アル
キルアリールホスフィンスルフィド、アルキルホスホン
酸、アリールホスホン酸、アルキルホスフィン酸、アリ
ールホスフィン酸、アルキルホスフィナス酸、アリール
ホスフィナス酸、ホスフェート、チオホスフェート、ホ
スファイト、ピロホスファイト、トリホスフェート、ハ
イドロジェンホスフェート、ジハイドロジェンホスフェ
ート、アルキルグアニジノ、アリールグアニジノ、アル
キルアリールグアニジノ、アルキルカルバメート、アリ
ールカルバメート、アルキルアリールカルバメート、ア
ルキルチオカルバメート、アリールチオカルバメート、
アルキルアリールチオカルバメート、アルキルジチオカ
ルバメート、アリールジチオカルバメート、アルキルア
リールジチオカルバメート、ビカルボネート、カルボネ
ート、パークロレート、クロレート、クロライト、ハイ
ポクロライト、パーブロメート、ブロメート、ブロマイ
ト、ハイポブロマイト、テトラハロマンガネート、テト
ラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘ
キサフルオロアンチモネート、ハイポホスファイト、ア
イオデート、パーアイオデート、メタボレート、テトラ
アリールボレート、テトラアルキルボレート、タートレ
ート、サリシレート、スクシネート、サイトレート、ア
スコルベート、サッカリネート、アミノ酸、ヒドロキサ
ム酸、チオトシレート、およびイオン交換樹脂の陰イオ
ンからなる群から選択され、またはnが0−3の整数で
ある場合に、X、YおよびZの1個以上が独立して1個
以上の“R"基に結合する系である。X、YおよびZが選
択される好ましいリガンドは、ハライド、有機酸、ナイ
トレートおよびビカルボネートの陰イオンを含む。
一般的に、好ましい化合物は、“R"基の少なくとも1
個、好ましくは少なくとも2個が、アルキル、シクロア
ルキルアルキルおよびアラルキル基を表し、残るR基
が、水素、飽和、部分飽和もしくは不飽和環式基、また
は窒素含有ヘテロ環式基、少なくとも1個、好ましくは
少なくとも2個の、R1もしくはR′およびR2もしくは
R′、R3もしくはR′およびR4もしくはR′、R5
もしくはR′およびR6もしくはR′、R7もしくは
R′およびR8もしくはR′ならびに、R9もしくは
R′およびRもしくはR′が、それらが結合する炭素
原子と一緒になって、独立して3−20個の炭素原子を有
する飽和、部分的飽和または不飽和の環式基を表す基で
あり、全ての残る“R"基が、水素、窒素含有ヘテロ環式
基、少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個の、R
もしくはR′およびR1もしくはR′、R2もしくはR′
およびR3もしくはR′、R4もしくはR′およびR5
もしくはR′、R6もしくはR′およびR7もしくは
R′、R8もしくはR′およびR9もしくはR′が、
それらが結合する炭素原子と一緒になって、独立して2
−20個の炭素原子を有し、窒素原子を含むヘテロ環式基
を表す基であり、および全ての残る“R"基が、独立して
水素、飽和、部分飽和もしくは不飽和環式基、またはア
ルキル基から選択される。ここにおいて使用される“R"
基は、大環式基の炭素原子に結合する全てのR基、即ち
R、R′、R1、R′、R2、R′、R3、R′、R4
R′、R5、R′、R6、R′、R7、R′、R8
R′、R9およびR′を意味する。本発明の錯体の例
は、限定されるものではないが、次式の化合物を含む: マンガンに基づくSOD酵素の作用の一般的に受け入れ
られている機構は、2種類の酸化状態(II、III)の間
のマンガン中心のサイクルを含む。J.V.Bannisterおよ
びG.Rotilio,Crit.Rev.Biochem.22,111−180(1987)参
照。
pH=7におけるO2/O2−およびHO2/H2O2対についての形
式的酸化還元ポテンシャルは、それぞれ−0.33vおよび
0.87vである。A.E.G.Cass,Metalloproteins:Partl,Meta
l Proteins with Redox Roles、P.Harrison編,121
頁,Verlag Chemie(Weinheim,GDR)(1985)参照。上
記機構のためには、これらのポテンシャルは、予想され
るSOD触媒が迅速に酸化状態の変化を−0.33vから0.87v
の範囲で起こしうることを要求する。
ここに記述されるMn(II)およびC−置換[15]aneN
5リガンドの全体種から誘導される錯体は、それらの酸
化還元ポテンシャルを測定する循環電位電圧測定を用い
て特徴づけられている。ここに記述されるC−置換錯体
は、約+0.7v(SHE)の可逆的酸化を有している。電気
量測定は、この工程が1電子過程であること、即ちMn
(II)錯体のMn(III)錯体への酸化であることを示し
ている。従って、これらの錯体がSOD触媒として機能す
るためには、Mn(III)酸化状態が触媒サイクル内に含
まれなければならない。このことは、超酸化物が単にMn
(III)をMn(II)還元して酸素を放出することから、
超酸化物が存在する場合には、何れの形態(Mn(III)
またはMn(II))が存在するかに関わらず、これらの全
てのリガンドのMn(III)錯体は、SOD触媒として同等に
有能であることを意味する。
ここにおいて使用されるように、“アルキル”なる用
語は、単一または組合せにおいて、1−22個の炭素原
子、好ましくは、1−18個の炭素原子、最も好ましく
は、1−12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のア
ルキル基を意味する。このような基の例は、限定するも
のではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、オクチ
ル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサ
デシル、オクタデシルおよびエイコシルを含む。“アル
ケニル”なる用語は、単独または組合せにおいて、1個
以上の二重結合を有するアルキル基を意味する。このよ
うなアルケニル基の例は、限定するものではないが、エ
テニル、プロペニル、1−ブテニル、cis−2−ブテニ
ル、trans−2−ブテニル、イソブチレニル、cis−2−
ペンテニル、trans−2−ペンテニル、3−メチル−1
−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、1−ペン
テニル、1−ヘキセニル、1−オクテニル、デセニル、
ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、cis−
およびtrans−9−オクタデセニル、1,3−ペンタジエニ
ル、2,4−ペンタジエニル、2,3−ペンタジエニル、1,3
−ヘキサジエニル、2,4−ヘキサジエニル、5,8,11,14−
エイコサテトラエニル、および9,12,15−オクタデカト
リエニルを含む。“アルキニル”なる用語は、単独また
は組合せにおいて、1個以上の三重結合を有するアルキ
ル基を意味する。このようなアルキニル基の例は、限定
するものではないが、エチニル、プロピニル(プロパル
ギル)、1−ブチニル、1−オクチニル、9−オクタデ
シニル、1,3−ペンタジニル、2,4,−ペンタジニル、1,3
−ヘキサジニル、および2,4−ヘキサジニルを含む。
“シクロアルキル”なる用語は、単独または組合せにお
いて、3−約10個、好ましくは3−約8個、最も好まし
くは、3−約6個の炭素原子を含むシクロアルキル基を
意味する。このようなシクロアルキル基の例は、限定す
るものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シク
ロオクチル、およびパーハイドロナフチルを含む。“シ
クロアルキルアルキル”なる用語は、上記定義のシクロ
アルキル基により置換された上記定義のアルキル基を意
味する。シクロアルキルアルキルの例は、限定されるも
のではないが、シクロヘキシルメチル、シクロペンチル
メチル、(4−イソプロピルシクロヘキシル)メチル、
(4−t−ブチル−シクロヘキシル)メチル、3−シク
ロヘキシルプロピル、2−シクロヘキシルメチルペンチ
ル、3−シクロペンチルメチルヘキシル、1−(4−ネ
オペンチルシクロヘキシル)メチルヘキシル、および1
−(4−イソプロピルシクロヘキシル)メチルペンチル
を含む。“シクロアルキルシクロアルキル”なる用語
は、別の上記定義のシクロアルキルにより置換された上
記定義のシクロアルキルを意味する。シクロアルキルシ
クロアルキル基の例は、限定されるものではないが、シ
クロヘキシルシクロペンチル、およびシクロヘキシルシ
クロヘキシルを含む。“シクロアルケニル”なる用語
は、単独または組合せにおいて、1個以上の二重結合を
有するシクロアルキルを意味する。シクロアルケニルの
例は、限定されるものではないが、シクロペンテニル、
シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロペンタジ
エニル、シクロヘキサジエニルおよびシクロオクタジエ
ニルを含む。“シクロアルケニルアルキル”なる用語
は、上記定義のシクロアルケニルにより置換された上記
定義のアルキル基を意味する。シクロアルケニルアルキ
ル基の例は、限定されるものではないが。2−シクロヘ
キセン−1−イルメチル、1−シクロペンテン−1−イ
ルメチル、2−(1−シクロヘキセン−1−イル)エチ
ル、3−(1−シクロペンテン−1−イル)プロピル、
1−(1−シクロヘキセン−1−イルメチル)ペンチ
ル、1−(1−シクロペンテン−1−イル)ヘキシル、
1−(1−シクロペンテン−1−イル)ノニル、1−
(1−シクロヘキセン−1−イル)ノニルを含む。“ア
ルキルシクロアルキル”および“アルケニルシクロアル
キル”なる用語は、上記定義のアルキルまたはアルケニ
ルにより置換された上記定義のシクロアルキルを意味す
る。アルキルシクロアルキルおよびアルケニルシクロア
ルキルの例は、限定されるものではないが、2−エチル
シクロブチル、1−メチルシクロペンチル、1−ヘキシ
ルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−
(9−オクタデセニル)シクロペンチルおよび1−(9
−オクタデセニル)シクロヘキシルを含む。“アルキル
シクロアルケニル”および“アルケニルシクロアルケニ
ル”なる用語は、上記定義のアルキルまたはアルケニル
により置換された上記定義のシクロアルケニルを意味す
る。アルキルシクロアルケニルおよびアルケニルシクロ
アルケニルの例は、限定されるものではないが、1−メ
チル−2−シクロペンチル、1−ヘキシル−2−シクロ
ペンテニル、1−エチル−2−シクロヘキセニル、1−
ブチル−2−シクロヘキセニル、1−(9−オクタデセ
ニル)−2−シクロヘキセニルおよび1−(2−ペンテ
ニル)−2−シクロヘキセニルを含む。“アリール”な
る用語は、単独または組合せにおいて、フェニルまたは
ナフチル基を意味し、これは場合により、アルキル、シ
クロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロ
環、アルコキシアリール、アルクアリール、アルコキ
シ、ハロゲン、ヒドロキシ、アミン、シアノ、ニトロ、
アルキルチオ、フェノキシ、エーテル、トリフルオロメ
チル等から選択される置換基を有していてもよく、例え
ば、フェニル、p−トリル、4−メトキシフェニル、4
−(tert−ブトキシ)フェニル、4−フルオロフェニ
ル、4−クロロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、1
−ナフチル、2−ナフチル等である。“アラルキル”な
る用語は、単独または組合せにおいて、1個の水素原子
が上記定義のアリールにより置換された上記定義のアル
キルまたはシクロアルキルを意味し、例えばベンジル、
2−フェニルエチル等である。“ヘテロ環”なる用語
は、環上に炭素に加え少なくとも1個の他の種類の原子
を含む環構造である。最も一般的な他の種類の原子は、
窒素、酸素および硫黄を含む。ヘテロ環の例は、限定さ
れるものではないが、ピロリジニル、ピペリジル、イミ
ダゾリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエ
ニル、フリル、チエニル、ピリジル、キノリル、イソキ
ノリル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イミ
ダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピ
リジニル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリ
ル、トリアゾリルおよびテトラゾリル基を含む。“飽
和、部分飽和または不飽和の環”なる用語は、環上の2
個の炭素原子が15員大環状リガンドの一部となる融合環
構造を意味する。該環構造は、3−20個の炭素原子、好
ましくは5−10個の炭素原子を含むことができ、炭素原
子に加えて、1個以上の他の種類の原子を含むことがで
きる。最も一般的な他の種類の原子は、窒素、酸素およ
び硫黄を含む。該環構造は、1個以上の環を含むことが
できる。“飽和、部分飽和または不飽和の環構造”なる
用語は、環上の1個の炭素原子が15員大環状リガンドの
一部となる融合環構造を意味する。該環構造は、3−20
個の炭素原子、好ましくは5−10個の炭素原子を含むこ
とができ、更に窒素、酸素および/または硫黄原子を含
むことができる。“窒素含有ヘテロ環”なる用語は、環
上の2個の炭素原子が15員大環状リガンドの一部となる
融合環構造を意味する。該環構造は、2−20個、好まし
くは4−10個の炭素原子を有し、部分的または完全に不
飽和または飽和であってよく、15員大環状リガンドの一
部ではない環上の一部に窒素、酸素および/または硫黄
原子を含むことができる。“有機酸陰イオン”なる用語
は、1−約18個の炭素原子を有するカルボン酸陰イオン
を示す。“ハライド“なる用語は、クロライドまたはブ
ロマイドを意味する。
RがHである場合の本発明の錯体において有用な大環
状リガンドは、ある種の中間体およびある種のリガンド
を調製するためのこの分野で公知の下記の方法を使用す
る一般的合成スキームAに従って調製されうる。例え
ば、Richmanら、J.Am.Chem.Sco.,96,2268(1974);Atki
nsら、Org.Synth.,58,86(1978);およびEP287465参
照。従って、トリアザアルカンは、対応するトリス(N
−トシル)誘導体を生成するための適当な溶媒系におい
てトシル化される。次いでこのような誘導体を、適当な
塩基で処理して対応するジスルホンアミド陰イオンを生
成する。次いで該ジスルホンアミド酸イオンを、ジ−O
−トシル化ジ−N−トシル化ジアザアルカンと反応させ
て、対応するペンタトシルペンタアザシクロアルカンを
生成する。次いで該トシル基を除去し、得られた化合物
をマンガン(II)と、基本的に無水かつ嫌気性条件下で
反応させ、対応するマンガン(II)ペンタアザシクロア
ルカン錯体を形成する。
本発明の錯体に有用な大環状リガンドは、下記のスキ
ームBに示される一般的方法に従っても調製されうる。
しかして、天然または非天然に生じるα−アミノ酸の対
応するアミド誘導体であるアミノ酸アミドを還元して、
対応する置換エチレンジアミンを形成する。このような
アミノ酸アミドは、周知の多くのアミノ酸の何れかのア
ミド誘導体であってもよい。好ましいアミノ酸アミド
は、次式: によって表されるものであり、ここにおいてRは上記に
定義された通りである。最も好適なものは、Rが水素、
アルキル、シクロアルキルアルキルおよびアラルキル基
を表す場合である。次いでジアミンをトシル化してジ−
N−トシル誘導体を生成し、これをじ−O−トシル化ト
リス−N−トシル化トリアザアルカンジオールと反応さ
せて、対応する置換N−ペンタトシルペンタアザシクロ
アルカンを生成させる。次いでトシル基を除去され、得
られた生成物を基本的に無水かつ嫌気性の条件下でマン
ガン(II)化合物と反応させて対応するマンガン(II)
ペンタアザシクロアルカン錯体を形成する。Rが水素お
よびメチル以外の基であるこれらのリガンドは新規化合
物である。R1、R′、R3、R′、R5、R′、R7
R′、R9およびR′が、Hまたは上述の何れかの官
能基であり得る本発明の錯体において有用な大環状リガ
ンドは、下記のスキームCに示す一般的ペプチド法に従
って調製されうる。対応する線形ペプチドからの環状ペ
プチド前駆体の調製方法は、この分野での公知の方法と
同様または有意な修飾である。例えば、Veber,D.F.ら、
J.Org.Chem.,44,3101(1979)参照。下記スキームCに
概略を示す一般式方法は、N−末端からC−末端への官
能化線形ペンタペプチド連続液相調製法を使用する例で
ある。別法として、線形ペンタペプチドの調製のための
順次反応は、公知方法を使用する固相調製法を使用して
行うこともできる。該順次反応は、C−末端からN末端
に向けて行われ、また必要に応じてジ−およびトリ−ペ
プチドのカップリング等の集中的方法により行われる。
しかしてBoc−保護アミノ酸が、標準的アミノ酸カップ
リング試薬を用いてアミノ酸エステルとカップリングさ
れる。次いで新たなBoc−ジペプチドエステルが遊離の
酸にケン化され、これが、他のアミノ酸エステルと再度
カップリングされる。得られたBoc−トリ−ペプチドエ
ステルが再びケン化され、この方法は、Boc−保護ペン
タペプチド遊離酸が調製されるまで継続される。該Boc
保護基は、標準的条件下で除去し、得られたペンタペプ
チドまたはその塩が環状ペンタペプチドに変換される。
次いで該環状ペンタペプチドは、リチウムアルミニウム
ヒドリドまたはボレートを用いてペンタアザシクロペン
タデカンに還元される。次いで最終的リガンドを、マン
ガン(II)化合物と基本的に嫌気性条件下で反応させ
て、対応するマンガン(II)ペンタアザシクロペンタデ
カン錯体を形成させる。
スキームCは、例29、32−34、40および41の錯体合成
のために使用された。
環状ペプチドの経路で生成される大環状分子における
R基、即ちR1、R′、R3、R′、R5、R′、R7
R′、R9およびR′は、DまたはL型のアミノ酸、
アラニン、アスパラギン酸、アルギニン、アスパラギ
ン、システイン、グリシン、グルタミン酸、グルタミ
ン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メ
チオニン、プロリン、フェニルアラニン、セリン、トリ
プトファン、スレオニン、チロシン、バリンから誘導さ
れるか、および/または非天然型のα−アミノ酸のR
基、例えば、アルキル、エチル、ブチル、tert−ブチ
ル、シクロアルキル、フェニル、アルケニル、アリル、
アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ポリシクロア
ルキル、ポリシクロアリール、ポリシクロヘテロアリー
ル、イミン、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒ
ドロキシル、フェノール、アミンオキシド、チオアルキ
ル、カルボアルコキシアルキル、カルボン酸およびその
誘導体、ケト、エーテル、アルデヒド、アミン、ニトリ
ル、ハロ、チオール、スルホキシド、スルホン、スルホ
ン酸、スルフィド、ジスルフィド、ホスホン酸、ホスフ
ィン酸、ホスフィンオキシド、スルホンアミド、アミ
ド、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、炭水化物、核酸、脂
肪酸、脂質、ニトロ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキサ
ム酸、チオカルボニル、ボレート、ボラン、ボラザ、シ
リル、シロキシ、シラザ、およびそれらの組合せから誘
導されうる。
R9およびR2がアルキルであり、かつR3、R′、R4
R′、R5、R′、R6、R′、R7、R′、R8およ
びR′がアルキル、アリールアルキルまたはシクロア
ルキルアルキル出会ってよく、かつRもしくはR′およ
びR1もしくはR′が、それらが結合する炭素原子と一
緒になって窒素含有ヘテロ環を形成する場合の本発明の
錯体は、マンガン(II)ペンタアザビシクロ[12.3.1]
オクタデカペンタエン錯体前駆体の調製のためのこの分
野で公知の方法を使用して、下記スキームDに示される
一般的方法に従って調製されうる。例えば、Alexander
ら、Inorg.Nucl.Chem.Lett.,6,445(1970)参照。従っ
て、2,6−ジケトピリジンは、トリエチレンテトラアミ
ンとマンガン(II)化合物の存在下に縮合され、マンガ
ン(II)ペンタアザビシクロ[12.3.1]オクタデカペン
タエン錯体が生成される。マンガン(II)ペンタアザビ
シクロ[12.3.1]オクタデカペンタエン錯体は、炭素上
の5%ロジウムを用いて1000psiの圧力下で水素添加さ
れ、対応するマンガン(II)ペンタザビシクロ[12.3.
1]オクタデカトリエン錯体を与える。
スキームDは、例39の錯体の合成に使用される。
本発明の錯体において有用な大環状リガンドは、下記
のスキームEに示される二酸二塩化物経路によっても調
製されうる。従って、トリアザアルカンが、適当な溶媒
系においてトシル化されて対応するトリス(N−トシ
ル)誘導体が生成される。このような誘導体が適当な塩
基により処理されて対応するジスルホンアミド陰イオン
が生成される。該ジスルホンアミド陰イオンは、適当な
親電子試薬によりジアルキル化され、ジカルボン酸の誘
導体が生成される。このジカルボン酸の誘導体を、処理
してジカルボン酸を生成し、次いでこれを適当な試薬で
処理して二酸二塩化物を得る。所望の隣位ジアミンは、
いくつかの方法の何れかによって得られる。有用な一つ
の方法は、塩化アンモニウムの存在下でのアルデヒドと
シアニドとの反応、および引き続く酸による処理にてア
ルファアンモニウムニトリルを生成することによる調製
である。後者の化合物は、酸の存在下で還元され、次い
で適当な塩基により処理して隣位ジアミンを生成させ
る。二酸二塩化物と隣位ジアミンとの、適当な塩基の存
在下での縮合にてトリス(トシル)ジアミド大環状分子
が形成される。トシル基を除去し、アミドを還元し、得
られた化合物を基本的に無水かつ嫌気性の条件下でマン
ガン(II)化合物と反応させて対応する置換ペンタアザ
シクロアルカンマンガン(II)錯体を形成させる。
スキームEは、例28、30および35−37の錯体の合成に
使用された。
隣位ジアミンは、示された経路(Strecker合成として
知られている)により調製され、また商業的に入手可能
な場合には購入した。隣位ジアミンの任意の調製法が使
用可能である。
本発明の錯体に有用な大環状リガンドは、下記のスキ
ームFに示されるピリジンジアミド経路によっても調製
されうる。しかして、2個の第1アミンを含むテトラア
ザ化合物等のポリアミンを、ジメチル 2,6−ピリジン
ジカルボキシレートと、メタノール等の適当な溶媒中で
加熱して縮合させ、ピリジン環を2,6−ジカルボキサミ
ドとして取り入れた大環状分子を生成させる。大環状分
子中のピリジンを対応するピペリジン環に還元し、次い
でジアミドを還元し、得られた化合物を、基本的に無水
かつ嫌気性条件でマンガン(II)化合物と反応させて、
対応する置換ペンタアザシクロアルカンマンガン(II)
錯体を形成する。
スキームFは、例38の錯体の調製に使用された。
本発明の錯体に有用な大環状リガンドは、下記のスキ
ームGに示されるビス(ハロアセトアミド)経路によっ
ても調製されうる。しかして、トリアザアルカンを適当
な溶媒系にてトシル化し、対応するトリス(N−トシ
ル)誘導体を生成させる。かかる誘導体を適当な塩基で
処理して対応するジスルホンアミド陰イオンを生成させ
る。隣位ジアミンとして、例えばビス(クロロアセトア
ミド)等のビス(ハロアセトアミド)を、ジアミンと過
剰量のハロアセチルハライド、例えばクロロアセチルク
ロライドとの、塩基の存在下の反応により調製する。次
いで、トリス(N−トシル)トリアザアルカンのジスル
ホンアミド陰イオンをジアミンのビス(クロロアセトア
ミド)と反応させて置換トリス(N−トリス)ジアミン
大環状分子を生成させる。トシル基を除去し、アミドを
還元し、得られた化合物を基本的に無水かつ嫌気性の条
件下でマンガン(II)化合物と反応させて対応する置換
ペンタアザシクロアルカンマンガン(II)錯体を形成す
る。
スキームGは、例35の錯体の別の合成経路である。
ストラップを含む本発明の錯体の調製に有用な大環状
分子は、スキームCに類似する下記のスキームH、およ
びスキームEに類似するスキームIに示される例に従っ
て調製されうる。
本発明のペンタアザ大環状分子は、1個以上の不斉炭
素原子を有し、従って光学異性体の形態、ならびにそれ
らのラセミ混合物および非ラセミ混合物の形態にて存在
しうる。該光学異性体は、常法に従ってラセミ混合物の
分割により、例えば光学的に活性な酸を用いた処理によ
るジアステレオアイソマー塩の形成により得ることがで
きる。適当な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ
ベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、およびカンフ
ォスルホン酸であり、次いでジアステレオアイソマーの
結晶化による分割、更に次いで光学的に活性な塩基の塩
からの遊離が行われる。光学異性体の別の分離方法は、
場合によりエナンチオマーの分離を最大とするように選
択されるキラルクロマトグラフィカラムの使用を含む。
更に別の利用可能な方法は、本発明の化合物の1個以上
の第二アミン基を、活性化形態の光学的に純粋な酸また
は光学的に純粋なイソシアネートと反応させることによ
る、共有的なジアステレオマー分子を合成することを含
む。合成されたジアステレオマーは、クロマトグラフ
ィ、蒸留、結晶化または昇華等の常法により分離され
得、次いで加水分解されてエナンチオマー的に純粋なリ
ガンドが遊離される。本発明の光学的に活性な化合物
は、同様にして、天然アミノ酸等の光学的活性な出発原
料を使用して得ることができる。
本発明の化合物または錯体は、新規であり、多くの炎
症性疾患状態または不全の治療に使用され得る。例え
ば、虚血性心筋の再灌流等の虚血性組織の再灌流損傷、
炎症性腸疾患、リュウマチ性関節炎、変形性関節炎、高
血圧、乾癬、移植器官拒絶、器官保護、不能症、放射線
−誘導障害、喘息、アテローム、血栓症、血小板凝集、
転移、インフルエンザ、発作、火傷、外傷、急性膵臓
炎、腎盂腎炎、肝炎、自己免疫疾患、インシュリン依存
性糖尿病、散在性脈管内凝集、脂肪塞栓症、成人および
小児呼吸困難、発癌、および新生児出血等である。
超酸化物の不均斉変化の触媒作用についての本発明の
化合物または錯体の活性は、ここに参考として取り入れ
るRiley,D.P.、River,W.J.およびWeiss,R.H.の“水性系
における超酸化物崩壊監視のためのストップト−フロウ
動力学的分析”、Anal.Biochem.,196,344−349(1991)
に記載されるように、ストップト−フロウ動力学的分析
技術を用いて示すことができる。ストップト−フロウ動
力学的分析は、水中の超酸化物の崩壊速度の定量的監視
について、正確かつ直接的方法である。ストップト−フ
ロウ動力学的分析は、SOD活性については化合物の選択
に適した方法であり、該化合物または錯体の活性は、ス
トップ−フロウ動力学的分析により示されるように上記
の疾患状態および不全の治療と相関関係を有している。
単独または分割投与において宿主に投与される1日投
与量は、例えば1日あたり約1−約100mg/kg体重、より
一般的には、約3−30mg/kg体重である。投与単位組成
物は、1日投与量を生成するような分割量を含んでもよ
い。
担体物質と合わせて単一投与形態を形成してもよい活
性成分の量は、治療される宿主および特定の投与態様に
依存して変化する。
本発明の化合物および/または組成物を用いる疾患症
状治療のための投与療法は、患者の体型、年齢、体重、
性、食事療法、および病状、疾患の重篤度、投与経路、
使用される特定の化合物の活性、有効性、薬理動力学お
よび毒性の特徴等の薬理学的考察、あるいは、薬剤分配
系が使用されるか否か、あるいは該化合物が薬剤の組合
せの一部として使用されるか、等の種々の因子によって
選択される。従って実際に使用される投与療法は、広範
囲に変化し得て、上述の好ましい投与療法から逸脱する
こともできる。
本発明の化合物は、所望により慣用の、非毒性の医薬
的に許容される担体、アジュバントおよびベヒクルを含
む投与単位剤型において、経口的、非経口的、吸入スプ
レーにより、直腸内的、または局所的に投与されうる。
局所投与は、経皮パッチまたはイオン導入装置等の経皮
的投与の使用も含む。ここにおいて使用される非経口的
なる用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内的注射
および輸液技術を含む。
注射可能な調製物、例えば、滅菌された注射可能な水
性または油性懸濁液は、適当な分散剤、湿潤剤および懸
濁剤を使用して公知技術に従って製剤化してもよい。滅
菌された注射可能な調製物は、例えば1,3−ブタンジオ
ールの溶液のような非毒性の非経口的に許容される希釈
剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁物であっても
よい。使用され得る許容されるベヒクルおよび溶媒は、
水、リンゲル溶液および等張的塩化ナトリウム溶液であ
る。更に、滅菌した不揮発油は、溶媒または分散媒とし
て慣用的に使用される。このために、合成モノまたはジ
グリセリドを含む任意の口当たりのよい不揮発油が使用
されてもよい。更に、オレイン酸等の脂肪酸も注射剤の
調製の使用され得る。
薬剤の直腸投与のための座剤は、薬剤をココアバター
およびポリエチレングリコール等の適当な非刺激性の賦
形剤と混合することにより調製され、これは、常温で固
体であるが直腸温度で液体であって、従って直腸内にて
薬剤を放出する。
経口投与のための固形投与形態は、カプセル、錠剤、
ピル、粉末、顆粒およびゲルを含む。このような固形投
与形態において、活性化合物は、しょ糖、ラクトースま
たはデンプン等の少なくとも1種の不活性希釈剤と予め
混合されてよい。このような投与形態は、常法の通り、
不活性希釈剤の他に、ステアリン酸マグネシウム等の滑
択剤を含んでもよい。カプセル、錠剤およびピルの場
合、投与形態は、緩衝剤を含んでもよい。錠剤およびピ
ルは、更に腸溶性被覆をもって調製されてもよい。
経口投与のための液体投与形態は、水等のこの分野で
通常に使用される不活性希釈剤を含む医薬的に許容され
るエマルジョン、溶液、懸濁物、シロップ、および液剤
を含んでよい。このような組成物は、湿潤剤、分散およ
び懸濁剤等のアジュバント、ならびに甘味料、着香料、
および芳香剤を含んでもよい。
本発明の化合物は、単独の活性医薬として投与されう
るが、それらは治療しようとする特定の疾患状態に対し
て有効な1種以上の化合物との組み合わせにおいて使用
されてもよい。
化合物、および誘導体ならびに中間体についての上記
一般式の予想される均等物は、該化合物のトートマー
等、その他の点で対応し同様な一般的性質を有する化合
物、ならびに例えばRが上記の場合より高級アルキルで
ある場合、またはトシル基が別の窒素もしくは酸素保護
基である場合、またはトシル基がハライドである場合等
のように、種々のR基がここに定義される置換基の単純
な変更である場合等である。例えば、カルボネート、ホ
スフェート、およびハイドロジェンホスフェート等の1
以外の荷電を有する陰イオンも、それらが錯体の総体的
な活性に悪影響を与えない限り、1価の陰イオンに代え
て使用され得る。しかしながら、1以外の荷電を有する
陰イオンを使用する場合には、上記の錯体についての一
般式に若干の修飾を生じるであろう。更に置換基が水素
である場合、またはあってもよい場合、その位置の水素
以外の例えばヒドロカルビル基、またはハロゲン、ヒド
ロキシル、アミノおよび同様な官能基などの置換基の正
確な化学的性質は、それが、総体的活性および/または
合成方法に悪影響を与えない限り臨界的なものではな
い。さらには、マンガン(III)錯体は、目的とするマ
ンガン(II)錯体と均等であろうと予測される。
上述した化学反応は、本発明の化合物調製のための、
最も広い応用に関して一般的に開示されている。場合に
よりこれらの反応は、開示された範囲に含まれるそれぞ
れの化合物に適用されないであろう。このことが起こる
化合物は、当業者に容易に認識されるであろう。そのよ
うな全ての場合において、反応は、当業者に知られてい
る慣用の修飾、例えば干渉する基の適切な保護、別の慣
用の試薬への変更、または反応条件の通常の変更等によ
り成功裏に達成され得るか、あるいは、ここに開示され
るものまたは別の慣用の反応が、本発明の化合物の調製
に適用可能であろう。全ての調製方法において、全ての
原料物質は公知であるか、または公知の原料物質から容
易に調製されうる。
更なる労力を費やすことなく、当業者は先の記述を使
用して、本発明をその全体にわたって利用することが出
来るであろう。従って、以下の好ましい特定の実施態様
は、単に例示と解せられ、いかなる意味においてもその
ほかの開示を限定するものではない。
例 全ての試薬は、別途記さない限り入手したまま精製す
ることなく使用した。全てのNMRスペクトルは、Varian
VXR−300またはVXR−400核磁気共鳴分光装置で得られ
た。定性的および定量的質量分光は、Finnigan MAT9
0、Finnigan4500およびVG40−250Tにて、m−ニトロベ
ンジルアルコール(NBA)またはm−ニトロベンジルア
ルコール/LiCl(NBA+Li)を使用して行われた。融点
(mp)は補正していない。
アミノ酸およびそれらの保護基に関する以下の略号
は、生化学命名に関するIUPAC−IUB委員会推奨に従った
(Biochemistry,11,1726(1972))。
Ala L−アラニン DAla D−アラニン Gly グリシン Ppg プロパルギルグリシン Tyr L−チロシン Bzl ベンジル Boc tert−ブトキシカルボニル Et エチル TFA トリフルオロアセテート DMF ジメチルホルムアミド HOBT・H2O 1−ヒドロキシ−(1H)−ベンゾトリアゾ
ールモノハイドレート EDC・HCl 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3
−エチルカルボジイミドハイドロクロライド TEA トリエチルアミン DMSO ジメチルスルホキシド THF テトラヒドロフラン DPPA ジフェニルホスホリルアジド DMPU ジメチルプロピレンウレア c 濃度、g/cc DME 1,2−ジメトキシエタン 例1 A.1,4,7−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,4,7−
トリアザヘプタンの合成 この化合物は、Atkins,T.J.;Richman,J.E.;およびOet
tle,W.F.;Org.Synth.,58,86−98(1987)の方法に従っ
て合成された。0℃のピリジン(1500ml)中のp−トル
エンスルホニルクロライド(618g,3.24mole)の撹拌溶
液に、ピリジン(150ml)中の1,4,7−トリアザヘプタン
(95.5g、0.926mole)の溶液を50℃以下に保ちつつ、乾
燥アルゴン雰囲気下で添加した。添加には30分間を要し
た。該混合物を3時間撹拌しつつ、室温まで徐々に冷却
せしめた後、H2O(21)を冷却(氷浴)した混合物に徐
々に添加した。形成された重い白色沈殿をろ過し、H2O
にて充分に洗浄した。該淡黄色の固体をDMF(31)に溶
解し、0.1N NCl(41)を5℃にて徐々に添加した。該
スラリーをH2Oにて充分に洗浄し、減圧下で乾燥させ
て、486g(収率93%)の生成物を得た: mp 180−1℃;1H NMR(DMSO−d6)δ2.39(s,3H),24
0(s,6H),2.84(m,4H)3.04(t,J=6.9Hz,4H),7.40
(d,J=8.1Hz,4H),7.59(d,J=8.3Hz,2H),7.67(m,6
H) B.1,4,7−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,4,7−
トリアザヘプタン−1,7−二ナトリウム塩の合成 この化合物は、Atkins,T.J.;Richman,J.E.;およびOet
tle,W.F.;Org.Synth.,58,86−98(1987)の方法に従っ
て合成された。エタノール(1150ml)中にて還流下に加
熱された例1Aのようにして調製した1,4,7−トリス(p
−トルエンスルホニル)−1,4,7−トリアザヘプタン(4
86g、0.859mole)に、乾燥アルゴン雰囲気下でナトリウ
ムエトキシド(無水エタノール(1.01)に金属ナトリウ
ム(39.5g、1.72mole)を溶解させて調製した)を極力
迅速に添加した。形成された透明な褐色溶液を急速に室
温まで冷却し、エチルエーテル(1.01)を添加した。結
晶を乾燥アルゴンブランケット下でろ過し、3:1のエタ
ノール:エチルエーテルにて洗浄した。次いで、結晶を
減圧下で乾燥させて、509g(収率97%)の生成物を白色
粉末として得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ2.30(s,6H),2.36(s,3H),2.6
3(t,J=7.2Hz,4H),7.11(d,J=8.1Hz,4H),7.28(d,J
=8.0Hz,2H),7.46(m,6H) C.3,6−ビス(p−トルエンスルホニル)−3,6−ジアザ
オクタン−1,8−ジ−p−トルエンスルホネートの合成 0℃のCH2Cl2(2.01)中のp−トルエンスルホニルク
ロライド(566g、2.97mole)およびトリエチルアミン
(300g、2.97mole)の撹拌溶液に、乾燥アルゴン雰囲気
下で温度を10℃以下に保ちつつ、3,6−ジアザオクタン
−1,8−ジオール(100g、0.675mole)を一部づつ添加し
た。添加には30分間を要した。該混合物を更に18時間撹
拌しつつ室温まで昇温させ、次いで水(1000g)に注い
だ。CH2Cl2層を分離し、10%HCl、水および飽和NaCl溶
液にて洗浄し、乾燥(MgSO4)させた。該溶液を減圧下
で1.51まで濃縮した。ヘキサン(4リットル)の添加に
よる結晶化にて、447g(収率92%)の生成物を針状結晶
として得た。
mp 151−3℃;1H NMR(CDCl3)δ2.43(s,12H),3.29
(s,4H),3.36(t,J=5.2Hz,4H),4.14(t,J=5.2Hz,4
H),7.33(d,J=7.8Hz,8H),7.71(d,J=8.2Hz,4H),7.
97(d,J=8.3Hz,4H) D.1,4,7,10,13−ペンタ(p−トルエンスルホニル)−
1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカンの合成 この化合物は、Richman,J.E.およびAtkins,T.J.のJ.A
M.Chem.Soc.96,2268−70(1974)の方法に従って合成さ
れた。無水DMF(2250ml)中の例1Bのようにして調製さ
れた1,4,7−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,4,7
−トリアザヘプタン−1,7−二ナトリウム塩(146g0.240
mole)に、例1Cのようにして調製した3,6−ビス(p−
トルエンスルホニル)−3,6−ジアザオクタン−1,8−ジ
−p−トルエンスルホネート(184g、0.240mole)の無
水DMF(1020ml)中の溶液を、温度を100℃に保ちつつ、
乾燥アルゴン雰囲気下で、3時間にて滴々添加した。更
に100℃にて1時間撹拌後、該溶液を減圧下で1.51まで
濃縮した。H2O(500ml)を80℃にて徐々に添加して、生
成物を結晶化した。得られたスラリーを0℃に徐々に冷
却し、更にH2O(1250ml)を添加した。固体をろ過し、H
2O、次いで90%エタノールにて十分に洗浄し、減圧下で
乾燥させた。くすんだ白色の固体を、CH2Cl2に溶解さ
せ、不溶性の不純物をろ過により除去し、ろ液をH2Oに
て洗浄し、次いで乾燥させた(MgSO4)。溶媒を減圧下
で除去して淡黄色の固体を得、これをCH2Cl2−ヘキサン
から再結晶化して生成し、164g(収率69%)の生成物を
白色結晶として得た。
mp 290−3℃;1H NMR(CDCl3)δ2.44(s,15H),3.27
(s,20H),7.32(d,J=8.3Hz,10H),7.66(d,J=8.3Hz,
10H) E.1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカンの合成 例1Dのようにして調製された1,4,7,10,13−ペンタ
(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカン(168g、0.17mole)および濃H2SO
4(500ml)の混合物を、乾燥アルゴン雰囲気下で撹拌し
つつ100℃にて70時間加熱した。得られた暗褐色の溶液
に、エタノール(500ml)を撹拌しつつ滴々添加し、次
いでエチルエーテル(31)を添加した。白色固体をろ過
し、エチルエーテルにて洗浄した。次いで該固体をH2O
(500ml)に溶解させ、得られた溶液をエチルエーテル
にて洗浄した。溶液の体積を減圧下で200mlまで減少さ
せ、pHを10−11に10N NaOHにて調節し、減圧下で溶媒
を除去した。次いでエタノール(500ml)を添加し、減
圧下で除去して乾燥させた。得られた黄褐色の油性の固
体を熱THF(2x500ml)にて抽出し、室温にてろ過した。
ろ液を合わせ、溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を黄
色の結晶性固体として得、次いでこれをCH3CNに再溶解
させ、ろ過して不溶性不純物を除去した。冷(−20℃)
CH3CNから再結晶して11.3g(収率31%)の生成物を無色
針状結晶として得た。
mp 108−9℃;1H NMR(CDCl3)δ1.74(brs,5H),273
(s,20H);正確な質量(M+Li)+:理論値、222.2270;
実験値、222.2269)C10H25N5Li) F.[マンガン(II)ジクロロ(1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカン)]の合成 例1Eのようにして調製された1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカン(2.0g、9.3mmole)および無水塩
化マンガン(II)(1.2g、9.3mmole)の、無水メタノー
ル(50ml)溶液を乾燥窒素雰囲気下で3時間還流させ
た。溶液をろ過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた
固体をエタノール−エチルエーテルから再結晶して2.79
g(収率88%)の生成物をくすんだ白色の結晶性固体と
して得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)340(M+,2),305/3
07((M−Cl)+100/45);元素分析C10H25Cl2MnN5につ
いて理論値、C、35.17;H、7.38;Cl、20,76;N,20.60
実験値、C、34.95;H、7.31;Cl、20.49;N、20.22 例2 A.N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジアミ
ノプロパンの合成 CH2Cl2(250ml)中のp−トルエンスルホニルクロラ
イド(270g、1.42mole)およびトリエチルアミン(143
g、1.42mole)の撹拌溶液に0℃にて乾燥アルゴン雰囲
気下で、CH2Cl2(250ml)中の1,2−ジアミノプロパン
(50.0g、0.675mole)の溶液を、温度を10℃以下に保ち
つつ滴々添加した。添加には1時間を要した。該混合物
を室温まで昇温させ、更に19時間撹拌した。該混合物を
氷(1000g)に注ぎ、CH2Cl2層を分離した。CH2Cl2
を、1N HCl、水および飽和NaCl溶液にて洗浄し、乾燥
(MgSO4)させた。溶媒を減圧下で除去し得られた黄色
油状物をヘキサンにて洗浄した。粗生成物をCH2Cl2−ヘ
キサンから再結晶して、241gの生成物を無色針状結晶と
して得た。
mp 105−7℃;1H NMR(CDCl3)δ0.97(d,J=6.7Hz3
H),2.40(s,3H),2.41(s,3H),2.91(m,2H),3.32
(m,1H),5.25(d,J=7.6Hz,1H),5.38(t,J=6.3Hz,1
H),7.28(m,4H),7.73(m,4H) B.3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−3,6,9−
トリアザウンデカン−1,11−ジオールの合成 この化合物は、Atkins,T.J.;Richman,J.E.;およびOet
tle,W.F.;Org.Synth.,58,86−98(1987)の方法に従っ
て合成された。無水DMF(1.01)中の例1Bのようにして
調製した1,4,7−トリス(p−トルエンスルホニル)−
1,4,7−トリアザヘプタン−1,7−二ナトリウム塩(120
g、0.197mole)の撹拌溶液にエチレンカルボネート(17
3g、1.97mole)を添加した。該混合物を60℃にて24時間
撹拌した。混合物を室温に冷却し、反応を停止させるた
めにH2O(100ml)を添加し、溶媒を減圧下で除去した。
得られた暗黄色の油状物をCHCl3に溶解させ、次いで乾
燥させた(MgSO4)。該溶液を活性炭にて脱色し、溶媒
を減圧下で除去して黄色のタール状物を得た。粗生成物
をMeOH−H2Oから再結晶し、減圧下で乾燥させて、124g
(収率96%)の生成物を無色針状結晶として得た。
mp 110−2℃;1H NMR(CDCl3)δ2.43(s,6H),2.44
(s,3H)3.24(t,J=5.1Hz,4H),3.39(m,8H),3.79
(m,4H),7.33(m,6H),7.73(m,6H) C.3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−3,6,9−
トリアザウンデカン−1,11−ジ−p−トルエンスルホネ
ートの合成 0℃のCH2Cl2(300ml)中の、p−トルエンスルホニ
ルクロライド(79.6g、0.418mole)およびトリエチルア
ミン(42.3g、0.418mole)の撹拌溶液に、乾燥アルゴン
雰囲気下にて温度を10℃以下に保ちつつ、CH2Cl2(300m
l)中の例2Bのようにして調製された3,6,9−トリス(p
−トルエンスルホニル)−3,6,9−トリアザウンデカン
−1,11−ジオール(124g、0.190mole)の溶液を添加し
た。添加には、30分間を要した。該混合物を室温まで昇
温せしめ、更に20時間撹拌した。次いで該混合物を氷
(1000g)に注ぎ、CH2Cl2層を分離した。CH2Cl2層を1N
NCl、H2Oおよび飽和NaCl溶液にて洗浄し、乾燥させた
(MgSO4)。該溶液を活性炭にて脱色し、減圧下で溶媒
を除去し、得られた淡黄色の油状物をヘキサンにて洗浄
した。粗生成物をCH2Cl2−ヘキサンにて再結晶すること
により精製し、143g(収率78%)の生成物を針状結晶と
して得た。
mp 158−60℃;1H NMR(CDCl3)δ2.42(s,6H),2.43
(s,6H),2.42(s,3H),3.29(m,8H),3.40(t,J=5.3H
z,4H),4.15(t,J=5.5Hz,4H),7.35(m,10H),7.74
(m,10H) D.2−メチル−1,4,7,10,13−ペンタ(p−トルエンスル
ホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカ
ンの合成 無水DMF(500ml)中の、例2Aのようにして調製された
N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジアミノ
プロパン(19.2g、0.0500mole)の撹拌溶液に、ナトリ
ウムヒドリド(3.00g−鉱油中80%、0.100mole)乾燥窒
素ブランケット下で小分けに添加した。得られた混合物
を乾燥アルゴン下で30分間撹拌した。次いで該溶液を10
0℃に加熱し、例2Cのようにして調製された3,6,9−トリ
ス(p−トルエンスルホニル)−3,6,9−トリアザウン
デカン−1,11−ジ−p−トルエンスルホネート(48.1
g、0.0500mole)の無水DMF(250ml)の溶液を、温度を1
00℃に保ちつつ3時間で滴々添加した。溶液を更に100
℃にて1時間撹拌後、該混合物を減圧下で300mlまで濃
縮した。H2O(1.5リットル)を室温にて徐々に添加して
生成物を結晶化させた。得られた固体をろ過し、H2Oに
て充分に洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物をCHCl
3−MeOHから再結晶して、20.6g(収率41%)の生成物を
針状結晶として得た。
mp 255−60℃;1H NMR(CDCl3)δ0.95(d,J=6.8Hz,3
H),2.43(s,3H),2.44(s,9H),2.46(s,3H),3.30
(m,18H),4.05(m,1H),7.33(m,10H),7.68(m,10H) E.2−メチル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデ
カンの合成 この化合物を、1988年10月19日付けヨーロッパ特許02
87465A1の方法に従って合成した。例2Dのようにして調
製した2−メチル−1,4,7,10,13−ペンタ(p−トルエ
ンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペン
タデカン(20.6g、0.0206mole)および濃H2SO4(75ml)
の混合物を、乾燥アルゴン雰囲気下で撹拌しつつ100℃
にて70時間撹拌した。得られた褐色溶液にエタノール
(100ml)を撹拌しつつ、0℃にて滴々添加し、次いで
エチルエーテル(11)を添加した。くすんだ白色の油状
固体をろ過し、エチルエーテルにて十分に洗浄した。次
いで固体をH2O(100ml)に溶解し、得られた溶液をエチ
ルエーテルにて洗浄した。溶液のpHを10N NaOHにて10
−11に調節し、減圧下で溶媒を除去した。エタノール
(2x500ml)を加え、減圧下で除去した。得られた褐色
油状固体を熱THF(2x500ml)にて抽出し、ろ過した。ろ
液を合わせ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をTHF(100
ml)に溶解させ、不溶性不純物をろ過により除去した。
溶媒を減圧下で除去して粗生成物を黄色の針状固体とし
て得、次いでこれをCH3CNに溶解させ、ろ過して不純物
を除去した。ろ液を−20℃に冷却することにより結晶化
が起こった。冷(−20℃)CH3CNから再結晶化して、1.3
0g(収率28%)の生成物をくすんだ白色の結晶性固体と
して得た。
mp 73−5℃;1H NMR(CDCl3)δ1.02(d,J=6.2Hz,3
H),1.71(br,s,5H),2.36(m,1H),2.72(m,18H),元
素分析C11H27N5について理論値:C、57,60;H、11.87;N、
30.53:実験値:C、57.68;H、11.34;N、30.48 F.[マンガン(II)ジクロロ(2−メチル−1,4,7,10,1
3−ベンタアザシクロペンタデカン)]の合成 例2Eのようにして調製された2−メチル−1,4,7,10,1
3−ペンタアザシクロペンタデカン(1.2g、5.3mmole)
および無水塩化マンガン(II)(0.67g、5.3mmole)の
無水メタノール(60ml)の溶液を、乾燥窒素雰囲気下で
2時間還流させた。少量の懸濁固体をろ過により除去
し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をエタノール−エチ
ルエーテルから再結晶して、0.81g(収率43%)の生成
物を白色固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)354(M+,3),319/3
21((M−Cl)+100/31);元素分析C11H27Cl2MnN5につ
いて理論値、C、37.19;H、7.66;Cl、19.96;N、19.72実
験値、C、36.73;H、7.32;Cl、19.85;N、19.49 例3 A.(S)−1,2−ジアミノプロパンの合成 この化合物は、Blaha,K.,Budesinsky,M.,Koblicova,
Z.ら、Coll.Czech.Chem.Commun.,47,1000−19(1982)
の方法に従って調製された。無水THF(200ml)中のL−
アラニンアミドハイドロクロライド(30.0g、0.241mol
e)の撹拌スラリーに、室温にて乾燥アルゴン雰囲気下
で、リチウムアルミニウムヒドリド溶液(963ml−THF中
の1.0M、0.963mole)を15分間で添加した。該混合物を
8時間還流し、次いで氷浴にて冷却しつつ、H2O(200m
l)を滴々添加することにより停止させた。固体をろ過
し、THF(500ml)、次いで熱メタノール(2x1.0リット
ル)にて洗浄した。ろ液および洗浄液を合わせ、濃HCl
を用いてpH1に酸性化し、溶媒を減圧下で除去した。油
状残渣をエタノールに溶解させ、溶媒を減圧下で除去
し、黄色の結晶性固体(46.0g)を得た。固体を粉末に
し、過剰量の粉末NaOH(60g)を添加した。該混合物を
加熱溶融させ、生成物を15mm Hg(bp.70℃)にて真空
蒸留して20.3gの粗生成物を無色油状物として得た。該
油状物を金属ナトリウムの小片の添加により乾燥させ、
常圧にて分画蒸留して11.6g(収率65%)の生成物を無
色油状物として得た。
bp118−25℃;[α]d 20=+32.6゜(C=0.01,C6H6);
1H NMR(CDCl3)δ1.06(d,J=6.3Hz,3H),1.35(br,
s,4H),2.45(m,1H),2.68(dd,J=12.5,4.5Hz,1H),2.
84(m,1H) B.N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−(S)−1,2
−ジアミノプロパンの合成 CH2Cl2(250ml)中のp−トルエンスルホニルクロラ
イド(60.2g、0.316mole)およびトリエチルアミン(3
2.0g、0.316mole)の撹拌溶液に、0゜にて乾燥アルゴ
ン雰囲気下で、温度を10℃以下の維持しつつ、例3Aのよ
うにして調製された(S)−1,2−ジアミノプロパン(1
1.2g、0.150mole)のCH2Cl2(75ml)の溶液を添加し
た。添加には1時間を要した。該混合物を室温まで昇温
せしめ、更に15時間撹拌した。次いで該混合物を氷(50
0g)に注ぎ、CH2Cl2層を分離した。CH2Cl2層を1N HC
l、H2Oおよび飽和NaCl溶液にて洗浄し、乾燥させた(Mg
SO4)。溶媒を減圧下で除去し、得られた黄色油状物を
ヘキサンにて洗浄した。該粗生成物をCH2Cl2−ヘキサン
からの再結晶により精製して、45.2g(収率79%)の生
成物を白色結晶性固体として得た。
mp120−1℃;[α]d 20=−42.6゜(C=0.01,C6H6);
1H NMR(CDCl3)δ1.00(d,J=6.8Hz,3H),2.42(s,6
H),2.85(m,1H),2.98(m,1H),3.32(m,1H),4.94
(d,J=7.5Hz,1H),5.14(t,J=6.6Hz,1H),7.30(m,4
H),7.72(m,4H) C.(S)−2−メチル−1,4,7,10,13−ペンタ(p−ト
ルエンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロ
ペンタデカンの合成 無水DMF(500ml)中の、例3Bのようにして調製された
N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−(S)−1,2−
ジアミノプロパン(19.1g、0.0500mole)の撹拌溶液
に、ナトリウムヒドリド(3.00g−鉱油中80%、0.100mo
le)を乾燥窒素ブランケット下で小分けに添加し、得ら
れた混合物を乾燥アルゴン下で30分間撹拌した。次いで
該溶液を100℃に加熱し、例2Cのようにして調製された
3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−3,6,9−ト
リアザウンデカン−1,11−ジ−p−トルエンスルホネー
ト(48.1g、0.0500mole)の無水DMF(250ml)の溶液
を、温度を100℃に保ちつつ3時間で滴々添加した。該
混合物を減圧下で300mlまで濃縮した。MeOH−H2Oの1:1
混合物(200ml)を室温にて徐々に添加して生成物を結
晶化させた。得られた固体をろ過して集め、H2Oにて充
分に洗浄した。次いで固体をCHCl3に溶解し、乾燥させ
(MgSO4)、溶媒を減圧下で除去して淡黄色の固体を得
た。粗生成物をCHCl3−MeOHから再結晶して、23.5g(収
率47%)の生成物を高密度の針状結晶として得た。
mp245−7℃;1H NMR(CDCl3)δ0.95(d,J=7.0Hz,3
H),2.43(s,3H),2.44(s,9H),2.45(s,3H),3.31
(m,18H),4.05(sext,J=5.9Hz,1H),7.33(m,10H),
7.69(m,10H) D.(S)−2−メチル−1,4,7,10,13−ペンタアザシク
ロペンタデカンの合成 例3Cのようにして調製した(S)−2−メチル1,4,7,
10,13−ペンタ(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,10,
13−ペンタアザシクロペンタデカン(22.9g、0.0229mol
e)および濃H2SO4(85ml)の混合物を、乾燥アルゴン雰
囲気下で撹拌しつつ100℃にて71時間撹拌した。得られ
た褐色溶液にエタノール(100ml)を撹拌しつつ、0℃
にて滴々添加し、次いでエチルエーテル(11)を添加し
た。暗褐色の固体をろ過し、エチルエーテルにて十分に
洗浄した。次いで固体をH2O(100ml)に溶解し、得られ
た溶液をエチルエーテルにて洗浄した。溶液のpHを10N
NaOHにて11に調節し、減圧下で溶媒を除去した。エタ
ノール(2x500ml)を加え、減圧下で除去した。得られ
た褐色油状固体を熱THF(2x500ml)にて抽出し、ろ過し
た。ろ液を合わせ、溶媒を減圧下で除去した。残渣を熱
THF(100ml)に溶解させ、ろ過した。溶媒を減圧下で除
去して残渣をCHCl3に溶解させた。ろ過して濁りを除去
し、減圧下で溶媒を除去し、粗生成物を真空蒸留して淡
黄色の油状物を得、これを静置して結晶化させた。この
物質を、更に冷(−20℃)CH3CNから再結晶して精製
し、641mg(収率12%)の生成物を白色の結晶性固体と
して得た。
mp 87−9℃;[α]d 20=+37.2゜(C=0.01,C
6H6);1H NMR(CDCl3)δ1.02(d,J=6.3Hz,3H),1.81
(br,s,5H),2.37(m,1H),2.75(m,18H);正確な質量
(M+Li)+:理論値、236.2426;実験値、236.2425(C11
H27N5Li) E.[マンガン(II)ジクロロ((S)−2−メチル−2,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]の合成 例3Dのようにして調製された(S)−2−メチル−1,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン(0.55g、2.
4mmole)および無水塩化マンガン(II)(0.30g、2.4mm
ole)の無水メタノール(60ml)の溶液を、乾燥窒素雰
囲気下で16時間還流させた。該溶液をろ過し、溶媒を減
圧下で除去した。残渣をTHF−エチルエーテルから再結
晶して、0.70g(収率82%)の生成物を白色結晶性固体
として得た。
[α]d 20=+22.6゜(C=0.005,MeOH);FAB質量分光
(NBA)m/z(相対強度)354(M+,3),319/321((M−C
l)+100/31);元素分析C11H27Cl2MnN5について理論
値、C、37.19;H、7.66;Cl、19.96;N、19.72 実験値、
C、36.90;H、7.84;Cl、19.74;N、19.42 例4 A.(R)−1,2−ジアミノプロパンの合成 THF(480ml、0.480mole)中の1.0Mのリチウムアルミ
ニウムヒドリド溶液をTHF(100ml)中のD−アラニンア
ミドハイドロクロライド(15.0g、0.120mole)の撹拌ス
ラリーに、室温にて乾燥アルゴン雰囲気下で、30分間で
添加した。該混合物を一夜還流した。次いで冷却後、H2
O(120ml)を用いて混合物をクェンチングした。沈殿
(LiCl)をろ過し、THF(300ml)、次いで熱メタノール
(2x600ml)にて洗浄した。ろ液および洗浄液を合わ
せ、濃HClを用いてpH1に酸性化し、溶媒を減圧下で除去
して、黄色の油状物を得た。該油状物をMeOH/エーテル
から結晶化して、9.97g(収率57%)の白色結晶性固体
を得た。
mp240−5℃;[α]d 20=+7.60゜(C=0.01,MeOH);
1H NMR(DMSO−d6)δ1.30(d,J=6.9Hz,3H),3.09(d
dのABq,δν=44.5Hz,J=13.5,6.2Hz,2H),3.52(m,1
H),8.59(br,s,6H) B.N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−(R)−1,2
−ジアミノプロパンの合成 例4Aのようにして調製された(R)−1,2−ジアミノ
プロパン(9.76g、66.4mmole)のエーテル(60ml)中の
懸濁物を、H2O(110ml)中のNaOH(13.3g、332mmole)
の撹拌溶液に0゜にて乾燥アルゴン雰囲気下に添加し
た。p−トルエンスルホニルクロライド(27.8g,146mmo
le)を生のままで0゜に保たれた混合物に小分けに添加
した。該混合物を室温まで昇温せしめ、更に一夜撹拌し
た。22時間撹拌後、CH2Cl2を添加刺した。層を分離し、
CH2Cl2層を回収した。水性層をCH2Cl2(2x75ml)にて抽
出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO4)、溶媒を
減圧下で除去し、白色固体を得た。該固体をCH2Cl2−ヘ
キサンから再結晶して、418.5g(収率73%)の生成物を
白色結晶性固体として得た。
mp121−3℃;[α]d 20=+48.56゜(C=0.01,CHC
l3);1H NMR(CDCl3)δ1.02(d,J=6.9Hz,3H),2.44
(s,6H),2.87(m,1H),2.98(m,1H),3.33(m,1H),4.
80(d,J=7.2Hz,1H),5.03(t,J=6.5Hz,1H),7.30(m,
4H),7.73(m,4H) C.(R)−2−メチル−1,4,7,10,13−ペンタ(p−ト
ルエンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロ
ペンタデカンの合成 無水DMF(480ml)中の、例4Bのようにして調製された
N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−(R)−1,2−
ジアミノプロパン(18.3g、47.8mmole)の撹拌溶液に、
ナトリウムヒドリド(2.87g−鉱油中80%、95.6mmole)
を乾燥窒素ブランケット下で室温にて添加した。H2発生
の完結後(60分)に、該溶液を100℃に加熱した。例2C
のようにして調製された3,6,9,−トリス(p−トルエン
スルホニル)−3,6,9−トリアザウンデカン−1,11−ジ
−p−トルエンスルホネート(46.0g、47.8mmole)の無
水DMF(240ml)中の溶液を、温度を100℃に保ちつつ3
時間で添加した。該混合物を100℃にて更に1.5時間加熱
した。冷却後に、該混合物を減圧下で250mlまで濃縮し
た。H2O/MeOHの1:1混合物(200ml)を滴々添加し、次い
でH2O(1500ml)を添加した。得られた沈殿をろ過して
集め、H2Oにて洗浄した。次いで固体を減圧下で乾燥さ
せ、CHCl3/MeOHから再結晶して、21.6g(収率45%)の
生成物を白色の結晶性固体として得た。
mp256−8℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.05(s,3H),2.42
(s,15H),3.15(m,19H),7.46(m,10H),7.58(m,10
H) D.(R)−2−メチル−1,4,7,10,13−ペンタアザシク
ロペンタデカンの合成 例4Cのようにして調製した(R)−2−メチル−1,4,
7,10,13−ペンタ(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,1
0,14−ペンタアザシクロペンタデカン(19.5g、19.4mmo
le)、フェノール(9.13g、97.0mmole)および酢酸(26
0ml)中の30%HBrの混合物を、封止したFischer−Porte
r瓶中で120℃にて21時間撹拌した。冷却後、1:1エタノ
ール/エチルエーテル(250ml)を添加し、次いでエー
テル(3000ml)を添加した。固体をろ過により回収し、
エチルエーテルにて洗浄した。次いで固体をH2O(1000m
l)に溶解し、水溶液をエチルエーテル(3x2000ml)に
て洗浄した。該水溶液を減圧下で50mlまで濃縮した。イ
ソプロパノール(900ml)を徐々に添加することにより1
0.6gのペンタハイドロブロマイド塩が沈殿した。この塩
をH2O(100ml)に溶解させ、10N NaOHを用いてpHを11
に調節し、溶媒を減圧下で除去して乾燥させた。次いで
エタノール(2x500ml)を添加し、減圧下で除去して乾
燥させた。得られた白色油状固体を熱THF(2x500ml)に
て抽出し、室温にてろ過した。ろ液を合わせ、溶媒を減
圧下で除去した。油状物をTHFに再溶解させ、不溶性の
不純物をろ過により除去した。溶媒を減圧下で除去し、
残渣をCH3CNに再溶解し、ろ過して濁りを除去した。粗
生成物を冷(−20℃)CH3CNから再結晶化して精製し、
0.762g(収率17%)の生成物を白色の結晶性固体として
得た。
mp88−89.5℃;[α]d 20=−38.6゜(C=0.01,ベンゼ
ン);1H NMR(CDCl3)δ1.02(d,J=6.2Hz,3H),1.68
(br,s,5H),2.36(m,1H),2.72(m,18H);正確な質量
(M+Li)+:理論値、230.2345;実験値、230.2354(C11
H27N5Li) E.[マンガン(II)ジクロロ((R)−2−メチル−1,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]の合成 例4Dのようにして調製された(R)−2−メチル−1,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン(0.600g、
2.6mmole)および無水塩化マンガン(II)(0.33g、2.6
mmole)の無水MeOH(50ml)の溶液を、乾燥窒素雰囲気
下で12時間還流させた。冷却後、該溶液を珪藻土を通し
てろ過し、減圧下で濃縮した。エチルエーテルを添加し
て結晶化を誘発した。結晶をろ過により回収し、エチル
エーテルにて洗浄し、乾燥させて、680mg(収率73%)
の生成物を白色結晶性固体として得た。
[α]d 20=−21.0゜(C=0.005,MeOH);FAB質量分光
(NBA)m/z(相対強度)354(M+,2),319/321((M−C
l)+100/31);元素分析C11H27Cl2MnN5について理論
値、C、37.30;H、7.40;N、19.77 実験値、C,36.72;
H、7.69;N、18.82 例5 A.1,2−ジアミノ−4−メチルペンタンジヒドロクロラ
イドの合成 無水THF(500ml)中のD,L−ロイシンアミドハイドロ
クロライド(50.0g、0.300mole)のスラリーに、室温に
て乾燥アルゴン雰囲気下で、リチウムアルミニウムヒド
リド(1200ml−THF中1.0M、1.20mole)の溶液を15分間
で添加した。該混合物を8時間還流し、次いで氷浴にて
冷却しつつ、H2O(200ml)を滴下することによってクェ
ンチングした。該混合物をろ過して固体を除き、ろ液を
保持した。固体をTHF(100ml)にて洗浄し、熱THF(2x
1.0リットル)中にスラリー化した。THFのろ液および洗
浄液を合わせ、固体を廃棄した。THF溶液を、濃HClにて
pH1に酸性化した。溶媒を減圧下で除去して、淡黄色の
油状物を得た。該油状物をエタノールに溶解させ、溶媒
を減圧下で除去し、油状物を得、これを結晶化させた。
粗製の物質をMeOH−エチルエーテルから再結晶すること
により精製し、42.3g(収率75%)の生成物を白色の結
晶性固体として得た。
mp228−30℃;1H NMR(DMSO−d6)δ0.89(d,J=6.5Hz,
3H),0.90(d,J=6.5Hz,3H),1.51(t,J=7.2Hz,2H),
1.75(Sept,J=6.7Hz,1H),3.08(m,2H),3.49(m,1H) B.N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジアミ
ノ−4−メチルペンタンの合成 5NのNaOH(100ml)の撹拌溶液に例5Aのようにして調
製された1,2−ジアミノ−4−メチルペンタジビドロク
ロライド(42.3g、0.223mole)を添加した。得られた溶
液をNaClにて飽和させ、アミンをCH2Cl2(2x200ml)に
て抽出した。抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO4)、減
圧下で200mlの体積まで低減させた。次いでこの溶液
を、CH2Cl2(400ml)中のp−トルエンスルホニルクロ
ライド(89.4g、0.469mole)およびトリエチルアミン
(47.5g、0.469mole)の撹拌溶液に、0℃にて滴々添加
した。添加には1時間を要した。該混合物を室温まで昇
温せしめ、更に19時間撹拌した。次いで該混合物を氷
(1000g)に注ぎ、CH2Cl2層を分離した。CH2Cl2層を1N
HCl、H2Oおよび飽和NaCl溶液にて洗浄し、乾燥させた
(MgSO4)。溶媒を減圧下で除去し、得られた黄色油状
物をヘキサンにて洗浄した。粗生成物をCH2Cl2−ヘキサ
ンから再結晶して精製し、67.9g(収率72%)を白色結
晶性固体として得た。
mp138−40℃;1H NMR(CDCl3)δ0.53(d,J=6.5Hz3
H),0.68(d,J=6.5Hz,3H),1.21(m,2H),1.34(sept,
J=6.6Hz,1H),2.43(s,6H),2.87(m,1H),3.02(m,1
H),3.18(m,1H),4.74(d,J=7.5Hz,1H),5.16(t,J=
6.3Hz,1H),7.30(d,J=8.8Hz,4H),7.72(m,4H) C.2−(2−メチルプロピル)−1,4,7,10,13−ペンタ
(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカンの合成 無水DMF(500ml)中の、例5Bのようにして調製された
N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジアミノ
−4−メチルペンタン(21.2g、0.0500mole)の撹拌溶
液に、ナトリウムヒドリド(3.00g−鉱油中80%、0.100
mole)を乾燥窒素ブランケット下で小分けに添加した。
得られた混合物を乾燥アルゴン雰囲気下で30分間撹拌し
た。次いで該溶液を100℃に加熱し、例2Cのようにして
調製された3,6,9,−トリス(p−トルエンスルホニル)
−3,6,9−トリアザウンデカン−1,11−ジ−p−トルエ
ンスルホネート(48.1g、0.000mole)の無水DMF(250m
l)中の溶液を、温度を100℃に保ちつつ3時間で滴々添
加した。該溶液を100℃にて更に1時間撹拌後、溶媒を
減圧下で除去して300mlまで濃縮した。H2O−MeOHの1:1
混合物(200ml)、次いでH2O(1.41)を室温にて徐々に
添加し、生成物を結晶化させた。得られた固体をろ過
し、H2Oにて十分に洗浄した。次いで固体をCHCl3に溶解
させ、乾燥させ(MgSO4)、溶媒が減圧下で除去してガ
ラス様黄色固体を得た。粗生成物をCHCl3−MeOHから再
結晶して、14.2g(収率27%)の生成物を無色針状結晶
として得た。
mp142−5℃;1H NMR(CDCl3)δ0.80(d,J=5.9Hz,3
H),0.83(br s,3H),1.26(br s,1H),1.37(br s,
2H),2.40(s,3H),2.44(s,3H),2.45(s,3H),2.46
(s,6H),3.17(br m,18H),4.28(br s,1H),7.32
(m,10H),7.71(m,10H) D.2−(2−メチルプロピル)−1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカンの合成 例5Cのようにして調製した2−(2−メチルプロピ
ル)−1,4,7,10,13−ペンタ(p−トルエンスルホニ
ル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン(1
4.1g、0.0135mole)および濃H2SO4(50ml)の混合物
を、乾燥アルゴン雰囲気下で撹拌しつつ100℃にて69時
間撹拌した。得られた褐色溶液にエタノール(70ml)を
撹拌しつつ、0℃にて滴々添加し、次いでエチルエーテ
ル(11)を添加した。褐色固体をろ過し、エチルエーテ
ルにて十分に洗浄した。次いで固体をH2O(100ml)に溶
解し、得られた溶液をエチルエーテルにて洗浄した。少
量の固体をろ過により除去し、pHを10N NaOHにて10−1
1に調節し、減圧下で溶媒を除去した。エタノール(2x5
00ml)を加え、減圧下で除去した。得られた褐色油状固
体を熱THF(2x500ml)にて抽出し、室温にてろ過した。
ろ液を合わせ、溶媒を減圧下で除去し、残渣をTHFに溶
解させ、ろ過した。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を
淡黄色の油状物として得、次いでこれをCH3CNに溶解さ
せ、ろ過して不溶性不純物を除去した。ろ液を冷却する
ことにより結晶化が起こった。冷(−20℃)CH3CNから
再結晶して、715mg(収率20%)の生成物を白色の結晶
性固体として得た。
mp 70−6℃;1H NMR(CDCl3)δ0.89(d,J=6.5Hz,3
H),0.90(d,J=6.6Hz,3H)、1.13(m,1H),1.39(m,1
H),1.64(sept,J=6.3Hz,1H),2.05(br s,5H),2.34
(m,1H),2.75(m,18H);正確な質量(M+Li)+:理論
値、278.2896;実験値、278.2919(C14H33N5Li) E.[マンガン(II)ジクロロ(2−(2−メチルプロピ
ル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカ
ン)]の合成 例5Dのようにして調製された2−(2−メチルプロピ
ル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン
(0.66g、2.4mmole)および無水塩化マンガン(II)
(0.31g、2.4mmole)の無水メタノール(40ml)の溶液
を、乾燥窒素雰囲気下で一夜還流させた。該溶液をろ過
し、減圧下で溶媒を除去した。得られた黄色固体THF−
エチルエーテルから再結晶して、0.46g(収率48%)の
生成物をくすんだ白色の固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)396(M+,1),361/3
63((M−Cl)+84/26),272[(M−MnCl2+H)+10
0];元素分析C14H33Cl2MnN5について理論値、C、42.3
3;H、8.37;N、17.63 実験値、C、41.90;H、8.22;N、1
7.30 例6 A.1,2−ジアミノ−3−フェニルプロパンの合成 無水THF(200ml)中のD,L−フェニルアラニンアミド
ハイドロクロライド(50.0g、0.249mole)のスラリー
に、室温にて乾燥アルゴン雰囲気下で、リチウムアルミ
ニウムヒドリド(1000ml−THF中1.0M、1.00mole)の溶
液を30分間で添加した。該混合物を7.5時間還流し、次
いで氷浴にて冷却しつつ、H2O(200ml)を滴下すること
によってクェンチングした。固体をろ別し、熱THF(2x5
00ml)、次いで熱メタノール(2x500ml)にて洗浄し
た。ろ液および洗浄液を合わせ、減圧下で溶媒を除去し
た。得られた黄色油状物をCHCl3に溶解させ、該溶液を
ろ過し、乾燥させた(MgSO4)。溶媒を減圧下で除去
し、粗生成物を34.6g(収率92%)の黄色油状物として
得、これを静置して結晶化させた。1 H NMR(CDCl3)δ1.68(br s,4H),2.51(m,2H),2.
79(m,2H),2.95(m,1H),7.24(m,5H) B.N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジアミ
ノ−4−メチルペンタンの合成 CH2Cl2(350ml)中のp−トルエンスルホニルクロラ
イド(92.0g、0.482mole)およびトリエチルアミン(4
8.8g、0.482mole)の撹拌溶液に、0℃にて乾燥アルゴ
ン雰囲気下で、温度を10℃以下に維持しつつ例6Aのよう
にして調製された1,2−ジアミノ−3−フェニルプロパ
ン(34.5g、0.230mole)を添加した。添加には1時間を
要した。該混合物を室温まで昇温せしめ、更に15時間撹
拌した。次いで該混合物を氷(500g)に注ぎ、CH2Cl2
を分離した。CH2Cl2層を1N HCl、H2Oおよび飽和NaCl溶
液にて洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。溶媒を減圧下で
除去し、得られた黄色油状物をヘキサンにて洗浄した。
粗生成物をCH2Cl2−ヘキサンから再結晶して精製し、7
1.4g(収率68%)を結晶性固体として得た。
mp128−31℃;1H NMR(CDCl3)δ2.42(s,3H),2.43
(s,3H),2.69(ddのABq,δν=44.0Hz,J=14.0,6.6Hz,
2H),3.02(m,2H),3.36(hex,J=6.6Hz,2H),4.85(d,
J=6.6Hz,1H)、5.16(t,J=6.5Hz,1H),6.87(m,2H),
7.15(m,5H),7.29(m,2H),7.50(m,2H),7.70(m,2
H) C.2−フェニルメチル−1,4,7,10,13−ペンタ(p−トル
エンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペ
ンタデカンの合成 無水DMF(1500ml)中の、例6Bのようにして調製され
たN,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジアミ
ノ−3−フェニルプロパン(68.8g、0.150mole)の撹拌
溶液に、ナトリウムヒドリド(9.00g−鉱油中80%、0.3
00mole)を乾燥窒素ブランケット下で小分けに添加し
た。得られた混合物を乾燥アルゴン雰囲気下で室温にて
2時間撹拌した。形成された固形の白色結晶物質を、該
混合物を50℃に加熱することにより部分的に可溶化し、
次いで1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサイクロデカン(7
9.6g、0.300mole)、続いて無水DMF(1500ml)を添加し
た。次いで薄いスラリーを100℃に加熱し、無水DMF(75
0ml)中の、例2Cのようにして調製された3,6,9−トリス
(p−トルエンスルホニル)−3,6,9−トリアザウンデ
カン−1,11−ジ−p−トルエンスルホネート(144g、0.
150mole)を、温度を100℃に維持しつつ5時間で滴々添
加した。該溶液を100℃にて更に15時間撹拌後、該混合
物を減圧下で11まで濃縮した。MeOH−H2Oの2:1混合物
(500ml)、次いでH2O(3.51)を0℃にて徐々に添加
し、生成物を結晶化させた。得られた黄褐色固体をろ過
し、H2Oにて十分に洗浄した。次いで固体をDMF−H2Oか
ら再結晶し、更にCHCl3に溶解させた。CHCl3溶液をH2O
にて洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を減圧下で除去
して黄色タールを得た。粗生成物をCHCl3−MeOHから再
結晶して、59.6g(収率37%)の生成物をくすんだ白色
の結晶性固体として得た。
mp288−92℃;1H NMR(CDCl3)δ2.38(s,3H),2.41
(s,3H),2.44(s,3H),2.46(s,6H),3.28(m,21H),
7.15(m,2H),7.22(m,7H),7.34(m,8H),7.67(m,8
H) D.2−フェニルメチル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロ
ペンタデカンの合成 例6Cのようにして調製した2−フェニルメチル−1,4,
7,10,13−ペンタ(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,1
0,13−ペンタアザシクロペンタデカン(20.0g、0.0186m
ole)、フェノール(8.75g、0.0929mole)および氷酢酸
(250ml)中の30%HBrの混合物を、封止した2本の試験
管中で暗室内にて120℃で16時間加熱した。室温まで冷
却後、エタノールおよびエチルエーテルの1:1混合物(2
50ml)をそれぞれの試験管に添加した。暗褐色の固体を
ろ過し、エチルエーテルにて十分に洗浄した。次いで油
状固体をH2O(11)に溶解し、得られた溶液をエチルエ
ーテルにて洗浄した。該溶液を減圧下で250mlまで濃縮
した。イソプロパノール(11)を添加することによりペ
ンタハイドロブロマイド塩を結晶化させ、次いで5℃に
冷却した。このペンタハイドロブロマイド塩(21.2g)
をH2O(50ml)に溶解させ、得られた溶液をエチルエー
テルにて洗浄した。該溶液のpHを10N NaOHを用いて11
に調節し、溶媒を減圧下で除去した。次いでエタノール
(2x500ml)を添加し、減圧下で除去した。得られた褐
色油状固体を熱THF(2x500ml)にて抽出し、室温にてろ
過した。ろ液を合わせ、溶媒を減圧下で除去し、油状物
をTHFに再溶解させた。ろ過後、溶媒を減圧下で除去し
た。残渣をCH3CN−THFの1:1混合物に再溶解し、ろ過し
た。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を冷(−20℃)CH
3CNから再結晶化して精製し、4.47g(収率39%)の生成
物をくすんだ白色の結晶性固体として得た。
mp 98−100℃;1H NMR(CDCl3)δ1.75(br s,5H),
2.35(m,1H),2.73(m,20H),7.22(m,5H);元素分析C
17H31N5について理論値、C、66.84;H、10.23;N、22.93
実験値、C、66.86;H、10.26;N、23.32 E.[マンガン(II)ジクロロ(2−フェニルメチル)−
1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]の合
成 例6Dのようにして調製された2−フェニルメチル−1,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン(1.5g、4.9
mmole)および無水塩化マンガン(II)(0.62、4.9mmol
e)の無水メタノールの溶液を、乾燥窒素雰囲気下で一
夜還流させた。該溶液をろ過し、減圧下で溶媒を除去し
た。得られた黄色ゴム状固体をアセトン中で激しく撹拌
することにより精製し、1.89g(収率89%)の生成物を
白色の固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)395/397[(M−C
l)+100/31);元素分析C17H31Cl2MnN5について理論
値、C、47.34;H、7,24;Cl、16.44;N、16.24 実験値、
C、46.84;H、7.51;Cl、16.38;N、15.86 例7 A.2−シクロヘキシルメチル−1,4,7,10,13−ペンタアザ
シクロペンタデカンの合成 例6Dのようにして調製された2−フェニルメチル−1,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン(1.00g、3.
27mmole)、MeOH(400ml)および2N HCl(10.0ml)の
撹拌溶液に、炭素上の5%ロジウム(1.00g)を添加し
た。該混合物を60psiにて水素添加した。該容器を周期
滴に60psiまで再加圧した。10日後に水素の取り込みが
停止し、11日目に触媒をろ別し、溶媒を減圧下で除去し
て黄色固体を得た。粗製のペンタハイドロクロライド塩
をMeOH−エチルエーテルからの結晶化により精製して、
1.43gの塩をくすんだ白色の針状結晶として得た。該塩
をH2O(10ml)に溶解させ、溶液のpHを10N NaOHを用い
てpH10−11に調節した。溶媒を減圧下で除去した。エタ
ノール(2x100ml)を添加し、減圧下で除去した。得ら
れた油状固体を熱THF(2x250ml)にて抽出し、ろ過し
た。ろ液を合わせ、減圧下で溶媒を除去した。得られた
黄色油状物をCH3CNに溶解させ、溶液をろ過した。−20
℃に冷却することにより結晶化が起きた。冷(−20℃)
CH3CNから再結晶して486mg(収率48%)の生成物をくす
んだ白色の結晶性固体として得た。
mp 87−9℃;1H NMR(CDCl3)δ0.89(m,2H),1.20
(m,6H),1.42(m,1H),1.70(m,9H),2.31(m,1H),2.
68(m,17H),2.86(m,1H);正確な質量(M+H)+:理
論値、312.3127;実験値、312.3172(C17H38N5) B.[マンガン(II)ジクロロ(2−シクロヘキシルメチ
ル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]
の合成 例7Aのようにして調製された2−シクロヘキシルメチ
ル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン(0.4
3g、1.4mmole)および無水塩基マンガン(II)(0.17
g、1.4mmole)の無水メタノール(30ml)の溶液を、乾
燥窒素雰囲気下で一夜還流させた。該溶液をろ過し、減
圧下で3mlまで濃縮した。エチルエーテル(20ml)を添
加した。0℃に冷却して、0.39g(収率65%)の生成物
を白色の固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)401/403[(M−C
l)+100/33];元素分析C17H37Cl2MnN5について理論値;
C、46.69;H、8.53;N、16.09、実験値:C、45.87;H、8.4
0;N、15.55 例8 [マンガン(II)ジアセテート(1,4,7,10,13−ペンタ
アザシクロペンタデカン)]の合成 例1Eのようにして調製された1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカン(1.0g、4.7mmole)および無水酢
酸マンガン(II)(0.80g、4.7mmole)の、無水メタノ
ール中の溶液を、乾燥窒素雰囲気下で一夜還流させた。
溶媒を減圧下で除去し、得られた油状物をエチルエーテ
ル(30ml)に溶解させた。該溶液をろ過して濁りを取
り、蒸発させつつ冷却し、0.85g(収率47%)の生成物
を白色の結晶性固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)329((M−OA
c)+,100);元素分析C14H31MnN5O4について理論値、
C、43.30;H、8.05;N、18.03 実験値、C、42.80;H、
7.92;N、17.78 例9 [マンガン(II)ナイトレート(1,4,7,10,13−ペンタ
アザシクロペンタデカン)]ナイトレートの合成 例1Eのようにして調製された1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカン(0.50g、2.3mmole)および無水
硝酸マンガン(II)テトラハイドレート(0.61g、2.3mm
ole)の、無水メタノール(50ml)中の溶液を、乾燥窒
素雰囲気下で2時間還流させた。溶媒をろ過し、減圧下
で10mlまで濃縮した。該溶液を加温し、エチルエーテル
(10ml)を添加した。該溶液を室温に冷却することによ
り結晶化が起こり、0.80g(収率87%)の生成物を無色
の大型結晶として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)332((M−N
O3+,100);元素分析C10H25MnN7O6について理論値、
C、30.46;H、6.39;N、24.87 実験値、C、31.09;H、
6.33;N、25.34 比較例10−26 別の窒素含有大環状リガンドのマンガン(II)錯体
を、示される方法に従って調製した。これらの化合物
は、例43に示すように例1−9および27−42の化合物と
比較される。結果は、表1に示される。
例10 A.1,5,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,5,9−
トリアザノナンの合成 ピリジン(600ml)中のp−トルエンスルホニルクロ
ライド(240g、1.26mole)の撹拌溶液に、0℃にてピリ
ジン(100ml)中の1,5,9−トリアザノナン(50.0g、0.3
81mole)の溶液を、乾燥窒素雰囲気下で温度を10℃以下
に維持しつつ添加した。添加には15分間を要した。溶媒
を減圧下で除去し、得られた黄色油状物を酢酸エチル
(11)およびH2O(500ml)に溶解させた。酢酸エチル層
を分離し、0.1N HCl、H2Oおよび飽和NaCl溶液にて洗浄
し、乾燥させた(MgSO4)。該溶液をシリカゲルにて脱
色し、溶媒を減圧下で除去し、133g(収率59%)の粗生
成物をガラス状固体として得た。1 H NMR(CDCl3)δ1.71(quint,J=6.6Hz,4H),2.42
(s,6H),2.43(s,3H),2.96(quart,J=6.4Hz,4H),3.
11(t,J=6.8Hz,4H),5.12(t,J=6.6Hz,2H),7.30(m,
6H),7.63(m,2H),7.73(m,4H)B.1,5,9−トリス(p
−トルエンスルホニル)−1,5,9−トリアザノナン−1,9
−ジナトリウム塩の合成 エタノール(300ml)中の、例10Aのようにして調製さ
れた1,5,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,5,9
−トリアザノナン(133g、0.223mole)の還流下、乾燥
アルゴン雰囲気下にて撹拌溶液に、ナトリウムエトキシ
ド(エタノール(300ml)に金属ナトリウム(10.8g、0.
469mole)を溶解させて調製した)を極力迅速に添加し
た。エタノール(500ml)を添加後、該混合物を還流下
で加熱した。該混合物を室温まで冷却せしめ、エチルエ
ーテル(200ml)を添加した。結晶を窒素ブランケット
下でろ過し、エタノールおよびエチルエーテルにて洗浄
し、減圧下で乾燥させて、130g(収率92%)の生成物を
くすんだ白色の粉末として得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.37(br quint,J=5.1Hz,,4
H),2.29(s,6H),2.37(s,3H),2.48(t,J=6.3Hz,4
H),3.09(t,J=7.2Hz,4H),7.14(d,J=7.7Hz,4H),7.
33(d,J=8.1Hz,2H),7.52(d,J=8.1Hz,4H),7.58(d,
J=8.3Hz,2H) C.4−アザヘプタン−1,7−ジオールの合成 この化合物は、Alcock,N.,Curzon,E.,Moore,P.,Oman,
H.およびPierpoint,C.,J.Chem.Soc.Dalton Trans.,136
1−4(1985)の方法に従って合成された。3−アミノ
−1−プロパノール(50.0g、0.666mole)を乾燥アルゴ
ン雰囲気下、0℃にて撹拌しつつ、アクリレート(57.3
g、0.666mole)を0℃に保ちつつ滴々添加した。添加に
は1時間を要した。次いで該混合物を室温にて更に1時
間撹拌し、定量滴収率をもって、3−(−ヒドロキシプ
ロピルアミノ)メチルプロパノエートを淡黄色油状物と
して得、これを精製することなく次の工程にて使用し
た。
THF中のリチウムアルミニウムヒドリド(666ml−1.0M
溶液、0.666mole)の撹拌溶液に、0℃にて乾燥アルゴ
ン雰囲気下で、上記で調製されたエステル(107g、0.66
6mole)の無水THF(300ml)中の溶液を温度を10℃以下
に保ちつつ滴々添加した。添加には2.5時間を要した。
混合物を室温まで加温せしめて1時間攪拌し、次いで1
時間還流した。該混合物を室温にて更に18時間撹拌した
後に、H2O(20ml)、次いで15%NaOH(20ml)、更にH2O
(40ml)を滴々添加した。白色の固体をろ過して除去し
た。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を粘性の黄色油
状物として得た。分画真空蒸留により53.6g(収率60
%)の生成物を無色油状物として得た。
bp145℃(0.4mmHg):1H NMR(CDCl3)δ1.71(quint,J
=6.0Hz,4H),2.82(t,J=6.1Hz,4H),3.05(br s,3
H),3.76(t,J=5.6Hz,4H) D.4−(p−トルエンスルホニル)−4−アザヘプタン
−1,7−ジ−p−トルエンスルホネートの合成 CH2Cl2(1.0リットル)中のp−トルエンスルホニル
クロライド(253g、1.33mmole)およびトリエチルアミ
ン(143g、1.41mole)の撹拌溶液に、0℃にて乾燥アル
ゴン雰囲気下で、温度を10℃以下に維持しつつ、CH2Cl2
(350ml)中の、例10Cのようにして調製された4−アザ
ヘプタン−1,7−ジオール(53.6g、0.402mole)を添加
した。添加には15分間を要した。該混合物を室温まで昇
温せしめ、更に22時間撹拌した。次いで該混合物を氷
(1000g)に注ぎ、CH2Cl2層を分離した。CH2Cl2層を1N
HCl、H2Oおよび飽和NaCl溶液にて洗浄し、乾燥させた
(MgSO4)。溶媒を減圧下で除去し、得られた黄色油状
物をヘキサンにて洗浄した。粗生成物を酢酸エチル−ヘ
キサンから再結晶して精製し、196g(収率82%)の生成
物を無色針状結晶として得た。
mp76−8℃;1H NMR(CDCl3)δ1.86(quint,J=8.4Hz,
4H),2.43(s,3H),2.46(s,6H),3.08(t,J=8.5Hz,4
H),4.03(t,J=6.1Hz,4H),7.34(d,J=8.1Hz,2H),7.
36(d,J=8.3Hz,4H),7.61(d,J=8.3Hz,2H),7.78(d,
J=8.3Hz,4H) E.1,5,9,13−テトラ(p−トルエンスルホニル)−1,5,
9,13−テトラアザシクロヘキサデカンの合成 無水DMF(470ml)中の、例10Bの様にして調製された
1,5,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,5,9−ト
リアザノナン−1,9−二ナトリウム塩(30.0g、0.047mol
e)の撹拌溶液に、100℃にて乾燥アルゴン雰囲気下で、
無水DMF(230ml)中の例10Dの様にして調製された4−
(p−トルエンスルホニル)−4−アザヘプタン−1,7
−ジ−p−トルエンスルホネート(28.0g、0.0470mol
e)の溶液を、100℃にて3時間で滴々添加した。該溶液
を更に100℃にて1時間撹拌後、該混合物を減圧下で250
mlまで濃縮した。H2O(1750ml)を、50℃にて徐々に添
加して、生成物を結晶化させた。得られた淡黄色の固体
をろ過し、H2Oにて充分に洗浄し、減圧下で乾燥させ
た。固体をCHCl3二溶解させ、該溶液をろ過した。溶媒
を減圧下で除去した。粗生成物をDMF−エタノールから
の再結晶により精製して、33.7g(収率85%)の生成物
を白色結晶性固体として得た。
mp283.5−5℃;1H NMR(CDCl3)δ2.03(quint,J=7.0
Hz,8H),2.45(s,12H),3.13(t,J=6.7Hz,16H),7.37
(d,J=8.1Hz,8H),7.67(d,J=8.3Hz,8H) F.1,5,9,13−テトラアザシクロヘキサデカンの合成 例10Eの様にして調製された1,5,9,13−テトラ(p−
トルエンスルホニル)−1,5,9,13−テトラアザシクロヘ
キサデカン(33.7g、0.0399mole)および濃H2SO4(100m
l)の混合物を、100℃にて撹拌しつつ乾燥アルゴン雰囲
気下で72時間撹拌した。得られた褐色溶液に、撹拌しつ
つエタノール(200ml)、次いでエチルエーテル(500m
l)を0℃にて滴々添加した。黄褐色の固体をろ過し、
エチルエーテルにて十分に洗浄した。次いで固体をH2O
(50ml)に溶解させ、固体NaOHにてpHを11に調整し、溶
媒を減圧下で除去した。得られた褐色の油状固体を熱TH
F(4x100ml)にて抽出し、抽出物をろ過した。ろ液を合
わせ、ろ過して濁りを除去した。溶媒を減圧下で除去
し、粗生成物をCHCl3−エチルエーテルからの再結晶に
て精製して4.29g(収率47%)の生成物を無色プリズム
晶として得た。
mp84−6℃;1H NMR(CDCl3)δ1.54(br s,4H),1.70
(quint,J=6.0Hz,8H),2.72(t,J=6.1Hz,16H);正確
な質量(M+H)+:理論値;229.2391:実験値;229.2417
(C12H29N4) G.[マンガン(II)1,5,9,13−テトラアザシクロヘキサ
デカン)]クロライドの合成 例10Eのようにして調製された1,5,9,13−テトラアザ
シクロヘキサデカン(1.0g、4.4mmole)および無水塩化
マンガン(II)(0.55g、4.4mmole)の、無水メタノー
ル(60ml)中の溶液を、乾燥窒素雰囲気下で1時間還流
させた。ろ過して濁りを除去し、減圧下で溶媒を除去し
た。残渣をエタノールペチルエーテルから再結晶して0.
51g(収率33%)の生成物を白色結晶性固体として得
た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)354(M+,7),318/3
20((M−Cl)+,100/27);元素分析C12H28Cl2MnN4
ついて理論値、C、40.69;H、7.97;N、15.82;Cl、20.02
実験値、C、40.66;H、7.89;N、16.59;Cl、20.05 例11 A.1,5,8,12−テトラ(p−トルエンスルホニル)−1,5,
8,12−テトラアザドデカンの合成 ピリジン(1.5リットル)中の、p−トルエンスルホ
ニルクロライド(460g、2.41mole)の撹拌溶液に、0℃
にて乾燥アルゴン雰囲気下で、ピリジン(100ml)中の
1,5,8,12−テトラアザドデカン(100g、0.574mole)の
溶液を、温度を50℃以下に維持しつつ添加した。添加に
は1時間を要した。該混合物を室温まで冷却せしめ、2
時間撹拌した。冷却した(氷浴)混合物にH2O(3リッ
トル)を徐々に添加した。得られた褐色の固体をろ過
し、H2Oにて充分に洗浄した。粗生成物をDMF−H2Oから
の再結晶により精製して、238g(収率53%)の生成物を
粗製の顆粒状固体として得た。
mp141−2℃;1H NMR(CDCl3)δ1.78(quint,J=6.2H
z,4H),2.41(s,6H),2.43(s,6H)、2.97(quart,J=
6.6Hz,4H),3.15(t,J=6.6Hz,4H),3.22(s,4H),5.31
(t,J=6.5Hz,2H),7.28(d,J=8.3Hz,4H),7.32(d,J
=8.3Hz,4H),7.66(d,J=8.3Hz,4H),7.72(d,J=8.3H
z,4H) B.3−(p−トルエンスルホニル)−3−アザペンタン
−1,5−ジ−p−トルエンスルホネートの合成 無水CH2Cl2(1.5リットル)中の、p−トルエンスル
ホニルクロライド(598g、3.14mole)およびトリエチル
アミン(318g、3.14mole)の撹拌溶液に、5℃にて乾燥
アルゴン雰囲気下で、無水CH2Cl2(50ml)中のジエタノ
ールアミン(100g、0.951mole)の溶液を、温度を10℃
以下に維持しつつ添加した。添加に45分間を要した。該
混合物を室温まで昇温せしめ、更に18時間撹拌した。次
いでH2O(1.5リットル)を添加し、CH2Cl2層を分離し、
10%HClおよびH2Oにて洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。
溶媒を減圧下で除去し、くすんだ白色の固体を得た。粗
生成物を酢酸エチル−ヘキサンからの再結晶により精製
して、329g(収率61%)の生成物を白色粉末として得
た。
mp86−7.5℃;1H NMR(CDCl3)δ2.42(s,3H),2.46
(s,6H),3.37(t,J=6.0Hz,4H),4.11(t,J=6.0Hz,4
H),7.29(d,J=7.7Hz,2H),7.36(d,J=8.0Hz,4H),7.
62(d,J=8.4Hz,2H),7.77(d,J=8.3Hz,4H) C.1,4,7,11,14−ペンタ(p−トルエンスルホニル)−
1,4,7,11,14−ペンタアザシクロペンタデカンの合成 無水DMF(470ml)中の、例11Aのように調製された1,
5,8,12−テトラ(p−トルエンスルホニル)−1,5,8,12
−テトラアザドデカ](36.9g、0.0467mole)の撹拌溶
液に、ナトリウムヒドリド(2.80g−鉱油中80%、0.093
3mole)を乾燥窒素ブランケット下で小分けに添加し
た。得られた混合物を乾燥アルゴン雰囲気にて30分間撹
拌した。次いで溶液を100℃に加熱し、無水DMF(230m
l)中の例11Bのように調製された3−(p−トルエンス
ルホニル)−3−アザヘプタン−1,5−p−トルエンス
ルホネート(26.5g、0.0467mole)を、温度を100℃に維
持しつつ3時間で滴々添加した。該溶液を100℃にて更
に1時間撹拌後、該混合物を減圧下で400mlまで濃縮し
た。H2O(1.5リットル)を室温にて徐々に添加して生成
物を結晶化させた。得られた淡黄色固体をろ過し、H2O
にて充分に洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物をCH
2Cl2−ヘキサンからの再結晶により精製して26.3g(55
%)の生成物を白色結晶性固体として得た。
mp235.5−6.5℃;1H NMR(CDCl3)δ2.09(quint,J=6.
6Hz,4H),2.44(s,6H),2.45(s,6H),2.45(s,3H),3.
04(t,J=7.5Hz,4H),3.11(t,J=7.1Hz,4H),3.23(m,
8H),3.45(m,4H),7.33(m,10H) D.1,4,7,11,14−ペンタアザシクロヘプタデカンの合成 例11Cの様に調製された1,4,7,11,14−ペンタ(p−ト
ルエンスルホニル)−1,4,7,.11,14−ペンタアザシクロ
ペンタデカン(26.3g、0.0258mole)および濃H2SO4(80
ml)の混合物を、100℃にて撹拌しつつ乾燥アルゴン雰
囲気にて72時間撹拌した。得られた褐色の溶液に、0℃
にて撹拌しつつ、エタノール(160ml)、次いでエチル
エーテル(400ml)を滴々添加した。得られた黄褐色固
体をろ過し、減圧下、P2O5にて乾燥させた。次いでター
ル状の固体を10N NaOHの添加により溶解させ、塩をろ
過して除去した。次いで溶液をCHCl3(6x200ml)にて抽
出した。抽出物を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を
減圧下で除去して油状物を得、これを静置して結晶化さ
せた。粗生成物をヘキサンに溶解させ、不溶性の不純物
をろ過により除去した。−20℃に冷却して2.28g(収率3
6%)の生成物を無色の針状晶を得た。
mp49−51℃;1H NMR(CDCl3)δ1.69(m,4H),1.78(br
s,5H),2.67(m,20H);正確な質量:(M+H)+:理
論値、244.2501;実験値、244.2557(C12H30N5) E.[マンガン(II)(1,4,7,11,14−ペンタアザシクロ
ヘプタデカン)]クロライドの合成 例11Dのようにして調製された1,4,7,11,14−ペンタア
ザシクロヘプタデカン(0.70g、2.9mmole)および無水
塩化マンガン(II)(0.36g、2.9mmole)の無水メタノ
ール(50ml)の溶液を、乾燥窒素雰囲気下で2時間還流
させた。該溶液をろ過し、減圧下で20mlまで濃縮した。
エチルエーテル(5ml)を添加し、0℃に冷却して、0.7
0g(収率75%)の生成物を白色の結晶性固体として得
た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)333/335[(M−C
l)+100/30];元素分析C12H29Cl2MnN5について理論
値、C、39.03;H、7.92;N、18.97;Cl、19.20 実験値、
C、38.72;H、7.78;N、19.54;Cl、18.53 例12 A.1,4,7,10,14−ペンタ(p−トルエンスルホニル)−
1,4,7,10,14−ペンタアザシクロヘプタデカンの合成 無水DMF(500ml)中の、例10Bのようにして調製され
た1,5,9,−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,5,9
−トリアザノナン−1,9−二ナトリウム塩(31.9g、0.05
00mole)の撹拌溶液に、無水DMF(500ml)中の例1Cのよ
うにして調製された3,6−ビス(p−トルエンスルホニ
ル)−3,6−ジアザオクタン−1,8−ジ−p−トルエンス
ルホネート(38.3g、0.0500mole)を乾燥アルゴン雰囲
気下、100℃に維持しつつ3時間で滴々添加した。100℃
にて更に1時間撹拌後、該溶液を減圧下で300mlまで濃
縮した。エタノール(500ml)を徐々に添加した。該混
合物を15分間還流させ、該スラリーにH2O(1リット
ル)を添加した。得られた黄色固体をろ過し、H2Oにて
充分に洗浄した。固体をCHCl3に溶解させた。CHCl3溶液
をH2Oおよび飽和NaCl溶液にて洗浄し、乾燥させた(Na2
SO4)。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をフラッシュ
クロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl3−97:3(v/v)CH
Cl3−MeOH勾配)にて精製して、28.5g(収率56%)の生
成物を無定型白色固体として得た。
Rf=0.16,シリカゲル−CHCl3;1H NMR(CDCl3)δ1.92
(quint,J=7.3Hz,4H),2.42(s,3H),2.44(s,12H),
3.04(t,J=7.0Hz,4H),3.17(m,8H),3.31(m,4H),3.
37(s,4H),7.32(m,10H),7.62(d,J=8.3Hz,2H),7.6
9(m,8H) B.1,4,7,10,14−ペンタアザシクロヘプタデカンの合成 例12Aの様に調製された1,4,7,10,14−ペンタ(p−ト
ルエンスルホニル)−1,4,7,10,14−ペンタアザシクロ
ヘプタデカン(28.5g、0.0279mole)および濃H2SO4(10
0ml)の混合物を、撹拌しつつ乾燥アルゴン雰囲気下で1
00℃にて72時間加熱した。得られた褐色の溶液に、0℃
にて撹拌しつつ、エタノール(100ml)、次いでエチル
エーテル(1リットル)を滴々添加した。黄褐色の固体
をろ過し、エチルエーテルにて十分に洗浄した。次いで
該固体をH2O(100ml)に溶解し、得られた溶液をろ過
し、エチルエーテルにて洗浄した。該溶液のpHを、10N
NaOHにて11に調節し、溶媒を減圧下で除去した。得ら
れた褐色の油性固体を熱THF(2x500ml)にて抽出し、該
THF抽出物を濾過した。ろ液を合わせ、溶媒を減圧下で
除去した。油性残渣を熱ヘキサンに溶解させ、不溶性不
純物を濾過により除去した。溶媒を減圧下で除去し、油
状残渣を真空蒸留により精製して、2.68g(収率39%)
の生成物を淡黄色油状物として得た。
bp140−5℃(0.10mmHg);1H NMR(CDCl3)δ1.51(br
s,5H),1.68(quint,J=6.1Hz,4H),2.73(m,20H);
正確な質量:(M+H)+:理論値、244.2501;実験値、2
44.2555(C12H30N5) C.[マンガン(II)(1,4,7,10,14−ペンタアザシクロ
ヘプタデカン)]クロライドの合成 例12Bのようにして調製された1,4,7,10,14−ペンタア
ザシクロヘプタデカン(1.0g、4.3mmole)および無水塩
化マンガン(II)(0.54g、4.3mmole)の無水メタノー
ルの溶液を、乾燥窒素雰囲気下で16時間還流させた。不
溶性不純物をろ過にて除去し、減圧下で6mlまで濃縮し
た。静置して、0.71g(収率45%)の生成物を白色の結
晶性固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)333/335[(M−C
l)+100/32];元素分析C12H29Cl2MnN5・H2Oについて理
論値、C、37.22;H、8.07;N、18.09;Cl、18.31 実験
値、C、36.81;H、7.75;N、17.62;Cl、18.30 例13 A.[マンガン(II)(1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシク
ロオクタデカン)]クロライドの合成 1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン(0.
47g、1.8mmole)および無水塩化マンガン(II)(0.23
g、1.8mmole)の無水メタノール(50ml)の溶液を、乾
燥窒素雰囲気下で一夜還流させた。該溶液を濾過し、溶
媒を減圧下で除去した。固体をエタノール−エチルエー
テルから再結晶して、0.54g(収率77%)の生成物を白
色の結晶性固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)348/350[(M−C
l)+100/27];元素分析C12H30Cl2MnN6について理論
値、C、36.51;H、7.87;N、21.87;Cl、18.45 実験値、
C、36.14;H、7.95;N、20.93;Cl、17.91 例14 A.1,4,7、10、13、16、19−ヘプタアザシクロヘンエイ
コサンの合成 1,4,7,10,13,16,19−ヘプタ(p−トルエンスルホニ
ル)−1,4,7,10,13,16,19−ヘプタアザシクロヘンエイ
コサン(28.3g、0.0205mole)および濃H2SO4(85ml)の
混合物を、撹拌しつつ乾燥アルゴン雰囲気下で100℃に
て4日間加熱した。得られた溶液に、0℃にて撹拌しつ
つ、エタノール(170ml)、次いでエチルエーテル(430
ml)を滴々添加した。固体をろ過し、減圧下でP2O5によ
り乾燥させた。次いで該固体をH2O(75ml)に溶解し、
該溶液のpHを、10N NaOHにて10に調節した。不溶性不
純物を濾過により除去し、該溶液を6xCHCl3にて抽出し
た。抽出物を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を減圧
下で除去して黄色油状物を得、これを静置して結晶化さ
せた。水性相を減圧下で乾固させ、得られた褐色の油性
固体を熱THF(2x500ml)により抽出した。THF抽出物を
濾過し、先に得られた黄色の固体と合わせた。不溶性不
純物を濾過により除去し、溶媒を減圧下で除去して、黄
色の結晶性固体を得た。粗生成物をCHCl3−アセトニト
リルから結晶化して、505mg(収率8%)の生成物を無
色針状晶として得た。
mp163−5℃;1H NMR(CDCl3)δ2.99(s,28H),4.00
(br,s,7H);正確な質量:(M+H)+:理論値、302.3
032;実験値、302.3097(C14H36N7) B.[マンガン(II)(1,4,7,10,13,16,19−ヘプタアザ
シクロヘンエイコサン)]クロライドの合成 例14Aのように調製された1,4,7,10,13,16,19−ヘプタ
アザシクロヘンエイコサン(0.38g、1.4mmole)および
無水塩化マンガン(II)(0.18g、1.4mmole)の無水メ
タノールの溶液を、乾燥窒素雰囲気下で1.5時間還流さ
せた。溶媒を減圧下でほぼ乾固するまで除去し、これを
静置して、0.097g(収率17%)の生成物を白色固体とし
て得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)427(M+,14),391/
393[(M−Cl)+100/3];正確な質量:(M−Cl)+:
理論値、391.2023;実験値、391.2015(C14H35ClMnN7) 例15 A.N−メチルビス(2−クロロエチル)アミンの合成 H2O(125ml)中のN−メチルビス(2−クロロエチ
ル)アミンハイドロクロライド(25.0g、0.130mole)の
撹拌溶液に、1N NaOH(125ml)を添加し、得られた溶
液をCH2Cl2にて抽出した。抽出物を合わせ、乾燥させ
(MgSO4)、溶媒を減圧下で除去して、20.2g(収率100
%)の生成物を無色の液体として得た。1 H NMR(CDCl3)δ2.37(s,3H),2.82(t,J=6.9Hz,4
H),3.56(t,J=6.9Hz,4H) B.1,4,7,10−テトラ(p−トルエンスルホニル)−1,4,
7,10−テトラアザデカンの合成 5℃のピリジン(650ml)中のp−トルエンスルホニ
ルクロライド(285g、1.50mole)の撹拌溶液に、ピリジ
ン(200ml)中の1,4,7,10−テトラアザデカン(48.0g、
0.328mole)の溶液を乾燥アルゴン雰囲気下で温度を20
℃以下に維持しつつ添加した。該混合物を室温にて3日
間撹拌した。冷却した(氷浴)混合物に、H2O(1リッ
トル)をゆっくり添加した。固体を濾過し、H2Oにて充
分に洗浄し、減圧下で乾燥させて、225g(収率90%)の
生成物を粉末として得た。
mp222−4℃;1H NMR(DMSO−d6)δ2.38(s,6H),2.41
(s,6H),2.84(quart,J=6.6Hz,4H),3.07(t,J=7.0H
z,4H),3.12(s,4H),7.40(m,8H),7.66(m,8H) C.1−メチル−4,7,10,13−テトラ(p−トルエンスルホ
ニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン
の合成 無水DMF(1リットル)中の、例15Bのように調製され
た1,4,7,10−テトラ(p−トルエンスルホニル)−1,4,
7,10−テトラアザドデカン(66.5g、0.0872mole)の撹
拌溶液に、ナトリウムヒドリド(5.22g−鉱油中80%、
0.174mole)を乾燥窒素ブランケット下で小分けに添加
した。得られた混合物を乾燥アルゴン雰囲気にて30分間
撹拌した。次いで溶液を100℃に加熱し、無水DMF(230m
l)中の、新たに調製した例15Aのように調製されたN−
メチルビス(2−クロロエチル)アミン(13.6g、0.087
3mole)を、温度を100℃に維持しつつ1.5時間で滴々添
加した。該溶液を100℃にて更に45分間撹拌後、該溶液
を減圧下で750mlまで濃縮した。H2O(1.5リットル)を
室温にて徐々に添加して生成物を結晶化させた。得られ
た褐色固体をろ過し、H2Oにて充分に洗浄し、減圧下でP
2O5にて乾燥させて、62.9g(収率85%)の粗生成物を褐
色の固体として得た。粗生成物をDMF−H2Oからの再結晶
により精製して生成物を黄色固体として得た。
mp170−1℃;1H NMR(CDCl3)δ2.15(s,3H),2.43
(s,6H),2.44(s,6H),2.51(t,J=5.5Hz,4H),3.15
(t,J=5.5Hz,4H),3.29(m,8H),3.36(s,4H),7.32
(m,8H),7.69(m,8H) D.1−メチル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデ
カンの合成 例15Cの様に調製された1−メチル−4,7,10,13−テト
ラ(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタ
アザシクロペンタデカン(3.6g、4.3mmole)および濃H2
SO4(15ml)の混合物を、撹拌しつつ乾燥アルゴン雰囲
気下で100℃にて72時間加熱した。得られた褐色の溶液
に、5℃にて撹拌しつつ、エタノール(30ml)、次いで
エチルエーテル(80ml)を滴々添加した。黄褐色の固体
をろ過し、H2O(10ml)に溶解した。該溶液のpHを、10N
NaOHにて10に調節し、該溶液を6xCHCl3にて抽出し
た。抽出物を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、粗製の固体
を冷(−20℃)CH3CNからの結晶化により精製して、0.5
0g(収率51%)の生成物を無色針状晶として得た。
mp71.0−2.5℃;1H NMR(CDCl3)δ1.90(br s,4H),
2.22(s,3H),2.52(m,4H),2.68(m,12H),2.78(m,4
H);元素分析C11H27N5について理論値、C、57.60;H、
11.86;N、30.53 実験値、C、57.17;H、12.13;N、30.1
2 E.[マンガン(II)(1−メチル−1,4,7,10,13−ペン
タアザシクロペンタデカン)]クロライドの合成 例15Dのように調製された1−メチル−1,4,7,10,13−
ペンタアザシクロペンタデカン(0.32g、1.4mmole)お
よび無水塩化マンガン(II)(0.18g、1.4mmole)の無
水メタノール(40ml)の溶液を、乾燥窒素雰囲気下で2
時間還流させた。該溶液を濾過し、溶媒を減圧下で除去
した。残渣をエタノール−エチルエーテルから再結晶し
て、70mg(収率14%)の生成物を白色固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)319/321[(M−C
l)+100/30];正確な質量:(M−Cl)+:理論値、319.
1336;実験値、319.1338(C11H27ClMnN5) 例16 A.1,4,8,11−テトラ(p−トルエンスルホニル)−1,4,
8,11−テトラアザウンデカンの合成 5℃の無水ピリジン(600ml)中のp−トルエンスル
ホニルクロライド(285g、1.50mole)の撹拌溶液に、無
水ピリジン(200ml)中の1,4,8,11−テトラアガウンデ
カン(49.1g、0.306mole)の溶液を乾燥アルゴン雰囲気
下で温度を20℃以下に維持しつつ添加した。添加には1
時間を要した。該混合物を室温にて一夜撹拌した。冷却
した(氷浴)混合物に、H2O(1.5リットル)をゆっくり
添加した。得られた油状物をCH2Cl2に溶解させ、水性相
から分離した。CH2Cl2層を5%HCl、およびH2Oにて洗浄
し乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、油状物を得、こ
れを静置して固化させた。得られた固体を粉末化し、減
圧下で乾燥させて、186g(収率78%)の粗生成物を得
た。1 H NMR(CDCl3)δ1.98(quint,J=7.3Hz,2H),2.40
(s,6H),2.42(s,6H),3.11(t,J=7.3Hz,4H),3.17
(s,8H),5.76(t,J=6.0Hz,2H),7.29(m,8H),7.64
(d,J=8.3Hz,4H),7.75(d,J=8.3Hz,4H) B.1−メチル−4,7,11,14−テトラ(p−トルエンスルホ
ニル)−1,4,7,11,14−ペンタアザシクロヘキサデカン
の合成 無水DMF(1リットル)中の、例16Aのように調製され
た1,4,8,11−テトラ(p−トルエンスルホニル)−1,4,
8,11−テトラアザウンデカン(80.7g、0.104mole)の撹
拌溶液に、ナトリウムヒドリド(6.24g−鉱油中80%、
0.208mole)を乾燥窒素ブランケット下で小分けに添加
した。得られた混合物を乾燥アルゴン雰囲気にて30分間
撹拌した。次いで溶液を100℃に加熱し、無水DMF(200m
l)中の、新たに調製した例15Aのように調製されたN−
メチルビス(2−クロロエチル)アミン(16.2g、0.104
mole)を、温度を100℃に維持しつつ45分間で滴々添加
した。該溶液を100℃にて更に45分間撹拌後、該溶液を
減圧下で900mlまで濃縮した。H2O(1200ml)を室温にて
徐々に添加して生成物を結晶化させた。得られた固体
を、減圧下でP2O5にて乾燥させて、83.2g(収率93%)
の粗生成物を褐色の固体として得た。粗生成物の一部
(50g)をフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、C
HCl3−95:5(v/v)CHCl3−MeOH勾配)にて精製して、1
6.8g(収率34%)の生成物を淡黄色固体として得た。分
析用試料は、CH2Cl2−ヘキサンからの再結晶により精製
した。
mp183−5℃;Rf=0.60,シリカゲル−95:5(v/v) CHCl3−MeOH;1H NMR(CDCl3)δ1.91(quint,J=6.0H
z,2H)、2.19(s,3H),2.44(s,12H),2.52(t,J=6.2H
z,4H),3.18(m,12H),3.31(m,4H),7.33(m,8H),7.6
8(m,8H) C.1−メチル−1,4,7,11,14−ペンタアザシクロヘキサデ
カンの合成 例16Bの様に調製された1−メチル−4,7,11,14−テト
ラ(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,11,14−ペンタ
アザシクロヘキサデカン(16.3g、0.0190mole)および
濃H2SO4(100ml)の混合物を、撹拌しつつ乾燥アルゴン
雰囲気下で100℃にて64時間加熱した。得られた褐色の
溶液に、5℃にて撹拌しつつ、エタノール(200ml)、
次いでエチルエーテル(500ml)を滴々添加した。黄褐
色の固体をろ過し、H2O(75ml)に溶解した。該溶液のp
Hを、10N NaOHにて10に調節し、該溶液を6xCHCl3にて
抽出した。抽出物を合わせ、乾燥させ(NaSO4)、減圧
下で溶媒を除去した。粗生成物を冷(−20℃)CH3CNか
らの結晶化により精製して、756mg(収率15%)の生成
物を無色の結晶性固体として得た。
mp85−7℃;1H NMR(CDCl3)δ1.73(quint,J=5.3Hz,
2H),2.11(br s,4H),2.16(s,3H),2.51(m,4H),2.
73(m,6H);元素分析C12H29N5について理論値、C、5
9,22;H、12.01;N、28.77 実験値、C、59.46;H、11.9
0;N、28.75 D.[マンガン(II)(1−メチル−1,4,7,11,14−ペン
タアザシクロヘキサデカン)]クロライドの合成 例16Cのように調製された1−メチル−1,4,7,11,14−
ペンタアザシクロヘキサデカン(0.65g、2.7mmole)お
よび無水塩化マンガン(II)(0.33g、2.7mmole)の無
水メタノール(50ml)の溶液を、乾燥窒素雰囲気下で2
時間還流させた。該溶液を濾過し、溶媒を減圧下で除去
した。残渣をエタノール−エチルエーテルから再結晶し
て、800mg(収率82%)の生成物を白色の結晶性固体と
して得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)333/335[(M−C
l)+100/29];元素分析C12H29Cl2MnN5について理論
値、C、39.03;H、7.92;N、18.97;Cl、19.20 実験値、
C、38.67;H、7.85;N、18.80;Cl、19.38 例17 A.4,7,10,13−テトラ(p−トルエンスルホニル)−1
−オキソ−4,7,10,13−テトラアザシクロペンタデカン
の合成 無水DMF(460ml)中の、例15Bのように調製された1,
4,7,10−テトラ(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,10
−テトラアザドデカン(35.3g、0.0463mole)の撹拌溶
液に、ナトリウムヒドリド(2.77g−鉱油中80%、0.092
5mole)を乾燥アルゴン雰囲気下で小分けに添加し、得
られた混合物を乾燥アルゴン雰囲気にて30分間撹拌し
た。次いで溶液を100℃に加熱し、無水DMF(90ml)中
の、2−クロロエチルエーテル(6.61g、0.0463mole)
を、温度を100℃に維持しつつ1.5時間で滴々添加した。
該溶液を100℃にて更に1.5時間撹拌後、冷却しつつ(氷
浴)、H2O(3リットル)を添加して生成物を結晶化さ
せた。得られた固体をろ過し、減圧下で乾燥させた。粗
生成物をCH2Cl2−ヘキサンからの再結晶により精製して
13.2g(収率34%)の生成物をくすんだ白色の固体とし
て得た。
mp197.5−201℃;1H NMR(CDCl3)δ2.44(s,12H),3.2
8(m,16H),3.57(m,4H),7.35(m,8H),7.69(m,8H) B.1−オキソ−4,7,10,13−テトラアザシクロペンタデカ
ンの合成 例17Aの様に調製された4,7,10,13−テトラ(p−トル
エンスルホニル)−1−オキソ−4,7,10,13−テトラア
ザシクロペンタデカン(10.9g、0.0131mole)および濃H
2SO4(70ml)の混合物を、撹拌しつつ乾燥アルゴン雰囲
気下で100℃にて70時間加熱した。得られた褐色の溶液
に、5℃にて撹拌しつつ、エタノール(140ml)、次い
でエチルエーテル(340ml)を滴々添加した。ゴム状の
褐色の固体をろ過し、H2O(100ml)に溶解した。該溶液
のpHを、10N NaOHにて10に調節し、該溶液を6x100mlCH
Cl3にて抽出した。抽出物を合わせ、乾燥させ(Na2S
O4)、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をヘキサンか
らの結晶化により精製して、0.49g(収率17%)の生成
物を無色針状晶として得た。
mp80−1℃;1H NMR(CDCl3)δ1.98(br s,4H),2.76
(m,16H),3.61(m,4H);正確な質量:(M+H)+:理
論値、217.2028;実験値、217.2051(C10H25N4O) C.[マンガン(II)(1−オキソ−4,7,10,13−テトラ
アザシクロペンタデカン)]クロライドの合成 例17Bのように調製された1−オキソ−4,7,10,3−テ
トラアザシクロペンタデカン(0.42g、1.9mmole)およ
び無水塩化マンガン(II)(0.24g、1.9mmole)の無水
メタノールの溶液を、乾燥窒素雰囲気下で2時間還流さ
せた。該溶液を減圧下で5mlまで濃縮し、エチルエーテ
ル(30ml)を添加した。これを静置して、0.39g(収率5
9%)の生成物を白色固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)306/308[(M−C
l)+100/28];元素分析C10H24Cl2MnN4Oについて理論
値、C、35.10;H、7.07;N、16.09;Cl、20.72 実験値、
C、34.18;H、7.07;N、15.93;Cl、20.83 例18 A.1,4,8,12−テトラメチル−1,4,8,12−テトラアザシク
ロペンタデカンの合成 88%の蟻酸水溶液(30ml、0.66mole)および37%ホル
ムアルデヒド水溶液(22ml、0.30mole)の撹拌溶液に、
1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン(5.0g、0.02
3mole)をアルゴン雰囲気下で15分間にて小分けに添加
した。次いでH2O(3.0ml)を添加し、該混合物を2時間
還流した。H2O(30ml)を添加後、該混合物を冷却(氷
浴)する一方、温度を20℃以下に維持しつつ、pHを10N
NaOHにて12に調節した。該溶液を5x75mlCHCl3にて抽
出し、抽出物を合わせ、乾燥させ(NaSO4)、減圧下で
溶媒を除去した。得られた黄色油状物を真空蒸留により
精製して、2.6g(収率41%)の生成物を無色の油状物と
して得た。
bp80−6℃(0.05mmHg);1H NMR(CDCl3)δ1.63(sex
t,J=7.5Hz,6H),2.22(s,6H),2.25(s,6H),2.43(m,
16H);元素分析C15H34N4について理論値、C、66.61;
H、12.67;N、20.72 実験値、C、66.25;H、12.16;N、2
0.33 B.[マンガン(II)(1,4,8,12−テトラメチル−1,4,8,
12−テトラアザシクロペンタデカン)]クロライドの合
成 例18Aのように調製された1,4,8,12−テトラメチル−
1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン(1.0g、3.7m
mole)および無水塩化マンガン(II)(0.46g、3.7mmol
e)の無水メタノール(75ml)の溶液を、室温にて2.3時
間撹拌し、次いで2時間還流させた。得られた乳白色の
溶液を熱いままに濾過し、溶媒を減圧下で5mlの体積ま
で除去した。得られた白色固体をメタノール−エチルエ
ーテルからの再結晶により精製して、0.81g(収率54
%)の生成物の白色の結晶静固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)395(M+,8),360/3
62[(M−Cl)+100/38];元素分析C15H34Cl2MnN4Oに
ついて理論値、C、45.46;H、8.65;N、14.14;Cl、17.89
実験値、C、45.04;H、8.69;N、13.78;Cl、18.90 例19 A.1,4,7,10,13−ペンタメチル−1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカンの合成 88%の蟻酸水溶液(30ml、0.66mole)および例1Eの様
に調製された1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデ
カン(2.0g、0.15mole)の撹拌溶液に、37%ホルムアル
デヒド水溶液(12ml、0.15mole)を、アルゴン雰囲気下
に5分間で添加した。次いでH2O(1.5ml)を添加し、該
混合物を39時間還流した。H2O(10ml)を添加後、該混
合物を冷却(氷浴)する一方、温度を20℃以下に維持し
つつ、pHを10N NaOHにて12に調節した。該溶液を5x50m
l CH2Cl2にて抽出し、抽出物を合わせ、乾燥させ(NaS
O4)、減圧下で溶媒を除去した。得られた黄色油状物を
真空蒸留により精製して、1.3g(収率48%)の生成物を
無色の油状物として得た。
bp105−7℃(0.15mmHg);1H NMR(CDCl3)δ2.26(s,
20H),2.54(s,15H);FAB質量分光(NBA−HCl)m/z(相
対強度)286[(M+H)+,100] B.[マンガン(II)(1,4,7,10,13−ペンタメチル−1,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]クロラ
イドの合成 例19Aのように調製された1,4,7,10,13−ペンタメチル
−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン(0.97
g、3.4mmole)および無水塩化マンガン(II)(0.42g、
3.4mmole)の無水メタノール(75ml)の溶液を、乾燥窒
素雰囲気下、2時間還流させた。溶媒を減圧下で除去し
た。油状残渣をエタノール−エチルエーテルからの再結
晶により精製して、1.14g(収率82%)の生成物を結晶
性固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)411(M+,2),375/3
77[(M−Cl)+,100/32];正確な質量;(M−Cl)+:
理論値、375.1962;実験値、375.1989(C15H35ClMnN5) 例10 [マンガン(II)(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ
デカン)]クロライドの合成 還流しつつある無水メタノール(100ml)中の無水塩
化マンガン(II)(1.00g、8.0mmole)の溶液に、1,4,
8,11−テトラアザシクロテトラデカン(1.58g、8.0mmol
e)を乾燥窒素雰囲気下で添加した。白色固体が沈殿
し、得られたスラリーを一夜還流した。固体を濾過し、
メタノール、次いでエチルエーテルにて洗浄し、2.35g
(収率91%)の生成物を白色固体として得た。
FAB質量分光(NBA−HCl)m/z(相対強度)325(M+,4),
290/292[(M−Cl)+,100/32];元素分析C10H24Cl2Mn
N4について理論値、C、36.87;H、7.43;N、17.20;Cl、2
1.77 実験値、C、36.61;H、7.62;N、17.12;Cl、21.01 例21 [マンガン(II)(1,4,8,12−テトラアザシクロテトラ
デカン)]クロライドの合成 撹拌しつつある熱無水メタノール(100ml)中の無水
塩化マンガン(II)(0.50g、4.0mmole)の溶液に、1,
4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン(0.85g、4.0mm
ole)を乾燥窒素雰囲気下で添加し、得られた溶液を3
時間還流した。溶媒を減圧下で体積20mlとなるまで除去
した。形成された固体を濾過し、0.56g(収率45%)の
生成物を白色固体として得た。
FAB質量分光(NBA−HCl)m/z(相対強度)339(M+,5),
304/306[(M−Cl)+,100/30];正確な質量;(M−C
l)+:理論値、304.1177;実験値、304.1160(C11H26ClMn
N4) 例22 A.[マンガン(II)(5,7,7,12,14,14−ヘキサメチル−
1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−4,11−ジエ
ン)]クロロヘキサフルオロホスフェートの合成 5,7,7,12,14,14−ヘキサメチル−1,4,8,11−テトラア
ザシクロテトラデカ−4,11−ジエン(4.5g、7.9mmole)
および無水塩化マンガン(II)(1.0g、7.9mmole)の無
水メタノール(200ml)中のスラリーを、乾燥窒素雰囲
気下、還流しつつ加熱し、激しく撹拌しつつジイソプロ
ピルエチルアミンを滴々添加して白色沈殿を生じさせ
た。該スラリーを3時間撹拌し、次いで濾過した。固体
をエチルエーテルにて洗浄し、減圧下で乾燥させて生成
物を白色固体として得た。
FAB質量分光(NBA−HCl)m/z(相対強度)370/372
[(M−PF6+,100/31];元素分析C16H32ClMnN4PF6
ついて理論値、C、37.44;H、6.28;N、10.92;Cl、6.91
実験値、C、36.43;H、6.28;N、10.96;Cl、6.54 B.[マンガン(II)(5,7,7,12,14,14−ヘキサメチル−
1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−4,11−ジエ
ン)]クロライドの合成 熱アセトニトリル(50ml)中の、例22Aのように調製
された[マンガン(II)(5,7,7,12,14,14−ヘキサメチ
ル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−4,11−ジ
エン)]クロロヘキサフルオロホスフェート(1.0g、1.
9mmole)の溶液に、リチウムクロライド(0.08g、1.9mm
ole)を含む無水メタノール(5ml)を、乾燥窒素雰囲気
下で滴々添加した。得られた溶液を冷却し、減圧下で20
mlまで濃縮した。静置して、0.36g(収率47%)の生成
物を白色結晶性固体として得た。
FAB質量分光(NBA−HCl)m/z(相対強度)370/372
[(M−Cl)+,100/29];正確な質量;(M−Cl)+:理
論値、370.1696;実験値、370.1679(C16H32ClMnN4) 例23 [マンガン(II)(2,12−ジメチル−3,7,11,17−テト
ラアザビシクロ[11.3.1]ヘプタデカ−1(17),2,11,
13,15−ペンタエン)]クロライドの合成 無水メタノール(210ml)中の無水塩化マンガン(I
I)(2.5g、20mmole)の撹拌溶液に、無水メタノール
(40ml)中の2,6−ジアセチルピリジン(3.3g、20mmol
e)の溶液を添加した。該混合物を撹拌しつつ30分間加
温し、1,5,9−トリアザノナン(2.4g、19mmole)を添加
した。該混合物を3時間還流し、溶媒を減圧下で除去し
た。得られた固体を、熱エタノール(100ml)にて抽出
し、抽出物を合わせ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し
て、生成物を褐色固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)348/350[(M−C
l)+,100/35];元素分析C15H22Cl2MnN4・1.5H2Oについ
て理論値、C、43.81;H、5.39;N、13.33;Cl、17.26 実
験値、C、43.98;H、5.72;N、12.41;Cl、18.15 例24 [マンガン(II)(2,7,12−トリメチル−3,7,11,17−
テトラアザビシクロ[11.3.1]ヘプタデカ−1(17),
2,11,13,15−ペンタエン)]クロライドの合成 無水メタノール(250ml)中の無水塩化マンガン(I
I)(2.5g、20mmole)の撹拌溶液に、2,6−ジアセチル
ピリジン(3.3g、20mmole)の溶液を添加した。該混合
物を撹拌しつつ30分間加温し、5−メチル−1,5,9−ト
リアザノナン(2.7g、19mmole)を添加した。該混合物
を3時間還流し、熱いまま濾過し、ろ液を減圧下で乾固
した。得られた褐色固体を、熱エタノール(4x100ml)
にて抽出し、抽出物を濾過した。抽出物を合わせ、溶媒
を減圧下で除去した。粗生成物を熱メタノール(50ml)
に溶解させた。不溶性不純物を濾過により除去し、CH3C
N(50ml)を添加した。該溶液を減圧下で濃縮し、氷中
にて冷却した。無定型固体を濾過により除去した。ろ液
を5mlまで濃縮し、CH3CN(50ml)を添加した。形成され
た沈殿を濾過し、減圧下で乾燥させて、生成物をオレン
ジ色を帯びた赤色の結晶性固体として得た。
FAB質量分光(NBA−HCl)m/z(相対強度)362/364
[(M−Cl)+,100/36];元素分析C16H24Cl2MnN4・1.5
H2Oについて理論値、C、45.19;H、6.04;N、13.17;Cl、
16.71 実験値、C、45.39;H、6.14;N、12.97;Cl、17.5
8 例25 [マンガン(II)(1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11
−テトラアザシクロテトラデカン)]クロライドの合成 無水MeOH(50ml)中の1,4,8,11−テトラメチル1,4,8,
11−テトラアザシクロテトラデカン(1.00g、3.90mmol
e)および無水塩化マンガン(II)(0.49g、3.9mmole)
の溶液を、乾燥窒素雰囲気下で4時間還流させた。冷却
後、該混合物を減圧下で濃縮し、エーテルを添加して結
晶化を誘発した。結晶を濾過により回収し、エーテルに
て洗浄し、乾燥させて白色結晶性固体を1.07g(収率72
%)を得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)346/348[(M−C
l)+,100/31];正確な質量;(M−Cl)+:理論値、34
6.1696;実験値、346.1700(C14H32ClMnN4) 例26 [マンガン(II)(2,13−ジメチル−3,6,9,12,18−ペ
ンタアザビシクロ(12.3.1]オクタデカ−1(18),2,1
2,14,16−ペンタエン)]クロライドの合成 このマンガン(II)錯体を、Alexander,M.D.,Van He
uvelen,A.およびHamilton,Jr.,H.G.(1970)Inorg.Nuc
l.Chem.Lett.6,445−448の記述に従って調製した。
FAB質量分光(NBA−HCl)m/z(相対強度)363/365
[(M−Cl)+,100/28];元素分析C15H23Cl2N5Mn・2H2
Oについて理論値、C、41.35;H、6.20;Cl、16.29;N、1
6.09実験値、C、40.95;H、5.78;Cl、16.00;N、15.64 例27 [マンガン(II)クロロ(1,4,7,10,13−ペンタアザシ
クロペンタデカン)]ヘキサフルオロホスフェートの合
成 MeOH(20ml)中の銀ヘキサフルオロホスフェート(28
5mg、1.47mmole)の溶液を、例1Fのように調製された
[マンガン(II)ジクロロ(1,4,7,10,13−ペンタアザ
シクロペンタデカン)]ペンタアザシクロペンタデカン
(500mg、1.47mmole)の温溶液に添加した。塩化銀の白
色沈殿が直ちに形成され、該混合物を珪藻土を通すこと
によりこれをろ別した。該溶液を減圧下で8mlまで濃縮
し、結晶化を誘発した。0.46g(収率69%)の白色結晶
性固体を回収した。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)305/307[(M−PF
6)+,100/36];元素分析C10H25N5MnClPF6・CH3OHにつ
いて理論値、C、31.05;H、6.35;N、16.49;実験値、
C、30.76;H、6.40;N、17.78 例28 A.エチル N−(ジフェニルメチレン)−2−アミノエ
イコサノエートの合成 無水THF(500ml)およびDMPU(500ml)の1:1混合物中
のN−(ジフェニルメチレン)−グリシンエチルエステ
ル(67.3g、0.250mole)の撹拌溶液に、−78℃にて乾燥
アルゴン雰囲気下で、リチウム ビス(トリメチルシリ
ル)アミド(250ml−THF中1.0M、0.25mole)の溶液を10
分間で添加した。得られたオレンジ色の溶液を、−78℃
にて1.5時間撹拌した。温度を−78℃に維持しつつ、無
水THF(250ml)およびDMPU(250ml)の1:1混合物中の1
−ブロモオクタデカン(83.4g、0.250mole)の溶液を10
分間で添加し、得られた混合物を室温まで昇温させた。
該混合物を17時間撹拌後、H2O(50ml)、次いで酢酸エ
チル(2リットル)を添加した。該溶液をH2O(4x2リッ
トル)にて洗浄した。該溶液をNa2CO3−Na2−SO4で乾燥
させ、体積を減圧下で1リットルに減少させた。ヘキサ
ンの添加により生成物を結晶化させ、104g(収率80%)
のくすんだ白色の結晶性固体を得た。
mp62−5℃;1H NMR(CDCl3)δ0.88(t,J=6.6Hz,3
H),1.27(m,35H),1.90(m,2H),4.03(m,1H),4.17
(m,2H),7.17(m,2H),7.36(m,6H),7.64(m,2H) B.エチル 2−アミノエイコサノエートハイドロクロラ
イドの合成 無水エタノールおよびTHFの1:1混合物(300ml)中
の、例28Aのように調製されたエチル N−(ジフェニ
ルメチレン)−2−アミノエイコサノエート(104g、0.
200mole)の撹拌溶液に、0.5N塩酸(1.0リットル)を室
温にて10分間で添加した。得られた溶液を30分間撹拌し
た。エタノールおよびTHFを減圧下で除去し、水性のス
ラリーをCH2Cl2(4x1リットル)により抽出した。抽出
物を合わせ、乾燥させた(MgSO4)。溶媒を減圧下で除
去し、粗生成物をヘキサンから再結晶して74.3g(収率9
5%)の無色針状晶を得た。
mp91−4℃;1H NMR(CDCl3)δ0.88(t,J=6.6Hz,3
H),1.26(m,33H),1.43(m,1H),1.56(m,1H),2.03
(quart,J=7.4Hz,2H),4.03(m,1H),4.27(m,2H),8.
84(br s,3H) C.2−アミノエイコサンアミドの合成 無水メタノール(500ml)中の、例28Bのように調製さ
れたエチル−2−アミノエイコサノエートハイドロクロ
ライド(74.2g、0.189mole)のスラリーを、0℃にて無
水アンモニアで飽和させた。得られた混合物を耐圧ビン
に封入し、60℃にて加熱し、40psiの圧力を生じさせ
た。60℃にて65時間後、結晶性混合物を−20℃に冷却
し、固体を濾過して57.6g(93%)の生成物をくすんだ
白色の板状晶として得た。
mp103−4℃;1H NMR(CDCl3)δ0.88(t,J=6.5Hz,3
H),1.37(m,35H),1.82(m,1H),3.67(m,1H),5.30
(br s,1H),7.09(br s,1H) D.1,2−ジアミノエイコサンの合成 無水THF(1リットル)中の、例28Cのように調製され
た2−アミノエイコサンアミド(57.5g、0.176mole)の
スラリーに、乾燥アルゴン雰囲気下でリチウムアルミニ
ウムヒドリド(880ml−THF中、1.0M、0.880mole)の溶
液を30分間で添加した。該混合物を17.5時間還流させ、
次いで氷浴にて冷却しつつH2O(100ml)を滴々添加する
ことによってクェンチングした。固体を濾過し、熱THF
(2x1リットル)、次いで熱メタノール(1リットル)
にて洗浄した。次いで固体をTHF(1リットル)と共に
還流し、再度濾過した。ろ液および洗浄液を合わせ、溶
媒を減圧下で除去した。粗生成物をTHFに溶解させ、固
体不純物を濾過により除去した。再度、溶媒を減圧下で
除去し、この工程をCH2Cl2にて継続した。粗生成物をCH
2Cl2−ヘキサンから再結晶して37.9g(収率69%)の生
成物を得た。
mp98−101℃;1H NMR(CDCl3)δ0.91(t,J=6.5Hz,3
H),1.33(m,34H),1.96(br s,4H),2.52(m,1H),2.
78(m,2H) E.ジメチル3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)
−3,6,9−トリアザウンデカンジオエートの合成 例1Bのように調製された1,4,7−トリス(p−トルエ
ンスルホニル)−1,4,7−トリアザヘプタン−1,7−二ナ
トリウム塩(30g、49.2mmole)をアルゴン下で乾燥N,
N′−ジメチルホルムアミド(180ml)に溶解させた。氷
浴中で0℃に冷却した後、メチルクロロアセテート(15
4.g、141.9mmole)を10分間で滴々添加した。該反応混
合物は、添加終了時に濁り、これを氷浴が室温まで暖ま
ることを許容して一夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し
て褐色油状物を得、これを酢酸エチル(450ml)に溶解
して乳白色溶液を得た。この溶液を水(500ml、次いで3
00ml)にて2回洗浄した。合わせた水性相を酢酸エチル
(300ml)にて逆抽出した。合わせた酢酸エチル層を、
飽和塩化ナトリウム溶液(200ml)にて2回洗浄し、濾
過し、蒸発乾固させた。この残渣をジクロロメタン(20
0ml)に溶解させ、蒸発乾固させ、真空下においた。ク
ロロホルム−メタノールからの再結晶、ならびにメタノ
ールおよびエーテルを用いた洗浄後、くすんだ白色の、
27.46gの固体を得た。若干暗色の付加的な固体(4.7g)
を、ろ液から溶媒を除去し、前記と同様に再結晶して得
た。全収量は32.2g(93%)であった。
mp141−2℃;1H NMR(CDCl3)δ2.42および2.44(2s,9
H),3.41(br s,8H),3.60(s,6H),4.07(s,4H),7.2
6−7.35(m,6H),7.63−7.74(m,6H) F.3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−3,6,9−
トリアザウンデカンジオン酸の合成 例28Eの様に調製されたジメチル3,6,9−トリス(p−
トルエンスルホニル)−3,6,9−トリアザウンデカンジ
オエート(16g、22.5mmole)を、テトラヒドロフラン
(100ml)にスラリー化した。水酸化ナトリウム(2N、1
60ml)を1時間で滴々添加した。72時間後に、溶媒を減
圧下で除去し、塩酸を添加してpHを4に低下させた。こ
の水性相を、酢酸エチルにより数回抽出した。合わせた
酢酸エチル層を、食塩水にて2回洗浄し、乾燥させ(Mg
SO4)、濾過し、蒸発させて14.22g(収率93%)の白色
固体を得た。
mp177−80℃;1H NMR(DMSO−d6)δ2.38および2.40(2
s,9H),3.40(m,4H),3.29(m,4H),3.73(s,4H),7.37
および7.41(2d,J=7.9,8.2Hz,6H),7.61および7.66(2
d,J=8.2,8.0Hz,6H) G.3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−3,6,9−
トリアザウンデカンジオイルジクロライドの合成 例28Fのように調製された3,6,9−トリス(p−トルエ
ンスルホニル)−3,6,9−トリアザウンデカンジオン酸
(40.5g、59.4mmole)を、アルゴン下で丸底フラスコに
入れ、オキサルクロライド(400g、3.15mmole)を添加
した。最初濁っていたこの混合物を、数時間後には清明
化し、これを室温にて一夜撹拌した。この終了時に40℃
に30分間加熱した。ロータリエバポレータにてオキサル
クロライドを除去した。得られた固体をジクロロメタン
(50−60ml)を添加して溶解させ、ローラリエバポレー
タにて除去した。この工程を2回反復し、40.5g(収率9
9%)を白色固体として得た。
mp136−7℃;1H NMR(CDCl3)δ2.43および2.46(2s,9
H),3.30−3.38(m,4H),3.40−3.48(m,4H),4.58(s,
4H),7.30−7.40(m,6H),7.71(d,J=8.2Hz,6H) H.5−オクタデシル−1,10,13−トリス(p−トルエンス
ルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデ
カン−3,8−ジオンの合成 TEA(4.05g40.0mmole)を含む無水CH2Cl2(1.0リット
ル)に、無水CH2Cl2(400ml)中の例28Dのように調製さ
れた1,2−ジアミノエイコサン(4.05g、40.0mmole)お
よび無水CH2Cl2(400ml)中の例28Gのように調製された
3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−3,6,9−ト
リアザウンデカ−1,11−ジオイル−1,11−ジクロライド
(14.4g、20.0mmole)を、0℃にて4時間で同時に添加
した。次いで得られた溶液を室温まで昇温させた。18時
間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をフラッシ
ュクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl3−MeOH 98:2
−95:5(v/v)の勾配)、次いでC−18逆相樹脂(CH3CN
−CH2Cl2−MeOH 70:20:10(v/v/v)により精製して、
7.37g(収率38%)の生成物を無定形白色固体として得
た。1 H NMR(CDCl3)δ0.88(t,J=6.6Hz,3H),1.27(m,32
H),1.47(m,2H),2.45(s,9H),3.21(m,4H),3.45
(m,8H),3.88(m,2H),4.12(m,1H),6.39(d,J=8.9H
z,1H),6.74(t,J=3.3Hz,1H),7.31(m,6H),3.71(m,
6H) I.2−オクタデシル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペ
ンタデカンの合成 無水THF(100ml)中の、例28Hのように調製された5
−オクタデシル−1,10,13−トリス(p−トルエンスル
ホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカ
ン−3,8−ジオン(4.00g、4.18mmole)のスラリーに、
乾燥アルゴン雰囲気下でリチウムアルミニウムヒドリド
(105ml−THF中、1.0M、105mmole)の溶液を添加した。
得られた溶液を40時間還流させた。該混合物を、0℃に
てH2O(3.25ml)、15%NaOH(3.25ml)、最後にH2O(9.
60ml)を滴滴添加することによってクェンチングした。
得られたスラリーを1時間撹拌し、THF(200ml)を添加
し、白色固体を濾過した。固体を、THF(200ml)、次い
で熱THF(300ml)にて洗浄した。ろ液および洗浄液を合
わせ、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をTHF−エチ
ルエーテル、次いでヘキサンから再結晶して精製し、1.
21g(収率62%)の生成物を白色結晶性固体として得
た。
mp99−100℃;1H NMR(CDCl3)δ0.88(t,J=6.7Hz,3
H),1.25(m,33H),1.52(m,1H),1.66(br s,5H),2.
34(m,1H),2.72(m,18H);正確な質量:(M+H)+:
理論値、468.5005;実験値、468.5034(C28H62N5) J.[マンガン(II)ジクロロ(2−オクタデシル−1,4,
7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]の合成 無水メタノール(50ml)中の無水塩化マンガン(II)
(0.18g、1.4mmole)の還流溶液に、例28Iのように調製
された2−オクタデシル−1,4,7,10,13−ペンタアザシ
クロペンタデカン(0.65g、1.4mmole)を添加した。得
られた溶液を乾燥窒素雰囲気下で2時間還流し、次いで
室温にて一夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油状残
渣を、熱THF(20ml)に再溶解し、濾過した。該溶液を
濃縮し、撹拌しつつ熱エチルエーテルを添加して0.62g
(収率75%)の生成物を白色固体として得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)556/558[(M−C
l)+,100/34];正確な質量;(M−Cl)+:理論値、55
7.3996;実験値、557.4058(C28H61N5MnCl) 例29 A.Boc−DL−Ppgの合成 THF(300ml)および水(180ml)中のDL−Ppg(20.0
g、177mmole)の懸濁物に、1N水酸化ナトリウム(180m
l)を添加した。得られた溶液を0℃に冷却し、(Boc)
2O(51.3g、235mmole)を一度に添加した。pHを〜10に
5時間維持し(1.0N水酸化ナトリウムによる)、その
後、該反応物を室温にて12時間撹拌した。該溶液を酢酸
エチル(100ml)にて洗浄し、1N重硫酸カリウムにてpH
〜2に酸性化した。水性相を酢酸エチル(2x100ml)に
て抽出し、合わせた抽出物を乾燥させた(硫酸マグネシ
ウム)。乾燥剤を濾過し、溶液を濃縮して、35.4g(収
率94%)の純粋な生成物を白色固体として得た。1 H NMR(CDCl3)δ1.40(s,9H),2.46−2.64(m,2H),
2.85(t,J=2.5Hz,1H),4.05(dt,J=8.4,5.5Hz,1H),
7.06(d,J=8.1Hz,1H) B.Boc−DL−Ppg−Gly−Gly−OEtの合成 無水DMF(350ml)中の例29Aのように調製されたBoc−
DL−Ppgの溶液に、HOBT・H2O(15.3g、113mmole)、EDC
・HCl(21.7g、113mmole)、Gly−Gly−OEt(18.4g、9
8.3mmole)およびpHを〜8に調節するために充分な量の
TEA(〜35ml)を添加した(湿らせたHydrion試験紙に反
応混合物を滴下して測定)。得られた混合物を室温にて
18時間混合し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル
(350ml)に溶解し、1N重硫酸ナトリウム(2x75ml)、
飽和重炭酸ナトリウム(2x75ml)および食塩水(75ml)
にて洗浄した。酢酸エチル溶液を乾燥させ(硫酸マグネ
シウム)、濾過し、濃縮して、28.9g(収率87%)の純
粋な生成物を白色粉末として得た。1 H NMR(CDCl3)δ1.26(t,J=7.2Hz,3H),1.45(s,9
H),2.38(t,J=2.4Hz,1H),2.64(dddd,J=22.2,16.8,
5.6,2.4Hz,2H),3.92(ABq,Δν=32.0Hz,J=22.2Hz,2
H),3.95(s,2H),4.17(q,J=7.2Hz,2H),4.19(t,J=
7.6Hz,1H) C.DL−Ppg−Gly−Gly−OEt・TFAの合成 メチレンクロライド(370ml)中の例29Bの様に調製さ
れたBoc−DL−Ppg−Gly−Gly−OEt(28.0g、78.8mmol
e)溶液に、TFA(101ml)を添加し、該反応混合物を室
温にて35分間撹拌し、濃縮した。残渣をエーテル(300m
l)にて処理し、18時間撹拌し、濾過し、高真空下で乾
燥させて、28.9g(収率99%)の生成物を灰白色固体と
して得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ2.76(d,J=4.0Hz,2H),3.07(b
s,1H),3.82(m,4H),3.92(t,J=6Hz,1H),4.06(q,J
=7.2Hz,2H),7.06(bs,1H),8.35(s,3H),8.80(t,J
=4.0Hz,1H) D.Boc−Gly−Gly−DL−Ppg−Gly−Gly−OEtの合成 無水DMF(350ml)中のBoc−Gly−Gly(18.2g、78.4mm
ole)の溶液に、HOBT・H2O(12.7g、94.0mmole)および
EDC・HCl(18.0g、94mmole)を添加し、得られた混合物
を室温にて20分間撹拌した。例29Cのように調製されたD
L−Ppg−Gly−Gly−OEt(28.9g、78.2mmole)を添加し,
TEAの添加によりpHを〜8に調節した(〜20ml;湿らせた
Hydrion試験紙に反応混合物を滴下して測定)。得られ
た混合物を室温にて18時間混合し、次いで減圧下で濃縮
した。残渣を酢酸エチル(350ml)に溶解し、1N重硫酸
ナトリウム(100ml)、飽和重炭酸ナトリウム(100ml)
および食塩水(100ml)にて洗浄した。酢酸エチル溶液
を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、
12.8g(収率35%)の純粋な生成物を白色粉末として得
た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.20(t,J=7.2Hz,3H),1.39
(s,9H),2.57(dddd,J=22.0,17.2,5.4,2.9Hz,2H),3.
59(d,J=5.8Hz,2H),3.72−3.82(m,4H),4.10(q,J=
7.2Hz,2H),4.47(q,J=7.7Hz,1H),7.00(t,J=5.3Hz,
1H),7.98(t,J=4.7Hz,1H),8.15(t,J=5.8Hz,1H),
8.26(d,J=7.8Hz,1H),8.34(t,J=5.2Hz,1H) E.Boc−Gly−Gly−DL−Ppg−Gly−Glyの合成 メタノール(50ml)中の、例29Dのように調製されたB
oc−Gly−Gly−DL−Ppg−Gly−Gly−OEt(12.8g、27.3m
mole)の溶液に2.5N水酸化ナトリウム(54.5ml、136.3m
mole)を添加した。得られた溶液を室温にて30分間撹拌
し、次いでpHを1N重硫酸ナトリウムにて〜3.8に調節し
た。この混合物を酢酸エチル(5x50ml)にて抽出し、合
わせた抽出物を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過
し、濃縮して4.72g(収率39%)の純粋な生成物を白色
泡状物として得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.35(s,9H),2.52(dddd,J=2
2.0,16.9,5.1,2.4Hz,2H),2.80(t,J=2.4Hz,1H),3.54
(d,J=4.0Hz,2H),3.65−3.81(m,6H),4.42(q,J=8.
0Hz,2H),6.95(t,J=4.0Hz,1H),7.93(t,J=4.0Hz,1
H),8.00(t,J=8.0Hz,1H),8.19(d,J=8.0Hz,1H),8.
27(t,J=4.0Hz,1H) F.シクロ−(Gly−Gly−DL−Ppg−Gly−Glyの合成 この化合物は、Veber,D.F.ら、J.Org.Chem.,44,3101
−3105(1979)の方法に従って合成された。メチレンク
ロライド(40ml)中の、例29Eの様に調製されたBoc−Gl
y−Gly−DL−Ppg−Gly−Gly(5.20g、11.8mmole)の溶
液に、TFA(10ml)を添加し、室温にて40分間撹拌し
た。該混合物を減圧下で濃縮し、残渣をエーテル(3x75
ml)にて粉砕した。得られた白色粉末を濾過して集め、
高真空下で乾燥させて、4.87g(収率91%)のGly−Gly
−DL−Ppg−Gly−Gly・TFAを得た。この物質を無水DMF
(1400ml)に溶解し、溶液を〜−50℃に冷却した。この
混合物に、DPPA(2.90ml、13.4mmole)、および次いでp
Hを〜8に調節するに充分なTEAを添加した(湿らせたHy
drion試験紙に反応混合物を滴下して測定)。該反応混
合物を−45℃ないし−35℃にて6時間撹拌し、次いで−
25℃にて48時間静置した。この間にpHを定期的に監視し
(上述と同様)、TEAの添加により〜8に維持した。こ
の後、該反応混合物を0℃にて48時間静置した。同様に
pHを定期的に監視し、TEAの添加により〜8に維持し
た。次いで、該反応混合物を水(1400ml)にて希釈し、
Bio−Rad AG501−X8(混合床)樹脂と(500g)共に6
時起案撹拌した。該樹脂を濾過し、溶液を最終体積〜50
mlまで濃縮し(DMFのみ残る)、環状ペプチドを、エー
テル(300ml)の添加により沈殿させた。該環状ペプチ
ドを、熱THFを用いた濾過により回収し、高真空下で乾
燥させて、1.03g(収率30%)の生成物を得た。
mp254−7℃(分解);1H NMR(DMSO−d6)δ2.52(dd
のABq,Δν=59.2Hz,J=16.7,7.1,2.6Hz,2H),2.83(t,
J=2.6Hz,1H),3.48(dd,J=15.6,4.0Hz,1H),3.57−3.
81(m,6H),3.88(dd,J=15.2,6.0Hz,1H),4.04(dd,J
=15.6,7.7Hz,1H),4.38(見かけのq,J=7.4Hz,1H),7.
83(t,J=5.4Hz,1H),8.05(d,J=5.5Hz,1H),8.10−8.
20(m,3H);FAB質量分光(NBA)m/z 324.2(M+H)
G.2−プロパルギル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペ
ンタデカンの合成 ガラス製撹拌棒を入れたオーブンで乾燥させたフラス
コを、アルゴン流下で室温まで冷却し、無水THF(50m
l)中の例29Fにて調製されたシクロ−(Gly−Gly−DL−
Ppg−Gly−Gly)(1.03g、3.19mmole)を加えた。この
撹拌しつつある懸濁物に、THF中の1.0Mのリチウムアル
ミニウムヒドリド溶液(38.2ml、38.2mmole)を滴々添
加した。得られた混合物を、還流下で18時間加熱し、0
℃まで冷却し、飽和硫酸ナトリウム溶液(〜10ml)を滴
下することによって、クェンチングした(注意深く)。
得られた混合物を、減圧下で濃縮して乾燥白色粉末と
し、これをメチレンクロライド(3x100ml)にて粉砕し
た。合わせたメチレンクロライド溶液を減圧下で濃縮
し、480mgの粘性の油状物を得た。この物質をヘキサン
から2回、アセトニトリルから1回再結晶して、212mg
(収率27%)の純粋な生成物を白色固体として得た。
mp70−2℃;1H NMR(CDCl3)δ1.85(br s,5H),1.98
(t,J=2.6Hz,1H),2.27(ddd,J=16.8,7.0,2.6Hz,1
H),2.37(ddd,J=16.3,4.4,2.7Hz,1H),2.51(dd,J=1
0.6,9.9Hz,1H),2.55−2.95(m,18H);正確な質量:
(M+Li)+:理論値、260.2427;実験値、260.2468(C13
H27N5Li);元素分析C13H27N5について理論値、C、61.
62;H、10.74;N、27.64;実験値、C、62.86;H、10.89;
N、27.83 H.[マンガン(II)ジクロロ(2−プロパルギル−1,4,
7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]の合成 メタノール(50ml)中の例29Gのように調製された2
−プロパルギル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペン
タデカン(310mg、1.22mmole)および無水塩化マンガン
(II)(154mg、1.22mmole)の溶液を乾燥窒素雰囲気下
で2時間還流し、次いで室温にて一夜撹拌した。溶液を
乾燥させ、無水アルコール(15ml)に再溶解し、珪藻土
を通して濾過した。該溶液を濃縮し、エタノールエーテ
ルから再結晶して370mg(収率80%)の白色微小結晶生
成物を得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度)378(M+,2)343/34
5[(M−Cl)+,100/30];元素分析C13H27Cl2MnN5につ
いて理論値、C、41.14;H、7.18;N、18.47;実験値、
C、40.49;H、6.56;N、18.14 例30 A.1−アミノ−1−シクロヘキシルアセトニトリルハイ
ドロクロライドの合成 この化合物は、Paventi,M.およびEdward,J.T.,Can.J.
Chem.,65,282−9(1987)に一般的方法に従って合成さ
れた。シクロヘキサンカルボキシアルデヒド(11.5g、1
00.3mmole)を、テトラヒドロフラン(30ml)および水
酸化アンモニウム(7ml、110mmole)の撹拌混合物に添
加した。10分後に、塩化アンモニウム(5.41g、101.1mm
ole)およびシアン化カリウム(6.51g、100.0mmole)を
添加した。この混合物をゴム膜にて軽く封止したフラス
コ内で、約2時間撹拌した。この時点で硫酸ナトリウム
(30g、211mmole)およびエーテル(80ml)を添加し
た。撹拌が困難となり;フラスコを場合により回転させ
た。1時間後に、該混合物を濾過した。固体をエーテル
により洗浄した。ろ液およびエーテル洗浄液を合わせ、
エーテルを減圧下で除去して粘性の液体を得た。エーテ
ル(約30ml)をこの液体に添加し、得られた溶液をきた
いの塩化水素酸で処理し、多量の白色固体を沈殿させ
た。この固体を濾過し、エーテルにて洗浄し、乾燥させ
た。加温したアセトニトリル(300ml)を添加し、得ら
れた混合物を濾過した。アセトニトリルを減圧下で除去
し、白色固体を熱エタノール(120ml)−酢酸エチル(2
00ml)から再結晶して6.3g(収率36%)の白色固体を得
た。
mp195℃;1H NMR(DMSO−d6)δ0.96−1.30(数個のm,5
H),1.58−2.01(数個のm,6H),4.50(d,J=5.6Hz,1
H),9.36(br s,3H) B.1−シクロヘキシル−1,2−エタンジアンモニウムジク
ロライドの合成 例30Aのように調製した1−アミノ−1−シクロヘキ
シルアセトニトリルハイドロクロライド(5.6g、32.1mm
ole)をエタノール(60ml)に溶解し、fisher−Porter
ビン内で0℃に冷却した。エタノール(60ml)中の濃塩
酸(3.3ml、39.9mmole)の冷溶液を、前記エタノール溶
液に小分けに添加した。酸化プラチナ水和物(330mg、
1.35mmole)を添加し、該混合物を60psi、室温にて6時
間、水素添加した。終了時に水素を放出し、溶液を濾過
し、溶媒を減圧下で除去した。熱エタノール−ジクロロ
エタンから再結晶して、4.37g(収率63%)の生成物を
白色結晶性固体として得た。
mp262−3℃;1H NMR(DMSO−d6)δ0.96−1.30(数個
のm,5H),1.56−1.80(数個のm,6H),3.00−3.20(m,2
H),3.28(br m,1H),8.60(br s,6H) C.1−シクロヘキシル−1,2−ジアミノエタンの合成 例30Bのように調製された1−シクロヘキシル−1,2−
エタンジアンモニウムジクロライドをメタノール(330m
l)に溶解させ、粉末化水酸化ナトリウム(2.7g、67.5m
mole)と共に室温にて1時間撹拌した。この最後に濾過
し(2回)、ろ液を減圧下で蒸発させて、3.01g(収率6
8%)の淡黄色液体を得た。1 H NMR(CDCl3)δ0.94−1.33(数個のm,10H),1.61−
1.83(m,5H),2.39−2.53(m,2H),2.79(dd,J=11.8,
2.9Hz,1H) D.5−シクロヘキシル−1,10,13−トリス(p−トルエン
スルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタ
デカン−3,8−ジオンの合成 アルゴン導入口、2個の滴下ロートおよび磁気撹拌棒
を備えた2リットルの4首丸底フラスコに、ジクロロメ
タン(600ml)を入れて0℃に冷却した。例28Gのように
調製された3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)
−3,6,9−トリアザウンデカンジオイルジクロライド(1
5.15g、21.08mmole)をジクロロメタン(350ml)に溶解
させて滴下ロートの一つに入れた。例Cのように調製さ
れた1−シクロヘキシル−1,2−ジアミノエタン(3.0
g、21.09mmole)およびトリエチルアミン(4.69g、46.3
mmole)を、ジクロロメタン(350ml)に溶解させ、他方
の滴下ロートに入れた。これら2つの溶液を、0℃にて
撹拌される反応フラスコ内のジクロロメタン溶液に、5
時間で同時に滴下添加した。次いで該反応混合物を室温
にて一夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、黄色の固体
を得た。この固体をジクロロメタン(150ml)に溶解さ
せ、水(120ml)にて2回洗浄した。乾燥後(Na2C
O3)、溶媒を除去し、生成物をジクロロメタン−メタノ
ールから−22℃に冷却して再結晶し、4.66g(収率28
%)の生成物を白色固体として得た。
mp224℃;1H NMR(CDCl3)δ0.96−1.30(数個のm,5
H),1.48(m,1H),1.60−1.81(数個のm,5H),2.46(s,
9H),3.09−3.78(数個のm,12H),3.89−3.91(2d,J=1
6.7および16.6Hz,2H),4.03(m,1H),6.61(d,J=9.5H
z,1H),6.85(dd,J=7.1Hz,4.1Hz,1H),7.31−7.42(数
個のm,6H),7.70(d,J=7.7Hz,4H),7.76(d,J=8.3Hz,
2H) E.2−シクロヘキシル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロ
ペンタデカンの合成 例30Dのように調製された5−シクロヘキシル−1,10,
13−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,10,13
−ペンタアザシクロペンタデカン−3,8−ジオン(4.841
g、6.386mmole)をアルゴン下で2首フラスコに入れ
た。乾燥1,2−ジメトキシエタン(dme、100ml)を添加
し、懸濁物を得た。該反応フラスコを冷却水浴内に設置
後、dme中のリチウムアルミニウムヒドリド(0.5M、100
ml、50mmole)を10分間で添加して、ほぼ透明な溶液を
得た。追加のdme(50ml)を添加し、フラスコを水浴か
ら取り出し、マントルにより加熱を開始した。数分間加
熱後、更にリチウムアルミニウムヒドリド溶液(40ml、
20mmole)を添加し、還流下で加熱を継続した。溶液
は、すぐに黄色に不透明となった。一夜で、還流溶液は
ほぼ白色で不均質になった。39.5時間後には、反応混合
物は乳状で黄色を呈していた。加熱を停止し、反応混合
物を室温まで冷却した。反応フラスコを水浴中においた
後、みず(2.2ml)を注意して10分間で添加してクェン
チングした。該反応は、気体発生を伴う発熱性の反応で
ある。次いで15%水酸化ナトリウム水溶液(2.2ml)、
続いて水(6.5ml)を迅速に添加した。1時間撹拌後、
撹拌を継続しつつテトラヒドロフラン(135ml)を添加
した。該混合物は白色の沈殿を伴い濃厚であった。50分
後に、混合物をN2が流れる逆ロートを通して濾過し、ろ
液をロータリエバポレータにて除去して粘性の液体を得
た。真空に引いた後、残渣をアルゴン下でアセトニトリ
ルから−20℃に冷却して再結晶した。3回のバッチの若
干粘性の白色固体を得、これを合わせてアルゴンチでヘ
キサンから−20℃に冷却して再結晶し、0.796g(収率42
%)を得た。
mp67−69.5℃(窒素下);1H NMR(CDCl3)δ0.84−1.3
2(数個のm、5H),1.40−2.0(数個のm,11H),2.28−
2.46(m,2H),2.50−2.97(数個のm、17H);正確な質
量:(M+H):理論値、298.2971;実験値、298.2973
(C16H36N5) F.[マンガン(II)ジクロロ(2−シクロヘキシル−1,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]の合成 無水塩化マンガン(II)(0.21g、1.7mmole)を含む
無水MeOH(50ml)の還流溶液に、例30Eのように調製さ
れた2−シクロヘキシル−1,4,7,10,13−ペンタアザシ
クロペンタデカン(0.50g、1.7mmole)を乾燥窒素雰囲
気下で添加した。2時間還流後、溶液を室温にて一夜撹
拌した。該溶液を、珪藻土を通して濾過し、乾燥させ
た。該溶液を、エタノールから再結晶し、エチルエーテ
ルにて洗浄し、減圧下で乾燥させて0.44g(収率62%)
の白色固体を得た。
FAB質量分光(NBA+Li)m/z(相対強度)429(M++Li,
5)387/389[(M−Cl)+,100/35];元素分析C16H35N5
MnCl2について理論値、C、45.40;H、8.33;N、16.54;C
l、16.75;実験値、C、45.39;H、8.04;N、16.33;Cl、1
6.37 例31 A.1−フェニル−1,2−エタンジアンモニウムジクロライ
ドの合成 この化合物はEsser,T.,Karu,A.E.,Toia,R.F.Casida,
J.E.,Chem.Res.Toxicol.,4,162−7(1991)の方法に従
って調製された。無水エタノール(300ml)を0℃に冷
却し、次いで2−フェニルグリシノニトリルハイドロク
ロライド(技術級、20g、純粋な場合118mmole)を添加
した。内部温度を5℃以下に保ちつつ、エタノール(15
0ml)および濃塩酸(4.6ml、55.7mmole)の溶液を小分
けに添加した。該溶液を室温まで昇温させ、酸化プラチ
ナ(2.0g、8.8mmole)を添加し、60psiに6時間加圧し
た。圧力を開放し、該反応混合物を濾過し、溶媒を減圧
下で除去した。エタノール−ジクロロメタンから再結晶
して6.0g(原料の純度未知のため収率決定せず)の生成
物を白色固体として得た。
mp303−4℃;1H NMR(DMSO−d6)δ3.24(dd,J=13.4,
6.0Hz,1H),3.55(dd,J=13.4,7.0Hz,1H),4.65(t,J=
6.5Hz,1H),7.47(m,3H),7.60(m,2H),8.77(br s,6
H) B.1−フェニル−1,2−ジアミノエタンの合成 Esser,T.,Karu,A.E.,Toia,R.F.Casida,J.E.,Chem.Re
s.Toxicol.,4,162−7(1991)の方法に従って、例31A
にて調製された1−フェニル−1,2−エタンジアンモニ
ウムジクロライド(19.46g、93.05mmole)を1リットル
の2N水酸化カリウムに溶解させ、約1分間撹拌した。こ
の溶液をジエチルエーテル(1000ml)にて3回抽出し
た。エーテルを減圧下で除去し、少量の淡黄色液体を残
した。次いで水性相をジクロロメタン(それぞれ250m
l)にて8回抽出した。これらの抽出物をエーテル抽出
の残渣と合わせ、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を除去して
5.0g(収率40%)の淡黄色液体を得た。この物質はNMR
で少量の不純物ピークを示したが、更に精製することな
く次の工程を使用した。1 H NMR(CDCl3)δ1.38(br s,4H),2.69(m,1H),2,
79(m,1H),3.78(m,2H),7.10−7.30(2m,5H) C.N,N′−ジ(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジアミ
ノ−1−フェニルエタンの合成 例31Bのようにして調製された1,2−ジアミノ−1−フ
ェニルエタン(5.0g、37.5mmole)を水(110ml)に溶解
し、水酸化ナトリウム(3.0g、75mmole)を小分けに添
加した。10分間撹拌後、p−トルエンスルホニルクロラ
イド(3.0g、75.1mmole)を添加し、撹拌を1時間継続
した。エーテル(225ml)を添加し、該反応混合物を室
温にて一夜撹拌した。この間に白色固体が沈殿した。固
体を濾過し、エーテルにて洗浄し、乾燥させた(13
g)。ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶して12.7g
(収率73%)の白色固体を得た。
mp148−9℃;1H NMR(CDCl3)δ2.39(s,3H),2.43
(s,3H),3.19(m,2H),4.31(dd,J=12.2,6.8Hz,1H),
4.77(t,J=6.6Hz,1H),5.32(d,J=6.7Hz,1H),6.98
(m,2H),7.19(m,5H),7.27(d,J=5.9,2H),7.59(d,
J=8.3Hz,2H),7.68(d,J=8.3Hz,2H) D.2−フェニル−1,4,7,10,13−ペンタキス(p−トルエ
ンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペン
タデカンの合成 アルゴン導入口、滴下ロート、内部温度計および磁気
撹拌棒を備えた3リットルの4首丸底フラスコ中で、例
31Cのように調製されたN,N′−ジ(p−トルエンスルホ
ニル)−1−フェニルエチレンジアミン(39.0g、87.72
6mmole)を乾燥N,N′−ジメチルホルムアミド(dmf,350
ml)に、アルゴン雰囲気下で溶解させた。モレキュラー
シーブにて保存された18−クラウン−6(46.417g、17
5.61mmole)を添加した。ナトリウムヒドリド(95%、
4.49g、178mmole)を乾燥箱内で秤量し、これを直接に
反応フラスコに加えた。直ちに激しい気体発生が起き
た。撹拌を室温にて1時間継続し、次いで55分間、加熱
マントルを用いて内部温度を100℃とした。例2Cにおい
て調製された3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニ
ル)−3,6,9−トリアザウンデカン−1,11−ジ−p−ト
ルエンスルホネート(84.59g、87.91mmole)を乾燥窒素
飽和dmf(650ml)に溶解させ、100℃に維持された撹拌
混合溶液に、4時間10分間で滴々添加した。該反応物を
一夜撹拌後(16時間)、ある程度冷却し、珪藻土を通し
て濾過し、減圧下でほとんどの溶媒を除去した。濃厚な
褐色液体を、クロロホルム(300ml)に溶解し、300mlづ
つの水にて3回洗浄した。合わせた水性洗浄液を30mlの
クロロホルムにて逆洗浄し、合わせた有機相を飽和食塩
水(各150ml)にて3回、水(150ml)、および飽和食塩
水(150ml)により洗浄した。乾燥(MgSO4)および濾過
後、溶媒を部分的に除去して体積を250−300mlにした。
クロロホルム−メタノールから再結晶して生成物を回収
した。98:2のジクロロメタン:メタノールにて溶出する
フラッシュ濾過によりろ液中の若干の不純物を除去し
た。連続する3リットルを回収し、含まれる全ての生成
物を合わせ、溶媒を除去し、クロロホルム−メタノール
から再結晶して、19.07g(収率21%)の生成物を得た。
滴下ロートの一つに入れた。例Cのように調製された
1−シクロヘキシル−1,2−ジアミノエタン(3.0g、21.
09mmole)およびトリエチルアミン(4.69g、46.3mmol
e) mp209−210℃(分解);1H NMR(CDCl3)δ2.33(s,3
H),2.43および2.46(2s,6H),2.96−3.72(数個のm,16
H),3.98(dd,J=15.4,5.6Hz,1H),5.22(t,J=1.5Hz,1
H),7.15(d,J=8.1Hz,2H),7.26−7.42(m,15.5H、溶
媒を含む),7.46(d,J=7.7Hz,2H),7.57(d,J=7.3Hz,
2H),7.66−7.79(m,6H) E.2−フェニル−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタ
デカンの合成 ナトリウムナフタレニドを、乾燥1,2−ジメトキシエ
タン(dme、200ml)をSclenkチューブ内でアルゴン下に
てナフタレン(24.174g、188.60mmole)に添加し、次い
で新たに切断したナトリウム片(4.4g、191.4mmole)を
添加し、ガラス被覆撹拌棒で1.75時間撹拌した。直ちに
暗緑色に発色した。この間に、上記撹拌装置、内部温度
計、滴下ロートおよびアルゴン導入口を備えた1リット
ルの4首丸底フラスコを不活性化した。例31Dのように
調製された2−フェニル−1,4,7,10,13−ペンタキス
(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカン(9.995g、9.41mmole)を加え、
次いでt−ブタノール(3.60g、48.57mmole)、更に乾
燥dme(350ml)を添加して撹拌を開始した。カヌーレを
用いてナトリウムナフタレニドを滴下ロートに移し、撹
拌溶液を−75℃(内部)まで冷却し、ナトリウムナフタ
レニド溶液を90分間で滴々添加した。撹拌溶液と接触す
ると暗緑色が急速に消えた。スルホンアミドあたり2当
量のナトリウムナフタレニドを添加した時点で緑色が若
干残るが、数分後には消えた。−75℃にて15分後、該反
応混合物を−40℃まで徐々に加温した。温度が−60℃の
間に少量のナトリウムナフタレニドを添加して残る緑色
を取り去った。ナトリウムナフタレニドの全体積は、約
110ml(104mmole)であった。次の1時間で10℃まで加
温し、溶媒をロータリエバポレータにて除去し、褐色の
液体が残った。真空下で乾燥後、この固体をアルゴン下
で乾燥ペンタン(100mlづつ5回)に抽出し、フィルタ
移送器具(一端部が広がり、濾紙がニクロム線により固
定された鋼製の筒状を有するカヌーレ)を用いて濾過し
た。合わせたペンタン抽出物の溶媒を除去して褐色の固
体を得た。若干のナフタレンが真空下で昇華した。残渣
をペンタン(50mlづつ3回)にて再度抽出し、溶媒を除
去して白色および褐色の固体とし、真空下で42度に加熱
して、更にナフタレンを昇華せしめた後、褐色残渣を得
た。いくらかの生成物が認められたが(NMR)、かなり
の量の部分トシル化物質が存在するものと思われた。こ
れらの残渣を集め(3.06g)、ナトリウムナフタレニド
による更なる還元に付した。ナトリウムナフタレニド
は、上述のように、乾燥dme(26ml)中にてナフタレン
(3.01g、23.48mmole)およびナトリウム(0.549g、23.
88mmole)から2時間10分間で調製された。上記と同様
に装備された500mlの4首フラスコにて、部分トシル化
大環状分子をアルゴン下でdme(65ml)およびt−ブタ
ノール(0.48g、6.48mmole)に溶解させた。内部温度を
−70℃に低下させるために、ドライアイス−イソプロパ
ノール浴を使用し、ナトリウムナフタレニドの添加を開
始した。2時間で19mlのナトリウムナフタレニドを、−
65℃以下の温度で緑色が残るまで徐々に添加した。次の
40分間で内部温度を−50℃まで昇温させ、40分間維持し
(一例外として−40℃)、暗緑色を維持した。−50℃に
てエタノール(1ml)を添加した。加温を継続し、脱色
は−25℃にて起きた。反応混合物が10℃に達した後に、
溶媒を減圧下で除去し、残渣を真空中においた。冷凍減
圧(いくらかのナフタレンが除去される)、および真空
下で一夜置いた後、残渣を乾燥ペンタン(50mlにて3
回)にて抽出した。ペンタン分画を減圧下で蒸発させ、
真空下に置いた。溶解しない残渣を水(15ml)にて処理
した。水性相をクロロホルム(35mlにて3回)にて抽出
した。乾燥(Na2CO3)、および濾過後、クロロホルム溶
液を琥珀色の液体(2.26g)まで蒸発させた。これをペ
ンタン(100ml4回)にて抽出し、580mgの白色固体を得
た。1H NMRは、これらのうち第一のものが開環化合物
に対して約5:1の所望の生成物を含み、一方、第二のも
のが開環化合物に対して約2:1の所望の生成物を含むこ
とを示唆した。クロロホルム抽出物の更なるペンタン抽
出物(50ml)を、先行する実験からのNH4Cl/NaOH処理分
画の水/クロロホルム抽出物と合わせ、溶媒除去した。
生成物大環状分子が、開環生成物より多いペンタン抽出
物の全てを、メチレンクロライドに溶解させ、合わせ、
溶媒除去し、冷凍減圧した。この残渣を、アルゴン下、
50℃にて乾燥ヘキサン(110ml)に溶解させ、濾紙移送
器具を用いて濾過した。約40℃に冷却すると溶液は濁っ
た。一夜放置後、少量の黄色油状物がフラスコの中央部
に集まった。この物質を濾過し、冷凍減圧した。
1H NMRは、これのほとんどが、所望の大環状分子の
開環した望まない開環生成物であることを示した。ろ液
を45℃に加熱し、次いで25℃に冷却し、少量の油性の固
体を貯留し、濾過した。ろ液を再度45℃に加熱し、除去
に約5℃まで冷却し、少量の白色結晶を貯留した。該フ
ラスコを包み、冷凍庫内のビーカー中に置いた。白色結
晶を、濾紙移送器具を用いて低温下で濾過し、冷却ヘキ
サン(−20℃)にて洗浄し、次いで真空下で乾燥させ
た。収率、約10−15%の開環物質を含む混合物として、
370mg:1 H NMR(CDCl3)δ1.35(d,J=6.6Hz,副生成物),1.85
(br s),2.44−3.00(数個のm,主+副生成物),3.69
(dd,J=10.5,3.0Hz,主生成物),3.74)q,J=6.7Hz,副
生成物),7.21−7.34(数個のm,両生成物),7.75(d,J
=8.3Hz,副生成物);FAB質量分光 m/z292.2(M++H)
F.[マンガン(II)ジクロロ(2−フェニル−1,4,7,1
0,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]の合成 無水塩化マンガン(II)(150mg、1.19mmole)を含む
メタノール(50ml)の低温還流溶液に、例31Eのように
調製された2−フェニル−1,4,7,10,13−ペンタアザシ
クロペンタデカン(0.50g、1.7mmole)を添加した。該
反応物を3時間、乾燥窒素雰囲気下で還流後、溶液を室
温にて一夜撹拌した。該黄色溶液を、珪藻土を通して濾
過し、乾燥させた。ガラス状油状物を、熱エチルエーテ
ル(30ml)にて洗浄し、次いで熱EtOHに溶解させた。Et
OH溶液を濾過し、次いで蒸発させた。固体をアセトン/C
H3CNから再結晶し、255mg(収率52%)の白色微小結晶
性固体を得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度);416(M+,2),381/
383[(M−Cl)+,100/32];元素分析C16H29N5MnCl2
ついて理論値、C、46.05;H、7.01;N、16.78;実験値、
C、46.23;H、7.04;N、16.62 例32 A.エチル 1−ナフチルグリオキサレートの合成 標記の化合物は、Blicke,F.F.およびFeldkamp,R.F.,
J.Am.Chem.Soc.,66,1087−91(1944)に記載された方法
で合成された。乾燥1,1,2,2−テトラクロロエタン(500
ml)に溶解されたナフタレン(76g、0.59mole)および
エチルオキサリルクロライド(89.5g、0.65mole)を、
水銀シール撹拌器、固体添加用ロート、および還流凝縮
器を備えた3首フラスコに入れた。該混合物を0℃に冷
却し、塩化アルミニウム(95g、0.71mole)を2時間で
小分けに添加した。反応混合物を室温にて12時間撹拌
し、氷上に注いだ。分離された有機層を、水(500m
l)、希釈Na2CO3溶液(250ml)および水(500ml)にて
洗浄した。1,1,2,2−テトラクロロエタンを減圧下で除
去し、残渣を蒸留した。淡黄色の油状物(93g、bp164−
8℃/3mm)は、エチル1−ナフチルグリオキサレートお
よびエチル2−ナフチルグリオキサレートの混合物であ
る。無水エタノール(86ml)中の2種類の異性体の混合
物(50g)に、ピクリン酸(50g)を添加した。該混合物
を透明な溶液が得られるまで加熱した。冷却により形成
された結晶が沈殿し、これを濾過し、冷EtOHに洗浄して
90gのエチルナフチルグリオキサレートピクレートを得
た。該ピクレートを水(1000ml)に懸濁し、油状残渣を
10%炭酸ナトリウム溶液により、リトマスでアルカリ性
となるまで処理した。分離されるエチル 1−ナフチル
グリオキサレートを、CCl4(4x40ml)にて抽出した。合
わせた抽出物を水にてピクリン酸が無くなるまで洗浄
し、MgSO4にて乾燥させ、蒸発させて油状物を得た。該
油状物の分画蒸留によって、41g(収率49%)のエチル
1−ナフチルグリオキサレートを淡黄色油状物として得
た。
bp167℃/3mm;1H NMR(CDCl3)δ1.13(t,J=7.1Hz,3
H),4.14(q,J=7.1Hz,2H),7.52−7.71(m,3H),7.91
(d,J=8.1Hz,1H),7.98(d,J=7.3Hz,1H),8.11(d,J
=8.3Hz,1H),9.04(d,J=8.8Hz,1H) B.1−ナフチルGly−OEtの合成 酢酸ナトリウム(NaOAc)(5.3g、65mmole)およびヒ
ドロキシルアミンハイドロクロライド(6.9g、100mmol
e)を含むEtOH(300ml)中の、冷32Aの様に調製された
エチル1−ナフチルグリオキサレート(11.4g、50mmol
e)の溶液を、3時間還流した。反応混合物を冷却し、
溶媒を減圧下で除去し、オキシムを得た。氷冷したMeOH
/HCOOH/H2O(120ml/75ml/60ml)中のオキシムの溶液
(5℃)に、Znダスト(7.6g)を40分間で小分けに添加
した。添加完了後、混合物を0℃にて12時間撹拌した。
該混合物を25℃に加温した後、混合物を濾過した。ろ液
を減圧下で濾過し、油状物を得た。該油状物を1N HCl
(100ml)に溶解し、該溶液をEtOAc(50ml)にて洗浄し
た。水性層を1N NaOHにてpH8にアルカリ化し、EtOAc
(3x50ml)にて抽出し、MgSO4にて乾燥させ、減圧下で
濃縮して4.65g(収率40%)の1−ナフチルグリシンエ
チルエステルを淡黄色油状物として得た。1 H NMR(CDCl3)δ1.12(t,J=7.0Hz,3H),4.13(q,J
=7.0Hz,2H),6.36(s,1H),7.5−7.8(m,7H) C.Boc−Gly−Gly−1−ナフチルGly−OEtの合成 イソブチルクロロホルメート(2.63ml、20.3mmole)
を、乾燥DMF(60ml)中のBoc−Gly−Gly−OH(4.7g、2
0.3mmole)およびN−メチルモルホリン(2.2ml、20.3m
mole)の溶液に0℃にて添加し、30分間撹拌を続けた。
CH2Cl2(60ml)中の例32Bにて調製された1−ナフチルG
ly−OEt(4.65g、20.3mmole)の溶液を、上記混合物に
添加し、0℃にて15分間、室温にて2時間撹拌した。該
混合物をEtOAc(200ml)にて希釈し、1N NaHSO4(1x10
0ml)、水(1x100ml)、飽和NaHCO3(1x100ml)、およ
び食塩水(1x100ml)にて順次洗浄した。有機層をMgSO4
にて乾燥させ、減圧下で濃縮して7.86g(収率87%)のB
oc−Gly−Gly−1−ナフチルGly−OEtを白色固体として
得た。
mp76℃;1H NMR(CDCl3)δ1.13(t,J=7.2Hz,3H),1.3
8(s,9H),3.68(m,2H),3.95(m,2H),4.13(q,J=7.2
Hz,2H),5.35(br t,1H),6.26(d,J=7.4Hz,1H),6.9
8(br s,1H),7.37−7.55(m,4H);7.79−7.85(m,3
H);8.12(d,J=8.1Hz,1H) D.Boc−Gly−Gly−1−ナフチルGlyの合成 例32Cのように調製されたBoc−Gly−Gly−1−ナフチ
ルGly(7.86g、17.6mmole)を、MeOH(150ml)に溶解さ
せ、1N NaOH(250ml)溶液を撹拌混合物に室温にて添
加した。該混合物を12時間撹拌し、MeOHを減圧下で除去
した。水性層のpHを1NHCl溶液にて4.5に調節し、EtOAc
(2x100ml)にて抽出し、食塩水にて洗浄し、MgSO4にて
乾燥させ、減圧下で濃縮して5.78g(収率78%)のBoc−
Gly−Gly−1−ナフチルGlyを白色固体として得た。
mp115−6℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.35(s,9H),3.53
(d,J=5.9Hz,2H),3.79(d,J=5.5Hz,2H),6.11(d,J
=7.3Hz,1H),6.96(t,J=5.7Hz,1H),7.48−7.98(m,8
H),8.06(d,J=8.1Hz,1H),8.75(d,J=7.8Hz,1H) E.Boc−Gly−Gly−1−ナフチルGly−Gly−Gly−OEtの
合成 イソブチルクロロホルメート(1.8ml、13.8mmole)
を、CH2Cl2(50ml)中の例32Dのように調製されたBoc−
Gly−Gly−1−ナフチルGly(5.73g、13.8mmole)およ
びN−メチルモルホリン(1.52ml、13.8mmole)の溶液
に0℃にて添加し、30分間撹拌を続けた。DMF(50ml)
中のHCl・Gly−Gly−OEt(2.7g、13.8mmole)およびN
−メチルモルホリン(1.52ml、13.8mmole)の溶液を、
上記混合物に添加し、0℃にて15分間、室温にて2時間
撹拌した。該混合物をEtOAc(200ml)にて希釈し、1N
NaHSO4(1x50ml)、水(1x50ml)、飽和NaHCO3(1x50m
l)、および食塩水(1x50ml)にて順次洗浄した。有機
層をMgSO4にて乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を
得た。熱CH2Cl2およびヘキサンから再結晶して、5.0g
(収率65%)のBoc−Gly−Gly−1−ナフチルGly−Gly
−Gly−OEtを白色固体として得た。
mp190℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.22(t,J=7.0Hz,3
H),1.35(s,9H),3.54(d,J=5.9Hz,2H),3.71−3.88
(m,6H),4.07(q,J=7.0Hz,2H),6.18(d,J=8.1Hz,1
H),6.96(br t,1H),7.44−7.95(m,7H),8.07(d,J
=7.4Hz,1H),8.26(t,J=5.7Hz,1H),8.53(t,J=5.76
Hz,1H),8.62(d,J=7.7Hz,1H) F.Gly−Gly−1−ナフチルGly−Gly−Glyの合成 例32Eのように調製されたBoc−Gly−Gly−1−ナフチ
ルGly−Gly−Gly−OEt(5.0g、8.98mmole)を、酢酸:HC
l(4:1,v/v)溶液(200ml)に溶解し、該混合物を室温
にて12時間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、得ら
れた残渣をEt2Oにて洗浄して3.4g(88%)のGly−Gly−
1−ナフチルGly−Gly−Glyを白色固体として得た。
mp252−3℃(分解);1H NMR(DMSO−d6)δ3.56(d,J
=5.9Hz,2H),3.71−3.91(m,6H),6.21(d,J=7.8Hz,1
H),7.47(t,J=7.7Hz,1H),7.49−7.64(m,4H),7.87
(d,J=8.2Hz,1H),7.93(d,J=7.4Hz,1H),8.06(d,J
=8.0Hz,1H),8.22−8.28(m,3H),8.59(br t,1H),
8.68(t,J=5.5Hz,1H),8.84(d,J=7.8Hz,1H) G.シクロ−(Gly−Gly−1−ナフチルGly−Gly−Gly)
の合成 この化合物は、Veber,D.F.ら、J.Org.Chem.,44,3101
−5(1979)の方法に従って合成された。例32Fの様に
調製されたペンタペプチドGly−Gly−1−ナフチルGly
−Gly−Gly(3.14g、7.3mmole)を、脱気したDMF(800m
l)中に溶解し、溶液のpHをトリエチルアミンにて7.2に
調節した。ジフェニルホスホリルアジド(1.88ml、8.77
mmole)を−20℃にて添加した。該混合物を−20℃にて
2日間撹拌し、必要に応じてトリエチルアミンの添加に
よりpHを7−7.5に維持しつつ、2℃にて2日間撹拌し
た。該反応混合物に水(800ml)およびBio−Rad AG501
−X8(D)樹脂(200g)を添加し、混合物を6時間撹拌
した。濾過により樹脂を分離し、ろ液を減圧下で濃縮し
て1.6g(収率53%)のシクロ−(Gly−Gly−1−ナフチ
ルGly−Gly−Gly−)を白色固体として得た。
mp256−8℃;1H NMR(DMSO−d6)δ3.62−4.06(m,9
H),6,33(d,J=7.8Hz,1H),7.25(d,J=7.4Hz,1H),7.
40(t,J=7.7Hz,1H),7.46−8.25(m,7H),8.29(br
t,1H),8.59(d,J=7.8Hz,1H),8.74(t,J=5.5Hz,1
H);FAB質量分光(NBA)m/z 412(M++H) H.2−(1−ナフチル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシク
ロペンタデカンの合成 例32Gのように調製されたシクロ−(Gly−Gly−1−
ナフチルGly−Gly−Gly−)(3.4g、8.26mmole)を、ジ
メチルエタン(100ml)中のLiAlH4の0.5M溶液中に懸濁
し、乾燥窒素雰囲気下で4日間還流した。該混合物を冷
却し、水(10ml)および1N NaOH溶液(10ml)にてクェ
ンチングした。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮乾固
させた。得られた固体をEt2O(5x50ml)にて粉砕した。
合わせたEt2O抽出物を減圧下で濃縮し、熱アセトニトリ
ルから結晶化して、0.55g(収率20%)の2−(1−ナ
フチル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカ
ンを白色固体として得た。
mp87−8℃;1H NMR(CDCl3)δ2.00(br m,5H);2.49
−3.05(m,19H),4.59(dd,J=10.0,2.0Hz,1H),7.44−
7.52(m,4H),7.67(d,J=7.0Hz,1H),7.86(d,J=7.0H
z,1H),8.18(d,J=7.7Hz,1H);FAB質量スペクトル(NB
A+Li+)m/z 348(M++Li);正確な質量(M+Li)+:
理論値、348.2740;実験値、348.2756(C20H31N5Li) I.2−(1−ナフチル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシク
ロペンタデカンの合成(別法) シクロ−(Gly−Gly−1−ナフチルGly−Gly−Gly
−)(0.162g、0.40mmole)を、BH3・ピリジンの1N溶液
(6ml)に懸濁し、乾燥窒素雰囲気下で3日間還流し
た。該混合物を冷却し、6N HCl(10ml)にてクェンチ
ングし、1N NaOH溶液を用いて中和した。該反応混合物
を減圧下で濃縮乾固させ、得られた固体をEt2O(5x20m
l)にて粉砕した。Et2O抽出物を減圧下で濃縮して66mg
(収率48%)の2−(1−ナフチル)−1,4,7,10,13−
ペンタアザシクロペンタデカンを得、これを熱アセトニ
トリルから結晶化して白色固体を得た。
mp87−8℃;1H NMR(CDCl3)δ2.00(br m,5H);2.49
−3.05(m,19H),4.59(dd,J=10.0,2.0Hz,1H),7.44−
7.52(m,4H),7.67(d,J=7.0Hz,1H),7.86(d,J=7.0H
z,1H),8.18(d,J=7.7Hz,1H);FAB質量スペクトル(NB
A+Li+)m/z 348(M++Li);正確な質量(M+Li)+:
理論値、348.2740;実験値、348.2756(C20H31N5Li) J.{マンガン(II)ジクロロ[2−(1−ナフチル)−
1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン]}の合
成 例32Hのように調製された2−(1−ナフチル)−1,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)0.23g、0.
67mmole)を、無水塩化マンガン(II)(84.4mg、0.67m
mole)を含むメタノール(50ml)の還流溶液に乾燥窒素
雰囲気下で添加した。該反応物を一夜還流後、珪藻土を
通して濾過した。該溶液を乾燥させ、熱EtOH(10ml)に
再度溶解させた。得られた黄色がかかった溶液を珪藻土
を通して濾過し、エチルエーテル(30ml)を添加した。
形成された柔毛状の黄色沈殿を濾過し、廃棄した。ろ液
をエチルエーテルにて50mlに希釈し、4日間静置した。
白色の微小結晶状沈殿を濾過して回収し、減圧下で乾燥
後に0.144g(収率46%)の生成物を得た。
FAB質量分光(NBA)m/z(相対強度);466(M+,3),431/
433[(M+−Cl),100/31];元素分析C20H31N5MnCl2
ついて理論値、C、51.40;H、6.69;N、14.99;実験値、
C、52.10;H、6.73;N、14.71 例33 A.DAla−Gly−Gly−Obzl・HClの合成 ベンジルアルコール(75ml)中のDAla−Gly(5.0g、2
4.6mmole)の懸濁液を0℃に冷却し、無水HClガスを該
混合物に30分間バブリングした。得られた溶液を約−30
℃にて一夜保存した。該混合物を減圧下で濃縮し、得ら
れた油状物をメタノール(〜25ml)の添加により結晶化
した。固体を濾過により単離し、残留するメタノールを
除去するために水(2x250ml)にて共沸させ、最終的に
トルエン(2x250ml)にて共沸させた。この処理によ
り、7.10g(収率88%)のベンジルエステルを白色粉末
として得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.38(d,J=6.8Hz,3H),3.81−
3.95(m,5H),5.14(s,2H),7.38(s,5H),8.33(br
s,3H),8.57(t,J=5.6Hz,1H),8.84(t,J=5.5Hz,1H) B.Boc−Gly−Alaの合成 THF(350ml)中のGly−Ala(25.0g、171mmole)の溶
液および0.5N水酸化ナトリウム(350ml)に、0℃にて
(Boc)2O(41.3g、189mmole)を添加した。pHを5時間
にわたり〜10に維持し(1.0N水酸化ナトリウムを用い
た)、次いで該反応物を12時間室温にて撹拌した。pHを
1.0N水酸化ナトリウムにて再度〜10に調節し、THF層を
分離し、水溶液を酢酸エチル(2x250ml)にて洗浄し
た。pHを1.0N重硫酸ナトリウムにて3.0に調節し、この
溶液を酢酸エチル(2x259ml)にて抽出した。合わせた
抽出物を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧
下で濃縮して38.2g(収率91%)の生成物を白色粉末と
して得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.26(d,J=7.3Hz,3H),1.38
(s,9H),3.45−3.62(m,2H),4.18−4.25(m,1H),6.8
8(t,J=5.6Hz,1H),7.99(d,J=7.2Hz,1H) C.Boc−Gly−Ala−DAla−Gly−Gly−OBzlの合成 無水DMF(300ml)中の例33Bのように調製されたBoc−
Gly−Ala(10.2g、41.5mmole)の溶液に、HOBT・H2O
(6.12g、46.0mmole)、EDC・HCl(8.81g、46.0mmole)
およびDAla−Gly−Gly−OBzl・HCl(13.7g、41.5mmol
e)を添加した。得られた溶液のpHを〜8に調節し(湿
らせたHydrion試験紙に反応混合物を滴下して測定)、
反応混合物を室温にて12時間混合した。次いで該溶液を
減圧下で濃縮し、残渣を水(40ml)に溶解した。得られ
た溶液を、酢酸エチル(3x150ml)にて抽出した。合わ
せた酢酸エチル層を、1N重硫酸ナトリウム(100ml)、
飽和重炭酸ナトリウム(100ml)および食塩水(100ml)
にて洗浄した。酢酸エチル溶液を乾燥させ(硫酸マグネ
シウム)、濾過し、半分の体積まで濃縮した。室温にて
30分間静置して、生成物を結晶化させた。濾過により結
晶を回収し、高真空下で乾燥させて、17.4g(収率80
%)の純粋な生成物を得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.21(d,J=7.4Hz,3H),1.23
(d,J=7.3,3H),1.38(s,9H),3.56(d,J=6.3Hz,2
H),3.75(d,J=5.7Hz,2H),3.93(d,J=6.0Hz,2H),4.
24−4.34(m,2H),5.14(s,2H),6.98(t,J=5.7Hz,1
H),7.34−7.4(m,5H),7.93(d,J=7.2Hz,1H),8.17−
8.24(m,3H) D.Gly−Ala−DAla−Gly−Gly・HClの合成 氷酢酸(480ml)中の例33Cのように調製されたBoc−G
ly−Ala−DAla−Gly−Gly−OBzl(17.2g、33.0mmole)
に6N HCl(120ml)を添加し、該反応混合物を室温で24
時間撹拌した。減圧下での濃縮、および引き続く水(2x
250ml)およびトルエン(2x250ml)との共沸により、1
2.9g(収率100%)の生成物を、白色粉末として得た。1 H NMR(D2O)δ1.36(d,J=6.9Hz,3H),1.38(d,J=
7.2,3H),3.84(s,2H),3.96(s,2H),3.99(s,2H),4.
30−4.36(m,2H) E.シクロ−(Gly−Ala−DAla−Gly−Gly−)の合成 この化合物は、Veber,D.F.ら、J.Org.Chem.,44,3101
−3105(1979)の方法に従って合成された。無水DMF(4
400ml)中の、例33Dの様に調製されたGly−Ala−DAla−
Gly−Gly・HCl(12.9g、35.0mmole)の溶液に、pHを〜
8に調節するに充分なTEAを添加し(湿らせたHydrion試
験紙に反応混合物を滴下して測定)、該混合物を−25℃
に冷却した。この混合物にDPPA(9.20ml、43.0mmole)
を5分間で滴々添加した。該反応物を−25℃(内部温
度)にて48時間静置した。この間に同様にpHを定期的に
監視し、TEAの添加により〜8(上記と同様)に維持し
た。この後、該反応混合物を0℃にて48時間静置した。
同様にpHを定期的に監視し、TEAの添加により〜8に維
持した。次いで、該反応混合物を水(4400ml)にて希釈
し、Bio−Rad AG501〜X8(混合床)樹脂と(200g)共
に6時間撹拌した。該樹脂を濾過し、溶液を濃縮乾固さ
せた。残渣の還流THF(250ml)による粉砕、熱THFの濾
過、および高真空下での乾燥によって、6.61g(収率60
%)の生成物を白色粉末として得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.15−1.32(m,,6H),3.45−4.0
0(m,6H),4.10−4.38(m,2H),7.81(d,J=7.8Hz,1
H),7.97(t,J=6.6Hz,1H),8.10(m,2H),8.18(d,J=
7.5Hz,1H) F.(2S,5R)−ジメチル−1,4,7,10,13−ペンタアザシク
ロペンタデカンの合成 ガラス製撹拌棒を入れたオープン乾燥した500mlフラ
スコをアルゴン流下で室温まで冷却し、シクロ−(Gly
−Ala−DAla−Gly−Gly−)(5.10g、16.3mmole)およ
びTHF(74.0ml)を入れた。この撹拌懸濁物に、THF(19
6ml、196mmole)中の1.0M LiAlH4を10分間で滴々添加
した。該懸濁物を室温にて1時間撹拌し、これはこの間
に均質になった。次いで混合物を48時間還流した。該混
合物を約−20℃に冷却し、飽和硫酸ナトリウム(50ml)
にてクェンチングした(注意深く)。得られた混合物を
減圧下で濃縮し、乾燥白色粉末とし、この混合物をメチ
レンクロライド(3x100ml)にて粉砕した。合わせたト
リチュレートを減圧下で濃縮し、得られた残渣をアセト
ニトリル、次いでヘキサンから再結晶し、2.23g(収率5
6%)の純粋生成物を白色固体として得た。
mp114−6度;[α]d 20=−4.76゜(c=0.008、メタ
ノール);1H NMR(CDCl3)δ0.99(d,J=6.0Hz,3H),
1.00(d,J=6.3Hz,3H),1.82(bs,5H),2.08(見かけt,
J=10.7Hz,1H),3.20(dd,J=11.3,10.0Hz,1H),2.45−
2.95(m,16H);正確な質量(M+H)+:理論値、244.2
501;実験値、244.2516(C12H30N5);元素分析C12H29N5
について理論値、C、59.22;H、12.01;N、28.77;実験
値、C、58.76;H、11.96;N、28.46 G.{マンガン(II)ジクロロ[(2S,5R)−ジメチル−
1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン]}の合
成 例33Fのように調製された(2S,5R)−ジメチルペンタ
アザシクロペンタデカン(367mg、1.51mmole)、および
無水塩化マンガン(II)(189mg、1.51mmole)を含む無
水メタノール(50ml)の溶液を、2時間還流し、室温に
て一夜撹拌した。該溶液を珪藻土を通して濾過し、減圧
下で乾燥させた。残渣をエタノール−エーテルから再結
晶して、340mg(収率61%)の生成物を白色固体として
得た。
[α]d 20=−9.75゜(c=0.006、メタノール);FAB質
量スペクトル(相対強度);368(M−H,l)+,333/335
[(M−Cl)+,100/35];元素分析C12H29N5Cl2Mnにつ
いて理論値、C、39.03;H、7.92;N、18.97;実験値、
C、39.26;H、7.96;N、19.00 例34 A.DAla−Gly−OBzl・HClの合成 ベンジルアルコール(150ml)中のDAla−Gly(10.0
g、68.42mmole)の懸濁液を0℃に冷却し、無水HClガス
を該混合物に30分間バブリングした。得られた溶液を冷
凍庫(0℃)にて一夜保存した。該混合物を減圧下で濃
縮した。得られた油状物を最小量のメタノール(〜50m
l)に溶解し、エーテル(700ml)の添加により沈殿させ
た。濾過および高真空下での乾燥により、15.2g(収率8
2%)のベンジルエステル塩化物を白色粉末として得
た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.40(d,J=7.0Hz,3H),3.91−
4.02(m,3H),5.15(s,2H),7.34(s,5H),8.44(bs,3
H),9.15(t,J=5.6Hz,1H) B.Boc−Gly−Ala−Glyの合成 THF(100ml)中のGly−Ala−Gly(10.0g、49.2mmol
e)の溶液および0.5N水酸化ナトリウム(100ml)に、0
℃にて(Boc)2O(11.9g、54.5mmole)を添加した。pH
を5時間にわたり〜10に維持し(1.0N水酸化ナトリウム
を用いた)、次いで該反応物を12時間室温にて撹拌し
た。pHを〜10に調節し、酢酸エチル(100ml)にて洗浄
した。pHを1.0N重硫酸ナトリウムにて〜2に調節し、こ
の溶液を酢酸エチル(2x100ml)にて抽出した。合わせ
た抽出物を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、減
圧下で濃縮して11.0g(収率74%)の生成物を白色粉末
として得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.22(d,J=7.0Hz,3H),1.34
(s,9H),3.57(d,J=5.9Hz,2H),3.75(d,J=6.0Hz,2
H),4.33(見かけquint,J=7.0Hz,1H),6.96(t,J=6.1
Hz,1H),7.93(d,J=7.0Hz,1H),8.22(t,J=5.7Hz,1
H) C.Boc−Gly−Ala−Gly−DAla−Gly−OBZlの合成 無水DMF(270ml)中の例34Bのように調製されたBoc−
Gly−Ala−Gly(11.0g、36.5mmole)の溶液に、HOBT・H
2O(5.46g、40.4mmole)、EDC・HCl(7.74g、40.4mmol
e)および例34Aのように調製されたDAla−Gly−OBzl・H
Cl(9.95g、36.5mmole)を添加した。得られた溶液のpH
を〜8に調節し(湿らせたHydrion試験紙に反応混合物
を滴下して測定)、反応混合物を室温にて12時間混合し
た。次いで該溶液を減圧下で濃縮し、残渣を水(50ml)
に溶解した。得られた溶液を、酢酸エチル(3x100ml)
にて抽出した。合わせた酢酸エチル層を、1N重硫酸ナト
リウム(50ml)、飽和重炭酸ナトリウム(50ml)および
食塩水(100ml)にて洗浄した。酢酸エチル溶液を乾燥
させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、12時間静置した。
濾過により結晶を回収し、高真空下で乾燥させて、13.4
g(収率70%)の純粋な生成物を得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.22(d,J=7.2Hz,3H),1.23
(d,J=7.2,3H),1.38(s,9H),3.58(d,J=6.0Hz,2
H),3.73(d,J=4.8Hz,2H),3.91(dd,J=6.0,3.0Hz,2
H),4.32(m,2H),5.14(s,2H),6.91(t,J=4.8Hz,1
H),7.38(s,5H),7.97(d,J=8.1Hz,1H),8.02(d,J=
6.9Hz,1H),8.19(t,J=5.4Hz,1H),8.33(t,J=5.4Hz,
1H) D.Gly−Ala−Gly−DAla−Gly・HClの合成 氷酢酸(400ml)中の例34Cのように調製されたGly−A
la−Gly−DAla−Gly−OBzl(13.4g、25.7mmole)に濃HC
l(100ml)を添加し、該反応混合物を室温で24時間撹拌
した。溶液を減圧下での濃縮し、水(100ml)に溶解
し、得られた水溶液をエーテル(2x50ml)にて洗浄し、
減圧下で再度濃縮した。高真空下で乾燥させて、9.70g
(収率100%)の生成物を、白色粉末として得た。1 H NMR(D2O)δ1.38(d,J=7.2Hz,3H),1.39(d,J=
7.2,3H),3.84(s,2H),3.92(s,2H),3.96(s,2H),4.
34(m,2H) E.シクロ−(Gly−Ala−Gly−DAla−Gly−)の合成 この化合物は、Veber,D.F.ら、J.Org.Chem.,44,3101
−3105(1979)の方法に従って合成された。無水DMF(3
200ml)中の、例34Dの様に調製されたGly−Ala−Gly−D
Ala−Gly・HCl(9.70g、26.4mmole)の溶液に、pHを〜
8に調節するに充分なTEAを添加し(湿らせたHydrion試
験紙に反応混合物を滴下して測定)、該混合物を−40℃
に冷却した。この混合物にDPPA(8.86ml、32.2mmole)
を5分間で滴々添加した。該反応物を−35℃にて5時間
維持し、次いで−25℃(内部温度)にて48時間静置し
た。この間に同様にpHを定期的に監視し、TEAの添加に
より〜8(上記と同様)に維持した。この後、該反応混
合物を0℃にて48時間静置した。同様にpHを定期的に監
視し、TEAの添加により〜8に維持した。次いで、該反
応混合物を水(3200ml)にて希釈し、Bio−Rad AG501
−X8(混合床)樹脂と(1500g)共に6時間撹拌した。
該樹脂を濾過し、溶液を濃縮乾固させた。残渣の還流TH
F(250ml)による12時間の粉砕、熱THFの濾過、および
高真空下での乾燥によって、5.50g(収率67%)の生成
物を白色粉末として得た。
mp>300℃(分解);1H NMR(DMSO−d6)δ1.16−1.25
(m,,6H),3.38−4.23(m,8H),7.55(t,J=5.6Hz,1
H),7.60(t,J=5.4Hz,1H),8.20−8.25(m,1H),8.40
(d,J=7.6Hz,1H);FAB質量スペクトル(NBA+Li+)m/z
320(M+Li) F.(2S,8R)−ジメチル−1,4,7,10,13−ペンタアザシク
ロペンタデカンの合成 ガラス製撹拌棒を入れたオーブン乾燥した500mlフラ
スコをアルゴン流下で室温まで冷却し、シクロ−(Gly
−Ala−Gly−DAla−Gly−)(4.0g、12.8mmole)および
THF(30ml)を入れた。この撹拌懸濁物に、THF(153m
l、153mmole)中の1.0M LiAlH4を滴々添加した。該反
応混合物を室温にて1時間撹拌し、次いでこれを48時間
還流した。該混合物を約−20℃に冷却し、飽和硫酸ナト
リウム(50ml)にてクェンチングした(注意深く)。得
られた混合物を減圧下で濃縮し、乾燥白色粉末とし、こ
の混合物をメチレンクロライド(3x100ml)にて粉砕し
た。合わせたメチレンクロライド層を減圧下で濃縮し、
得られた残渣をアセトニトリルから再結晶し、1.22g
(収率39%)の純粋生成物を白色固体として得た。
mp130−2℃;[α]d 20=+2.73゜(c=0.011、メタ
ノール);1H NMR(CDCl3)δ0.95(d,J=6.2Hz,6H),
1.79(br s,5H),2.31(見かけq,J=12.0Hz,2H),2.50
−2.84(m,16H);FAB質量スペクトル(NBA+Li+)m/z
250(M+Li)+;元素分析C12H29N5について理論値、
C、59.22;H、12.01;N、28.77;実験値、C、58.71;H、1
1.95;N、28.50 G.{マンガン(II)ジクロロ[(2S,8R)−ジメチル−
1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン]}の合
成 例34Fのように調製された(2S,8R)−ジメチルペンタ
アザシクロペンタデカン(610mg、2.51mmole)、および
無水塩化マンガン(II)(315mg、2.51mmole)を含む無
水メタノール(50ml)の溶液を、2時間還流し、室温に
て一夜撹拌した。該溶液を珪藻土を通して濾過し、濃縮
し、メタノール−エーテルから結晶化して、160mg(収
率17%)の生成物を得た。
[α]d 20=−9.73゜(c=0.005、メタノール);FAB質
量スペクトル(相対強度);333/335[M−Cl)+,100/3
0];正確な質量(M−Cl)+:理論値、333.1492;実験
値、333.1446(C12H25N5MnCl) 例35 A.trans−5,6−シクロヘキサノ−1,10,13−トリス(p
−トルエンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシ
クロペンタデカン−3,8−ジオンの合成 乾燥ジクロロメタン(150ml)を、2個の滴下ロート
を備えた1リットルの4首丸底フラスコに入れた。例28
Gのように調製された3,6,9−トリス(p−トルエンスル
ホニル)−3,6,9−トリアザウンデカンジオイルジクロ
ライド(5.07g、7.05mmole)を、乾燥ジクロロメタン
(150ml)に溶解し、滴下ロートの一つに入れた。trans
−1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.805g、7.05mmole)
およびトリエチルアミン(1.96ml、14.1mmole)を、ジ
クロロメタン(150ml)に溶解して、他方の滴下ロート
に入れた。ジクロロメタンを入れたフラスコを、氷浴中
で内部温度が0−5℃となるまで冷却した後、滴下ロー
トの内容物を同時に撹拌溶液に2.25時間で添加した。添
加完了前に白色沈殿が表れた。終了時に氷浴を取り去
り、該反応混合物を室温にて一夜撹拌した。反応混合物
を濾過し、白色沈殿が純粋生成物であることが同定され
た。ろ液を水(100ml)にて2回、飽和塩化ナトリウム
溶液(100ml)にて1回洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾
過し、減圧下で溶媒を除去した。ジクロロメタン−ヘキ
サンから再結晶し、追加の生成物を得、最初の沈殿と併
せて全量で2.85g(収率53%)であった。
mp254−5℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.15(br s,4H),
1.52−1.75(m,4H),2.42および2.43(2s,9H),3.04
(m,8H),3.51(d+m,J=16.5Hz,4H),4.01(d,J=16.
5Hz,2H),7.35−7.53(m,8H),7.71(d,J=8.3Hz,4H),
7.80(br d,J=10.5Hz,2H) B.trans−1,2−ビス(クロロアセトアミド)シクロヘキ
サンの合成 磁気撹拌棒および2個の1リットル滴下ロールを備え
た12リットルの3首フラスコに、クロロホルム(375m
l)に溶解した1,2−ジアミノシクロヘキサン(35.0g、
0.310mole)および水(185ml)を充填した。2個の滴下
ロートにはそれぞれクロロホルム(440ml)中のクロロ
アセチルクロライド(75ml、0.94mole)および添加時に
4部に分けて加えられる水(4リットル)中の炭酸カリ
ウム(120.5g、0.87mole)を充填した。該フラスコを氷
塩浴にて冷却し、試薬の添加を2時間で行った。氷塩浴
を取り去り、水(600ml)を添加し、該反応混合物を2.5
時間撹拌した。混合物を分離し、水性層をクロロホルム
にて数回抽出した。合わせたクロロホルム層を、水、次
いで食塩水にて洗浄した。有機層を乾燥させ(硫酸ナト
リウム)、減圧下で濃縮してくすんだ白色の固体を得
た。固体をエーテルにて洗浄し、減圧下で乾燥させて、
55.32g(収率67%)の白色固体を得た。
mp202−3℃;1H NMR(CDCl3)δ1.27−1.50(m,4H),
1.75−1.95(m,2H),2.03−2.20(m,2H),3.72−3.87
(m,2H),4.05(s,4H),6.81(br s,2H) C.trans−5,6−シクロヘキサノ−1,10,13−トリス(p
−トルエンスルホニル)−1,4,7.10,13−ペンタアザシ
クロペンタデカン−3,8−ジオン(別法) 磁気撹拌棒および1リットル滴下ロートを備えた5リ
ットルの3首フラスコを乾燥させ、乾燥アルゴン雰囲気
下に置いた。無水DMF(1.25リットル)中の例35Bにて調
製されたtrans−1,2−ビス(クロロアセトアミド)シク
ロヘキサン(6.68g、250ml)の溶液を、無水DMF(1.25
リットル)中の例1Bにて調製された1,4,7−トリス(p
−トルエンスルホニル)−1,4,7−トリアザヘプタン−
1,7−二ナトリウム塩(15.2g、250ml)の溶液に、室温
にて12時間で添加した。固体残渣をクロロホルム(1リ
ットル)にて粉砕し、濾過して白色固体を得た。固体を
アセトニトリルから再結晶して、7.22g(収率38%)の
ふわふわした白色結晶を得た。
mp254−5℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.15(br s,4H),
1.52−1.75(m,4H),2.42および2.43(2s,9H),3.04
(m,8H),3.51(d+m,J=16.5Hz,4H),4.01(d,J=16.
5Hz,2H),7.35−7.53(m,8H),7.71(d,J=8.3Hz,4H),
7.80(br d,J=10.5Hz,2H) D.trans−5,6−シクロヘキサノ−1,4,7,10,13−ペンタ
アザシクロペンタデカンの合成 例35Aのように調製されたtrans−5,6−シクロヘキサ
ノ−1,10,13−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,
4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン−3,8−ジオ
ン(1.765g、2.32mmole)を、アルゴン下で1,2−ジメト
キシエタン(dme、40ml)に懸濁し、フラスコを水浴中
に置いた。リチウムアルミニウムヒドリド(dme中0.5
M、55ml、27.5mmole)を5分間で添加した。5分後に、
マントルによる加熱を開始し、還流が15分後に始まっ
た。反応物は、還流の数分後には、ほぼ無色となり後に
は白色の沈殿を伴って黄色に変わった。還流を43.5時間
継続し、次いで反応混合物を室温まで冷却した。反応
を、冷却のために水浴を用いて水(0.86ml)の慎重な添
加によりクェンチングした。5分後に、15%水酸化ナト
リウム水溶液(0.86ml)、次いで水(2.6ml)を添加し
た。この工程の間にわずかな黄色のほとんどが消失され
た。1時間後に、テトラヒドロフラン(55ml)を添加
し、撹拌を2時間継続した。クェンチングした反応混合
物を濾過した。ろ液を減圧下で蒸発させ、真空下に置い
て黄白色の固体を得た。この固体をジクロロメタンに溶
解し、濾過し、次いで濃縮して固化し、これを真空下に
置いた。アルゴン下で熱アセトニトリルから再結晶して
0.316g(収率50%)の白色針状晶を得た。
mp112−3℃(窒素下);1H NMR(CDCl3)δ0.97(m,2
H),1.22(m,2H),1.39−1.96(3m,7H),2.11(m,4H),
2.49(m,2H),2.54−2.88(数個のm,12H),2.94(m,2
H);正確な質量(M+H)+:理論値、270.2658;実験
値、270.2658(C14H32N5) E.[マンガン(II)ジクロロ(trans−2,3−シクロヘキ
サノ−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカ
ン)]の合成 例35Dのように調製されたtrans−2,3−シクロヘキサ
ノ−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン(301
mg、1.12mmole)を、無水塩化マンガン(II)(140mg、
1.12mmole)を含む熱無水MeOH(50ml)の溶液に、乾燥
アルゴン雰囲気下で添加した。2時間還流後、溶液を室
温にて一夜撹拌し、次いで乾燥させた。白色固体を温ア
セトン(15ml)に溶解し、溶液を濾過した。該溶液を溶
媒除去して乾燥させ、白色固体をエチルエーテルにて洗
浄した。固体を減圧下で乾燥させて0.36g(収率82%)
の生成物を得た。
FAB質量スペクトル(NBA)m/z(相対強度);394(M+,
1),359/361[M−Cl)+,100/29];元素分析C14H31N5M
nCl2について理論値、C、42.56;H、7.91;N、17.72;実
験値、C、42.56;H、8.17;N、17.42 例36 A.cis−5,6−シクロヘキサノ−1,10,13−トリス(p−
トルエンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシク
ロペンタデカン−3,8−ジオンの合成 乾燥ジクロロメタン(250ml)を、2個の滴下ロー
ト、アルゴン導入口および磁気撹拌棒を備えた2リット
ルの4首丸底フラスコに入れた。例28Gのように調製さ
れた3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−3,6,9
−トリアザウンデカンジオイルジクロライド(9.0g、1
2.5mmole)を、乾燥ジクロロメタン(250ml)に溶解
し、滴下ロートの一つに入れた。
cis−1,2−ジアミノシクロヘキサン(1.43g、12.5mmol
e)およびトリエチルアミン(3.5ml、22.25mmole)を、
乾燥ジクロロメタン(250ml)に溶解して、他方の滴下
ロートに入れた。フラスコを氷浴中に置き、2個の滴下
ロートの内容物を同時に撹拌溶液に3時間で滴下添加し
た。次いで、該反応混合物を室温にて一夜撹拌した。均
質溶液をロータリエバポレータにて部分的に蒸発させ
て、約300mlの体積とした。激しく撹拌しつつ水(250m
l)を添加し、これにより白色固体が生じた。濾過およ
び50℃の真空オーブンでの一夜の乾燥後、6.21gを回収
した。ジクロロメタン層からの0.06gの更なる回収は、
ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶後に、全量で6.27
g(収率66%)を得た。
mp251−2℃;1H NMR(CDCl3)δ1.41−1.64(br m,6
H),1.76(m,2H),2.45(2s,9H),3.18(m,2H),3.29−
3.58(数個のm,8H),3.82(d,J=16.9Hz,2H),4.16(br
s,2H),6.86(d,J=7.3Hz,2H),7.317.40(m,6H),7.
70および7.73(2d,J=8.3および8.3Hz,6H) B.cis−5,6−シクロヘキサノ−1,4,7,10,13−ペンタア
ザシクロペンタデカンの合成 例36Aのように調製されたcis−5,6−シクロヘキサノ
−1,10,13−トリス(p−トルエンスルホニル)−1,4,
7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン−3,8−ジオン
(4.0g、5.26mmole)を、アルゴン下で1,2−ジメトキシ
エタン(dme、90ml)に懸濁し、3首丸底フラスコ内で
撹拌すると共に、リチウムアルミニウムヒドリド(dme
中0.5M、125ml、62.5mmole)を水浴中にて冷却しつつ5
分間で添加した。該反応混合物は、添加終了前に、ほぼ
無色となった。水浴中に更に5分間置いた後、マントル
での加熱を開始し、還流が15分後に始まった。数分後に
反応物が黄色になり、白色の沈殿が表れた。43時間後に
還流を停止し、反応混合物を室温まで冷却した。冷却の
ために水浴を用いて水(1.95ml)を慎重に滴滴添加し
た。5分後に、15%水酸化ナトリウム水溶液(1.95m
l)、次いで水(5.75ml)を添加した。この工程の間に
わずかな黄色のほとんどが消失された。撹拌を1.25時間
継続し、窒素飽和テトラヒドロフラン(120ml)を添加
し、撹拌を継続した。クェンチングした反応混合物を濾
過し、ろ液を濃縮した。濃縮のほぼ中間で該ろ液を濾過
し、先の濾過後に生じた固体を再度除去した。溶媒除去
の完了および真空下での乾燥後、白色の固体を得た。NM
Rは、所望の化合物に加えて20−30%のtrans異性体の存
在を示した。アセトニトリルからの数回の再結晶の後、
存在するtrans異性体は減少した。熱ヘキサンからの数
分画を合わせた最終的再結晶により、4%未満のtrans
異性体を含むほぼ純粋なcis異性体を400mg(収率28%)
得た。
mp114−5℃(窒素下);1H NMR(CDCl3)δ1.23−1.88
(数個のm,13H),2.53−2.92(数個のm,18H);正確な
質量(M+H)+:理論値、270.2658;実測値、270.2701
(C14H32N5) C.[マンガン(II)ジクロロ(cis−5,6−シクロヘキサ
ノ−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン)]
の合成 例36Bのように調製されたcis−5,6−シクロヘキサノ
−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン(0.35
g、1.3mmole)を、無水塩化マンガン(II)(0.163g、
1.3mmole)を含む熱無水MeOH(50ml)の溶液に、乾燥窒
素雰囲気下で添加した。2時間還流後、溶液を室温にて
一夜撹拌し、次いで乾燥させた。固体を4:1のアセトン/
MeOH溶液(25ml)にて抽出した。抽出物を濾過し、濾液
にエチルエーテルを添加した。0℃にて静置した後、白
色固体が沈殿し、これを濾過により回収した。エチルエ
ーテルにより洗浄し、減圧下で乾燥させて、0.353g(収
率69%)の生成物を白色固体として得た。
FAB質量スペクトル(NBA)m/z(相対強度);394(M+,
2),359/361[(M−Cl)+,100/31];元素分析C14H31N
5MnCl2について理論値、C、42.54;H、7.91;N、17.72;
実験値、C、42.60;H、8.17;N、17.18 例37 A.5,6−ベンゾ−1,10,13−トリス(p−トルエンスルホ
ニル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン
−3,8−ジオン 乾燥ジクロロメタン(250ml)を、2個の滴下ロー
ト、アルゴン導入口および磁気撹拌棒を備えた2リット
ルの4首丸底フラスコに入れた。例28Gのように調製さ
れた3,6,9−トリス(p−トルエンスルホニル)−3,6,9
−トリアザウンデカンジオイルジクロライド(11.0g、1
5.31mmole)を、乾燥ジクロロメタン(250ml)に溶解さ
せ、一方の滴下ロートに加えた。o−フェニレンジアミ
ン(1.66g、15.13mmole)をCH2Cl2(250ml)に溶解し、
他方の滴下ロートに加えた。反応フラスコを氷浴にて冷
却後、2個の滴下ロートの溶液の同時滴下を2.5時間で
行った。次いで氷浴を取り除き、反応物を一夜撹拌し
た。その最後に、溶媒をロータリエバポレータを用いて
体積350mlまで部分的に除去し、次いで水(250ml)を添
加した。激しく撹拌すると白色固体が沈殿し、これを濾
過し、50℃の真空オーブンにて一夜乾燥させた。ジクロ
ロメタン層を分離し、溶媒を除去し、残渣をジクロロメ
タン−ヘキサンから再結晶して前記沈殿と共に全部で4.
77g(収率42%)を得た。
mp301℃(分解);1H NMR(DMSO−d6)δ2.41および2.4
2(2s,9H),3.05(m,4H),3.29(m,4H),4.08(s,4H),
7.18(dd,J=5.9,3.6Hz,2H),7.30(dd,J=5.9,3.7Hz,2
H),7.44(m,6H),7.55(d,J=8.3Hz,2H),7.73(d,J=
8.3Hz,4H),9.38(s,2H) B.2,3−ベンゾ−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタ
デカン 例37Aのように調整された5,6−ベンゾ−1,10,13−ト
リス(p−トルエンスルホニル)−1,4,7,10,13−ペン
タアザシクロペンタデカン(3.001g、3.98mmole)を、
1,2−ジメトキシエタン(dme、60ml)を入れたフラスコ
にアルゴン下で加え、冷水浴中で撹拌しつつ、リチウム
アルミニウムヒドリド(0.5M、80ml、40.0mmole)のdme
溶液を5分間で添加した。反応混合物は半透明になっ
た。5分後に加熱を開始し、15分後に還流が始まった。
加熱中に白色固体が表れ始めた。該反応物を36.25時間
還流し、次いで室温まで冷却した。反応フラスコを冷水
浴に入れた後、水(1.5ml)、次いで15%水酸化ナトリ
ウム(1.5ml)、更に水(1.5ml)を注意して滴下した。
この混合物を45分間撹拌した。テトラヒドロフラン(90
ml)を添加し、撹拌を更に1時間継続した。混合物を窒
素を分配する逆ロート下でブフナーロートを通して濾過
した。濾液を減圧下で蒸発させ、白色固体を残した。こ
の固体をアルゴン下で熱アセトニトリルから再結晶し、
0.848g(収率81%)の白色結晶を得た。
mp152.5−153℃(窒素下);1H NMR(CDCl3)δ0.63−
1.97(2br s,3H),2.67(m,4H),2.89(m,4H),3.00
(m,4H),3.15(br m,4H),4.33(s,2H),6.61(m,2
H),6.75(m,2H);正確な質量(M+H)+:理論値、26
4.2188;実験値、264.2220(C14H26N5) C.[マンガン(II)ジクロロ(2,3−ベンゾ−1,4,7,10,
13−ペンタアザシクロペンタデカン)]の合成 例37Bのように調製された2,3−ベンゾ−1,4,7,10,13
−ペンタアザシクロペンタデカン(0.35g、1.33mmole)
を、無水塩化マンガン(II)(0.167g、1.33mmole)を
含む熱無水MeOH(50ml)の溶液に、乾燥窒素雰囲気下で
添加した。2時間還流後、溶液を室温にて一夜撹拌し
た。次いで乾燥させ、冷EtOH(7ml)を赤色粉末に添加
した。全ての赤色はEtOH中に溶解し、白色固体が残り、
これを濾過により集めた。固体をEtOH/エチルエーテル
から再結晶し、真空下で乾燥させて、0.19g(収率37
%)の白色固体を得た。
FAB質量スペクトル(NBA)m/z(相対強度);388(M+,
2),353/355(M−Cl)+,100/28],317(38);元素分
析C14H25N5MnCl2について理論値、C、43.20;H、6.47;
N、17.99;実験値、C、42.74;H、6.79;N、17.06 例38 A.3,6,9,12,18−ペンタアザビシクロ[12.3.1]オクタ
デカ−1(18),14,16−トリエン−2,13−ジオンの合成 トリエチレンテトラアミン(14.71g、97.6mmole)を
2リットル丸底フラスコに入れ、窒素飽和メタノール
(1.25リットル)をアルゴン気流下でフラスコに加え、
2,6−ジメチルピリジンジカルボキシレート(19.56g、9
9.2mmole)を加えた。反応混合物を還流下で24時間加熱
し、次いで室温まで冷却した。無色の溶液を減圧下で蒸
発させて白色固体を得た。これをメタノール−クロロホ
ルム(30:70)に溶解し、大型の焼結ガラスロート(直
径15cm、深さ8cmのシリカ製)にてシリカゲルを通して
同じ溶媒系で溶出してフラッシュ濾過にかけた。500−7
00mlの8つのフラクションを集めた。薄層クロマトグラ
フィ(メタノール−クロロホルム(35:65)、Rfは原点
を若干越えて変化する、0.10−0.18)は、フラクション
3−6が生成物を含むことを示した。これらのフラクシ
ョンを集め、溶媒を減圧下で除去して、11.12g(収率41
%)の生成物を得た。
mp224−7℃;1H NMR(CDCl3)δ1.28(br s,2H),2.8
6(s,4H),2.97(t,J=5.6Hz,4H),3.52(m,4H),7.99
(t,J=7.8Hz,1H),8.24(d,J=7.6Hz,2H),9.12(br
s,2H) B.3,6,9,12,18−ペンタアザビシクロ[12.3.1]オクタ
デカン−2,13−ジオンの合成 例38Aにて調製された3,6,9,12,18−ペンタアザビシク
ロ[12.3.1]オクタデカ−1(18),14,16−トリエン−
2,13−ジオン(1.0g、3.6mmole)をメタノール(75ml)
に溶解させ、濃塩酸(2.14g、21.7mmole)を添加し、次
いで触媒二酸化白金水和物(0.5g、2mmole)を添加し
た。混合物を60℃に加熱し、60psiにて24時間水素添加
した。水素添加の間に白色の結晶牲固体が形成された。
該反応混合物を濾過し、沈殿を水にて洗浄してそれを溶
解させた。濾液を濃縮してアルコールを除去し、水酸化
ナトリウム(1.0N)を添加してpHを11に上昇させた。こ
の溶液をジクロロメタン(各75ml)にて5回抽出し、溶
媒を減圧下で除去し、得られた白色固体を真空下で乾燥
させて、0.74g(収率73%)の生成物を得た。
mp193−195.5℃(分解);1H NMR(CD2Cl2)δ0.79−1.
48(数個のm,5H),1.88(m,2H),2.01(m,2H),2.63−
2.88(数個m,8H),3.10(m,2H),3.24(m,2H),3.36
(m,2H),7.71(s,2H) C.3,6,9,12,18−ペンタアザビシクロ[12.3.1]オクタ
デカンの合成 テトラヒドロフラン(thf、1.0M、25ml、25.0mmole)
中のリチウムアルミニウムヒドリドを撹拌棒を入れた25
0mlのフラスコ内のthf(25ml)にアルゴン下で添加し
た。thf(50ml)中の例38Bにて調製された3,6,9,12,18
−ペンタアザビシクロ[12.3.1]オクタデカン−2,13−
ジオン(1.196g、4.326mmole)のスラリーを、撹拌され
るリチウムアルミニウムヒドリド溶液に添加し(約10分
間かけて)、更に約35mlのthfを追加した。スラリーを
添加するに従って気体が発生し、色はベージュとなり、
反応混合物は不均質となった。撹拌の約10分後、還流コ
ンデンサをフラスコに連結し、反応混合物を還流下で加
熱した。反応混合物は黄色になった。16時間後に加熱を
停止し、反応混合物を室温まで冷却した。水浴にて冷却
しつつ、水(0.95ml)を徐々に添加した。気体の発生が
起こり、反応は発熱牲であった。次いで15%水酸化ナト
リウム水溶液(0.95ml)、更に2.85mlの水を添加した。
約1時間撹拌後、thf(60ml)を添加し、撹拌を継続し
た。1時間後に逆ロートからの強い窒素流のもとで混合
物を濾過し、濾液の溶媒除去し、真空下に置いた。固体
をアルゴン下で熱アセトニトリルから再結晶して631mg
(収率58%)の長い白色針状晶を得た。
mp90−90.5℃(窒素下);1H NMR(CDCl3)δ1.05(m,2
H),1.26および1.36(br sおよびquart t,J=13.0,
4.0Hz,3H),1.50(m,2H),1.80(br m,3H),2.40−3.0
5(数個m,19H);正確な質量(M+H)+:理論値、256.
2501;実験値、256.2513(C13H30N5) D.[マンガン(II)ジクロロ(3,6,9,12,18−ペンタア
ザビシクロ[12.3.1]オクタデカン)]の合成 例38Cのように調製された3,6,9,12,18−ペンタアザビ
シクロ[12.3.1]オクタデカン(0.405g、1.59mmole)
を、無水塩化マンガン(II)(0.200g、1.59mmole)を
含む無水MeOH(50ml)の還流溶液に、乾燥窒素雰囲気下
で添加した。2時間還流後、溶液を室温にて一夜撹拌し
た。次いで乾燥させ、固体をEtOH(10ml)に溶解させ、
珪藻土を通して濾過した。濾液にエチルエーテルを添加
して白色固体の結晶化を誘発した。固体を濾過により集
め、エチルエーテルにて洗浄し、減圧下で乾燥させて、
0.43g(収率72%)の白色固体を生成物として得た。
FAB質量スペクトル(NBA)m/z(相対強度);380(M+,
3),345/347(M−Cl)+,100/2],317(38);元素分析
C14H31N5MnCl2について理論値、C、40.96;H、7.67;N、
18.37;実験値、C、40.85;H、7.72;N、18.32 例39 [マンガン(II)ジクロロ(2,13−ジメチル−3,6,9,1
2,18−ペンタアザビシクロ[12.3.1]オクタデカ−1
(18),14,16−トリエン)]の合成 無水メタノール(175ml)中の例26のように調製され
た[マンガン(II)ジクロロ(2,13−ジメチル−3,6,9,
12,18−ペンタアザビシクロ[12.3.1]オクタデカ−1
(18),2,12,14,16−ペンタエン)](2.0g、5.0mmol
e)および5%Rh/C(0.75g)の混合物を、1000psiH2、1
00℃にて24時間水素添加した。該混合物を水素添加装置
から取り出し、活性炭を添加した。混合物を珪藻土にて
濾過し、溶液の溶媒を除去して乾燥させた。エタノール
(7ml)を添加し、溶液を濾過した。濾液中に形成され
た白色沈殿および結晶を濾過により集めた。エチルエー
テルによる洗浄、および減圧下での乾燥の後、0.71g
(収率40%)の生成物を白色固体として得た。
FAB質量スペクトル(NBA)m/z(相対強度);402(M+,
1),367/369(M−Cl)+,100/30];正確な質量(M−C
l)+:理論値、367.1336;実験値、367.1375(C15H23N5Mn
Cl) 例40 A.Boc−Tyr(OBzl)−Gly−Gly−OEtの合成 無水DMF(200ml)中のBocTyr(OBzl)(20.0g、53.9m
mole)およびTEA(7.50ml、54.2mmole)の溶液を、氷塩
浴中で−10℃に冷却し、エチルクロロホルメート(5.20
ml、54.2mmole)を2分間で滴々添加処理した。得られ
た混合物を−10℃にて20分間撹拌し、無水DMF(100ml)
中のGly−Gly−OEt・HCl(10.6g、53.9mmole)およびTE
A(7.50ml、54.2mmole)のスラリーを一度に添加して処
理した。氷浴を除去し、混合物を1時間で室温に加温
し、更に50℃まで30分間で加熱した。該混合物を酢酸エ
チル(300ml)にて希釈し、N重硫酸ナトリウム(100m
l)、水(100ml)、飽和重炭酸ナトリウム(100ml)お
よび食塩水(100ml)にて洗浄した。酢酸エチル層を乾
燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して24.6g
(収率89%)の純粋なトリペプチドを白色粉末として得
た。1 H NMR(CDCl3)δ1.27(t,J=7.0Hz,3H),1.40(s,9
H),3.02(ABqのd,Δν=39.2Hz,J=13.9,6.9Hz,2H),
3.88−4.07(m,4H),4.18(q,J=7.0Hz,2H),4.37(q,J
=6.7Hz,1H),5.03(s,2H),5.40(d,J=6.9Hz,1H),6.
91(d,J=8.7Hz,2H),7.14(d,J=8.7Hz,2Hz),7.20
(t,J=5.4Hz,1H),7.25(t,J=5.4Hz,1H),7.30−7.45
(m,5H) B.Tyr(OBzl)−Gly−Gly−OEt・TFA塩の合成 メチレンクロライド(1058ml)中の例40Aにて調製さ
れたBoc−Tyr(OBzl)−Gly−Gly−OEt(127.0g、247.3
mmole)の溶液に、TFA(265.0ml、3.44mmole)を添加
し、得られた混合物を室温にて30分間撹拌した。該溶液
を濃縮し、残渣をエーテル(200ml)にて粉砕し、126g
(収率100%)のトリフルオロアセテート塩をペースト
として得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.19(t,J=7.2Hz,3H),3.05(A
Bqのd,Δν=45,J=9.0,5.4Hz,2H),3.77−3.93(m,4
H),4.09(q,J=7.2Hz,2H),5.08(s,2H),6.97(d,J=
8.6Hz,2H),7.19(d,J=8.6Hz,2H),7.31−7.45(m,5
H),8.19(br s,3H),8.38(t,J=5.9Hz,1H),8.82
(t,J=5.5Hz,1H) C.Boc−Gly−Gly−Tyr(OBzl)−Gly−Gly−OEtの合成 無水DMF(600ml)中のBoc−Gly−Gly(22.9g、98.1mm
ole)の溶液に、EDC・HCl(20.8g、108.5mmole)、HOBT
・H2O、および例40Bのように調製されたTyr(OBzl)−G
ly−Gly−OEt・TFA(50.0g、98.1mmole)を添加した。
得られた溶液のpHをTFAの添加により〜8に調節し(湿
らせたHydrion試験紙に反応混合物を滴下して測定)、
室温にて19時間混合した。この時点でDMFを蒸発させ、
残渣を酢酸エチル(600ml)に取り込み、1N重硫酸ナト
リウム(150ml)、水(150ml)、飽和重炭酸ナトリウム
(150ml)および食塩水(150ml)にて洗浄した。次いで
酢酸エチル層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、乾燥剤
を濾過し、結晶化のために該酢酸エチルを一夜、室温に
て静置した。固体を濾過し、最小量の酢酸エチルにて洗
浄し、高真空下で十分に乾燥させて、30.0g(収率49
%)の純粋なペンタペプチドを白色粉末として得た。1 H NMR(DMSO−d6)δ1.19(t,J=7.2Hz,3H),1.38
(s,9H),2.75(dd,J=14.0,10.0Hz,1H),3.00(dd,J=
14.0,4.4Hz,1H),3.55−3.85(m,8H),4.09(q,J=7.2H
z,2H),4.88(m,1H),5.05(s,2H),6.90(d,J=8.4Hz,
2H),6.97(t,J=5.6Hz,1H),7.15(d,J=8.4Hz,2H),
7.30−7.45(m,5H),7.91(t,J=4.8Hz,1H),8.10(d,J
=8.0Hz,1H),8.14(t,J=5.6Hz,1H),8.31(t,J=6.0H
z,1H) D.Gly−Gly−Tyr(OBzl)−Gly−Gly・TFAの合成 メタノール(148ml)中の、例40Cにて調製されたBoc
−Gly−Gly−Tyr(OBzl)−Gly−Gly−OEt(22.5g、35.
8mmole)の溶液に、2.5N水酸化ナトリウム(63.4ml、15
8.0mmole)を一度に添加し、得られた混合物を30分間撹
拌した。その後にメタノールを蒸発させ、溶液のpHを3N
HClにて7.5に調節し、次いで1N重硫酸ナトリウムを用
いて3.4に調節した。次いで酸性混合物を酢酸エチル(3
x100ml)にて抽出し、合わせた抽出物を乾燥させた(硫
酸マグネシウム)。乾燥剤を濾過し、酢酸エチル溶液を
濃縮して21.6g(収率100%)の遊離の酸を白色泡状物と
して得た。メチレンクロライド(180ml)中のBoc−Gly
−Gly−Tyr(OBzl)−Gly−Gly(21.6g、36.0mmole)の
溶液に、室温にてTFA(45.0ml、584.0mmole)を添加
し、得られた溶液を室温にて30分間撹拌した。次いで溶
液を濃縮し、残渣をエーテル(250ml)と共に30分間撹
拌した。白色の固体を濾過し、高真空下で乾燥させて2
2.5g(収率100%)の純粋なペンタペプチドTFA塩を得
た。1 H NMR(DMSO−d6)δ2.73(dd,J=14.0,9.7Hz,1H),
3.00(dd,J=14.0,4.4Hz,1H),3.59(bs,2H),3.67−3.
91(m,6H),4.51(dt,J=8.3,4.7Hz,1H),5.04(s,2
H),6.90(d,J=8.7Hz,2H),7.17(d,J=8.7Hz,2H),7.
29−7.46(m,5H),8.09(m,4H),8.29(d,J=8.2Hz,1
H),8.34(t,J=5.5Hz,1H),8.54(t,J=5.5Hz,1H) E.シクロ−(Gly−Gly−Tyr(OBzl)−Gly−Gly−)の
合成 この化合物は、Veber,D.F.ら、J.Org.Chem.,44,3101
−3105(1979)の方法に従って合成された。無水DMF(2
400ml)中の、例40Dの様に調製されたGly−Gly−Tyr(O
Bzl)−Gly−Gly・HCl(11.1g、18.1mmole)の溶液に、
約−30℃にてDPPA(4.89ml、22.7mmole)を添加し、得
られた混合物のpHを、TEAの添加により〜8に調節した
(湿らせたHydrion試験紙に反応混合物を滴下して測
定)。次いでこの混合物を、−25℃(内部温度)にて48
時間静置した。この間に同様にpHを定期的に監視し、TE
Aの添加により〜8に維持した。この後、該反応混合物
を0℃にて48時間静置した。同様にpHを定期的に監視
し、TEAの添加により〜8に維持した。次いで、該反応
混合物を水(2400ml)にて希釈し、Bio−Rad AG501−X
8(混合床)樹脂と(845g)共に6時間撹拌した。該樹
脂を濾過し、溶液を体積約100mlまで濃縮した(DMFのみ
残留)。環状ペプチドを約200mlのエーテルの添加によ
り沈殿させた。この物質を還流THFによる18時間の粉
砕、熱THFの濾過、および更に18時間冷凍減圧して、5.4
0g(収率62%)の純粋な環状ペプチドを白色粉末として
得た。
mp280−2℃(分解);1H NMR(DMSO−d6)δ2.71(dd,
J=12.0,8.0Hz,1H),2.97(dd,J=13.6,6.4Hz,1H),3.4
4−3.83(m,7H),3.92(dd,J=16.0,7.6Hz,1H),4.38
(q,J=7.2Hz,1H),5.04(s,2H),6.85(d,J=8.4Hz,2
H),7.10(d,J=8.4Hz,2H),7.28−7.42(m,5H),7.74
(t,J=4.8Hz,1H),8.01(br s,1H),8.13(t,J=4.8H
z,1H),8.18(br s,1H),8.20(br s,1H);正確な質
量(M+Li)+:理論値、488.2122;実験値、488.2167(C
24H27N5O6Li) F.2(S)−(4−ベンジルオキシベンジル)−1,4,7,1
0,13−ペンタアザシクロペンタデカンの合成 ガラス製撹拌棒を入れたオーブン乾燥した500mlフラ
スコをアルゴン流下で室温まで冷却し、例40Eのように
調製されたシクロ−(Gly−Gly−Tyr(OBzl)−Gly−Gl
y−)(10.0g、20.8mmole)およびTHF(100ml)を入れ
た。撹拌を開始し、フラスコを氷水浴に入れ、THF中の1
Mリチウムアルミニウムヒドリド(240ml、240mmole)を
シリンジを介して10分間で滴々添加した。氷水浴を取り
去り、該反応混合物を室温にて30分間撹拌し、次いでこ
れを45時間還流した。該混合物を0℃に冷却し、飽和硫
酸ナトリウム(〜50ml)を滴々添加することによりクェ
ンチングした(注意深く)。得られた混合物を減圧下で
濃縮し、乾燥白色粉末とし、この混合物を還流させたメ
チレンクロライド(500ml)にて45分間で粉砕した。固
体残渣を濾過し、熱粉砕を反復した。合わせたメチレン
クロライド層を減圧下で濃縮し、7.7gの黄色固体を得
た。ヘキサン、次いでアセトニトリルから再結晶し、4.
85g(収率57%)の生成物を白色固体として得た。
mp74−80℃;[α]d 20=+27.6゜(c=0.011、メタノ
ール);1H NMR(CDCL3)δ1.75(br s,5H),2.31(d
d,J=11.2,8.4Hz,1H),2.46(dd,J=12.4,6.8Hz,1H),
2.60−3.00(m,19H),5.04(s,2H),6.93(d,J=8.6Hz,
2H),7.11(d,J=8.6Hz,2H),7.32−7.52(m,5H);正
確な質量(M+H)+:理論値、412.3076;実験値、412.3
055(C24H38N5O);元素分析C24H38N5Oについて理論
値、C、70.04;H、9.06;N、17.02;実験値、C、69.89;
H、9.07;N、16.93 G.{マンガン(II)ジクロロ[2−(S)(4−ベンジ
ルオキシベンジル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロ
ペンタデカン]}の合成 例40Fのように調製された2−(4−ベンジルオキシ
ベンジル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペンタデ
カン(1.60g、3.89mmole)、および無水塩化マンガン
(II)(489mg、3.89mmole)を無水メタノール(50ml)
中、乾燥窒素雰囲気下で2時間還流し、次いで室温にて
一夜撹拌した。該溶液を蒸発乾燥させ、アセトンに再溶
解させ、珪藻土を通して濾過した。この溶液を蒸発乾燥
させ、熱エタノール(15ml)中に取った。エーテル(50
ml)を添加して黄赤色の油状物を沈殿させた。上澄みを
デカントし、溶媒除去して乾燥させ、無色の油状物を得
た。この無水の油状物をTHF(20ml)と撹拌して840mg
(収率39%)の生成物を白色固体として得た。[α]d
20=+16.1゜(c=0.006、メタノール);FAB質量スペ
クトル(相対強度);536[(M−H)+,1],501/503
[(M−Cl)+,100/30];元素分析C24H37N5OMnCl2につ
いて理論値、C、53.60;H、6.94;N、13.03;実験値、
C、53.66;H、6.98;N、12.88 例41 {マンガン(II)ジクロロ[2−(S)−(4−ヒドロ
キシベンジル)−1,4,7,10,13−ペンタアザシクロペン
タデカン]}の合成 例40Gのように調製された{マンガン(II)ジクロロ
[2−(S)−(4−ベンジルオキシベンジル)−1,4,
7,10,13−ペンタアザシクロペンタデカン]}(206mg、
0.38mmole)のエタノール(20ml)中の溶液に、Pd
(C)(105mg)を添加し、該混合物をH2(63psi)雰囲
気下で、室温にて18時間撹拌した。該混合物をエタノー
ル(20ml)を用いて珪藻土にて濾過し、濾液を濃縮し
た。エーテル−エタノールから再結晶して、114mg(収
率67%)の生成物を白色固体として得た。
[α]d 20=+19.7゜(c=0.005、メタノール);FAB質
量スペクトル(相対強度);447(M+,1),411/413[M−
Cl)+,100/35];元素分析C17H31N5OMnCl2について理論
値、C、45.65;H、6.99;N、15.66;実験値、C、44.52;
H、6.82;N、15.00 例42 ストップド−フロウ動的分析 ストップド−フロウ動的分析は、化合物が超酸化物の
不均斉変化に触媒作用しうるかを測定するために使用さ
れてきた(Riley,D.P.,Rivers,W.J.およびWeiss,R.H.
“水性系における超酸化物の崩壊監視のためのストップ
ド−フロウ動的分析"Anal.Biochem.,196,344−349[199
1])。矛盾無い正確な測定を達成するためには、全て
の試薬が生物学的に清浄でありかつ金属非含有でなけれ
ばならない。これを達するには、全ての緩衝溶液(Calb
iochem)を、生物学級の金属非含有の緩衝溶液とし、か
つ、第1には、0.1NHCl、次いで精製水により洗浄し、
次いでpH8の10-4M EDTA浴中ですすぎ、更に精製水にて
すすぎ、65℃にて数時間乾燥させた器具を用いて取り扱
われた。超酸化カリウム(Aldrich)の乾燥DMSO溶液
は、乾燥したガラス器具を使用し、アルゴン中の乾燥不
活性雰囲気中で調製された。DMSO溶液は、それぞれのス
トップド−フロウ動的分析実験の直前に調製された。黄
色固体の超酸化カリウム(〜100mg)の摩砕に乳鉢お呼
び乳棒を使用した。次いで、数滴のDMSOと共に挽き、ス
ラリーを更に25mlのDMSOを入れたフラスコに移した。得
られたスラリーを、1/2時間撹拌し、次いで濾過した。
この方法で再現性をもって〜2mMの濃度のDMSO中の超酸
化物溶液を得た。こえらの溶液を、窒素下でシリンジに
負荷するに先立って、封止したバイアル中にて窒素下の
グローブバッグに移した。DMSO/超酸化物溶液は、水、
熱、空気および異種金属に対して極めて敏感であること
に注意すべきである。新鮮な純粋な溶液は、ごくわずか
に黄色の色調である。
緩衝溶液用の水は、社内の脱イオン水システムから、
Barnstead Nanopure Ultrapure Series500水システ
ムに送られ、次いで第一にはアルカリ性過マンガン酸カ
リウムから、第二には希釈EDTA溶液から2回蒸留した。
例えば、1.0gの過マンガン酸カリウムを含む溶液、2リ
ットルの水、およびpHを9とするに必要な水酸化ナトリ
ウムを、溶媒蒸留塔を備えた2リットルフラスコに入れ
た。この蒸留で水中の痕跡量の有機化合物が酸化される
であろう。最終蒸留は、第1蒸留からの1500mlの水、お
よび1.0x10-6M EDTAを入れた2.5リットルフラスコにて
窒素下で行われた。この工程は、残留する痕跡量の金属
を超純水から除去する。還流腕から蒸留塔を越えて蒸発
するEDTAミストを防止するために40cmの垂直腕にガラス
ビーズを充填し、断熱材で覆った。このシステムは、2.
0ナノモー/cm2未満の導電率が測定される脱酸素水を製
造する。
ストップド−フロウ分光光度計は、Kinetic Instrum
ents Inc(Ann Arbor,MI)により設計製造され、MACI
ICXパーソナルコンピュータを備えていた。ストップド
−フロウ動的分析のためのソフトウエアは、Kinetic I
nstruments Incから提供され、MacAdiosドライバを伴
ってQuickBasicで記述されていた。典型的な注入体積
(0.10mlの緩衝溶液および0.006mlのDMSO)は、DMSO溶
液に対して大過剰の水が混合されるように測定された。
実際の比は、超酸化物の水溶液の初期濃度が60−120μ
Mの範囲になるように約19/1とした。245nmにおけるH2O
中での超酸化物の吸光係数は、〜2250M-1cm-1と文献に
記載されており(1)、2cmの経路長のセルについて
は、およそ0.3−0.5の初期吸収が予想され、これは実験
的にも測定された。超酸化物のDMSO溶液と混合するため
の水溶液は、80mMの濃度のHepes緩衝溶液、pH8.1(遊離
の酸+Na型)を使用して調製された。貯留シリンジの一
つは、5mlのDMSO溶液が充填され、他方は5mlの水溶液が
充填された。注入ブロック、混合機および分光セルの全
体は、21.0±0.5℃の恒温循環水浴内に置かれた。
超酸化物崩壊のデータ収集に先立って、基線の平均
を、緩衝溶液およびDMSO溶液を混合チェンバに数回打ち
込むことによって得た。これらの打ち込みを平均し、基
線用に記録した。一連の操作で収集されるうちの最初の
ショットは、触媒を含まない水溶液によるものであっ
た。このことは、それぞれの一連の試行が、1次の超酸
化物崩壊型を生じうる來雑物を非含有であることを確認
するものである。緩衝溶液の数回のショットについて観
察される崩壊が2次であれば、マンガン(II)錯体溶液
を使用することが出来た。一般に潜在的なSOD触媒は、
広範囲の濃度にわたって選択された。DMSOと水溶液とを
混合する際の超酸化物の初期濃度は、〜1.2x10-4Mであ
ったので、基質である超酸化物より少なくとも20倍低濃
度のマンガン(II)錯体濃度を使用することが望まれ
た。従って、我々は5x10-7−8x10-6Mの濃度範囲を用い
てSOD活性について化合物のスクリーニングを行った。
実験から得られたデータは、適当な数学プログラム(例
えばCricket Graph)に移され、標準的動力学解析が行
われるようにした。マンガン(II)錯体(例1−9およ
び27−41)の超酸化物不均斉変化についての触媒速度定
数(表1)は、マンガン(II)錯体にたいする測定速度
定数(kobs)の線形プロットにより決定した。kobs
は、マンガン(II)錯体の超酸化物不均斉変化について
の時間に対する245nmの1n吸光度の線形プロットにより
得た。不活性のマンガン(II)錯体(例10−26およびMn
Cl2)は、超酸化物の2次の自然崩壊を妨害しない。
窒素含有大環状リガンドのマンガン(II)錯体(例1
−9および27−41)は超酸化物不均斉変化に対する有効
な触媒である(表1)。例1−9および27−41のもの
は、4.6x10+6−3.44x10+7M-1sec-1の触媒速度定数(k
cat)を有していた。しかしながら、表1から分かるよ
うにマンガン(II)錯体のSOD活性は、O環状リガンド
の大きさ、窒素数、不飽和度、および置換基に大きく依
存する。例えば、5個の窒素原子を有する15員リガンド
のマンガン(II)錯体である例1−9および27−41のも
のは、超酸化物不均斉変化の有効な触媒である。5個の
窒素を含む16員大環状リガンドのN−メチル化マンガン
(II)錯体(例16)および5個の窒素を含む17員の大環
状リガンド(例11および12)は、超酸化物不均斉変化の
触媒において効果がない。4個のみの窒素原子を有する
15員リガンドのマンガン(II)錯体(例17、18および2
1)は、SOD活性を有さない。15員より少ないかまたは多
い大環状リガンド、あるいは窒素が5個より少ないかま
たは多いリガンドを持った他のマンガン(II)錯体(例
10、13、14、20および25)は、超酸化物の不均斉変化の
触媒とならない。不飽和を含む大環状リガンドのマンガ
ン(II)錯体(例22−24および26)は、超酸化物の不均
斉変化の触媒作用をしない。
MnCl2単独(大環状リガンドを有さない)では、SOD活性
を有さない。5個の窒素を含む15員大環状リガンドのN
−メチル化マンガン(II)錯体(例15および19)は、超
酸化物不均斉変化に効果がない。しかしながら、5個の
窒素を有する15員大環状リガンドのC−置換のマンガン
(II)錯体(例2−7および28−41)は、効果的なSOD
触媒である。
例43 インビトロ評価 マウス結腸炎モデル ストップド−フロウ動的分析によりSOD活性を有する
ことが示されたマンガン(II)錯体(例1−3および5
−8)を、マウス酢酸誘発結腸炎モデルにおいて試験し
た(Krawisz.J.E.,Sharon,P.and Stenson,W.F.,(198
4)Gastroenterology,87,1344−1355)。マウスを軽く
麻酔した。3%(v/v)酢酸水溶液を可撓性ポリエチレ
ンチューブを通して結晶内に点滴した。24時間後に動物
を殺し、結晶組織試料を得た。組織試料を好中球マーカ
酵素、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)について生化学
的に評価した。結晶組織試料を細断し、洗浄剤中で均質
化し、超音波処理した。遠心分離後、酵素活性をo−ジ
アニシジンを水素供与体として使用して過酸化物の分解
を測定することにより分光学的にアッセイした。データ
は、20分での吸光度(460nm)として得た。試験試薬
は、0.5%水性メチルセルロース中の超音波懸濁物とし
て、酢酸点滴の30分前に、体重kgあたり30mgの投与量を
もって結腸内的に投与した。適当な酢酸対照動物には、
ベヒクルを与えた。正常組織をベヒクルのみを投与され
た動物から得た。結腸ミエロペルオキシダーゼ活性を、
組織湿重量あたり、単位/gとして測定した。酢酸処置マ
ウスにおける試験試薬による結腸ミエロペルオキシダー
ゼ活性の低減は、%阻害として表した(表2)。結腸ミ
エロペルオキシダーゼ活性は、肉眼および組織学的分析
により評価されるように、組織の炎症の程度に相関を有
していた。
表2から分かるように、ストップド−フロウ動的分析
により示される超酸化物不均斉変化を触媒するマンガン
(II)錯体(例1−3,5−8)は、結腸ミエロペルオキ
シダーゼ活性の低減に示されるようにマウス酢酸結腸炎
モデルにおいて抗炎症性であった。
例44 インビトロ評価 好中球媒介細胞毒性アッセイ ヒト末梢血好中球を、健常人の新鮮な静脈血から単離
した。EDTA抗凝結血液を1工程密度遠心分離(Polymorp
hprep;Nycomed Pharma,Oslo,Norway)を使用して分離
し、次いで0.5%BSA(ウシ血清アルブミン)を補充した
Hank平衡塩溶液(HBSSB)にて数回洗浄し、赤血球を高
張細胞溶解した。好中球をCoulter電子粒子計数機で計
数し、25%上皮基底培地(EBM)(Clonetics Corporat
ion,San Diego,CA)を補充したHBSSBに、5x106多形核
白血球(PMN)/mlの濃度で再分散した。
上皮細胞上の刺激された好中球の細胞毒性効果は、す
でに記述されているように(Moldow,C.F.and Jacob,H.
S.(1984)Methods Enzymol.105,378−385)、51Cr−
放出アッセイを使用して測定された。96穴培養プレート
に生育されたヒト動脈上皮細胞の融合性単層を、1μCi
/ウエルの51Cr(Na2 51Cr2O4,New England Nuclear,Bo
ston,MA)を用いてあらかじめ標識した。細胞を37℃に
て18時間培養し、次いで10単位/ウエルのヒト組換え腫
瘍壊死因子−α(hrTNF−α;Monsanto Company,St.Lou
is,MO)にて37℃で4時間サイトカイン活性化した。非
取り込み放射能を除去するために、細胞を0.5%BSA補充
Hank平衡塩溶液にて2回洗浄した。PMN−媒介細胞毒性
の阻害を評価するためにマンガン(II)錯体を種々の投
与量をもって(0−300μM)、PMN添加の直前にHAE細
胞の投与あたり5組の複製ウエルに対して添加した。25
%上皮基底培地を補充したHBSSB中のPMN懸濁物を、上皮
細胞に対する好中球の比が50:1となるようにウエルに添
加した。37℃にて15分間でPMNを付着させ、125単位/ウ
エルのhrTNF−αにて10分間誘発させ(Berkow,R.L.,Wan
g,D.,Larrick,J.W.,Dodson,R.W.and Howard,T.H.(198
7)J.Immunol.139,3783−3791;Varani,J.;Bendelow,M.
J.Sealey,D.E.;Kunkel,S.L.;Gannon,D.E.;Ryan,U.S.;an
d Ward,P.A.(1987)Lab.Invest.,59,292−295)、ヒ
ト組換え相補成分C5a(Sigma Chemical,St.Louis,MO)
にて刺激した。(Sacks,T.,Moldow,C.F.,Craddock,P.
R.,Bowers,T.K.,and Jacob,H.S.(1978)J.Clin.Inves
t.,61,1161−1167) この方法によるヒト好中球の刺激は、増強された超酸化
物生成を生じる。37℃にて更に4時間培養後、反応体積
250μl中の200μl(可溶性画分)を、計数のためにチ
ューブに移した。細胞を200μlのHBSSBにて洗浄し(非
付着分画)、洗浄液を可溶成分として貯留した。付着分
画を、HAE細胞を200μlの1NNaOHにより30分間細胞溶解
し、別の試験管に移してあつめた。両方の分画を、ガン
マシンチレーション分光測定により分析した。細胞毒性
百分率を次式のように計算した: 特異的細胞毒性は、刺激PMNおよび非刺激PMNにより誘導
される51Cr−放出の間の差に反映される。好中球媒介細
胞毒性に対する保護のためのマンガン(II)錯体のIC50
値は、マンガン(II)錯体濃度に対する%比細胞毒性の
プロットからコンピュータ処理論理的回帰方程式から決
定された。
表3から分かるようにストップド−フロウ動的分析に
より示された超酸化物不均斉変化の触媒であるマンガン
(II)錯体(例1−8および27)は、ヒト好中球媒介細
胞毒性に対して防御的である。例1−8および27のもの
は、22−119μMの濃度範囲のIC50値を有している。
例45 インビトロ評価 酸化窒素:ラット肺線維芽細胞cGMPレポータアッセイ ストップド−フロウ動的分析によりSOD活性を有する
ことが示された(表1)マンガン(II)錯体(例1)
を、グアノシン3′,5′−サイクリックモノホスフェー
ト(cGMP)レベルに対する該マンガン(II)錯体の効果
を測定するためにcGMPレベルを検出するラット肺線維芽
細胞アッセイにおいて試験した。このアッセイは、Ishi
i,I.,Sheng,H.,Warner,T.D.,Forstermann,V.,and Mura
d,F.,Am.J.Physiol.,261(Heart Circ.Physiol.30);H
598−H603,1991に記載され、ここにおいて酸化窒素合成
酵素(NOS)が直接に細胞に添加されるように修飾され
ている。ラット肺線維芽細胞を、Earle塩培地を含む48
穴組織培養プレート上に融合まで生育させた。培地を除
去し、細胞をEarle塩を含む緩衝化最小必須培地で2回
洗浄した。酵素(NOS)、ニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチドホスフェート(NADPH)、アルギニンならび
にテトラヒドロビオプテリンおよびフラビンアデニンジ
ヌクレオチド塔の所望の副因子を含む酸化窒素発生系を
順次各ウエルに添加した。例1の錯体を添加する場合に
は、添加をNO発生系と共に行った。5分間のインキュベ
ート後、各反応を停止し、細胞性cGMPを抽出し放射イム
ノアッセイにより測定された。
NOに応答するラット肺線維芽細胞の容量を、自発的の
NOを分解しcGMPレベルを上昇させる化合物であるナトリ
ウムニトロプルシッド(SNP)の添加により確認した。
次いで、粗製のNOS(エンドトキシン処理RAW264.7細胞
から調製)を、ラット肺線維芽細胞に添加して、酵素的
に発生したNOに対するそれらの応答を測定した。cGMPの
投与量依存的増大が、酵素量の増大にともなって得られ
た。超酸化物不均斉変化酵素(SOD)の添加は、細胞cGM
Pレベルの上昇を招いた。例1の錯体は、SOD模倣物であ
るから、NO誘発cGMPレベルの同様な向上を与えなければ
ならない。1マイクロモルから1ミリモルまでの例1の
錯体の濃度は、cGMPレベルの投与量依存的上昇を生じた
(表4参照)。また、例1の錯体(1ミリモル)のみの
添加によっては、cGMPの基底レベルは上昇しなかった。
更に、例1の錯体は、シトルリン産生により測定される
ようにNOS活性を上昇させない。従って、例1の錯体
は、可溶性グアニレートサイクレースを発現させて、細
胞内部でのcGMPレベルに対するNOの効果を高める。
酸化窒素は、上皮細胞により生成され、平滑筋細胞内
に拡散し、可溶性グアニレートサイクレースを活性化し
て血管緊張低下を生じる。超酸化物陰イオンは、NOと反
応して過硝酸を形成し、従って、グアニレートサイクレ
ース活性化に利用可能なNOの濃度を減少させる。cGMPレ
ベル増大における例1の錯体の有効性は、超酸化物レベ
ルを低下させる能力として示される。さらには、本発明
の錯体のcGMPレベルを増大する能力は、高血圧等のNOレ
ベルの向上が有益であろう疾患の治療への適用を本発明
の錯体が有していることを示している。
例46 インビトロ評価 ラット大動脈リングアッセイ ストップド−フロウ動的分析によりSOD活性を有する
ことが示された(表1)マンガン(II)錯体(例1)
を、ラット大動脈リングアッセイにおいて試験した。
インビボでの血圧の維持は、緊張および弛緩因子の間
の平衡である。血管の弛緩に対する主要な寄与因子は、
血管上皮細胞から放出されるNOである。NOの濃度上昇、
または有効半減期の延長は、平滑筋内の上昇したcGMPレ
ベルのために血圧の低下を生じる。NOを保護し、これに
よりラット大動脈リングの弛緩を促す例1の錯体の活性
の例示のために研究を行った。大動脈リングを、Furchg
ottの方法(Furohgott,R.F.,“Role of Endotheliumi
n Response of Vascular Smooth Muscle",Circ.Re
s.53:557−573,1983に記述されている)に従って調製
し、張力変化の記録を伴った。全ての調製において、初
期張力(1.5グラム)を30mM KClにて生成させた。例1
の錯体についての弛緩は内皮であり、最大45%の弛緩を
もって0.05から300マイクロモルまでは投与量依存性で
あった(表5参照)。このデータは、11の錯体が内的に
生成されるNOも保護するであろうと考えられることと矛
盾しない。例1の錯体によるラット大動脈リングの処置
(1分間に5マイクロモル)は、細胞内cGMPレベルを2.
5倍上昇させた。更に例1の錯体(0.5および5.0マイク
ロモル)は、アセチルコリン(0.1および1.0マイクロモ
ル)(表6参照)または、ナトリウムニトロプルシッド
(0.001から10マイクロモル)(表7参照)の何れかに
対して付加的な効果を有している。
結果は、ラット大動脈リングシステムは、cGMPレポー
タアッセイによく一致し、さらには、本発明の錯体の高
血圧治療に対する適用性を例示している。
例47 インビボ評価 ラット血流力学的モデル ストップド−フロウ動的分析(表1)でSOD活性を示
したマンガン(II)錯体(例1)を、平均血圧に対する
効果を測定するために有意識ラットにおいて試験した。
カテーテルを、エーテルで麻酔した雄Sprague−Dawle
yラット(全体重25−325グラム)の大腿静脈、大腿動脈
および膀胱に挿入した。次いでラットをそれぞれの拘束
ケージに入れ、意識を回復させた。血圧を、標準圧変換
器およびフィジオグラフにより測定した。例1のマンガ
ン(II)錯体の増加する投与量(水溶液で調製)を単一
ボーラス注射として与えた。試験結果は図1に示され
る。血圧値は、3頭のラットの平均値の平均動脈血圧を
示す。血圧低下の遷移的(3−5分)性質が、例1の錯
体の薬剤動力学的挙動によるか、あるいはガングリオン
ブロックしていないための交感神経系の反射的制御によ
るかは分からない。而して、例1の錯体によるNOの血管
緊張低下効果の向上は、SOD模倣物の作用の提案された
機構と矛盾しない。
結果は、本発明の錯体が、ラットの血圧低下に有効で
あることを示し、更に本発明の錯体が高血圧治療に適用
可能であることを例示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 471/08 C07D 471/08 (72)発明者 モダック,アニル,シュリクリシュナ アメリカ合衆国63043 ミズーリ州メリ ーランド ハイツ,シュルテ ヒル 1193 (72)発明者 ネウマン,ウィリアム,ラジダ アメリカ合衆国63141 ミズーリ州クル ーブ クール,コベントリィ コート 968 (72)発明者 リレイ,デニス,パトリック アメリカ合衆国63011 ミズーリ州ボー ルウィン,チャンセラー ハイツ ドラ イブ 800 (72)発明者 ウェイス,ランディ,ハーマン アメリカ合衆国63146 ミズーリ州セン ト ルイス,“エル”オウク スパー コート 11062 (56)参考文献 特開 平1−221753(JP,A) 特表 平5−506426(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 259/00 C07D 471/08 A61K 31/555 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式で表される錯体を含み、少なくとも部
    分的に超酸化物アニオンにより媒介される疾患又は不全
    の治療用又は予防用の医薬組成物; 式: 式中、R、R′、R1、R′、R2、R′、R3
    R′、R4、R′、R5、R′、R6、R′、R7
    R′、R8、R′、R9およびR′は、独立して、水
    素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキ
    ル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シク
    ロアルキルシクロアルキル、シクロアルケニルアルキ
    ル、アルキルシクロアルキル、アルケニルシクロアルキ
    ル、アルキルシクロアルケニル、アルケニルシクロアル
    ケニル、ヘテロ環、アリール、およびアラルキル基から
    なる群から選択され;あるいは、RもしくはR′および
    R1もしくはR′、R2もしくはR′およびR3もしくは
    R′、R4もしくはR′およびR5もしくはR′、R6
    もしくはR′およびR7もしくはR′、R8もしくは
    R′およびR9もしくはR′はそれらが結合する炭素
    原子と一緒になって、独立して3−20個の炭素原子を有
    する飽和、部分的飽和または不飽和の環式基を形成し;
    あるいは、RもしくはR′、R1もしくはR′およびR2
    もしくはR′、R3もしくはR′およびR4もしくは
    R′、R5もしくはR′およびR6もしくはR′、R7
    もしくはR′およびR8もしくはR′、およびR9もし
    くはR′はそれらが結合する炭素原子と一緒になっ
    て、独立して2−20個の炭素原子を有し、窒素原子を含
    むヘテロ環式基を形成し、但し窒素原子を含むヘテロ環
    式基が窒素原子に結合する水素原子を含まない芳香族性
    ヘテロ環式基である場合、窒素原子が大環状分子にあっ
    て該窒素原子に結合する水素、および大環式基の同じ炭
    素原子に結合するR基は、存在せず;RおよびR′、R1
    よびR′、R2およびR′、R3およびR′、R4およ
    びR′、R5およびR′、R6およびR′、R7および
    R′、R8およびR′、R9およびR′は、それらが
    結合する炭素原子と一緒になって、独立して3−20個の
    炭素原子を有する飽和、部分的飽和または不飽和の環式
    基を形成し;R、R′、R1、R′、R2、R′、R3
    R′、R4、R′、R5、R′、R6、R′、R7
    R′、R8、R′、R9およびR′のいずれか一つ
    は、それとは異なる大環状リガンドの異なる炭素原子に
    結合するR、R′、R1、R′、R2、R′、R3、R′
    、R4、R′、R5、R′、R6、R′、R7
    R′、R8、R′、R9およびR′のうちの1つと一
    緒に結合して、次式: (CH2xM(CH2wL(CH2zJ(CH2 (式中、w、x、yおよびzは、独立して0−10の整数
    を表し、M、LおよびJは独立して、アルキル、アルケ
    ニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ
    アリール、アルクアリール、アルクヘテロアリール、ア
    ザ、アミド、アンモニウム、チア、スルホニル、スルフ
    ィニル、スルホンアミド、ホスホニル、ホスフィニル、
    ホスフィノ、ホスホニウム、ケト、エステル、カルバメ
    ート、ウレア、チオカルボニル、ボレート、ボラン、ボ
    ラザ、シリル、シロキシ、シラザおよびそれらの組合せ
    からなる群から選択される)により表されるストラップ
    を形成してもよく;あるいはこれらの組合せを表し; 式においてX、YおよびZは、独立して、ハライド、オ
    キソ、アクオ、ヒドロキソ、アルコール、フェノール、
    ジオキシジェン、パーオキソ、ヒドロパーオキソ、アル
    キルパーオキソ、アリールパーオキソ、アンモニア、ア
    ルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロシクロアルキル
    アミノ、ヘテロシクロアリールアミノ、アミンオキシ
    ド、ヒドラジン、アルキルヒドラジン、アリールヒドラ
    ジン、一酸化窒素、シアニド、シアネート、チオシアネ
    ート、イソシアネート、イソチオシアネート、アルキル
    ニトリル、アリールニトリル、アルキルイソニトリル、
    アリールイソニトリル、ナイトレート、ナイトライト、
    アジド、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、ア
    ルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキル
    アリールスルホキシド、アルキルスルフェン酸、アリー
    ルスルフェン酸、アルキルスルフィン酸、アリールスル
    フィン酸、アルキルチオールカルボン酸、アリールチオ
    ールカルボン酸、アルキルチオールチオカルボン酸、ア
    リールチオールチオカルボン酸、アルキルカルボン酸、
    アリールカルボン酸、ウレア、アルキルウレア、アリー
    ルウレア、アルキルアリールウレア、チオウレア、アル
    キルチオウレア、アリールチオウレア、アルキルアリー
    ルチオウレア、スルフェート、スルファイト、ビスルフ
    ェート、ビスルファイト、チオスルフェート、チオスル
    ファイト、ヒドロスルファイト、アルキルホスフィン、
    アリールホスフィン、アルキルホスフィンオキシド、ア
    リールホスフィンオキシド、アルキルアリールホスフィ
    ンオキシド、アルキルホスフィンスルフィド、アリール
    ホスフィンスルフィド、アルキルアリールホスフィンス
    ルフィド、アルキルホスホン酸、アリールホスホン酸、
    アルキルホスフィン酸、アリールホスフィン酸、アルキ
    ルホスフィナス酸、アリールホスフィナス酸、ホスフェ
    ート、チオホスフェート、ホスファイト、ピロホスファ
    イト、トリホスフェート、ハイドロジェンホスフェー
    ト、ジハイドロジェンホスフェート、アルキルグアニジ
    ノ、アリールグアニジノ、アルキルアリールグアニジ
    ノ、アルキルカルバメート、アリールカルバメート、ア
    ルキルアリールカルバメート、アルキルチオカルバメー
    ト、アリールチオカルバメート、アルキルアリールチオ
    カルバメート、アルキルジチオカルバメート、アリール
    ジチオカルバメート、アルキルアリールジチオカルバメ
    ート、ビカルボネート、カルボネート、パークロレー
    ト、クロレート、クロライト、ハイポクロライト、パー
    ブロメート、ブロメート、ブロマイト、ハイポブロマイ
    ト、テトラハロマンガネート、テトラフルオロボレー
    ト、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアン
    チモネート、ハイポホスファイト、アイオデート、パー
    アイオデート、メタボレート、テトラアリールボレー
    ト、テトラアルキルボレート、タータレート、サリシレ
    ート、スクシネート、シトレート、アスコルベート、サ
    ッカリネート、アミノ酸、ヒドロキサム酸、チオトシレ
    ート、およびイオン交換樹脂の陰イオンからなる群から
    選択されるリガンドであり、またはそれらに相当する陰
    イオンであり、またはX、YおよびZは独立して1個以
    上の“R"基に結合する系であり、nは0−3の整数であ
    る。
  2. 【請求項2】Rが、水素、アルキル、シクロアルキル、
    シクロアルキルアルキル、アリール、およびアラルキル
    基からなる群から選択され、R′、R1、R′、R2
    R′、R3、R′、R4、R′、R5、R′、R6
    R′、R7、R′、R8、R′、R9およびR′が水
    素である請求の範囲1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】Rが、水素、メチル、イソブチル、プロパ
    ルギル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、フェニル、
    シクロヘキシル、4−ベンジルオキシベンジル、4−ヒ
    ドロキシベンジル、およびアクタデシルからなる群から
    選択される請求の範囲2項に記載の組成物。
  4. 【請求項4】R1もしくはR′およびR2もしくは
    R′、R3もしくはR′およびR4もしくはR′、R5
    もしくはR′およびR6もしくはR′、R7もしくは
    R′およびR8もしくはR′ならびに、R9もしくは
    R′およびRもしくはR′の少なくとも一つが、それ
    らが結合する炭素原子と一緒になって、独立して3−20
    個の炭素原子を有する飽和、部分的飽和または不飽和の
    環式基を形成し、あるいはRおよびR′、R1およびR′
    、R2およびR′、R3およびR′、R4および
    R′、R5およびR′、R6およびR′、R7および
    R′、R8およびR′、R9およびR′の少なくとも
    一つが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、独
    立して2−20個の炭素原子を有する窒素含有ヘテロ環式
    基を形成し、ならびに全ての残る“R"基が、水素および
    アルキル基から独立して選択される請求の範囲1項に記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】R1もしくはR′およびR2もしくは
    R′、R3もしくはR′およびR4もしくはR′、R5
    もしくはR′およびR6もしくはR′、R7もしくは
    R′およびR8もしくはR′ならびに、R9もしくは
    R′およびRもしくはR′の少なくとも一つが、それ
    らが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキサノ
    基であり、かつ全ての残る“R"基が、水素である請求の
    範囲4項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】X、YおよびZが、独立してハライド、有
    機酸、ナイトレートおよびビカルボネート陰イオンから
    なる群から選択される請求の範囲1項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】非毒性の、医薬的に許容される担体、アジ
    ュバントまたはベヒクルを更に含有する請求の範囲1項
    に記載の組成物。
  8. 【請求項8】治療的、予防的、病理学的または蘇生的に
    有効な量の請求の範囲1項に規定される錯体を含む、少
    なくとも部分的に超酸化物により媒介される疾患又は不
    全の予防用又は治療用の医薬蘇生物の製造方法。
  9. 【請求項9】前記疾患または不全が、虚血性心筋の再灌
    流、転移、高血圧、外科的に誘発される虚血症、炎症性
    腸疾患、リュウマチ性関節炎、アテローム、血栓症、血
    小板凝集、酸化剤誘導組織外傷または損傷、変形性関節
    炎、乾癬、移植器官拒絶、不能症、放射線−誘導障害、
    喘息、インフルエンザ、発作、火傷、外傷、急性膵臓
    炎、腎盂腎炎、肝炎、自己免疫疾患、インシュリン依存
    性糖尿病、散在性脈管内凝集、脂肪塞栓症、成人および
    小児呼吸困難、発癌、および新生児出血からなる群から
    選択される請求の範囲8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記疾患または不全が、虚血性疾患の再
    灌流、発作、アテローム、および高血圧からなる群から
    選択される請求の範囲9項に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記錯体が、式: により表される請求の範囲10項に記載の方法。
  12. 【請求項12】式: 式中、R、R′、R1、R′、R2、R′、R3
    R′、R4、R′、R5、R′、R6、R′、R7
    R′、R8、R′、R9およびR′は、独立して、水
    素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキ
    ル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シク
    ロアルキルシクロアルキル、シクロアルケニルアルキ
    ル、アルキルシクロアルキル、アルケニルシクロアルキ
    ル、アルキルシクロアルケニル、アルケニルシクロアル
    ケニル、ヘテロ環、アリール、およびアラルキル基から
    なる群から選択され;あるいは、R1もしくはR′およ
    びR2もしくはR′、R3もしくはR′およびR4もしく
    はR′、R5もしくはR′およびR6もしくはR′
    R7もしくはR′およびR8もしくはR′ならびに、R9
    もしくはR′およびRもしくはR′は、それらが結合
    する炭素原子と一緒になって、独立して3−20個の炭素
    原子を有する飽和、部分的飽和または不飽和の環式基を
    形成し;あるいは、RもしくはR′、R1もしくはR′
    およびR2もしくはR′、R3もしくはR′およびR4
    しくはR′、R5もしくはR′およびR6もしくはR′
    、R7もしくはR′およびR8もしくはR′、および
    R9もしくはR′はそれらが結合する炭素原子と一緒に
    なって、独立して2−20個の炭素原子を有し、窒素原子
    を含むヘテロ環式基を形成し、但し窒素原子を含むヘテ
    ロ環式基が窒素原子に結合する水素原子を含まない芳香
    族性ヘテロ環式基である場合、窒素原子が大環状分子に
    あって該窒素原子に結合する水素、および大環式基の同
    じ炭素原子に結合するR基は、存在せず;RおよびR′、
    R1およびR′、R2およびR′、R3およびR′、R4
    およびR′、R5およびR′、R6およびR′、R7
    よびR′、R8およびR′、R9およびR′は、それ
    らが結合する炭素原子と一緒になって、独立して3−20
    個の炭素原子を有する飽和、部分的飽和または不飽和の
    環式基を形成し;R、R′、R1、R′、R2、R′
    R3、R′、R4、R′、R5、R′、R6、R′
    R7、R′、R8、R′、R9およびR′のいずれか一
    つは、それとは異なる大環状リガンドの異なる炭素原子
    に結合するR、R′、R1、R′、R2、R′、R3
    R′、R4、R′、R5、R′、R6、R′、R7
    R′、R8、R′、R9およびR′のうちの1つと一
    緒に結合して、次式: (CH2xM(CH2wL(CH2zJ(CH2 (式中、w、x、yおよびzは、独立して0−10の整数
    を表し、M、LおよびJは独立して、アルキル、アルケ
    ニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ
    アリール、アルクアリール、アルクヘテロアリール、ア
    ザ、アミド、アンモニウム、チア、スルホニル、スルフ
    ィニル、スルホンアミド、ホスホニル、ホスフィニル、
    ホスフィノ、ホスホニウム、ケト、エステル、カルバメ
    ート、ウレア、チオカルボニル、ボレート、ボラン、ボ
    ラザ、シリル、シロキシ、シラザおよびそれらの組合せ
    からなる群から選択される)により表されるストラップ
    を形成してもよく、あるいはこれらの組合せを表し; ここにおいて少なくとも1個の“R"基は水素ではなく、
    または1個の“R"基がメチル基である場合に少なくとも
    1個の別の“R"基が水素ではない; により表される化合物。
  13. 【請求項13】式: 式中、Rは2−22個の炭素原子を有するアルキル、アル
    ケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル
    アルキル、アリールおよびアラルキル基からなる群から
    選択される; により表される請求の範囲12項に記載の化合物。
  14. 【請求項14】請求の範囲13項に記載の化合物の製造方
    法であって、 a)アミノ酸アミドを還元して対応する置換エチレンア
    ミンを生成させ; b)該ジアミンをトシル化して対応するジ−N−トシル
    誘導体を生成させ; c)該ジ−N−トシル誘導体をジ−O−トシル化トリス
    −N−トシル化トリアザアルカンジオールと反応させ
    て、対応する置換N−ペンタトシルペンタアザシクロア
    ルカンを生成させ; d)トシル基を除去し;ならびに e)得られた化合物を回収することを含んでなる、 化合物の製造方法。
  15. 【請求項15】前記アミノ酸アミドが、式: (式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シ
    クロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、お
    よびアラルキル基を表す) により表される請求の範囲14項に記載の方法。
  16. 【請求項16】請求の範囲1項に記載の錯体の調製方法
    であって: (a)式: の化合物を本質的に嫌気性条件下でマンガン(II)化合
    物と反応させて、“R"基が全て水素である請求の範囲1
    項に記載の錯体を生成させるか;あるいは、 (b)式: の化合物を本質的に嫌気性条件下でマンガン(II)化合
    物と反応させて、R′、R1、R′、R2、R′、R3
    R′、R4、R′、R5、R′、R6、R′、R7
    R′、R8、R′、R9およびR′基が水素である請
    求の範囲1項に記載の錯体を生成させるか;あるいは、 (c)式: の化合物を本質的に嫌気性条件下でマンガン(II)化合
    物と反応させて、R、R′、R2、R′、R4、R′
    R6、R′、R8およびR′基が水素である請求の範囲
    1項に記載の錯体を生成させるか;あるいは、 (d)式: の化合物を本質的に嫌気性条件下でマンガン(II)化合
    物と反応させて、R1、R′、R8およびR′基が水素
    である請求の範囲1項に記載の錯体を生成させるか;あ
    るいは、 (e)式: の化合物を本質的に嫌気性条件下でマンガン(II)化合
    物と反応させて、R3、R′、R′、R′、R6およ
    びR′基が水素である請求の範囲1項に記載の錯体を
    生成させることを含んでなる請求の範囲1項に記載の錯
    体の製造方法。
  17. 【請求項17】請求の範囲1項に記載の錯体の調製方法
    であって: (a)式: の加工物を、水素および水素添加触媒と、R′および
    R′が水素であり、R2およびR9がアルキルであり、
    R′およびR′が存在しない請求の範囲1項に記載の
    錯体を生成する条件下で反応させることを含んでなる錯
    体の製造方法。
  18. 【請求項18】R、R′、R2、R′、R4、R′
    R6、R′、R8およびR′が水素である請求の範囲12
    項に記載の化合物の製造方法であって: (a)線形のペンタペプチドまたはその塩を閉環させ
    て、環状ペンタペプチドを生成させ、および (b)前記環状ペンタペプチドを還元すること、 を含んでなる製造方法。
  19. 【請求項19】R1、R′、R′、R′、R8および
    R′が水素である請求の範囲12項に記載の化合物の製
    造方法であって: (a)トリアザアルカンをトシル化して、対応するトリ
    ス(N−トシル)誘導体を生成させ、 (b)前記トリス(N−トシル)誘導体を適当な塩基に
    て処理して対応するジスルホンアミド陰イオンを生成さ
    せ、 (c)前記ジスルホンアミド陰イオンを、適当な親電子
    試薬にてジアルキル化して、ジカルボン酸の誘導体を生
    成させ、 (d)前記ジカルボン酸の誘導体を処理して対応するジ
    カルボン酸を生成させ、 (e)前記ジカルボン酸を処理して対応する二酸二塩化
    物を生成させ、 (f)前記二酸二塩化物を塩基の存在下に隣位シアミン
    と反応させて対応するトリス(トシル)ジアミド大環状
    分子を生成させ、 (g)該トシル基を除去し、および (h)前記大環状分子のアミドを還元すること、 を含んでなる製造方法。
  20. 【請求項20】R3、R′、R′、R′、R6および
    R′が水素であり、R4およびR5が、それらが結合する
    炭素原子と一緒になって窒素含有ヘテロ環式基を形成す
    る請求の範囲12項に記載の化合物の製造方法であって、 (a)2個の第一アミン基を有するテトラアザ化合物
    を、メタノール中において、ジメチル2,6−ピリジンカ
    ルボキシレートと反応させて、該ピリジン環を2,6−ジ
    カルボキサミドとして取り込んだ大環状分子を生成さ
    せ、 (b)前記大環状分子のアミドを還元して、対応するピ
    ペリジン環とし、 (c)前記大環状分子のアミドを還元すること、 を含んでなる製造方法。
  21. 【請求項21】R1、R′、R′、R′、R8および
    R′が水素である請求の範囲12項に記載の化合物の製
    造方法であって: (a)トリアザアルカンをトシル化して、対応するトリ
    ス(N−トシル)誘導体を生成させ、 (b)前記トリス(N−トシル)誘導体を適当な塩基に
    て処理して対応するジスルホンアミド陰イオンを生成さ
    せ、 (c)前記ジスルホンアミド陰イオンを、隣位シアミン
    と過剰量のハロアセチルハライドとの塩基の存在下での
    反応により調製された隣位アミンのビス(ハロアセトア
    ミド)と反応させて、置換トリス(N−トシル)ジアミ
    ド大環状分子を生成させ、 (d)該トシル基を除去し、および (e)前記大環状分子のアミドを還元すること、 を含んでなる製造方法。
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