JP3155313B2 - 電動式車両の回生制動制御装置 - Google Patents

電動式車両の回生制動制御装置

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JP3155313B2
JP3155313B2 JP29956291A JP29956291A JP3155313B2 JP 3155313 B2 JP3155313 B2 JP 3155313B2 JP 29956291 A JP29956291 A JP 29956291A JP 29956291 A JP29956291 A JP 29956291A JP 3155313 B2 JP3155313 B2 JP 3155313B2
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健二 玉木
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尚司 本舘
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッテリの電力により
走行する電動式車両の回生制動制御装置に係り、特に、
回生時におけるバッテリへの充電電流および制動力を別
々に制御できるようにした電動式車両の回生制動制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回生制動は、直流モータを駆動手段とす
る電動式車両の省エネルギ手段の一つとして広く用いら
れており、制動時に電力供給を断ち、直流モータの運動
エネルギを電気エネルギに変換して電源側に返す技術で
ある。
【0003】図5は、電動式車両のモータ制御系の主要
部のブロック図、図6は、回生制動時の制御方法を示し
たタイミングチャートである。
【0004】図5において、ステータ37には駆動コイ
ルU、V、Wが巻回され、ステータ37の中心部には、
回転軸19を中心にしてロータ51およびマグネットロ
ータ48が回転自在に支持されている。
【0005】マグネットロータ48の周囲には、ロータ
51の回転位置を非接触で検出するためのホール素子U
H、VH、WHが配置され、各ホール素子の検出信号は
位置検出手段46に入力される。位置検出手段46は、
前記検出信号に基づいてロータ51の回転位置を判定
し、位置信号を転流/整流制御手段45に出力する。
【0006】転流/整流制御手段45は、通常の走行状
態で作動する走行時転流制御手段45a、回生時に作動
する回生時整流制御手段45b、および両者を切り換え
る切換手段45cを有している。
【0007】前記駆動コイルU、V、Wは転流/整流手
段90に接続されている。転流/整流手段90は、トラ
ンジスタとダイオードとを組み合わせてなるスイッチン
グ部90aおよびプリドライバ部90bによって構成さ
れ、各駆動コイルU、V、WへのバッテリBAからの給
電、あるいは各駆動コイルからバッテリBAへの充電を
制御する。
【0008】このような構成において、通常の走行状態
では切換手段45cによって走行時転流制御手段45a
が選択され、転流/整流制御手段45は走行モードで動
作する。
【0009】走行時転流制御手段45aは、位置検出手
段46の検出信号に応じて、所定のタイミングで各駆動
コイルU、V、WへバッテリBAから給電されるよう
に、スイッチング手段90aの各トランジスタのオン/
オフを制御する。
【0010】この結果、バッテリBAからの給電によっ
て直流モータMが回転し、バッテリBAによる走行が可
能になる。
【0011】一方、回生制動時には、モータMへの電力
供給を制御するパルス信号のデューティー比(以下、駆
動デューティー比と略する)が0になるので、制動検出
手段79がこれを検出して検出信号を切換手段45cに
出力し、切換手段45cは回生時整流制御手段45bを
選択する。
【0012】回生時整流制御手段45bは、モータMで
発生する回生電力が転流/整流手段90および各駆動コ
イルU、V、Wで消費されて制動がかかるように、以下
の通り各トランジスタをオン/オフ制御する。
【0013】回生制動時の各駆動コイルU、V、Wに
は、図6(a) に示したような3相交流電圧が発生する。
このとき、回生時整流制御手段45bは、トランジスタ
UTr1、VTr1、WTr1に対しては、これらをオフ状態
とするための“L”レベルの信号を出力し、トランジス
タUTr2、VTr2、WTr2に対しては、同図(b) に示し
たように、これらを同時かつ周期的にオン/オフさせる
パルス信号を出力する。
【0014】各トランジスタUTr2、VTr2、WTr2を
オン状態からオフ状態とすると、各駆動コイルに流れて
いた誘導電流はそのまま流れ続けようとするため、各コ
イルの両端子間には高電圧が発生し、これによってバッ
テリBAが充電される。
【0015】また、回生制動力は各トランジスタUTr
2、VTr2、WTr2がオン状態の時に、各トランジス
タ、各ダイオード、および各駆動コイルで消費されるエ
ネルギに比例するので、制動力はパルス信号のパルス幅
に比例する。
【0016】したがって、従来技術においては、大きな
制動力を必要とする場合にはパルス幅を長くし、小さな
制動力を必要とする場合には、同図(c) に示したように
パルス幅を短くするような制御が行われていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で
は、パルス信号のパルス幅を調整することによって制動
力を制御することはできるが、充電電流となる誘導電流
は、各トランジスタがオン状態からオフ状態となったと
きの各コイルの起電力に依存するので、パルス幅が短く
て起電力が過渡状態にあるような場合を除いて、充電量
はパルス信号のパルス幅にかかわらずほぼ一定となる。
【0018】したがって、制動力と充電量とを別々に制
御することができず、制動力の制御を優先させた場合に
は、例えば、バッテリが満充電状態のときは充電量を減
じ、バッテリが充電不足状態のときは充電量を増すとい
った制御ができなかった。
【0019】このため、回生制動によってバッテリに過
充電が生じたり、あるいは充電不足がなかなか解消され
ないという問題があった。
【0020】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決して、回生制動時の制動力と充電量とを別々に
制御できるようにした電動式車両の回生制動制御装置を
提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、モータに生じたエネルギの一部を
消費して制動をかけ、残りのエネルギの一部を回生して
バッテリを充電する電動式車両の回生制動制御装置にお
いて、以下のような手段を講じた点に特徴がある。 (1) コイルに生じた交流電圧の半周期内で開始して終了
する制動期間を決定する手段と、前記制動期間終了時に
コイルに蓄積されているエネルギに応じた誘導電流をバ
ッテリへ回生する手段と、前記制動期間に生じたエネル
ギを消費する手段とを具備した。 (2) コイルに生じた交流電圧の半周期内において、その
開始タイミングから始まる第1の期間を決定する手段
と、前記交流電圧の半周期内において、その終了タイミ
ングで終わる第2の期間を決定する手段と、前記第1の
期間終了時にコイルに蓄積されているエネルギに応じた
誘導電流をバッテリへ回生する手段と、第1の期間に生
じた残りのエネルギおよび第2の期間に生じたエネルギ
を消費する手段とを具備した。 (3) 前記制動期間をチョッピング制御する手段をさらに
具備し、前記制動期間を、断続的な短い制動期間の列で
構成するようにした。
【0022】
【作用】上記した構成(1) によれば、制動力は前記制動
期間内に消費された交流電力の積分値に比例し、充電量
は制動期間終了時の起電力に依存する。したがって、制
動期間の開始タイミングおよび終了タイミングを適宜に
設定すれば、回生制動時の制動力と充電量とを別々に設
定できるようになる。
【0023】上記した構成(2) によれば、制動力は前記
第1および第2の制動期間内に消費された交流電力の積
分値に比例し、充電量は第1の制動期間終了時の起電力
に依存する。したがって、第1および第2の制動期間を
別々に設定すれば、回生制動時の制動力と充電量とを別
々に設定できるようになる。
【0024】上記した構成(3) によれば、断続的な短い
制動期間が終了する度に誘導電流が生じるので、充電量
を増やすことができるようになる。
【0025】
【実施例】図1は、本発明を適用した電動2輪車Xの全
体側面図であり、その車体フレームFは鋼管よりなる前
部フレームF1 、中央フレームF2 , および後部フレー
ムF3 から構成され、その外側はレッグシールドB1 、
ステップフロアB2 、後部カバーB3 、およびアンダカ
バーB4 によって覆われている。
【0026】前部フレームF1 に固着したヘッドパイプ
1には、上端に操向ハンドル2を備えると共に、下端に
フロントショック3を介して前輪Wf を軸架したフロン
トフォーク4が枢支される。中央フレームF2 の後部に
は、後端に後輪Wr を軸架したスイング式のパワーユニ
ットPの前端がピボット5で上下揺動自在に枢支され、
そのパワーユニットPの後部上面と後部フレームF3 と
はリアクッション6を介して連結されている。
【0027】中央フレームF2 に設けられたスタンド7
は、図示した格納位置において前記パワーユニットPの
前部下面を覆い、その内部に収容した後述の駆動用モー
タの保護部材を兼ねている。パワーユニットPとシート
8の間にはヘルメット等を収容するための物入れ9が設
けられている。この物入れ9は前記モータMが発生する
磁気によりフロッピディスク等の収容物が影響を受けな
いように、導電性樹脂等の磁気をジールドする材料で形
成されている。
【0028】中央フレームF2 には前記モータの駆動用
電源としてのバッテリを収容するバッテリボックス10
が設けられている。また、前記ヘッドパイプ1の前方に
はモータMの駆動を制御するコントローラ11と前記バ
ッテリを充電するための充電器12が設けられている。
【0029】次に、図2、図3、図4に基づいて前記パ
ワーユニットPの構造を詳述する。なお、図2、図3は
図中一点鎖線部で合体されるものとする。
【0030】パワーユニットPは前端に前記ピボット5
が左右に貫通する伝動ケース13を備えており、その前
部に設けられたモータMと後部に設けられた減速機14
がベルト式無段階変速機15を介して接続されている。
【0031】伝動ケース13は隔壁13a により左側の
ベルト式無段階変速機収納部13bと右側のモータ収納
部13c に仕切られ、そのモータ収納部13c には内部
にモータMを収納するモータハウジング16が装着され
ている。モータハウジング16に右側面には、前記伝動
ケース13の一部を構成して内部に後述のドライバ25
を収納するドライバ収納ハウジング13d が装着され、
前記モータハウジング16と共にボルト18で結合され
る。
【0032】モータMの回転軸19は前記モータハウジ
ング16に設けられたボールベアリング20と伝動ケー
ス13の内壁に設けられたボールベアリング21とによ
って支持され、その回転軸19の右端にはモータハウジ
ング16の内部に位置するように冷却ファン22が設け
られている。伝動ケース13の上面における前記モータ
Mとベルト式無段階変速機15の中間位置には、モータ
収納部13c に冷却風を導入するための伸縮自在なダク
ト23の下端が接続され、そのダクト23の上端は前記
物入れ9の内部に連通する(図1参照)。
【0033】図2、図3および図4に示すように、ドラ
イバ収納ハウジング13d の内部に前記回転軸19と同
軸に配設されてボルト24で固定されたドライバ25は
概略6角型をなし、その各辺の内面には多数の冷却フィ
ン26が突設されている。ドライバ25外面には後述の
電界効果とトランジスタ(以下、FETと略する)27
が取り付けられると共に、そのドライバ25の中心部に
形成された空間には、後述する大容量コンデンサ28が
嵌合して固定されている。そして、モータハウジング1
6の右端の開口部はルーバ状の排気口29a を有するカ
バー29で閉塞される。
【0034】モータMは直流ブラシレスモータであっ
て、回転軸19に固着した鉄心31の外周に永久磁石3
2を配設した回転子33と、モータハウジング16の内
部にボルト34で固着した鉄心35の回りに巻回したコ
イル36とよりなるステータ37を備えると共に、回転
軸19に固着したマグネットロータ48とその外周に対
向して配設した3個のホール素子39(UH、VH、W
H)よりなる回転子位置センサ40を備えている。
【0035】前記冷却ファン22により物入れ9からダ
クト23を介して導入された冷却風は、モータ収納部1
3c 内のモータMを冷却した後、モータハウジング16
に形成した通孔16a を介してドライバ収納ハウジング
13d 内に達し、FET27および大容量コンデンサ2
8を冷却して前記カバー29の排風口29a から排出さ
れる。
【0036】次いで、図2、図3を参照して伝動ケース
13内部に突出する回転軸19に設けられた駆動プーリ
61と、伝動ケース13の後部に支持された減速機入力
軸62に設けた従動プーリ63とを備え、両プーリ6
1、63には無端ベルト64が巻き掛けられている。
【0037】駆動プーリ61は、回転軸19に固着され
た固定側プーリ61a と、この回転軸19に軸方向摺動
自在に支持された可動側プーリ半体61b とからなり、
この可動側プーリ半体61b と回転軸19に固着された
ランププレート65との間には遠心ウエイト66が半径
方向に移動自在に配設されている。
【0038】一方、従動プーリ63は減速機入力軸62
にニードルベアリング67を介して相対回転自在に嵌合
するカラー68に支持された固定側プーリ半体63a と
可動側プーリ半体63b とからなり、この従動プーリ6
3に伝達された駆動力は自動遠心クラッチ69を介して
前記減速機入力軸62に伝達され、逆に減速機入力軸6
2から伝達された駆動力は他の自動遠心クラッチ70を
介して従動プーリ63側に伝達される。
【0039】減速機入力軸62は伝動ケース13に設け
られた一対のボールベアリング71、72によって支持
され、同じく伝動ケース13に設けられた一対のボール
ベアリング73、74によって支持された後輪Wr の車
軸75との間には中間軸76が支持されている。減速機
入力軸62の入力ギア77の回転は中間軸76の2個の
中間ギア78、79を介して車軸75の出力ギア80に
伝達される。
【0040】このような構成において、モータMの回転
速度が小さいとき、自動遠心クラッチ69は切断された
状態にあり、前記モータMの駆動力は後輪Wrに伝達さ
れない。この状態からモータMの回転速度を増加させる
と、その回転軸19に固着したランププレート65に沿
って遠心ウエイト66が半径方向外側に移動し、駆動プ
ーリ61の可動側プーリ半体61b を固定側プーリ半体
61a に接近する方向に移動させる。
【0041】これにより、駆動プーリ61の有効半径が
増加すると共に、無端ベルト64を介して従動プーリ6
3の可動側プーリ半体63b が固定側プーリ半体63a
から離間する方向に駆動され、その有効半径が減少す
る。
【0042】この結果、ベルト式無段階変速機15の減
速比が減少して前記従動プーリ63と共に回転するカラ
ー68の回転速度が増加し、やがて自動遠心クラッチ6
9が接続してモータMの駆動力が減速機入力軸62に伝
達されると、減速機14を介して後輪Wr が駆動され
る。
【0043】モータMの駆動により回転軸19に設けら
れた冷却ファン22が回転すると、物入れ9の内部の比
較的清浄な空気はダクト23を介して伝動ケース13の
モータ収納部13c に導入される。冷却風はモータMの
発熱したコイル36を冷却した後、モータハウジング1
6の通孔16a を通ってドライバ収納ハウジング13d
の内部に導入され、その内部に収納したドライバ25の
外周および冷却フィン26間を通過することにより、F
ET27や大容量コンデンサ28等の発熱部材を冷却
し、カバー29に形成された排風口29a から大気中に
排気される。
【0044】そして、前記冷却風を伝動ケース13の内
部に導入するダクト23が、前記伝動ケース13上面に
おけるモータMとベルト式無段階変速機15の中間位置
に接続されるため、そのダクト23が左右方向に突出し
て伝動ケース13の全幅が増大する不都合が回避される
だけでなく、モータMとベルト式無段階変速機15間の
デッドスペースを有効利用することが可能となる。
【0045】図7、図8、図9は、本発明の基本概念を
説明するための図である。
【0046】なお、以下の説明では、コイルUに生じる
交流起電力の1周期を電気角0〜360゜、機械角0〜
180゜と表現し、電気角0〜90゜の間で電気角0゜
を開始タイミングとした各トランジスタのオン期間を角
度θ1 ,電気角90〜180゜の間で、電気角180゜
を終了タイミングとした各トランジスタのオン期間を角
度θ2 と表現する。
【0047】バッテリBAへの充電電流は、トランジス
タをオン状態からオフ状態としたときに各コイルに生じ
る誘導電流なので、充電電流Iの大きさは、トランジス
タがオフ状態となる直前のコイルの起電力に比例する。
したがって、充電電流Iを大きくしたい場合には、図7
に示したように、角度θ1 は90゜に近い方がよい。
【0048】一方、回生トルク(制動力)は、トランジ
スタがオン状態にあるときに各トランジスタ、ダイオー
ド、およびコイルで消費されるエネルギ量、すなわちト
ランジスタがオン状態のときにコイルに誘起される起電
力の積分値S1 に比例する。したがって、制動力を大き
くしたい場合には、図8に示したように、角度θ1 は大
きくした方がよい。
【0049】ところが、上記した原理から明らかなよう
に、充電電流および制動力を角度θ1 だけで制御しよう
とすると、充電電流を小さくして制動力を大きくした
り、その反対に、充電電流を大きくして制動力を小さく
するといった制御ができない。そこで、本発明では角度
θ2 に着目し、角度θ2 を制御することによって充電電
流と制動力とを別々に制御できるようにした。
【0050】電気角90〜180゜の範囲を考えると、
トランジスタを常に電気角180゜でオフするようにす
れば、誘導電流はゼロなので充電電流Iの大きさは常に
ゼロとなるが、図9に示したように、制動力は起電力の
積分値S2 で決まるので角度θ2 に依存することにな
る。
【0051】そこで、本発明では、各コイルごとに角度
θ1 、角度θ2 を別々に制御することにより、充電電流
と制動力とを別々に制御するようにした。
【0052】図10は、角度θ1 および角度θ2 を別々
に制御することにより、充電電流と制動力とを別々に制
御する制御パターンを示した図である。 (a) 充電電流および制動力を共に大きくする場合には、
角度θ1 、θ2 を共に大きくする。 (b) 充電電流は大きくして制動力は小さくする場合に
は、角度θ1 を大きくして角度θ2 を小さくする。 (c) 充電電流は小さくして制動力は大きくする場合に
は、角度θ1 を小さくして角度θ2 を大きくする。 (d) 充電電流および制動力を共に小さくする場合には、
角度θ1 、θ2 を共に小さくする。
【0053】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0054】図11、図12は、前記図5に関して説明
したモータ制御系の主要部の回路図、図13はその制御
パターンを示したタイミングチャートであり、前記と同
一の符号は同一または同等部分を表している。図13に
おいて、UH、VH、WHは、それぞれ前記ホール素子
UH、VH、WHの出力信号を示している。
【0055】なお、当該直流モータは駆動コイルU、
V、Wを備えた3相構造であるが、各相の構成は同様な
ので、ここでは主にコイルUを参照して説明する。
【0056】コイルUに生じる起電力に着目すると、角
度θ1 の期間においては、トランジスタUTr1、VTr
1、WTr1をオフ状態とすると共にトランジスタUTr2
をオン状態とするので、図11に示したように、コイル
U−トランジスタUTr2−ダイオードVD−コイルVに
よって構成される閉回路と、コイルW−トランジスタW
Tr2−ダイオードVD−コイルVによって構成される閉
回路の2つの閉回路が形成される。
【0057】したがって、このとき各コイルに生じた起
電力は、各コイル、トランジスタ、およびダイオードで
熱として消費されるので制動がかかる。
【0058】一方、角度θ1 の終了タイミングにおいて
トランジスタUTr2をオン状態からオフ状態とすると、
各コイルに流れていた誘導電流はそのまま流れ続けよう
とするため、コイルの両端子間には高電圧が発生する。
【0059】この電圧がバッテリ電圧よりも高いと、図
12に示したように、コイルU−ダイオードUD1 −バ
ッテリBA−ダイオードVD2 −コイルVによって構成
される閉回路が形成されてバッテリBAに誘導電流が充
電される。
【0060】その後、角度θ2 の開始タイミングまでは
充電電流および制動力のいずれも生じず、角度θ2 の開
始タイミングとなって再びトランジスタUTr2がオン状
態となると、前記と同様に閉回路が形成されて制動がか
かる。
【0061】一方、角度θ2 の終了タイミングにおいて
トランジスタUTr2をオン状態からオフ状態としても、
コイルUには起電力が生じていないので、充電電流は生
じない。
【0062】したがって、角度θ1 によって充電電流を
優先的に制御すると共に、角度θ1で得られた制動力の
不足分を補うように角度θ2 を設定すれば、充電電流と
制動力とを独立的に制御できるようになる。
【0063】ところで、フル回生時における減速トルク
は、図14に実線で示したように、モータ回転数Ne が
ある回転数Ne1に達するまでは回転数Ne に応じて上昇
し、回転数Ne1を超えると、その後は徐々に減少する特
性を示す。ところが、実使用における減速トルクは、同
図に点線で示したように、回転数Ne に応じて連続的に
上昇し、その上昇率が回転数Ne の上昇に応じて徐々に
低下することが望ましい。
【0064】そこで、本実施例では、図14に点線で示
した特性を得るために、角度(θ1+θ2 )を、図15
に示したように、モータ回転数Ne がNe1に達するまで
は回転数Ne の上昇に応じて減少させ、回転数Ne1を超
えると、その後は徐々に増加させるようにしている[関
数f( Ne)]。
【0065】このような構成によれば、減速トルクと回
転数Ne との関係に関して理想的な特性が得られるの
で、ドライバビリティが向上する。
【0066】このとき角度θ1 は、回生制動時のバッテ
リ電圧が一定となるように、図16に示したように回転
数Ne の上昇に応じて徐々に減少するようにすることが
望ましい[関数g( Ne)]。
【0067】図17は、上記した回生制動を行うメイン
プログラムのフローチャートであり、図18、19は、
メインプログラムの実行中に予定のタイミングで割り込
み処理されるサブプログラムのフローチャートである。
【0068】電源がオンされると、ステップS10で
は、スロットル開度θthが取り込まれる。ステップS1
1では、スロットル開度θth、モータ回転数Ne に基づ
いて駆動デューティ比が決定される。
【0069】ステップS12では、前記駆動デューティ
比が0よりも大きいか否かが判定され、駆動デューティ
比が0よりも大きければ走行中であると判断してステッ
プS17へ進み、駆動デューティ比が0であれば回生制
動を行うためにステップS13へ進む。
【0070】ステップS17では、前記トランジスタU
Tr1、VTr1、WTr1、UTr2、VTr2、WTr2を適宜
にオン/オフ制御してモータを駆動し、その後ステップ
S10へ戻る。
【0071】ステップS13では、前記トランジスタU
Tr1、VTr1、WTr1がオフ状態とされる。ステップS
14ではバッテリ電圧が検出され、バッテリが満充電状
態であればステップS15へ進み、満充電状態でなけれ
ばステップS16へ進む。
【0072】ステップS15では、角度θ1 にはゼロが
セットされ、角度θ2 には、前記図15に示した関数f
(Ne)に応じた角度がセットされる。
【0073】一方、ステップS16では、角度θ1 には
前記図16に示した関数g(Ne)に応じた角度がセット
される。このとき、角度θ1 の期間では制動力が得られ
るので、角度θ2 には、前記図15に示した関数f (N
e)から角度θ1 を減じた角度がセットされる。
【0074】一方、ホール素子UHの出力信号の立下り
が検出されると、割込処理により、ステップS20では
回転数Ne が取り込まれ、ステップS21では、トラン
ジスタUTr2がオフされる。
【0075】ステップS22では、前記メインプログラ
ムのステップS15またはS16で求められた角度θ1
を設定するためのタイマ値T1 が算出され、ステップS
23では、角度θ2 を設定するためのタイマ値T2 が算
出される。
【0076】なお、図13に示したように、タイマ値T
1 は角度θ1 を時間換算した値に設定され、タイマ値T
2 は信号UHの立上りから角度θ2 の開始タイミングま
でを時間換算した値に設定される。
【0077】一方、ホール素子UHの出力信号の立上が
検出されると、割込処理により、ステップS30ではト
ランジスタUTr2がオンされて角度θ1 の期間が開始す
る。ステップS31では、前記タイマ値T1 がダウンカ
ウントを開始し、ステップS32ではタイマ値T2 がダ
ウンカウントを開始する。
【0078】以後、タイマ値T1 に基づいて角度θ1 の
終了タイミングが検出されるとトランジスタUTr2がオ
フにされ、タイマ値T2 に基づいて角度θ2 の開始タイ
ミングが検出されるとトランジスタUTr2が再びオンに
されて角度θ2 の期間が開始する。
【0079】なお、上記した実施例では、角度θ1 が回
転数Ne のみの関数として決定されるものとして説明し
たが、本発明はこれのみに限定されず、例えば以下に説
明するように、回転数Ne およびバッテリ電圧VBAの関
数として決定されるようにしても良い。
【0080】図20は、本発明の他の実施例である角度
θ1 の制御方法を示した図である。
【0081】本実施例では、バッテリ電圧VBAを検出
し、バッテリ電圧が高くなるにしたがって角度θ1 を徐
々に小さくするようにしている。
【0082】このようにすれば、バッテリ電圧が低く充
電不足の場合には大きな充電電流が得られ、バッテリ電
圧が高く満充電状態にある場合には充電電流が小さくな
るので、最適な充電電流が得られるようになる。
【0083】このとき角度θ2 には、前記同様、図15
に関して説明した関数f (Ne)から角度θ1 を減じた角
度がセットされるようにする。このようにすれば、最適
な制動力および充電電流が得られるようになる。
【0084】なお、上記した実施例では、角度θ1 はコ
イルに生じた交流電圧の半周期の前半(電気角90゜ま
で)に終了し、角度θ2 は半周期の後半(電気角90゜
以降)に開始するものとして説明したが、本発明はこれ
のみに限定されるものではなく、角度θ1 、θ2 が共に
電気角0〜180゜の範囲で適宜に終了あるいは開始す
るようにしても良い。
【0085】さらには、角度θ1 、θ2 を別々に設定す
ることなく、例えば以下に説明するように、交流電圧の
半周期内(電気角0〜180゜)で開始して終了する唯
一の期間を角度θ3 とし、角度θ3 の開始および終了タ
イミングを適宜に設定することにより、制動力と充電量
とを別々に制御するようにしても良い。
【0086】図21は、角度θ3 を適宜に設定すること
により、充電電流と制動力とを別々に制御する制御パタ
ーンを示した図である。 (a) 制動力は大きくして充電電流は小さくする場合に
は、角度θ3 の開始タイミングを電気角90゜付近と
し、終了タイミングを180゜付近とする。 (b) 制動力および充電電流を共に大きくする場合には、
角度θ3 の開始タイミングを電気角0゜付近とし、終了
タイミングを90゜付近とする。 (c) 制動力は小さくして充電電流は大きくする場合に
は、角度θ3 の終了タイミングを電気角90゜付近と
し、その開始タイミングを終了タイミングの直前とす
る。 (d) 制動力および充電電流を共に小さくする場合には、
角度θ3 の終了タイミングを電気角180゜付近とし、
その開始タイミングを終了タイミングの直前とする。
【0087】このように、本実施例では、角度θ3 の開
始タイミングを制御することによって制動力を制御し、
角度θ3 の終了タイミングを制御することによって充電
電流を制御するようにしたので、回生制動時の制動力と
充電量とを別々に設定できるようになる。
【0088】なお、角度θ3 の大きさも、前記図15に
関して説明したように、モータ回転数Ne がNe1に達す
るまでは回転数Ne の上昇に応じて減少し、回転数Ne1
を超えると、その後は徐々に増加するように制御するこ
とが望ましい。
【0089】ところで、上記した各実施例では、角度θ
1 、θ2 、θ3 に対応した各制動期間中、トランジスタ
UTr2,VTr2、WTr2を導通状態のまま保持するもの
として説明したが、このようにすると、バッテリBAへ
の充電電流となる誘導電流が、交流電圧の半周期内にお
いて、角度θ1 (またはθ3 )の終了タイミングの1回
だけしか生じないので、大きな充電電流を得ることがで
きない。
【0090】そこで、以下に説明する実施例では、角度
θ1 (または角度θ2 、θ3 )の期間中、トランジスタ
UTr2,VTr2、WTr2をチョッピング制御して、各制
動期間を断続的な短い制動期間の列で構成することによ
り、誘導電流の発生回数を増やして大きな充電電流が得
られるようにしている。
【0091】図28は、角度θ1 の期間中、トランジス
タUTr2,VTr2、WTr2をチョッピング制御する実施
例のタイミングチャートであり、前記と同一の符号は同
一または同等部分を表している。
【0092】本実施例では、角度θ1 に対応した制動期
間中、トランジスタUTr2,VTr2、WTr2をチョッピ
ング制御することにより、角度θ1 の期間中における誘
導電流の発生回数を増やし、実質的に充電電流を大きく
した点に特徴がある。
【0093】また、同様に角度θ3 に対応した制動期間
中、トランジスタUTr2,VTr2、WTr2をチョッピン
グ制御すれば、角度θ3 の期間中における誘導電流の発
生回数が増えるので、実質的に充電電流を大きくするこ
とができる。
【0094】なお、本実施例においても、角度θ1 、θ
3 の期間中、常にチョッピング制御を行うのではなく、
図10(a) 、(b) および図21(b) 、(c) に関して説明
したように、充電電流を大きくしたい場合のみチョッピ
ング制御を行い、図10(c)、(d) および図21(a) 、
(d) に関して説明したように、充電電流を小さくしたい
場合はチョッピング制御を行わないようにすることが望
ましい。
【0095】また、さらに大きな充電電流を必要とする
場合には、角度θ1 の期間中だけではなく、角度θ2 の
期間中にもチョッピング制御を行うようにしても良い。
【0096】次いで、バッテリBAに蓄えられた電力に
よって走行する場合の制御系について説明する。なお、
以後の説明では、モータMへの電力供給を制御するパル
ス信号のデューティ比(駆動デューティ比)を単にデュ
ーティ比と表現する。
【0097】図22はモータ駆動系の機能ブロック図で
あり、ここでは、特にバッテリによる走行に必要な機能
のみが示されている。
【0098】同図において、回転数Ne 検出手段101
は、モータMの回転数を検出する。スロットル開度θth
検出手段102はスロットル開度θthを検出する。バッ
テリ電圧検出手段103はバッテリの電圧を検出する。
【0099】デューティ比マップ記憶手段106には、
図23に示したような、回転数Neおよびスロットル開
度θthをパラメータとしたモータのデューティ比を示す
データD(X,Y )が記憶されている。
【0100】デューティ比算出手段104は、検出され
た回転数Ne およびスロットル開度θthに対応したデュ
ーティ比データD(X,Y )を、前記デューティ比マップ
記憶手段106から選択する。
【0101】なお、検出された回転数Ne およびスロッ
トル開度θthと合致した値がデューティ比マップ上で規
定されていない場合には、補間処理によって最適なデー
タD(X,Y )が算出される。
【0102】電圧補正手段105は、バッテリ電圧VBA
にかかわらず常に予定のモータ出力が得られるようにデ
ューティ比を補正する。
【0103】すなわち、パルス信号のデューティ比を可
変制御してモータの出力を制御する制御系においては、
バッテリ電圧VBAが本来の電圧VREF より低下するとデ
ューティ比が同一であってもモータの出力が低下してし
まう。
【0104】そこで、本実施例ではバッテリ電圧VBAに
かかわらず予定のモータ出力が得られるようにするため
に、次式(1) にしたがってデューティ比を補正し、バッ
テリ電圧VBAが低い場合にはデューティ比を大きくし、
バッテリ電圧VBAが高い場合にはデューティ比を小さく
するようにしている。
【0105】補正デューティ比=算出デューティ比×V
REF /VBA…(1) このようにすれば、バッテリ電圧VBAの変動にかかわら
ず、予定のモータ出力が得られるようになる。
【0106】そして、本実施例では回転数Ne およびス
ロットル開度θthをパラメータとしてデューティ比を決
定するようにしているので、以下に詳述するように、各
種の制御が可能になる。
【0107】図24は、デューティ比マップ記憶手段1
06に記憶されたデューティ比データの一実施例を示し
た図である。
【0108】本実施例では、起動時および低回転時のデ
ューティ比をスロットル開度θthにかかわらず小さくし
た点に特徴がある。
【0109】モータ駆動においては、その起動時にはロ
ータの慣性重量によってロック電流に相当する大電流が
流れるが、本実施例によれば、起動時および低回転時の
デューティ比を小さくしたので、起動時等であっても大
電流が流れてしまうことがない。
【0110】次いで、モータの効率を考慮したデューテ
ィ比の設定について説明する。
【0111】モータ回転数Ne 、モータ出力P、および
効率ηは、一般的に図25(a) に示したような関係を示
す。
【0112】電動車両は発進時に大トルクを要するた
め、これまでは図25(a) に示したモータ出力Pの特性
をそのまま用いていた。すなわち、回転数Ne が低いほ
どトルクが大きいといった特性を利用して十分な加速性
能を確保していた。しかしながら、このようにすると発
進時のモータ効率ηが著しく悪くなってしまう。
【0113】そこで、本実施例では、モータ効率ηが7
0%以上の状態を活用できるようにするため、同図(b)
に示したように、スロットル開度θthが全開でモータ効
率ηが70%のときの回転数Ne とデューティ比との関
係を求め、これを前記デューティ比マップ記憶手段10
6に記憶し、回転数Neに応じてデューティ比を設定す
るようにした。
【0114】なお、スロットル開度が全開以外のときに
は全開時よりもデューティ比が小さくなるように制御さ
れる、すなわち同図(b) における効率η=70%の曲線
よりも下側の関係が適用されることになるので、スロッ
トル開度が全開のときの関係を求めておけば、全開以外
では、いかなるスロットル開度においても常に70%以
上の効率が保たれることは明らかである。
【0115】次いで、加速時の車速コントロールのし易
さを考慮したデューティ比の設定方法について説明す
る。
【0116】図26は、中間スロットル開度での回転数
Ne 、モータ出力P、デューティ比K、および走行抵抗
Rとの関係を示した図である。
【0117】前記したデューティ比マップを用いれば、
中間スロットル開度でのデューティ比は、効率が70%
を上回る範囲内で比較的自由に設定できるが、モータ出
力Pと回転数Ne との関係を曲線のようにすると、加
速度すなわち曲線と走行抵抗Rとの差(−R)は、
加速初期には小さいのでスムーズな加速感が得られる
が、その後は加速度が徐々に大きくなるので車速をコン
トロールするうえで好ましくない。
【0118】そこで本実施例では、中間スロットル開度
でのモータ出力Pと回転数Ne との関係を曲線のよう
にし、加速度(−R)を、加速初期には大きくし、速
度が増すにしたがって小さくなるようにデューティ比マ
ップを設定している。
【0119】次いで、発進時におけるスロットル開度θ
thと発進タイミングとのずれによる違和感を解消したデ
ューティ比の設定方法について説明する。
【0120】遠心クラッチを採用した電動車両におい
て、スロットル開度θthとデューティ比とを図27に点
線で示した関係にすると、スロットル開度θthを徐々
に開いても、デューティ比Kが遠心クラッチによる動力
伝達に必要なモータ回転数に応答した下限値K(L)に
達するまでは発進しなかった。したがって、スロットル
を開いてモータが回転し始めてから、デューティ比が下
限値K(L)に達するまでの遊び範囲d1 が大きく、違
和感があった。
【0121】一方、従来のエンジン車においては、スロ
ットル全閉、車両停止時でもエンジンはアイドリング回
転しており、クラッチが動力伝達しうるエンジン回転数
まで上昇させるのに必要なスロットル開度の遊びはさほ
ど大きくなく、違和感は生じない。
【0122】電動車両において違和感を解消するために
は、スロットル全閉時でもモータをアイドリング回転さ
せれば良いが、電力消費量が大きくなって航続距離が短
くなってしまうという新たな問題が生じる。
【0123】そこで、本実施例では、スロットル開度θ
thとデューティ比とを実線のような関係とし、スロッ
トル開度θthがモータの回り始めに相当する開度に達す
ると、デューティ比Kが前記下限値K(L)より僅かに
低い下限値K(S)まで一気に上昇するようにした。
【0124】このようにすれば、モータの回り始めから
発進までの遊び範囲d2 が小さくなって違和感がなくな
る。
【0125】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、以下のような効果が達成される。 (1) 角度θ1 の終了タイミングを制御することによって
充電電流を優先的に制御し、角度θ1 で得られた制動力
の不足分を補うように角度θ2 の開始タイミングを制御
するようにしたので、回生制動時の制動力と充電量とを
別々に設定できるようになる。 (2) 角度θ3 の終了タイミングを制御することによって
充電電流を制御し、開始タイミングを制御することによ
って制動力を制御するようにしたので、回生制動時の制
動力と充電量とを別々に設定できるようになる。 (3) 角度θ1 、θ2 、θ3 の期間中、トランジスタをチ
ョッピング制御して、制動期間を断続的な短い制動期間
の列で構成するようにすれば、誘導電流の発生回数が増
えるので、さらに大きな充電電流が得られるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した電動2輪車の全体側面図で
ある。
【図2】 パワーユニットPの構造を示した断面図であ
る。
【図3】 パワーユニットPの構造を示した断面図であ
る。
【図4】 パワーユニットPの構造を示した断面図であ
る。
【図5】 電動式車両のモータ制御系の主要部のブロッ
ク図である。
【図6】 従来の回生制動時の制御方法を示したタイミ
ングチャートである。
【図7】 本発明の基本概念を説明するための図であ
る。
【図8】 本発明の基本概念を説明するための図であ
る。
【図9】 本発明の基本概念を説明するための図であ
る。
【図10】 本発明による制御パターンを示した図であ
る。
【図11】 本発明を適用したモータ制御系の主要部の
回路図である。
【図12】 本発明を適用したモータ制御系の主要部の
回路図である。
【図13】 図11、12の動作を示したタイミングチ
ャートである。
【図14】 モータ回転数Ne と減速トルクとの関係を
示した図である。
【図15】 回転数Ne と角度(θ1 +θ2 )との関係
を示した図である。
【図16】 回転数Ne と角度θ1 との関係を示した図
である。
【図17】 本発明の一実施例のメインプログラムのフ
ローチャートである。
【図18】 本発明の一実施例の割込処理のフローチャ
ートである。
【図19】 本発明の一実施例の割込処理のフローチャ
ートである。
【図20】 角度θ1 の設定方法を説明するための図で
ある。
【図21】 本発明の他の実施例による制御パターンを
示した図である。
【図22】 本発明を適用した電動車両のモ―タ制御系
のブロック図である。
【図23】 デューティ比マップの一実施例を示した図
である。
【図24】 デューティ比マップの設定方法を説明する
ための図である。
【図25】 デューティ比マップの設定方法を説明する
ための図である。
【図26】 デューティ比マップの設定方法を説明する
ための図である。
【図27】 デューティ比マップの設定方法を説明する
ための図である。
【図28】 チョッピング制御を採用した制御パターン
を示した図である。
【符号の説明】
U、V、W…駆動コイル、UH、VH、WH…ホール素
子、UTr1、VTr1、WTr1、UTr2、VTr2、WTr2
…トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本舘 尚司 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社 本田技術研究所内 (72)発明者 藤井 隆彰 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社 本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−166404(JP,A) 特開 昭51−22026(JP,A) 特公 昭46−15262(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 7/16 B60L 7/12

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動操作時のモータのコイルに生じたエ
    ネルギの一部を消費して制動をかけ、残りのエネルギの
    一部を回生してバッテリを充電する電動式車両の回生制
    動制御装置において、 コイルに生じた交流電圧の各半周期内で実行される制動
    期間を、所望の制動力に応じて設定する制動期間設定手
    段と、 前記制動期間の終了タイミングを、所望の充電量に応じ
    て設定する終了タイミング設定手段と、 前記制動期間に生じたエネルギを消費する手段と、 前記制動期間終了時にコイルに誘起される充電電流をバ
    ッテリへ回生する回生手段とを含むことを特徴とする電
    動式車両の回生制動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制動期間の開始タイミングは、当該
    制動期間が、モータの回転数が予定の値に達するまで
    は、その上昇に応じて徐々に短くされ、予定の値に達し
    た後は、その上昇に応じて徐々に長くされるように設定
    されることを特徴とする請求項1記載の電動式車両の回
    生制動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制動期間の終了タイミングは、コイ
    ルに生じた交流電圧がゼロとなるタイミングであること
    を特徴とする請求項1に記載に電動式車両の回生制動制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記制動期間をチョッピング制御する手
    段をさらに具備し、前記制動期間を、断続的な短い制動
    期間の列で構成したことを特徴とする請求項1ないし請
    求項のいずれかに記載の電動式車両の回生制動制御装
    置。
  5. 【請求項5】 制動操作時のモータのコイルに生じたエ
    ネルギの一部を消費して制動をかけ、残りのエネルギの
    一部を回生してバッテリを充電する電動式車両の回生制
    動制御装置において、 コイルに生じた交流電圧の半周期内において、その開始
    タイミングから始まる第1の制動期間を決定する手段
    と、 前記交流電圧の半周期内において、その終了タイミング
    で終わる第2の制動期間を決定する手段と、 前記第1の制動期間終了時にコイルに蓄積されているエ
    ネルギに応じた誘導電流をバッテリへ回生する手段と、前記 第1の制動期間に生じた残りのエネルギおよび第2
    の制動期間に生じたエネルギを消費する手段とを具備し
    たことを特徴とする電動式車両の回生制動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2の制動期間の和は、
    モータの回転数が予定の値に達するまでは、その上昇に
    応じて徐々に短くされ、予定の値に達した後は、その上
    昇に応じて徐々に長くされることを特徴とする請求項
    記載の電動式車両の回生制動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の制動期間の開始タイミング
    は、必要な制動力に応じて設定されることを特徴とする
    請求項または請求項記載の電動式車両の回生制動制
    御装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の制動期間の終了タイミング
    は、必要な充電量に応じて設定されることを特徴とする
    請求項ないし請求項のいずれかに記載の電動式車両
    の回生制動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の制動期間は、前記交流電圧の
    半周期の前半期間内で終わり、前記第2の制動期間は、
    前記交流電圧の半周期の後半期間内から始まることを特
    徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載の電
    動式車両の回生制動制御装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の制動期間は、モータの回転
    数の上昇に応じて徐々に短くされることを特徴とする請
    求項ないし請求項のいずれかに記載の電動式車両の
    回生制動制御装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の制動期間は、バッテリ電圧
    が高くなるにしたがって短くされることを特徴とする請
    求項ないし請求項10のいずれかに記載の電動式車両
    の回生制動制御装置。
  12. 【請求項12】 前記第2の制動期間は、バッテリ電圧
    が高くなるにしたがって長くされることを特徴とする請
    求項ないし請求項11のいずれかに記載の電動式車両
    の回生制動制御装置。
  13. 【請求項13】 前記第1および第2の制動期間のう
    ち、少なくとも第1の制動期間をチョッピング制御する
    手段をさらに具備し、前記制動期間を、断続的な短い制
    動期間の列で構成したことを特徴とする請求項ないし
    請求項12のいずれかに記載の電動式車両の回生制動制
    御装置。
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