JP3154584B2 - 放電励起ガスレーザ装置 - Google Patents

放電励起ガスレーザ装置

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JP3154584B2
JP3154584B2 JP6178393A JP6178393A JP3154584B2 JP 3154584 B2 JP3154584 B2 JP 3154584B2 JP 6178393 A JP6178393 A JP 6178393A JP 6178393 A JP6178393 A JP 6178393A JP 3154584 B2 JP3154584 B2 JP 3154584B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放電励起ガスレーザ
装置、とくにその予備電離源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放電によって効率よくレーザを励起する
ためには、空間的に均一な主放電を発生させることが必
要不可欠である。TEA−CO2レーザやエキシマレー
ザのように、媒質となるレーザガスの動作圧力が比較的
高い場合、放電は集束しやすく、単に主電極間へ電圧を
印加するだけではアーク状の空間的に不均一な放電とな
ってしまう。このため通常は主放電開始以前に予め主放
電空間中に放電の種となる電子を生成する予備電離を行
う。
【0003】図14は、例えば特開昭61−13517
6号公報に示された従来の放電励起ガスレーザ装置の予
備電離源を示す斜視図である。図14において、従来の
予備電離源は、第1の予備電離電極1と、第2の予備電
離電極2と、第1と第2の予備電離電極1、2で挟まれ
た誘電体3とを備える。なお、符号4は誘電体3の表面
上で発生した沿面放電である。
【0004】次に、動作について説明する。第1の予備
電離電極1と第2の予備電離電極2の間に高電圧を印加
すると、第1、及び第2の予備電離電極1、2付近の誘
電体表面近傍で強電界が生じ、正電極からは正コロナス
トリーマ、負電極からは負コロナストリーマがそれぞれ
発生し、誘電体表面上を互いに向かい合う方向に進展す
る。正コロナストリーマと負コロナストリーマの接触に
より、第1の予備電離電極1と第2の予備電離電極2の
間は短絡状態となり、誘電体表面に沿って電流が流れ
る。通常、前述の様な過程で誘電体表面上に発生する放
電は沿面放電と呼ばれており、本図に示す予備電離源は
沿面放電から発生する紫外光を利用し、主放電空間のレ
ーザガスを光電離するものである。沿面放電は誘電体を
使用しないアーク放電と比較し、電極間の短絡電圧が低
くなるため安定した放電を得ることができ、予備電離源
として適することが知られている。
【0005】図15は、図14と同じく特開昭61−1
35176号公報に示された従来の放電励起ガスレーザ
装置の放電部の構成を示す斜視図である。図中、図14
と同一符号は同一部分、もしくは相当部分を示してい
る。図15において、放電部は、第1の主電極5と、第
2の主電極6とを備える。符号7は主放電空間である。
また、放電部は、点線で囲まれ、主放電空間7の側方に
複数個設置された図14に示したものと同様な構成から
なる予備電離源8と、それぞれの予備電離源8に対し直
列に接続されたピーキングコンデンサ9とを備える。な
お、符号10は、主放電空間7内のレーザガスを置換す
るため循環させるガス流の方向を示す矢印である。
【0006】次に、動作について説明する。第1、及び
第2の主電極5、6間に高電圧パルスを印加すると、主
電極間の放電開始電圧に比べ、第1、及び第2の予備電
離電極1、2間の沿面放電開始電圧の方が十分に低いた
め、まず予備電離源8において沿面放電が発生する。沿
面放電により予備電離源8中の第1、及び第2の予備電
離電極1、2間は導通し、ピーキングコンデンサ9に電
流が流れ込む。また、ことのき沿面放電から発生する紫
外光で主放電空間7の予備電離を行う。
【0007】ピーキングコンデンサ9の充電によって第
1、及び第2の主電極5、6間に印加される電圧は急速
に増加し、この電圧が第1、及び第2の主電極5、6間
の放電開始電圧を越えると、予備電離された電子を種と
してグロー状の放電が主放電空間7内に形成される(主
放電)。主放電開始とともにピーキングコンデンサ9に
蓄えられていたエネルギーは瞬時に主放電中に投入さ
れ、レーザガスが励起される。本図において主電極長手
方向と光軸方向は一致しており、主電極の前後に部分透
過鏡と全反射鏡を設置して共振器を構成することにより
レーザ光が取り出される。
【0008】放電励起ガスレーザ装置の工業的な応用を
考えた場合、1秒間に数10回から数100回程度の割
合で連続して主放電を行う繰り返し運転が必要不可欠に
なる。主放電はレーザガスの励起を行うと同時に多量の
荷電粒子や金属粉等の不純物を主放電空間内に生成す
る。主放電空間内の不純物は空間的に均一な放電を形成
するうえで妨げとなるため、繰り返し運転を行う場合に
は主放電毎に放電空間内のレーザガスを置き換える必要
がある。このためラインフローファンやブロワー等を使
用し、レーザガスを常に循環させることにより主放電空
間7内のガス置換を行っている。効率よく主放電空間7
内のレーザガスを置換するため、通常は矢印10が示す
向き、即ち主放電空間7の側方から主放電空間7の長手
方向に対し直交する向きにガスを循環させる。
【0009】ところで、図15に示した放電部の構成で
は、予備電離源8を主放電空間7の側方に設置してい
る。均一な主放電を形成するためには予備電離を主放電
空間全体に対し均等に行わなくてはならず、一方、繰り
返し運転を行うためには、主放電毎に主放電空間全体の
レーザガスを置換するに足る十分な流速をもったガスを
主放電空間7内に流さなければならない。
【0010】予備電離源8を主放電空間7の側方に設置
し、かつ前述の2条件を満足させるためには、図15に
示すように、多数の誘電体3を使用し、主電極長手方向
に対し予備電離源8を分散させ均等に配置しなくてはな
らず、放電部の構成が複雑になるばかりでなく、調整も
容易ではない。
【0011】また、ガス流に対向する位置に予備電離源
8が設置されるため、ガス流に対し抵抗となり、圧損を
生じ、ラインフローファンやブロワー等、ガス循環機の
送風効率を低下させる。さらに、予備電離源8がガス流
に対し障害となるため、予備電離源8の下流側ではガス
流が乱れ、渦等を生じ、主放電空間7内に生じた不純物
を十分に除去することができない。特に1秒間に数10
0回以上の主放電を行う高繰り返し運転時には、循環さ
せるガスの流速も高速にしなくてはならず、この傾向は
顕著となり、主放電は不安定になり、レーザ出力に対す
る効率低下の原因となっていた。
【0012】図16は、文献(R.Marchetti,E.Penc
o and G.Salvetti,“A new typecorona-disharge ph
otoionization source for gas lasers",J.Appl.Phy
s.56(11),1 December 1984 第3163頁〜第3166頁)に示
された従来の放電励起ガスレーザ装置の放電部を示す模
式図である。図中、図14及び図15と同一符号は同一
部分、もしくは相当部分を表す。
【0013】図16において、符号11は予備電離光源
として利用するコロナ放電である。予備電離源が主放電
空間の側方に位置すると、簡易に調整を行うことが困難
になるばかりでなく、ガス流の妨げとなりレーザ出力に
対し効率低下の原因となっていることは前述の通りであ
る。本図に示す従来例では、予備電離源を第2の主電極
6の側方へ設けているため、予備電離源がガス流の妨げ
となることはない。また、誘電体3に主電極と同程度の
長さを有する管状の絶縁材料を使用し、管状誘電体3の
内部にロッド状の第2の予備電離電極2を設置してい
る。さらに、第2の主電極6が第1の予備電離電極を兼
ねる構成としているため、構造が非常に簡単になる。
【0014】本従来例と図14で示した従来例は、とも
に放電から発生する紫外光で主放電空間中のレーザガス
を予備電離するものであるが、紫外光源である予備電離
放電の形態が異なっている。図14で示した従来例は第
1の予備電離電極1と第2の予備電離電極2の間に電圧
を印加し、コロナストリーマの進展により両電極間を短
絡させ、誘電体3表面上に生じる沿面放電4から発生す
る紫外光を予備電離に利用するものであった。図16に
示す本従来例の場合も同様に、第1の予備電離電極を兼
ねる第2の主電極6と第2の予備電離電極2の間に電圧
を印加するものであるが、第2の主電極6と第2の予備
電離電極2間は短絡させずに、第2の主電極6と誘電体
3の接触部で生じる強電界により進展を開始し、誘電体
3の外部表面全体を覆うように発生するコロナ放電11
のみを紫外光源として利用している。図16に示すよう
に、コロナ放電11を紫外光源として利用する場合、予
備電離源自体の構成を非常に簡単にすることができるば
かりでなく、誘電体3表面全体でコロナ放電11が発生
するため、主放電空間内において均一な予備電離電子密
度分布を得ることができる。
【0015】図14で示した従来例のように、沿面放電
4を紫外光源として利用する場合、沿面放電中を流れる
電流量を増すことにより紫外光強度を強め、高い予備電
離電子密度を得ることができる。しかし、図16に示す
従来例のように、コロナ放電11を紫外光源として利用
する場合、第1の予備電離電極を兼ねる第2の主電極6
と第2の予備電離電極2との間に印加することのできる
電圧は、誘電体材料の絶縁耐圧により制限されるため、
コロナ放電11中へ投入可能なエネルギーには上限が存
在し、沿面放電4に比べ得られる予備電離電子密度は低
く、レーザの効率も低下する。
【0016】図17は、特開平3−9582号に示され
た従来の放電励起ガスレーザ装置の放電部を示す模式図
である。図中、図14及び図15と同一符号は同一部
分、もしくは相当部分を示す。
【0017】図17において、符号12は第1の予備電
離電極1よりも主電極に対し外側の誘電体3外部表面上
に設置したシールド電極である。本従来例においても図
16で示した従来例と同じく、第2の主電極6の両側部
を第1の予備電離電極1とし、第2の主電極6と第1の
予備電離電極1が一体となるような構成としている。ま
た、第2の予備電離電極2、並びに誘電体3の構成は図
16で示したものと同様である。本従来例では誘電体3
の外部表面上に第1の予備電離電極1だけでなくシール
ド電極12を設置している。
【0018】第1の予備電離電極1とシールド電極12
を同電位に保ち、第2の予備電離電極2との間に高電圧
を印加することにより、誘電体3の外部表面上でコロナ
放電11を生じさせ、そこから発生する紫外光で主放電
空間の予備電離を行う。本従来例に示すように、シール
ド電極12を設ければ、シールド電極12の端部におい
ても強電界が生じてコロナ放電11の進展が開始するた
め、図16で示した従来例のようにコロナ放電11の発
生開始個所を第2の主電極6と誘電体3との接触部のみ
とした場合よりも、予備電離電子数を増やすことができ
る。しかし、図16で示した従来例と同様、第1の予備
電離電極1と第2の予備電離電極2との間に印加するこ
とのできる電圧が誘電体の絶縁耐圧により制限されるた
め、沿面放電4に比べ得られる予備電離電子数は少な
い。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電励起ガスレ
ーザ装置の放電部では、沿面放電4を紫外光源として利
用する場合、予備電離源8を多数に分散させ、均等に配
置しなくてはならず、放電部の構成が複雑になり、組み
立てや調整も容易ではなくなるという問題点があった。
また、ガス流に対向する位置に予備電離源8が設置され
ているため、予備電離源8がガス流に対し抵抗となり、
ガス循環器の送風効率を低下させるばかりでなく、予備
電離源8下流側のガス流を乱し、主放電空間7内に生じ
た不純物を十分に除去することが困難となり、レーザ出
力に対する効率低下の原因になるという問題点があっ
た。
【0020】コロナ放電11を紫外光源として利用すれ
ば、予備電離源の構成を簡単にでき、ガス流に影響を与
えることなく、主放電空間の予備電離を行うことが可能
であるが、得られる予備電離電子数が少なく、レーザの
効率が低下するという問題点があった。
【0021】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、簡単な放電部の構成を有し、ガス
流を乱すことなく主放電空間内の予備電離を行うことが
でき、安定な主放電を形成できるので、高い効率でレー
ザ出力を得ることができる放電励起ガスレーザ装置を得
ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る放電励起ガスレーザ装置は、基準信号に基づいて励起
用回路駆動信号、及び予備電離用回路駆動信号を発生す
る遅延信号発生器と、レーザガス中において主放電を起
こすため相対向して設けられた第1、及び第2の主電極
と、前記第1、及び第2の主電極に接続され、前記励起
用回路駆動信号に従って励起用電圧を両主電極間に印加
する励起用回路と、前記第1、及び第2の主電極のうち
少なくとも一方の主電極の側方に沿って配置され、四角
柱形状を有する誘電体と、前記誘電体の長手方向に沿っ
て前記誘電体を挟んで対向して配置された第1、及び第
2の予備電離電極と、前記第1、及び第2の予備電離電
極に接続され、前記予備電離用回路駆動信号に従って予
備電離用電圧を両予備電離電極間に印加して前記誘電体
表面上で沿面放電を発生させる予備電離用回路とを備
、前記誘電体は、その表面に前記第1及び第2の予備
電離電極間で沿面放電を発生させるための、前記誘電体
の幅に比して十分に狭い複数の細溝を有するものであ
る。
【0023】この発明の請求項2に係る放電励起ガスレ
ーザ装置は、前記誘電体が、その表面に前記第1及び第
2の予備電離電極間を最短距離で結ぶ方向に対して斜め
に前記複数の細溝を有するものである。
【0024】この発明の請求項3に係る放電励起ガスレ
ーザ装置は、前記複数の細溝を、ジグザグ形状とした
のである。
【0025】この発明の請求項4に係る放電励起ガスレ
ーザ装置は、前記複数の細溝を、蛇行形状としたもので
ある。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【作用】この発明の請求項1に係る放電励起ガスレーザ
装置においては、放電部の構成を簡単にすることができ
るばかりでなく、予備電離源がガス流に対し影響を与え
ることがないので、ガス循環機の送風効率を向上できる
とともに、主放電空間内の不純物を十分に除去すること
ができ、1秒間に数100回以上の主放電を行う高繰り
返し運転時においても、安定な主放電を形成することが
できる。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】また、この発明の請求項2に係る放電励起
ガスレーザ装置においては、誘導体表面に形成した複数
の細溝の方向を、第1の予備電離電極と第2の予備電離
電極を最短距離で結ぶ方向に対し斜めとしたので、沿面
放電中を流れる電流密度を下げることなく紫外光源であ
る沿面放電の表面積が大きくすることができるため、更
に高い予備電離電子密度が得られ、より安定した主放電
を形成し、高効率なレーザ発振を得ることができる。
【0034】また、この発明の請求項3に係る放電励起
ガスレーザ装置においては、誘導体表面に形成した複数
の細溝の形状をジグザグとしたので、同様に、沿面放電
中を流れる電流密度を下げることなく紫外光源である沿
面放電の表面積が大きくすることができるため、高い予
備電離電子密度が得られ、より安定した主放電を形成
し、高効率なレーザ発振を得ることができる。
【0035】また、この発明の請求項4に係る放電励起
ガスレーザ装置においては、誘導体表面に形成した複数
の細溝の形状を蛇行形状としたので、同様に、沿面放電
中を流れる電流密度を下げることなく紫外光源である沿
面放電の表面積が大きくすることができるため、高い予
備電離電子密度が得られ、安定した主放電を形成し、高
効率なレーザ発振を得ることができる。
【0036】
【実施例】実施例1.この発明の実施例1の構成につい
て図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、この
発明の実施例1に係る放電励起ガスレーザ装置の放電部
の構成を示す斜視図である。図中、図14、及び図15
と同一符号は同一部分、もしくは相当部分を示してい
る。図1において、符号13は光共振器の一方をなす部
分反射鏡、符号14は光共振器のもう一方をなす全反射
鏡である。この実施例1に示す放電部では予備電離源8
を第2の主電極6の両側に沿って3個ずつ配置した構成
となっている。
【0037】この実施例1に示す予備電離源8では四角
柱形状を有する誘導体3を用いている。第1、及び第2
の予備電離電極1、2ともL型に成型した金属板からな
り、2つの予備電離電極1、2で誘導体3を挟み込むよ
うな構造を持つ。第1の予備電離電極1と第2の予備電
離電極2の間に電圧を印加すると、第1の予備電離電極
1と第2の予備電離電極2が向かい合う誘導体3面上に
おいて、第1の予備電離電極1と第2の予備電離電極2
の端部から、それぞれ対向する電極に向かいコロナスト
リーマが進展する。第2の予備電離電極2から発生した
コロナストリーマが第1の予備電離電極1に到達、もし
くは第1の予備電離電極1から進展するコロナストリー
マと接触することにより、第1、及び第2の予備電離電
極1、2間は短絡し沿面放電4が開始する。この沿面放
電4から発生する紫外光で主放電空間の予備電離を行
う。
【0038】図2は、この発明の実施例1に係る放電励
起ガスレーザ装置の回路の構成を示す図である。図2に
おいて、この実施例1に係る放電励起ガスレーザ装置
は、第1、及び第2の主電極5、6間に接続された励起
用回路15と、第1、及び第2の予備電離電極1、2間
に接続された予備電離用回路16と、励起用回路15と
予備電離用回路16の動作タイミングを制御するための
遅延信号発生器17とを備える。
【0039】次に、動作について説明する。遅延信号発
生器17は、外部、もしくは遅延信号発生器17自体の
基準信号をもとに励起用回路駆動信号、並びに予備電離
用回路駆動信号を発生する。励起用回路15、及び予備
電離用回路16は、それぞれ励起用回路駆動信号、予備
電離用回路駆動信号を受信すると直ちに動作を開始す
る。第2の主電極6と第1の予備電離電極1はともに接
地電位であり、励起用回路15によって第1の主電極5
に、予備電離用回路16によって第2の予備電離電極2
にそれぞれ電圧が印加される。遅延信号発生器17は任
意の遅延時間で励起用回路駆動信号、並びに予備電離用
回路駆動信号を発生することができる。励起用回路15
と予備電離用回路16の動作タイミングを適切な値に設
定することにより、予備電離により生成された電子を種
として主電極間でグロー状の主放電が形成され、主放電
空間内のレーザガスが励起される。図2において紙面と
垂直な方向が光軸方向であり、主電極の前後に全反射鏡
と部分透過鏡からなる光共振器を設置することによりレ
ーザ光が取り出される。
【0040】図1に示すように、予備電離源8を主電極
の側方へ設置すれば、予備電離源8がガス流を乱すこと
なく、効率よく主放電空間内のガスを置換することがで
きるため、1秒間に数10回から数100回程度の割合
で連続して主放電を行う繰り返し運転時においても、常
に安定な主放電を形成でき高効率なレーザ発振が得られ
る。また、同様な理由から予備電離源8を多数に分散さ
せる必要がないため、1つの誘電体3表面上の複数箇所
で沿面放電4を発生させることにより、予備電離源8自
体の数を減らすことができ、放電部の構成が簡単にな
り、放電部の組み立てや調整を簡易に行うことができ
る。
【0041】実施例2.この発明の実施例2について図
3を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施例
2に係る放電励起ガスレーザ装置の予備電離源を示す斜
視図である。図2において、符号18は沿面放電4の起
点とするため第2の予備電離電極2に設けた複数の三角
形状突起である。予備電離源8の設置位置については図
1において示した実施例1と同様である。
【0042】第1の予備電離電極1と第2の予備電離電
極2の間に電圧を印加すると、三角形状突起18の先端
部で電界が集中するため、この部分を起点に誘電体3表
面に沿って第1の予備電離電極1に向かうコロナストリ
ーマが進展する。第2の予備電離電極2から進展したコ
ロナストリーマが第1の予備電離電極1に到達、もしく
は第1の予備電離電極1から進展するコロナストリーマ
と接触することにより、第1、及び第2の予備電離電極
1、2間は短絡し沿面放電4が開始する。
【0043】以上のように第1の予備電離電極1、もし
くは第2の予備電離電極2の両予備電離電極1、2が対
向する位置に電界集中を促すような突起18を設けれ
ば、常に一定の位置から沿面放電4を開始させることが
できるので、ショット毎の沿面放電4の状態のばらつき
を小さくすることができ、またこの沿面放電4により生
成される予備電離電子の空間分布のばらつきも小さくな
る。このため、常に同様な主放電を形成することが可能
となり、安定したレーザ出力を得ることができる。
【0044】実施例3.この発明の実施例3について図
4を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施例
3に係る放電励起ガスレーザ装置の予備電離源を示す斜
視図である。また、予備電離源8の設置位置については
図1において示した実施例1と同様である。
【0045】前述した実施例2においては一方の予備電
離電極のみに沿面放電4の起点となる突起18を設けて
いたが、この実施例3では、図4に示すように、予備電
離源8は、誘電体3の上面において第1の予備電離電極
1、並びに第2の予備電離電極2の両者とも、ほぼ向か
い合う位置に複数個の三角形状突起18を設けている。
【0046】第1の予備電離電極1と第2の予備電離電
極2の間に電圧を印加すると、第1の予備電離電極1、
第2の予備電離電極2とも三角形状突起18の先端部に
電界が集中し、この部分を起点にコロナストリーマが進
展する。向かい合う突起18から発生したコロナストリ
ーマどうしの接触により、突起18間で沿面放電4が開
始し、主放電空間の予備電離を行う。
【0047】予備電離電極の両者に沿面放電4の起点と
なる突起18を設ければ、沿面放電4の両端の位置を常
に一定に保つことが可能となるため、更にショット毎の
沿面放電4の状態のばらつきを小さくすることができ、
出力の安定化が図れるばかりでなく、沿面放電4の放電
路の広がりを防ぐことができるため、沿面放電4中の電
流密度が増加し、沿面放電4からの紫外光強度を強める
ことができ、これにより生成される予備電離電子数も増
加し、更に安定した主放電が得られ、効率良くレーザを
励起することができる。
【0048】実施例4.この発明の実施例4について図
5を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施例
4に係る放電励起ガスレーザ装置の予備電離源を示す斜
視図である。前述した実施例1、実施例2及び実施例3
において示した予備電離源8は、1つの誘電体3に対し
それぞれ1つの第1の予備電離電極1、第2の予備電離
電極2を設置する構成となっていた。図5に示すこの実
施例4の予備電離源8は、1つの誘電体3に対し複数の
第2の予備電離電極2を設けている。図5において、符
号19は分流用コイル、符号20は第2の予備電離電極
2に電圧を印加するための給電端子である。放電部にお
ける予備電離源8の設置位置は、同じく図1に示す実施
例1と同様である。
【0049】前述した実施例3までで示したように、一
対の予備電離電極の複数箇所で沿面放電4を発生させる
場合、予備電離電極に設けた突起形状や誘電体表面状態
の一様性が十分でなければ、沿面放電4は各突起から一
斉に発生せずに最も起こり易い箇所から開始してしま
う。電極の一部で沿面放電4が開始すると予備電離電極
全体の電位が低下するため、他の箇所における沿面放電
4の進展に障害となる。このため各箇所で生じる沿面放
電4を流れる電流にばらつきを生じ、そこから発生する
紫外光の強度も一様性を失う。この結果、空間的に均一
な主放電を形成することが困難になる。
【0050】図5に示す予備電離源8の構成では、給電
端子20と第1の予備電離電極1の間に電圧を印加する
ことにより沿面放電4を発生させる。各第2の予備電離
電極2には給電端子20との間に分流用コイル19が接
続されているため、複数個の第2の予備電離電極2のう
ち一部の電極からのみ沿面放電4が開始しても、分流用
コイル19の自己インダクタンスによって他の第2の予
備電離電極2の電位は保たれる。このため複数の第2の
予備電離電極2の配置や誘電体表面状態のばらつきに依
らず、各第2の予備電離電極2と第1の予備電離電極1
の間で一様な沿面放電4が得られ、均一な主放電を形成
し高効率なレーザ発振が得られる。
【0051】実施例5.この発明の実施例5について図
6を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施例
5に係る放電励起ガスレーザ装置の放電部を示す図であ
る。図6に示す実施例5は、第2の主電極6が第1の予
備電離電極を兼ねたものである。図6において、紙面と
垂直な方向が光軸であり、主電極の前後に全反射鏡と部
分透過鏡からなる光共振器を設置することによりレーザ
光が取り出される。
【0052】この実施例5は、第2の予備電離電極2と
第2の主電極6との間に電圧を印加し沿面放電4を発生
させ、主放電空間の予備電離を行うものである。第1、
及び第2の主電極5、6が第1の予備電離電極1を兼ね
る構成とすれば、放電部の構成部品数を減らすことがで
きるので、放電部の構成が簡単になり組み立てや調整を
より簡易に行うことができるばかりでなく、紫外光発生
源である沿面放電4が主放電空間に近づくため、主放電
空間においてより高い予備電離電子密度が得られ、より
均一かつ安定な主放電を形成し、レーザの励起効率を高
めることができる。
【0053】実施例6.この発明の実施例6について図
7を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施例
6に係る放電励起ガスレーザ装置の放電部を示す図であ
る。これまでの各実施例では、第1、もしくは第2の主
電極5、6の側方に沿って複数個の予備電離源8を設置
するような放電部の構成、もしくは予備電離源8につい
て示してきた。図7に示す実施例6では、予備電離源中
の誘電体3に第2の主電極6の周囲を取り囲むような一
体の材料を用いており、第2の主電極6の左右にそれぞ
れ一対の第1の予備電離電極1、及び第2の予備電離電
極2を設置している。
【0054】この実施例6の構成とすれば、放電部の構
成部品数を更に少なくすることができるため、組み立
て、並びに調整をより簡易に行うことができる。図7で
は第2の主電極6の周囲を取り囲むような一体の誘電体
を使用する例について示したが、第1の主電極5を誘電
体3で取り囲むような構成としても同様な効果が得られ
る。また第1、もしくは第2の主電極5、6の左右で、
主電極程度の長さを有する誘電体3を、それぞれ1つず
つ使用してもよい。また上述のような誘電体構造におい
て、第1、もしくは第2の主電極5、6が第1の予備電
離電極1を兼ねる構成とすれば、更に放電部の構成部品
数が減り、より簡易に組み立て、調整を行うことができ
るばかりでなく、沿面放電4を主放電空間へ近づけるこ
とができるので、より高い予備電離電子密度が得られ、
安定した主放電を形成することができる。
【0055】実施例7.この発明の実施例7について図
8を参照しながら説明する。図8は、この発明の実施例
7に係る放電励起ガスレーザ装置の放電部を示す図であ
る。これまでの各実施例では、第1、または第2の主電
極5、6のうち一方の主電極の側方に沿って予備電離源
8を設置する場合について示してきた。図8に示す実施
例7は第1、及び第2の主電極5、6双方の側方に沿っ
て予備電離源8を設置したものである。図8において、
符号21は予備電離用コンデンサである。
【0056】次に、動作について説明する。第1の主電
極5と第1の主電極5の側方に沿って設置された予備電
離源(上部予備電離源)中の第1の予備電離電極1a、
並びに第2の主電極6と第2の主電極6の側方に沿って
設置された予備電離源(下部予備電離源)中の第1の予
備電離電極1bはそれぞれ同電位であり、また第2の主
電極6は接地されている。
【0057】励起用回路15によって第1の主電極5と
第2の主電極6の間に高電圧を印加すると、予備電離用
コンデンサ21が充電状態になければ、上部予備電離源
中の第1の予備電離電極1aと第2の予備電離電極2a
間、並びに下部予備電離源中の第1の予備電離電極1b
と第2の予備電離電極2b間に、主電極間電圧が分割さ
れて印加される。主電極間の放電開始電圧に比べ、予備
電離電極間の沿面放電開始電圧の方が十分に低いため、
まず上部予備電離源、並びに下部予備電離源で沿面放電
4が開始する。沿面放電4が開始すると上部予備電離源
における第1の予備電離電極1aと第2の予備電離電極
2a間、並びに下部予備電離源における第1の予備電離
電極1bと第2の予備電離電極2b間は短絡状態となる
が、沿面放電4を流れる電荷を予備電離用コンデンサ2
1で蓄えることにより、第1の主電極5と第2の主電極
6の間に印加される電圧は維持される。主電極間に印加
された電圧が主電極5、6間の放電開始電圧に達する
と、予備電離源における沿面放電4によって主放電空間
内に生成された電子をもとに主放電が開始し、レーザガ
スが励起される。また、予備電離用コンデンサ21に蓄
えられていた電荷は主放電開始とともに放電場に放出さ
れる。図8において、紙面と垂直な方向が光軸であり、
主電極の前後に全反射鏡と部分透過鏡からなる光共振器
を設置することによりレーザ光が取り出される。
【0058】上述のように第1、及び第2の主電極5、
6双方の側方に沿って予備電離源を設置すれば、主放電
空間においてより高い予備電離電子密度が得られるた
め、より安定、かつ均一な主放電を形成することがで
き、高効率なレーザ発振が得られる。また、第1の主電
極5が上部予備電離源の第1の予備電離電極1aを、第
2の主電極6が下部予備電離源の第1の予備電離電極1
bを兼ねる構成としてもよい。
【0059】実施例8.この発明の実施例8について図
9を参照しながら説明する。図9は、この発明の実施例
8の予備電離源を示す斜視図である。図中、符号22は
複数の第2の予備電離電極2それぞれと第1の予備電離
電極1とを結ぶ方向に形成された沿面放電用溝である。
この実施例8の予備電離源もこれまで示した各実施例と
同様、放電部においては長手方向を同じくして主電極の
側方に沿って設置される。
【0060】前述した実施例7までに示した予備電離源
8は、誘電体3の平坦な面上に予備電離電極を設置して
いた。この実施例8では沿面放電4を発生させる誘電体
面上に、複数の第2の予備電離電極2それぞれと第1の
予備電離電極1とを結ぶ方向に誘電体3の幅に比して十
分に狭い細溝(沿面放電用溝)22を設けている。第1
の予備電離電極1には金属平板を使用し、誘電体3の側
面に固定されている。また、複数の第2の予備電離電極
2はカギ型に曲げられた先端部が沿面放電用溝22の底
面に接するよう第1の予備電離電極1と対向する誘電体
3の側面に固定されている。
【0061】以上のような予備電離源8の構成とすれば
第1の予備電離電極1と第2の予備電離電極2の間に電
圧を印加すると、沿面放電用溝22の内部でのみ沿面放
電4が発生する。このように沿面放電用溝22を設けれ
ば沿面放電4の経路を任意に指定し、放電路の広がりを
防ぐことができるので、沿面放電中で高い電流密度が得
られ、そこから発生する紫外光強度も増加する。これに
より主放電空間においてより多くの予備電離電子密度が
得られ、安定な主放電を形成し効率よくレーザを励起す
ることができる。また、実施例5で示したように第1、
並びに第2の主電極5、6が第1の予備電離電極を兼ね
てもよい。
【0062】実施例9.この発明の実施例9について図
10を参照しながら説明する。図10は、この発明の実
施例9の予備電離源を示す斜視図である。前述した実施
例8では複数の第2の予備電離電極2に対応し、誘電体
3に複数の予備電離用溝22を設けた予備電離源8につ
いて説明したが、図10に示すように1つの第2の予備
電離電極2に設けた複数の沿面放電の起点を指定するた
めの突起18に対応し、誘電体3の表面に複数の沿面放
電用溝22を形成しても、実施例8と同様な効果が得ら
れる。また、実施例5で示したように第1、並びに第2
の主電極5、6が第1の予備電離電極を兼ねてもよい。
【0063】実施例10.この発明の実施例10につい
て図11を参照しながら説明する。図11は、この発明
の実施例10の予備電離源を示す斜視図である。前述し
た実施例9までで示した誘電体3に設けた沿面放電用溝
22は、第1の予備電離電極1と第2の予備電離電極2
を最短距離で結ぶ方向に形成されていた。この実施例1
0における予備電離源の沿面放電用溝22は、第1の予
備電離電極1と第2の予備電離電極2を最短距離で結ぶ
方向に対し斜めの方向に形成されている。このように第
1の予備電離電極1と第2の予備電離電極2を最短距離
で結ぶ方向に対し斜めの方向に沿面放電用溝22を設け
れば、沿面放電中を流れる電流密度は下がることなく紫
外光源である沿面放電4の表面積が大きくなるため、そ
こから発生する紫外光量は増加し、高い予備電離電子密
度が得られる。また予備電離電子分布の空間的な均一性
も増すため、より安定な主放電を形成し、高効率なレー
ザ発振を得ることができる。
【0064】この実施例10では複数に分割した第2の
予備電離電極2を使用した例について示したが、沿面放
電4の起点とするための複数の突起を有する第2の予備
電離電極2を使用し、各突起毎に沿面放電用溝22を設
ける構成としても、同様な効果が得られる。また、実施
例5で示したように、第1、並びに第2の主電極5、6
が第1の予備電離電極を兼ねる構成としてもよい。
【0065】実施例11.この発明の実施例11につい
て図12を参照しながら説明する。図12は、この発明
の実施例11の予備電離源を示す斜視図である。前述し
た実施例10までで示した沿面放電用溝22は、すべて
直線形状を有するものであった。この実施例11の予備
電離源8の沿面放電用溝22は、ジグザグ形状を有する
ものである。このように沿面放電用溝22をジグザグ形
状としても、沿面放電中を流れる電流密度を下げること
なく放電距離を伸ばし、発光体である沿面放電の表面積
を大きくすることができるので、高い予備電離電子密度
が得られ、予備電離電子分布の空間的な均一性も増すた
め、より安定な主放電を形成し、高効率なレーザ発振を
得ることができる。
【0066】この実施例11では複数に分割した第2の
予備電離電極2を使用した例について示したが、沿面放
電4の起点とするための複数の突起を有する第2の予備
電離電極2を使用し、各突起毎に沿面放電用溝22を設
ける構成としても、同様な効果が得られる。また、実施
例5で示したように第1、並びに第2の主電極5、6が
第1の予備電離電極を兼ねる構成としてもよい。
【0067】実施例12.この発明の実施例12につい
て図13を参照しながら説明する。図13は、この発明
の実施例12の予備電離源を示す斜視図である。前述し
た実施例11ではジグザグ形状を有する沿面放電用溝2
2を用いた予備電離源8について示した。この実施例1
2における予備電離源8の沿面放電用溝22は、蛇行形
状を有するものである。このように沿面放電用溝22を
蛇行形状としても、沿面放電4中を流れる電流密度を下
げることなく放電距離を伸ばし、発光体である沿面放電
4の表面積を大きくすることができるので、高い予備電
離電子密度が得られ、予備電離電子分布の空間的な均一
性も増すため、より安定な主放電を形成し、高効率なレ
ーザ発振を得ることができる。
【0068】この実施例12では複数に分割した第2の
予備電離電極2を使用した例について示したが、沿面放
電4の起点とするための複数の突起を有する第2の予備
電離電極を使用し、各突起毎に沿面放電用溝22を設け
る構成としても、同様な効果が得られる。また、実施例
5で示したように第1、並びに第2の主電極5、6が第
1の予備電離電極を兼ねる構成としてもよい。
【0069】
【発明の効果】この発明の請求項1に係る放電励起ガス
レーザ装置は、以上説明したとおり、基準信号に基づい
て励起用回路駆動信号、及び予備電離用回路駆動信号を
発生する遅延信号発生器と、レーザガス中において主放
電を起こすため相対向して設けられた第1、及び第2の
主電極と、前記第1、及び第2の主電極に接続され、前
記励起用回路駆動信号に従って励起用電圧を両主電極間
に印加する励起用回路と、前記第1、及び第2の主電極
のうち少なくとも一方の主電極の側方に沿って配置さ
れ、四角柱形状を有する誘電体と、前記誘電体の長手方
向に沿って前記誘電体を挟んで対向して配置された第
1、及び第2の予備電離電極と、前記第1、及び第2の
予備電離電極に接続され、前記予備電離用回路駆動信号
に従って予備電離用電圧を両予備電離電極間に印加して
前記誘電体表面上で沿面放電を発生させる予備電離用回
路とを備え、前記誘電体は、その表面に前記第1及び第
2の予備電離電極間で沿面放電を発生させるための、前
記誘電体の幅に比して十分に狭い複数の細溝を有する
で、予備電離源がガス流の妨げとはならず、多数の予備
電離源を使用する必要がなく、放電部の構成を簡単にす
ることができるという効果を奏する。また、ガス循環機
の送風効率を低下させることなく、主放電空間内の不純
物を十分に除去することができるので、1秒間に数10
0回以上の主放電を行う高繰り返し運転時においても安
定な主放電を形成できるという効果を奏する。
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】この発明の請求項2に係る放電励起ガスレ
ーザ装置は、以上説明したとおり、前記誘電体が、その
表面に前記第1及び第2の予備電離電極間を最短距離で
結ぶ方向に対して斜めに前記複数の細溝を有するので、
沿面放電中を流れる電流密度が下がることなく紫外光源
である沿面放電の表面積が増加し、更に高い予備電離電
子密度が得られ、より安定した主放電を形成し、高効率
なレーザ発振が得られるという効果を奏する。
【0074】この発明の請求項3に係る放電励起ガスレ
ーザ装置は、以上説明したとおり、前記複数の細溝を、
ジグザグ形状としたので、電流密度を下げることなく沿
面放電の放電距離を長くし、光源の表面積を大きくする
ことができるので、高い予備電離電子密度が得られ、安
定した主放電を形成し、高効率なレーザ発振が得られる
という効果を奏する。
【0075】この発明の請求項4に係る放電励起ガスレ
ーザ装置は、以上説明したとおり、前記複数の細溝を、
蛇行形状としたので、電流密度を下げることなく沿面放
電の放電距離を長くし、光源の表面積を大きくすること
ができるので、高い予備電離電子密度が得られ、安定し
た主放電を形成し、高効率なレーザ発振が得られるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係る放電励起ガスレーザ
装置の放電部の構成を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施例1に係る放電励起ガスレーザ
装置の回路の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施例2に係る放電励起ガスレーザ
装置の予備電離源を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施例3に係る放電励起ガスレーザ
装置の予備電離源を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施例4に係る放電励起ガスレーザ
装置の予備電離源を示す斜視図である。
【図6】この発明の実施例5に係る放電励起ガスレーザ
装置の放電部の構成を示す模式図である。
【図7】この発明の実施例6に係る放電励起ガスレーザ
装置の予備電離源を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施例7に係る放電励起ガスレーザ
装置の放電部を示す模式図である。
【図9】この発明の実施例8に係る放電励起ガスレーザ
装置の予備電離源を示す斜視図である。
【図10】この発明の実施例9に係る放電励起ガスレー
ザ装置の予備電離源を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施例10に係る放電励起ガスレ
ーザ装置の予備電離源を示す斜視図である。
【図12】この発明の実施例11に係る放電励起ガスレ
ーザ装置の予備電離源を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施例12に係る放電励起ガスレ
ーザ装置の予備電離源を示す斜視図である。
【図14】従来の放電励起ガスレーザ装置の予備電離源
を示す斜視図である。
【図15】従来の放電励起ガスレーザ装置の放電部を示
す斜視図である。
【図16】従来の放電励起ガスレーザ装置の放電部を示
す模式図である。
【図17】従来の放電励起ガスレーザ装置の放電部を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 第1の予備電離電極 2 第2の予備電離電極 3 誘電体 4 沿面放電 5 第1の主電極 6 第2の主電極 8 予備電離源 15 励起用回路 16 予備電離用海路 17 遅延信号発生器 18 突起 22 沿面放電用溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 善夫 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 春田 健雄 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−151276(JP,A) 特開 昭63−229773(JP,A) 特開 昭64−66982(JP,A) 特開 昭63−228778(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準信号に基づいて励起用回路駆動信
    号、及び予備電離用回路駆動信号を発生する遅延信号発
    生器と、 レーザガス中において主放電を起こすため相対向して設
    けられた第1、及び第2の主電極と、 前記第1、及び第2の主電極に接続され、前記励起用回
    路駆動信号に従って励起用電圧を両主電極間に印加する
    励起用回路と、 前記第1、及び第2の主電極のうち少なくとも一方の主
    電極の側方に沿って配置され、四角柱形状を有する誘電
    体と、 前記誘電体の長手方向に沿って前記誘電体を挟んで対向
    して配置された第1、及び第2の予備電離電極と、 前記第1、及び第2の予備電離電極に接続され、前記予
    備電離用回路駆動信号に従って予備電離用電圧を両予備
    電離電極間に印加して前記誘電体表面上で沿面放電を発
    生させる予備電離用回路とを備え 前記誘電体は、その表面に前記第1及び第2の予備電離
    電極間で沿面放電を発生させるための、前記誘電体の幅
    に比して十分に狭い複数の細溝を有する ことを特徴とす
    る放電励起ガスレーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記誘電体は、その表面に前記第1及び
    第2の予備電離電極間を最短距離で結ぶ方向に対して斜
    めに前記複数の細溝を有することを特徴とする請求項1
    記載の放電励起ガスレーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の細溝は、ジグザグ形状である
    ことを特徴とする請求項1記載の放電励起ガスレーザ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記複数の細溝は、蛇行形状であること
    を特徴とする請求項1記載の放電励起ガスレーザ装置。
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