JP3153858B2 - ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤および鋳片縦割れ防止方法 - Google Patents
ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤および鋳片縦割れ防止方法Info
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Description
る薄肉鋳片製造において、表面割れのない良鋳片を得る
ためのベルト用コーティング剤に関する。
続鋳造する装置として、ベルト式連続鋳造機がある。こ
の方法によれば、従来の圧延工程が簡省略化されて省エ
ネルギー効果が期待され注目されている。この装置にお
いては、溶鋼はタンデッシュからノズルを経て、湯溜ま
り部のベルトモールドに供給される。このベルトモール
ドはプーリーに掛け渡されて、無端走行する一対のベル
トの相対する部分と、両側面を短辺モールドで仕切るこ
とによって構成される。
使用されている。最近の連続鋳造機の大型化と鋳片の高
品質化のニーズによって、ベルト冷却の均一化と高寿命
化が望まれている。例えば特開昭60−216046号
公報には、ベルトと鋳片間の摩擦力を減じ、1200℃
以上の耐火度を有する厚さ10〜100μmのコーティ
ング塗膜を形成させる手段が開示されている。しかる
に、鋳片−ベルト間の摩擦力低減のためにベルト表面
に、コーティング剤を塗布する方法は他の分野において
も、広く用いられる一般的な技術である。その耐火度を
規制するとしても付随的な技術と言える。ベルトモール
ドのような過酷な使用条件に適合する固体潤滑は、未だ
十分なものは開発されていない。また、従来よりコーテ
ィング剤の成分の黒鉛濃度に注目してその摩擦力低減効
果を最大限に発揮される様に検討を加えたものはなかっ
た。
おいては、鋳型内の溶鋼流動およびベルト冷却能力の不
均一等の現象により、成長する凝固シェルに厚みの不均
一が生ずる。鋳片の表面割れはこの不均一厚みの凝固シ
ェルが、熱収縮する過程において凝固シェルとそれに接
する物との間で、拘束力(摩擦力)が存在する場合に、
凝固シェルの薄い箇所に引っ張り力が生じ割れの発生へ
つながる。
においても、拘束力が理想的に全くない場合は割れの発
生は生じ得ない。本発明はこの拘束力を減じる手段とし
て、ベルト式連続鋳造機のベルト表面に塗布するコーテ
ィング剤の摩擦力の低減手段を提供するものである。
決するもので、その要旨とするところは、ベルトモール
ドを構成して鋼の連続鋳造を行うベルトの表面コーティ
ング剤において、スラリーの母材に占める黒鉛濃度が2
0重量%以上を含有し、スラリーでの溶媒(水)に対す
る母材の重量%で表示してなる固形分濃度C(重量%)
が、C≦75−0.4×〔母材に占める黒鉛濃度(重量
%)〕を満足し、かつスラリー固形分濃度C(重量%)
が20%以上を含有することを特徴とするベルト式連続
鋳造機のベルトコーティング剤である。
続鋳造に際し、ベルトモールドを構成するベルト表面
に、スラリーの母材に占める黒鉛濃度が20重量%以上
を含有し、スラリーでの溶媒(水)に対する母材の重量
%で表示してなる固形分濃度C(重量%)が、C≦75
−0.4×〔母材に占める黒鉛濃度(重量%)〕を満足
し、かつスラリー固形分濃度C(重量%)が20%以上
を含有するコーティング剤を用いることを特徴とするベ
ルト式連続鋳造機の鋳片縦割れ防止方法である。
続鋳造を行うベルトの表面コーティング剤において、ス
ラリー中の固形分の黒鉛濃度が100重量%であり、か
つ該黒鉛粒子は結晶質であり、かつ50〜500μmの
粒子径であり、スラリー固形分濃度が20重量%以上を
含有することを特徴とするベルト式連続鋳造機のベルト
用コーティング剤、およびこれを用いることを特徴とす
るベルト式連続鋳造機の鋳片縦割れ防止方法にある。
高温の状態で使用されるベルト等には十分な潤滑を得る
方法は潤滑油のかわりに層状物質などの固体によるコー
ティング潤滑が採用される。本発明者らはベルト式連続
鋳造機のベルトの潤滑性の改善について、特にそのコー
ティング剤について種々検討を行った。その結果、コー
ティング剤の潤滑性向上を図るには母材への黒鉛粉の添
加とそれを増量することが有効であるとの知見を得た。
この際、ベルト表面への塗布は、コーティング剤をスラ
リー状として噴霧ノズルから噴射する方法によって均一
な塗布がなされる。
していくと、この噴霧状態に問題があることがわかっ
た。すなわち、黒鉛添加量の増量にともない、スラリー
の凝集性が強くなり、スラリーの安定性(保存性)が低
下してくる傾向にある。この点について、発明者らの実
験によって確認された知見をもとに、さらに詳述する。
まず、母材(主原料)として、耐火物質、炭素物質の微
粉末を1種または2種以上を混合する。その母材として
例えば、ジルコン、ジルコニア、黒鉛、コークス、カー
ボンブラック、マグネシア、アルミナおよびこれらの化
合物が選ばれる。先に述べたように、コーティング剤に
十分な潤滑性を保持させ、鋳片の縦割れを防止するため
に母材に占める黒鉛濃度を少なくとも20%以上にする
必要がある。母材に占める黒鉛濃度20%未満では、ベ
ルトと鋳片間の摩擦力が大であるため、鋳片に縦割れが
発生する。これら母材の粒度との関係について下記に述
べる。
が均一となり、ノズルによる噴霧状態が良好となる。し
かし、粒度が小さくなるほど、粉砕時原料粒子同志の凝
集が進行し、粉砕しがたくなるとともに粉砕コストが増
大する。また、粒子径が0.1μm以下になると、粒子
表面が活性化しスラリーにした場合、スラリーの安定性
が悪くなり、凝集、沈降が発生する。このため、平均粒
子径としては0.1μm以上が望ましい。一方、粒度が
大きくなるとコーティング剤の厚みの制御が難しくな
り、コーティングムラが発生するとともに、コーティン
グ厚みのバラツキが増大する。このため、コーティング
厚み10〜50μmに対して、平均粒子径の上限は50
μmが望ましい。
00μm以下の粗粒子径の結晶質の黒鉛濃度が100重
量%のみのスラリーを用いることにより、コーティング
に黒鉛粒子によるむらがあっても、鋳片の凝固収縮によ
るすべりによって、結晶質の黒鉛が溶鋼静圧により結晶
劈開を起こし、結果として均一な膜を形成し、すべりな
がら鋳片表面の拘束点が消滅し、高潤滑性を得ることが
できる。この理由により、黒鉛濃度が100重量%のス
ラリーの場合の粒子径は、50〜500μm(好ましく
は100μm以下)が望ましい。
母材配合量について説明する。本発明者らの知見では、
スラリー固形分濃度(重量%)が20%以上において、
塗布安定性が良好である。スラリー固形分濃度が低い
と、乾燥に要する時間が長くなる、一方スラリー固形分
濃度が高いとコーティング剤の乾燥性は向上するが、ス
ラリー粘度が増大するため噴霧によるコーティング性が
低下する。このため、コーティング剤の粘度は、母材の
種類、粒度、使用するバインダーや沈降防止剤の種類、
添加量によって異なるが、噴霧可能なコーティング剤粘
度となるように固形分濃度を設定する必要がある。本発
明においてはコーティング剤の粘度は0.5〜10pois
が望ましい範囲である。
とスラリー固形分濃度との関係において、潤滑性の向上
とスラリーの安定性を同時に満足し、かつ鋳片の縦割れ
を防止するために、スラリー固形分濃度を前記条件に規
制している。母材に占める黒鉛濃度が高くなる程、ベル
ト表面に塗布したコーティング剤の潤滑性は向上する傾
向にあるが、反面、スラリーの凝集性が強くなり、スラ
リーの安定性が低下する。このため、スラリーの凝集性
を実用上問題の無いレベルに保持するためには、母材に
占める黒鉛濃度に応じてスラリーに対する母材の固形分
濃度を一定濃度以下にする必要がある。すなわち、スラ
リー固形分濃度C(重量%)75−0.4×〔母材に占
める黒鉛濃度(重量%)〕である。また、スラリー中の
固形分の黒鉛濃度が100重量%であるコーティング剤
の場合、スラリーの固形分が結晶質黒鉛粉末でその平均
粒子径が50〜500μm、好ましくは100μm以下
に規制したものである。本発明について、実施例に基づ
き更に説明する。
一例を示す。母材として黒鉛、SiO2、Al2O3 、ZrO2、Mg
O の配合量を各々のコーティング剤で変化させた時の、
スラリー固形分濃度Cを求めた。これらのコーティング
剤a〜lおよびm〜qをベルト式連続鋳造機のベルトに
塗布した場合の、コーティング剤特性としてのスラリー
安定性および塗布安定性を評価した。さらにこれらコー
ティング剤を実際のベルト式連続鋳造機に適用し鋳造し
た場合の、鋳片に発生する鋳片縦割れの発生率を測定し
た結果を表2に示す。ただし、f,g,i,k,m,
n,qは比較例を示す。
スラリー固形分濃度Cおよび粗粒子径の結晶質黒鉛を用
いた場合との関係で整理したものが図1である。この結
果では表2のコーティング剤No.f,g,i,k,
m,n,qのものでは、コーティング剤としての使用が
困難であった。図1から母材の黒鉛濃度とスラリー固形
分濃度Cをその評価基準としてコーティング剤特性の良
好な領域は図1の示すごとく、スラリー固形分濃度C
(重量%)75−0.4×〔母材に占める黒鉛濃度(重
量%)〕の直線と、スラリー固形分濃度C=20%で囲
まれた領域と、および粗粒子径の結晶質黒鉛を用いた場
合の黒鉛100重量%の垂直線上の範囲である。
すると母材に占める黒鉛濃度が20%以上の領域で良好
な結果を示す。以上の実施例の結果より、本発明の構成
要件を満足することによってベルト式連続鋳造機の鋳片
縦割れの発生は著しく改善されることがわかる。
ト用コーティング剤を用いることによって、鋳片−ベル
ト間の摩擦力低減の効果が向上し、連続鋳造鋳片の縦割
れを完全に防止することがはかられ、さらにベルトの潤
滑効果の増大によってその寿命を延命することにより、
連続鋳造の作業効率が改善されるのでこの工業的意義は
大きい。
とスラリー固形分濃度Cとの関係を示し、斜線内は本発
明の第1および第2発明の範囲であり、第3および第4
発明は黒鉛100重量%の垂直線上に相等する。
Claims (4)
- 【請求項1】 ベルトモールドを構成して鋼の連続鋳造
を行うベルトの表面コーティング剤において、スラリー
の母材に占める黒鉛濃度が20重量%以上を含有し、ス
ラリーでの溶媒(水)に対する母材の重量%で表示して
なる固形分濃度C(重量%)が、C≦75−0.4×
〔母材に占める黒鉛濃度(重量%)〕を満足し、かつス
ラリー固形分濃度C(重量%)が20%以上を含有する
ことを特徴とするベルト式連続鋳造機のベルトコーティ
ング剤。 - 【請求項2】 ベルト式連続鋳造機を用いる鋼の連続鋳
造に際し、ベルトモールドを構成するベルト表面に、ス
ラリーの母材に占める黒鉛濃度が20重量%以上を含有
し、スラリーでの溶媒(水)に対する母材の重量%で表
示してなる固形分濃度C(重量%)が、C≦75−0.
4×〔母材に占める黒鉛濃度(重量%)〕を満足し、か
つスラリー固形分濃度C(重量%)が20%以上を含有
するコーティング剤を用いることを特徴とするベルト式
連続鋳造機の鋳片縦割れ防止方法。 - 【請求項3】 ベルトモールドを構成して鋼の連続鋳造
を行うベルトの表面コーティング剤において、スラリー
中の固形分の黒鉛濃度が100重量%であり、かつ前記
黒鉛粒子は結晶質であり、かつ50〜500μmの粒子
径であり、スラリー固形分濃度が20重量%以上を含有
することを特徴とするベルト式連続鋳造機のベルトコー
ティング剤。 - 【請求項4】 ベルトモールドを構成して鋼の連続鋳造
を行うベルトの表面コーティング剤において、スラリー
中の固形分の黒鉛濃度が100重量%であり、かつ前記
黒鉛粒子は結晶質であり、かつ50〜500μmの粒子
径であり、スラリー固形分濃度が20重量%以上を含有
するベルト用コーティング剤を用いることを特徴とする
ベルト式連続鋳造機の鋳片縦割れ防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27562593A JP3153858B2 (ja) | 1992-11-05 | 1993-11-04 | ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤および鋳片縦割れ防止方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP29597992 | 1992-11-05 | ||
JP27562593A JP3153858B2 (ja) | 1992-11-05 | 1993-11-04 | ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤および鋳片縦割れ防止方法 |
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JPH06226408A JPH06226408A (ja) | 1994-08-16 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP27562593A Expired - Fee Related JP3153858B2 (ja) | 1992-11-05 | 1993-11-04 | ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤および鋳片縦割れ防止方法 |
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Country | Link |
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-
1993
- 1993-11-04 JP JP27562593A patent/JP3153858B2/ja not_active Expired - Fee Related
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