JP3153504B2 - 照明カバー - Google Patents

照明カバー

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JP3153504B2
JP3153504B2 JP31147197A JP31147197A JP3153504B2 JP 3153504 B2 JP3153504 B2 JP 3153504B2 JP 31147197 A JP31147197 A JP 31147197A JP 31147197 A JP31147197 A JP 31147197A JP 3153504 B2 JP3153504 B2 JP 3153504B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、照明カバーに関し、よ
り具体的には真空成形又は圧空成形を用いてプラスチッ
クシートより成形された照明カバーであって、照明器具
本体に取付けられる開口部の構造において改良された照
明カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】カバー本体に比して開口部が小さく、し
たがってアンダーカットを開口部に有するタイプの熱成
形(真空成形や圧空成形等)された照明カバーが広く用
いられている。このタイプの照明カバーを照明器具本体
取付けの機構に関して、照明カバー側及び照明器具本体
側の双方において種々の工夫がなされてきた。これらの
工夫の殆どは、照明カバーの開口部に金具又はプラスチ
ック製の枠等の補助的部材を別途取付け、これらの部材
を介して照明器具本体の対応する取付け装置により照明
器具本体に固定することに集約される。このように補助
的部材を必要とするのは、照明カバーの取付け・取り外
しに適した構造を開口部に一体成形する方法が限られて
いたことに起因する。即ち、金具や枠等に代わる構造を
開口部に一体成形するためには、シートの厚みが比較的
薄く、自在な成形のできることが好ましいが、圧空成形
・真空成形等の熱成形により作られるアンダーカットの
ある照明カバーの場合、一般的な方法では成形品の各部
で肉厚にばらつきが生じてしまい極度に薄い部分ができ
易いことから、元来比較的厚いシートを一般に用いてい
たため、開口部に細かな構造を一体成形するのは技術的
に困難であったことによる。照明カバーを照明器具本体
に取付けるのに金具や枠等の補助的部材を必要とするこ
とは、製品の部品点数を増やし、余分なコスト上昇要因
となっていた。
【0003】アンダーカットのある照明カバーを照明器
具本体に取付ける他の方法としては、開口部全周に立ち
上がり部を設け、この立ち上がり部を内側に突出させて
張り出し部を形成し、張り出し部を照明器具本体に設け
た受け具にて下方から支えるというものがある(特開平
9−171710)。しかしながらこの出願に記載され
ているのは、単に周囲のセード(照明カバー)本体部分
と同じレベルで内側に突出した張り出し部でセードを支
えるだけの単純な構造で、照明器具への取り付けも、張
り出し部を受け具に乗せるだけのものである。このよう
な単純な構造の開口部では、しかしながら、開口部の構
造自体に照明カバー取付けやロック及び解除に便利な種
々の機能を持たせるには限界がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このよう
な従来の照明カバーの開口部の構造を改善して、照明器
具本体に取り付けるのに役立つ種々の機能を開口部自体
に持たせることの可能な基本構造を求めて検討を重ね
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】その様な構造を熱成形品
の開口部に自在に設けるためには、薄いプラスチックシ
ートを用いて成形を行いうことが好ましい。照明カバー
等の熱成形において、成形品の肉厚を均一化することに
より薄いシートの使用を可能にした、本発明者によるプ
ラスチックシートの熱成形方法及び装置がこれに最適に
利用できる(特開平8−118464を参照のこと)。
【0006】しかしながらまた、薄いプラスチックシー
トを用いると、開口部の強度が不十分になりやすいとい
う問題が生ずる。これに対し本発明者は、薄いシートの
ままでも、開口部に放射方向に延びたフランジを設ける
ことによって強度を高めることができることを見出し、
同時に、その様なフランジを、アンダーカットのある開
口部の周囲に熱成形と一体の工程で容易に形成する(こ
れは従来困難であった)方法をも見い出した。
【0007】これら本発明者による方法に基づき、更に
その様なフランジ付き開口部において、照明器具本体へ
の取り付けに有利な基本的構造として、開口部を構成す
るアンダーカット部分の内側に、その内周に沿って、少
なくとも周囲より凹んだ段部を2カ所以上設け、これら
段部を照明器具本体側に設けた適宜の支持具で支持する
方式をとることにより、該段部及びこれを囲む周囲の壁
面に所望の形状及び配向を与えることができる、それに
より、照明カバーの開口部に、照明カバーの取付け、固
定、及び取り外しに役立つ種々の機能を持たせることが
できるようになることに着目し、本発明を完成させた。
【0008】即ち本発明は、加熱シートの熱成形によっ
て成形された照明カバーであって、(1)照明器具本体
に取付けられるべき窄まった開口部と、該開口部に連な
る、側方へ広がった本体とを有しており、(2)該開口
部の周囲に側方へと張り出したフランジを備えており、
(3)該フランジと該側方へ広がった本体との間の該窄
まった開口部を構成する中空のアンダーカット領域が、
該照明カバーの内側において該開口部の内周に沿って、
該内周から所定の長さおよび幅に亘って、周囲より陥凹
して中空の段部を形成している領域(以下、「陥凹領
域」という。)を少なくとも2箇所備えていることを特
徴とする、照明カバーを提供する。
【0009】本発明の照明カバーは、開口部の縁に側方
に張り出したフランジを有している。フランジの張り出
し距離に特に制限はない。そのようなフランジは開口部
に強度を付与するのに役立つため、熱成形に用いるプラ
スチックシートの厚みをそれに応じて薄くすることがで
き、それだけ薄肉の成形品を製造するのにも有用であ
る。熱成形において照明器具本体に取付けられるべき窄
まった、アンダーカット部分をなす開口部に対し、側方
へ張り出したフランジを設けることは従来困難であり、
そのようなフランジを有する照明カバーは知られていな
かった。そのようなフランジを開口部周囲に簡単に設け
るには、本発明者が先に完成させた後述のシート裁断方
法を用いるのが有利である。
【0010】更なる特徴として、本発明の照明カバーの
開口部は、フランジと本体との間の間の窄まった開口部
を構成する中空のアンダーカット領域が、該照明カバー
の内側において該開口部内周に沿って、該内周から所定
の長さ及び幅に亘って、周囲より陥凹して段部を形成し
ている陥凹領域を、少なくとも2箇所又は3個所以上備
えている。この陥凹領域もシートの熱成形により形成さ
れており、従って中空である。陥凹領域により形成され
た段部は、照明カバーを支えるための部位として使用す
ることができる。この段部は、陥凹領域とその周囲の領
域との間に段差による壁を有し該壁に囲まれているた
め、この段部を照明器具本体側の保持具で支える際に保
持具の無用なずれを防止するストッパーとしてこの壁を
利用することができる。このような段部やそれを囲む壁
は、特開平9−171710に記載のセード構造では作
り得なかった。
【0011】
【発明の実施の形態】該陥凹領域は、内周に沿った任意
の形状の切り欠きを一部に有していてもよい。その場
合、照明器具本体に設けられた、この切り欠きを通るこ
とのできる大きさの水平方向のプレート等の支持部材を
この切り欠きに通した後、照明カバーをある角度回転さ
せることにより、段部を保持部材上に載せて、照明カバ
ーを支持することができる。段部の表面は、平面であっ
てもよいが、該支持部材が段部の所定の部位に安定に位
置するよう、支持部材の戻りを妨害することのできる何
らかの突出部位を備えていてもよい。そのような突出部
位は、該切り欠きと該陥凹領域の一端との間に更に陥凹
した領域を設けることにより実質的に作り出してもよ
い。そのような更なる陥凹領域内に照明器具本体側の支
持部材が納まることにより、振動等によって支持部材が
切り欠きへ向かって自然に移動するのを防止することが
できる。
【0012】また、該段部の表面は、切り欠き付近から
切り欠きの縁へと落ち込むように傾斜した表面を有する
ものであってよい。そのような傾斜は、照明器具本体側
の前記プレート等の支持部材を切り欠きに通した後、こ
れを段部表面上に滑り込ませるのを容易にする。
【0013】また、切り欠きの有無とは関わりなく、照
明カバーの開口部に臨んで段部の両側を囲んでいる側壁
を、該開口部に対して広がった角度を有するように配向
させておいてもよい。そのような開いた角度の側壁表面
は、開口部内周から離れた位置から開口部内周面へと移
行するカム面として機能させることができる。即ち、外
方へ弾性的に付勢されたツメ等による支持装置を照明器
具本体側に用いれば、照明器具本体に取付けられた照明
カバーをある角度回転させることによりこのツメの先端
の一隅を該開いた角度の壁面にスライドして乗り上げさ
せ、更なる回転により該開いた角度の壁面上にツメをス
ライドさせて押し戻し、ツメが段部から完全に抜けて開
口部内周面に乗り上げた段階で照明カバーを抜き取るこ
とができるような簡便な解除機構が構成できる。「広が
った角度」としては、例えば、側壁と開口部内周とのな
す角度として少なくとも135°以上を有するものとす
ればよい。開口部に臨んで2個所以上の陥凹領域が設け
られているが、各陥凹領域の両端を囲む側壁のうち、少
なくとも、該開口部の中心に関して互いに同一の回転方
向側に位置する側壁が、開口部に対してそれぞれそのよ
うな広がった角度で配向していればよい。このようなカ
ム機能を有する壁面を形成しておけば、照明カバーの取
り外しのためのツメ解除用の特別の機構を、照明カバー
側や照明器具本体側に別途に設けておく必要がなくな
る。
【0014】本発明の照明カバーの構造につき更に具体
的に説明するに先立ち、アンダーカット部分よりなる開
口部の周囲に張り出したフランジを備えた熱成形照明カ
バーにそのようなフランジを形成することのできる、本
発明者による平成9年10月1日提出の特許出願に係る
方法を、以下に示す。
【0015】該方法は、シート状プラスチックの熱成形
により得られる、開口部の周囲に余剰シートを有する一
次成形物から、成形後型からの取り出しに先立って、該
一次成形物の開口部の周囲にフランジを備えるように該
余剰シートから成形品を切り出す方法であって、(1)
成形前シートを該型の外面にその開口部を包囲するよう
にエアタイトに押さえ付けるクランプ枠を用意しておく
ことと、(2)該型外面の、成形前シートとの接触面
に、該クランプ枠の押し付け位置より内側に位置した環
状溝を設けておくことにより、該シートが該環状溝上に
おいて該型に接触しないようにすることと、(3)
(a)該環状溝と協働して裁断するよう構成され配置さ
れた、熱成形時にはシートに接触しない高さの環状の雄
型刃と、(b)該雄型刃の内側に配置された、その先端
面が該雄型刃の先端と同じ高さ乃至先端よりも突出して
いるがしかし熱成形の最中にはシートを押さえ付けない
高さに位置ししかもその先端面が該雄型刃の先端の高さ
よりも後退することができるようバネに担持されて配置
されている金属製の環状押付部材とを、一体となって運
動する共通の基盤に備えておくことと、(4)前記雄型
刃の先端が前記環状溝の底に突き当たるのを該共通の基
盤と該型との間の接近を所定限度に止めることにより防
止する停止ブロック等のような停止機構を、該共通の基
盤と該型との間で構成しておくことと、(5)該環状溝
に該雄型刃を正確に位置合わせするための、該型と該共
通の基盤との間の位置決め機構を設けておくことと、そ
して(6)熱成形後、該環状溝上のシート領域が硬化す
る前に、前記基盤を該型外面へ向けて押し該基盤を該型
外面へ接近させ、それにより、該環状押付部材の該シー
トへの押付けと該雄型刃によるシートの裁断、及び該停
止機構による該基盤と該型との間の接近停止を、順次行
わせることを特徴とするものである。
【0016】この方法によれば、熱成形後、まだ型とク
ランプ枠とに保持された一次成形品の余剰シート部分に
おいて、刃が押し込まれることとなる環状溝の領域では
シートが型に接触していないため、その領域の冷却が抑
制され、該領域が他のシート部分に比して軟らかい間に
裁断を実行できるため、裁断に要する圧力が僅かで済
み、裁断を行う刃を支持する構造に要求される強度もご
く小さくて済む。このため、従来不可能であった深く且
つ狭いアンダーカットのある一次成形品においさえも、
アンダーカットのある開口部周囲に筒状の刃を当てて型
外面との間で余剰シートを簡単に裁断除去して、開口部
付近にフランジを備えた最終成形品を得ることが可能と
なり、成形と最終成形品の切り出しとを同一装置内一連
の一体化した工程として実施することができる。同時
に、これにより、深く且つ狭いアンダーカットのある開
口部に高い寸法精度のフランジを備えた、従来技術では
困難であった形態の成形品を製造することができる。
【0017】この方法によれば、裁断前に、刃の内側に
配置された金属製の環状押付部材が成形シートに押し当
てられることによって、裁断位置の内側でシートが力学
的に固定されると同時にその部位の冷却硬化が促される
ため、裁断後に成形品本体側の収縮応力によって裁断領
域が内方へ変位し成形品が変形するような不都合が起こ
らず、開口部周囲のフランジ部分に優れた寸法精度を保
証することができる。
【0018】更にまた、この方法によれば、環状溝上に
維持されたシートを裁断するに当たって、シートは、ク
ランプ枠によって固定されるとともに、裁断位置の内側
のシート領域においても金属製の環状押付部材によって
固定されているため、これらの間にシートが張られた格
好となり、裁断が円滑に達成でき、裁断部位にバリや変
形が生じにくく、直ちに完成品を取り出すことができ
る。
【0019】上記方法において、クランプ枠は例えばシ
リコンゴム等のような弾性材料を用いて構成されてい
る。その場合、雄型刃と環状押付部材とが備えられてい
る、一体となって運動する共通の基盤にクランプ枠をも
併せて備えておき、該基盤を型外面に向けて押すだけ
で、クランプ枠を弾性変形させて該環状押付部材の該シ
ートへの押付けと該刃によるシートの裁断、及び該停止
機構による該基盤と該型との間の接近停止を、順次行わ
せるようにするのが効果的である。
【0020】「環状溝」は、対応する雄型刃を受け入れ
ることができる幅及び深さを有し、好ましくは、その内
周縁の部分で雄型刃と協働してシートを裁断する働きを
するように構成され、対応する環状の雄型刃はその環の
内周側に刃先を備えている。
【0021】金属製の「環状押付部材」は、雄型刃の先
端と同じ高さであるか又はこれより幾分突出するように
バネによって担持されて、前記共通の基盤上に配置され
ている。
【0022】前記共通の基盤上の環状押付部材は、やは
り基盤上に備えられている雄型刃と共にシートに接近し
てこれに当接し、雄型刃が更に前進してシートを裁断す
るとき、バネの圧縮によりシート上に止まってこれを押
し続けて固定する。従って、バネは、熱成形時にはシー
トを押し付けることがないがしかし裁断時にはシートを
型外面に固定する強さで環状押付部材をシートに押し付
けることができる寸法及び強さであればよく、つる巻き
バネ、板バネその他任意のバネを用いてよい。
【0023】シートの裁断は、環状溝上に位置するシー
ト領域が硬化する前に行えばよく、これにより、必要な
圧力が著しく減少して裁断が可能となる。裁断は例えば
樹脂のガラス転移点の下方20℃を下回らない温度で行う
のが好ましい。例えばガラス転移点が90〜105℃のアク
リル樹脂の場合、裁断は環状溝上に位置するシート領域
が70℃を下回らないうちに行うのが好ましい。
【0024】
【実施例】以下に、照明カバーのフランジ部分の裁断の
ための方法につき更に具体的に説明した上で、本発明の
照明カバーの典型的構造の実施例を示すが、本発明はこ
れら実施例の細部によっては限定されない。
【0025】〔フランジ裁断方法〕図1は、圧空成形、
真空成形などの熱成形により製造された、従来技術によ
るアンダーカットのある成形品の開口部の典型的形状を
示す側方断面図である。図に示すように、開口部の縁E
は筒状の壁面に終わっており、フランジが備えられてい
ないため、強度に劣る。前記特開平9−171710の
セードの基本構造はこれと同様である。
【0026】図2は、アンダーカットを有する閉じた型
において圧空成形又は真空成形が行われた後の、本発明
において利用できる前記裁断方法において、プラスチッ
クシート裁断の直前の状態を模式的に表す。図の装置の
位置関係は上下が逆であってもよい。図において、1は
余剰シートであり素材は例えばアクリル樹脂でその厚み
は例えば1.8mmである。2は、余剰シート1を含む一
次成形品に形成された開口部、4は図において水平方向
に可動性である割型5に沿って形成されたアンダーカッ
ト部である。6は、該開口部を取り囲んでシートを割型
外面にエアタイトに固定している環状のクランプ枠であ
り、本実施例ではシリコンゴムで形成されている。図2
〜7は、フランジ裁断方法及び得られるフランジの形態
の説明のためものであり、アンダーカット部分の陥凹領
域は全て省略してある。
【0027】図3は、成形時におけるアンダーカット部
付近の拡大図である。割型5の外面には環状溝8が形成
されており、環状溝の内周縁とかみ合うよう先端の位置
決めされた雄型刃10が、基盤12に固定されている。
基盤12には、雄型刃の内側に隣接して金属製の環状押
付部材14が、バネ16によって支持されている。環状
押付部材14の上面は、雄型刃10の先端と実質的に同
じ高さか又はこれより突出している。但し、雄型刃10
の先端がシートを完全に裁断する迄に環状押付部材14
がシートを十分に押付けることができる限り、環状押付
部材14の上面は、雄型刃10の先端から僅かに後退し
ていてもよい。熱成形に際しては、シートの変形を妨害
しないよう、環状押付部材14の上面とシートとの間は
離れている。
【0028】基盤12には停止ブロック18が設けられ
ており、これは割型5との間に、隙間20を有する。割
型5にはガイド穴22が形成されており、これに、先端
にテーパを有する位置決め棒24(本実施例では停止ブ
ロックから延びている)が摺動可能に挿入されており、
ガイド穴22と位置決め棒24とによって位置決め機構
が構成されている。ガイド穴22の下周縁に位置決め棒
24のテーパに対応した下方向かって広がる漏斗状斜面
を更に設けてもよい。このような、物理的接触による位
置決め機構により、可動の割型5に設けられた環状溝8
が基盤12に設けられた雄型刃に対して常に正しく位置
決めされる。
【0029】図4に示すように、シートの成形に続いて
基盤12が、例えば油圧シリンダー等の駆動装置により
割型5に向けて移動される。この移動は、クランプ枠が
弾性材料、ここではシリコンゴムで形成され、圧縮によ
り変形可能であるために行うことができる。この移動に
より、環状押付部材14がシートに当たりこれを割型5
の外面に押付けて固定する。金属製の環状押付部材は、
その部位のシートから熱を奪い硬化を早める。これに対
して、環状溝8上に位置するシート領域は、割型5に接
触していないため、冷却が相対的に遅れ、相対的に軟ら
かい状態を維持している。本実施例では、雄型刃10が
シートを裁断するときこの領域がガラス転移点の下方1
0℃を下回らないように、予め工程の諸条件が調整され
ている。
【0030】次いで図5に示すように、更に基盤12が
割型5に向けて更に移動されると、雄型刃10が環状溝
8の内周縁とかみ合ってシートを裁断する。この部分は
上記の通り冷却が遅れており相対的に軟らかいため、冷
却後の場合に比べ、著しく小さい圧力で簡単に裁断する
ことができる。成形品のアンダーカット部にフランジを
設けようとすると、その部分で大きな裁断圧力を支える
ことが困難であるため、従来はこのような位置での裁断
を行う実用的な方法がなかったのに対し、この方法で
は、この部位での裁断圧力を非常に小さくすることによ
り、そのような裁断を可能にしている。また樹脂が軟ら
かい段階で切断を実行できるのは、環状押付部材により
裁断部位の内側で樹脂が型に押付けられて固定され、裁
断後の変形が防止できるためである。
【0031】シートがクランプ枠6と環状押付部材14
とにより固定されその間で裁断されるため、特に、環状
押付部材によるシートの固定が裁断位置の内側に隣接し
て行われているため、裁断が確実であり、バリも生じな
い。またこうして形成されるフランジは、環状押付部材
14により割型5の外面に押し付けられた状態で硬化す
るため、反り等の変形が起こらず、完成品の寸法精度が
高い。
【0032】裁断後は、位置決め棒24がガイド穴22
から脱するまで基盤12を割型5から相対的に遠ざける
よう移動させ、次いで割型5を油圧シリンダーその他適
宜の駆動手段によって図面において左右に移動させてア
ンダーカット部分から抜くことにより、フランジを有す
る最終成形品を型から取り出すことができる。
【0033】図6は、雄型刃10及び環状押付部材14
の一例の側方断面図を模式的に示す。図において、雄型
刃10に沿って配置された環状押付部材14は、つる巻
きバネ16によって担持されている。バネ16は、環状
押付部材14をその環に沿った複数の点で支持するよ
う、複数個が基盤12上に備えられている。バネ16に
担持された環状押付部材14の図面左右方向の変位を阻
止して変位を上下方向に限定するために、基盤12に固
定されたロッド28が、環状押付部材に設けられた穴に
密着してスライド可能に嵌合している。
【0034】図7は、上記の工程により得られた成形品
30を断面図で示す。この成形品30は、アンダーカッ
トのある開口部にフランジ32を備え、これにより開口
部の強度が高められている。
【0035】〔実施例1〕図8は、本発明の照明カバー
の一実施例の側方断面図である。図8において32はフ
ランジであり、開口部2より側方に張り出している。開
口部2の内周を形作るアンダーカット部には、段部40
を備えた陥凹領域が内周に沿った2個所以上に、所定の
長さに亘って形成されている。陥凹領域とその周囲の領
域との間には概略垂直な壁50が形成されている。。
【0036】図9及は、図8の照明カバーを内側から見
た開口部内周の部分的斜視図であり、、各陥凹領域の構
造を示すことを目的としているため、2個所以上にある
陥凹領域相互の位置関係は無視している。図9及びこれ
以降の図においては、構造を図面上見やすくするため、
各面相互の移行部は明瞭な角を持つように描かれている
が、実際には丸みを持ってなだらかに移行していてよ
い。図9には、段部40を有する陥凹領域が2個所示さ
れており、それぞれの段部40は壁50に囲まれてい
る。これら陥凹領域は、開口部内周に沿って原則として
等分に配置される。
【0037】図10は、照明ランプ内部から見たときの
陥凹領域の全体的配置を示す概念図である。図では陥凹
領域の数は2つであるが、3つ又はより多くてもよい。
開口部に沿った陥凹領域の長さも任意である。開口部の
形状は図10では円形であるが、これに限らない。
【0038】図11は、本実施例と組み合わせて使用す
るのに適した支持装置の一例の概念的な側方断面図であ
る。100は照明器具本体であり(ランプその他は図示
せず)、110はこれに取付けられた支持装置の断面図
を示し、支持装置110はバネによって外方へ付勢され
たツメ114を有する。ツメ114は、斜面116を有
しており、照明カバーの取付けに際して、下方から押し
上げられる照明カバー開口部内周によってツメ114が
バネに抗して一時的に押し戻され、照明カバーが取付け
られる。その後はツメが再び突出し、ツメ114の上面
により段部40が支持される。照明カバーの取り外しの
ためには、外部からツメを後退させる適宜の解除機構を
照明器具本体側に設けておけばよいく、そのような機構
は当業者に周知である。
【0039】〔実施例2〕図12は、別の実施例の陥凹
領域を照明カバー内部側から見た斜視図である。図12
において、段部40には開口部に沿ったその一端側に更
なる陥凹領域60が設けられている。また段部40の他
の端には、切り欠き66が形成されており、該切り欠き
66側において段部40の表面は切り欠き66に向かっ
て落ち込むように傾斜している。この傾斜面68は、図
13に例示するように、照明器具本体100側に備えら
れた例えば支持装置の外方へ突出したプレート状の舌1
20が、切り欠き66を通過した後、照明カバーの回転
により段部40へ移行する際の案内として働く。舌12
0は、前記の更なる陥凹領域60内へと移行し、そこに
納まる。このようにして、この実施例の照明カバーは、
極めて容易に照明器具本体に取付けることができる。更
なる陥凹領域60は、必須ではないが、舌120が更な
る陥凹領域60に納まることにより、振動などによって
もずれて外れる虞がなくなり好ましい。傾斜面68は、
必ずしも必要ではないが、照明カバーの取付けを容易に
する点で、設けておくことが好ましい。
【0040】図14は、実施例2の陥凹領域の全体的配
置の例を示す、照明カバーの内側から見た概念図であ
る。図において陥凹領域は2個所備えられているが、3
個所以上設けてもよく、その場合原則として開口部内周
に沿って等分に配置される。図において開口部の形状は
任意であってよい。
【0041】〔実施例3〕図15は別の実施例の陥凹領
域を示す、照明カバーの内側から見た斜視図である。こ
の実施例においては、開口部に臨んで該陥凹領域両端を
囲む側壁70及び72が、開口部内周に対して広がった
角度を有して配向している。但し、側壁70と72との
うち一方のみがそのような角度を有していれば足り、他
方の形状は問わない。図16はこの実施例の陥凹領域の
全体的配置を示す、照明カバーの内側から見た概念図で
ある。これら、開口部内周に対して広がった角度を有す
る側壁は、図16に示すように、少なくとも開口部の中
心に関して少なくとも互いに同一の回転方向側に位置し
ている。すなわち4個所にある側壁70は何れも開口部
中心に関して反時計方向に配置されている。また、側壁
72は何れも時計方向に配置されている。本実施例にお
いて、開口部内周に対するこの広がった角度「α」は約
135°又はこれより大きい。側壁70及び72は、こ
のように壁50から開口部内周へ向かう斜面を構成し、
この斜面はカムとして働くことができる。
【0042】図17〜19は、この実施例の側壁72の
カムとしての機能を、陥凹領域の一つと図11に例示し
た支持装置との組合わせについて図解している。図17
は、陥凹領域にツメが納まっている状態を示す、照明カ
バーの内側から見た概念図である。図18は矢印方向へ
の照明カバー30の回転によりツメ114が側壁72に
乗り上げ、スライドしつつこれによって押されて後退し
ているところを示し、図19は、照明カバー30が更に
回転した結果ツメ114が陥凹領域から完全に抜けた状
態を示す。図19の状態において、照明カバー30は取
り外される。
【0043】〔実施例4〕図20は、上記各実施例の段
部40に加えて開口部の外部に面した側にも環状の段部
80を備えている別の実施例の側方部分断面図である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来タイプのアンダーカットのある照明カバ
ーの開口部の典型的形状を示す側方断面図。
【図2】 成形直後の、余剰シート裁断前における、ア
ンダーカットを有する一次成形品の状態を示す側方断面
図。
【図3】 図1の部分拡大図。
【図4】 基盤の移動により環状押付部材によりシート
を割型に押し付けている状態を示す側方断面図。
【図5】 基盤の更なる移動によりシートが裁断された
状態を示す側方断面図。
【図6】 雄型刃及び環状押付部材付近の側方断面図。
【図7】 フランジを備えた照明カバーの側方断面図。
【図8】 本発明の照明カバーの一実施例の側方断面
図。
【図9】 照明カバー内部から見た開口部内周の部分的
斜視図。
【図10】 照明カバー内部から見たときの陥凹領域の
全体的配置を示す概念図
【図11】 支持装置の一例の側方断面図。
【図12】 切り欠きを有する別の実施例の陥凹領域の
斜視図。
【図13】 プレート状の舌を有する支持装置を備えた
照明器具本体の側面図。
【図14】 照明カバーの内側から見たときの陥凹領域
の全体的配置を示す概念図。
【図15】 照明カバーの内側から見たときの別の実施
例の陥凹領域を示す斜視図。
【図16】 照明カバーの内側から見たときの陥凹領域
の全体的配置を示す概念図。
【図17】 傾斜面の機能を示す概念図。
【図18】 傾斜面の機能を示す概念図。
【図19】 傾斜面の機能を示す概念図。
【図20】 別の実施例の側方断面図。
【符号の説明】 1=余剰シート、2=開口部、4=アンダーカット部、
5=割型、6=クランプ枠、8=環状溝、10=雄型
刃、12=基盤、14=環状押付部材、 16=バネ、
18=停止ブロック、20=隙間、22=ガイド穴、2
4=位置決め棒、28=ロッド、30=照明カバー、3
2=フランジ、40=段部、50=壁、60=更なる陥
凹領域、66=切り欠き、68=傾斜面、70、72=
側壁、80=段部、100=照明器具本体、110=支
持装置、114=ツメ、116=斜面

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱シートの熱成形によって成形された照
    明カバーであって、(1)照明器具本体に取付けられる
    べき窄まった開口部と、該開口部に連なる、側方へ広が
    った本体とを有しており、(2)該開口部の周囲に側方
    へと張り出したフランジを備えており、(3)該フラン
    ジと該側方へ広がった本体との間の該窄まった開口部を
    構成する中空のアンダーカット領域が、該照明カバーの
    内側において該開口部の内周に沿って、該内周から所定
    の長さおよび幅に亘って、周囲より陥凹して中空の段部
    を形成している領域(以下、「陥凹領域」という。)を
    少なくとも2箇所備えていることを特徴とする、照明カ
    バー。
  2. 【請求項2】該開口部の内周が、該陥凹領域の一部にお
    いて切り欠きを有することを更に特徴とする、請求項1
    の照明カバー。
  3. 【請求項3】該陥凹領域が、該切り欠きと該陥凹領域の
    一端との間において、更に陥凹した領域を有することを
    特徴とする、請求項2の照明カバー。
  4. 【請求項4】該段部が、該切り欠き付近から切り欠きの
    縁へと落ち込むように傾斜した面を有することを特徴と
    する、請求項2又は3の照明カバー。
  5. 【請求項5】該開口部に臨んで該2個所以上の陥凹領域
    の各々の両端を囲む側壁のうち、少なくとも、該開口部
    の中心に関して互いに同一の回転方向側に位置する側壁
    が、該開口部内周に対して広がった角度を有して配向し
    ていることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかの照
    明カバー。
  6. 【請求項6】該広がった角度が、該側壁と該開口部内周
    とのなす角度として少なくとも135°以上を有するも
    のである、請求項5の照明カバー。
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