JP3153333B2 - 紫外線照射装置の多層膜フィルタ - Google Patents

紫外線照射装置の多層膜フィルタ

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拓 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、紫外線照射装置、例えば紫外線
硬化型接着剤を用いて被接着物を接着する際に用いる紫
外線照射装置において、照射光線波長を所定の紫外線領
域に制限する多層膜フィルタに関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】この種の多層膜フィルタ
(ダイクロイック膜)として、従来光透過性基板上に、
高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に積層したフィルタが
知られている。高屈折率膜としてはTiO2膜が用いられ、
低屈折率膜としてはMgF2が用いられている。ところが、
TiO2膜は、長期間使用すると、紫外線によって屈折率の
経時変化を起こして紫外線の透過率が減少するという問
題点があった。また高屈折率膜と低屈折率膜との間に
は、多層膜が加熱されると膨張係数の差により積層状態
で応力が発生するが、MgF2膜は応力の緩和効果が十分で
なく、このため加熱下で長期使用するとクラックが発生
する場合があった。
【0003】
【発明の目的】本発明は、このような従来の紫外線透過
多層膜フィルタの問題点を解消し、経時変化による紫外
線の透過率の減少が少なく、かつクラック発生のおそれ
の少ない多層膜フィルタを得ることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】本発明は、高屈折率膜、および低屈折率
膜の材料について研究の結果なされたもので、高屈折率
膜として、Pr6O11およびNbを含有したTiO2膜を用いる
と、紫外線に対して安定し透過率の経時変化による減少
が少なく、また低屈折率膜として、MgF2膜だけでなく、
SiO2膜またはAl2O3 膜を用いると、MgF2膜単独の場合だ
けを用いる場合に比し、応力緩和効果が高いことを見出
して完成されたものである。
【0005】すなわち本発明の紫外線透過多層膜フィル
タは、光透過性基板上に高屈折率膜と低屈折率膜を積層
して形成されている多層膜フィルタにおいて、高屈折率
膜として、Pr6O11およびNbを含有したTiO2膜を用い、低
屈折率膜として、MgF2膜、SiO2膜、およびAl2O3 膜の2
種類以上の膜を用い、これら高屈折率膜と低屈折率膜を
光透光性基板上に交互に積層したことを特徴としてい
る。
【0006】高屈折率膜のTiO2、Pr6O11、およびNbの含
有量は、例えば、モル比で、TiO2:Pr6O11:Nb=2〜
5:1:2〜11、より好ましくは、3:1:2〜10
に設定するとよい結果が得られる。
【0007】低屈折率膜は、原則として、MgF2膜、SiO2
膜、またはAl2O3 膜を単独で用いる。これらを2種類以
上用いると、好ましい応力緩和効果が得られる。特にSi
O2において緩和効果が大きい。これらの高屈折率膜およ
び低屈折率膜の光学膜厚は、必要とされる透過波長帯域
に応じて決定される。
【0008】
【発明の実施例】以下図示実施例に基づいて本発明を説
明する。図1は本発明による紫外線透過多層膜フィルタ
10の模式図である。光透過性基板1の表裏には、それ
ぞれ多層膜2と3が形成されている。これらの多層膜2
と3は、それぞれ高屈折率膜2aと、低屈折率膜2b、
2c、2dを交互に積層してなっている。高屈折率膜2
aは、Pr6O11、Nbを含むTiO2からなるものである。低屈
折率膜2b、2c、2dはそれぞれ異なる材料からなる
ことを示しており、例えば、それぞれ、MgF2、SiO2、Al
2O3 からなっている。そして多層膜2側においては基板
1に接する面に高屈折率膜2aが配設されていて、図示
例では全体で11層の多層膜が形成されている。また多
層膜3側においては基板1に接する面に低屈折率膜2b
が配設されていて、図示例では全体で6層の多層膜が形
成されている。
【0009】この多層膜フィルタ10は、紫外線光源と
被照射物との間に、その多層膜2が入射側に、多層膜3
が出射側に位置するように配設される。図2は、紫外線
照射装置として、眼鏡レンズを紫外線硬化樹脂で接着す
る装置を概念的に示すもので、装置本体5には、水銀キ
セノンランプのような紫外線ランプ6が収納保持されて
おり、この紫外線ランプ6の中心Oを通り被照射体方向
に向く光軸I−I線に関して対称に、反射面7を内側に
向けた一対の反射鏡8が設けられている。紫外線ランプ
6の上方には、光軸I−Iに直交させて本発明の特徴と
する多層膜フィルタ10が配設されている。その多層膜
2は、紫外線ランプ6側に位置し、多層膜3は被照射体
である貼合せレンズ9側に位置している。貼合せレンズ
9は、フロントレンズ11とバックレンズ12を、両者
の間に介在させた紫外線硬化樹脂13で接合するもので
ある。図示例の貼合せレンズ9は、フロントレンズ11
により累進度数を与え、バックレンズ12によって度数
(および乱視矯正)を与える累進多焦点レンズである。
【0010】この紫外線照射装置では、紫外線ランプ6
から発した光のうち一部は直接多層膜フィルタ10へ達
し、また一部は反射鏡8の反射面7で反射した後、多層
膜フィルタ10へ向かう。多層膜フィルタ10の紫外線
ランプ6に対向する側には、高屈折率膜2aと低屈折率
膜2b、2cを交互に積層した多層膜2が形成されてい
るために、光の干渉によって、紫外線ランプ6からの光
のうち、近赤外線15は反射し、紫外線14は透過す
る。一方、貼合せレンズ9側の多層膜3は、同様に、高
屈折率膜2aと低屈折率膜2b、2dを交互に積層して
なっていて、基板1に接する面には高屈折率膜2aが位
置しているために、多層膜2および基板1を透過してく
る紫外線14に対して反射防止膜となる。従って、近赤
外線15を除去した紫外線効果に有効な紫外線14を紫
外線硬化樹脂13に紫外線を照射することができる。そ
の結果、紫外線硬化樹脂が重合硬化して、フロントレン
ズ11とバックレンズ12が接合され累進多焦点レンズ
が得られる。
【0011】次により具体的な実施例に基づいて本願発
明を説明する。 [実施例]表1は、基板1の多層膜2の層数を11とし
た場合の具体的な高屈折率膜2aと低屈折率膜2b、2
cの構成例である。表2は、基板1の多層膜3の層数を
6とした場合の具体的な高屈折率膜2aと低屈折率膜2
c、2dの構成例である。高屈折率膜2aのTiO2:Pr6O
11:Nb比は、3:1:5である。これら高屈折率膜と低
屈折率膜は、例えば真空蒸着によって、基板1上に、生
成順序に従って順次形成される。
【0012】 表1(多層膜2) 生成順序 物質 屈折率n 光学膜厚(n×d) 1(2b) MgF2 1.38 409.5nm 2(2a) TiO2+Pr6O11+Nb 2.08 819 3(2b) MgF2 1.38 819 4(2a) TiO2+Pr6O11+Nb 2.08 819 5(2c) SiO2 1.43 819 6(2a) TiO2+Pr6O11+Nb 2.08 819 7(2c) SiO2 1.43 819 8(2a) TiO2+Pr6O11+Nb 2.08 819 9(2c) SiO2 1.43 819 10(2a) TiO2+Pr6O11+Nb 2.08 819 11(2c) SiO2 1.43 409.5
【0013】 表2(多層膜3) 生成順序 物質 屈折率n 光学膜厚(n×d) 1(2a) TiO2+Pr6O11+Nb 2.08 100.4nm 2(2b) MgF2 1.38 169.9 3(2a) TiO2+Pr6O11+Nb 2.08 219.0 4(2d) Al2O3 1.64 260.4 5(2a) TiO2+Pr6O11+Nb 2.08 164.4 6(2b) MgF2 1.38 452.8
【0014】図3は、光透過性基板1を石英ガラスから
構成して、この基板1上にこの多層膜2、3を形成した
場合の透過波長帯域特性を示すスペクトル図である。こ
のスペクトル図から明らかなように、紫外線硬化に不要
な波長300nm 以下および650〜900nm の帯域においては
透過率が小さく、紫外線硬化に有効な350 〜600nm の帯
域において、優れた透過特性を示す多層フィルタが得ら
れた。
【0015】表1の高屈折率膜2a、低屈折率膜2b、
2cの光学膜厚は、波長819nm を透過阻止帯の中心にす
るため第2層から第10層迄の光学膜厚を819nm とし、
第1層の低屈折率膜2aおよび第11層の光学膜厚は81
9nm の半分の409.5nm として短波長側の透過率向上を図
っている。光の透過波長帯域特性は、高屈折率膜および
低屈折率膜の膜厚を変更することによって、所望の特性
を得ることができる。
【0016】この実施例によると多層膜2の第2、4、
6、8、10層に、Pr6O11とNbを含むTiO2を使用したた
め、長時間の紫外線照射に対して屈折率変化がなく安定
な透過率が得られる。さらに、第5、7、9、11層を
SiO2膜としたため、Pr6O11とNbを含むTiO2、およびMgF2
膜(第1、3層)によって生じる引張応力をこのSiO2
の圧縮応力によって緩和でき、従って多層膜2が加熱さ
れても、クラックの発生を防止できた。また多層膜3
は、同様に第3層にAl2O3 層を用いているため、このAl
2O3 膜の圧縮応力によって膜間に作用する応力を緩和し
てクラックの発生を防止することができた。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明は、高屈折率膜と低
屈折率膜を交互に積層して構成する紫外線照射装置の多
層膜フィルタにおいて、高屈折率膜として、Pr6O11およ
びNbを含有したTiO2膜を用い、低屈折率膜として、MgF2
膜、SiO2膜およびAl2O3 膜の2種以上を用いたから、紫
外線に対して安定で、かつ熱によるクラック発生のおそ
れの少ない多層膜フィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による多層膜フィルタの実施例を示す
模式断面図である。
【図2】 図1の多層膜フィルタを有する紫外線照射装
置の例を示す断面図である。
【図3】 本発明の多層膜フィルタによって得られる透
過波長帯域特性の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光透過性基板 2 3 多層膜 2a 高屈折率膜 2b 低屈折率膜 6 紫外線ランプ 10 多層膜フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−53549(JP,A) 特開 昭61−9604(JP,A) 特開 平2−51103(JP,A) 特開 平4−340504(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線光源と被照射物との間に配設され
    る多層膜フィルタであって、この多層膜フィルタは、光
    透過性基板上に高屈折率膜と低屈折率膜を積層して形成
    されている多層膜フィルタにおいて、 上記高屈折率膜として、Pr6O11およびNbを含有したTiO2
    膜を用い、 上記低屈折率膜として、MgF2膜、SiO2膜、およびAl2O3
    膜の2種類以上の膜を用い、これら高屈折率膜と低屈折
    率膜を光透光性基板上に交互に積層したことを特徴とす
    る紫外線照射装置の多層膜フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、高屈折率膜と低屈折
    率膜は、光透過性基板の表裏に設けられている紫外線照
    射装置の多層膜フィルタ
  3. 【請求項3】 請求項1または2項において、高屈折率
    膜は、光透過性基板の入射側においては、基板表面から
    数えて偶数番層に設けられ、出射側においては、同奇数
    番層に設けられている紫外線照射装置の多層膜フィルタ
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