JP3152660B2 - ベッドに拘束されている者の重量測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、特に、集中治療中である者の重量測定、
および、より一般的には、ベッドから出られない、およ
び／または、動き回ることができない者の重量測定に関
している。

ある病気を治療する場合には、日誌を付けることによ
り、患者の重量の変化を監視することが必要である。患
者の状態によっては、なかんずく、彼／彼女がベッドに
寝たままである場合には、多様な解決策が現在用いられ
ている。

最も広く用いられている解決策は、センサに接続され
た吊り上げ（slings）システムの手段によって、ホイス
トのハーネス（harness）から彼／彼女を吊り下げるこ
とにより、患者をベッドから持ち上げることである。こ
の解決策が実行困難であり、そして、患者にある程度の
危険を与えるであろうことは、明らかである。

加えて、実行されるべき多数の操作があるために、患
者の重量測定に必要な時間はかなりのものとなる。

もう一つの解決策は、あるシステムをベッドの脚の下
に配置し、このシステムが、ベッドおよび患者の重量測
定を可能にするというものである。先と同様に、この解
決策は、満足できるものではない。なぜなら、この重量
測定システムを常時設置しておくことはできないからで
ある。同様に、そして最も重要なことには、種々の備品
が追加されうるという事実があるために、当初の重量に
比較すると、誤差を計測し、このため、自重が変化する
という、相当な危険が存在する。

センサを装備したベッドは知られている。得られる結
果は満足できるとは言え、この種のベッドの設計は、か
なり複雑な技術を含んでおり、そして、これらは、通常
使用されるベッドに比較して高価である。事実、これら
のベッドは、治療されるべき病気の症例によっては必ず
しも用いられない他の部品を装備している。

この発明の目的は、単純で、安全で、効果的で、かつ
合理的な方法により、これらの不都合を克服することで
ある。

ベッドは、一般的には、少なくとも３つの部分が連結
されたベッドフレーム（bed frame）を有しているの
で、この問題はより厄介なものとなっている。重量測定
の操作は、水平または実質的に水平な姿勢にある患者に
ついて行なわれなければならない。ベッドフレームの連
結を除去することは明らかに可能でないことははっきり
している。

この発明が解決しようとしている問題は、一方では、
患者をベッドから持ち上げることなく、他方では、ベッ
ドのベッドフレームを任意に連結することが可能となる
ようにとの目的の下で、ベッドに寝ている者の重量を測
定することを可能にすることである。

このような問題を解決するために、連結されたベッド
フレームの幾何学的形状にかなり近づけて沿わせるため
に連結されたいくつかのモジュールを備え、組み合わさ
れた各モジュールは、重量測定機能を発揮することがで
きる少なくとも一つのセンサを備えている重量測定装置
が設計され、開発されてきた。

この発明が解決しようとするもう一つの問題は、セン
サに加えられる力の調整不良によって引き起こされるト
ルク力を、可能な限り最も正確な重量測定を行なうため
に、矯正することである。

このような問題は、各モジュールにいくつかのセンサ
を取り付けることによって解決される。各センサは、台
座に固定される。台座それ自体は、微小な変位や微小な
回転ができるように、対応するモジュールに取り付けら
れる。

微小変位や微小回転がこのように可能であるというこ
とは、重量によって生じる垂直方向の力のみをセンサに
与えるために、そして、例えば荷重によって撓んだり伸
びたり等する連結要素の変形によって生じる内部的な力
の影響を除去するために、自由な支持状態を作り上げる
ことを可能にする。

重量測定についての前記した問題を解決するために、
各モジュールは、２つの独立した入れ子式のシェル（sh
ell）からなっている。一方は、ベッドフレームの上に
載置されるものであり、他方は、二つのシェルの間に取
り付けられたセンサのための台座をマットレスに提供す
るものである。

各センサの台座は、二つの独立した部品から構成され
ている。これらは、センサの両側に固定されている。こ
れらの各部品は、当該のモジュールにおける対応するシ
ェルに、微小変位や微小回転を許容するように連結され
ている。

この装置が用いられる状況においては、そのことは、
しばしば有益である。それは、Ｘ線または他の放射線を
透過する、可能な限りの最も広い領域のためであり、な
かんずく、いかなる金属部分も存在しないという、そう
した領域のためである。

この目的の下で、モジュールの全ての表面に金属部分
が存在しないようにするために、各モジュールは、側縁
が長手方向に亙って接近するように配置された二つのセ
ンサを備えており、上部および底部シェルは、プラスチ
ック製となっている。

測定信号の出力を可能としつつも、モジュールが接続
され、連結されていることを確保するという問題を解決
するために、モジュールは、可撓性のあるストラップ
（strap）によって接続されている。

連結されたベッドフレームを備えたベッドに本装置を
適用した場合には、ベッドフレームは、ベッドフレーム
における頭部に対応する一つのモジュールと、ベッドフ
レームにおける脚部に対応する一つのモジュールと、ベ
ッドフレームの脚部および頭部を連結する一つまたは複
数の部分に対応する一つまたはそれ以上のモジュールと
を含んでいる。

微小変位や微小回転を許容するように、変形しやすい
手段でセンサをシェルに取り付けることを行なうという
問題を解決するために、センサの各台座の構成部品は、
低剛性の粘弾性（viscoelastic）材料からなる接続手段
によってシェルに取り付けられている。この材料として
は、発泡性のプラスチックまたはラバーでよい。この場
合、両面接着テープを用いることにより、接続を有利に
行なうことができる。

この発明は、下記の添付図面への参照をすることによ
り、以下において、より詳細に説明される。

図１は、連結されたベッドフレームの上において組み
立てられる前の本装置を示す斜視図である。

図２は、モジュールの底部シェルを示す本装置の平面
図である。

図３は、本装置の上面図である。

図４は、図３における4.4線における横断面図であ
る。

図５は、図３における5.5線における長手方向に沿う
断面図である。

図６は、本装置の可能な折畳みを示す図である。

この重量測定装置は、全体を（Ｓ）で示した連結され
たベッドフレームを備えた、いかなる種類のベッドにも
適用可能である。このベッドフレーム（Ｓ）は、例え
ば、４つの連結された部品（S1）（S2）（S3）（S4）か
ら構成されることができ、部品（S1）および（S4）は、
それぞれ、ベッドフレームにおける頭部および脚部を構
成している。マットレス（Ｍ）は、このベッドフレーム
の上に配置されている。この発明による重量測定装置
は、ベッドフレーム（Ｓ）の上に直接に配置されてい
る。ここで、マットレス（Ｍ）は、重量測定装置の上に
直接に配置されている。

本装置は、ベッドフレーム（Ｓ）の幾何学的な形状に
かなり近似させて沿わせるために、連結されたいくつか
のモジュール（１）を含んでいる。各モジュール（１）
は、少なくとも一つのセンサ（２）を備えている。特
に、各モジュール（１）は、二つの、独立した、入れ子
式のシェル（1a）（1b）から構成されている。シェル
（1a）は、基台部分を構成するものであって、ベッドフ
レームの上に直接に載置されるようになっている。そし
て、シェル（1b）は、支持部分であって、かつ、マット
レス（Ｍ）を載せている。シェル（1a）および（1b）
は、ベッドフレーム（Ｓ）の各構成部分（S1）（S2）
（S3）（S4）にかなり近似して沿わせるために、一般的
な四辺形に構成されている。各シェル（1a）および（1
b）は、プラスチック素材をモールド成形することによ
って製造することができ、そして、剛性リブ（1c）（1
d）を備えた構成とすることができる。上部シェル（1
b）の寸法は、底部シェル（1a）の寸法より、ごく僅か
に大きいものとされている。

各シェル（1a）および（1b）は、周縁リム（1a1）（1
b1）を有しており、これらが入れ子式に組み合わされた
状態では、リム端部（1b1）がリム端部（1a1）に部分的
に重なり合う。ベッドフレームにおける頭部分および脚
部分にそれぞれ対応する端部のモジュールは、本質的に
同じ大きさとされており、中間のモジュールは、より小
さい大きさとされている。

センサ（２）は、二つのシェル（1a）および（1b）の
間に取り付けられており、これにより、重量測定操作が
実現される。これは、二つのシェルが独立しているから
である。この目的のために、各センサ（２）は、台座
（３）に固定されており、台座それ自体は、微小変位が
可能なように、対応するモジュール（１）に取り付けら
れている。

図示されている実施例では、各台座（３）は、二つの
独立した部品（3a）および（3b）から構成されている。
これら二つの部品は、ねじなどの適切な公知の手段によ
って、センサ（２）の両側部に固定されている。反対
に、各部品（3a）および（3b）は、微小変位や微小回転
をすることができるように、変形しやすい手段で、対応
するシェル（1a）および（1b）に接続されている。例え
ば、部品（3a）および（3b）は、両面接着テープ（４）
という手段によって取り付けられている。

これらの台座（3a）および（3b）は、鉄製のＵ部分か
ら構成されており、そして、示されているように、各モ
ジュールの側縁の内側に沿って取り付けられている（図
２）。

こうした設備により、センサ（２）を備えた前記した
種々のモジュール（１）は、可撓性のあるストラップ
（５）により接続されている。これらストラップは、底
部シェル（1a）の側方の端部に接近して配設され、そし
て、二つの連続するモジュールの間におけるヒンジとし
て作用する。種々のセンサ（２）の間における電気的接
続を供給する導体は、これらの可撓性ストラップ（５）
に取り付けることができる。

モジュールについてのこうした連結は、全装置を折畳
むことを可能にし、したがって、この装置は、大変小さ
いスペースしか取らないことになる。これは、モジュー
ル（１）が互いの上部に載置できることによる（図
６）。

重量測定動作を実行するために、ベッドフレーム
（Ｓ）は、その種々の構成部分（S1）（S2）（S3）（S
4）が実質的に水平な平面内にあるように調整される。
したがって、種々のモジュール（１）は、空間的におい
てベッドフレーム（Ｓ）と同じ姿勢を取ることになる。
したがって、患者の重量は、全てのモジュールの上に完
全に載り、より詳しくは、上部シェル（1b）の上に載る
ことになり、したがって、種々のセンサ（２）に加えら
れる。センサは、実行される重量測定に対してあらゆる
情報を供給するために、電子的制御システムや他のどの
ような電子的システムに接続されてもよい。この電子的
システムは、例えば次のものを表示するために設計され
る。

−患者の重量（自重を減算して：マットレス−シーツ
と枕カバー） −患者の重量変化 −各モジュールによって記録される重量およびその重
量の変化 いくつかのまたは全ての底部シェル（1a）にスリップ
しない部品例えばゴム製の脚を設けることが考えられ
る。これは、本装置を、ベッドフレーム上に載置した状
態に保つためである。

前記したところにより、その利点は明らかであるが、
特に、次の各点が重要であり、強調しておく。

−使用が簡単 −正確な測定結果 −連結式ベッドフレームについてのどのような種類の
装置にも適用可能 −ベッドから彼／彼女を持ち上げることなく、患者の
重量測定が可能。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エステブニ，セルジュ フランス国 42170 サン ジュスト サン ランベール リュ ガンベッタ 38 ビス (56)参考文献 実開 平１−172827（ＪＰ，Ｕ) 特許2801214（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G01G 19/44 - 19/52 A61G 7/06

Claims (11)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】連結されたベッドフレームにかなり近似し
   て沿うように連結されたいくつかのモジュール（１）を
   備え、各モジュール（１）は、組み合わされて、重量測
   定機能を行なうことができるように、少なくとも一つの
   センサ（２）を備えていることを特徴とする、ベッドに
   拘束されている者の重量測定装置。
2. 【請求項２】各モジュールは、いくつかのセンサ（２）
   を備えており、各センサ（２）は、対応するモジュール
   （１）に、微小変位および微小回転ができるように取り
   付けられた台座（３）に固定されていることを特徴とす
   る、請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】各モジュール（１）は、二つの独立した入
   れ子式のシェル（1a）（1b）を備えており、一方（1a）
   は、フレームに載置され、地方（1b）は、マットレスを
   載せており、センサ（２）の台座（３）は、前記二つの
   シェル（1a）（1b）の間に取り付けられていることを特
   徴とする請求項２記載の装置。
4. 【請求項４】各台座（３）は、センサ（２）の両側部に
   固定された二つの独立した部品（3a）（3b）を備え、こ
   れらの各部品（3a）（3b）は、当該モジュールにおける
   対応するシェル（1a）（1b）に、微小変位および微小回
   転が可能なように接続されていることを特徴とする請求
   項３記載の装置。
5. 【請求項５】各モジュール（１）は、モジュールにおけ
   る可能な限り最も広い領域においていかなる金属部分も
   存在させないために、側縁が長手方向に沿って接近する
   ように配設された二つのセンサ（２）を備えていること
   を特徴とする請求項１記載の装置。
6. 【請求項６】前記モジュール（１）は、可撓性のあるス
   トラップ（５）によって接続されていることを特徴とす
   る請求項１記載の装置。
7. 【請求項７】ベッドフレーム上に載置された、各モジュ
   ール（１）における底部シェル（1a）は、スリップしな
   い特徴を有していることを特徴とする請求項１記載の装
   置。
8. 【請求項８】前記組立品は、頭部のベッドフレームに対
   応する一つのモジュール（１）と、脚部のベッドフレー
   ムに対応する一つのモジュール（１）と、前記頭部およ
   び脚部のベッドフレームを接続する一つまたは複数の部
   分に対応する一つまたはそれ以上のモジュール（１）と
   を備えていることを特徴とする請求項１記載の装置。
9. 【請求項９】各センサの台座における前記構成部品（3
   a）（3b）は、低剛性の粘弾性材料からなる接続手段、
   特に、両面接着テープ（４）の手段によって前記シェル
   に取り付けられていることを特徴とする請求項４記載の
   装置。
10. 【請求項１０】各シェル（1a）（1b）は、プラスチック
    を成形することにより得られており、かつ、剛性リブを
    有していることを特徴とする請求項１記載の装置。
11. 【請求項１１】患者の全体の重量と重量の変化とを表示
    するか、または、各モジュールにおいて記録された重量
    および重量の変化を表示することができるように構成さ
    れたセンサから得られた信号を処理するための電子的シ
    ステムに本装置が接続されていることを特徴とする請求
    項１記載の装置。