JP2633664B2 - 病院用ベッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は頭板を有する病院用ベッドに関する。

〔従来の技術〕

病院用ベッドの頭板は現在、患者の枕を保持しかつベ
ッドを押すための構造をもたらすのとは別の機能は少し
しか持ち合わせていない。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、この頭板を作動の中心部として利用
することである。本発明のこの作動中心部の概念は、ベ
ッド（通常はベッドルームの壁に近接している）から離
れたその表面上の頭板を、患者の処置に有用な器具を収
容するための区画室とする機構を含むものである。これ
らの器具は血圧計、温度表示器、看護婦の照明具のよう
な診断用器具を含んでいる。本発明はさらに、その表面
上にコンピュータを取付け、このコンピュータは看護婦
のバッジ（記章）、患者の手首のバンドを読み取りまた
看護婦の患者を訪れた時刻を記録する、バーコード読み
取り装置を含むことができるようにすることを意図す
る。このバーコード読み取り装置とコンピュータとによ
り、患者に与えられた正確な処置の完全な記録が生命徴
候の記録、医薬その他の投与の記録と共になされる。こ
の頭板はさらに、患者の支持面の上昇及び下降、部屋の
照明、看護婦の呼び出し、テレビ及び患者の締め出しな
ど、看護上の制御を包含するすることができる。別の制
御装置が患者に対し各側の手すり上に与えられるが、し
かし患者が無能力な場合は、患者が制御できず権限を与
えられた者だけが近づける位置から制御できるようにし
て患者を制御から締め出すことが望まれる。

本発明の他の目的は、頭板作動中心部が、ベッドの端
の接近不能な位置からベッドの頭部側端部の各側の接近
可能な位置へと動くことができるようにすることであ
る。この頭板の運動はこの作動中心部を付添う看護婦に
とって完全に接近できる位置に揺動させまたこの作動中
心部を通常は患者の背後の壁に近接しているベッドの端
に戻すという利点を有している。この後者の位置におい
て、作動中心部の各要素は権限の与えられていない全て
の人には接近できないように保持され、そしてコンピュ
ータのような一定の要素は損傷を受けないよう保護され
る。

本発明のまた他の目的は、できるだけ接近してベッド
の両側部又は端を抱持しできるだけ少ない余分な床スペ
ースしか占めないような回動可能な頭板を提供し、しか
も回動頭板の利点を有するようにすることである。

この回動頭板作動中心部の第２の利点は、患者への接
近がベッドの頭部から必要となる、心拍停止のような外
傷条件であるコード化状態の間、患者の頭部に直接に接
近できることである。

〔課題を解決するための手段と発明の効果〕

上記本発明の目的は、ベッドフレーム上の枢着部と、
このベッドフレーム枢着部上に取付けられた支持体と、
ベッドに近づきまた離れるよう摺動運動するこの支持体
上に取付けられた頭板フレームとを提供することによっ
て、達成される。ベッドフレームと頭板フレームとの間
のカムとカム従動子の連結により頭板はベッドにできる
だけ接近した所定の通路を動かされそしてこの頭板はベ
ッドの端から側部へと揺動する時ベッドの隅部を清掃す
ることができる。フレームから離れた頭板の表面は、コ
ンピュータ、診断及び処置用付属具及び所望のベッド制
御装置で構成することができる。この構造を病院の要求
に合うように作り変えることが意図される。

本発明の組合せの主な利点の中には次のようなものが
ある。

ベッドの“足跡”、すなわちベッドによって要求され
る床スペースにつけ加えることなしに、十分な作業看護
中心部が得られる。

ベッドの頭部から患者に接近することができる。

看護用付属具の全てが非常に便利な場所で与えられる
ことにより看護職員は多くの時間と工程が節約できる。

コンピュータ（保管された時に）は防護された位置に
置かれる。

権限を与えられていない者にとって接近できない看護
制御装置が得られる。

制御装置や患者のカルテその他のために使用されるに
先だって、そのほかの処置に対しベッドの足が開放され
る。

本発明の他の形式においては、頭板は台座の上に取付
けられ、この台座はベッドとは独立して床上に取付けら
れる。本発明のこの形式では、ベッドは頭板から完全に
分離されそれにより頭板が通常取付けられるベッドの端
は全く邪魔物がなくなりコード化状態の間に患者に完全
に接近することができるようになる。この分離できる頭
板は重い作動モータや機構の“取外し可能構成”の概念
を促進し比較的軽量の移送カートとして用いることがで
き、一方その重い構成部分は患者の部屋の中に残すよう
にする。米国特許第4,592,104号を参照されたい。

さらに分離可能な頭板作動中心部は、患者を移送する
目的でベッドが分離された時に、コンピュータを含む頭
板取付けの制御装置を病院の動力源に接続されたままと
することができる。

〔実施例〕

本発明のいくつかの特徴及び目的は添付図面と関連す
る以下の詳細な説明からさらに明らかとなるであろう。

第１図を参照すると、ベッドは移動用車輪11上に取付
けられたフレーム10を有している。ベッドフレーム15が
設けられこのフレームに患者支持パネルが取付けられ
る。ベッドフレーム、患者支持パネル及び作動制御装置
の詳細については1987年４月２日に出願された米国特許
出願連続番号第７−034,232号が参照されるが、この特
許出願は、本発明の開示の一部を形成するための説明に
よって、詳細に取り入れられている。ベッドの頭端部は
20で示されている。その隅部分21は好ましくはわずかに
面取りされるか又は丸くされベッドフレームに対する頭
板の緊密な揺動通路が得られるようにする。

輪郭が形成された頭板22は、回動頭部フレーム24（第
２図）上に取付けられたほぼ垂直の壁23として形成され
る。ベッドフレームと向き合う頭板の側面には、聴診
器、血圧計、温度計その他を含む生命徴候測定装置のよ
うな看護用付属具を収容するための区画部分25が設けら
れる。キーボード27を有するコンピュータ26が頭板に取
付けられる。このキーボードは垂直姿勢で示されている
が作動時には水平姿勢へと回動することができる。

ベッドフレーム15は長手方向の部材30とベッドの頭端
部の３つの横方向の部材31,32及び33を含んでいる。こ
れら横方向の部材は中央孔36を有する回動プレート35を
支持する。Ｕ字形カム軌道37がその両端のブラケット38
とその中央のブラケット39とによりベッドフレームに取
付けられている。このカム軌道37は、後述する従動子が
転動する倒立した溝40を有している。凹所47を有する中
央固定留め金45と２つの側部留め金46とがカム軌道に固
定されている。

ねじの切られた回動支柱51を有する支持体50がプレー
ト35の下側に取付けられこの回動支柱51が開口36を貫通
しかつナット52によってこれに固定される。支持体50を
形成する十字形のバー54上のローラ53がプレート35の下
側面に係合して支持体とフレームとの間に転がり非摩擦
接触を形成するようになっている。垂直部分60を有する
垂直頭板フレーム24が、このフレーム24の垂直部分60に
固定されかつ支持体50から突出する水平バー62上を摺動
する矩形スリーブ61により、支持体50上に摺動自在に取
付けられる。このスリーブ61は前記垂直部分60に堅くか
つ一体に連結されそしてカム軌道37の溝40に嵌まるロー
ラ63を担持している。

フレームは第２図に仮想線でまた第３図に正面図で示
す外形の頭板22を有し、この頭板22はフレーム24に対し
て成形される。第２図に示すその実線位置にばね付勢さ
れている一対の固定具66が固定留め金45と46に係合する
ようスリーブ61上のある位置に取付けられている。各固
定具は解放ハンドル70の端部69に連結されたケーブル68
に取付けられる。解放ハンドル70は71でフレームに枢着
され、実線の固定位置から第２図に示す破線位置に固定
具を引く破線の解除位置に動くことができる。

各固定具の端部は固定具66が中央固定留め金から乗り
出すことのできるような傾斜表面73を有している。ベッ
ドの足の端部から見た時この頭板がベッドの右側に揺動
されたならば、頭板の右側のハンドルは固定具66を右側
で解放するよう回動される。これは、頭板がベッドの頂
部から見て時計方向に揺動できるようにする。左側の解
放されていない固定具は傾斜表面73により固定留め金か
ら離れる。頭板がヘッドの右側の90゜位置に達すると、
固定留め金46をわん曲した表面が固定具66とカム接触し
そしてこれら固定具が凹所47の掛け止め位置に摺動でき
るようにする。固定具の同様の操作が、頭板をヘッドの
左側に揺動させるのに必要とされる。

本発明の操作において、看護婦は患者の部屋に入るに
当たり、解放ハンドルを操作しハンドル70を自分に向け
て引くことにより頭板作動中心部をベッドの頭端部から
一側方に揺動する。コンピュータキーボードは倒されて
スクリーンを露出する。看護婦はバーコード読み取り装
置を用いて彼女のバッジと患者の手首のバンドとをコン
ピュータに入力する。時刻が自動的に入力される。頭板
に取付けられた付属器具を用いて、患者の生命徴候が測
定され直ちにコンピュータに記録される。患者が無能力
であると思われたならば、患者操作のベッド制御装置は
無力化され、看護婦は75で示される頭板に取付けられた
制御装置を用いて患者を安楽にしかつ世話するための調
整をする。

患者への訪問が完了したならば、適当な解放ハンドル
70が操作され頭板作動中心部がベッドの頭部の非作動位
置に揺動されここで作動装置は隠蔽されベッドルームの
壁により、権限の与えられていない者にとって接近でき
ないようにする。

上記の実施態様では、頭板はベッドにより担持されて
いる。これは、患者を病院の周りに移送するに際しベッ
ドがある場所から他の場所へと定期的に動かされる場合
に不利である。（病院の周りに走行するのに有用な病院
ベッドについては米国特許第4,592,104号を参照。）１
つの欠点は、コンピュータのような精緻で高価な装置が
ベッドと共に運ばれなければならず病院の壁、出入口そ
の他にぶつかった時損傷を受けるおそれがあるというこ
とである。もう１つの欠点は、移動が行われる時に遮断
し再び接続しなければならない少なくとも４つの電気接
続部があるということである。さらに、コンピュータが
その動力を失った時はデータが一定的に又は恒久的に失
われることになる。

前記の欠点を解消する本発明の他の形式は第５図と第
６図に示されている。第５図において、ベッド80はこれ
と結合された頭板／制御中心部81を有している。この頭
板／制御中心部は軸線83の周りに回動する台座82上に取
付けられる。これは、台座と頭板とが前記の実施態様の
構造に匹敵する支持及びカム軌道構造を有し頭板が常に
ベッドの近くに位置することができるようにすることを
意図している。この頭板は電気的に自己充足式であり、
これを作動するためのベッドに連結された制御装置を有
していない。これはコンピュータを含んでいるが、この
コンピュータは電気的に独立したものである。第６図の
実施態様においては、接続具ユニット90が台座82上に取
付けられ、頭板／制御中心部81の全ての制御装置への電
気接続具を含んでいる。台座から後方に突出する尾部89
は病院回路−動力源、看護婦呼び出し、電話及びコンピ
ュータ動力源−に対してなされる全ての連結部を包含し
ている。このベッドと台座が頭板をベッドの一端に位置
させるように共に動かされた時、４つの全ての機構に対
する電気的接続が、接続具90を接続具91に差し込むこと
により行われる。この変形例はしたがって、ベッド、電
話その他を作動するための全ての制御装置が設けられ
る。病院回路からのコンピュータへの動力はベッドが引
き離されても依然として接続されている。

第５図及び第６図の変形例においては、台座82は移動
用車輪上に取付け、頭板／制御中心部を一緒に担持する
この台座がベッドから離れるよう動き又はベッドが台座
から離れるよう動くことができるようにする。

好ましくは、両実施態様において、頭板は回動自在に
取付けられ、それにより通常の毎日のきまった仕事にお
いて頭板がベッドの側部に揺動され看護婦が患者往診と
関連するきまった仕事を行うことができるようにする。
しかし、コード化状態においては、ベッドと頭板／制御
中心部が迅速に分離されベッドの端部に、コード化状態
を続行している間全く邪魔されない空間を残すようにす
る。

本発明の一般原理の上記の開示と好適な実施態様の前
記詳細な説明とから、この技術に習熟した者にとって、
本発明の範囲と解される種々の変更が容易になされるで
あろう。例えば、本発明の機構は頭板のほかにベッドの
足板に適用することができる。したがって、本発明は特
許請求の範囲とその均等物によってのみ制限を受けるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は病院用ベッドに適用された本発明の斜視図、 第２図は回動された頭板を構成する機会的要素の相互の
連結を示す、分離された斜面図、 第３図は頭板の端面図、 第４図は第３図の４−４線に沿う断面図、 第５図は本発明の他の形式の斜面図、 第６図は本発明の第５図の形式の変形例を示す図であ
る。 10……フレーム、11……移動用車輪、 15……ベッドフレーム、20……ベッド頭端部、 21……隅部分、22……頭板、 23……垂直壁、24……頭部フレーム、 25……区画部分、26……コンピュータ、 27……キーボード、35……回動プレート、 37……Ｕ字形カム軌道、40……溝、 45,46……留め金、50……支持体、 53……ローラ、60……垂直部分、 61……矩形スリーブ、62……水平バー、 63……ローラ、66……固定具、 70……解放ハンドル、73……傾斜表面、 80……ベッド、82……台座、 90,91……接続具。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−109126（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−181259（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭44−15676（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (12)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】作動中心部のための端部を有する細長いフ
   レームと、 作動中心部と、 前記作動中心部を前記フレームの前記端部に回動自在に
   取付け前記ベッドの端部と両側部に水平に揺動運動さ
   せ、それにより前記作動中心部が前記ベッドの端部にあ
   る時頭板又は足板として作用することができまた看護処
   置の便利のために前記ベッドの側部に揺動できるように
   する手段、 とを具備してなる細長い病院用ベッド。
2. 【請求項２】前記作動中心部が、ほぼ垂直の壁と、前記
   ベッドから離れた前記壁の側部に診断用器具その他を収
   容する区画部分を形成する手段とを含んでいる請求項１
   に記載のベッド。
3. 【請求項３】前記フレーム上のカム軌道と、 前記カム軌道に配設された前記作動中心部上の従動子、 とをさらに具備し、 前記カム軌道が、前記作動中心部を前記ベッドの端部と
   両側部に接近して位置させるよう案内し前記作動中心部
   が前記ベッドの隅部を清掃できるようにする形状に形成
   されている請求項１に記載のベッド。
4. 【請求項４】ベッドが、弓形に形成された前記作動中心
   部に近接する隅部を有し前記作動中心部が２つの位置の
   間で回動された時ベッド隅部の清掃を容易にするように
   している請求項１に記載のベッド。
5. 【請求項５】ベッドフレームと、 ベッドの一端のＵ字形カム軌道と、 前記フレームの端部分の垂直軸線の周りに回動自在に取
   付けられた頭板支持体と、 前記支持体上を水平に摺動運動するよう取付けられた頭
   板フレームと、 前記頭板フレーム上に取付けられかつ前記カム軌道と係
   合するカム従動子であって、前記カム軌道と従動子とが
   共働して前記頭板が前記フレームの端部と両側部の位置
   に動かされるときに前記頭板が前記ベッドの隅部を清掃
   できるようにしている、カム従動子 とを具備してなる細長い病院用ベッド。
6. 【請求項６】前記頭板を前記ベッドの頭部と側部の正し
   い位置に掛け止めする手段をさらに具備している請求項
   ５に記載のベッド。
7. 【請求項７】前記掛け止め手段が、 前記頭板が動かされる位置に対応する前記ベッドフレー
   ム上の３つの離間した位置に配置された固定留め金と、 前記固定留め金と共働するよう前記頭板フレーム上に摺
   動自在に取付けられた固定手段と、 前記固定手段を前記留め金から解放するための少なくと
   も１つの解放ハンドル、 とを具備してい請求項６に記載のベッド。
8. 【請求項８】前記固定手段が、 前記頭板フレーム上に摺動自在に取付けられた２つの離
   間した固定具と、 前記固定具の各１つを解放するようそれぞれが作動する
   前記頭板の各側上部の解放ハンドル、 とを具備し、 各固定具が、他の固定具が前記解放ハンドルにより引き
   出された時前記留め金から乗り出すことができるように
   する傾斜表面を有している 請求項７に記載のベッド。
9. 【請求項９】前記頭板フレームが、垂直部分と、前記支
   持体上に摺動自在に取付けられている水平スリーブと、 前記垂直部分に成形された頭板とを有している請求項５
   に記載のベッド。
10. 【請求項１０】前記フレームに近接して床上に取付けら
    れ前記作動中心部がその上に取付けられている台座をさ
    らに具備し、 前記ベッドと台座とが相互に分離されて前記ベッドの端
    部が全ての障害物から解放されるようになっている 請求項１に記載のベッド。
11. 【請求項１１】作動中心部のための一端部を有する細長
    いフレームと、 一方の側で頭板とほぼ類似し他方の側で看護婦制御装置
    を有する作動中心部と、 前記頭板作動中心部を前記フレームの前記端部に近接し
    前記一方の側が前記ベッドに対面するよう取付ける手段
    と、 前記フレームを前記作動中心部から分離する手段 とを具備してなる細長い病院用ベッド。
12. 【請求項１２】前記作動中心部取付け手段上に取付けら
    れた電気接続具と、 前記ベッド上に取付けられた噛み合い電気接続具 とをさらに具備し、 前記電気接続具が制御中心部の電気回路を、前記作動中
    心部に近接した作動位置にまたこの位置から離れるよう
    前記ベッドを動かすことにより、前記ベッドに接続しま
    た接続を断つようにする、 請求項11に記載のベッド。