JP3152286B2 - コイルエンドマーク防止用緩衝材及びコイル巻取方法 - Google Patents
コイルエンドマーク防止用緩衝材及びコイル巻取方法Info
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Description
ク防止技術に関する。
取リール101に鋼帯102を巻くと、鋼帯102のト
ップエッジ(前端)103のために、三角形の隙間がで
きるとともに2巻目から10巻目前後までS字状に折れ
曲がる。次にコイルを展開したときに鋼帯102のトッ
プエッジ近傍に点々と折疵が残る。この折疵をエンドマ
ークと呼び、結局トップエッジから約10巻分は切り離
してスクラップにしなければならず歩留りが悪くなる。
む方法(特開昭59−1019号公報「ストリップコイ
ルのエンドマーク防止方法」)、トップエッジをテー
パにする技術(実開昭52−38139号公報「鋼帯の
エンドマーク防止装置」)、巻取初期に無架橋高発泡
ポリエチレンシートをマンドレルまわりに1周巻きつけ
る方法(特開平3−81016号公報「ストリップの巻
取方法及び装置」)などの対策が講じられてきた。
ンボール紙が巻取にともなう圧力でその一部が砕け、コ
イルを巻戻して展開するときに、ダスト状の粉をまき散
らすこととなり、作業環境が悪くなるという欠点があ
る。上記ではテーパ加工が面倒であり、そのための加
工機械が必要となり、加工費及び設備費用が嵩む。
く良好にエンドマークを防止することができ、好まし
い。しかし、次のような不具が認められた。図6は従来
の高発泡ポリエチレンシートの課題を示す図であり、展
開したときの鋼帯102の一端に高発泡ポリエチレンシ
ート105が貼りついていることを示す。このままでは
次工程の圧延機などの加工機械に高発泡ポリエチレンシ
ート105が噛み込み、トラブルが発生する。そこで、
一々ラインを止めて、高発泡ポリエチレンシート105
を剥がすようにしているが、そのために生産効率が著し
く低下する。
記高発泡ポリエチレンシート105が鋼帯102になぜ
貼りついたかを考察し、次の仮説を立てるに至った。図
7は高発泡ポリエチレンシートの付着想像図であり、高
発泡ポリエチレンシート105は、無数の空洞106・・
・を内包するとともに、表面に空洞の一部である凹部1
07・・・を有し、これらの凹部107・・・が巻込みの際に
強く鋼帯102に押付けられたことにより、吸盤となっ
て鋼帯102に貼りついたものと推定した。であれば、
前記凹部107・・・を鋼帯102から分断する方法を考
えればよいわけで、その分断法を種々確かめたところ、
取扱性、経済性を考慮して次の構造にすることにした。
ラスチックシートと、このシートの少なくとも片面に添
わせた紙質材とから構成することにした。
分離できるので、コイルを巻戻すときに緩衝材が自然に
鋼帯から分離し、脱落する。発泡プラスチックシートに
紙質材を添わせるだけであるから、緩衝材は安価であり
且つ取扱も極めて容易となる。ここで添わせるとは、分
離しないように紙質材を発泡プラスチックシートに取付
けておくことを含む。この取付けは例えば接着、縫合で
ある。
なくとも片面に紙質材を添わせてなる緩衝材を準備し、
巻取リールに鋼帯のトップエッジを掛け、このトップエ
ッジと巻取リールに跨がるように緩衝材をセットするが
このときに少なくとも紙質材が次巻の鋼帯に当るように
向きを調整して緩衝材をセットし、鋼帯の巻取りを進め
るようにしたことを特徴とする。
ように緩衝材をセットすることで、効果的にエンドマー
クの発生が防止できる。紙質材で鋼帯と発泡プラスチッ
クシートを分離できるので、コイルを巻戻すときに緩衝
材が自然に鋼帯から分離し、脱落する。従って、ライン
を止める必要が無く、生産性を高めることができる。
づいて以下に説明する。図1は本発明に係る緩衝材の断
面図であり、緩衝材1は、矩形の発泡プラスチックシー
ト2の片面に両面粘着テープ3で紙質材4を取付けただ
けのものである。緩衝材1の厚さは鋼帯の厚さに応じて
適宜選択すればよく、鋼帯の厚さが0.8〜2.3mm
の範囲であれば緩衝材1の厚さは0.5mm〜8.0m
mの範囲から選択すればよい。
リエチレン、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発
泡ポリ塩化ビニル、発泡エポキシ樹脂、発泡酢酸セルロ
ースが好適である。
あればよく、特に糸入り梱包用紙が丈夫で好適である。
合成紙はパルプにプラスチック繊維、ガラス繊維、糸を
混ぜて強化したものあればよい。パルプが適度に分散し
て鋼帯との分離性を保つからである。また、プラスチッ
ク繊維を織った通気性の有るシートでもよい。通気性が
有るため、空気が出入りして分離性を保つからである。
この点、紙質材に似たプラスチックシートは表面に凹凸
がないため鋼帯に密着する虞れがあるので、紙質材に含
めぬことにする。
り、両面粘着テープ3は紙質材4の縁又はその近傍に設
ける。矢印の如く鋼帯を巻取ると、矢印の如く紙質
材4は押付けられる。このときに紙質材4の下の空気が
矢印の通りに押出され、図1の発泡プラスチックシー
ト2と紙質材4との間に有害な空気が溜まらないからで
ある。
図3(a)〜(c)は巻取り工程説明図である。 (a)にて、巻取リール10に鋼帯11のトップエッジ
12を掛け、反時計方向に4/5回転程度巻く。 (b)にて、トップエッジ12と次巻目の鋼帯11との
間に緩衝材1を挿入する。このときに紙質材4が鋼帯1
1に向くようにする。なお、コスト高ではあるが両面に
紙質材4の付いた緩衝材1を使用すれば、向きを心配す
る必要はなくなり、作業者の負担は軽くなる。 (c)にて、巻取リール10を反時計方向に巻いて鋼帯
11をコイルにする。コイルを巻取リール10(巻取リ
ール10は分割円筒になっていて縮径することができ
る。)から外し、得られたコイルをストックヤードへ移
して保管する、または次工程へ移動する。すなわち鋼帯
11をコイルにする目的は、保管、運搬の利便を図るた
めである。
ある。(a)にて、巻戻し機の巻戻しリール15にコイ
ル16を取付け、鋼帯11を引きながら巻戻しリール1
5を時計方向に回転する。(b)は巻戻し末期で、鋼帯
11のトップエッジ12を覆っている緩衝材1が露出し
たときを示す。このときには、緩衝材1の紙質材4が鋼
帯11から簡単に剥がれる。そして、巻戻しリール15
とトップエッジ12と緩衝材1との三者で囲まれたとこ
ろに三角形の空間17ができているため、この空間17
を起点にして緩衝材1は巻戻しリール15並びにトップ
エッジ12から剥離し始める。(c)にて、さらに巻戻
しリール15が時計方向に回転することにより、鋼帯1
1のトップエッジ12から緩衝材1が自然に脱落する。
従って、巻戻しつつ例えば圧延加工を施しても、緩衝材
1が圧延機にからむ心配はなく、鋼帯の送り速度を下げ
る必要も無い。
の両面に紙質材を添わせれば、巻戻しリール15からの
脱落がより確実になり好ましい。また、図2において両
面粘着テープ3の代りに接着剤を使用してもよい。ま
た、糸で両者を縫合してもよく、縫合であれば発泡プラ
スチックシートの大板に大きな紙質材を重ね、局部的に
縫合したのち、所定寸法にカットして多数の緩衝材を得
ることができるので、緩衝材の製造コストを下げること
ができる。
に係る緩衝材の発泡プラスチックに発泡ポリエチレンを
採用し、紙質材をポリエチレンラミネート加工の糸入り
貼合せ紙(コイル梱包用紙同等品)とし、緩衝材の厚さ
を2.0mm、長さを400mm、幅を鋼帯と同幅と
し、一方、比較例として、緩衝材なし、緩衝材としてダ
ンボール紙、発泡ポリエチレンのみを使用した。実施例
と比較例の比較結果を次に示す。
(tは厚さmmを示す)で630〜1200w(wは幅
mmを示す。)のものを対象とした。「エンドマーク防
止」の欄では、実害のあるエンドマークが発生したもの
は×、発生が軽微であったものを△、実害のあるエンド
マークが発生しなかったものを○とする。「緩衝材の脱
落性」の欄では、緩衝材が脱落したものを○、脱落せぬ
ものを×とした。「評価」の欄では、エンドマークの防
止の欄が○で且つ緩衝材の脱落性の欄が○であるものを
「○」とし、それ以外のものを「×」とした。
エンドマークが発生した。 比較例2:ダンボール紙を緩衝材として使用したため、
脱落性は○であったもののエンドマークの防止効果は弱
かった。しかも、ダンボール紙が砕けて、細かな粉が発
生し、周囲が汚れるという不都合もあった。 比較例3及び4:発泡ポリエチレンのみを緩衝材とした
ものであり、エンドマーク防止効果は十分であるが、緩
衝材が脱落しなかった。 実施例1,2及び3:紙質材の付いた発泡ポリエチレン
を緩衝材としたものであり、エンドマーク防止効果は十
分であり、脱落性も良好であった。
ックシートに紙質材を取付ける手法は任意であるが、両
者を全面的に接合する方法と本実施例の様に一端のみを
接合する方法とがある。全面的に接合する方法は持ち運
びの際に紙質材の収まりがよいという長所はあるが、発
泡プラスチックシートの延びと紙質材の延びに差がある
ため、使用中に紙質材に皺が寄ったり、紙質材が破れる
虞れが有る。その点、一端のみを接合したものは、皺が
寄りにくく、破れ難いためより実用的であると言える。
する。請求項1は、緩衝材を、発泡プラスチックシート
と、このシートの少なくとも片面に添わせた紙質材とか
ら構成することにした。紙質材で鋼帯と発泡プラスチッ
クシートを分離できるので、コイルを巻戻すときに緩衝
材が自然に鋼帯から分離し、脱落する。発泡プラスチッ
クシートに紙質材を添わせるだけであるから、緩衝材は
安価であり且つ取扱も極めて容易となる。
なくとも片面に紙質材を添わせてなる緩衝材を準備し、
巻取リールに鋼帯のトップエッジを掛け、このトップエ
ッジと巻取リールに跨がるように緩衝材をセットするが
このときに少なくとも紙質材が次巻の鋼帯に当るように
向きを調整して緩衝材をセットし、鋼帯の巻取りを進め
るようにしたことを特徴とする。鋼帯のトップエッジと
巻取リールに跨がるように緩衝材をセットすることで、
効果的にエンドマークの発生が防止できる。紙質材で鋼
帯と発泡プラスチックシートを分離できるので、コイル
を巻戻すときに緩衝材が自然に鋼帯から分離し、脱落す
る。従って、ラインを止める必要が無く、生産性を高め
ることができる。
図
着テープ、4…紙質材、10…巻取リール、11…鋼
帯、12…鋼帯のトップエッジ、16…コイル、17…
三角形の空間。
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼帯を巻取る際に鋼帯のトップエッジに
よって発生する段差状の折疵を防止するための緩衝材に
おいて、この緩衝材は、発泡プラスチックシートと、こ
のシートの少なくとも片面に添わせた紙質材とからなる
ことを特徴としたコイルエンドマーク防止用緩衝材。 - 【請求項2】 発泡プラスチックシートの少なくとも片
面に紙質材を添わせてなる緩衝材を準備し、巻取リール
に鋼帯のトップエッジを掛け、このトップエッジと巻取
リールに跨がるように前記緩衝材をセットするがこのと
きに少なくとも紙質材が次巻の鋼帯に当るように向きを
調整して緩衝材をセットし、鋼帯の巻取りを進めるよう
にしたことを特徴とするコイル巻取方法。
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JP17622297A JP3152286B2 (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | コイルエンドマーク防止用緩衝材及びコイル巻取方法 |
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JP17622297A JP3152286B2 (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | コイルエンドマーク防止用緩衝材及びコイル巻取方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17622297A Expired - Fee Related JP3152286B2 (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | コイルエンドマーク防止用緩衝材及びコイル巻取方法 |
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