JP3151756B2 - 鋳物製造用生型砂組成物及び生型砂用添加剤 - Google Patents

鋳物製造用生型砂組成物及び生型砂用添加剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳物を作製する際に使
用する生型として、表面安定性に優れた生型を製造する
ための鋳物製造用生型砂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、生型は、砂と、活性粘土及び
水とよりなる鋳物製造用生型砂組成物を混練し、その組
成物を所望の型につき固めて製造されている。また、活
性粘土以外に、鋳肌を改善するための石炭粉やピッチ等
の炭化物成分や、砂同士の結着力を向上させるための澱
粉等の接着剤成分等を、砂に添加して鋳物製造用生型砂
組成物とすることも行なわれている。
【0003】ところで、生型砂中の水分と生型の物理的
特性には密接な関係があり、生型の強度・表面安定度等
を一定以上に保つために、比較的多量の水を添加した
後、混練して生型を製造している。しかしながら、添加
する水が多いと、生型砂の流動性が低下し、生型の充填
性が悪くなるという欠点及び得られる鋳物にピンホール
が生じたり、或いは鋳物があばた状となって、鋳物に多
数の欠陥が生じるという欠点があり、水分の少ない生型
砂システムが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、鋳物製造用生型砂組成物中の水が減少でき、且つ、
表面安定性に優れた生型を得ることを目的として、種々
研究を行なった。その結果、その作用は明らかではない
が、鋳物製造用生型砂組成物中に界面活性剤及び多価ア
ルコールを添加することによって、水が減少でき、且
つ、表面安定性に優れた生型を得られることを見出し、
本発明に到達したのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、界面活
性剤と多価アルコールを必須成分として含有することを
特徴とする鋳物製造用生型砂組成物に関するものであ
る。また、この鋳物製造用生型砂組成物を得る際に、砂
に添加する界面活性剤及び多価アルコールを含有する生
型砂用添加剤に関するものである。
【0006】本発明に使用する砂としては、従来公知の
ものを使用することができ、例えば天然産である、海
砂,山砂,珪砂等を使用することができる。また、活性
粘土としても、従来公知のものを使用することができ、
代表的にはベントナイトが使用され、また木節粘土も使
用することができる。本発明において、その他の任意成
分として石炭粉やピッチ等の炭化物、又は澱粉等の接着
剤を鋳物製造用生型砂組成物中に含有させることもでき
る。
【0007】本発明において、特徴的なことは、鋳物製
造用生型砂組成物中に界面活性剤及び多価アルコールが
含有されていることである。界面活性剤としては、アニ
オン界面活性剤,ノニオン界面活性剤,カチオン界面活
性剤,又は両性界面活性剤のいずれかが単独で又は混合
して使用される。
【0008】アニオン界面活性剤としては、以下の(I)
〜(VII)に示したものを使用することができる。 (I)ナフタリン,アルキルナフタリン,アルキルフェノ
ール,アルキルベンゼン等の芳香族型化合物のスルホン
酸又はスルホン酸塩のホルマリン縮合物。但し、ホルマ
リンの平均縮合度は1.2〜100であり、塩としては、アン
モニウム,モノエタノールアミン,ジエタノールアミ
ン,トリエタノールアミン,トリエチルアミン等の低級
アミン、又はナトリウム,カリウム,マグネシウム,カ
ルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属であ
る。
【0009】(II)リグニンスルホン酸,リグニンスルホ
ン酸塩,若しくはそれらの誘導体,リグニンスルホン酸
とナフタリン或いはアルキルナフタリン等の芳香族化合
物のスルホン酸とのホルマリン縮合物又はその塩。塩と
しては、上記いずれの場合も、アンモニウム,モノエタ
ノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールア
ミン,トリエチルアミン等の低級アミン、又はナトリウ
ム,カリウム,マグネシウム,カルシウム等のアルカリ
金属又はアルカリ土類金属である。また、ホルマリンの
平均縮合度は1.2〜50である。
【0010】(III)ポリスチレンスルホン酸又はその
塩,スチレンスルホン酸と他の共重合性モノマーの共重
合体又はその塩。但し、重量平均分子量は500〜50万で
あり、塩としては、アンモニウム,モノエタノールアミ
ン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,トリ
エチルアミン等の低級アミン、又はナトリウム,カリウ
ム,マグネシウム,カルシウム等のアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属である。
【0011】(IV)ジシクロペンタジエンスルホン酸重合
物又はその塩。重合物の重量平均分子量は500〜50万で
あり、塩としては、アンモニウム,モノエタノールアミ
ン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,トリ
エチルアミン等の低級アミン、又はナトリウム,カリウ
ム,マグネシウム,カルシウム等のアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属である。
【0012】(V)無水マレイン酸又は/及び無水イタコ
ン酸と他の共重合性モノマーの共重合体又はその塩。但
し、重量平均分子量は500〜50万であり、塩としては、
ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属又はアンモニウ
ムである。
【0013】(VI)液状ポリブタジエンのマレイン化物又
はその塩。但し、液状ポリブタジエンの重量平均分子量
は500〜20万であり、塩としては、ナトリウムやカリウ
ム等のアルカリ金属又はアンモニウムである。
【0014】(VII)親水基を分子中に1個又は2個持
つ、次の(a)〜(h)に示すアニオン界面活性剤。 (a)炭素数4〜18のアルコールの硫酸エステル塩。但し、
塩としては、アンモニウム,モノエタノールアミン,ジ
エタノールアミン,トリエタノールアミン,トリエチル
アミン等の低級アミン、又はナトリウム,カリウム,マ
グネシウム,カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ
土類金属である。
【0015】(b)炭素数4〜18のアルカン,アルケン,α
−オレフィン又は/及びアルキルアリールスルホン酸又
はその塩。但し、塩としては、アンモニウム,モノエタ
ノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールア
ミン,トリエチルアミン等の低級アミン、又はナトリウ
ム,カリウム,マグネシウム,カルシウム等のアルカリ
金属又はアルカリ土類金属である。
【0016】(c)活性水素を分子中に1個以上持つ化合
物のアルキレンオキシド付加物の硫酸化物若しくはリン
酸エステル化物、又はそれらの塩。但し、塩としては、
アンモニウム,ナトリウム,カリウム,マシグネシウム
又はカリウムである。
【0017】(d)炭素数4〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の
エステルであるスルホコハク酸塩。但し、塩としては、
アンモニウム,ナトリウム又はカリウムである。
【0018】(e)アルキルジフェニルエーテルジスルホ
ン酸又はその塩。但し、アルキル基の炭素数は8〜18で
あり、塩としては、アンモニウム,ナトリウム,カリウ
ム,マグネシウム又はカリウムである。
【0019】(f)ロジン酸又はその塩。但し、塩として
は、アンモニウム,ナトリウム又はカリウムである。な
お、ロジン酸と高級脂肪酸との混合物であるトール油又
はその塩もこの中に含まれる。
【0020】(g)炭素数4〜18の飽和若しくは不飽和脂肪
酸又はそれらの塩。但し、塩としてはアンモニウム,カ
リウム又はナトリウムである。
【0021】(h)炭素数8〜18のα−スルホ脂肪酸エステ
ル。
【0022】ノニオン界面活性剤としては、以下の(I)
〜(VII)に示したものを使用することができる。 (I)フェノール,クレゾール,ブチルフェノール,ノニ
ルフェノール,ジノニルフェノール,ドデシルフェノー
ル,パラクロルフェノール,ビスフェノールAなどのフ
ェノール性水酸基を有する化合物のアルキレンオキシド
付加物。但し、アルキレンオキシドとしては、エチレン
オキシド,プロピレンオキシド,ブチレンオキシド,又
は/及びスチレンオキシドである。
【0023】(II)アルキルフェノール,フェノール,メ
タクレゾール,スチレン化フェノール,ベンジル化フェ
ノール等のフェノール性水酸基を有する化合物のホルマ
リン縮合物のアルキレンオキシド付加物。ホルマリン縮
合物の平均縮合度は1.2〜100であり、アルキレンオキシ
ドとしては、エチレンオキシド,プロピレンオキシド,
ブチレンオキシド,又は/及びスチレンオキシドであ
る。
【0024】(III)炭素数2〜50の一価の脂肪族アルコー
ル又は/及び炭素数2〜50の脂肪族アミンのアルキレン
オキシド付加物。但し、アルキレンオキシドとしては、
エチレンオキシド,プロピレンオキシド,ブチレンオキ
シド,又は/及びスチレンオキシドである。
【0025】(IV)エチレンオキシドと、プロピレンオキ
シド,ブチレンオキシド又は/及びスチレンオキシドと
のブロック又はランダム付加重合物。
【0026】(V)グリセリン,トリメチロールプロパ
ン,ペンタエリスリトール,ソルビトール,蔗糖,ポリ
グリセリン,エチレングリコール,ポリエチレングリコ
ール,プロピレングリコール,ポリプロピレングリコー
ル等の多価アルコール、又はこれらの多価アルコールと
炭素数8〜18の脂肪酸とのエステルにアルキレンオキシ
ドを付加した付加物。但し、アルキレンオキシドとして
は、エチレンオキシド,プロピレンオキシド,ブチレン
オキシド,又は/及びスチレンオキシドである。
【0027】(VI)エチレンジアミン,テトラエチレンジ
アミン,ポリエチレンイミン(重量平均分子量600〜1
万)等の複数個の活性水素を有する多価アミンのアルキ
レンオキシド付加物。但し、アルキレンオキシドとして
は、エチレンオキシド,プロピレンオキシド,ブチレン
オキシド,又は/及びスチレンオキシドである。
【0028】(VII)トリグリセライド型油脂1モルと、グ
リセリン,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリト
ール,ソルビトール,蔗糖,エチレングリコール,重量
平均分子量1000以下のポリエチレングリコール,プロピ
レングリコール,重量平均分子量1000以下のポリプロピ
レングリコールよりなる群から選ばれた1種又は2種以
上の多価アルコール、又は/及び水0.1〜5モルとの混合
物に、アルキレンオキシドを付加した付加物。但し、ア
ルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド,プロピ
レンオキシド,ブチレンオキシド,又は/及びスチレン
オキシドである。
【0029】カチオン界面活性剤としては、以下の(I)
〜(VII)に示したものを使用することができる。 (I)炭素数4〜18のアルキル又は/及びアルケニルアミン
を無機酸又は有機酸で中和したアルキル又は/及びアル
ケニルアミン塩。
【0030】(II)以下の化1〜化3に表わされる第4級
アンモニウム塩。
【化1】
【化2】
【化3】
【0031】(III)化4に表わされるアルキルベタイ
ン。
【化4】
【0032】(IV)化5で表わされるアルキルアミンオキ
サイド。
【化5】
【0033】(V)化6で表わされるアルキルアラニン。
【化6】
【0034】(VI)化7又は化8で表わされるポリアミー
ト。
【化7】
【化8】
【0035】(VII)化9又は化10で表わされるポリア
ミン塩。
【化9】
【化10】
【0036】両性界面活性剤としては、以下の(I)又は
(II)に示したものを使用することができる。 (I)化11で表わされるイミダゾリン型両性界面活性
剤。
【化11】
【0037】(II)化12で表わされるスルホベタイン型
両性界面活性剤。
【化12】
【0038】また、多価アルコールとしては、エチレン
グリコール,プロピレングリコール,トリメチレングリ
コール,テトラメチレングリコール,ペンタメチレング
リコール,ヘキサメチレングリコール,ジエチレングリ
コール,トリエチレングリコール,テトラエチレングリ
コール,ポリエチレングリコール,ジプロピレングリコ
ール,ポリプロピレングリコール等の2価アルコール、
グリセリン,トリメチロールエタン,トリメチロールプ
ロパン等の3価アルコール、ジグリセリン,ペンタエリ
スリトット等の4価アルコール等を使用することができ
る。特に、エチレングリコール,グリセリン,ジグリセ
リンを使用するのが好ましい。
【0039】本発明に係る鋳物製造用生型砂組成物中に
おいて、砂と他の成分との配合割合は、以下のとおりで
あるのが好ましい。即ち、砂と活性粘土との配合割合
は、砂100重量部に対して、活性粘土5〜12重量部である
のが好ましい。活性粘土が5重量部未満であると、砂同
士の粘結力が不足し、強度の高い生型を得られにくくな
る傾向が生じる。逆に、活性粘土が12重量部を超える
と、生型の通気度が不足し、得られる鋳物にピンホール
が生じたり、或いはあばた状の欠陥が生じる傾向とな
る。また、砂と界面活性剤との配合割合は、砂100重量
部に対して、界面活性剤0.001〜1.0重量部であるのが好
ましい。界面活性剤が0.001重量部未満であると、界面
活性剤の添加による水分の減少効果が少ない。逆に、界
面活性剤が1.0重量部を超えても、界面活性剤の効果は
飽和状態となって、界面活性剤の使用が不経済になると
共に、砂表面に界面活性剤の皮膜が生じやすくなり、砂
同士の結着力が低下して、得られる生型の強度が低下す
る傾向が生じる。更に、砂と多価アルコールとの配合割
合は、砂100重量部に対して、多価アルコール0.5〜5重
量部であるのが好ましい。多価アルコールが0.5重量部
未満であると、鋳物製造用生型砂組成物中の水量を多く
しないと、砂同士の結着力を向上させにくくなる傾向が
生じる。逆に、多価アルコールが5重量部を超えると、
砂の流動性が低下し、生型の充填性が悪くなる傾向とな
る。
【0040】また、石炭粉やピッチ等の炭化物を鋳物製
造用生型砂組成物中に含有させる場合には、これを砂10
0重量部に対して、1〜5重量部程度配合するのが好まし
い。炭化物が1重量部未満であると、表面の奇麗な鋳物
を得られにくくなる傾向が生じる。逆に、炭化物が5重
量部を超えると、得られる鋳物にピンホールが生じた
り、或いはあばた状の欠陥が生じる傾向となる。また、
澱粉を鋳物製造用生型砂組成物中に含有させる場合に
は、これを砂100重量部に対して、1〜5重量部程度配合
するのが好ましい。澱粉が1重量部未満であると、型こ
われ造型不良、砂かみ・すくわれ欠陥発生防止の効果が
得られにくくなる。逆に、澱粉が5重量部を超えると、
得られる鋳物にピンホールが生じたり、或いはあばた状
の欠陥が生じる傾向となる。
【0041】本発明に係る鋳物製造用生型砂組成物は、
砂に、活性粘土、界面活性剤、多価アルコール及び他の
任意成分(炭化物や接着剤等)を添加し、混練すること
によって得ることができる。一般的に、生型砂はシステ
ム砂として繰り返し再使用に供せられるものである。こ
のため、システム砂中には、所定量の活性粘土,界面活
性剤及び多価アルコール等が既に含有されている。従っ
て、溶湯熱によって損耗した量だけ、活性粘土,界面活
性剤及び多価アルコール等を添加して、前記した所望の
配合割合となるように鋳物製造用生型砂組成物を得るの
である。システム砂に対する、活性粘土等の添加量は、
一般的に以下のとおりであるのが好ましい。即ち、シス
テム砂100重量部に対して、活性粘土は0.2〜0.8重量部
程度、界面活性剤は0.0001〜0.1重量部程度、多価アル
コールは0.01〜0.5重量部程度、炭化物は0.02〜0.2重量
部程度、接着剤は0.02〜0.2重量部程度である。なお、
活性粘土,界面活性剤及び多価アルコール等の添加物
は、システム砂に同時に添加しても良いし、別々に添加
しても良い。
【0042】また、この鋳物製造用生型砂組成物に水を
添加する場合には、砂100重量部に対して、4重量部以下
の水を添加するのが好ましい。4重量部を超える水を添
加すると、本発明の目的とする水分量の少ない生型を得
られにくくなる傾向が生じる。水の添加方法は、界面活
性剤を水と溶解させた界面活性剤水溶液として、界面活
性剤と共に添加するのが好ましい。また、界面活性剤及
び多価アルコールを適宜量配合した添加水溶液を作成し
ておいて、これを砂に添加しても良いし、更にこれに活
性粘土を配合した水溶液を砂に添加しても良い。
【0043】
【実施例】
実施例1〜10及び比較例1〜4 オーストラリア産珪砂100重量部に対して、ベントナイ
ト7重量部、石炭粉3重量部、更にα−澱粉、水、界面活
性剤水溶液及び多価アルコールを表1に示した割合で添
加し、混練機(シンプルソン型ミル)によって12分間混
練した。このようにして得られた鋳物製造用生型砂組成
物を使用して、JIS Z-2604法に基づき50mmφ×50mmの円
柱体を製造した。得られた円柱体を用いて、表面安定度
を測定した。この表面安定度は、円柱体を6メッシュの
篩上に載置し、全体をロータップ型篩機にかけ、60秒間
振とうする。篩上に残った円柱体の重量をBg、振とう
前の円柱体の重量をAgとして、次式により算出する。
表面安定度(%)=(B/A)×100である。この結果
を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】実施例11〜18及び比較例5,6 α−澱粉、水、界面活性剤水溶液及び多価アルコールを
表2に示した割合で添加した他は、実施例1と同様にし
て円柱体を得た。そして、得られた円柱体を40℃×55%
RHの恒温器内に1時間放置させた他は、実施例1と同様
にして、この円柱体の表面安定度(%)を測定した。そ
の結果を表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】実施例及び比較例の両者を比較すれば明ら
かなように、鋳物製造用生型砂組成物中に界面活性剤及
び多価アルコールを添加含有させれば、組成物中の水の
量が少なくても、得られる生型の表面安定性が格段に向
上することが分かる。従って、実施例の如く、鋳物製造
用生型砂組成物中に界面活性剤及び多価アルコールを添
加含有させておけば、組成物中の水の量を減少させて
も、得られる生型の表面安定性が低下するのを防止しう
るのである。
【0048】
【作用】本発明において、鋳物製造用生型砂組成物中に
界面活性剤及び多価アルコールを添加含有させておく
と、得られる生型の表面安定性が向上する理由は、定か
ではないが、以下のように推定することができる。即
ち、鋳物製造用生型砂組成物中の界面活性剤によって、
水に対する活性粘土の濡れ性が高まり、活性粘土の粘結
力が向上する。従って、鋳物製造用生型砂組成物中に界
面活性剤を含有させておくと、少ない水量で砂間の粘結
力が向上し、水を多量に使用して活性粘土の濡れを大き
くした場合と同等の粘結力を得ることができると推定し
うる。また、多価アルコールは水によく溶解し、そして
水との水素結合によって水をよく捕捉する。更にまた、
多価アルコールは沸点が高いため、蒸発しにくい。従っ
て、鋳物製造用生型砂組成物中の水は系外へ拡散しにく
く、水が有効に活性粘土を濡らすことになる。この両者
の相乗作用によって、少ない水量で砂間の粘結力が大き
く向上し、得られる生型の表面安定性が向上すると推定
しうるのである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る鋳物
製造用生型砂組成物中には、界面活性剤及び多価アルコ
ールが添加含有されているので、水を多量に組成物中に
含有させなくても、表面安定性に優れた生型が得られる
のである。従って、生型中における水量を多くしなくて
もよいので、多量の水使用による弊害、即ち得られる鋳
物にピンホールが生じたり、或いはあばた状欠陥が生じ
るという弊害を防止することができる。また、鋳物製造
用生型砂組成物中に水が多量に存在しなくとも、界面活
性剤及び多価アルコールの作用によって、組成物の混練
効率の低下を防止しうるという効果も奏する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 - 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤と多価アルコールを必須成分
    として含有することを特徴とする鋳物製造用生型砂組成
    物。
  2. 【請求項2】 界面活性剤及び多価アルコールを含有す
    ることを特徴とする生型砂用添加剤。
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