JP3151569B2 - 溶剤の製法 - Google Patents

溶剤の製法

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は洗剤製造で副生する特定
の留分から、安定性に優れた芳香族溶剤を製造する方法
に関するものであり、更に本発明の溶剤を反応用媒体と
して用いた顔料銅フタロシアニンの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】芳香族系溶剤は塗料、インキ、ゴム、粘着
剤、接着剤、金属の脱脂洗浄、反応溶剤等多方面で使用
されている。特に芳香系溶剤は脂肪族系溶剤に比較し
て溶解性に優れており多種類の物質をよく溶解すること
から好んで使用される溶剤である。高温で使用しても酸
化に耐える芳香族系物質の多くは高沸点になるほど結晶
性物質が多くなるため、例え高温で使用するときは液状
を保っていても、常温に戻すと結晶化するなど実用溶剤
としては使用できないのが現状である。また使用上高温
でも常温でも液状を保つ高沸点芳香族類は、しばしば高
温に於ける溶剤自身の酸化問題があり安定した溶剤とし
ては不十分なものである。このため使用上の高温でも酸
化に耐え且つ常温でも固化しない溶剤はその供給量が限
られており高価な溶剤であり、その安価な製造方法が望
まれていた。
【0003】また有用な顔料である銅フタロシアニンは
種々な合成法が提案されているが、工業的な製造法に
は、(1)フタロニトリルと銅または銅塩とを反応に不
活性な反応用媒体中で反応させるニトリル溶剤法、
(2)フタル酸、無水フタル酸またはフタルイミド等と
尿素および銅または銅塩とを反応に不活性な反応用媒体
中で反応させるフタル酸溶剤法が多く用いられている。
【0004】これらの反応用媒体には従来はクロルベン
ゼン類等が用いられていたが、ハロゲン化溶剤からの臭
い等の作業環境を守る必要性から改善がなされてきてい
る。この改善の一つとしてハロゲンを用いない反応用媒
体の提案が見られ、特開昭48−60126号、特開昭
49−63735号、特開昭49−116121号、特
開昭50−44224号、特開昭52−38536号、
特公昭44−26372号公報等に種々の反応用媒体が
提案されている。
【0005】一方、分岐状オレフィンとベンゼンとを強
酸性触媒の存在下反応させて洗剤用アルキルベンゼンを
製造することは、工業的に大規模に行われている。これ
にともない、副生する留分の多量であるがその有効な用
途が未だなかった。また、単に蒸留したのみでは、必ず
しも銅フタロシアニン顔料製造用溶剤として適当ではな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら提案されている
反応用媒体は、製造された銅フタロシアニン顔料の色調
が鮮明でない、特定の構造をもつ溶剤であるため供給性
が充分でないため価格が高い等大規模に実施する工業的
な面から鮮明な色調を与える反応用媒体の効率的な製造
方法が望まれている。そのほか、有用な用途のなかった
洗剤用アルキルベンゼン製造時の副生油の有用な用途を
開発せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第一
は、10%留出温度が175℃以上90%留出温度が2
10℃以下で平均沸点が175℃以上200℃以下であ
る分岐状オレフィンとベンゼンとを強酸性触媒の存在下
で反応させて洗剤用アルキルベンゼンを製造した後、該
反応で得られた副生留分を蒸留分離および非芳香族成分
の除去に供して、沸点が200℃以上230℃以下の成
分を主として含み、平均沸点が200℃以上220℃以
下、沸点範囲が30℃以下の留分からなり且つ次式で示
される指数
【数2】 (式中n20は20℃に於ける屈折率、D20は20℃に於
ける密度(g/cc)、Bpは平均沸点(℃)であって、蒸留
試験による10%、50%、90%留出温度を(10%
留出温度(℃)+2×50%留出温度(℃)+90%留
出温度(℃))/4で算出した数値をそれぞれ示す。)
6.96×10-4以上7.63×10-4以下の留分を
取得することを特徴とする耐酸化性溶剤の製造方法に関
する。
【0008】さらに本発明の第二は、無水フタル酸もし
くはその誘導体と尿素と銅もしくは銅塩を、またはフタ
ロニトリルもしくはその誘導体と銅もしくは銅塩を溶剤
中で加熱反応せしめて銅フタロシアニンを製造する方法
において、上記方法により得られた耐酸化性溶剤を用い
ることを特徴とする銅フタロシアニン顔料の製造方法に
関し、工業的に有用な溶剤を提供することと、鮮明な顔
料の製造を可能ならしめるものである。
【0009】以下に本発明をさらに説明する。本発明
は、所定の分岐状オレフィンとベンゼンとを強酸性触媒
の存在下に反応させて洗剤用アルキルベンゼンを製造す
ると共に、同反応で生成する副生留分を分離取得する
洗剤用アルキルベンゼンを製造する時生成する副生留
は、分岐した構造を持つオレフィンを用いたとき開裂や
再結合等複雑な反応が繰り返され最終的に反応混合物が
得られ、これが本発明の溶剤の製造目的に特に適合して
いることを見出した。分岐オレフィンはプロピレン単独
を重合して得られるものでもプロピレンと他の低級オレ
フィンであるエチレン、ブテン類、ペンテン類との混合
重合で得られるものが好ましく使用できるが、プロピレ
ン単独での重合による分岐オレフィンが更に好ましく使
用できる。
【0010】本発明の分岐状オレフィンは10%留出温
度が175℃以上90%留出温度が210℃以下で平均
沸点が175℃以上200℃以下のものである。分岐オ
レフィンの沸点がこの範囲を越えるときは、本発明の原
料留分の副生量が減少して生産の効率が低下し実用上好
ましくない。
【0011】ベンゼンと分岐オレフィンとを反応させる
強酸性触媒の具体的例としては、硫酸、弗化水素等の無
機強酸および無水塩化アルミニウム等のハロゲン化アル
ミニウム等を挙げることができる。分岐オレフィンとベ
ンゼンを反応させる条件は、強酸性触媒の種類により変
動し適宜選択できるが、温度−5℃以上50℃以下、ベ
ンゼンの分岐オレフィンに対する割合は2倍モル以上5
0倍モル以下、使用する触媒は反応物に対して1重量%
以上等重量倍で選択することができる。
【0012】本発明の方法による耐酸化性溶剤を規定す
る留出温度および平均沸点は、石油製品一般に適応され
ているASTM試験法D86(対応JIS K2254
−1990、ISO 3405−1988 Petro
leum products−Determinati
on distillation character
istics)により定義されている蒸留試験法により
決定される数値である。また沸点範囲は5%留出温度
(℃)と95%留出温度(℃)との差で表される数値で
ある。さらに平均沸点は5%、50%および95%留出
温度から、(5%留出温度(℃)+2×50%留出温度
(℃)+95%留出温度(℃))/4の式により算出さ
れる数値である。なお、単に沸点という場合は通常の意
味による。
【0013】工業的に使用する時、溶剤は高い溶解性や
高温での使用でそれ自身が安定であることに加え、使用
後の回収が容易なこと、安全に取り扱えることも実用上
は重要な要素となる。本発明の方法による耐酸化性溶剤
を得るためには、平均沸点が200℃以上220℃以
下、沸点範囲が30℃以下である留分が好ましい。平均
沸点が200℃未満で沸点範囲が30℃を越える時は、
耐酸化性溶剤が引火しやすくなり取り扱う上で特別な対
策が必要となる。また平均沸点が220℃を越え沸点範
囲が30℃を越える場合は、使用した後などで溶剤を回
収する効率が落ちると共に溶剤の溶解性が低下し好まし
くない。洗剤製造時の副生留分から、上記で特定された
温度範囲の留分を蒸留で得ることによりそれ自身芳香族
系溶剤として望まれる特性を有するが、そのままでは必
ずしも銅フタロシアニン顔料製造用溶剤として適当では
なかった。
【0014】本発明者はさらに検討した結果、屈折率、
密度および平均沸点によって導かれる指数を向上させれ
ば更にその特性改善のできることを見いだした。すなわ
ち当該特定沸点留分を非芳香族成分を分離除去する操作
により20℃に於ける屈折率、20℃に於ける密度およ
び平均沸点によって導かれる指数が6.96×10−4
以上7.63×10−4以下の範囲にするものである。
この指数が6.96×10−4未満である時は溶剤とし
て溶解性が低下し好ましくない。
【0015】本発明者は、たとえばアルキルベンゼンな
どの芳香族炭化水素化合物の耐酸化性能、特に銅フタロ
シアニン製造用溶剤としての性能とその化学構造との関
係を考察し、その結果、分子としての形状がよりコンパ
クトな分子である方が好ましいことを見いだした。そし
て、分子量一定ならば分子形状としての分子のコンパク
トな度合は密度や屈折率に比例することに着目し、副生
留分の密度や屈折率を関数とする前記特定指数によれ
ば、特に複雑な成分分析によらなくとも簡便に耐酸化性
能、特に銅フタロシアニン製造用溶剤としての性能と相
関付けられることを見いだしたのである。
【0016】非芳香族成分の分離・除去は、従来芳香族
炭化水素と非芳香族炭化水素を分離する手段として知ら
れている任意の分離の手段を適宜選択して用いることが
できる。たとえば、これらの方法として吸着剤を用いる
吸着手段および溶剤を用いる溶剤抽出手段や抽出蒸留手
段を挙げることができる。吸着手段では、非芳香族成分
と芳香族成分とに選択性を持つ、シリカゲル、ゼオライ
ト、活性白土等を用いることができる。溶剤抽出手段や
抽出蒸留手段では、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、Nメチルピロリドン、スルホラン、フルフラ
ール等を抽出溶剤として用いることができる。
【0017】非芳香族成分の分離は、本発明の溶剤とし
て予め蒸留により特定沸点範囲を持つ留分を得た後非芳
香族成分を分離してもよいし、予め非芳香族成分を分離
した副生留分を蒸留して特定沸点範囲を持つ留分を得て
も何れの方法でも本発明の目的を達成することができ
る。いずれの場合も、前記特定指数の範囲内となるよう
に吸着剤を用いる吸着手段、溶剤を用いる溶剤抽出手段
あるいは抽出蒸留手段などにおける処理温度、処理時
間、抽出の場合の抽出用溶剤の使用割合などの条件を調
節することが肝要である。たとえば、溶剤抽出の場合に
は、非芳香族分離溶剤を対象留分の0.1〜50容量倍
使用し、温度20〜90℃で10分〜10時間振盪する
ことにより行うことができる。
【0018】更に本発明者は本発明の耐酸化性溶剤が銅
フタロシアニン顔料製造用の反応媒体として優れた性質
を有することを見いだした。前記1)のニトリル溶剤法
による銅フタロシアニン顔料の製造は、フタロニトリル
またはクロロフタロニトリル、フェニルフタロニトリル
などのその誘導体と銅または塩化銅、硫酸銅、酢酸銅な
どの銅塩とを本発明の溶剤の存在下に反応させる。
【0019】銅または銅塩中の銅1グラム原子あたりフ
タロニトリルもしくはその誘導体を1〜10モル使用す
る。また、前記2)のフタル酸溶剤法による銅フタロシ
アニン顔料の製造は、無水フタル酸またはフタル酸、フ
タル酸ジアミド、フタルアミノ酸、フタルイミド、ハロ
ゲン核置換体、アルキル核置換体などのその誘導体と、
尿素もしくはビューレット、トリウレットなどのその誘
導体と銅もしくは塩化銅、硫酸銅、酢酸銅などの銅塩と
を本発明の溶剤の存在下に反応させる。
【0020】触媒は、必須ではないが、酸化モリブデ
ン、モリブデン酸アンモニウム、モリブデンカルボニル
のようなモリブデン化合物、酸化砒素のような砒素化合
物あるいはほう酸などを触媒とすることができる。上記
原料等の使用割合は、フタル酸に対して銅または銅塩を
10〜30モル%、尿素類を50〜500モル%、本発
明の溶剤を1〜10重量倍程度、そして必要に応じて添
加する触媒が、0.1重量倍程度である。
【0021】通常は反応を効率よく達成するために溶剤
を反応用媒体として用い、160℃以上250℃以下好
ましくは180℃以上230℃以下の反応温度で製造さ
れる。従って工業的な銅フタロシアニン顔料製造には使
用される反応用媒体の沸点が重要な因子となる。本発明
の方法で用いる反応用媒体は、沸点が200℃以上23
0℃以下の成分を主として含む炭化水素混合物で、平均
沸点が200℃以上220℃以下、沸点範囲が30℃以
下の沸点を持つものである。主として含まれる成分の沸
点が200℃未満であるかまたは溶媒の平均沸点が20
0℃未満の場合、上記の反応温度を維持するために必要
以上の加圧に耐え得る製造設備が要求され工業的な実施
には好ましくない。また主として含まれる成分の沸点が
230℃を越えるかまたは溶媒の平均沸点が220℃を
越えると、製造された顔料から反応用媒体を蒸発分離す
るときの効率が低くなると共に反応用媒体を蒸発回収す
る時に必要以上の高温が必要となり顔料の鮮明さに良く
ない効果をもたらすため好ましくない。さらに銅フタロ
シアニン顔料の工業規模での製造では、反応終了後生成
した顔料と反応用媒体との分離を減圧蒸発分離で行うの
が一般的な方法として採用されている。この際30℃を
越えた沸点範囲を持つ反応用媒体では、安定して反応用
媒体を除去するためには、減圧および加熱操作に対して
複雑な調整を必要とし大量に扱う工業的実施には好まし
くない。
【0022】本発明の方法に用いる反応用媒体は20℃
に於ける屈折率、20℃に於ける密度および平均沸点に
よって導かれる指数が6.96×10−4以上7.63
×10−4以下のものである。本発明者らは、製造され
る銅フタロシアニン顔料の性能を決定するうえで反応用
媒体の沸点が実用上重要な要因であると共に、反応用媒
体の持つこの指数が非常に重要な役割を果たしているこ
とを見いだした。反応用媒体の持つ指数が6.96×1
−4未満また7.63×10−4を越える場合は、用
いる原料に対する製品顔料の得率が低下し、また得られ
る顔料の鮮明さが充分でなく工業的に銅フタロシアニン
顔料製造用に使用することができなくなる。
【0023】
【発明の効果】安定性に優れた溶剤でありさらに顔料製
造用反応媒体として好ましい溶剤が洗剤製造の副産留分
を蒸留し、特定指数に従い非芳香族成分を分離除去する
ことにより得られる。かくすることにより、単に蒸留す
るのみよりも副生留分の性状が格段に改良される。
【0024】
【実施例】以下実施例により本発明の方法を更に詳しく
具体的に説明する。 実施例1「溶剤の製造」 無水塩化アルミニウムを触媒に用い、ベンゼンと炭素数
9〜13の分岐状オレフィンの混合物で平均沸点181
℃(10%沸点177℃、90%沸点186℃)である
プロピレン重合体とを反応させ得られた副生留分を蒸留
分離し下記の性状を有する各留分を得た。
【0025】実施例2「溶剤の製造」 無水弗化水素を触媒に用い、ベンゼンと炭素数9〜15
の分岐状オレフィンの混合物で平均沸点192℃(5%
沸点182℃、95%沸点210℃)であるプロピレン
重合体とを反応させ得られた副生留分を蒸留分離し下記
の性状を有する各留分を得た。
【0026】実施例3「非芳香族成分の除去」 実施例1で得られた留分Aと非芳香族分離溶剤であるエ
チレングリコールとを分液ロートを用い50℃で1時間
振盪した後、同一温度に於て1時間静置させた。静置後
非芳香族分離溶剤層を回収し、3倍容量の水を加え有機
層を回収した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後、減圧蒸留により非芳香族成分の除去された留分
を得た。
【0027】
【表1】 溶剤量は使用した留分Aまたは留分Bに対するエチレン
グリコールの容量倍を示す。
【0028】実施例4「溶剤の耐酸化性」 加熱装置、温度計、還流冷却器を備えた容量200ml
のガラス製丸底フラスコに実施例で得られた本発明の溶
剤である留分AIから留分AIIIおよび留分BIから
留分BIIIと比較する留分である留分Aおよび留分B
を各々100cc供給し、還流温度に保ち、溶剤自身の
着色の程度を比較するために波長420nmにおける吸
光度の時間変化を測定した。還流温度に保っている期間
中蒸発した留分の蒸気は還流冷却器の中で空気と接触す
る状態に保った。
【0029】
【表2】 表中の数値は波長420nmに於ける吸光度×1000
を表す。
【0030】各留分の耐酸化性を加熱下に於ける着色の
程度で比較するための420nmに於ける吸光度測定
(溶液の黄色に着色する程度を示す)の結果、本発明の
方法による非芳香族成分を分離された溶剤である留分A
Iから留分AIIIおよび留分BIから留分BIIIは
いずれも分離前の留分A、留分B比較し高温で空気と接
触する状態に置かれても安定性が高く溶剤自身着色する
程度が低いことが明かとなり、耐酸化性が優れていた。
【0031】実施例5「銅フタロシアニンの製造」 無水フタル酸26.6g、尿素45.6g、無水塩化第
一銅4.4g、モリブデン酸アンモニウム0.01gと
反応媒体として実施例および比較例で得られた各留分1
85gを用いて攪拌器、温度計、加熱器、還流冷却器を
備えた容量500mlの容器に供給し、還流温度に保ち
保ち2時間反応させた。還流温度に保った反応期間中蒸
発した反応媒体として用いた各留分の蒸気は還流冷却器
の中で空気と接触する状態に保った。
【0032】冷却後反応物を減圧濾過により除去し、4
00gのメタノール中で2回洗浄し濾過した。溶剤を除
去後2%苛性曹達水溶液4l中で1時間煮沸洗浄した後
濾過し、洗浄水が中和するまで熱水洗浄を繰り返した。
さらに2%塩酸2lを用い同様に煮沸洗浄、濾過、熱水
で中和点まで洗浄し青色粉末である銅フタロシアニンを
得た。温度85〜95℃の減圧乾燥器により乾燥後得ら
れた顔料を鮮明度試験に使用した。
【0033】得られた顔料12g、椰子油変性アルキッ
ド樹脂(油長33%でキシレンの60%溶液)56g、
メラミン樹脂28g、キシレン10gをおよび酸化チタ
ン粉末2g容量300ccの陶器製回転式ボールミルに
入れ5時間混練し、顔料分散塗料を調整した。得られた
塗料を膜厚10ミルのアプリケーターで厚み0.2mの
白色上質紙に塗布後、120℃において熱風乾燥し焼付
け処理を行い、塗料塗布面の反射率を測定し塗布面の色
相の濃さを測定した。反射率の測定は波長610nmの
光を用いた。
【0034】
【表3】 塗布面の濃さは上白紙面の反射率を100%とした反射
率(%)で示す。
【0035】反応媒体として使用した各留分の顔料製造
用反応媒体として比較するための反射率(塗布面の色相
の濃さの程度を示す)の結果、本発明の方法による非芳
香族成分を分離された溶剤である留分AIから留分AI
IIおよび留分BIから留分BIIIはいずれも分離前
の留分A、留分B比較して得られた銅フタロシアニンの
色相が深く顔料合成用溶剤として好ましい性能を備えて
いることを示していた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−247296(JP,A) 特開 平2−247295(JP,A) 特開 平2−247293(JP,A) 特開 平2−247292(JP,A) 特開 平2−247291(JP,A) 特開 平2−247290(JP,A) 特開 平2−247289(JP,A) 特開 平2−247288(JP,A) 特開 平2−247287(JP,A) 特開 平2−247286(JP,A) 特開 昭53−22524(JP,A) 特開 昭52−38536(JP,A) 特開 昭52−36130(JP,A) 特開 昭50−44224(JP,A) 特開 昭60−61540(JP,A) 特開 昭49−134633(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 7/00 C09B 47/06 C07C 15/00 - 15/085 C11D 7/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10%留出温度が175℃以上90%留
    出温度が210℃以下で平均沸点が175℃以上200
    ℃以下である分岐状オレフィンとベンゼンとを強酸性触
    媒の存在下で反応させて洗剤用アルキルベンゼンを製造
    した後、該反応で得られた副生留分を蒸留分離および非
    芳香族成分の除去に供して、沸点が200℃以上230
    ℃以下の成分を主として含み、平均沸点が200℃以上
    220℃以下、沸点範囲が30℃以下の留分からなり且
    つ次式で示される指数 【数1】 (式中n20は20℃に於ける屈折率、D20は20℃に於
    ける密度(g/cc)、Bpは平均沸点(℃)であって、蒸留
    試験による10%、50%、90%留出温度を(10%
    留出温度(℃)+2×50%留出温度(℃)+90%留
    出温度(℃))/4で算出した数値をそれぞれ示す。)
    6.96×10-4以上7.63×10-4以下の留分を
    取得することを特徴とする耐酸化性溶剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 無水フタル酸もしくはその誘導体と尿素
    と銅もしくは銅塩を、またはフタロニトリルもしくはそ
    の誘導体と銅もしくは銅塩を溶剤中で加熱反応せしめて
    銅フタロシアニンを製造する方法において、請求項1に
    おいて得られた耐酸化性溶剤を用いることを特徴とする
    銅フタロシアニン顔料の製造方法。
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