JP3151465B2 - オゾン発生器の生成方法 - Google Patents

オゾン発生器の生成方法

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JP3151465B2 JP07447594A JP7447594A JP3151465B2 JP 3151465 B2 JP3151465 B2 JP 3151465B2 JP 07447594 A JP07447594 A JP 07447594A JP 7447594 A JP7447594 A JP 7447594A JP 3151465 B2 JP3151465 B2 JP 3151465B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱臭・殺菌・漂白など
の用途に使用するオゾンの発生器の生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在広く実用に供されている放電現象を
利用したオゾン発生器をその放電現象面から分類する
と、上下水道の殺菌や脱臭、脱色など主に産業用として
従来から用いられている無声放電方式と冷蔵庫の脱臭や
トイレの脱臭など主に民生用として近年用いられるよう
になった沿面放電方式がある。無声放電方式は、図4
(a) や特開昭54−119389号などが示すように、
低圧電極1と高圧電極2を内蔵した誘電体3を対向させ
て配設し、上記高圧電極2に高周波高電圧を印加して低
圧電極1と誘電体3との間に設けた通常1〜2mmの空
隙10に酸素を含む原料ガスを通過させ、空隙10に流
れる原料ガスの電気絶縁を破壊して平等な電界により生
じる静かなグロー放電の一種である無声放電を生じさせ
オゾンを生成する方式である。無声放電方式は、原理上
放電領域として空隙10を設けることと平等な電界を用
いることから高圧電極2に印加する電圧が比較的高くな
り、また、必要とする体積もその分大きくなるという欠
点を持っている。従ってこの無声放電方式は高電圧を利
用するという観点から見た安全性に対する問題や構造的
な観点から見たスペースファクターに対する問題があ
り、冷蔵庫の脱臭装置やトイレの脱臭装置など民生用途
には殆ど用いられていないのが現状である。沿面放電方
式は、図4(b) に示す様に放電電極4と対向電極5間に
誘電体3を配設し、これら放電電極4と対向電極5間に
高周波高電圧を印加し、放電電極面に酸素を含む原料ガ
スを通過させ、この原料ガスの電気絶縁を破壊して沿面
放電を生じさせオゾンを発生する方式である。放電は、
放電電極4のエッジ部分と対向電極5間に発生する強い
不平等電界により生じる放電現象を利用している。この
方式では、構造的に強い電界を作り出しているため比較
的低い印加電圧でオゾン生成が可能であり、構造上放電
電極4と対向電極5が薄い誘電体3を介して密接してい
るのでオゾン発生器としては非常にコンパクトになる長
所を持っている。従って、高電圧を利用する観点から見
た安全性並びに構造的な観点から見たスペースファクタ
ーは無声放電方式と比較すると飛躍的に向上しており、
冷蔵庫の脱臭装置やトイレの脱臭装置など民生用機器は
もとより、半導体製造工程など一部産業用途にも広く利
用されはじめている。
【0003】沿面放電方式のオゾン発生器の構成は前述
の如く図4(b) に示すとおりであるが、ここでその性能
を発揮するために重要な要素である誘電体3に求められ
る主な特徴について考察すると、誘電率が大きいこと、
耐オゾン性が優れていること、耐コロナ性が優れている
こと、絶縁破壊電圧が大きいこと、表面が平滑であるこ
と、加工性に優れていることがあげられる。先ず、誘電
体3の誘電率が大きい必要性について沿面放電方式のオ
ゾン発生器の電気的等価回路を用いて説明する。沿面放
電方式のオゾナイザの放電電極4と対向電極5間で誘電
体3が密着している部分に起因する静電容量、即ち非放
電部の静電容量をCpとし、放電電極4と対向電極5が
密着していない部分の静電容量、即ち放電部の静電容量
をCdとする。Cdは原料ガス層と誘電体3が複合誘電
体を形成していると考えられ、原料ガス層に起因する静
電容量分をCg、誘電体に起因する静電容量分をCsと
すると、CdはCgとCsの直列接続と考えることが出
来る。また、CpとCdは並列に接続されているとみな
すことが出来る。これらの電気的等価回路を図4(c) に
示す。今、オゾンの生成は前述の如く原料ガス層の電気
絶縁破壊によって生じるのであるから、オゾン発生器に
印加する電圧Eは効率よくCg部分に印加されなければ
ならない。よく知られているように、電源と並列に接続
された静電容量に対してはその静電容量値に関わりなく
電源電圧と同一の電圧がいずれの静電容量に対しても印
加され、直列に接続された静電容量に対してはその静電
容量値に逆比例して電源電圧が印加される。従って、C
pとCdには電源Eから供給される電圧がそのまま印加
されることとなり、CgとCsには、Cdに印加された
電源電圧がその静電容量に逆比例して印加されることに
なる。前述の如く、Cgに電源電圧を効率よく印加する
ためにはCsがCgより十分に大きい必要があり、静電
容量値はその誘電率の大きさに比例するので、Csを大
きくするためには誘電体の誘電率が大きい必要がある。
次に、誘電体3の表面が平滑であることの必要性につい
て説明する。沿面放電方式のオゾン発生器においては、
誘電体3の誘電率や厚み、放電電極4の形状や厚み、放
電電極4に印加する電圧を調整して適当な強さの不平等
電界を形成し、効率よくオゾンの生成を行っている。例
えば、誘電体3の厚みや誘電率は対向電極5と放電電極
4との間の電界強度を調節する上で重要な要素であり、
放電電極4が形成する電界が強すぎればオゾン発生器の
単位面積当たりの電流密度が上昇して発熱し、オゾンは
その熱により急速に分解され効率の悪いオゾン発生器と
なる。また、形成した電界強度によっては誘電体3の電
気絶縁破壊を招くこともある。逆に放電電極4が形成す
る電界が弱過ぎる場合には放電が放電電極4の一部分で
しか発生しない現象や放電の持続に必要な初期電子が不
足することに起因して不安定な放電しか発生しない現象
が生じ、効率の悪いオゾン発生器となる。このように沿
面放電方式のオゾン発生器を構成する誘電体3と放電電
極4はオゾン発生に対して重要な意味を持っているが、
放電を形成する放電電極4と放電電極4に接する誘電体
3表面は特に密接な関係を保ちながらオゾンを生成する
放電に寄与している。例えば、放電電極4近傍の誘電体
3表面上に水分の付着が生じた場合には、ここに導電部
が生じたと同一の状態となり、放電電極4に印加される
電圧がこの部分にも印加され、放電電極4の形状で定め
た電界強度が緩和されてオゾン生成能が低下することと
なる。また、例えば空気中に含まれるシリコン蒸気がオ
ゾン発生時の放電現象によって気相化学反応を生じ酸化
シリコンなどの微細な絶縁体固形物となり放電電極4近
傍の誘電体3表面に付着固化して積層した場合には、放
電領域の誘電率の配分が変化し、オゾンの発生能が低下
する。放電電極4近傍の誘電体3表面に対する水分の付
着や固形物の固着は前述のように沿面放電方式のオゾン
発生器のオゾン発生能に対して大きな影響を与えるが、
放電電極4近傍の誘電体表面が平滑であれば接触面積が
小さいことなどの効果により水分の吸着は少なくなり、
固形物の固着は生じ難くなる。また、耐オゾン性が優れ
ていることについてはオゾン発生器の誘電体3が直接オ
ゾンに暴露されることより、耐コロナ性に優れているこ
とについては誘電体3が直接放電にされることより、絶
縁破壊電圧が大きいことに関しては誘電体3に直接高電
圧が印加されることより、加工性が優れていることに関
してはその製造コストが低減される点よりそれぞれ重要
な特徴となることが明らかである。従来から存在する沿
面放電方式のオゾン発生器の多くは、誘電体3としてセ
ラミックを用いている。その主な理由としては、誘電率
が大きいこと、耐オゾン性が優れていること、耐コロナ
性が優れていること、絶縁破壊電圧が大きいことであ
る。
【0004】誘電体3としてセラミックを用いた沿面放
電方式のオゾン発生器の製造方法は、セラミックをバイ
ンダーに混ぜて紙状の中間材料を作り、2枚の紙状中間
材料に対してタングステンインキで放電電極4、対向電
極5をそれぞれ個別に厚膜印刷し、これらを重ね合わせ
て1500℃程度の水素炉にて焼結する方法が主流であ
る。誘電体3としてセラミックを用いたオゾン発生器に
おいては、誘電体3が焼結により製造されることから表
面がポーラスになっており、水分の付着、固形物の固着
が生じ易い。従って、湿度の高い環境に放置されたオゾ
ン発生器が所定のオゾン発生能を得るまでに時間を要し
たり、また場合によってはオゾンを全く生成しないなど
の問題を生じていたが、最近ではオゾン発生器に加熱用
抵抗を付加し、この抵抗にオゾン発生とは直接関係の無
い例えば直流12Vの電源を供給してオゾン発生器を加
熱、付着した水分を蒸発させオゾン発生能の水分付着に
対する問題を解決する方法が広がってきた。この加熱用
抵抗はセラミックを製造する段階で紙状の中間材料に所
定の抵抗値を持つように印刷する方法やオゾン発生器製
造後にチップ状の発熱抵抗体を貼付する方法がとられて
いるが、抵抗体に供給する加熱用電源を別途準備する必
要があること、製造工程が増加し、製造コストが上昇す
ることなど多くの問題点を抱えている。また、固形物の
固着に関しては特に有効となる手段は講じられておら
ず、オゾン発生器の寿命を決定する大きな要因となって
いる。
【0005】従来用いられていた沿面放電方式のオゾン
発生器において平滑な表面を持つ適当な誘電体3の材料
として考えられるのが天然マイカである。よく知られて
いるように、天然マイカはへき開性を有する薄片が層状
をなしている無機絶縁材料であり、その表面は平滑で、
絶縁破壊電圧値が大きく、耐コロナ性、耐オゾン性に優
れており、誘電率もセラミックと同等程度の大きさを有
している。天然マイカは前述の沿面放電方式のオゾン発
生器の誘電体3に必要な条件の多くの部分を満たしては
いるが、実使用上において特にへき開性を有する点につ
いて問題があった。即ち、天然マイカは薄片状の無機質
が層をなしており、機械的応力が加わると積層している
薄片のうち結合力の弱い部分に容易に剥離を生じて天然
マイカ中に空洞を発生し、この空洞に強い電界が作用す
ると空洞内で電源周波数と同一の周波数でボイド放電を
生じる。この狭い空間内で高周波の放電が生じると、空
間内部の空隙は放電による発熱で加熱されて熱膨張を生
じ、これが空洞近傍の天然マイカに対して歪を与え、天
然マイカ層の剥離を広げる結果となる。天然マイカ層に
発生した空洞部分は誘電率が極めて低く、この部分に印
加電圧は集中することとなり、本来放電電極4近傍の原
料ガス空間に分圧されて印加されるべき電圧を低下さ
せ、オゾン発生能を低下させる原因となる。ここで、沿
面放電方式のオゾン発生器の誘電体3にかかる機械的ス
トレスを検討すると、高周波電圧が印加されることによ
るごく僅かな静電気力と、熱膨張に伴う応力、使用者が
オゾン発生器を取り扱う上で与えるストレス、オゾン発
生器を製作する上で加工により与えるストレスが考えら
れる。本発明者らはこれらオゾン発生器製作上あるいは
使用上問題となるであろう機械的ストレスを想定し、曲
げ応力試験、加熱試験など種々の試験を行ったところお
おむね100μm以上の厚みを持つ天然マイカにおいて
は、想定した機械的ストレスにより天然マイカ層中に剥
離を生じることを見いだした。従って、沿面放電方式の
オゾン発生器の誘電体3として天然マイカを使用する場
合には層中に剥離を生じていない100μm以下の厚み
にした天然マイカを使用しなければならないことが判明
した。しかしながら、沿面放電方式の誘電体3の厚み
は、絶縁破壊強度などの観点から300μm〜500μ
mが適当であり、従って100μm以下の厚みの天然マ
イカのみでは実用に供せないことがあきらかとなった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、誘電体3と
してセラミックを用いた沿面放電方式のオゾン発生器の
短所である放電電極4近傍の誘電体3表面への水分の付
着によるオゾン発生能の低下ならびに固形物の固着によ
るオゾン発生能の低下に対して、同じ沿面放電方式であ
りながら高湿度環境においても加熱用抵抗体並びにオゾ
ン発生に直接寄与しない電源は用いることなく素早くオ
ゾンを発生させることができ、かつ固形物の固着が生じ
難い天然マイカを放電電極4に接する誘電体3の表面に
用いて長寿命で安定したオゾン発生能を有するオゾン発
生器の生成方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1の発明は、板状の対向電極の上に
静電容量を確保できる厚みの板状の主誘電体を重ね、前
記主誘電体の上部に板状の天然マイカ板を重ね、前記天
然マイカ板の上部に板状の放電電極を重ね、さらに前記
放電電極の上部に中央部に窓を開けた窓枠板状の前記天
然マイカ板の押さえを重畳し、前記対向電極と前記押え
板間の積層体を加熱圧着して形成することを特徴とする
オゾン発生器の生成方法である。
【0008】さらに、本発明の請求項2の発明は、前記
天然マイカ押さえは天然マイカ板の端部全周を覆うよう
に配設し、かつ前記天然マイカ押さえには前記放電電極
の電源接続端子側に対して他端側に切り欠き部と、前記
放電電極の他端側とそれに対向する前記天然マイカ押さ
え端面との間に空隙を設けたことを特徴とする請求項1
記載のオゾン発生器の生成方法である。
【0009】また、本発明の請求項3の発明は、前記対
向電極の下部に放電電極接続用端子窓の穴を穿孔した絶
縁板を積層したことを特徴とする請求項1記載のオゾン
発生器の生成方法である。
【0010】
【作用】本発明者らの実験では天然マイカはおおむね1
00μm以下の厚みであれば沿面放電方式のオゾナイザ
の誘電体3に生じる機械的ストレスにも十分耐えうるこ
とを見いだしたので、例えば誘電率の大きな誘電体材料
と天然マイカを層状にすることにより誘電体3としての
合計厚みを確保しかつ誘電体3全体としての合成静電容
量を確保することができ、効率のよい、耐湿性や寿命特
性に優れたオゾン発生器を得ることが出来る。また、加
工性の優れている集成マイカなどの誘電体材料と天然マ
イカとを積層し誘電体3としての合計厚みを確保すれ
ば、誘電体3としてセラミックを用いている沿面放電方
式のオゾン発生器の製造にみられるような高温の水素炉
を用いるなど複雑かつ大がかりな製造工程の必要がな
く、耐湿性や寿命特性に優れた沿面放電式オゾン発生器
を容易に製造することができる。
【0011】加えて、本発明者らの実験では、天然マイ
カの機械的ストレスによる剥離は天然マイカの端面から
生じ易いことが判明しており、天然マイカ板9の端部全
周を覆う天然マイカ押さえ11を配設することにより、
天然マイカ板9の剥離を確実に防止し、より機械的スト
レスに強い、天然マイカ板9を放電電極4の接触面に用
いた沿面放電方式のオゾン発生器を得ることができる。
また、この場合には厚み100μm以上の厚みの天然マ
イカ板9を使用することも可能となる。
【0012】更に、上記構成において放電電極4と天然
マイカ板9の熱膨張係数の差異を吸収する方策として放
電電極4の全面を固定せず、その一部を固定するのみに
とどめることにより放電電極4の熱膨張が天然マイカ板
9に与える機械的ストレスを最小限にとどめることが出
来、オゾン発生器の信頼性を飛躍的に高めることが出来
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例の一つについて
図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a) は本発明
により完成したオゾン発生器の一部を破面した斜視図、
図1(b) はその断面図である。本オゾン発生器は絶縁板
6、対向電極5、主誘電体8、天然マイカ板9、放電電
極4、天然マイカ押さえ11の順に積層されており、絶
縁板6に設けられた端子窓12の部分を通じて放電電極
4と対向電極5間に所定の高周波高電圧を印加すること
により放電電極4近傍の酸素を含む原料ガスで絶縁破壊
を生じさせ、沿面放電を作り出してオゾンを生成するこ
とができる。
【0014】本オゾン発生器の製造方法の概略を図2を
用いて説明する。本オゾン発生器は図2に示す如く絶縁
板6となる放電電極接続用端子窓12aと対向電極接続
用端子窓12bを打ち抜き加工したエポキシ樹脂をバイ
ンダーとする未硬化の集成マイカシート13、対向電極
5となるステンレス鋼14、主誘電体8となる放電電極
接続用端子窓12aを打ち抜き加工したエポキシ樹脂を
バインダーとする未硬化の集成マイカシート15、天然
マイカ板9、放電電極4となるステンレス鋼16、天然
マイカ押さえ11となる放電電極4の放電に必要な面が
露出でき、放電電極4の一端とは接触し、放電電極4の
他端とは接触しないように切り欠き溝7を作り、天然マ
イカの板9端部全周を覆うことが出来る形状寸法に加工
したエポキシ樹脂をバインダーとする未硬化の集成マイ
カシート17を積層し、これを約180℃の温度にて加
熱圧着したものである。天然マイカ板9の端面は天然マ
イカ押さえ11により全周を覆われ、剥離が生じ難くな
っており、また、放電電極4の一端は天然マイカ押さえ
11により固定されているものの他端は天然マイカ押さ
え11に作られた切り欠き溝7の中でフリーの状態とな
っており、放電による加熱で熱膨張を生じても膨張分を
切り欠き溝7の内部で吸収し、放電面に接する天然マイ
カ板9には何等ストレスを与えない構造になっている。
ここで、放電電極4が固定されていない場合、一般には
放電電極4と天然マイカ板9の間に空隙が生じ、この部
分が見かけ上の空洞となってボイド放電を生じ、オゾン
の生成に対して悪影響をもたらすと考えられるが、放電
電極4と対向電極5間には高周波高電圧が印加されてい
るので、放電電極4は生じた静電気力により天然マイカ
板9表面に吸引密着され放電電極4と天然マイカ板9間
に空洞が生じることはなく、従って放電電極4の全面を
固定することなくともオゾン発生は正常に行われる。
【0015】本オゾン発生器のオゾン発生特性を図3を
用いて説明する。図3は高湿度環境における本考案のオ
ゾン発生器のオゾン発生能で、原料ガスとして温度35
℃、相対湿度95%の空気を毎分1700CC流してい
る。本実験に使用した本発明のオゾン発生器は、従来か
らある誘電体3としてセラミックを用いた沿面放電式オ
ゾン発生器と同一の電圧、周波数でドライブした時の低
湿度時の飽和オゾン発生量を合わせて製作したものであ
る。図3のオゾン発生器駆動時間に対するオゾン発生濃
度に着目すれば、本発明のオゾン発生器は約10分で飽
和オゾン発生量に達しているが、誘電体にセラミックを
用いた従来からあるオゾン発生器では約60分後によう
やく飽和オゾン発生量に達する。この実験結果が示すよ
うに、天然マイカを放電電極接触面に用いることによ
り、従来の誘電体3としてセラミックを用いた沿面放電
式オゾナイザに比較して明らかに水分の影響を受け難い
ことがわかる。本実施例では天然マイカ押さえ11を配
設したが、前述した如く、必ずしも天然マイカ押さえ1
1は必要ではなく、天然マイカ板9の厚みを100μm
以下にして用いることにより、十分に実用に耐えるオゾ
ン発生器を構成することが出来る。また、本実施例では
絶縁板6を配設したが、これは構造上放電電極接続端子
と対向電極接続端子間を確実に絶縁することを目的とし
たもので、放電電極接続端子と対向電極接続端子間の距
離を十分に離すかまたは十分な絶縁強度を有する樹脂等
でこれらの部分を覆い、絶縁を保つ場合には必ずしも必
要ではない。むしろオゾン発生器の放熱を考慮した場合
には、金属に比べて熱伝導率が小さい誘電体で絶縁板6
を配設することはさけた方がよいと考えられる。 本実
施例で用いたオゾン発生器を構成する材料については、
必ずしも実施例通りである必要はなく、例えば主誘電体
8としてけいそ樹脂をバインダーとした集成マイカを用
いることなども可能であり、放電電極4として導電性の
セラミックを用いることも可能である。また、各構成材
料を積層化する方法についても例えば既に硬化している
適当な誘電体材料を接着剤にてコーティングし、これを
貼り合わせるなど他の方法によっても良い。ただし、こ
の場合積層化した各構成材料間に空隙が生じないよう細
心の注意を払う必要がある。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、前述の如く実用上問題
となる天然マイカの剥離に対する防止を行った沿面放電
方式のオゾン発生器が簡便に得られ、ひいてはオゾンの
発生に直接寄与しない電源や発熱用抵抗体を用いること
無く高湿度環境下においても安定したオゾン発生能が素
早く得られる高性能のオゾン発生器の生成方法を得るこ
とができる。すなわち、本発明には以下に述べる効果が
認められる。 [1] 加えて、本発明者らの実験では、天然マイカの
機械的ストレスによる剥離は天然マイカの端面から生じ
易いことが判明しており、天然マイカ板の端部全周を覆
う天然マイカ押さえを配設することにより、天然マイカ
板の剥離を確実に防止し、より機械的ストレスに強い、
天然マイカ板を放電電極の接触面に用いた沿面放電方式
のオゾン発生器を得ることができる。また、この場合に
は厚み100μm以上の厚みの天然マイカ板を使用する
ことも可能となる。 [2] 更に、上記構成において放電電極と天然マイカ板
の熱膨張係数の差異を吸収する方策として放電電極の全
面を固定せず、その一部を固定するのみにとどめること
により放電電極の熱膨張が天然マイカ板に与える機械的
ストレスを最小限にとどめることが出来、オゾン発生器
の信頼性を飛躍的に高めることが出来る。 [3] 本オゾン発生器は、絶縁板となる放電電極接続用
端子窓と対向電極接続用端子窓を打ち抜き加工したエポ
キシ樹脂をバインダーとする未硬化の集成マイカシー
ト、対向電極となるステンレス鋼、主誘電体となる放電
電極接続用端子窓を打ち抜き加工したエポキシ樹脂をバ
インダーとする未硬化の集成マイカシート、天然マイカ
板、放電電極となるステンレス鋼、天然マイカ押さえと
なる放電電極の放電に必要な面が露出でき、放電電極の
一端とは接触し、放電電極の他端とは接触しないように
切り欠き溝を作り、天然マイカの板端部全周を覆うこと
が出来る形状寸法に加工したエポキシ樹脂をバインダー
とする未硬化の集成マイカシートを積層し、これを約1
80℃の温度にて加熱圧着したものである。天然マイカ
板の端面は天然マイカ押さえにより全周を覆われ、剥離
が生じ難くなっており、また、放電電極の一端は天然マ
イカ押さえにより固定されているものの他端は天然マイ
カ押さえに作られた切り欠き溝の中でフリーの状態とな
っており、放電による加熱で熱膨張を生じても膨張分を
切り欠き溝の内部で吸収し、放電面に接する天然マイカ
板には何等ストレスを与えない構造になっている。ここ
で、放電電極が固定されていない場合、一般には放電電
極と天然マイカ板の間に空隙が生じ、この部分が見かけ
上の空洞となってボイド放電を生じ、オゾンの生成に対
して悪影響をもたらすと考えられるが、放電電極と対向
電極間には高周波高電圧が印加されているので、放電電
極は生じた静電気力により天然マイカ板表面に吸引密着
され放電電極と天然マイカ板間に空洞が生じることはな
く、従って放電電極の全面を固定することなくともオゾ
ン発生は正常に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオゾン発生器の一部を破面した斜視図
と断面図
【図2】本発明のオゾン発生器の製造方法の概略説明図
【図3】高湿度環境下における本発明のオゾン発生器の
オゾン発生能を表した図
【図4】無声放電式オゾン発生器の概要図と沿面放電式
オゾン発生器の概略図と沿面放電式オゾン発生器の電気
的等価回路
【符号の説明】
1 低圧電極 2 高圧電極 3 誘電体 4 放電電極 5 対向電極 6 絶縁板 7 切り欠き溝 8 主誘電体 9 天然マイカ板 10 空隙 11 天然マイカ押さえ 12a 放電電極接続用端子窓 12b 対向電極接続用端子窓 13 絶縁板となる未硬化の集成マイカシート 14 対向電極となるステンレス鋼 15 主誘電体となる未硬化の集成マイカシート 16 放電電極となるステンレス鋼 17 天然マイカ押さえとなる未硬化の集成マイカシー
ト Cp 非放電部の静電容量 Cd 放電部の静電容量 Cg 放電部の静電容量のうちガス層に起因する静電容
量 Cs 放電部の静電容量のうち誘電体に起因する静電容
量 E オゾン発生器に印加する電圧
フロントページの続き (72)発明者 若林 洋一 福岡県行橋市西宮市二丁目13番1号 安 川コントロール株式会社 行橋工場内 (72)発明者 池田 敏彦 福岡県中間市大字中間6596番地の1 株 式会社岡部マイカ工業所内 (72)発明者 由良 修一 福岡県中間市大字中間6596番地の1 株 式会社岡部マイカ工業所内 (56)参考文献 特開 平7−48104(JP,A) 特開 平4−89304(JP,A) 特開 昭48−20386(JP,A) 特開 昭54−56094(JP,A) 特開 昭53−70093(JP,A) 特開 昭55−15909(JP,A) 特開 昭56−145103(JP,A) 実開 平7−9943(JP,U) 実開 昭56−23636(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 13/11 A61L 9/015 H01T 23/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の対向電極の上に静電容量を確保で
    きる厚みの板状の主誘電体を重ね、 前記主誘電体の上部に板状の天然マイカ板を重ね、 前記天然マイカ板の上部に板状の放電電極を重ね、 さらに前記放電電極の上部に中央部に窓を開けた窓枠板
    状の前記天然マイカ板の押さえを重畳し、 前記対向電極と前記押え板間の積層体を加熱圧着して形
    成することを特徴とするオゾン発生器の生成方法。
  2. 【請求項2】 前記天然マイカ押さえは天然マイカ板の
    端部全周を覆うように配設し、かつ前記天然マイカ押さ
    えには前記放電電極の電源接続端子側に対して他端側に
    切り欠き部と、前記放電電極の他端側とそれに対向する
    前記天然マイカ押さえ端面との間に空隙を設けたことを
    特徴とする請求項1記載のオゾン発生器の生成方法。
  3. 【請求項3】 前記対向電極の下部に放電電極接続用端
    子窓の穴を穿孔した絶縁板を積層したことを特徴とする
    請求項1記載のオゾン発生器の生成方法。
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