JP3150865U - 緊締具 - Google Patents
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このようにベルトを緊締した状態にするため、倍力機能やあるいは該倍力機能とラチェット機構を具備した種々の形態の緊締具が使用されてきた。
例えば、「ラチェット・バックル」と呼ばれる緊締具の場合を例に挙げて述べると、ベルトの一端を該緊締具の一端に形成したベルト固定軸にU字状に巻装させた状態で該ベルトの一端とそれに重なるベルト部分とを糸で強固に縫着し、自由端となる該ベルトの他端を緊締具の巻取りホィールに巻き付けて、巻取りハンドルを動作(揺動)させて該ベルトを巻き取って必要な緊締を与えるように構成されていた。
前記固定部材として、前記引締め可能固定部材から離間した位置に、該引締め可能固定部材のベルト固定軸と軸長手方向がそれぞれ略平行になるように、一対になった第1と第2のベルト固定軸部材を離間して配置したことを特徴とする。
従って、本考案にかかる緊締具によれば、荷物を固定するのに必要な長さ以上に長いベルトを用意さえしておけば、どのような長さのベルトであっても前記第1と第2のベルト固定軸部材でベルトを適正な長さに調整して緊締することが可能となる。なお、ベルトが長すぎて邪魔になると思う状況の場合には、必要な長さよりやや長いベルトを用意すれば、余ったベルト部分が邪魔になることなく緊締具を使用することができる。
また、必要とする長さに対して十分に長いベルトを使用する場合には、「目」の字状の金具(一般に「Hバックル」と呼ばれる。また、材質的には、樹脂製のものも含む。この明細書および実用新案登録請求の範囲等において、材質に関係なく、便宜的に金具ベルトという)等を用いて、ベルトの余りの部分をこの金具部分で吸収して、ベルト長さを調整して使用することもできる。
前記ベルトの他端部を、前記第1のベルト固定軸部材と前記第2のベルト固定軸部材にベルトが適宜長さになるように固定し、その状態で、前記ベルトの一端部を巻取りホィールに取着して、前記巻取りハンドルを操作してベルトの一端部を巻取りホィールに巻き取ると、ベルトを緊締することが可能となる。
そして、前記緊締に際して、ベルトの他端部は前記第1と第2のベルト固定軸部材に巻装されてベルト同士の接合部分の摩擦力によって、該緊締具に固定することが可能となる。
前記第1のベルト固定軸部材が、前記第2のベルト固定軸部材に対して、反巻取りホィール側に配置されている構成にすると、ベルトの一端を前記巻取りホィールに、ベルトの他端を前記第1および第2のベルト固定軸部材に固定することが可能となり、かかる緊締具もベルトの張力が作用する方向に沿って配置される点で好ましい構成となる。
以下、本考案の実施例を図面を参照しながらより本考案をより具体的に説明する。
(実施例1)
図1,図2に示すように、本実施例にかかる締結具Aは、大別して、断面が軽量溝形鋼状(軽量チャンネル鋼状)のフレーム1と、このフレーム1に対して回転軸o1(図2参照)を中心に所定角度(この実施例では略110度程度)だけ回動自在に配置されて、緊締しようとするベルトBの自由端部B1,B2のうちの一方(この実施例では「自由端部B1」)の端部を巻き取る巻取りホィール(引締め固定部材の一種)2と、前記巻取りホィール2の回転軸o1(図2参照)を中心に回転(この実施例では、少なくとも前記所定角度だけ揺動)して「てこの原理」を利用して前記巻取りホィール2を回転させる巻取りハンドル3と、前記巻取りハンドル3と前記フレーム1の間に介装され、該巻取りハンドル3を、該フレーム1に対して巻取り方向(図1,図2において時計方向)の揺動(回転)動作時に前記巻取りホィール3に係止して、該巻取りホィール3を回転動作せしめその逆方向の揺動(回転)動作時に該巻取りホィール3をフリーにして該巻取りホィール3を逆止することによって該巻取りホィール3を一方向(図1おいて時計方向)にのみ回転させることを可能にするラチェット機構4とを有している。
なお、前記自由端部B1がこの実施例において第1端部となる。しかし、前記自由端B2を第1端部とすることも可能である。つまり、ベルトBの両端部がいずれ自由端部であることから、使用する態様によって、いずれの端部も第1端部とすることが可能である。
また、このフレーム1の両側の側部材1bの、前記巻取りホィール2が配設される部分には、該巻取りホィール2の側面形状に合わせて略円形の拡張部1cが形成されている。そして、この拡張部1cには、前記巻取りホィール2の端部を貫通して回転自在に支持する保持穴1hが形成されている。
また、前記両側の側部材1bの前記拡径部1cに隣接して且つ該拡径部1cに向けて、前記ラチェット機構4の第1爪部材4Aの両端部をスライド自在に支持するための、スリット1dが形成されている。
さらに、前記フレーム1の底部材1aの前記スリット1dが形成されている反拡径部1c側には、該底部材1aの一部が前記側部材1bと同じ方向(上方)に屈曲されて且つ該側部材1bより低く立ち上がった立設部分1eが形成されている。この立設部分1eには、係止穴1kが形成され、この係止穴1kに前記第1爪部材4Aの一端が係止されている。そして、前記立設部分1eと前記第1爪部材4Aの背面の間には、該第1爪部材4Aの背面を反立設部分1e側に押圧する第1ばね部材10の一端が係止されている。
また、前記第2爪部材4Bの基端部(図1において上端部)には指で操作可能なハンドル4hが形成されており、かかるハンドル4hを操作して第2爪部材4Bを後退させることによって、前記巻取りホィール2の前記一方向への巻取りを不能とすることができるように構成されている。
さらに、前記巻取りハンドル3の前記巻取りホィール2への取着部分には、カム面3rが形成されており、この巻取りハンドル3の長手方向が前記フレーム1の長手方向に一致させた状態とすると、前記第1ばね部材10の押圧力に抗して、前記カム面3が前記第1爪部材4Aを後方(図1,図2において左方)へ移動させて、前記ラチェットホィール5に対する第1爪部材4の係合を解除することができるよう構成されている。
そして、この実施例では、図5に図示するように、前記第1のベルト固定軸部材7と第2のベルト固定軸部材8はフレーム1の側面視における上下方向(図2,図5において上下方向)において同じ高さ位置h1(図5参照)に配置されている。しかし、図6に図示するように、前記第1のベルト固定軸部材7が前記第2のベルト固定軸部材8より低い位置(下位位置)に配置してもよく、かかる場合には、これら第1のベルト固定軸部材7と前記第2のベルト固定軸部材8へのベルトB巻付け角が大きくなり、ベルトBの自由端部B2の緊締具Aへの固定がより強固にすることができる点で好ましい構成となる。
このため、前記巻取りハンドル3を、図1,図2に示す状態から図3,図4に示す状態に所定角度だけ回動させ、次に逆方向に回転させる、これら二方向の回動動作を繰り返すことによって、ベルトBの自由端部(第1端部)B1を緊締具Aに巻き取ることができる。そして、かかる動作の間、前記ベルトの他端部となる自由端部B2は、緊締具Aの反対側の端部に強固に固定された状態を維持することになる。
ところで、前記実施例1に記載した締結具に代えて、要求されるベルトの緊締力が人が手で引張れる程度の低くてもよい場合には、図9に図示するような構成の緊締具A1であってもよい。実施例1と異なる構成を中心に説明すると、この実施例2にかかる緊締具A1は、断面が軽量溝形鋼状(軽量チャンネル鋼状)のフレーム101と、このフレーム101の長手方向の略中央部に該フレーム101の両側部材101b間に枢支されたベルト固定軸120と、このベルト固定軸120により前記フレーム101の両側部材101bに枢着されて所定角度揺動することができるバックル(引締め固定部材)102とを有する。また、第1と第2のベルト固定軸部材107,108は、実施例1と同様に、前記フレーム101の前記ベルト固定軸120から離間した位置に該ベルト固定軸120と軸長手方向が略平行になるよう配置されている。
また、ベルトBの一端部B1を前記バックル102の背面に通して手で引締めた状態で該バックル102を揺動操作することによって、つまり、該バックル102を図9の二点鎖線で示す状態に揺動操作することによって、その引締めた状態でベルトBを固定することが可能となっている。
B…ベルト
1…フレーム
2(102)…巻取りホィール(引締め可能固定部材)
7(107)…第1のベルト固定軸部材
8(108)…第2のベルト固定軸部材
Claims (6)
- ベルトの一端を固定する固定部材と該ベルトの他端若しくは他のベルトの一端を引締めた状態で固定する引締め固定部材と、前記固定部材および引締め固定部材とを支承するフレームとを備えた緊締具であって、
前記固定部材として、前記引締め固定部材から離間した位置に、該引締め固定部材のベルト固定軸と軸長手方向がそれぞれ略平行になるように、一対になった第1と第2のベルト固定軸部材を離間して配置したことを特徴とする緊締具。 - 前記引締め固定部材を、ベルトを巻き取る巻取りホィールで構成するとともに、該巻取りホィールを回転軸を中心に回転自在に前記フレームに支承せしめ、該フレームに対して前記回転軸を中心に該巻取りホィールを回転させる巻取りハンドルを設け、前記巻取りハンドルと前記フレームの間に介装され該巻取りハンドルを巻取り方向に回転動作させる時に前記巻取りホィールに係止して該巻取りホィールを回転動作せしめ且つその逆方向の回転動作させる時に該巻取りホィールをフリーにして該巻取りホィールを逆止することによって、該巻取りホィールを一方向にのみ回転させることを可能にするラチェット機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の緊締具。
- 前記巻取りホィールが前記フレームの長手方向の一端部に配置されるとともに、前記第1と第2の軸固定軸部材が該フレームの長手方向の他端部に配置されており、
前記第1のベルト固定軸部材が、前記第2のベルト固定軸部材に対して、反巻取りホィール側に配置されていることを特徴とする請求項2記載の緊締具。 - 前記第1のベルト固定軸部材と、前記第2のベルト固定軸部材とが、フレームの上下方向において略等しい位置に配置されていることを特徴とする請求項3記載の緊締具。
- 前記第1のベルト固定軸部材が、前記第2のベルト固定軸部材より、フレームの下位位置に配置されていることを特徴とする請求項3記載の緊締具。
- 前記第1のベルト固定軸部材を枢支する前記フレームに形成されている枢支穴が、長穴に形成されており、その長穴の長手方向が前記第2のベルト固定軸部材に近接するに従ってフレームの下方位置になるように斜めに形成され、該第1のベルト固定軸部材がフレームに対して移動可能に枢支されていることを特徴とする請求項4又は5記載の緊締具。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011163434A (ja) * | 2010-02-09 | 2011-08-25 | Kurimoto Ltd | 推進工法用キャスター |
JP2019049279A (ja) * | 2017-09-08 | 2019-03-28 | 株式会社東京建設コンサルタント | 河川の流況などを観測する機器を橋梁高欄に設置するのに適した台座装置 |
WO2022102084A1 (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-19 | アヴィエラン株式会社 | ラッシングベルト |
JP7406867B1 (ja) * | 2023-08-30 | 2023-12-28 | オーエッチ工業株式会社 | ベルト締結装置 |
-
2009
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