JP3150809B2 - 液圧転写箔 - Google Patents
液圧転写箔Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、立体形状物の表面に
液圧により図柄層を沿わせて転写する方法に使用する液
圧転写箔に関する。
液圧により図柄層を沿わせて転写する方法に使用する液
圧転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、立体形状物の表面に液圧によ
り図柄層を沿わせて転写する方法として、水溶性のベー
スシート1上に、転写時の溶剤添加により粘着性を発揮
する水不溶性の図柄層2が設けられた液圧転写箔5(図
7参照)を用い、図柄層2に溶剤を添加して柔軟性や粘
着性を発現させる(図9a参照)とともに、液圧転写箔
5を水または温湯の液面6に浮かべ(図9b参照)、次
に、ベースシート1が膨潤または溶解した状態(図9c
参照)で、液面6に残留した図柄層2の上から立体形状
物8を押圧・沈降させ(図9d参照)、液圧により立体
形状物8に図柄層2を沿わせて模様を転写する(図9e
参照)方法があった。
り図柄層を沿わせて転写する方法として、水溶性のベー
スシート1上に、転写時の溶剤添加により粘着性を発揮
する水不溶性の図柄層2が設けられた液圧転写箔5(図
7参照)を用い、図柄層2に溶剤を添加して柔軟性や粘
着性を発現させる(図9a参照)とともに、液圧転写箔
5を水または温湯の液面6に浮かべ(図9b参照)、次
に、ベースシート1が膨潤または溶解した状態(図9c
参照)で、液面6に残留した図柄層2の上から立体形状
物8を押圧・沈降させ(図9d参照)、液圧により立体
形状物8に図柄層2を沿わせて模様を転写する(図9e
参照)方法があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベースシート
1が水または温湯に膨潤または溶解していくと、溶剤添
加により柔軟性や粘着性を発現した図柄層2の面積は次
第に拡大し、その色彩は次第に淡くなり、図柄全体もぼ
やける(図8および図9c参照)。つまり、図柄層2中
の染顔料などの粒子が互いに離間していくのである。し
たがって、立体形状物の表面に転写された図柄が、液圧
転写箔5に設けられていた図柄と違うものになることが
あった。
1が水または温湯に膨潤または溶解していくと、溶剤添
加により柔軟性や粘着性を発現した図柄層2の面積は次
第に拡大し、その色彩は次第に淡くなり、図柄全体もぼ
やける(図8および図9c参照)。つまり、図柄層2中
の染顔料などの粒子が互いに離間していくのである。し
たがって、立体形状物の表面に転写された図柄が、液圧
転写箔5に設けられていた図柄と違うものになることが
あった。
【0004】本発明の目的は、上記のような問題を解決
し、ベースシート上に設けられた図柄が拡大したり、色
ぼけしたりすることなく、液圧転写箔に設けられていた
図柄そのものを立体形状物の表面に転写することのでき
る液圧転写箔を提供することを目的とする。
し、ベースシート上に設けられた図柄が拡大したり、色
ぼけしたりすることなく、液圧転写箔に設けられていた
図柄そのものを立体形状物の表面に転写することのでき
る液圧転写箔を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の液圧転写箔は、
上記の目的を達成するために、水溶性のベースシート上
に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現する水
不溶性の図柄層が設けられ、その上に転写時の溶剤添加
により柔軟性や粘着性を発現する水不溶性の図柄安定層
が前記図柄層を覆うように設けられ、その上に転写時の
溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現しない水不溶性の
膨張防止層が前記図柄層を取り囲むように設けられてい
るように構成したものである。
上記の目的を達成するために、水溶性のベースシート上
に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現する水
不溶性の図柄層が設けられ、その上に転写時の溶剤添加
により柔軟性や粘着性を発現する水不溶性の図柄安定層
が前記図柄層を覆うように設けられ、その上に転写時の
溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現しない水不溶性の
膨張防止層が前記図柄層を取り囲むように設けられてい
るように構成したものである。
【0006】また、本発明の液圧転写箔は、水溶性のベ
ースシート上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性
を発現する水不溶性の図柄層が設けられるとともに、転
写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現しない水不
溶性の膨張防止層が前記図柄層を取り囲むように設けら
れ、その上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を
発現する水不溶性の図柄安定層が前記図柄層および膨張
防止層を覆うように設けられているように構成すること
ができる。
ースシート上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性
を発現する水不溶性の図柄層が設けられるとともに、転
写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現しない水不
溶性の膨張防止層が前記図柄層を取り囲むように設けら
れ、その上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を
発現する水不溶性の図柄安定層が前記図柄層および膨張
防止層を覆うように設けられているように構成すること
ができる。
【0007】また、本発明の液圧転写箔は、水溶性のベ
ースシート上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性
を発現する水不溶性の透明な図柄安定層が設けられ、そ
の上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現す
る水不溶性の図柄層が設けられるとともに、転写時の溶
剤添加により柔軟性や粘着性を発現しない水不溶性の膨
張防止層が前記図柄層を取り囲むように設けられている
ように構成することができる。
ースシート上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性
を発現する水不溶性の透明な図柄安定層が設けられ、そ
の上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現す
る水不溶性の図柄層が設けられるとともに、転写時の溶
剤添加により柔軟性や粘着性を発現しない水不溶性の膨
張防止層が前記図柄層を取り囲むように設けられている
ように構成することができる。
【0008】また、本発明の液圧転写箔は、水溶性のベ
ースシート上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性
を発現しない水不溶性の膨張防止層が設けられ、その上
に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現する水
不溶性の透明な図柄安定層が前記膨張防止層を覆うよう
に設けられ、その上に転写時の溶剤添加により柔軟性や
粘着性を発現する水不溶性の図柄層が前記膨張防止層の
領域内に位置するように設けられているように構成する
ことができる。
ースシート上に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性
を発現しない水不溶性の膨張防止層が設けられ、その上
に転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現する水
不溶性の透明な図柄安定層が前記膨張防止層を覆うよう
に設けられ、その上に転写時の溶剤添加により柔軟性や
粘着性を発現する水不溶性の図柄層が前記膨張防止層の
領域内に位置するように設けられているように構成する
ことができる。
【0009】また、上記構成において、転写後の最表面
に図柄層が露出する場合、図柄安定層に着色材が含有し
ているように構成することができる。
に図柄層が露出する場合、図柄安定層に着色材が含有し
ているように構成することができる。
【0010】
【作用】上記のように構成したこの発明の液圧転写箔
は、次の作用が奏される。すなわち、液圧転写箔を水ま
たは温湯の液面に浮かべてベースシートを膨潤または溶
解させ、液圧転写箔に溶剤を添加すると、図柄層および
図柄安定層の柔軟性が発現される。このとき、膨張防止
層で囲まれた転写領域外では図柄安定層および図柄層の
面積が次第に外側に拡大していくが、膨張防止層で囲ま
れた転写領域内では図柄層および図柄安定層の面積の拡
大が膨張防止層によって妨げられる。
は、次の作用が奏される。すなわち、液圧転写箔を水ま
たは温湯の液面に浮かべてベースシートを膨潤または溶
解させ、液圧転写箔に溶剤を添加すると、図柄層および
図柄安定層の柔軟性が発現される。このとき、膨張防止
層で囲まれた転写領域外では図柄安定層および図柄層の
面積が次第に外側に拡大していくが、膨張防止層で囲ま
れた転写領域内では図柄層および図柄安定層の面積の拡
大が膨張防止層によって妨げられる。
【0011】また、膨張防止層が液圧転写箔の転写面の
最上層となる場合、膨張防止層で覆われた部分には溶剤
が浸透しないので、その部分の図柄層および図柄安定層
の柔軟性が発現されず、膨張防止層で囲まれた領域内の
図柄層および図柄安定層の面積の拡大はより強固に妨げ
られる。
最上層となる場合、膨張防止層で覆われた部分には溶剤
が浸透しないので、その部分の図柄層および図柄安定層
の柔軟性が発現されず、膨張防止層で囲まれた領域内の
図柄層および図柄安定層の面積の拡大はより強固に妨げ
られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図を用いてさらに詳しく説明
する。図1は本発明の液圧転写箔の一実施例を示す断面
図、図2は図1の液圧転写箔を液面に浮かべてベースシ
ートを膨潤または溶解させた状態を示す平面図、図3〜
図5は本発明の液圧転写箔の他の実施例を示す断面図、
図6は図1の液圧転写箔を用いた立体形状物への転写工
程を示す断面図である。
する。図1は本発明の液圧転写箔の一実施例を示す断面
図、図2は図1の液圧転写箔を液面に浮かべてベースシ
ートを膨潤または溶解させた状態を示す平面図、図3〜
図5は本発明の液圧転写箔の他の実施例を示す断面図、
図6は図1の液圧転写箔を用いた立体形状物への転写工
程を示す断面図である。
【0013】1はベースシート、2は図柄層、3は図柄
安定層、4は膨張防止層、5は液圧転写箔、6は液面、
7は溶剤添加装置、8は立体形状物を示す。
安定層、4は膨張防止層、5は液圧転写箔、6は液面、
7は溶剤添加装置、8は立体形状物を示す。
【0014】図1では、ベースシート1上に図柄層2が
設けられ、その上に図柄安定層3が前記図柄層2を覆う
ように設けられ、その上に膨張防止層4が前記図柄層2
を取り囲むように設けられているものがある。
設けられ、その上に図柄安定層3が前記図柄層2を覆う
ように設けられ、その上に膨張防止層4が前記図柄層2
を取り囲むように設けられているものがある。
【0015】図3では、ベースシート1上に図柄層2が
設けられるとともに、膨張防止層4が前記図柄層2を取
り囲むように設けられ、その上に図柄安定層3が前記図
柄層2および膨張防止層4を覆うように設けられてい
る。
設けられるとともに、膨張防止層4が前記図柄層2を取
り囲むように設けられ、その上に図柄安定層3が前記図
柄層2および膨張防止層4を覆うように設けられてい
る。
【0016】図4では、ベースシート1上に図柄安定層
3が設けられ、その上に図柄層2が設けられるととも
に、膨張防止層4が前記図柄層2を取り囲むように設け
られている。
3が設けられ、その上に図柄層2が設けられるととも
に、膨張防止層4が前記図柄層2を取り囲むように設け
られている。
【0017】図5では、ベースシート1上に膨張防止層
4が設けられ、その上に図柄安定層3が前記膨張防止層
4を覆うように設けられ、その上に図柄層2が前記膨張
防止層4の領域内に位置するように設けられている。
4が設けられ、その上に図柄安定層3が前記膨張防止層
4を覆うように設けられ、その上に図柄層2が前記膨張
防止層4の領域内に位置するように設けられている。
【0018】ベースシート1は、図柄層2、図柄安定層
3、膨張防止層4を支持するものである。このベースシ
ート1は、水または温湯に溶解性を有しており、液圧転
写箔5が水または温湯の液面6に浮かべられた後には、
膨潤または溶解し、溶剤添加により柔軟性および粘着性
が発現された図柄層2および図柄安定層3が立体形状物
8の外形状に沿って付着する。ベースシート1の材質と
しては、たとえば、デキストリン、ゼラチン、にかわ、
カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリ
ル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニル
エーテルと無水マレイン酸の共重合体、酢酸ビニルとイ
タコン酸の共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レンオキサイドあるいはセルロース、アセチルセルロー
ス、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
スなどのセルロース誘導体、アルギン酸ソーダなどがあ
り、これらを単独または混合して使用できる。
3、膨張防止層4を支持するものである。このベースシ
ート1は、水または温湯に溶解性を有しており、液圧転
写箔5が水または温湯の液面6に浮かべられた後には、
膨潤または溶解し、溶剤添加により柔軟性および粘着性
が発現された図柄層2および図柄安定層3が立体形状物
8の外形状に沿って付着する。ベースシート1の材質と
しては、たとえば、デキストリン、ゼラチン、にかわ、
カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリ
ル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニル
エーテルと無水マレイン酸の共重合体、酢酸ビニルとイ
タコン酸の共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レンオキサイドあるいはセルロース、アセチルセルロー
ス、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
スなどのセルロース誘導体、アルギン酸ソーダなどがあ
り、これらを単独または混合して使用できる。
【0019】図柄層2は、任意のパターンに設けられ、
液圧転写箔5が水または温湯の液面6に浮かべられた後
に、立体形状物8の外形状に沿って変形して立体形状物
8の表面に付着する層である。なお、図柄層2は、複数
個設けられてもよい。この図柄層2は、後述する膨張防
止層4で取り囲まれる領域内に設けるが、印刷の都合
上、膨張防止層4で取り囲まれる領域外に設けられるこ
ともある。但し、膨張防止層4で取り囲まれる領域外に
設けられる図柄層2は転写されない。図柄層2の材質と
しては、染顔料などの着色剤を、次のような溶剤添加に
より柔軟性や粘着性を発現し水不溶性のバインダー中に
含有させたものが使用される。たとえば、アマニ油、大
豆油、合成乾性油などの各種の油脂類、ロジン、コパー
ルダンマル、硬化ロジン、ロジンエステルまたは重合ロ
ジンなどの天然樹脂および加工樹脂類、ロジン変性フェ
ノール樹脂、100%フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、
アルキッド樹脂、石油系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノア
ルキッド樹脂などの合成樹脂類、ニトロセルロース、エ
チルセルロースなどの繊維素誘導体、塩化ゴム、環化ゴ
ムなどのゴム誘導体などがある。図柄層2の形成方法
は、スクリーン印刷、グラビア印刷などの通常の印刷法
を使用できる。
液圧転写箔5が水または温湯の液面6に浮かべられた後
に、立体形状物8の外形状に沿って変形して立体形状物
8の表面に付着する層である。なお、図柄層2は、複数
個設けられてもよい。この図柄層2は、後述する膨張防
止層4で取り囲まれる領域内に設けるが、印刷の都合
上、膨張防止層4で取り囲まれる領域外に設けられるこ
ともある。但し、膨張防止層4で取り囲まれる領域外に
設けられる図柄層2は転写されない。図柄層2の材質と
しては、染顔料などの着色剤を、次のような溶剤添加に
より柔軟性や粘着性を発現し水不溶性のバインダー中に
含有させたものが使用される。たとえば、アマニ油、大
豆油、合成乾性油などの各種の油脂類、ロジン、コパー
ルダンマル、硬化ロジン、ロジンエステルまたは重合ロ
ジンなどの天然樹脂および加工樹脂類、ロジン変性フェ
ノール樹脂、100%フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、
アルキッド樹脂、石油系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノア
ルキッド樹脂などの合成樹脂類、ニトロセルロース、エ
チルセルロースなどの繊維素誘導体、塩化ゴム、環化ゴ
ムなどのゴム誘導体などがある。図柄層2の形成方法
は、スクリーン印刷、グラビア印刷などの通常の印刷法
を使用できる。
【0020】図柄安定層3は、図柄層2と一体の膜のよ
うに液面に漂い、立体形状物8の外形状に沿って変形し
て立体形状物8の表面に付着する層である。図柄安定層
3は、膨張防止層4で囲まれた転写領域内での図柄層2
および図柄安定層3の面積拡大を防止するために、少な
くとも膨張防止層4で囲まれる領域全てを覆うように設
ける。また、図1および図3のように転写後の最表面に
図柄層2が露出する場合、図柄安定層3に着色材を含有
させることができる。図柄安定層3の材料としては、図
柄層2のバインダーと同様、溶剤添加により柔軟性や粘
着性を発現し水不溶性のものが使用される。図柄安定層
3の形成方法は、スクリーン印刷、グラビア印刷などの
通常の印刷法や、ロールコート法、スプレーコート法な
どのコート法を使用することができる。
うに液面に漂い、立体形状物8の外形状に沿って変形し
て立体形状物8の表面に付着する層である。図柄安定層
3は、膨張防止層4で囲まれた転写領域内での図柄層2
および図柄安定層3の面積拡大を防止するために、少な
くとも膨張防止層4で囲まれる領域全てを覆うように設
ける。また、図1および図3のように転写後の最表面に
図柄層2が露出する場合、図柄安定層3に着色材を含有
させることができる。図柄安定層3の材料としては、図
柄層2のバインダーと同様、溶剤添加により柔軟性や粘
着性を発現し水不溶性のものが使用される。図柄安定層
3の形成方法は、スクリーン印刷、グラビア印刷などの
通常の印刷法や、ロールコート法、スプレーコート法な
どのコート法を使用することができる。
【0021】膨張防止層4は、図柄層2を取り囲むよう
に設けられ、液圧転写箔5を液面6に浮かべた際に、図
柄層2および図柄安定層3の拡大を妨げるための層であ
る。膨張防止層4の材料としては、転写時の溶剤添加に
より柔軟性や粘着性を発現せず水不溶性のものが使用さ
れる。たとえば、2液硬化型ポリウレタン樹脂、2液硬
化型アクリル樹脂、2液硬化型ポリエステル樹脂などが
ある。膨張防止層4の形成方法は、スクリーン印刷、グ
ラビア印刷などの通常の印刷法を使用できる。
に設けられ、液圧転写箔5を液面6に浮かべた際に、図
柄層2および図柄安定層3の拡大を妨げるための層であ
る。膨張防止層4の材料としては、転写時の溶剤添加に
より柔軟性や粘着性を発現せず水不溶性のものが使用さ
れる。たとえば、2液硬化型ポリウレタン樹脂、2液硬
化型アクリル樹脂、2液硬化型ポリエステル樹脂などが
ある。膨張防止層4の形成方法は、スクリーン印刷、グ
ラビア印刷などの通常の印刷法を使用できる。
【0022】また、この液圧転写箔5は、液圧による立
体形状物8表面への転写において、次のように用いられ
る。
体形状物8表面への転写において、次のように用いられ
る。
【0023】まず、液圧転写箔5の図柄層2および図柄
安定層3に、溶剤添加装置7を用いて溶剤を添加して活
性化させる(図6a参照)。すなわち、溶剤の添加によ
り、図柄層2および図柄安定層3を立体形状物8の表面
に沿わせることができるほどの柔軟性と、立体形状物8
の表面に接着させることができるほどの粘着性とを、図
柄層2および図柄安定層3に発現させる。溶剤として
は、キシロール、酢酸ブチル、セロソルブアセテートな
どが使用される。溶剤の添加方法としては、ロールコー
ト、スプレーコートなどのコート法がある。
安定層3に、溶剤添加装置7を用いて溶剤を添加して活
性化させる(図6a参照)。すなわち、溶剤の添加によ
り、図柄層2および図柄安定層3を立体形状物8の表面
に沿わせることができるほどの柔軟性と、立体形状物8
の表面に接着させることができるほどの粘着性とを、図
柄層2および図柄安定層3に発現させる。溶剤として
は、キシロール、酢酸ブチル、セロソルブアセテートな
どが使用される。溶剤の添加方法としては、ロールコー
ト、スプレーコートなどのコート法がある。
【0024】また、図柄層2および図柄安定層3への溶
剤添加の前後または同時に、液圧転写箔5を水または温
湯の液面6に印刷面を上に向けて浮かべ(図6b参
照)、液圧転写箔5のベースシート1を膨潤および溶解
させる(図6c参照)。ベースシート1を浮かべる際に
は、液圧転写箔5がロール状に巻き取られている場合に
は、水または温湯を一方向に流しながら連続的に浮かべ
ることができる。また、ロール状に巻き取られている液
圧転写箔5を転写前に枚葉状に切断して一枚ずつ浮かべ
ることもできる。水または温湯に浮かべる際にベースシ
ート1と液面6との間に気泡が入ると、その個所におけ
るベースシート1の膨潤性および溶解性が阻害されるの
で、気泡が介在しないよう注意することが必要である。
なお、ベースシート1は、転写時に図6cに示すように
完全に溶解していなくとも、図柄層2および図柄安定層
3が立体形状物8の形状に沿って変形するのを阻害しな
い程度に膨潤および溶解していれば構わない。
剤添加の前後または同時に、液圧転写箔5を水または温
湯の液面6に印刷面を上に向けて浮かべ(図6b参
照)、液圧転写箔5のベースシート1を膨潤および溶解
させる(図6c参照)。ベースシート1を浮かべる際に
は、液圧転写箔5がロール状に巻き取られている場合に
は、水または温湯を一方向に流しながら連続的に浮かべ
ることができる。また、ロール状に巻き取られている液
圧転写箔5を転写前に枚葉状に切断して一枚ずつ浮かべ
ることもできる。水または温湯に浮かべる際にベースシ
ート1と液面6との間に気泡が入ると、その個所におけ
るベースシート1の膨潤性および溶解性が阻害されるの
で、気泡が介在しないよう注意することが必要である。
なお、ベースシート1は、転写時に図6cに示すように
完全に溶解していなくとも、図柄層2および図柄安定層
3が立体形状物8の形状に沿って変形するのを阻害しな
い程度に膨潤および溶解していれば構わない。
【0025】次に、ベースシート1が膨潤および溶解し
た状態で、液面6に残留した膨張防止層4で取り囲まれ
る領域内において、同じく液面6に残留した図柄層2お
よび図柄安定層3の上から立体形状物8を押圧・沈降さ
せ、転写させる(図6d参照)。
た状態で、液面6に残留した膨張防止層4で取り囲まれ
る領域内において、同じく液面6に残留した図柄層2お
よび図柄安定層3の上から立体形状物8を押圧・沈降さ
せ、転写させる(図6d参照)。
【0026】液面6より立体形状物8を引き上げると、
表面に最大膨張防止層4で取り囲まれる領域内の図柄層
2および図柄安定層3が付着した立体形状物8を得るこ
とができる(図6e参照)。この立体形状物8に絵付さ
れた図柄は、液圧転写箔5を液面6に浮かべた際、膨張
防止層4で取り囲まれる領域外(図6c中のB)では図
柄安定層3および図柄層の2面積が次第に外側に拡大し
ていくが、膨張防止層4で取り囲まれる領域内(図6c
中のA)では図柄層2および図柄安定層3の面積の拡大
が膨張防止層4によって妨げられる(図2参照)ため、
液圧転写箔5に表現されたとおりの大きさや色彩を有す
る美麗なものであった。なお、絵付完了後に立体形状物
8の表面にベースシート1が残存している場合には、水
洗により除去する。
表面に最大膨張防止層4で取り囲まれる領域内の図柄層
2および図柄安定層3が付着した立体形状物8を得るこ
とができる(図6e参照)。この立体形状物8に絵付さ
れた図柄は、液圧転写箔5を液面6に浮かべた際、膨張
防止層4で取り囲まれる領域外(図6c中のB)では図
柄安定層3および図柄層の2面積が次第に外側に拡大し
ていくが、膨張防止層4で取り囲まれる領域内(図6c
中のA)では図柄層2および図柄安定層3の面積の拡大
が膨張防止層4によって妨げられる(図2参照)ため、
液圧転写箔5に表現されたとおりの大きさや色彩を有す
る美麗なものであった。なお、絵付完了後に立体形状物
8の表面にベースシート1が残存している場合には、水
洗により除去する。
【0027】
【発明の効果】本発明の液圧転写箔は、以上のような構
成および作用からなるので、次の効果が得られる。すな
わち、本発明の液圧転写箔は、水または温湯の液面に浮
かべてベースシートを膨潤または溶解させたときに、膨
張防止層で囲まれた領域内では図柄層および図柄安定層
の面積の拡大が膨張防止層によって妨げられるため、液
圧転写箔に表現された図柄の大きさや色彩と変わらない
美麗な図柄を立体形状物に絵付することができる。
成および作用からなるので、次の効果が得られる。すな
わち、本発明の液圧転写箔は、水または温湯の液面に浮
かべてベースシートを膨潤または溶解させたときに、膨
張防止層で囲まれた領域内では図柄層および図柄安定層
の面積の拡大が膨張防止層によって妨げられるため、液
圧転写箔に表現された図柄の大きさや色彩と変わらない
美麗な図柄を立体形状物に絵付することができる。
【図1】本発明の液圧転写箔の一実施例を示す断面図で
ある。
ある。
【図2】図1の液圧転写箔を液面に浮かべてベースシー
トを膨潤または溶解させた状態を示す平面図である。
トを膨潤または溶解させた状態を示す平面図である。
【図3】本発明の液圧転写箔の他の実施例を示す断面図
である。
である。
【図4】本発明の液圧転写箔の他の実施例を示す断面図
である。
である。
【図5】本発明の液圧転写箔の他の実施例を示す断面図
である。
である。
【図6】図1の液圧転写箔を用いた立体形状物への転写
工程を示す断面図である。
工程を示す断面図である。
【図7】従来の液圧転写箔の一実施例を示す断面図であ
る。
る。
【図8】図7の液圧転写箔を液面に浮かべてベースシー
トを膨潤または溶解させた状態を示す平面図である。
トを膨潤または溶解させた状態を示す平面図である。
【図9】図7の液圧転写箔を用いた立体形状物への転写
工程を示す断面図である。
工程を示す断面図である。
1 ベースシート 2 図柄層 3 図柄安定層 4 膨張防止層 5 液圧転写箔 6 液面 7 溶剤添加装置 8 立体形状物
Claims (5)
- 【請求項1】 水溶性のベースシート上に転写時の溶剤
添加により柔軟性や粘着性を発現する水不溶性の図柄層
が設けられ、その上に転写時の溶剤添加により柔軟性や
粘着性を発現する水不溶性の図柄安定層が前記図柄層を
覆うように設けられ、その上に転写時の溶剤添加により
柔軟性や粘着性を発現しない水不溶性の膨張防止層が前
記図柄層を取り囲むように設けられていることを特徴と
する液圧転写箔。 - 【請求項2】 水溶性のベースシート上に転写時の溶剤
添加により柔軟性や粘着性を発現する水不溶性の図柄層
が設けられるとともに、転写時の溶剤添加により柔軟性
や粘着性を発現しない水不溶性の膨張防止層が前記図柄
層を取り囲むように設けられ、その上に転写時の溶剤添
加により柔軟性や粘着性を発現する水不溶性の図柄安定
層が前記図柄層および膨張防止層を覆うように設けられ
ていることを特徴とする液圧転写箔。 - 【請求項3】 水溶性のベースシート上に転写時の溶剤
添加により柔軟性や粘着性を発現する水不溶性の透明な
図柄安定層が設けられ、その上に転写時の溶剤添加によ
り柔軟性や粘着性を発現する水不溶性の図柄層が設けら
れるとともに、転写時の溶剤添加により柔軟性や粘着性
を発現しない水不溶性の膨張防止層が前記図柄層を取り
囲むように設けられていることを特徴とする液圧転写
箔。 - 【請求項4】 水溶性のベースシート上に転写時の溶剤
添加により柔軟性や粘着性を発現しない水不溶性の膨張
防止層が設けられ、その上に転写時の溶剤添加により柔
軟性や粘着性を発現する水不溶性の透明な図柄安定層が
前記膨張防止層を覆うように設けられ、その上に転写時
の溶剤添加により柔軟性や粘着性を発現する水不溶性の
図柄層が前記膨張防止層の領域内に位置するように設け
られていることを特徴とする液圧転写箔。 - 【請求項5】 図柄安定層が、着色材を含有している請
求項1または2のいずれかに記載の液圧転写箔。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01972293A JP3150809B2 (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 液圧転写箔 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01972293A JP3150809B2 (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 液圧転写箔 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06206398A JPH06206398A (ja) | 1994-07-26 |
JP3150809B2 true JP3150809B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=12007203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01972293A Expired - Fee Related JP3150809B2 (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 液圧転写箔 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3150809B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103862900B (zh) * | 2012-12-11 | 2017-02-15 | 黄北江 | 一种制造表面呈凹凸结构的薄膜的方法 |
CN103862901B (zh) * | 2012-12-11 | 2016-05-04 | 黄北江 | 新型水转印披覆膜及其制作方法、表面披覆方法 |
-
1993
- 1993-01-11 JP JP01972293A patent/JP3150809B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06206398A (ja) | 1994-07-26 |
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Date | Code | Title | Description |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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