JP3150801B2 - 抽出蒸留によるプロピレンオキシドの精製方法 - Google Patents

抽出蒸留によるプロピレンオキシドの精製方法

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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/34Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping with one or more auxiliary substances
    • B01D3/40Extractive distillation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロピレンオキシドの
精製方法に関する。より詳しくは、本発明は、水および
他の酸素含有不純物を含有する低純度プロピレンオキシ
ド原料から、水およびアセトンの汚染量を除去する蒸留
方法に関する。さらにとりわけ、本発明は、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、またはこれらの
混合物を抽出蒸留剤に用いる抽出蒸留塔を用いて、約
0.01〜2重量%の水、および約50〜4000ppm
のメタノールで汚染された低純度プロピレンオキシド原
料を精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロペルオキシド原料、例えばter
t−ブチルヒドロペルオキシドを、エポキシ化触媒の存
在下でプロピレンと反応させて、プロピレンオキシド、
ヒドロペルオキシド原料に対応するアルコール、溶媒お
よび不純物を含む反応生成物を得ることは公知である
(例えばKollarの米国特許第3,350,422 号明細書、同第
3,351,635 号明細書、およびSorgentiの米国特許第3,66
6,777 号明細書を参照)。
【0003】この方法によって合成されたプロピレンオ
キシドは、他の方法によって合成されたプロピレンオキ
シドと同様に、水で汚染されている。Kollarの米国特許
第3,350,422 号明細書に例示されている種類の過酸化反
応によって合成されるプロピレンオキシドもまた、メタ
ノール、アセトン、メチルアセトン、アセトアルデヒ
ド、ギ酸メチルおよびプロピオンアルデヒドのような他
の酸素含有不純物によって汚染されている。
【0004】抽出蒸留によるプロピレンオキシドの精製
は、今まで提案されてきており、いろいろの抽出蒸留溶
剤も提案されてきた。しかし、そこには問題がある。
【0005】Kaneyamaらの米国特許第3,838,020 号明細
書は、2基の抽出蒸留塔と2種の抽出蒸留溶媒系(例え
ば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレング
リコール、イソブチレングリコール、グリセリン、およ
びこれらの混合物を含む第1の蒸留溶媒ならびにジオキ
サン、酢酸ブチル、2−エチルヘキサノール、およびこ
れらの混合物を含む第2の抽出蒸留溶媒)を利用したプ
ロピレンオキシドの回収方法に関する。この中で、単一
溶媒を用いた抽出蒸留では水と他の不純物を除去するこ
とは困難であること、および単一溶媒では、通常、水ま
たは有機不純物のいずれか一方を除去できるが、両方と
も除去することはできないことが指摘されている。
【0006】提案されている抽出蒸留溶媒の中には、次
のような物質がある。8個から20個の炭素原子を含有
するアルカン、アルケン、ナフテン(Schmidt の米国特
許第3,843,488 号明細書)、6個から12個の炭素原子
を含有する芳香族炭化水素(Schmidt の米国特許第3,90
9,366 号明細書)、および第1級アミン(Seifert らの
米国特許第4,369,096 号明細書)である。
【0007】Robeson らの米国特許第2,622,060 号明細
書は、メタノールをはじめとする不純物で汚染されたプ
ロピレンオキシドを精製する方法において、アルカリ水
溶液を含む抽出蒸留剤の存在下で、低純度プロピレンオ
キシドを蒸留にかけることによる方法を開示している。
この発明者たちは、その特許の実施例1において、50
0重量部の粗プロピレンオキシド留分をその発明に従っ
て抽出蒸留して、約99.6重量%のプロピレンオキシ
ドを含有する325重量部の生成物を得た方法を報告し
ている。したがって、この工程の間にはプロピレンオキ
シドのかなりの損失が発生している。
【0008】Washall の米国特許第3,578,568 号明細書
は、グリコール、例えばエチレングリコールまたはプロ
ピレングリコールを抽出蒸留剤に用いて、低純度プロピ
レンオキシドから酸素含有不純物、例えばアセトン、ア
セトアルデヒドおよびメタノールを除去する方法を開示
している。
【0009】Hoory およびNewmanの米国特許第3,632,48
2 号明細書は、アルコール/ケトン/炭化水素溶媒を用
いる抽出蒸留によるプロピレンオキシドの回収方法に関
している。この発明は、プロピレンを有機ヒドロペルオ
キシドでエポキシ化することによって製造される混合物
中に含まれる粗プロピレンオキシドを精製する方法に関
し、炭化水素、ならびにプロピレンオキシドの製造に用
いられる有機ヒドロペルオキシドに対応するアルコール
および/またはケトンから基本的になる溶媒混合物の助
けを借りて、連続する複数の抽出蒸留帯域で粗プロピレ
ンオキシドを抽出蒸留することが必要である。その発明
の好適な実施態様においては、抽出蒸留剤は3基の蒸留
塔による連続操作から得られる再循環留分であって、第
三の蒸留塔からの塔底液をフラッシュして、炭化水素、
アルコールおよび/またはケトンで構成される塔頂分を
得て、これを抽出蒸留剤としてプロピレンオキシド精製
連続操作に伴う3基の蒸留塔へ再循環させている。
【0010】Burns らの米国特許第3,715,284 号明細書
は、アセトンまたはアセトンとメタノールの混合物を用
い、これを低純度プロピレンオキシドの下側に、または
それとともに蒸留塔に導入する低純度プロピレンオキシ
ドの精製方法を開示している。
【0011】Schmidt の米国特許第3,881,996 号明細書
は、粗プロピレンオキシドを精製するために、少なくと
も3基、任意には4基の蒸留塔を用い、そのうち1基を
任意に、炭化水素、たとえばオクタンを抽出蒸留剤とし
て用いる抽出蒸留塔とする蒸留連続操作に関している。
【0012】Schmidt の米国特許第4,140,588 号明細書
は、水を抽出蒸留剤として用い、これを粗プロピレンオ
キシド原料の導入部位の上側で蒸留塔に導入する、メタ
ノールおよびアセトンで汚染されたプロピレンオキシド
の精製方法を開示している。
【0013】Schmidt は、第2欄第50〜55行で、次
のように述べている:「ところが、プロピレンオキシド
は実質的に水に可溶であり、多量の水の存在下では(す
なわち蒸留塔のリボイラー区画では)容易に加水分解さ
れてプロピレングリコール(PG)となる」。
【0014】米国特許第4,971,661 号明細書は、水性ア
セトン抽出を用いてプロピレンオキシドからメタノール
を除去することを開示している。
【0015】米国特許第3,578,568 号明細書は、抽出蒸
留の際にグリコールまたはグリコールエーテルを用いて
酸素含有不純物、例えばアセトン、アセトアルデヒドお
よびメタノールを除去することを開示している。蒸留塔
の抽出蒸留帯域での蒸気空間中の溶媒濃度は、好ましく
は全蒸気の15〜50モル%であることが、請求項に記
載されている。
【0016】米国特許第3,578,568 号明細書と比較する
と、本発明は、抽出蒸留帯域で水および酸素含有不純
物、たとえばアセトンを除去するのに、著しく低濃度の
溶媒を用いている。抽出蒸留剤の濃度がより低いことか
ら、組み合わせる溶媒再生装置の大きさと熱の必要量が
低くなる。
【0017】米国特許第3,607,669 号明細書は、炭素原
子数が8〜12の炭化水素を用いて、水からプロピレン
オキシドを分離することを開示している。
【0018】Shihらの米国特許第5,000,825 号明細書
は、酸素化された不純物、例えば水、低分子量のアルコ
ール、低分子量のケトン、低分子量のアルデヒドなどで
汚染されたモノエポキシド、例えばプロピレンオキシド
を、2〜4個の炭素原子を有する低級グリコールを用い
る汚染されたモノエポキシドの抽出蒸留によって、精製
することを開示している。この特許に記載された低級グ
リコールの例には、エチレングリコール、1,2−プロ
パンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタ
ンジオールおよび2,3−ブタンジオールが包含され
る。より高級なジオールまたはより高級なグリコールエ
ーテルは、そのような不純物を除去するのに充分な選択
性を与えず、この発明に用いるのに適した抽出蒸留溶媒
には包含されないことが述べられている。
【0019】Mitchellらの米国特許第2,550,847 号明細
書は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、メタノールなど
で汚染された粗プロピレンオキシドから精製プロピレン
オキシドを分離する方法であって、粗プロピレンオキシ
ドを水性塩基性物質で処理し、ついでデカンテーション
のようななんらかの適当な手段を用いて、精製プロピレ
ンオキシドを回収する方法に関する。Mitchellらは、7
8〜82重量%のプロピレンオキシドを含有する生成物
の回収を報告し、分別蒸留によって、約95〜99%ま
で純度を高めることが可能であると述べている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸素
含有不純物、例えばメタノール、アセトンおよび水をは
じめとする汚染量の不純物を、低純度プロピレンオキシ
ド原料から除去するための蒸留方法を提供することであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、低純度プロピ
レンオキシド原料から、水、アセトンおよびメタノール
をはじめとする酸素化された汚染物質を除去する抽出蒸
留方法であって、該低純度プロピレンオキシド原料を蒸
留塔の下半部に導入し、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート、またはこれらの混合物を含む抽出蒸
留剤を、抽出蒸留剤に対する原料の比を1:1〜20:
1として、低純度プロピレンオキシドの供給部位の上方
に導入し、低減された量のアセトンおよびメタノールで
汚染された、本質的に無水のプロピレンオキシドを含む
塔頂留出留分、ならびに該蒸留塔に導入されたエチレン
カーボネート、プロピレンカーボネート、水またはこれ
らの混合物、アセトンの実質的にすべて、およびメタノ
ールの一部を含有する塔底蒸留留分を回収することを特
徴とする方法を提供する。
【0022】好ましくは、プロピレンオキシドは、少な
くとも25段の理論段を有する蒸留塔の下半部に供給
し、抽出蒸留剤は、該低純度プロピレンオキシドの供給
部位の少なくとも4理論段上の部位で加える。
【0023】最も好ましい蒸留条件は、69〜276kP
a (10〜40psia)の圧力、1:1〜5:1の還流
比、100〜250℃の範囲内のリボイラー温度および
20〜80℃の塔頂温度を含む。
【0024】プロピレンを、可溶性エポキシ化触媒、例
えばモリブデンエポキシ化触媒の存在下で、溶媒、例え
ばtert−ブチルアルコールに溶かした溶液中の有機ヒド
ロペルオキシド、例えばtert−ブチルヒドロペルオ
キシドと液相で反応させるときは、反応混合物は、プロ
ピレンオキシド、有機ヒドロペルオキシド原料に対応す
るアルコール、ならびに水およびその他の酸素化された
不純物、例えばギ酸メチル、アセトアルデヒド、アセト
ンおよびメタノールをはじめとする不純物を含んで形成
される。
【0025】プロピレンオキシドは吸湿性の物質である
ため、水は困難を伴わずに除去されることはない。しか
し、プロピレンオキシド中に存在する水は、プロピレン
オキシドと反応してプロピレングリコールを形成する傾
向にあるであろうから、可能な限り多量の水を除去する
ことが重要である。
【0026】また、他の酸素化された汚染物質、例えば
メタノールの水準を、合理的に到達し得る最低の水準に
まで低めることも重要である。
【0027】慣用方法の実施によれば、tert−ブチ
ルアルコールに溶かした溶液中におけるtert−ブチ
ルヒドロペルオキシドとプロピレンとの、モリブデンを
触媒とする反応によって形成されるエポキシ化反応生成
物を、蒸留によって素成分へと分離して、プロピレン蒸
留留分、プロピレンオキシド蒸留留分、tert−ブチ
ルアルコール蒸留留分、ならびにモリブデン触媒および
エポキシ化反応の他の生成物や副成物を含有する高沸点
蒸留留分をはじめとする蒸留留分を形成させる。ところ
が、こうして得られた蒸留留分は、不純物を含有するこ
とを特徴とし、通常、商業的に許容され得る製品を得よ
うとする場合には、さらに処理しなければならない。こ
のことは、水ならびにアセトンをはじめとする酸素化さ
れた汚染物質で汚染されたプロピレンオキシド蒸留留分
について、特にあてはまる。
【0028】本発明によれば、基本的にエチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、またはこれらの混合
物からなる抽出蒸留剤の存在下でプロピレンオキシド原
料を抽出蒸留したとき、汚染されたプロピレンオキシド
原料中に当初存在した水の実質的にすべてをこれから除
去することが可能なことが、意外にも発見された。さら
に意外なことは、汚染された原料中に存在するアセトン
の実質的にすべて、およびメタノールのいくらかもま
た、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
またはこれらの混合物を抽出蒸留剤として用いたとき
に、プロピレンオキシドから除去されるという発明者ら
の発見である。
【0029】添付図面を参照し、本発明を更に説明す
る。
【0030】図面は、本発明に従ってプロピレンオキシ
ドを精製する際に用いられる一般的な回収連続操作を示
す、慣用的部分を省略した模式的流れ図である。
【0031】簡便のため図面では、tert−ブチルア
ルコールに溶かした溶液中でプロピレンをtert−ブ
チルヒドロペルオキシドでエポキシ化して、プロピレン
オキシドおよび追加的なtert−ブチルアルコールを
含有する反応生成物を得ることによってプロピレンオキ
シドを製造する方法と関連させて、本発明を示す。
【0032】ここで図面を参照すると、本発明の方法を
実施する好適な方法を示す模式的流れ図を示している。
図面では、慣用的部分、例えば弁、ポンプ、温度セン
サ、圧力センサ、ヒータ、冷却器および流量制御調節装
置は省略されている。
【0033】本発明の好適な実施態様によれば、予備蒸
留帯域(図示せず)でプロピレンオキシドをエポキシ化
反応混合物の他の成分から分離して、酸素含有不純物、
例えばアセトン、メタノールおよび水で汚染された低純
度プロピレンオキシド留分を得る。
【0034】予備蒸留帯域でこうして得られた低純度プ
ロピレンオキシド原料を、ついでプロピレンオキシド精
製蒸留帯域で精製するが、本発明の好適な実施態様によ
れば、この帯域には、それぞれ適切な還流凝縮手段およ
び適切なリボイラー加熱手段を備えた2基の蒸留塔が含
まれる。
【0035】本発明によれば、代表的には、約50〜
4,000ppm のメタノール、約0.01〜2重量%の
アセトンおよび約0.01〜2重量%の水、ならび他の
酸素含有不純物で汚染された低純度プロピレンオキシド
留分を、蒸留塔(100)に導く管路(120)を経由
して供給するが、本発明によれば、この蒸留塔は、少な
くとも約10段の理論段が好ましく、約30〜100段
の理論段を有する蒸留塔がより好ましいであろう。蒸留
塔(100)は、69〜276kPa (10〜40psia)
の圧力、2:1〜10:1の還流比、100〜250℃
(例えば210℃)の範囲内のリボイラー温度、および
20〜80℃(例えば20℃)の塔頂温度をはじめとす
る蒸留条件下で操作するのが適当である。
【0036】好ましくは、低純度プロピレンオキシド
は、蒸留塔(100)の下半部に供給する。エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、またはこれらの
混合物から本質的になる抽出蒸留剤は、抽出蒸留剤供給
管路(106)によって蒸留塔(100)の上半部に供
給する。
【0037】約100ppm またはそれ以下の水を含有す
る、本質的に無水の精製されたプロピレンオキシドは、
低沸点蒸留留分(112)として、蒸留塔(100)か
ら取り出されるが、管路(112)内のこの精製プロピ
レンオキシドは、著しく低減された量のアセトン、例え
ば約0.1〜100ppm のアセトンおよび低減されたメ
タノールを含有する。高沸点留分(110)は、蒸留塔
(100)から回収され、管路(106)を用いて供給
された抽出蒸留剤の実質的にすべて、ならびに低純度プ
ロピレンオキシド(120)とともに、蒸留塔(10
0)に導入された水、アセトンおよびその他の酸素含有
不純物のやはり実質的にすべてを含有する。
【0038】蒸留塔(100)からの、水、メタノー
ル、アセトン、tert−ブチルアルコール、その他の
不純物および抽出蒸留剤を含有する高沸点蒸留留分(1
10)は、第二の蒸留塔(200)に供給され、ここ
で、低沸点不純物、例えばメタノール、アセトン、水な
どは、蒸留留分(204)として塔頂で分離され、適当
ないかなる用途、例えばボイラ用原料としての用途また
は回収にも向けて装置系から排出される。
【0039】高沸点蒸留留分(106)は、アルキレン
カーボネートを含有していて、第二の蒸留塔(200)
から排出され、管路(106)を用いて第一の蒸留塔
(100)へと再循環される。
【0040】エチレンカーボネートは、次の式1で示さ
れる化合物である。
【0041】
【化1】
【0042】エチレンカーボネートは、沸点248℃、
40℃での蒸気圧1mmHg未満、引火点290°F(14
3℃)および比重1.3218(39/4℃)の液体で
ある。工学的等級のエチレンカーボネートは、水(例え
ば、一般に約0.005〜0.3重量%)を、最も標準
的には0.01〜0.1重量%の水を含有する。
【0043】プロピレンカーボネートは、次の式2で示
される化合物である。
【0044】
【化2】
【0045】プロピレンカーボネートは、沸点241.
7℃、20℃における蒸気圧1mmHg未満、引火点270
°F(132℃)および比重1.2057(20/4
℃)の液体である。
【0046】工業的等級のエチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネートおよびこれらの混合物は、水を含有
する。したがって、もし工業的等級のエチレンカーボネ
ートおよびプロピレンカーボネートをただちに蒸留塔
(100)に導入したならば、望ましくない相当量の汚
染水もまた導入されることになろう。本発明によれば、
最初の供給物または補給用溶媒のいずれかとしてのエチ
レンカーボネートまたはプロピレンカーボネートを、第
二の蒸留塔(200)に向かう供給管路(110)へと
導く側管路(230)を用いて装置系に導入するので、
新鮮なエチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、またはこれらの混合物とともに装置系に導入された
いかなる水も、第二の蒸留塔(200)内でこれから分
離され、管路(204)を通じて該蒸留塔(200)か
ら回収されるであろう。
【0047】
【発明の効果】水および酸素含有不純物、例えばアセト
ンおよびメタノールは、標準的な蒸留を用いてはプロピ
レンオキシドから除去することが困難である。今説明し
たように本発明を用いることは、プロピレンオキシドか
らのこれらの不純物の分離を改善する。
【0048】
【実施例】下記の限定的ではない実施例を用いて、本発
明をさらに明らかにする。ここで、部について言及する
ときは、それらは重量部である。
【0049】抽出蒸留溶媒を用いない比較のための蒸留
操作、ならびに溶媒としてプロピレンカーボネート、お
よびエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの
混合物を用いた蒸留操作を行った。結果を表1〜4に示
す。操作は、操作圧力96〜124kPa (14〜18ps
ia)の下に、試験装置である実際の段数25段の蒸留塔
中で実行した。低純度プロピレンオキシドの既知量を丸
底フラスコに仕込み、これをOldershaw 型蒸留塔の塔底
に据え付けて、半回分操作を行った。蒸留塔は、最上段
のトレイに接続した供給管路を有していた。天秤上に置
いた供給タンクを供給管路に接続した。振動バケット型
還流スプリッターを蒸留塔の塔頂に設置し、凝縮器は慣
用的方法で還流スプリッターの上部に設置した。
【0050】各操作は、プロピレンオキシドが蒸留塔の
長さ方向全体に沸騰蒸発するまで、丸底フラスコ中のプ
ロピレンオキシドを加熱することから始めた。溶媒の制
御された量が供給管路を通じて蒸留塔に供給されるのを
許容されるように、蒸留塔を全還流状態に維持した。溶
媒は、物質を回収しはじめる前の短い期間、供給管路を
通じて流すことが可能である。塔頂での回収速度に対す
る溶媒供給速度の矛盾のない比率を維持するために、制
御された回収速度に対して、還流比を15/5に設定し
た。操作は最初のプロピレンオキシドの80%を塔頂か
ら回収するまで続けた。その後、塔頂留出物および塔底
留出物中の組成を分析した。
【0051】溶媒を用いなかった場合の手順は、最上段
のトレイに接続した供給管路を通じて溶媒を供給したか
ったこと以外は、溶媒を用いた場合と同じであった。
【0052】実施例1、2(比較例) 抽出溶媒を用いないで、上記の手順により、低純度プロ
ピレンオキシドの蒸留を行った。その結果を表1および
表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】実施例3 抽出溶媒としてエチレンカーボネートとプロピレンカー
ボネートの50:50混合溶媒を用い、上記の手順によ
り、低純度プロピレンオキシドの蒸留を行った。その結
果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】実施例4 抽出溶媒としてプロピレンカーボネートを用い、上記の
手順により、低純度プロピレンオキシドの蒸留を行っ
た。その結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続法によるプロピレンオキシド精製
法の流れ図である。
【符号の説明】
100 第一蒸留塔 106 アルキレンカーボネート再循環管路 110 高沸点蒸留留分および抽出蒸留溶媒の管路 112 精製プロピレンオキシドの管路 120 低純度プロピレンオキシドの管路 200 第二蒸留塔 204 不純物の管路 230 抽出蒸留溶媒供給管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユ−ファ・エドワード・シュウ アメリカ合衆国、テキサス 78746、オ ースチン、タートル・ポイント・ドライ ブ 6210 (72)発明者 ウィリアム・ケンプ・カルブレス・サー ド アメリカ合衆国、テキサス 78727、オ ースチン、サドル・サークル 5102 (72)発明者 デビッド・ジョージ・ポットラッズ アメリカ合衆国、テキサス 78759、オ ースチン、ジョリーヴィル・ロード・ナ ンバー422 11160 (56)参考文献 特開 昭48−61407(JP,A) 特公 昭50−7576(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 301/32 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低純度プロピレンオキシド原料から、
    水、アセトンおよびメタノールなどをはじめとする酸素
    化された汚染物質を除去する抽出蒸留方法であって、 該低純度プロピレンオキシド原料を蒸留塔の下半部に導
    入し、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
    ト、またはこれらの混合物を含む抽出蒸留剤を、抽出蒸
    留剤に対する原料の比を1:1〜20:1として低純度
    プロピレンオキシドの供給部位の上方に導入し、低減さ
    れた量のアセトンとメタノールとで汚染された本質的に
    無水のプロピレンオキシドを含む塔頂留出分、ならびに
    該蒸留塔に導入されたエチレンカーボネート、プロピレ
    ンカーボネート、またはこれらの混合物、水およびアセ
    トンの実質的にすべて、およびメタノールの一部を含有
    する塔底留出分を回収することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 低純度プロピレンオキシドを、少なくと
    も25段の理論段を有する蒸留塔の下半部に供給し、抽
    出蒸留剤を、低純度プロピレンオキシドの供給部位の少
    なくとも4理論段上の部位に加える請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 蒸留条件が、69〜276kPa (10〜
    40psia)の圧力、1:1〜5:1の還流比、ならびに
    100〜250℃の範囲のリボイラー温度および20〜
    80℃の範囲の塔頂温度を含む請求項1に記載の方法。
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