JPH07330747A - 抽出蒸留によるプロピレンオキシドの精製方法 - Google Patents

抽出蒸留によるプロピレンオキシドの精製方法

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JPH07330747A
JPH07330747A JP7133634A JP13363495A JPH07330747A JP H07330747 A JPH07330747 A JP H07330747A JP 7133634 A JP7133634 A JP 7133634A JP 13363495 A JP13363495 A JP 13363495A JP H07330747 A JPH07330747 A JP H07330747A
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acetone
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William A Smith
ウィリアム・アラン・スミス
Mark A Mueller
マーク・アラン・ミューラー
Michael Warren Peters
マイケル・ウォレン・ピーターズ
Iii William K Culbreth
ウィリアム・ケンプ・カルブレス・ザ・サード
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Texaco Development Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D301/00Preparation of oxiranes
    • C07D301/32Separation; Purification
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/34Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping with one or more auxiliary substances
    • B01D3/40Extractive distillation

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 低純度プロピレンオキシド原料から、水、ア
セトン、メタノールなどの酸素化された汚染物質を除去
する抽出蒸留方法であって、プロピレンオキシド原料を
蒸留塔の下半部に導入し、エチレングリコール類または
オキシエチレングリコール類のプロピレンオキシド付加
物を含む抽出蒸留剤を原料供給部の上方に導入して、形
成され、または導入されたオキシエチレングリコール類
のプロピレンオキシド付加物を抽出蒸留剤として用いる
ことを特徴とする方法。 【効果】 著しく低減された量の水、アセトンおよびメ
タノールを含む精製プロピレンオキシドが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロピレンオキシドの
精製方法に関する。より詳しくは、本発明は、低純度プ
ロピレンオキシド原料から、メタノール、アセトンおよ
び水のような酸素含有不純物をはじめとする汚染量の不
純物を除去する方法に関する。さらにとりわけ、本発明
は、50〜4,000ppm のメタノール、0.01〜2
重量%の水、および0.01〜2重量%のアセトンで汚
染された供給原料のような低純度プロピレンオキシド供
給原料を、オキシエチレングリコール類のプロピレンオ
キシド付加物の混合物を抽出蒸留剤に用いる抽出蒸留塔
において精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレンは、液相で、tert−ブチルア
ルコールのような溶媒の溶液中で、モリブデンエポキシ
化触媒のような可溶性エポキシ化触媒の存在下に、tert
−ブチルヒドロペルオキシドのような有機ヒドロペルオ
キシドと反応するときに、プロピレンオキシド、供給原
料のヒドロペルオキシドに対応するアルコール、ならび
に水、およびギ酸メチル、アセトアルデヒド、アセト
ン、メタノールのような他の酸素化された不純物をはじ
めとする不純物を含む反応生成物を形成する。
【0003】プロピレンオキシドは吸水性物質なので、
水を除去するには困難を伴う。しかし、プロピレンオキ
シド中に存在する水は、プロピレンオキシドと反応して
プロピレングリコールを形成する傾向があるので、可能
なかぎりの水を除くことが重要である。
【0004】メタノールやアセトンのような他の酸素化
された不純物の量を、妥当に達成しうる最も低い量に減
少させることも、また重要である。
【0005】従来の方法によると、tert−ブチルアルコ
ール溶液中でプロピレンのtert−ブチルペルオキシドと
の、モリブデン触媒による反応で形成されるエポキシ化
反応生成物は、プロピレン留分、プロピレンオキシド留
分、tert−ブチルアルコール留分、ならびにモリブデン
触媒およびエポキシ化反応の他の生成物や副生成物を含
有する高沸点留分を形成するように、蒸留によって主要
成分に分離される。しかし、このようにして得られた各
留分は、不純物を含み、商業的に受け入れられる生成物
を得るためには、さらに処理が必要なことが特徴的であ
った。このことは、水およびメタノールやアセトンを含
む酸素化された不純物で汚染されたプロピレンオキシド
にとって、特に真実である。
【0006】tert−ブチルヒドロペルオキシドのような
ヒドロペルオキシド供給原料を、エポキシ化触媒の存在
下でプロピレンと反応させて、プロピレンオキシド、該
ヒドロペルオキシド供給原料に対応するアルコール、溶
媒および不純物を含む反応生成物を得ることは公知であ
る(たとえばKollarの米国特許第3,350,422 号明細書、
同第3,351,635 号明細書、およびSorgentiの米国特許第
3,666,777 号明細書を参照されたい)。
【0007】反応生成物を、たとえばプロピレン再循環
留分、プロピレンオキシド生成物留分およびアルコール
留分などの複数の留分を得るために、蒸留によって分離
することも知られている。
【0008】また、メタノール、アセトンおよび水は、
プロピレンオキシドに対する一般的な汚染物質であり、
困難を伴わずには除去されないことも知られている。
【0009】たとえば、Mitchellらの米国特許第2,550,
847 号明細書は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、メタ
ノールなどで汚染された粗プロピレンオキシドから精製
プロピレンオキシドを分離する方法であって、粗プロピ
レンオキシドを水性塩基性物質で処理し、ついでデカン
テーションのようななんらかの適当な手段を用いて、精
製プロピレンオキシドを回収する方法に関する。Mitche
llらは、78〜82重量%のプロピレンオキシドを含有
する生成物の回収を報告し、分別蒸留によって、約95
〜99%まで純度を高めることが可能であると述べてい
る。
【0010】Schmidt の米国特許第4,140,588 号明細書
は、水を抽出蒸留剤として用い、これを粗プロピレンオ
キシド原料の導入部位の上側で蒸留塔に導入する、メタ
ノールおよびアセトンで汚染されたプロピレンオキシド
の精製方法を開示している。
【0011】Schmidt は、第2欄第50〜55行で、次
のように述べている:「ところが、プロピレンオキシド
は水にかなり可溶性であり、多量の水の存在下では(す
なわち蒸留塔のリボイラー区画では)容易に加水分解さ
れてプロピレングリコール(PG)となる」。
【0012】Marquis らへの米国特許第5,116,466 号明
細書は、水、アセトンおよびメタノールである不純物で
汚染されたプロピレンオキシドからこれらを除く抽出蒸
留剤として、1−メチル−2−ピロリジノンを用いるこ
とを開示している。
【0013】Marquis らへの米国特許第5,116,467 号明
細書は、プロピレンオキシドから水を除く抽出蒸留剤と
して、スルホランの使用を開示している。
【0014】Marquis らへの米国特許第5,145,561 号明
細書は、プロピレンオキシドから水を除く抽出蒸留剤と
して、炭酸エチレンおよび/または炭酸プロピレンの使
用を開示している。
【0015】Culbrethらは、米国特許第5,145,563 号明
細書に、低純度プロピレンオキシドから水を除くための
抽出蒸留剤として、グリセリン−1,3−ジ−tert−ブ
チルエーテルの使用を開示している。
【0016】Washall の米国特許第3,578,568 号明細書
は、低純度プロピレンオキシドからアセトン、アセトア
ルデヒドおよびメタノールのような酸素含有不純物を除
去するための抽出蒸留剤として、エチレングリコールま
たはプロピレングリコールのようなグリコールを用いる
方法を開示している。それは、抽出蒸留塔の抽出蒸留帯
域内の蒸気空間における溶媒の濃度が、好ましくは全蒸
気の15〜50モル%の間であるべきだと述べている。
【0017】Shihらの米国特許第5,000,825 号明細書
は、水、低分子量のアルコール、低分子量のケトン、低
分子量のアルデヒドなどのような酸素化された不純物で
汚染されたプロピレンオキシドのようなモノエポキシド
を、2〜4個の炭素原子を有する低級グリコールを用い
る汚染されたモノエポキシドの抽出蒸留によって、精製
することを開示している。この特許明細書に記載された
低級グリコールの例としては、エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオールおよび2,3−ブタンジオ
ールが包含される。より高級なジオールまたはより高級
なグリコールエーテルは、そのような不純物を除去する
のに十分な選択性を与えず、この発明に用いるのに適し
た抽出蒸留溶媒には包含されないことが述べられてい
る。
【0018】Marquis らの米国特許第5,139,622 号明細
書には、メタノール、アセトンおよび水である不純物で
汚染されたプロピレンオキシドからのこれらの除去のた
めに、トリエチレングリコールの使用が開示されてい
る。
【0019】Marquis らの米国特許第5,154,803 号明細
書は、メタノール、アセトンおよび水である不純物で汚
染されたプロピレンオキシドからのこれらの除去に、抽
出蒸留剤として2−メチル−2,4−ペンタンジオール
の使用を開示している。
【0020】Marquis らの米国特許第5,154,804 号明細
書は、メタノール、アセトンおよび水である不純物で汚
染されたプロピレンオキシドからのこれらの除去に、抽
出蒸留剤として、5〜8個の炭素原子を含有するモノヒ
ドロキシアルコキシアルカノールの使用を開示してい
る。
【0021】メタノール、アセトン及び水である不純物
で汚染されたプロピレンオキシドからのこれらの不純物
の除去に、抽出蒸留剤としてジプロピレングリコールの
使用が、Marquis らの米国特許第5,160,587 号明細書に
開示されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】この技術において、水
および酸素含有不純物をプロピレンオキシドから除去す
る経済的な方法が必要である。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明によって、予期し
なかったことに、プロピレンオキシド供給原料を、オキ
シエチレングリコール類のプロピレンオキシド付加物の
混合物を含む抽出蒸留剤の存在下で抽出蒸留するとき、
汚染されたプロピレンオキシド原料中に最初に存在する
実質的にすべての水を、それから除去できることが見出
された。さらに予期しなかったことは、抽出蒸留剤とし
てオキシエチレングリコール類のプロピレンオキシド付
加物の混合物を用いるときに、プロピレンオキシドか
ら、実質的にすべてのアセトンと、ほとんどのメタノー
ルをも除去できるという、発明者らの発見である。
【0024】本発明によって、プロピレンオキシドは、
ここに特定される温度、圧力および酸性度の条件のもと
に、プロピレンオキシド抽出蒸留塔に存在する、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコールおよびトリエチレ
ングリコールのようなオキシエチレングリコール類と、
限られた量だけ反応することが見出された。プロピレン
オキシドが、ここに記載される方法の蒸留によって精製
されるときに、蒸留塔の中の溶媒と低純度プロピレンオ
キシドとの混合物の液状部分が弱い酸性となることが見
出された。その結果、エチレングリコール、ジエチレン
グリコールもしくはトリエチレングリコールまたはそれ
らの混合物のようなオキシエチレングリコール類を抽出
蒸留の溶媒として用いるとき、蒸留塔中の少量のプロピ
レンオキシドが、抽出蒸留溶媒であるオキシエチレング
リコールと反応して、プロピレンオキシド付加物を形成
し、それはさらにプロピレンオキシドと反応できる。結
果として得られるオキシエチレングリコール類のプロピ
レンオキシド付加物の混合物の平均分子量と組成は、低
純度プロピレンオキシドの連続抽出蒸留の間に引続いて
変化するであろう。
【0025】本発明によって、さらに予期しなかったこ
とに、連続抽出蒸留の操作の間に溶媒の循環流の一部を
パージすることと、溶媒の循環流のパージされた部分を
等しい体積の新鮮な溶媒で置き換えることによって、実
質的に一様な成分濃度を有する溶媒の循環流が達成され
ることが見出された。たとえば、時間あたり、循環する
溶媒の全体積の0.1〜15体積%を除去し、そして等
しい体積の新鮮な溶媒で置き換えることによって、溶媒
の循環流は、該循環流の5〜35重量%のみが250を
越える分子量を有するであろう。
【0026】本発明によって、さらにまた予期しなかっ
たことに、引続いて多量のより高い分子量の、オキシエ
チレングリコール類のプロピレンオキシド付加物が蓄積
されても、抽出蒸留工程の効率は悪くならない。たとえ
ば、オキシエチレングリコール類のジ−、トリ−、テト
ラ−およびペンタプロピレンオキシド付加物は異なる物
理特性(たとえば沸点、分子量、凝固点など)を有する
けれども、本発明による混合物中に用いられるときに、
それらは実質的に同じ抽出蒸留特性を示す。
【0027】プロピレンオキシドは、オキシエチレング
リコールと反応して、オキシエチレングリコールのプロ
ピレンオキシド付加物を与え、反応生成物は、実際には
異性体の混合物を含む。たとえば、1モルのプロピレン
オキシドが1モルのエチレンングリコールと反応すると
き、次のように、2種類の異性体が形成される。
【0028】
【化1】
【0029】同様にして、2モルのプロピレンオキシド
が1モルのエチレングリコールと反応するとき、異性体
のより複雑な混合物が形成される。すなわち、次のとお
りである。
【0030】
【化2】
【0031】それゆえ、本発明による抽出蒸留剤として
用いられる、オキシエチレングリコール類のプロピレン
オキシド付加物の混合物は、一般式:
【化3】 (式中、nおよびpは整数であり;mは1〜3の値を有
する整数であり;nとpの合計は1〜8の値を有し;混
合物は600を越えず、好ましくは、たとえば250〜
350のような、350を越えない平均分子量を有す
る)で示される。
【0032】本発明の抽出蒸留工程が連続法に基づいて
実施されるとき、オキシエチレングリコール類のプロピ
レンオキシド付加物の混合物は、最初に抽出蒸留塔に供
給されるエチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコールまたはそれらの混合物によっ
て、その場所で形成できる。その後、最初に供給された
オキシエチレングリコール類のプロポキシ化は、上記の
ように起こり、時間の経過(たとえば100時間の連続
操作)を通して、オキシエチレングリコール類のプロピ
レンオキシド付加物の混合物が形成され、上記の組成の
ような組成を有するであろう。
【0033】それに代わって、上記の組成を有するオキ
シエチレングリコール類のプロピレンオキシド付加物の
混合物を別に形成して(たとえば貯蔵タンク中で)、つ
いで初期および循環する抽出蒸留剤として用いてもよ
い。
【0034】1,000時間またはそれ以上の連続操作
の間に、あるいは抽出蒸留塔の中の異常のために、35
0を越える分子量を有する沸点の高いオキシエチレング
リコール類のプロピレンオキシド付加物の量が、連続抽
出蒸留の操作の効率を低下させるような量にまで増加す
ることがある。精製したプロピレンオキシド生成物中
に、望ましくない大量の汚染物が現われるとき、抽出蒸
留剤の循環流の一部を系からパージし、等しい体積の新
鮮なオキシエチレングリコール抽出蒸留溶媒で置き換え
ることによって、問題を解決することができる。
【0035】たとえば、本発明の好ましい実施態様によ
る連続蒸留操作を実施するときに、循環する溶媒の全体
積の時間あたり0.1〜15体積%を除去し、等しい体
積の新鮮な溶媒で置き換えて、600を越えない、好ま
しくは、たとえば平均分子量250〜350のような、
350を越えない平均分子量を有する溶媒の循環流を与
えるように、その量が調整される。
【0036】本発明によれば、0.01〜2重量%の
水、50〜4,000ppm のメタノールおよび0.01
〜2重量%のアセトンで汚染されたプロピレンオキシド
のような低純度プロピレンオキシド供給原料を、少なく
とも約10段の理論段を有する抽出蒸留塔の下半部に供
給し、オキシエチレングリコール類のプロピレンオキシ
ド付加物の1種もしくはそれ以上の混合物、またはエチ
レングリコール類の1種もしくはそれ以上を含む抽出蒸
留剤を、低純度プロピレンオキシドの供給部位より少な
くとも4段上の部位で、蒸留塔に供給する。好ましく
は、抽出蒸留塔は少なくとも10段の理論段、より好ま
しくは少なくとも25段の理論段、そしてさらに好まし
くは30〜120段の理論段を含有し;抽出蒸留剤は、
低純度プロピレンオキシドを供給した部位より7〜50
理論段上の部位で蒸留塔に供給する。抽出蒸留剤は、前
記の供給原料の該抽出蒸留剤との比が1:1〜20:
1、そしてより好ましくは2:1〜10:1で、抽出蒸
留塔に導入され、それによって、水5〜600ppm 、メ
タノール15〜2,000ppm およびアセトン0.1〜
100ppm のような、著しく減少した量の水、メタノー
ルおよびアセトンで汚染された、本質的にプロピレンオ
キシドからなる低沸点留分が得られる。
【0037】図1は、本発明に従ってプロピレンオキシ
ドを精製する際に用いられる一般的な回収連続操作を示
す、慣用的部分を省略した模式的流れ図である。
【0038】図1では、便宜上、本発明を、tert−ブチ
ルアルコールに溶かした溶液中でプロピレンをtert−ブ
チルヒドロペルオキシドでエポキシ化して、プロピレン
オキシドおよび追加的なtert−ブチルアルコールを含有
する反応生成物を得ることによってプロピレンオキシド
を製造する方法と関連させて示す。
【0039】本発明の好適な実施態様によれば、プロピ
レンオキシドを予備蒸留帯域(図示せず)でエポキシ化
反応混合物の他の成分から分離して、アセトン、メタノ
ールおよび水のような酸素含有不純物で汚染された低純
度プロピレンオキシド留分を得る。
【0040】このようにして予備蒸留帯域で得られた低
純度プロピレンオキシド原料を、ついでプロピレンオキ
シド精製蒸留帯域で精製する。本発明の好適な実施態様
によれば、この帯域には、それぞれ適切な還流凝縮手段
および適切なリボイラー加熱手段を備えた2基の蒸留塔
が含まれる。
【0041】蒸留塔(100)は、10〜40psiaの圧
力、2:1〜10:1の還流比、100〜250℃(た
とえば210℃)の範囲内のリボイラー温度、および2
0〜80℃(たとえば20℃)の塔頂温度をはじめとす
る蒸留条件下で操作するのが適切である。
【0042】好ましくは、低純度プロピレンオキシド
を、蒸留塔(100)の下半部に供給する。オキシエチ
レングリコール類のプロピレンオキシド付加物の混合物
から本質的になる抽出蒸留剤は、抽出蒸留剤供給管路
(106)によって蒸留塔(100)の上半部に供給す
る。
【0043】約100ppm またはそれ以下の水を含有す
る留分のような、精製されたプロピレンオキシド留分
は、低沸点留分(112)として蒸留塔(100)から
取り出されるが、管路(112)内の該精製プロピレン
オキシドは、著しく低減された量のメタノールおよびア
セトン、たとえば約15〜900ppm のメタノールおよ
び約0.1〜100ppm のアセトンを含有する。高沸点
留分(110)は、蒸留塔(100)から回収され、管
路(106)を用いて供給された抽出蒸留剤の実質的に
すべて、ならびに低純度プロピレンオキシド(120)
とともに蒸留塔(100)に導入された水、アセトンお
よびその他の酸素含有不純物のやはり実質的にすべてを
含有する。
【0044】蒸留塔(100)からの、水、メタノー
ル、アセトン、tert−ブチルアルコール、その他の不純
物および抽出蒸留剤を含有する高沸点留分(110)
は、第二の蒸留塔(200)に供給され、ここで、メタ
ノール、アセトン、水などのような低沸点不純物は、蒸
留留分(204)として塔頂で分離され、ボイラ用原料
としての用途のような適切な用途、または回収にも向け
て装置系から排出される。
【0045】高沸点留分(106)は、抽出蒸留剤を含
有していて蒸留塔(200)から排出され、管路(10
6)によって蒸留塔(100)へと再循環される。
【0046】本発明によって、新鮮な抽出蒸留剤は、当
初の供給物、または形成される溶媒のいずれかとして、
該抽出蒸留剤とともに系に導入される水がそこから第2
の蒸留塔(200)で分離されるように、蒸留塔(20
0)への供給管路(110)へと導かれる支管(23
0)によって系に導入され、水は蒸留塔(200)より
管路(204)を通って抜き出される。
【0047】以上のように、たとえば、連続運転の開始
において、エチレングリコール、ジエチレングリコール
またはトリエチレングリコールの最初の供給物は、管路
(230)によって系に供給される。最初の供給物が抽
出蒸留塔(100)を通って循環するにつれて、プロピ
レンオキシドと最初の供給物との反応が起こり、そして
その結果、約100時間の操作の間に、オキシエチレン
グリコール類の望ましいプロピレンオキシド付加物の混
合物がその系中で形成されるであろう。それに代えて、
前記の特性を有するオキシエチレングリコール類のプロ
ピレンオキシド付加物の混合物を蒸留塔(100)の外
で(たとえば図示しない貯蔵タンク中で)製造し、つい
で管路(230)によって系中に供給してもよい。
【0048】本発明の好ましい実施態様によれば、約6
00を越える分子量、より好ましい実施態様では約35
0を越える分子量を有する、オキシエチレングリコール
類のプロピレンオキシド付加物の望ましくない量が管路
(106)中に蓄積されるとき、抽出蒸留剤の循環流の
一部、好ましくは循環している溶媒の全体積の時間あた
り0.1〜15体積%の調節された量を、約600を越
えない、好ましくは約350を越えない平均分子量、た
とえば約250〜約350の平均分子量を有する溶媒の
循環系を与えるように、弁で制御された管路によって除
去し、管路(230)を経由して導入される、等しい体
積の新鮮な溶媒で置き換える。
【0049】
【発明の効果】本発明によって、水ならびにメタノール
やアセトンのような酸素含有不純物の含有量を著しく減
少させた精製プロピレンオキシドを製造することができ
る。本発明によるプロピレンオキシドの精製は、長期間
にわたって連続的に実施できる。
【0050】
【実施例】本発明を、説明の手段として示され、本発明
の範囲を限定するものとして示されてはいない下記の特
定の実施例によって、説明する。部が記されていると
き、それらは重量部である。
【0051】実施例1 120段の棚段を有する5cmのオルダーショー型蒸留塔
を、粗プロピレンオキシド供給流から酸素化された不純
物を除去する抽出蒸留に用いた。精製されたプロピレン
オキシドを、この第1塔から塔頂生成物として回収し、
溶媒と不純物は塔底流出物を形成した。3.3m(11
フィート)のステンレス鋼製の金網を充填した2.5cm
のステンレス鋼製の第2の蒸留塔を、汚染された溶媒を
精製するのに用い、ついで溶媒を第2塔の塔底より第1
塔の供給点より上の部位に再循環した。溶媒から除去さ
れた不純物を、第2塔の塔頂より回収した。用いた溶媒
は、エチレングリコール(EG)であった。14日間の
運転を行い、そこで溶媒はプロピレンオキシドと反応し
て、EGのモル付加物を形成するに至った。14日間の
運転の間に、溶媒を1回パージした。粗プロピレンオキ
シド供給物、および運転の間の異なる時点における精製
された生成物の組成物を表1に示す。開始時、および運
転している間の溶媒の組成を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】実施例2 120段の棚段を有する5cmのオルダーショー型蒸留塔
を、粗プロピレンオキシド供給流から酸素化された不純
物を除去する抽出蒸留に用いた。精製されたプロピレン
オキシドを、この第1塔から塔頂生成物として回収し、
溶媒と不純物は塔底流出物を形成した。3.3m(11
フィート)のステンレス鋼製の金網を充填した2.5cm
のステンレス鋼製の第2の蒸留塔を、汚染された溶媒を
精製するのに用い、ついで溶媒を第2塔の塔底より第1
塔の供給点より上の部位に再循環した。溶媒から除去さ
れた不純物を、第2塔の塔頂より回収した。用いた溶媒
は、トリエチレングリコール(TEG)であった。最初
の溶媒の量を蒸留塔と貯槽に仕込んで、14日間の運転
を行った。運転の間に、溶媒を系よりパージしたり、ま
たは系に追加しなかった。粗プロピレンオキシド供給
物、および運転の間の異なる時点における精製された生
成物の組成を表3に示す。開始時、および運転している
間の溶媒の組成を表4に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】実施例3 運転継続期間を除いて実施例2に記載したのと同様にし
て、第2の運転を行った。この実施例における運転期間
は35日間であった。粗プロピレンオキシド供給物、お
よび運転の間の異なる時点における精製された生成物の
組成を表5に、開始時、および運転している間の溶媒の
組成を表6に示す。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプロピレンオキシドの精製方法の
流れ図である。
【符号の説明】
100 第1蒸留塔 106 抽出蒸留溶媒の再循環管路 110 高沸点留分および抽出蒸留溶媒の管路 112 精製プロピレンオキシドの管路 120 低純度プロピレンオキシドの供給管路 200 第2蒸留塔 204 不純物の管路 230 抽出蒸留溶媒の供給管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーク・アラン・ミューラー アメリカ合衆国、テキサス 78723、オー スチン、マンスフィールド・サークル 13103 (72)発明者 マイケル・ウォレン・ピーターズ アメリカ合衆国、アリゾナ 85234、ギル バート、サウス・サーフサイド・ドライブ 910 (72)発明者 ウィリアム・ケンプ・カルブレス・ザ・サ ード アメリカ合衆国、テキサス 77706、ボー モント、ウエストメドウ・ドライブ 1345

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低純度プロピレンオキシドから、水、メ
    タノールおよびアセトンをはじめとする酸素化された不
    純物を除去する、下記の段階を含む、低純度プロピレン
    オキシド原料の抽出蒸留方法であって、 該低純度プロピレンオキシド供給原料を抽出蒸留塔の下
    半部に導入し; (a)オキシエチレングリコール類のプロピレンオキシ
    ド付加物の1種もしくは2種以上の混合物、または
    (b)エチレングリコール類の1種もしくは2種以上 を含む抽出蒸留剤を、該供給原料の該抽出蒸留剤に対す
    る比を1:1〜20:1になるように、該抽出蒸留塔の
    低純度プロピレンオキシドを供給する部位の上方に導入
    し;導入されたエチレングリコール類は、蒸留の間にエ
    チレングリコール類のプロピレンオキシドに転換されて
    抽出蒸留剤として寄与し;低減された量の水、アセトン
    およびメタノールで汚染されたプロピレンオキシドから
    本質的になる低沸点留分を該抽出蒸留塔より抜き出し;
    該抽出蒸留塔に導入され、または形成されたオキシエチ
    レングリコール類のプロピレンオキシド付加物の実質的
    にすべて、ならびに導入された水、アセトンおよびメタ
    ノールの一部を含有する高沸点留分を該抽出蒸留塔より
    抜き出し;該オキシエチレングリコール類のプロピレン
    オキシド付加物が約600を越えない平均分子量を有す
    る、プロピレンオキシドの抽出蒸留方法。
  2. 【請求項2】 低純度プロピレンオキシド供給原料を、
    リボイラーおよび還流冷却器を備えた抽出蒸留塔におい
    て、水、メタノールおよびアセトンなどの酸素化された
    不純物を該低純度プロピレンオキシドから除去するため
    の蒸留において、 該低純度プロピレンオキシド原料を、少なくとも25段
    の理論段を有する蒸留塔の下半部に導入し;抽出蒸留剤
    を、該抽出蒸留塔の低純度プロピレンオキシド供給原料
    の供給部位の少なくとも4理論段上の部位に導入し;低
    純度プロピレンオキシド供給原料を、該抽出蒸留塔にお
    いて、圧力0.07〜0.27MPa(10〜40psia)、
    還流比1:1〜5:1、ならびにリボイラー温度100
    〜250℃、塔頂温度20〜80℃の範囲の温度を包含
    する蒸留条件である請求項1記載の抽出蒸留方法。
  3. 【請求項3】 さらに、 該高沸点留分を蒸留塔に連続的に供給して、そこで水、
    アセトンおよびメタノールを含む低沸点留分を、前記の
    オキシエチレングリコール類のプロピレンオキシド付加
    物の混合物を含む高沸点留分とに分離し;該高沸点留分
    を前記の抽出蒸留剤として前記の抽出蒸留塔に連続的に
    再循環することを含む連続法に基づいて実施する請求項
    1または2に記載の抽出蒸留方法。
JP7133634A 1994-05-31 1995-05-31 抽出蒸留によるプロピレンオキシドの精製方法 Pending JPH07330747A (ja)

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