JP3150800B2 - 抽出蒸留によるプロピレンオキシドの精製方法 - Google Patents

抽出蒸留によるプロピレンオキシドの精製方法

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JP3150800B2 JP31433492A JP31433492A JP3150800B2 JP 3150800 B2 JP3150800 B2 JP 3150800B2 JP 31433492 A JP31433492 A JP 31433492A JP 31433492 A JP31433492 A JP 31433492A JP 3150800 B2 JP3150800 B2 JP 3150800B2
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ハンツマン・スペシヤルテイ・ケミカルズ・コーポレーシヨン
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/34Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping with one or more auxiliary substances
    • B01D3/40Extractive distillation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D301/00Preparation of oxiranes
    • C07D301/32Separation; Purification

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  • Epoxy Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロピレンオキシドの
精製方法に関する。より詳しくは、本発明は、低純度プ
ロピレンオキシド原料から酸素含有不純物、例えばメタ
ノール、アセトンおよび水をはじめとする汚染量の不純
物を除去する方法に関する。さらにとりわけ、本発明
は、ジプロピレングリコールを抽出蒸留剤に用いる抽出
蒸留塔において、約50〜4,000ppm のメタノー
ル、約0.01〜2重量%の水、および約0.01〜2
重量%のアセトンで汚染された低純度プロピレンオキシ
ド原料を精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロペルオキシド原料、例えばter
t−ブチルヒドロペルオキシドを、エポキシ化触媒の存
在下でプロピレンと反応させて、プロピレンオキシド、
ヒドロペルオキシド原料に対応するアルコール、溶媒お
よび不純物を含む反応生成物を得ることは公知である
(例えばKollarの米国特許第3,350,422 号明細書、同第
3,351,635 号明細書、およびSorgentiの米国特許第3,66
6,777 号明細書を参照)。
【0003】反応生成物を蒸留によって分離し、例えば
プロピレン再循環留分、プロピレンオキシド生成物留分
およびアルコール留分をはじめとする複数の留分を得る
ことも公知である。
【0004】また、メタノール、アセトンおよび水は、
プロピレンオキシドに対する一般的な汚染物質であり、
困難を伴わずには除去されないことも公知である。
【0005】Mitchellらの米国特許第2,550,847 号明細
書は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、メタノールなど
で汚染された粗プロピレンオキシドから精製プロピレン
オキシドを分離する方法であって、粗プロピレンオキシ
ドを水性塩基性物質で処理し、ついでデカンテーション
のようななんらかの適当な手段を用いて、精製プロピレ
ンオキシドを回収する方法に関する。Mitchellらは、7
8〜82重量%のプロピレンオキシドを含有する生成物
の回収を報告し、分別蒸留によって、約95〜99%ま
で純度を高めることが可能であると述べている。
【0006】Robeson らの米国特許第2,622,060 号明細
書は、メタノールをはじめとする不純物で汚染されたプ
ロピレンオキシドを精製する方法において、アルカリ水
溶液を含む抽出蒸留剤の存在下で、低純度プロピレンオ
キシドを蒸留にかけることによる方法を開示している。
この発明者たちは、その特許の実施例1において、50
0重量部の粗プロピレンオキシド留分をその発明に従っ
て抽出蒸留して、約99.6重量%のプロピレンオキシ
ドを含有する325重量部の生成物を得た方法を報告し
ている。したがって、この工程の間にはプロピレンオキ
シドのかなりの損失が発生している。
【0007】プロピレンオキシドの精製とは無関係の方
法では、Goddinらが米国特許第2,751,337 号明細書中
で、抽出蒸留剤として水を利用し、アセトンとメタノー
ルおよび酢酸メチルとの混合物からアセトンを分離する
方法を開示している。
【0008】Hamlinらは米国特許第3,409,513 号明細書
中で、アセトン、低級脂肪族アルコール、および低級脂
肪族アルコールとカルボン酸とのエステルを含有する混
合物の水抽出蒸留を開示している。アセトン、酢酸メチ
ルおよびメタノールは、55.5〜56.5℃で沸騰す
る共沸混合物を形成することが、この発明者らによって
指摘されている。Williamsらは、水を用いた液−液抽出
を行い、ついで、水相を水抽出蒸留して部分的に精製さ
れたアセトン留分を得ることによって、そのような3成
分系共沸混合物から部分的に精製されたアセトンを回収
することを提案している。
【0009】Washall の米国特許第3,578,568 号明細書
は、グリコール、例えばエチレングリコールまたはプロ
ピレングリコールを抽出蒸留剤に用いて、低純度プロピ
レンオキシドから酸素含有不純物、例えばアセトン、ア
セトアルデヒドおよびメタノールを除去する方法を開示
している。
【0010】Hoory およびNewmanの米国特許第3,632,48
2 号明細書は、アルコール/ケトン/炭化水素溶媒を用
いる抽出蒸留によるプロピレンオキシドの回収方法に関
している。この発明は、プロピレンを有機ヒドロペルオ
キシドでエポキシ化することによって製造される混合物
中に含まれる粗プロピレンオキシドを精製する方法に関
し、炭化水素、ならびにプロピレンオキシドの製造に用
いられる有機ヒドロペルオキシドに対応するアルコール
および/またはケトンから基本的になる溶媒混合物の助
けを借りて、連続する複数の抽出蒸留帯域で粗プロピレ
ンオキシドを抽出蒸留することが必要である。その発明
の好適な実施態様においては、抽出蒸留剤は3基の蒸留
塔による連続操作から得られる再循環留分であって、第
三の蒸留塔からの塔底液をフラッシュして、炭化水素、
アルコールおよび/またはケトンで構成される塔頂分を
得て、これを抽出蒸留剤としてプロピレンオキシド精製
連続操作に伴う3基の蒸留塔へ再循環させている。
【0011】Burns らの米国特許第3,715,284 号明細書
は、アセトンまたはアセトンとメタノールの混合物を用
い、これを低純度プロピレンオキシドの下側に、または
それとともに蒸留塔に導入する低純度プロピレンオキシ
ドの精製方法を開示している。
【0012】Schmidt の米国特許第3,881,996 号明細書
は、粗プロピレンオキシドを精製するために、少なくと
も3基、任意には4基の蒸留塔を用い、そのうち1基を
任意に、炭化水素、たとえばオクタンを抽出蒸留剤とし
て用いる抽出蒸留塔とする蒸留連続操作に関している。
【0013】Schmidt の米国特許第4,140,588 号明細書
は、水を抽出蒸留剤として用い、これを粗プロピレンオ
キシド原料の導入部位の上側で蒸留塔に導入する、メタ
ノールおよびアセトンで汚染されたプロピレンオキシド
の精製方法を開示している。
【0014】Schmidt は、第2欄第50〜55行で、次
のように述べている:「ところが、プロピレンオキシド
は実質的に水に可溶であり、多量の水の存在下では(す
なわち蒸留塔のリボイラー区画では)容易に加水分解さ
れてプロピレングリコール(PG)となる」。
【0015】米国特許第4,971,661 号明細書は、水性ア
セトン抽出を用いてプロピレンオキシドからメタノール
を除去することを開示している。
【0016】米国特許第3,578,568 号明細書は、抽出蒸
留の際にグリコールまたはグリコールエーテルを用いて
酸素含有不純物、例えばアセトン、アセトアルデヒドお
よびメタノールを除去することを開示している。蒸留塔
の抽出蒸留帯域での蒸気空間中の溶媒濃度は、好ましく
は全蒸気の15〜50モル%であることが、請求項に記
載されている。
【0017】米国特許第3,578,568 号明細書と比較する
と、本発明は、抽出蒸留帯域で水および酸素含有不純
物、たとえばアセトンを除去するのに、著しく低濃度の
溶媒を用いている。ジプロピレングリコールの濃度がよ
り低いことから、組み合わせるトリエチレングリコール
再生装置の大きさと熱の必要量が低くなる。
【0018】米国特許第4,140,588 号明細書は、メタノ
ールおよびアセトンを除去するために、抽出蒸留に水を
用いることを開示している。
【0019】米国特許第3,607,669 号明細書は、炭素原
子数が8〜12の炭化水素を用いて、水からプロピレン
オキシドを分離することを開示している。
【0020】Shihらの米国特許第5,000,825 号明細書
は、酸素化された不純物、例えば水、低分子量のアルコ
ール、低分子量のケトン、低分子量のアルデヒドなどで
汚染されたモノエポキシド、例えばプロピレンオキシド
を、2〜4個の炭素原子を有する低級グリコールを用い
る汚染されたモノエポキシドの抽出蒸留によって、精製
することを開示している。この特許に記載された低級グ
リコールの例には、エチレングリコール、1,2−プロ
パンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタ
ンジオールおよび2,3−ブタンジオールが包含され
る。より高級なジオールまたはより高級なグリコールエ
ーテルは、そのような不純物を除去するのに充分な選択
性を与えず、この発明に用いるのに適した抽出蒸留溶媒
には包含されないことが述べられている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸素
含有不純物、例えばメタノール、アセトンおよび水をは
じめとする汚染量の不純物を、低純度プロピレンオキシ
ド原料から除去するための蒸留方法を提供することであ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、低純度プロピ
レンオキシド原料から、水、アセトンおよびメタノール
をはじめとする酸素化された汚染物質を除去する抽出蒸
留方法であって、該低純度プロピレンオキシド原料を蒸
留塔の下半部に導入し、ジプロピレングリコールを含む
抽出蒸留剤を、抽出蒸留剤に対する原料の比を1:1〜
20:1として、低純度プロピレンオキシドの供給部位
の上方に導入し、低減された量のアセトンおよびメタノ
ールで汚染された、本質的に無水のプロピレンオキシド
を含む塔頂留出留分、ならびに該蒸留塔に導入されたジ
プロピレングリコール、水およびアセトンの実質的にす
べて、およびメタノールの一部を含有する塔底蒸留留分
を回収することを特徴とする方法を提供する。
【0023】好ましくは、低純度プロピレンオキシド
は、少なくとも25段の理論段を有する蒸留塔の下半部
に供給し、抽出蒸留剤は、低純度プロピレンオキシドの
供給部位の少なくとも4理論段上の部位で加える。
【0024】最も好ましい蒸留条件は、69〜276kP
a (10〜40psia)の圧力、1:1〜5:1の還流
比、100〜250℃の範囲内のリボイラー温度および
20〜80℃の塔頂温度を含む。
【0025】プロピレンを、可溶性エポキシ化触媒、例
えばモリブデンエポキシ化触媒の存在下で、溶媒、例え
ばtert−ブチルアルコールに溶かした溶液中の有機
ヒドロペルオキシド、例えばtert−ブチルヒドロペ
ルオキシドと液相で反応させるときは、反応混合物は、
プロピレンオキシド、有機ヒドロペルオキシド原料に対
応するアルコール、ならびに水およびその他の酸素化さ
れた不純物、例えばギ酸メチル、アセトアルデヒド、ア
セトンおよびメタノールをはじめとする不純物を含んで
形成される。
【0026】プロピレンオキシドは吸湿性の物質である
ため、水は困難を伴わずに除去されることはない。しか
し、プロピレンオキシド中に存在する水は、プロピレン
オキシドと反応してプロピレングリコールを形成する傾
向にあるであろうから、可能な限り多量の水を除去する
ことが重要である。
【0027】また、他の酸素化された汚染物質、例えば
メタノールおよびアセトンの水準を、合理的に到達し得
る最低の水準にまで低めることも重要である。
【0028】慣用方法の実施によれば、tert−ブチ
ルアルコールに溶かした溶液中におけるtert−ブチ
ルヒドロペルオキシドとプロピレンとの、モリブデンを
触媒とする反応によって形成されるエポキシ化反応生成
物を、蒸留によって素成分へと分離して、プロピレン蒸
留留分、プロピレンオキシド蒸留留分、tert−ブチ
ルアルコール蒸留留分、ならびにモリブデン触媒および
エポキシ化反応の他の生成物や副成物を含有する高沸点
蒸留留分をはじめとする蒸留留分を形成させる。ところ
が、こうして得られた蒸留留分は、不純物を含有するこ
とを特徴とし、通常、商業的に許容され得る製品を得よ
うとする場合には、さらに処理しなければならない。こ
のことは、水ならびにメタノールおよびアセトンをはじ
めとする酸素化された汚染物質で汚染されたプロピレン
オキシド蒸留留分について、特にあてはまる。
【0029】本発明によれば、基本的にジプロピレング
リコールからなる抽出蒸留剤の存在下でプロピレンオキ
シド原料を抽出蒸留したとき、汚染されたプロピレンオ
キシド原料中に当初存在した水の実質的にすべてをこれ
から除去することが可能なことが、意外にも発見され
た。さらに意外なことは、汚染された原料中に存在する
アセトンの実質的にすべて、およびメタノールの大半も
また、ジプロピレングリコールを抽出蒸留剤として用い
たときに、プロピレンオキシドから除去されるという発
明者らの発見である。
【0030】図面は、本発明に従ってプロピレンオキシ
ドを精製する際に用いられる一般的な回収連続操作を示
す、慣用的部分を省略した模式的流れ図である。添付の
図面を参照し、本発明をさらに説明する。
【0031】簡便のため図面では、tert−ブチルア
ルコールに溶かした溶液中でプロピレンをtert−ブ
チルヒドロペルオキシドでエポキシ化して、プロピレン
オキシドおよび追加的なtert−ブチルアルコールを
含有する反応生成物を得ることによってプロピレンオキ
シドを製造する方法と関連させて、本発明を示す。
【0032】ここで図面を参照すると、本発明の方法を
実施する好適な方法を示す模式的流れ図を示している。
図面では、慣用的部分、例えば弁、ポンプ、温度セン
サ、圧力センサ、ヒータ、冷却器および流量制御調節装
置は省略されている。
【0033】本発明の好適な実施態様によれば、予備蒸
留帯域(図示せず)でプロピレンオキシドをエポキシ化
反応混合物の他の成分から分離して、酸素含有不純物、
例えばアセトン、メタノールおよび水で汚染された低純
度プロピレンオキシド留分を得る。
【0034】予備蒸留帯域でこうして得られた低純度プ
ロピレンオキシド原料を、ついでプロピレンオキシド精
製蒸留帯域で精製するが、本発明の好適な実施態様によ
れば、この帯域には、それぞれ適切な還流凝縮手段およ
び適切なリボイラー加熱手段を備えた2基の蒸留塔が含
まれる。
【0035】本発明によれば、代表的には、約50〜
4,000ppm のメタノール、約0.01〜2重量%の
アセトンおよび約0.01〜2重量%の水、ならび他の
酸素含有不純物で汚染された低純度プロピレンオキシド
留分を、蒸留塔(100)に導く管路(120)を経由
して供給するが、本発明によれば、この蒸留塔は、少な
くとも約10段の理論段が好ましく、約30〜約100
段の理論段を有する蒸留塔がより好ましいであろう。蒸
留塔(100)は、69〜276kPa (10〜40psi
a)の圧力、2:1〜10:1の還流比、100〜25
0℃(例えば210℃)の範囲内のリボイラー温度、お
よび20〜80℃(例えば20℃)の塔頂温度をはじめ
とする蒸留条件下で操作するのが適当である。
【0036】好ましくは、低純度プロピレンオキシド
は、蒸留塔(100)の下半部に供給する。ジプロピレ
ングリコールから本質的になる抽出蒸留剤は、抽出蒸留
剤供給管路(106)によって蒸留塔(100)の上半
部に供給する。
【0037】約100ppm またはそれ以下の水を含有す
る、本質的に無水の精製されたプロピレンオキシドは、
低沸点蒸留留分(112)として、蒸留塔(100)か
ら取り出されるが、管路(112)内のこの精製プロピ
レンオキシドは、著しく低減された量のメタノールおよ
びアセトン、例えば約15〜900ppm のメタノールお
よび約0.1〜100ppm のアセトンを含有する。高沸
点留分(110)は、蒸留塔(100)から回収され、
管路(106)を用いて供給された抽出蒸留剤の実質的
にすべて、ならびに低純度プロピレンオキシド(12
0)とともに、蒸留塔(100)に導入された水、アセ
トンおよびその他の酸素含有不純物のやはり実質的にす
べてを含有する。
【0038】蒸留塔(100)からの、水、メタノー
ル、アセトン、tert−ブチルアルコール、その他の
不純物および抽出蒸留剤を含有する高沸点蒸留留分(1
10)は、第二の蒸留塔(200)に供給され、ここ
で、低沸点不純物、例えばメタノール、アセトン、水な
どは、蒸留留分(204)として塔頂で分離され、適当
ないかなる用途、例えばボイラ用原料としての用途また
は回収にも向けて装置系から排出される。
【0039】高沸点蒸留留分(106)は、ジプロピレ
ングリコールを含有していて、第二の蒸留塔(200)
から排出され、管路(106)を用いて第一の蒸留塔
(100)へと再循環される。
【0040】ジプロピレングリコールは、次式で示され
る異性体の混合物である。
【0041】
【化1】
【0042】ジプロピレングリコールは、無色、吸湿
性、実際上無臭の液体で、231.8℃の沸点、0.0
1mmHg未満の蒸気圧(20℃)、および1.0252の
比重(20/20℃)を有する。工学的等級のジプロピ
レングリコールは、認め得る量(例えば約0.01〜
0.1重量%)の水を含有するであろう。したがって、
もし工学的等級の新鮮なジプロピレングリコールをただ
ちに第一の蒸留塔(100)に導入したならば、望まし
くない相当な量の汚染水もまた導入されることになろ
う。本発明によれば、最初の供給物または補給用溶媒の
いずれかとしての新鮮なジプロピレングリコールを、第
二の蒸留塔(200)に向かう供給管路(110)へと
導く側管路(230)を用いて装置系に導入するので、
新鮮なジプロピレングリコールとともに装置系に導入さ
れたいかなる水も、第二の蒸留塔(200)内でこれか
ら分離され、管路(204)を通じて該蒸留塔(20
0)から回収されるであろう。
【0043】
【発明の効果】水および酸素含有不純物、例えばアセト
ンおよびメタノールは、標準的な蒸留を用いてはプロピ
レンオキシドから除去することが困難である。今説明し
たように本発明を用いることは、プロピレンオキシドか
らのこれらの不純物の分離を改善する。
【0044】
【実施例】下記の限定的ではない実施例を用いて、本発
明をさらに明らかにする。ここで、部は重量部である。
【0045】実施例1 供給された粗プロピレンオキシドの組成、抽出蒸留溶媒
を用いない比較のための蒸留操作、および溶媒としてジ
プロピレングリコールを用いた蒸留操作を、表1および
表2に示す。操作は大気圧で作動させた25段、2.5
4cm(1インチ)のOldershaw 型ガラス製蒸留塔中で実
行した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】実施例2 120段の実際段を有する、真空ジャケットを備えた直
径5.08cm(2インチ)の Oldershaw型ガラス製蒸留
塔を、追加の操作に用いた。実施例1で用いたのと同じ
組成の粗プロピレンオキシド供給物を80番トレイ(塔
頂から数えて)に導入し、ジプロピレングリコール抽出
蒸留溶媒を30番トレイに導入した。溶媒:供給物の比
は重量比5:1であった。塔操作圧力は、冷却器におい
て160kPa (23psia)であった。
【0049】プロピレンオキシド原料の組成を表3に示
した。
【0050】
【表3】
【0051】工学的等級のジプロピレングリコールを使
用した、これは約260ppm の水を含有していた。結果
を以下の表4、表5に示した。これらの結果は、供給物
であるプロピレンオキシドから、水が実質的に完全に除
去されること、また塔頂のプロピレンオキシド生成物の
メタノール含有量が大幅に減少していることを示してい
る。
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続法によるプロピレンオキシド精製
法の流れ図である。
【符号の説明】
100 第一蒸留塔 106 ジプロピレングリコール再循環管路 110 高沸点蒸留留分および抽出蒸留溶媒の管路 112 精製プロピレンオキシドの管路 120 低純度プロピレンオキシドの管路 200 第二蒸留塔 204 不純物の管路 230 抽出蒸留溶媒供給管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユ−ファ・エドワード・シュウ アメリカ合衆国、テキサス 78746、オ ースチン、タートル・ポイント・ドライ ブ 6210 (72)発明者 ウィリアム・ケンプ・カルブレス・サー ド アメリカ合衆国、テキサス 78727、オ ースチン、サドル・サークル 5102 (72)発明者 デビッド・ジョージ・ポットラッズ アメリカ合衆国、テキサス 78759、オ ースチン、ジョリーヴィル・ロード・ナ ンバー422 11160 (56)参考文献 特開 昭48−61407(JP,A) 特公 昭50−7576(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 301/32 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低純度プロピレンオキシド原料から、
    水、アセトンおよびメタノールなどを除去する抽出蒸留
    方法であって、 該低純度プロピレンオキシド原料を蒸留塔の下半部に導
    入し、ジプロピレングリコールを含む抽出蒸留剤を、抽
    出蒸留剤に対する原料の比を1:1〜20:1として低
    純度プロピレンオキシドの供給部位の上方に導入し、低
    減された量のアセトンとメタノールとで汚染された本質
    的に無水のプロピレンオキシドを含む塔頂留出分、なら
    びに該蒸留塔に導入されたジプロピレングリコール、水
    およびアセトンの実質的にすべて、およびメタノールの
    一部を含有する塔底留出分を回収することを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 低純度プロピレンオキシドを、少なくと
    も25段の理論段を有する蒸留塔の下半部に供給し、抽
    出蒸留剤を、低純度プロピレンオキシドの供給部位の少
    なくとも4理論段上の部位に加える請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 蒸留条件が、69〜276kPa (10〜
    40psia)の圧力、1:1〜5:1の還流比、ならびに
    100〜250℃の範囲のリボイラー温度および20〜
    80℃の範囲の塔頂温度を含む請求項1に記載の方法。
JP31433492A 1991-11-01 1992-10-30 抽出蒸留によるプロピレンオキシドの精製方法 Expired - Fee Related JP3150800B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

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