JP3150540B2 - 真空濃縮方法及び真空濃縮装置 - Google Patents

真空濃縮方法及び真空濃縮装置

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JP3150540B2
JP3150540B2 JP20603394A JP20603394A JP3150540B2 JP 3150540 B2 JP3150540 B2 JP 3150540B2 JP 20603394 A JP20603394 A JP 20603394A JP 20603394 A JP20603394 A JP 20603394A JP 3150540 B2 JP3150540 B2 JP 3150540B2
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雅巳 荒川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空濃縮方法及び真空
濃縮装置に関し、特に試料を収納した容器に回転による
遠心力を与えながら、該試料を減圧下において加熱する
試料の真空濃縮方法及び真空濃縮装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機溶媒或いは水等の液体成
分を含んだ試料を濃縮、或いは乾燥する為に、該試料を
収納したチューブに回転による遠心力を与えながら、該
試料を減圧下において加熱し、試料の液体成分を突沸さ
せることなく効率的に蒸発させる試料の真空濃縮方法が
存在する。かかる真空濃縮方法を実施する装置として
は、例えば図に示した如き構造の装置が現在使用され
ている。
【0003】ここで、図中101は、試料に遠心力を
与える回転体、102は該回転体101を収納する容
器、103は前記容器102の上部開口102aを開閉
する蓋体である。容器102内は、前記蓋体103によ
って密閉状態とされ、該容器102の側壁に形成された
真空ポンプ接続口104に接続された真空ポンプ(図示
せず)によって、試料の濃縮操作中において減圧状態と
される。
【0004】また、図中105は、上記回転体101
を回転させる駆動手段であって、該駆動手段105は、
上記容器102内の密閉性を高める為に磁気継手による
間接駆動方式が採用され、容器102内の中央付近に回
転可能に支持された回転軸106と、容器102外の下
方に配置された駆動モーター107の出力軸108と
を、容器102の底面の一部を構成する板体109を挟
んで対向配置させられた磁石110,111によって間
接的に接続した構造のものである。
【0005】さらに、図において112は、上記容器
102の外周壁面に装着された加熱ヒーターであって、
該加熱ヒーター112によって試料に含まれる液体成分
の蒸発を促進させる為の熱が加えられ、また113は、
減圧状態に供された上記容器102内に空気を導入する
ための配管であって、該配管113の基端には開閉弁1
14が設けられている。
【0006】上記のように構成された従来の真空濃縮装
置は、次の如く操作される。先ず、濃縮或いは乾燥すべ
き試料を入れたチューブを上記回転体101に装着し、
蓋体103を閉めた後に回転体101を上記駆動モータ
ー107によって回転させ、試料に回転による遠心力を
付加する。これは、後記する試料の急激な減圧下におけ
る加熱操作によって、試料が突沸、或いは飛散するのを
防止するために行なわれる。
【0007】次に、試料に遠心力を付加した状態で上記
真空ポンプ及び加熱ヒーターをONとし、容器102内を
減圧状態とすると共にその雰囲気温度を上昇させ、試料
中に含まれる液体成分を効率的に蒸発させる。
【0008】所定の時間が経過した後に、上記駆動モー
ター、真空ポンプ及び加熱ヒーターを OFFとし、上記真
空濃縮操作を停止すると共に、上記開閉弁114を操作
することにより容器102内の減圧状態を解除し、蓋体
103を開けて濃縮或いは乾燥された試料を得る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらここで、
先ず、上述した従来の真空濃縮装置を使用した試料の濃
縮或いは乾燥方法においては、試料の濃縮操作中におい
て容器102の外周壁面に装着された上記加熱ヒーター
112によって減圧下、即ち熱伝達媒体となる気体(空
気)が希薄、或いは存在しない状態で試料を間接的に加
熱しようとするものであるため、該加熱ヒーター112
による試料の加熱は効果的には行なわれず、試料の気化
熱による温度低下を招いて試料が凍結し、試料の濃縮効
率が下がって濃縮時間が長くなるという課題があった。
【0010】これを防止するために、試料の加熱方法と
して容器102内に赤外線ヒーターを設置したり、或い
は容器の蓋体103を耐熱ガラスとし、該耐熱ガラスの
上部に赤外線ヒーターを設置したりすることにより、該
赤外線ヒーターからの輻射熱により減圧下においても試
料を効果的に加熱する試みがなされている。しかし、容
器102内に赤外線ヒーターを設置する方法において
は、試料の濃縮操作が終了して該試料を容器内より取出
す為に、空気を容器内に導入して減圧状態を解除した
際、容器102内に設置した上記赤外線ヒーターの表面
温度が高いために気化した試料中の液体成分、例えばア
セトン、エタノール等が、導入された空気の存在によっ
て発火、或いは爆発する恐れがあった。また、耐熱ガラ
ス製の蓋体103の上部に赤外線ヒーターを設置する方
法においては、蓋体が高価なものとなると共に、上部か
らの赤外線照射は試料に赤外線が直接当たってしまい、
試料の表面部分の温度が上がり過ぎてしまうこととな
り、特に生物学的な試料の場合には、試料が変質してし
まうためその採用には課題があった。
【0011】また、真空濃縮装置を使用して濃縮或いは
乾燥しようとする試料の中には、該試料の液体成分とし
て腐蝕性気体が発生する有機溶媒、例えばアセトン、エ
タノール等を使用している試料が多いにもかかわらず、
上記した従来の真空濃縮装置においては、回転体10
1、及び該回転体101を収納する容器102等は耐蝕
性材料にて形成し、その耐蝕性が確保されているもの
の、回転体101の駆動手段である回転軸106を回転
可能に収納する駆動部室115内の耐蝕性については、
単に回転軸106をシール部材116を介在させて駆動
部室115内に収納し、該駆動部室115を密閉構造と
することにより腐蝕性気体の侵入を阻止し、その耐蝕性
が保たれているのみであった。そのため、該真空濃縮装
置によって試料の濃縮或いは乾燥作業を繰り返した場
合、回転軸106に接する上記シール部材116は当然
摩耗及び劣化によってそのシール性が衰え、ついには腐
蝕性気体の侵入を阻止し得なくなって該駆動部室115
内にも腐蝕性気体が侵入し、駆動部室115の内壁面、
或いは駆動部室115内に存在する軸受等を腐蝕し、装
置として使用できない状況になる場合も存在した。
【0012】本発明は、上述した従来の真空濃縮方法及
び真空濃縮装置が有する種々の課題に鑑み成されたもの
であって、その目的の第1は、濃縮操作中における試料
の加熱を効果的に行い、濃縮時間の短縮を可能とする真
空濃縮方法を提供することにある。また、本発明の第2
の目的は、回転軸を収納する駆動部室内への腐蝕性気体
の侵入を、完全に阻止し得る真空濃縮装置を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、先ず上記した
第1の目的を達成するため、濃縮或いは乾燥すべき試料
に遠心力を与えながら、該試料を減圧下において加熱
し、試料に含まれる液体成分を突沸させることなく効率
的に蒸発させる試料の真空濃縮方法において、上記試料
周囲の減圧状態を、試料の濃縮操作中において熱伝達媒
体となる気体を少なくとも1度は試料周囲に導入するこ
とにより解除し、試料の濃縮操作中における加熱を効果
的に行なうようにした真空濃縮方法とした。
【0014】また、本発明は、上記第2の目的を達成す
るために、試料に遠心力を与える回転体と、該回転体を
収納する密閉状態となる容器と、該容器内を減圧状態と
する真空ポンプと、上記回転体を回転させる駆動部と、
該駆動部を収納する駆動部室と、上記容器内を加熱する
加熱手段とを有する真空濃縮装置において、上記容器
に、該容器内に熱伝達媒体となる気体を導入する開閉弁
付き配管を接続すると共に、該配管を上記駆動部室にも
接続し、減圧状態となった上記容器内及び駆動部室内に
同時に熱伝達媒体となる気体を導入し得るようにした真
空濃縮装置とした。
【0015】
【作用】上記した本発明にかかる真空濃縮方法によれ
ば、試料を常に減圧下、即ち熱伝達媒体となる気体(空
気)が希薄、或いは存在しない状態で試料を加熱してい
た従来の真空濃縮方法に比して、少なくとも一度は熱伝
達媒体となる気体が試料周囲に存在する状態でその加熱
が行なわれるため、試料は濃縮操作中において一時的で
はあるが効果的に加熱され、試料の濃縮時間の短縮を図
ることが可能となる作用が生じる。
【0016】また、上記した本発明にかかる真空濃縮装
置においては、回転体を収納する容器に熱伝達媒体とな
る気体を導入する開閉弁付き配管を接続すると共に、該
配管を駆動部室にも接続し、減圧状態となった上記容器
内及び駆動部室内に同時に熱伝達媒体となる気体を導入
し得るように構成したため、駆動部室内の圧力は、常に
容器内の圧力よりも低くなることはなく、容器内におい
て試料から発生した腐蝕性気体が、駆動部室内へ侵入す
ることを完全に阻止し得る装置となる作用が生じる。
【0017】
【実施例】以下、上記した本発明にかかる真空濃縮方法
及び真空濃縮装置を、実施例を挙げて詳細に説明する。
【0018】ここで、図1は本発明にかかる真空濃縮方
法を実施する装置、及び本発明にかかる真空濃縮装置の
一実施例を示した縦断面図であって、図中1は、試料に
遠心力を与える回転体、2は該回転体1を収納する容
器、3は前記容器2の上部開口2aを開閉する蓋体であ
る。容器2内は、前記蓋体3によって密閉状態とされ、
該容器2の側壁に形成された真空ポンプ接続口4に接続
された真空ポンプ(図示せず)によって、試料の濃縮操
作中において減圧状態とされる。
【0019】また、図中5は、上記回転体1を回転させ
る駆動手段であって、該駆動手段5は、上記容器2内の
密閉性を高める為に磁気継手による間接駆動方式が採用
され、容器2内の中央付近に回転可能に支持された回転
軸6と、容器2外の下方に配置された駆動モーター7の
出力軸8とを、容器2の底板9を挟んで対向配置させら
れた磁石10,11によって間接的に接続した構造のも
のである。
【0020】さらに、図において12は、上記容器2の
外周壁面に装着された加熱ヒーターであって、該加熱ヒ
ーター12によって試料に含まれる液体成分の蒸発を促
進させる為の熱が加えられ、また13は、減圧状態に供
された上記容器2内に空気を導入するための配管であっ
て、該配管13の容器2への接続部付近には、配管13
内の圧力を容器2内の圧力よりも僅かに高く維持する弁
装置14が設けられていると共に、配管13はその途中
において枝分かれしており、枝管15は、容器2内に存
在する上記回転軸6を収納する駆動部室16に接続され
ている。
【0021】また、図中17は、上記配管13の基端に
設けられた開閉弁であり、該開閉弁17を操作すること
により、容器2内及び駆動部室16内に同時に空気を導
入するように構成されている。また18は、上記蓋体3
に取付けられた温度センサーであって、該温度センサー
18により、濃縮操作中における試料周囲の温度を検出
する。
【0022】上記のように構成された本発明にかかる真
空濃縮装置を用いて、本発明にかかる真空濃縮方法を実
施するにあたっては、先ず、濃縮或いは乾燥すべき試料
を入れたチューブを上記回転体1に装着し、蓋体3を閉
めた後に回転体1を上記駆動モーター7によって回転さ
せ、試料に回転による遠心力を付加する。
【0023】次に、試料に遠心力を付加した状態で、上
記真空ポンプ及び加熱ヒーターをONとし、容器2内を減
圧状態とすると共にその雰囲気温度を上昇させ、試料中
に含まれる液体成分を蒸発させる。
【0024】試料中の液体成分が、上記した減圧下にお
ける加熱操作によって活発に蒸発すると、試料温度は気
化熱として奪われその温度が低下するため、該試料の濃
縮操作中において上記真空ポンプを一旦止め、開閉弁1
7を操作することにより容器2内に空気を導入し、該容
器2内の減圧状態を一時的に解除する操作を所定時間の
経過毎に繰り返す。これにより、濃縮操作中において一
時的に容器2内に導入された上記空気は、ヒーター12
で加熱された容器2の壁面と熱交換して加熱され、この
加熱された空気の熱伝達により回転体1、及び該回転体
1に装着された上記試料を濃縮操作中において効果的に
加熱し、低下し始めた試料温度を再び上昇させ、試料中
の液体成分を活発に蒸発させることができる。
【0025】なお、この際、本発明にかかる真空濃縮装
置は、上記したように容器2内に空気を導入する配管1
3の容器2への接続部付近に、配管13内の圧力を容器
2内の圧力よりも僅かに高く維持する弁装置14を設け
ると共に、配管13はその途中において枝分かれしてお
り、枝管15は、容器2内に存在する上記回転軸6を収
納する駆動部室16に接続されているため、開閉弁17
を操作して容器2内に空気を導入する操作を行なった場
合、同時にシール部材19の劣化等によって減圧状態と
なった駆動部室16内にも空気が導入され、常に駆動部
室16内は容器2内より高い圧力状態を維持することと
なり、頻繁に容器2内の減圧、及び該減圧の解除が繰り
返されても、容器2内において試料から発生した腐蝕性
気体が、駆動部室16内へ侵入することはない。
【0026】上記操作によって試料の濃縮が進み、試料
中の液体成分が少なくなると、上記所定時間の経過毎に
繰り返していた減圧状態の解除後(空気導入による加熱
後)の試料温度の低下量が少なくなるため、この試料温
度の低下量の変化を上記温度センサー18により検知
し、試料温度の低下が所望の変化量となったところで上
記駆動モーター、真空ポンプ及び加熱ヒーターを OFFと
し、上記真空濃縮操作を停止する。
【0027】本発明は、上記した操作中において、試料
周囲の減圧状態を、試料の濃縮操作中において熱伝達媒
体となる空気を試料周囲に導入することにより解除し、
試料の濃縮操作中における加熱を効果的に行なうように
したことを先ず特徴とするものであるが、その効果を確
認するために、上記実施例装置を用いて下記する試験1
〜4を行なった。
【0028】また本発明は、容器内に熱伝達媒体となる
気体を導入する開閉弁付き配管を接続すると共に、該配
管を回転軸を収納する駆動部室にも接続し、減圧状態と
なった上記容器内及び駆動部室内に同時に熱伝達媒体と
なる気体を導入し得るように構成し、容器内において試
料より発生した腐蝕性気体が、駆動部室内に侵入するこ
とを完全に阻止する構成としたことを特徴とするもので
あるが、その効果を確認するために、上記実施例装置に
おいてシール部材19の摩耗及び劣化を想定し、該シー
ル部材19に微細な穴を開けた状態で、下記する試験
を行なった。
【0029】(試験1) 試料を収納するチューブに、一本当たりに5mlの水を入
れ、該チューブを24本上記回転体1に装着し、回転数
1200rpmで回転させた状態で、真空ポンプによっ
て容器2内を5Torr程度の真空度とし、容器2の壁
面を加熱ヒーター12によって45°程度に加熱し、試
料の真空濃縮操作を開始した。試料の濃縮操作開始か
ら、9分経過毎に真空ポンプを2分間止め、その真空ポ
ンプの停止時に開閉弁17を操作して容器2内に空気を
導入し、容器2内の減圧状態を濃縮操作中において一時
的に解除する操作を繰り返した。濃縮開始から90分経
過した後に、上記濃縮操作を終了し、試料である水の残
り量を測定した。その測定結果を、表1に試験1として
記載する。また、温度センサー18による上記濃縮操作
中における試料温度の検出データー、及び真空ポンプ接
続口4付近に設けた圧力センサーによる容器2内の真空
度の検出データーを、図2に試験1として記載する。
【0030】(試験2) 試料を収納するチューブに、一本当たりに5mlの水を入
れ、該チューブを24本上記回転体1に装着し、回転数
1200rpmで回転させた状態で、真空ポンプによっ
て容器2内を5Torr程度の真空度とし、容器2の壁
面を加熱ヒーター12によって45°程度に加熱し、試
料の真空濃縮操作を開始した。濃縮開始から90分経過
した後に、上記濃縮操作を終了し、試料である水の残り
量を測定した。その測定結果を、表1に試験2として併
記する。また、温度センサー18による上記濃縮操作中
における試料温度の検出データー、及び真空ポンプ接続
口4付近に設けた圧力センサーによる容器2内の真空度
の検出データーを、図2に試験2として併記する。
【0031】(試験3) 試料を収納するチューブに、一本当たりに1mlの50%水
溶液のエタノールを入れ、該チューブを60本上記回転
体1に装着し、回転数1200rpmで回転させた状態
で、真空ポンプによって容器2内を5Torr程度の真
空度とし、容器2の壁面を加熱ヒーター12によって4
5°程度に加熱し、試料の真空濃縮操作を開始した。試
料の濃縮操作開始から、9分経過毎に真空ポンプを2分
間止め、その真空ポンプの停止時に開閉弁17を操作し
て容器2内に空気を導入し、容器2内の減圧状態を濃縮
操作中において一時的に解除する操作を繰り返した。濃
縮開始から60分経過した後に、上記濃縮操作を終了
し、試料である50%水溶液のエタノールの残り量を測定
した。その測定結果を、表1に試験3として記載する。
また、温度センサー18による上記濃縮操作中における
試料温度の検出データー、及び真空ポンプ接続口4付近
に設けた圧力センサーによる容器2内の真空度の検出デ
ーターを、図3に試験3として記載する。
【0032】(試験4) 試料を収納するチューブに、一本当たりに1mlの50%水
溶液のエタノールを入れ、該チューブを60本上記回転
体1に装着し、回転数1200rpmで回転させた状態
で、真空ポンプによって容器2内を5Torr程度の真
空度とし、容器2の壁面を加熱ヒーター12によって4
5°程度に加熱し、試料の真空濃縮操作を開始した。濃
縮開始から60分経過した後に、上記濃縮操作を終了
し、試料である50%水溶液のエタノールの残り量を測定
した。その測定結果を、表1に試験4として併記する。
また、温度センサー18による上記濃縮操作中における
試料温度の検出データー、及び真空ポンプ接続口4付近
に設けた圧力センサーによる容器2内の真空度の検出デ
ーターを、図3に試験4として併記する。
【0033】(試験5) 試料を収納するチューブに、一本当たりに1mlのクロロ
ホルムを入れ、該チューブを60本上記回転体1に装着
し、回転数1200rpmで回転させた状態で、真空ポ
ンプによって容器2内を10Torr程度の真空度と
し、容器2の壁面を加熱ヒーター12によって45°程
度に加熱し、試料の真空濃縮操作を開始した。試料の濃
縮操作開始から、9分経過毎に真空ポンプを2分間止
め、その真空ポンプの停止時に開閉弁17を操作して容
器2内に空気を導入し、容器2内の減圧状態を一時的に
解除する操作を100回繰り返し、試料の濃縮操作を終
了した。上記濃縮操作の終了後に、駆動部室16内の腐
蝕の有無を目視により検査したところ、腐蝕の存在は認
められなかった。
【0034】
【表1】
【0035】上記試験1〜4によって、濃縮操作中にお
いて試料周囲の減圧状態を、熱伝達媒体となる空気を導
入することにより一時的に解除すると、試料の加熱が効
果的に行なわれ、濃縮操作時間の短縮が図れることが分
かる。また、上記試験5によって、駆動部室内にも容器
内と同時に空気を導入する構成を採れば、シール部材が
摩耗或いは劣化しても駆動部室内への腐蝕性気体の侵入
を完全に阻止でき、腐蝕が生じ難い構造となることが分
かる。
【0036】以上、本発明の一実施例につき説明した
が、本発明は既述の実施例に限定されるものではなく、
本発明の技術的思想に基づいて、各種の変形及び変更が
可能である。
【0037】例えば、上記実施例においては、試料周囲
の減圧状態を、試料の濃縮操作中において所定時間の経
過毎に繰り返し解除する真空濃縮方法につき説明した
が、試料の濃縮操作中において、例え1度でも試料周囲
の減圧状態を解除して熱伝達媒体である気体を試料周囲
に導入すれば、試料の加熱は常に減圧状態で行なう従来
技術より効果的に行なわれるため、そのような1度の減
圧状態の解除、或いは不定期な減圧状態の解除を行なっ
た真空濃縮方法としても良い。
【0038】また、上記実施例装置においては、容器2
内に空気を導入する配管13の容器2への接続部付近
に、配管13内の圧力を容器2内の圧力よりも僅かに高
く維持する弁装置14を設けると共に、該配管13に設
けられた枝管15を、容器2内に存在する回転軸6を収
納する駆動部室16に接続した構造とすることにより、
開閉弁17を操作して容器2内に空気を導入した際、同
時にシール部材19の劣化等によって減圧状態となった
駆動部室16内にも空気が導入され、常に駆動部室16
内の圧力を容器2内の圧力より高い圧力状態に維持する
ようにしたが、上記配管13に設けられた弁装置14が
無い構造としても、少なくとも駆動部室16内の圧力
は、常に容器2内の圧力よりも低くなることはなく、容
器2内において試料から発生した腐蝕性気体が、駆動部
室16内へ侵入することを阻止し得る構造となるため、
このように弁装置14が無い構造の真空濃縮装置として
も効果はある。
【0039】
【発明の効果】以上、説明した本発明にかかる真空濃縮
方法によれば、試料を常に減圧下、即ち熱伝達媒体とな
る気体(空気)が希薄、或いは存在しない状態で試料を
加熱していた従来の真空濃縮方法に比して、少なくとも
一度は熱伝達媒体となる気体が存在する状態で試料の加
熱が行なわれるため、試料は濃縮操作中において一時的
ではあるが効果的に加熱され、試料の濃縮時間の短縮を
図る効果がある。
【0040】また、上記した本発明にかかる真空濃縮装
置においては、回転体を収納する容器に熱伝達媒体とな
る気体を導入する開閉弁付き配管を接続すると共に、該
配管を駆動部室にも接続し、減圧状態となった上記容器
内及び駆動部室内に同時に熱伝達媒体となる気体を導入
し得るように構成したため、駆動部室内の圧力は、常に
容器内の圧力よりも低くなることはなく、容器内におい
て試料から発生した腐蝕性気体が、駆動部室内へ侵入す
ることを完全に阻止でき、駆動部室の耐蝕性を飛躍的に
向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる真空濃縮方法を実施する装置、
及び本発明にかかる真空濃縮装置の一実施例を示した縦
断面図である。
【図2】試験1及び試験2を行なった場合の、温度セン
サーによる濃縮操作中における試料温度の検出データ
ー、及び真空ポンプ接続口付近に設けた圧力センサーに
よる容器内の真空度の検出データーを示すグラフであ
る。
【図3】試験3及び試験4を行なった場合の、温度セン
サーによる濃縮操作中における試料温度の検出データ
ー、及び真空ポンプ接続口付近に設けた圧力センサーに
よる容器内の真空度の検出データーを示すグラフであ
る。
【図4】従来の真空濃縮方法を実施する際に使用してい
た真空濃縮装置の一例を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 試料に遠心力を与える回転体 2 回転体を収納する容器 2a 容器の上部開口 3 容器の蓋体 4 容器の側壁に形成された真空ポンプ接続口 5 回転体を回転させる駆動手段 6 容器内の中央付近に回転可能に支持された回転
軸 7 容器外の下方に配置された駆動モーター 8 駆動モーターの出力軸 9 容器の底板 10 磁石 11 磁石 12 容器の外周壁面に装着された加熱ヒーター 13 容器内に空気を導入するための配管 14 配管内の圧力を容器内の圧力よりも僅かに高く
維持する弁装置 15 配管に設けられた枝管 16 回転軸を収納する駆動部室 17 配管の基端に設けられた開閉弁 18 蓋体に取付けられた温度センサー 19 駆動部室のシールー部材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃縮或いは乾燥すべき試料に遠心力を与
    えながら、該試料を減圧下において加熱し、試料に含ま
    れる液体成分を突沸させることなく効率的に蒸発させる
    試料の真空濃縮方法において、上記試料周囲の減圧状態
    を、試料の濃縮操作の途中において熱伝達媒体となる気
    体を少なくとも1度は試料周囲に導入することにより
    時的に解除し、試料の濃縮操作の途中における加熱を効
    果的に行なうようにしたことを特徴とする、真空濃縮方
    法。
  2. 【請求項2】 上記試料周囲の減圧状態を一時的に解除
    することを、試料の濃縮操作の途中において所定時間の
    経過毎に繰り返し行なうようにしたことを特徴とする、
    請求項1記載の真空濃縮方法。
  3. 【請求項3】 試料に遠心力を与える回転体と、該回転
    体を収納する密閉状態となる容器と、該容器内を減圧状
    態とする真空ポンプと、上記回転体を回転させる駆動部
    と、該駆動部を収納する駆動部室と、上記容器内を加熱
    する加熱手段とを有する真空濃縮装置において、上記容
    器に、該容器内に熱伝達媒体となる気体を導入する開閉
    弁付き配管を接続すると共に、該配管を上記駆動部室に
    も接続し、減圧状態となった上記容器内及び駆動部室内
    に同時に熱伝達媒体となる気体を導入し得るように構成
    したことを特徴とする、真空濃縮装置。
  4. 【請求項4】 上記熱伝達媒体となる気体を導入する配
    管に、該配管内の圧力を容器内の圧力よりも僅かに高く
    維持する弁装置を設けたことを特徴とする、請求項
    載の真空濃縮装置。
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