JP3149756B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JP3149756B2 JP31943995A JP31943995A JP3149756B2 JP 3149756 B2 JP3149756 B2 JP 3149756B2 JP 31943995 A JP31943995 A JP 31943995A JP 31943995 A JP31943995 A JP 31943995A JP 3149756 B2 JP3149756 B2 JP 3149756B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M2200/00Details of fuel-injection apparatus, not otherwise provided for
    • F02M2200/44Valves, e.g. injectors, with valve bodies arranged side-by-side

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体噴射装置、特に
ディーゼルエンジンの燃料噴射装置に採用されて好適な
燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直接噴射式ディーゼルエンジン用の燃料
噴射装置において、エンジンの低速運転時に作動する小
さい総噴孔断面積を有する第1噴孔と、エンジンの高速
運転時に作動する相対的に大きい総噴孔断面積を有する
第2噴孔とを具えたノズルボディ内に、上記第1噴孔の
開閉を制御する第1針弁と、上記第2噴孔の開閉を制御
する第2針弁とを実質的に平行に収容した装置が、ドイ
ツ特許公開公報DE4115478A1号(公開日;1
991年11月21日)に既に開示されている。
【0003】上記ドイツ特許公開公報に開示されている
燃料噴射装置(以下場合により、既提案の燃料噴射装置
という)は、エンジンの低速運転時には、小さい総噴孔
断面積を有する第1噴孔から燃料を高い噴射圧力で噴射
し、またエンジンの高速運転時は、大きい総噴孔断面積
を有する第2噴孔から燃料を所要の高い噴射圧力で噴射
することができるので、エンジンの略全運転領域におい
て良好な燃焼が得られ、騒音の低減、スモーク性能の向
上及び燃費の改善等、エンジン性能の向上し得る利点が
ある。
【0004】上記既提案の燃料噴射装置には、エンジン
の運転状態に応じて、上記低速用の第1噴孔を開閉する
第1針弁、及び高速用の第2噴孔を開閉する第2針弁の
何れか一方を選択的に作動させ、他方を高圧燃料の圧力
を利用して不作動状態に油圧的にロックする手段として
切換弁装置が設けられ、同切換弁装置は、スプール弁か
らなる弁部材を駆動する電磁アクチュエータを具えてい
る。
【0005】しかしながら、上記既提案の燃料噴射装置
では、エンジンの運転状態の変化により、燃料噴射を行
なっている噴孔を、第1噴孔から第2噴孔に切換える場
合、及び逆に、第2噴孔から第1噴孔に切換える場合に
おいて、切換え時期又はタイミングに関しては、全く考
慮されていない。従って、上記噴孔の切換えが、燃料噴
射の途中で行なわれたり、燃料圧力の変動中に行なわれ
ることがあり、この場合、トルク変動が大きくなり、振
動、騒音が増大する不具合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記既提案
の燃料噴射装置等、噴孔断面積が異る複数種(通常は2
種類)の噴孔の切換えを、燃料噴射の途中、或いは燃料
圧力の変動中に行なうことがなく、燃料噴射の休止中に
行なうことによって、大きなトルク変動を生ずることが
なく、トルク変動に基づく振動、騒音を低減することが
できる燃料噴射装置を提供することを、主たる目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために創案されたもので、多気筒エンジンの各シ
リンダの燃焼室に臨む先端部分に第1噴孔及び同第1噴
孔より噴孔断面積が大きい第2噴孔を有するノズルボデ
ィと、同ノズルボディ内に設けられ上記第1噴孔及び第
2噴孔を夫々開閉する第1針弁及び第2針弁とを具えた
複数の燃料噴射弁、上記エンジンの回転速度及び負荷を
検知する運転状態検出装置、同運転状態検出装置により
検知されたエンジンの運転状態に応じて上記複数の燃料
噴射弁に、設定された噴射順序で、かつクランク角間隔
を存して夫々高圧燃料を供給する燃料供給装置、上記運
転状態検出装置により検知されたエンジンの運転状態に
応じて上記第1針弁及び第2針弁の少くとも一方を作動
可能に切換える切換装置、及び同切換装置の作動を制御
する制御装置を備え、同制御装置は、上記運転状態検出
装置の出力に基づき、上記各シリンダの燃焼室に各々配
設された上記複数の燃料噴射弁の噴射休止中の適宜タイ
ミングに上記噴射順序に従って各燃料噴射弁の切換装置
を駆動して第1及び第2針弁のうち作動すべき針弁の切
換えを行うように構成されたことを特徴とする燃料噴射
装置を提案するものである。(以下場合により第1発明
という)
【0008】また、本発明は、多気筒エンジンの各シリ
ンダの燃焼室に臨む先端部分に第1噴孔及び同第1噴孔
より噴孔断面積が大きい第2噴孔を有するノズルボディ
と、同ノズルボディ内に設けられ上記第1噴孔及び第2
噴孔を夫々開閉する第1針弁及び第2針弁とを具えた複
数の燃料噴射弁、上記エンジンの回転速度及び負荷を検
知する運転状態検出装置、同運転状態検出装置により検
知されたエンジンの運転状態に応じて上記複数の燃料噴
射弁に、設定された噴射順序で、かつクランク角間隔を
存して夫々高圧燃料を供給する燃料供給装置、上記運転
状態検出装置により検知されたエンジンの運転状態に応
じて上記第1針弁及び第2針弁の少くとも一方を作動可
能に切換える切換装置、及び同切換装置の作動を制御す
る制御装置を備え、同制御装置は、上記運転状態検出装
置の出力に基づき、上記複数の燃料噴射弁の噴射休止中
の適宜タイミングに上記噴射順序に従って各燃料噴射弁
の切換装置を駆動して第1及び第2針弁のうち作動すべ
き針弁の切換えを行うように構成され、さらに、上記制
御装置は、上記エンジンの回転数及び負荷に応じて第1
針弁及び第2針弁のうち作動すべき針弁を選択する制御
マップを有すると共に、クランク軸に連動する動弁カム
軸の回転角速度を演算して各燃料噴射弁の休止中におけ
る上記切換装置の切換え作動時期を設定する手段を有す
ることを特徴とする燃料噴射装置を提案するものであ
る。(以下場合により第2発明という)
【0009】なおまた、本発明は、多気筒エンジンの各
シリンダの燃焼室に臨む先端部分に第1噴孔及び同第1
噴孔より噴孔断面積が大きい第2噴孔を有するノズルボ
ディと、同ノズルボディ内に設けられ上記第1噴孔及び
第2噴孔を夫々開閉する第1針弁及び第2針弁とを具え
た複数の燃料噴射弁、上記エンジンの回転速度及び負荷
を検知する運転状態検出装置、同運転状態検出装置によ
り検知されたエンジンの運転状態に応じて上記複数の燃
料噴射弁に、設定された噴射順序で、かつクランク角間
隔を存して夫々高圧燃料を供給する燃料供給装置、上記
運転状態検出装置により検知されたエンジンの運転状態
に応じて上記第1針弁及び第2針弁の少くとも一方を作
動可能に切換える切換装置、及び同切換装置の作動を制
御する制御装置を備え、同制御装置は、上記運転状態検
出装置の出力に基づき、上記複数の燃料噴射弁の噴射休
止中の適宜タイミングに上記噴射順序に従って各燃料噴
射弁の切換装置を駆動して第1及び第2針弁のうち作動
すべき針弁の切換えを行うように構成され、さらに、上
記制御装置は、上記複数の燃料噴射弁の休止中、夫々の
気筒の排気上死点近傍において、各燃料噴射弁の切換装
置に駆動出力を提供することを特徴とする燃料噴射装置
を提案するものである。(以下場合により第3発明とい
う)
【0010】また、本発明は、多気筒エンジンの各シリ
ンダの燃焼室に臨む先端部分に第1噴孔及び同第1噴孔
より噴孔断面積が大きい第2噴孔を有するノズルボディ
と、同ノズルボディ内に設けられ上記第1噴孔及び第2
噴孔を夫々開閉する第1針弁及び第2針弁とを具えた複
数の燃料噴射弁、上記エンジンの回転速度及び負荷を検
知する運転状態検出装置、同運転状態検出装置により検
知されたエンジンの運転状態に応じて上記複数の燃料噴
射弁に、設定された噴射順序で、かつクランク角間隔を
存して夫々高圧燃料を供給する燃料供給装置、上記運転
状態検出装置により検知されたエンジンの運転状態に応
じて上記第1針弁及び第2針弁の少くとも一方を作動可
能に切換える切換装置、及び同切換装置の作動を制御す
る制御装置を備え、同制御装置は、上記運転状態検出装
置の出力に基づき、上記複数の燃料噴射弁の噴射休止中
の適宜タイミングに上記噴射順序に従って各燃料噴射弁
の切換装置を駆動して第1及び第2針弁のうち作動すべ
き針弁の切換えを行なうように構成されたことを特徴と
する燃料噴射装置を提案するものである。この発明にお
いては、上記切換装置が、上記第1針弁及び第2針弁の
まわりに形成されたノズルボディ内の燃料溜に上記燃料
供給装置からの高圧燃料を供給する燃料供給通路に配設
された弁シリンダと、同弁シリンダ内に摺動自在に嵌装
されたスプール弁と、同スプール弁に作動的に連結さ
れ、同スプール弁を、上記第1針弁のみの開閉作動を可
能とする第1位置と、第2針弁のみの開閉作動を可能と
する第2位置と、第1針弁及び第2針弁の双方を開閉可
能とする第3位置の何れかに選択的に駆動する電磁アク
チュエータとを有する油圧式切換弁装置であることが好
ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を直接噴射式ディーゼ
ルエンジンの燃料噴射装置に適用した好ましい実施形態
を添付図面について具体的に説明する。先ず、図1ない
し図10に示した本発明の第1実施形態において、符号
10は総括的に燃料噴射弁を示し、同噴射弁10は、ノ
ズルボディ12と、ディスタンスピース14と、ノズル
ホルダ16とを具え、上記ノズルボディ12とノズルホ
ルダ16とは、中間にディスタンスピース14を挾ん
で、リテーニングナット18により緊締されて一体的に
結合されている。上記ノズルホルダ16は、さらに上下
に2分割された上方ノズルホルダ16aと下方ノズルホ
ルダ16bとからなり、上方及び下方ノズルホルダ16
a及び16bは緊締ナット20により一体的に緊締され
ている。また、上記ノズルボディ12には、図示しない
エンジンの各気筒の燃焼室に臨む一端部分に、燃料を噴
射する低速用の第1噴孔22と、高速用の第2噴孔24
とが設けられている。上記第1噴孔22及び第2噴孔2
4は、夫々複数個(2個以上、通常は4個ないし7個)
設けられ、第1噴孔22の総噴孔断面積は、第2噴孔2
4の総噴孔断面積より小さく形成されている。
【0012】さらに、上記ノズルボディ12内に、上記
第1噴孔22を開閉する第1針弁26と、第2噴孔24
を開閉する第2針弁28とが、実質的に平行に収容さ
れ、同第1針弁26及び第2針弁28は、ノズルボディ
12内に形成された共通の燃料溜30に臨む段部26′
及び28′を夫々具えている。上記燃料溜30は、上記
第1及び第2針弁26及び28の外周を囲んで夫々形成
された円筒状の燃料通路32及び34に連通し、同燃料
通路32及び34は、各針弁の円錐状弁面と協働する弁
シート部36及び38を介して、夫々第1及び第2噴孔
22及び24に連通する。また、同燃料通路32及び3
4は、上記弁シート部36及び38の上流側で横方向の
連通路40によって相互に連通されている。
【0013】上記下方ノズルホルダ16bの内部に、上
記第1及び第2針弁26及び28に対して夫々同軸的に
円筒状の第1及び第2スプリング室42及び44が設け
られ、同スプリング室42及び44内に、夫々スプリン
グリテーナ46及び48を介して、第1針弁26及び第
2針弁28を常時弁シート部36及び38に対し弾性的
に圧接する第1及び第2のプレッシャスプリング50及
び52が収容されている。また、上方ノズルホルダ16
a内には、上記第1及び第2針弁26及び28に対して
夫々同軸的に第1及び第2圧力室54及び56が並設さ
れ、同圧力室54及び56には第1及び第2ピストン5
8及び60が、夫々摺動自在に嵌装されている。上記第
1及び第2ピストン58及び60には、上記スプリング
リテーナ46及び48に向って延在する第1及び第2の
ピストン軸又はプッシュロッド62及び64が一体的に
形成され又は別体に作られて連結されている。
【0014】さらに、上方ノズルホルダ16a内に、総
括的に符号66で示した切換装置又は切換弁が設けら
れ、同切換弁66は、二つのランド68a及び68bを
具えたスプール弁68と、同スプール弁68を摺動自在
に収容する弁シリンダ70と、スプール弁68を駆動す
る電磁アクチュエータ72とを具えている。上記弁シリ
ンダ70は、図2の断面図に良く示されているように、
図示されていない燃料噴射ポンプ等の高圧燃料源に接続
された燃料供給通路74に常時連通すると共に、上記ス
プール弁68によって上記第1及び第2圧力室54及び
56との連通を制御される第1及び第2の入口通路76
及び78を具えている。
【0015】上記燃料供給通路74は、図2の断面図に
良く示されているように、上記弁シリンダ70の一部を
通って上方ノズルホルダ16a及び下方ノズルホルダ1
6b内の延長通路74a、ディスタンスピース14内の
通路74b、及びノズルボディ12内の通路74cを経
て上記燃料溜30に連通している。さらに、上方ノズル
ホルダ16a内に、燃料噴射ポンプのリークオフ通路等
の低圧燃料源に連通する燃料排出通路80が設けられ、
同通路80は、図1に良く示されているように、スプー
ル弁68のランド68a及び68bによって上記弁シリ
ンダ70との連通を制御される。また同燃料排出通路8
0は、図2に良く示されているように、分岐通路80a
を介して上記第1スプリング室42に連通し、同第1ス
プリング室42は、第2スプリング室44との隔壁の下
端部分に設けられた連通孔又は切欠82を介して同第2
スプリング室44に連通している。
【0016】上記電磁アクチュエータ72は、上記スプ
ール弁68の弁軸68cと同弁軸の弁シリンダ70から
突出した端部に固着されたストッパプレート84とから
なるアーマチヤ86と、上記弁軸68cを囲んでハウジ
ング88内に収容されたソレノイド90と、同ソレノイ
ド90の消勢時に、スプール弁68を図1に示す右動位
置に弾性的に保持するリターンスプリング92とから構
成されている。
【0017】上記ソレノイド90は、エンジンの回転数
を検知する回転数センサ94の出力信号Nと、エンジ
ンの負荷を示すアクセルペダル踏込み量を検知するアク
セル開度センサ96の出力信号Aとを受容して駆動出
力を生起するコントロールユニット又は制御装置98に
よって制御される。同コントロールユニット又は制御装
置98は、その一例を図5に示した制御マップを内蔵し
ており、エンジンの高速高負荷運転領域A及び定速低負
荷領域Cでは、ソレノイド90を消勢させ、中間の領域
B(即ち、低速かつ中、高負荷時、及び中速かつ低、
中、高負荷時、並びに高速低負荷時)には、ソレノイド
90を付勢する。
【0018】上記実施形態において、図1及び図2は、
エンジンが上記領域A又はCで運転していてソレノイド
90が消勢されている状態を示し、このとき切換弁66
のスプール弁68がリターンスプリング92により、図
示の右動位置に保持されている。スプール弁68の右動
により、燃料供給通路74と第1入口通路76とが連通
し、同燃料供給通路74に高圧燃料が供給されると、同
高圧燃料が第1圧力室54に流入する。第1圧力室54
に流入した高圧燃料が第1ピストン58に作用して同ピ
ストンを圧下するので、第1プッシュロッド62がスプ
リングリテーナ46を介して、第1プレッシャスプリン
グ42と協働して第1針弁26を閉方向に付勢する。
【0019】一方、上記スプール弁68の右動により、
第2入口通路78が弁シリンダ70を介して燃料排出通
路80に連通するので、第2ピストン60及び同ピスト
ンに連結された第2プッシュロッド64が、第2スプリ
ングリテーナ48を介して第2針弁28を閉方向に付勢
することはなく、同第2針弁28は第2プレッシャスプ
リング52のみによって閉方向に付勢されている。
【0020】従って、燃料噴射ポンプ等の高圧燃料が燃
料供給通路74に供給されると、高圧燃料が燃料通路7
4a,74b及び74cを通り燃料溜30に供給され、
第1針弁26の段部26′及び第2針弁28の段部2
8′に作用し開弁方向に押圧する。上記のように、第1
針弁26には、第1プレッシャスプリング50の閉弁方
向の力と、第1ピストン58に作用する燃料圧力に基づ
く閉弁方向の力とが作用しているので、第1針弁26は
開かず、第2針弁28即ち高速用の針弁のみが開く。エ
ンジンが運転領域Aで運転しているとき、総噴孔断面積
が大きい第2噴孔24から、燃料が高圧噴射されて燃料
噴霧が微細化され、良好な燃焼が行なわれ、優れたエン
ジン出力、燃費及び排出ガス性能が得られる。また、エ
ンジンが運転領域Cで運転しているときは、相対的に少
量の燃料が総噴孔断面積が大きい第2噴孔24から噴射
されるので、初期燃焼が抑制されて燃焼が緩和され、ア
イドル運転を含む低負荷低速運転時の騒音発生が効果的
に低減される。
【0021】次に、エンジンが上記運転領域Bで運転さ
れているときは、コントロールユニット又は制御装置9
8により、電磁アクチュエータ72のソレノイド90が
付勢されてスプール弁68が図1において左方に変位す
る。同スプール弁68の左動により、第1入口通路76
が燃料排出通路80に連通されると共に、第2入口通路
78が燃料供給通路74に連通される。燃料供給通路7
4に高圧燃料が供給されると、第2ピストン60が燃料
圧力を受けて下降し、第2プッシュロッド64がスプリ
ングリテーナ48を介して第2針弁28を閉方向に押圧
する。この結果、第2針弁28は第2プレッシャスプリ
ング52及び燃料圧力を受けた第2ピストン60の双方
から閉弁方向の力を受け、一方、第1針弁26には第1
プレッシャスプリング50の閉弁力のみが作用してい
る。
【0022】従って、燃料供給通路74に高圧燃料が供
給されると、燃料溜30内の燃料圧力によって第1針弁
26のみが開かれ、第2針弁28は閉状態に保持され
る。エンジンが上記運転領域Bで運転しているときに、
相対的に小さい総噴孔断面積を有する第1噴孔22から
高圧力で噴射されるので、燃料噴霧の微細化により良好
な燃焼が行なわれ、優れたエンジン出力、燃費及び排出
ガス性能が得られる。
【0023】上記のように、第1針弁26が作動して噴
孔断面積が小さい第1噴孔22から燃料が噴射される場
合、及び第2針弁28が作動して噴孔断面積が大きい第
2噴孔24から燃料が噴射される場合の何れの状態で
も、作動している噴孔22又は24に供給される燃料の
一部が、休止している側の針弁26又は28の周囲の燃
料通路32又は34から横方向通路40を経て供給され
るので、休止している針弁26又は28の冷却が行なわ
れ焼付きが防止される。また、休止している針弁26又
は28を、燃料圧力により不作動状態にロックするため
に、切換弁66から第1又は第2圧力室54又は56に
供給される燃料油量は少量であり、また休止している針
弁外周の通路32又は34に存在する燃料油量も少量で
あるので、噴射終了時の切れの悪化がなく、後もれの不
具合がない。
【0024】さて、上記燃料噴射弁10を多気筒ディー
ゼルエンジンの各気筒に装着した場合、エンジンの運転
状態に応じて燃料噴射を行なう噴孔22及び24の切換
えは、作動している噴孔22又は24が、燃料噴射を行
なっている途中で行なわれないようにする必要がある。
以下、上記燃料噴射弁10を6気筒の4サイクル直列デ
ィーゼルエンジンに適用した場合について説明する。
【0025】先ず、上記図5の制御マップにおいて、上
記A,B及びCの各運転領域に括弧を付して示した通
り、領域A及びCでは、噴孔断面積が大きい第2噴孔2
4から燃料が噴射され、このとき電磁アクチュエータ7
2のソレノイド90は消勢され0で表わされ、また領域
Bでは、噴孔断面積が小さい第1噴孔22から燃料が噴
射され、このとき電磁アクチュエータ72のソレノイド
90は付勢され1で表わされている。上記6気筒4サイ
クルディーゼルエンジンの着火順は、一例として図6に
示す通りであって、エンジン前端の第1気筒から順次6
個の気筒を、#1〜#6の符号で表わし、この例では#
1−#5−#3−#6−#2−#4の順序であり、図中
の角度表示は、エンジンの回転数Nの1/2の回転数
で回転する動弁カム軸の各気筒の着火時期を示す回転角
度を示している。
【0026】上記各気筒の第1噴孔22から第2噴孔2
4への切換え、又は第2噴孔24から第1噴孔22への
切換え(以下、場合により噴孔切換と称する)は、上述
したようにコントロールユニット又は制御装置98が、
切換弁66に対して噴孔切換えの指令を受けたとき、ソ
レノイド90又はリターンスプリング92の電磁力又は
ばね力によるスプール弁68の応答遅れを考慮して、各
気筒#1〜#6毎に、その近傍で燃料噴射弁10の燃料
噴射が行なわれる圧縮上死点から最も遠い排気上死点
(圧縮上死点から動弁カム軸の回転角度にして180
°)又はその近傍で行なわれることが最も好ましい。
【0027】上記コントロールユニット又は制御装置9
8の噴孔切換え態様の第1の実施例を、図9のフローチ
ャートについて説明する。以下のフローチャートにおい
て、D=0は上記ソレノイド90の消勢を、D=1は同
ソレノイド90の付勢を、またD′はソレノイド90の
リアルタイム直前の消勢又は付勢を表わすデータであ
る。図8は、上記フローチャートに記載されている機能
表示図であって、図示のように、D+D′が0又は2の
場合、噴孔切換えは行なわれず、D+D′が1のときに
は、噴孔切換えが行なわれる(ここでの0,1は、勿
論、図5の制御マップにおける領域A,B及びcに記入
した0,1に対応する。)。また、図7は各気筒#1〜
#6の遅れ要素τ(動弁カム軸のカム角)と、噴孔切
換え順位nを示した図である。
【0028】プログラムがスタートし、ステップS
おいて、ソレノイド90の付勢又は消勢を示すDの直前
のデータ又は前回データと、エンジンの回転数情報N
及び負荷情報(この場合アクセル開度を示す情報A
とが読み込まれる。ステップSにおいて、読込まれて
いる上記制御マップによりDが0(消勢)であるか1
(付勢)であるかが判断される。次のステップSにお
いて、前回データD′とステップSで判断されたDと
が加算され、D+D′が1(即ち、0+1又は1+0)
であるか、0又は2(即ち、0+0又は1+1)である
かが調べられる。もし、D+D′=0又は2であれば、
ステップSにリターンし、一方、D+D′=1であれ
ば、噴孔切換えが指令される。噴孔切換えが指令される
と、ステップはSに進み、第1気筒#1が排気上死点
であるか否かが判断され、もし第1気筒#1が丁度排気
上死点(YES)にあれば、ステップはSに進み、排
気上死点にない(NO)場合は、再びSにリターンし
第1気筒#1が排気上死点になるまで待つこととなる。
【0029】ステップSでは、タイマtがスタートす
ると共に、第1気筒#1のソレノイド90の切換え制御
が行なわれる。続いて、ステップSにおいて、動弁カ
ム軸の角速度ωで着火順の次の気筒の角度間隔60°を
除算した時間が来たかどうかが調べられ、その時間が経
過(YES)すると、ステップSに進んで次順位の第
5気筒#5のソレノイド90の切換え制御が行なわれ
る。時間t≒60°/ωに達するまでの間(NO)は、
ステップSにリターンし、略時間tに到達するまで、
待つこととなる。以下同様のステップが繰返されて、最
後にステップSにおいて時間t≒300°/ωを満足
する時間が経過すると、ステップSで最後の第4気筒
#4のソレノイド90の切換え制御が行なわれる。上記
のように、第1ないし第6気筒#1ないし#6を、着火
順に従い、夫々の気筒の排気上死点付近で、切換え制御
することにより、燃料噴射弁10の燃料噴射の途中、或
は噴射直後等の燃料圧力変動中に、噴孔切換えが行なわ
れることがないので、トルク変動が大きくなることがな
く、トルク変動に基づく振動、騒音の増大を効果的に防
止することができる。
【0030】次に、上記コントロールユニット又は制御
装置98の噴孔切換え態様の第2の実施例を、図10の
フローチャートについて説明する。この実施例では、噴
孔切換えの指令が発せられたとき、第1気筒#1の排気
上死点が到来したのち、第1気筒#1から着火順に従い
順次に夫々の気筒のソレノイド90の切換えを行なう図
9とは異り、噴孔切換え指令が発せられたとき、最初に
排気上死点となる気筒から着火順に従い順次に夫々の気
筒のソレノイド90の切換えが行なわれる点に特徴があ
る。プログラムがスタートして、噴孔切換え指令が発せ
られるステップS100及びステップS101までは、
上記第1実施例と実質的に同一であるので、説明を省略
する。
【0031】噴孔切換え指令が発せられると、ステップ
はS102に進み、コントロールユニット又は制御装置
98のカウンタがm=1にセットされると共に、動弁カ
ム軸の角速度ω=πN/60が演算される。同時に、
ステップS103でタイマtがスタートして、時間tが
読込まれ、動弁カム軸の回転角度θ=ωtが演算され
る。次に、ステップS104において、上記回転角度θ
を着火角度間隔60°で除算し、その値が略整数nにな
るかどうかが判断される。即ち、噴孔切換え指令が発せ
られたのち、最初の排気上死点となる気筒の見極めが行
なわれる。略整数nになるまではステップS103にリ
ターンし、略整数nになった(YES)とき、ステップ
はS105に進む。
【0032】ステップS105では、コントロールユニ
ット98に内蔵されている上記遅れ要素のマップ(図
7)から、上記nに対応する特定気筒#n′のソレノイ
ド90の切換え制御が行なわれる。その後は、動弁カム
軸の回転角度間隔60°毎に、即ちステップS104
整数nが、n+1,n+2…と1増える毎に着火順に従
い全気筒のソレノイド90が順次切換え制御される。各
気筒のソレノイド90の切換え制御毎に、カウンタmは
当然1ずつ加算し、ステップS106において、m=7
になったかどうか、即ち全気筒のソレノイド90の切換
え制御が終了したかどうかが調べられ、終了するまで
は、ステップS103にリターンし、終了すると、ステ
ップS107でタイマt及びカウンタmがリセットさ
れ、最初のステップS100にリターンする。
【0033】次に、図11は、本発明の第2の実施形態
の要部を示した断面図である。この実施形態では、第1
針弁26を囲繞する第1の燃料溜30aと、第2針弁2
8を囲繞する第2の燃料溜30bとが、ノズルボディ1
2内に独立に形成されており、第1燃料溜30aに連通
する燃料通路100a及び第2燃料溜30bに連通する
燃料通路100bが、図1に示された切換弁66と同様
構造の切換弁によって燃料供給通路74との連通を、直
接的に制御されるように構成されている。図11は、電
磁アクチュエータ72のソレノイド90が消勢されてい
て、スプール弁68がリターンスプリング92により右
動しており、燃料供給通路74と第1燃料溜30aとが
燃料通路100aを介して連通すると共に、第2燃料溜
30bは燃料通路100bを介して燃料排出通路80に
連通している。従って、燃料噴射ポンプ等の高圧燃料源
から燃料供給通路74に高圧燃料が供給されると、第1
針弁26が開き第1噴孔22から燃料が噴射される。ま
た、電磁アクチュエータ72が付勢されると、スプール
弁68が、図示位置から左動して、燃料供給通路74と
第2燃料溜30bとを燃料通路100bを介して連通さ
せると共に、第1燃料溜30aと燃料排出通路80とを
燃料通路100aを介して連通させる。従って、高圧燃
料源から燃料供給通路に高圧燃料が供給されると、第2
針弁28が開き第2噴孔24から燃料が噴射される。
【0034】上記電磁アクチュエータ72のソレノイド
90は、コントロールユニット又は制御装置98によっ
て制御され、同コントロールユニット98の作動態様
は、上述した図9のフローチャートに示されているよう
に、噴孔切換えの指令が発せられたとき、第1気筒#1
から着火順にすべての気筒のソレノイド90が、それぞ
れ排気上死点において切換え制御されるようなモードで
も良く、または図10のフローチャートに示されている
ように、噴孔切換えの指令が発せられたとき、最初に排
気上死点に達する気筒から着火順に従い順次後続気筒の
ソレノイド90が、それぞれ排気上死点において切換え
制御されても良い。
【0035】また、図12ないし図14は、本発明の第
3の実施形態を示すものである。この実施形態では、上
記第2実施形態と同様に、第1針弁26及び第2針弁2
8を囲繞する各独立の第1及び第2燃料溜30a及び3
0bがノズルボディ12内に設けられ、各燃料溜30
a,30bに連通する燃料通路100a,100bと燃
料供給通路74との連通が切換弁66によって制御され
る。
【0036】上記切換弁66のスプール弁68には、図
示のように左右一対の電磁アクチュエータ72及び7
が連結されており、各アクチュエータ72及び7
の構造は実質的に、第1実施形態と同一であるの
で、各構成部材には、同一の符号にL又はRのサフィッ
クスを付し、詳細な説明は省略する。なお、左右の電磁
アクチュエータ72及び72のリターンスプリング
92及び92は、後述するように、スプール弁68
を中立位置に保持する中立ばねとしても作動する。
【0037】図示の状態は、コントロールユニット又は
制御装置98により右方の電磁アクチュエータ72
ソレノイド90が付勢され、左方の電磁アクチュエー
タ72のソレノイド90が消勢されていて、スプー
ル弁68が右動している状態を示している。このとき第
1燃料溜30aと燃料供給通路74とが燃料通路100
aを介して連通し、第2燃料溜30bと燃料排出通路8
0とが燃料通路100bを介して連通している。従っ
て、高圧燃料源から燃料供給通路74に高圧燃料が供給
されると、第1針弁26が開き第1噴孔22から燃料が
噴射され、一方、第2針弁28は休止している。
【0038】次に、右方の電磁アクチュエータ72
消勢されると共に、左方の電磁アクチュエータ72
付勢されると、リターンスプリング又は中立ばね92
が圧縮されてスプール弁68が、図13に示されている
ように左動する。このときは、第2燃料溜30bと燃料
供給通路74とが、燃料通路100bを介して連通し、
第1燃料溜30aと燃料排出通路80とが、燃料通路1
00aを介して連通している。従って、第2針弁28が
開弁可能であり、第1針弁26は休止している。
【0039】さらに、コントロールユニット98によっ
て、左右の電磁アクチュエータ72及び72が共に
消勢されると、各電磁アクチュエータのリターンスプリ
ング兼中立ばね92及び92の作用によって、スプ
ール弁68が図14に示されている中立位置に保持され
る。この中立位置では、燃料供給通路74が、燃料通路
100a及び100bの双方に連通するので、高圧燃料
源から燃料供給通路74に燃料が供給されると、第1針
弁26及び第2針弁28の両方が開弁可能な状態とな
り、第1噴孔22及び第2噴孔24の双方から燃料が噴
射される。従って、エンジンの運転状態に応じ、何れか
一方の針弁例えば第1針弁26が作動し、第2針弁28
が休止しているときに、適数回の第1針弁26の作動
後、両方の針弁26及び28を、上記のように1回同時
に作動させることによって、休止している側の針弁を冷
却し焼付きを防止することができ、また、図5に示した
エンジンの運転領域A及びCにおいて、第1針弁26及
び第2針弁28を同時に作動させると共に、運転領域B
では、第1針弁26及び第2針弁28を交互に作動させ
るようにすることもできる。
【0040】上記第3の実施形態に係る燃料噴射弁10
においても、上述した図9又は図10に示したフローチ
ャートに、若干の修正を加えることによって、第1噴孔
22及び第2噴孔24の何れか一方、又は双方の燃料噴
射の途中にではなく、好ましくは各気筒の排気上死点近
傍において、電磁アクチュエータ72及び72のソ
レノイド90及びの切換え制御を行なうことによ
り、トルク変動、振動及び騒音を低減し得ることは、明
らかである。
【0041】なお、上記図11及び図12において、図
示は省略されているが、第1針弁26及び第2針弁28
には、夫々第1及び第2のプレッシャスプリング(図1
におけるプレッシャスプリング50及び52に対応)の
ばね力が印加され、このばね力により各針弁26,28
の開弁圧が設定されることは、従前の通りである。なお
また、本発明は、例示した6気筒ディーゼルエンジンに
限定されるものではなく、4気筒、8気筒等の多気筒デ
ィーゼルエンジンに広く適用することができる。さら
に、上記電磁アクチュエータ72,72及び72
ソレノイド90,90及び90の切換え制御は、上
述したように排気上死点付近で行なわれることが最も好
ましく、また応答遅れを考慮すると安全でもあるが、排
気上死点近傍以外でも良く、要は燃料噴射期間を外れた
タイミングで上記ソレノイドの切換え制御が終了しさえ
すれば良い。さらに、本発明は、第1針弁と第2針弁と
を同軸的に配設して、第1針弁により第1噴孔を、また
第2針弁により第2噴孔を、夫々開閉するようにした燃
料噴射弁にも同様に適用することができる。
【0042】
【発明の効果】叙上のように、第1発明に係る燃料噴射
装置は、多気筒エンジンの各シリンダの燃焼室に臨む先
端部分に第1噴孔及び同第1噴孔より噴孔断面積が大き
い第2噴孔を有するノズルボディと、同ノズルボディ内
に設けられ上記第1噴孔及び第2噴孔を夫々開閉する第
1針弁及び第2針弁とを具えた複数の燃料噴射弁、上記
エンジンの回転速度及び負荷を検知する運転状態検出装
置、同運転状態検出装置により検知されたエンジンの運
転状態に応じて上記複数の燃料噴射弁に、設定された噴
射順序で、かつクランク角間隔を存して夫々高圧燃料を
供給する燃料供給装置、上記運転状態検出装置により検
知されたエンジンの運転状態に応じて上記第1針弁及び
第2針弁の少くとも一方を作動可能に切換える切換装
置、及び同切換装置の作動を制御する制御装置を備え、
同制御装置は、上記運転状態検出装置の出力に基づき、
上記各シリンダの燃焼室に各々配設された上記複数の燃
料噴射弁の噴射休止中の適宜タイミングに上記噴射順序
に従って各燃料噴射弁の切換装置を駆動して第1及び第
2針弁のうち作動すべき針弁の切換えを行うように構成
されたことを特徴とし、燃料噴射の途中、或いは燃料圧
力の変動中に切換えを行うことによって生起するトルク
変動、及びトルク変動に起因する振動、騒音の発生を確
実に抑止することができる利点があり、またエンジンの
運転状態に応じて第1針弁及び第2針弁を交互に作動さ
せ、又は同時に作動させることができるので、エンジン
性能の向上、トルク変動等の不具合を生じない針弁の切
換え、さらに針弁の焼付防止等の効果を奏し得るもので
ある。
【0043】また、第2発明によれば、上記制御装置
が、上記エンジンの回転数及び負荷に応じて第1針弁及
び第2針弁のうち作動すべき針弁を選択する制御マップ
を有すると共に、クランク軸に連動する動弁カム軸の回
転角速度を演算して各燃料噴射弁の休止中における上記
切換装置の切換え作動時期を設定する手段を有すること
により、上記第1発明の種々の利点に加え、エンジンの
運転状態に応じた適切な燃料噴射が行われるので、エン
ジン性能の向上を図ることができると共に、作動すべき
針弁の切換え時期を動弁カム軸の回転角速度に対応して
適切に選択し得る利点がある。さらに、第3発明によれ
ば、上記制御装置は、上記複数の燃料噴射弁の休止中、
夫々の気筒の排気上死点近傍において、各燃料噴射弁の
切換装置に駆動出力を提供することにより、上記第1発
明の種々の利点に加え、上記切換装置の応答に多少の遅
れがあっても、燃料噴射時期を確実に避けて上記作動す
べき針弁の切換えを行い得る利点がある。
【0044】また、上記切換装置が、上記第1針弁及び
第2針弁のまわりに形成されたノズルボディ内に形成さ
れた燃料溜に上記燃料供給装置からの高圧燃料を供給す
る燃料供給通路に配設された弁シリンダと、同弁シリン
ダ内に摺動自在に嵌装されたスプール弁と、同スプール
弁に作動的に連結され、同スプール弁を、上記第1針弁
のみの開閉作動を可能とする第1位置と、第2針弁のみ
の開閉作動を可能とする第2位置の何れかに選択的に駆
動する電磁アクチュエータとを有することによって、上
記作動すべき針弁の切換えを、高圧燃料自体を作動圧力
媒体として応答性良く行ない得る利点がある。
【0045】なお、第1発明の実施に際し、上記切換装
置が、上記第1針弁及び第2針弁のまわりに形成された
ノズルボディ内の燃料溜に上記燃料供給装置からの高圧
燃料を供給する燃料供給通路に配設された弁シリンダ
と、同弁シリンダ内に摺動自在に嵌装されたスプール弁
と、同スプール弁に作動的に連結され、同スプール弁
を、上記第1針弁のみの開閉作動を可能とする第1位置
と第2針弁のみの開閉作動を可能とする第2位置と、第
1針弁及び第2針弁の双方を開閉可能とする第3位置の
何れかに選択的に駆動する電磁アクチュエータとを有す
る構成とすることにより、エンジンの運転状態に応じ適
切な燃料噴射を行うことができると共に、休止している
燃料噴射用の針弁の焼付きが防止される追加の利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す燃料噴射弁の縦
断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿い矢印方向に視た断面
図である。
【図3】図1に示した燃料噴射弁の上面図である。
【図4】図1に示した燃料噴射弁の底面図である。
【図5】図1に示した燃料噴射弁の作動すべき針弁の制
御マップを示す線図である。
【図6】本発明を6気筒ディーゼルエンジンに適用した
場合の着火順の一例を示した線図である。
【図7】図6に示した着火順の6気筒ディーゼルエンジ
ンにおける各気筒の遅れ要素を示した図表である。
【図8】図1におけるコントロールユニット98の作動
態様を示すフローチャートにおける機能表を示した図表
である。
【図9】図1におけるコントロールユニット98の第1
の作動態様を示すフローチャートである。
【図10】図1におけるコントロールユニット98の第
2の作動態様を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図12】本発明の第3の実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図13】図12においてスプール弁68が左動した態
様を示す部分的断面図である。
【図14】図12においてスプール弁68が中立位置に
位置している状態を示した部分的断面図である。
【符号の説明】
10…燃料噴射弁、12…ノズルボディ、16…ノズル
ホルダ、22…第1噴孔、24…第2噴孔、26…第1
針弁、28…第2針弁、30,30a,30b…燃料
溜、50,52…プレッシャスプリング、54…第1ピ
ストン、60…第2ピストン、66…切換弁、68…ス
プール弁、70…弁シリンダ、72,72,72
電磁アクチュエータ、74…燃料供給通路、80…燃料
排出通路、90,90,90…ソレノイド、98…
コントローラ又は制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−75960(JP,A) 実開 平5−36071(JP,U) 西独国特許出願公開4115478(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 39/00 - 71/04 F02D 41/00 - 41/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多気筒エンジンの各シリンダの燃焼室に
    臨む先端部分に第1噴孔及び同第1噴孔より噴孔断面積
    が大きい第2噴孔を有するノズルボディと、同ノズルボ
    ディ内に設けられ上記第1噴孔及び第2噴孔を夫々開閉
    する第1針弁及び第2針弁とを具えた複数の燃料噴射
    弁、上記エンジンの回転速度及び負荷を検知する運転状
    態検出装置、同運転状態検出装置により検知されたエン
    ジンの運転状態に応じて上記複数の燃料噴射弁に、設定
    された噴射順序で、かつクランク角間隔を存して夫々高
    圧燃料を供給する燃料供給装置、上記運転状態検出装置
    により検知されたエンジンの運転状態に応じて上記第1
    針弁及び第2針弁の少くとも一方を作動可能に切換える
    切換装置、及び同切換装置の作動を制御する制御装置を
    備え、同制御装置は、上記運転状態検出装置の出力に基
    づき、上記各シリンダの燃焼室に各々配設された上記複
    数の燃料噴射弁の噴射休止中の適宜タイミングに上記噴
    射順序に従って各燃料噴射弁の切換装置を駆動して第1
    及び第2針弁のうち作動すべき針弁の切換えを行うよう
    に構成されたことを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 多気筒エンジンの各シリンダの燃焼室に
    臨む先端部分に第1噴孔及び同第1噴孔より噴孔断面積
    が大きい第2噴孔を有するノズルボディと、同ノズルボ
    ディ内に設けられ上記第1噴孔及び第2噴孔を夫々開閉
    する第1針弁及び第2針弁とを具えた複数の燃料噴射
    弁、上記エンジンの回転速度及び負荷を検知する運転状
    態検出装置、同運転状態検出装置により検知されたエン
    ジンの運転状態に応じて上記複数の燃料噴射弁に、設定
    された噴射順序で、かつクランク角間隔を存して夫々高
    圧燃料を供給する燃料供給装置、上記運転状態検出装置
    により検知されたエンジンの運転状態に応じて上記第1
    針弁及び第2針弁の少くとも一方を作動可能に切換える
    切換装置、及び同切換装置の作動を制御する制御装置を
    備え、同制御装置は、上記運転状態検出装置の出力に基
    づき、上記複数の燃料噴射弁の噴射休止中の適宜タイミ
    ングに上記噴射順序に従って各燃料噴射弁の切換装置を
    駆動して第1及び第2針弁のうち作動すべき針弁の切換
    えを行うように構成され、さらに、上記制御装置は、上
    記エンジンの回転数及び負荷に応じて第1針弁及び第2
    針弁のうち作動すべき針弁を選択する制御マップを有す
    ると共に、クランク軸に連動する動弁カム軸の回転角速
    度を演算して各燃料噴射弁の休止中における上記切換装
    置の切換え作動時期を設定する手段を有することを特徴
    とする燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 多気筒エンジンの各シリンダの燃焼室に
    臨む先端部分に第1噴孔及び同第1噴孔より噴孔断面積
    が大きい第2噴孔を有するノズルボディと、同ノズルボ
    ディ内に設けられ上記第1噴孔及び第2噴孔を夫々開閉
    する第1針弁及び第2針弁とを具えた複数の燃料噴射
    弁、上記エンジンの回転速度及び負荷を検知する運転状
    態検出装置、同運転状態検出装置により検知されたエン
    ジンの運転状態に応じて上記複数の燃料噴射弁に、設定
    された噴射順序で、かつクランク角間隔を存して夫々高
    圧燃料を供給する燃料供給装置、上記運転状態検出装置
    により検知されたエンジンの運転状態に応じて上記第1
    針弁及び第2針弁の少くとも一方を作動可能に切換える
    切換装置、及び同切換装置の作動を制御する制御装置を
    備え、同制御装置は、上記運転状態検出装置の出力に基
    づき、上記複数の燃料噴射弁の噴射休止中の適宜タイミ
    ングに上記噴射順序に従って各燃料噴射弁の切換装置を
    駆動して第1及び第2針弁のうち作動すべき針弁の切換
    えを行うように構成され、さらに、上記制御装置は、上
    記複数の燃料噴射弁の休止中、夫々の気筒の排気上死点
    近傍において、各燃料噴射弁の切換装置に駆動出力を提
    供することを特徴とする燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 上記切換装置が、上記第1針弁及び第2
    針弁のまわりに形成されたノズルボディ内の燃料溜に上
    記燃料供給装置からの高圧燃料を供給する燃料供給通路
    に配設された弁シリンダと、同弁シリンダ内に摺動自在
    に嵌装されたスプール弁と、同スプール弁に作動的に連
    結され、同スプール弁を、上記第1針弁のみの開閉作動
    を可能とする第1位置と、第2針弁のみの開閉作動を可
    能とする第2位置の何れかに選択的に駆動する電磁アク
    チュエータとを有することを特徴とする請求項1記載の
    燃料噴射装置。
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