JP3148033B2 - マグネトロン装置の製造方法 - Google Patents

マグネトロン装置の製造方法

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JP3148033B2
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宏 落合
豊 綱川
正訓 吉原
欣宏 野口
典男 平石
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松下電子工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマグネトロン装置の製造
方法に係り、とくにその入力部の電気的接続方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に電子レンジなどの高周波加熱機器
に用いられるマグネトロン装置は図2に示すように構成
され、基本周波数2450MHzで動作する。ここで、
まず構造について説明する。マグネトロン1はコイル状
の陰極2、これを囲むように配した円筒状の陽極3、前
記陰極2の上下部で、かつ、外縁が陽極3に接するよう
に配された一対の皿形の磁極片4,5、頂部に位置する
電磁波放出用のアンテナ6、支持部材を介して下部に位
置する絶縁ステム7を有している。枠状の継鉄8は図外
の永久磁石とともに外部磁気回路を構成しており、その
底板部にはフィルタケース9がとりつけられている。前
記フィルタケース9にはマグネトロン1の絶縁ステム7
を没入させてあり、絶縁ステム7のフィルターケース9
内に臨む端面には一対の陰極端子10が設けられてい
る。前記一対の陰極端子10には、フィルタを構成する
一対のコア挿入型のチョークコイル11の各一端が接続
されており、フィルターケース9の側壁に取り付けられ
た貫通コンデンサ12の一対の貫通電極13は、前記一
対のチョークコイル11の各他端に接続されている。図
中の14はチョークコイル11に挿入されたフエライト
コアである。
【0003】このように構成されたマグネトロンにおい
て、一般的にチョークコイル11の電気的接続は、図3
に示すようにアーク溶接によって行なっている。すなわ
ち陰極端子10の挟着片10aでチョークコイル11の
接続部を挟着し、溶接トーチ19で前記挟着片10a部
を溶かして接続していた。
【0004】また図4に示すようにチョークコイル11
に触角電極延長部15を形成し、陰極端子10側へ現わ
れた基本波成分を含む不要輻射を前記触角電極延長部1
5で減衰してチョークコイル11およびフエライトコア
14の焼損を防止するものもある。このものも、溶接ト
ーチを用いてチョークコイル11の接続部と陰極端子1
0の挟着片10aをアーク溶接していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで一般にチョー
クコイル11はインダクタを高めるため、銅線などにエ
ナメル被覆をほどこしており、アーク溶接時に前記エナ
メル被覆を除去しなければならなく、その作業性が悪
い。また、銅線などが約2〜5mmにわたる溶接しろが
必要であり、その寸法管理が溶接の良否に大きく影響し
て接合不良、スパッタなどの発生につながるという問題
がある。また、図4に示す構成のものでは、陰極端子1
0とチョークコイル11のアーク溶接による電気的接合
をする場合、溶接電流、溶接トーチの角度の微細な変動
により、接合が不完全になりやすく、また、量産性もよ
くないという問題があった。
【0006】本発明は前記従来の問題に留意し、効率が
よく、信頼性の高い電気接合ができるマグネトロン装置
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のマグネトロン装
置の製造方法は、マグネトロン入力部である陰極端子と
フィルタを構成するチョークコイルとを接続するに際
し、前記陰極端子と銅系金属線材にエナメル被覆された
チョークコイルの接続部とを、高融点材からなる電極で
挟み込み大電流を流して前記電極自身を発熱させる抵抗
溶接により接合することを特徴とする。
【0008】
【作用】上記において、陰極端子とチョークコイルの接
続部は互に接合させた状態とし、これを抵抗溶接機の一
対の電極で挟圧し、前記電極に大電流を流すことにより
電極を発熱させて陰極端子とチョークコイルの接続部を
抵抗溶接することとなる。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例を説明する。なおマグ
ネトロン装置の構成は図2で示したものと同じであるの
で、その説明は省略する。本実施例の特徴とするところ
はマグネトロンの入力部、すなわちチョークコイルと陰
極端子の電気接続方法にある。図1に示すようにチョー
クコイルの接続部16をマグネトロンの陰極端子10の
挟持片10aで挟み込み、これを抵抗溶接機の一対の電
極18,18間にセットする。ここで一対の電極18,
18を前記挟持片10aに加圧により圧接し、大電流1
7を流すことで電極18,18自身を800〜900℃
に発熱させ、この熱が陰極端子10の挟持片10aとチ
ョークコイルの接続部16に伝わり、挟持片10aと接
続部16は溶接される。なお、チョークコイルはマグネ
トロンの陰極端子10への電気抵抗をできるだけ小さく
するために、銅(Cu)系金属とする。この銅系金属は
電気抵抗が小さく、かつ、熱伝導も良好なために抵抗発
熱しにくい。そのため電極18としては、タングステ
ン、モリブデンのような融点が高く、固有抵抗が大きい
ものを用い、大電流を流すことで電極自身を発熱させる
ようにする。
【0010】上記抵抗溶接により、チョークコイルの接
合部16と陰極端子10の挟持片10aは確実に溶接さ
れ、信頼性の高い電気接続が得られる。もちろん、事前
にチョークコイルのエナメル被覆の除去が不要となり、
また溶接しろの管理も不要となり、そのバラツキによる
接合の良否が左右されない。また、アーク溶接のように
酸化防止用のアルゴンガスなど、不活性ガスの使用も不
必要であり、さらに溶接トーチの角度、電流の管理も不
要で、作業性がよい。
【0011】
【発明の効果】前記実施例の説明より明らかなように本
発明のマグネトロン装置の製造方法によれば、マグネト
ロンの入力部、すなわちチョークコイルと陰極端子の接
続が確実にできるとともに、局部溶接のためにスパッタ
等の発生が抑えられ、溶接変形も少なく、信頼性の高い
接続ができる。また、従来のアーク溶接による接合に比
し、エナメル被覆の除去、不活性ガスなどを不要とし、
作業性のよいものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のマグネトロン装置の製造装
置の要部の構成図
【図2】従来のマグネトロン装置の断面図
【図3】(a)はマグネトロンの入力部をアーク溶接す
る説明図 (b)は同入力部をアーク溶接した状態の説明図
【図4】(a)は従来の他の例のマグネトロン装置の下
面図 (b)は同要部の斜視図
【符号の説明】
7 マグネトロンの絶縁ステム 10 陰極端子 10a 挟着片 16 チョークコイルの接続部 18 抵抗溶接機の電極
フロントページの続き (72)発明者 野口 欣宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (72)発明者 平石 典男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−272547(JP,A) 特開 昭62−69437(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 23/15

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネトロン入力部である陰極端子とフ
    ルタを構成するチョークコイルとを接続するに際し、 前記陰極端子と銅系金属線材にエナメル被覆されたチョ
    ークコイルの接続部とを、高融点材からなる電極で挟み
    込み大電流を流して前記電極自身を発熱させる抵抗溶接
    により接合す るマグネトロン装置の製造方法。
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