JP3147980U - 洗車ブラシ - Google Patents

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酒井 重臣
重臣 酒井
岡庭 崇
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Abstract

【課題】 表面に円筒状の植毛部2が等間隔で多数突設され、この植毛部2内に基部が保持された毛材を有するベース板1が、回転軸の周囲に、裏面を当該回転軸側にして巻き付けられた洗車ブラシにおいて、回転軸の径が多少相違していても取り付け可能なベース板1を用いた洗車ブラシを提供する。【解決手段】 ベース板1が、横方向の端面同士が、突き合わされるか、横方向における植毛部2間の間隔L1の2倍以下の隙間をもって向き合わされて回転軸に取り付けられた洗車ブラシとする。【選択図】 図1

Description

本発明は、洗車機に用いられる洗車ブラシに関する。
従来、洗車ブラシとしては、表面に円筒状の植毛部が等間隔で多数突設され、この植毛部内に基部が保持された毛材を有するベース板を、回転軸の周囲に、裏面を当該回転軸側にして巻き付け、巻き付け方向(横方向)の端部同士を重ね合わせて、両端部に設けられた一対の接続部同士を嵌め合わせ、嵌め合わされた接続部を介して回転軸にリベットを打ち込んだりネジをねじ込んで固定したものが知られている(例えば、特許文献1参照)
特開平5−192225号公報
しかしながら、上記従来の洗車ブラシの場合、回転軸の径が異なると、ベース板の端部同士の重なり量がずれ、巻き付けが弛んでしまったり、接続部同士を嵌め合わせることができなくなる。回転軸の径は、例えば洗車機メーカーの相違や機種の相違から微妙に異なることが多い。このため、回転軸の径の種類に応じた種類のベース板を用意しなければならず、製造コストが増大しやすいと共に、交換時に回転軸の径にあったベース板を用意しなければならず、維持管理に手間がかかる問題がある。
また、ベース板は、弾性材料で構成されており、十分な機械的強度を持たせる必要上、比較的大きな弾性反発力を有するものとなる。このため、回転軸へ巻き付けるときに、弾性反発力で回転軸表面に馴染みにくく、回転軸への巻き付け及び取り付け作業が行いにくいという問題もある。
本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、回転軸の径が多少相違していても取り付け可能なベース板を用いた洗車ブラシを提供することを第1の目的とする。また、本考案は、回転軸の表面に沿って巻き付けやすいベース板を用いた洗車ブラシを提供することを第2の目的とする。
本考案の第1は、上記第1の目的のために、表面に円筒状の植毛部が多数突設され、この植毛部内に基部が保持された毛材を有するベース板が、回転軸の周囲に、裏面を当該回転軸側にして巻き付けられた洗車ブラシにおいて、前記ベース板が、横方向の端面同士が、突き合わされるか、横方向における前記植毛部間の間隔の2倍以下の隙間をもって向き合わされて前記回転軸に取り付けられていることを特徴とする洗車ブラシを提供するものである。
また、本考案の第2は、前記第2の目的のために、上記本考案の第1に係る洗車ブラシにおける前記ベース板の表面に、当該ベース板を縦断する溝部が横方向に間隔を開けて複数形成されていることを特徴とする洗車ブラシと、前記溝部間の間隔が、前記ベース板の横方向の端部で狭く、中間部で広くなっていることを特徴とする洗車ブラシとを提供するものである。
本考案の第3は、上記本考案の第1又は第2に係る洗車ブラシにおいて、横方向における前記ベース板の両端部の表面に、それぞれリベット又はネジの頭部を受ける台部が突設されており、この台部を介してリベット又はネジを前記回転軸に打ち込む又はねじ込むことで、前記ベース板が前記回転軸に取り付けられていることを特徴とする洗車ブラシを提供するものである。
本考案の第4は、上記本考案の第3に係る洗車ブラシにおいて、前記毛材の基部が、前記ベース板の裏面を通り、前記各植毛部の底部に形成された小孔から前記各植毛部内に導入された糸によって前記植毛部内に保持されており、前記ベース板の裏面に、前記台部の位置に対応する位置とその他の位置とに、前記糸の径より大きな突出量の突出部が形成されていることを特徴とする洗車ブラシを提供するものである。
更に、本考案の第5は、上本考案の第1乃至第4のいずれかの洗車ブラシにおいて、前記ベース板が、前記回転軸の中心軸方向に複数枚取り付けられていることを特徴とする洗車ブラシを提供するものである。
なお、本考案において、横又は横方向とは、回転軸への巻き付け時の巻き付け方向をいい、縦又は縦方向とは、回転軸への巻き付け時の回転軸の中心軸方向をいう。
本考案の第1に係る洗車ブラシは、ベース板が、横方向の端面同士が、突き合わされるか、横方向における植毛部間の間隔の2倍以下の隙間をもって向き合わされて回転軸に取り付けられている。つまり、ベース板の横方向の長さに、回転軸の周長と同じ長さから横方向における植毛部間の間隔の2倍以下の範囲の短い長さまで遊びを持たせることができる。従って、回転軸の径が多少相違していても、同じ長さのベース板を取り付けることができ、回転軸の径の相違に応じた種類のベース板を用意する手間を省略することができる。また、横方向における植毛部間の間隔の2倍以下の間隔であれば、毛材の配置状態に大きな粗密を生じることはなく、洗車能力に対する影響を防止することができる。
本考案の第2に係る洗車ブラシは、ベース板の表面に、ベース板を縦断する溝部が横方向に間隔を開けて複数形成されている。この溝部が形成されていることで、ベース板が横方向に屈曲及び湾曲させやすくなっており、ベース板を回転軸の表面に沿って巻き付けやすく、巻き付け及び取り付け作業性が向上する。特に、溝部間の間隔が、ベース板の横方向の端部で狭く、中間部で広くなっていると、回転軸に巻き付けたときに弾性反発力が大きくなる端部がより屈曲及び湾曲させやすくなるので、ベース板の回転軸に沿った巻き付け作業がより容易となる。
本考案の第3に係る洗車ブラシによれば、リベット又はネジの取り付け箇所を台部で補強し、ベース板の損傷を防止することができる。
本考案の第4に係る洗車ブラシによれば、毛材を固定している糸が回転軸の表面と擦れ合って切れやすくなるのを、突起部によってベース板の裏面を回転軸周面から浮かせることで防止することができる。
本考案の第5に係る洗車ブラシよれば、使用によって毛材が損傷した場合に、損傷箇所のみの選択的交換が可能となる。具体的には、自動車の側面を洗浄する洗車ブラシは、タイヤ周りに対応する箇所、つまり垂直に立てられた回転軸の下部の毛材が損傷しやすいが、損傷の少ない上部の毛材(ベース板)を残して、この下部の毛材(ベース板)のみを交換することができる。
以下、図面を参照して本考案を更に説明する。
図1〜図5は本考案に係る洗車ブラシの一例を示すもので、図1はベース板の平面図、図2は図1におけるA−A断面図、図3はベース板の底面図、図4は植毛部周りの拡大断面図、図5はベース板を回転軸に取り付けた状態の平面図である。
図1及び図2に示されるように、ベース板1の表面には植毛部2が縦横等間隔で千鳥状に多数突設されたものとなっている。ベース板1の横方向両端部表面には、端縁に沿った植毛部2間に台部3が突設されている。また、図2及び図3に示されるように、ベース板1の裏面には、台部3に対応する位置と、その他の位置とに、それぞれ突出部4a,4bが形成されている。台部3に対応する位置の突出部4aは、台部3より一回り小さな円盤状をなし、その他の位置の突出部4bは線分状をなしている。その他の位置の突出部4bは、ベース板1の裏面全体にできるだけ均一に分散して形成されていることが好ましい。
ベース板1は、回転軸5(図5参照)に巻き付けることができるよう、例えばポリエチレンエラストマーなどの合成樹脂エラストマー、合成ゴムなどの弾性材料で構成されている。厚さは2〜5mm程度が好ましい。また、植毛部2、台部3及び突出部4a,4bはこのベース板1と一体に形成されている。
植毛部2は、毛材6(図4参照)の基部を保持するためのもので、図1及び図2に示されるように、円筒状をなしており、底部を貫通する糸穴7を有している。図4に示されるように、この糸穴7には、ベース板1の裏面を通って糸8が導入されており、長さ方向に二つ折りにして、中央の折り部を基部側として植毛部2に挿入された毛材6の当該折り部上を跨いでこの糸8が通され、毛材6の基部を植毛部2内に固定し保持している。
植毛部2は、肉厚(周壁厚)が2〜4mm程度で、外径が10〜15mm程度であることが好ましく、高さは内径の1〜1.5倍とすることが好ましい。また、回転軸5(図5参照)の周囲に粗密なく毛材6(図4参照)を位置させることができるよう、千鳥状に配置されていることが好ましい。
毛材6としては、微発泡又は非発泡合成樹脂製の線材を束ねたもの、布をジグザグに細長く折り畳んだもの、棒状のスポンジ材などを用いることができる。
台部3は、ベース板1を回転軸5(図5参照)に固定するためのリベットやネジの頭部を受けるもので、中央にリベットやネジを通す取付孔9を有しており、植毛部2より突出量の小さな円柱状をなしている。この台部3を設けておくことにより、リベットやネジの頭部で押圧される箇所を肉厚化し、強度を高めることができる。
突出部4a,4bは、図4に示される糸8がベース板1と回転軸5との間で擦れて損傷するのを、ベース板1の裏面と回転軸5の表面との間に糸8を収容する隙間を形成して防止するためのもので、糸8の直径より大きな突出量となっている。具体的には1.5〜3mm程度の突出量で突出している。
本考案に係る洗車ブラシは、図5に示されるように、上記のような毛材6を有するベース板1を、回転軸5の周囲に、裏面を当該回転軸5側にして巻き付け固定したものである。特に、本考案におけるベース板1は、横方向の端面同士が、突き合わされるか、横方向における植毛部2間の間隔L1(図1参照)の2倍以下の隙間L2をもって向き合わされて回転軸5に取り付けられている。つまり、本考案においては、ベース板1の長さにL1×2の長さ分の遊びを持たせることができるので、回転軸5の径のずれに対応することができる。また、回転軸5へのベース板1の取り付けは、回転軸5の周囲にベース板1を巻き付けて、台部3の取付孔9を介してリベット又はネジを回転軸5へ打ち込み又はねじ込むことで行われる。回転軸1へ巻き付けたベース板1は、ベルトやワイヤーなどを巻き付けて締め付けることで固定することもできるが、作業性及び確実性の点から、上記のようにリベット又はネジによることが好ましい。
ベース板1は、1本の回転軸5の中心軸方向に複数枚取り付けることが好ましい。1本の洗車ブラシを複数枚のベース板1を取り付けて構成しておくと、部分的な毛材6の損傷に対して、当該損傷した毛材6を保持しているベース板1のみを取り外して交換することで修復することができる。
図6はベース板の他の例を示す平面図である。
本例のベース板1は、表面を縦断して、横方向に間隔を開けて複数の溝部10が形成されたものとなっている。溝部10は、横方向全長に亘って、所定間隔で形成されていることが好ましい。この溝部10を設けておくと、ベース板1を回転軸5(図5参照)に巻き付ける祭の弾性反発力を軽減することができ、ベース板1の回転軸5への取り付け作業が容易となる。
上記溝部10は、V形溝でもよいが、応力集中による破断防止を防止しやすくするために、U形溝が好ましい。また、溝部10の間隔は、ベース板1の横方向全長に亘って等しくてもよいが、ベース板1の横方向の両端部で狭く、中間部で広くなっていることが好ましい。このようにすると、回転軸5(図5参照)に巻き付けたときに大きくなる横方向端部の弾性反発力を弱め、弾性反発力を横方向全長に亘って均一化することができる。
溝部10は、上記のような弾性反発力の軽減の他、ベース板1の長さ調整のための切断案内ラインとしても用いることができる。つまり、ベース板1が回転軸5の周長に比して過剰に長い場合、適宜の位置の溝部10に沿って刃物でベース板1を切断すれば、切断ラインの屈曲なく容易に長さ調整のための切断を行うことができる。特に、端部寄りの溝部10の内側に隣接する位置にも、前述した台部3と同様な台部3’を形成しておくと、外側の台部3が切り離されてもリベットやネジによる回転軸5への取り付けを行うことができる。この台部3’を設けていない場合、ベルトやワイヤーなどによる締め付けで取り付けることができる。
ベース板の平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 ベース板の底面図である。 植毛部周りの拡大断面図である。 ベース板を回転軸に取り付けた状態の平面図である。 ベース板の他の例を示す平面図である。
符号の説明
1 ベース板
2 植毛部
3 台部
3’ 台部
4a 突出部
4b 突出部
5 回転軸
6 毛材
7 糸穴
8 糸
9 取付孔
10 溝部

Claims (6)

  1. 表面に円筒状の植毛部が等間隔で多数突設され、この植毛部内に基部が保持された毛材を有するベース板が、回転軸の周囲に、裏面を当該回転軸側にして巻き付けられた洗車ブラシにおいて、前記ベース板が、横方向の端面同士が、突き合わされるか、横方向における前記植毛部間の間隔の2倍以下の隙間をもって向き合わされて前記回転軸に取り付けられていることを特徴とする洗車ブラシ。
  2. 前記ベース板の表面に、当該ベース板を縦断する溝部が横方向に間隔を開けて複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の洗車ブラシ。
  3. 前記溝部間の間隔が、前記ベース板の横方向の端部で狭く、中間部で広くなっていることを特徴とする請求項2に記載の洗車ブラシ。
  4. 横方向における前記ベース板の両端部の表面に、それぞれリベット又はネジの頭部を受ける台部が突設されており、この台部を介してリベット又はネジを前記回転軸に打ち込む又はねじ込むことで、前記ベース板が前記回転軸に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗車ブラシ。
  5. 前記毛材の基部が、前記ベース板の裏面を通り、前記各植毛部の底部に形成された糸穴から前記各植毛部内に導入された糸によって前記植毛部内に保持されており、前記ベース板の裏面に、前記台部の位置に対応する位置とその他の位置とに、前記糸の径より大きな突出量の突出部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の洗車ブラシ。
  6. 前記ベース板が、前記回転軸の中心軸方向に複数枚取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗車ブラシ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016060330A (ja) * 2014-09-17 2016-04-25 東日本旅客鉄道株式会社 毛材集合体、車両洗浄ブラシ、および車両洗浄装置

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