JP3147904U - 延線クランプ打込治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】架空送電線路に使用する電線(より線)相互あるいはワイヤーとを延線クランプによって仮接続するために楔を打込んて電線を把持する工具であって、延線クランプと電線との着脱作業を安全かつ確実に行う治具の提供。【解決手段】延線クランプ本体3の中心軸と押込(打込)用ボルトネジ5の中心軸とが同一軸になるようクランプ固定金具4とボルトネジ5を把持する軸受金具6とを一直線状に対隅させて固定フレーム2に固定して楔打込用の治具1を構成する。楔をボルトネジ5を螺挿操作して、より線の芯線に押込(押圧)み嵌挿した後、楔と電線との把持力を確実にするため、ハンマーを使ってボルトネジ5を叩打することにより楔の打込み(押込)量を調整する。これにより楔が偏心することなく電線の中心部に打込まれ、延線クランプ3により仮接続された電線に適正な把持力が得られる。【選択図】図1
Description
この考案は、架空送電線に架設する電力線のように数本の素線(銅線およびアルミ線)が同心円的に幾層か撚り合わされた電線(より線)の中心に芯線(中心素線、鋼線)が内包された電線(鋼心アルミより線等)を電線相互あるいは電線とワイヤロ−プ(以下、ワイヤ−という)とを仮接続して牽引する場合に使用する連結牽引用工具に関し、テ−パ−付の楔を電線の芯線に打込んで電線を的確に把持して仮接続した電線を好適に牽引するために使用するくさび型延線クランプ(以下、延線クランプという)の楔装着(打込)用治具に関するものである。
従来、送電線の建設、補修、撤去といった工事において電線相互あるいは電線とワイヤ−とを仮接続して電線を延緊線する連結牽引用工具として、一般的に延線クランプ(本体、楔、打込器、打抜器、クレビス、コネクタ−等の金具より構成)が使用されており、図9に示すように、切断した電線の末端部を延線クランプの本体の中に挿入し、その電線の芯線をマ−キングした後、その芯線に楔(中心に貫通孔をもつテ−パ−ピン)を打込器とハンマ−を使って打込み押圧することにより楔を電線の中心部に押込み、その押込力による押圧抵抗によって電線を挟持している。
しかし、建設工事のように楔を打込む現場が地上であれば、このような手作業を容易に行うことはできるが、改修工事のように既存の鉄塔上で電線を張替、補修、撤去するような高所作業においては、足場も気象条件も悪く、不安定な状態での電線仮接続となるので容易な作業ではなかった。
上記のように鉄塔上(塔体または塔体外)において電線相互あるいは電線とワイヤ−とを延線クランプを使って仮接続をする作業は、通常、3人の作業員によって行われており、延線クランプ内の電線(より線)に楔を打込む工具も、電線が細い場合は、ハンマ−を使っい、電線が太い場合は、油圧ジャッキ付着脱機(以下、油圧式打込機という)を使っているが、いずれもタワ−ホ−ム(作業梯子)を使用した塔体外乗出し(宙乗)作業であり、不安定な状態で工具の手渡し、電線のクランプ内挿入、楔の打込み、クレビス、コネクタ−などを取付ける作業なので電線の延線クランプ装着は容易ではなく、その状況下でハンマ−や重機工具を使って楔を電線の中心部に打込む作業や楔を所定の位置まで確実に打込み、押圧力によって電線をクランプに圧着させる作業などを安全、容易かつ確実に行うことは難かしく、仮接続後の電線に適正な把持力を期待することができなかった。
そのため、適用する電線サイズが240mm2以下(小サイズ)の場合は、2人の作業員が打込ハンマ−を使って電線の延線クランプへの取付け取外しを行っているが、それより太い電線の場合は、打込力が不足するため、適正な把持力が期待できないのでハンマ−に替わる工具として油圧式打込機を使っているが、その重量が6〜37kgと重いため上述のように工具類の昇降やタワ−ホ−ム上での手渡し作業など重量物の搭上での取扱い操作が容易ではなく危険をともなう高所作業であった。
上述のように、従来、行われている延線クランプによる電線の仮接続作業においては、適用電線が小サイズの場合は、作業員2人が軽量工具(ハンマ−等)を使用して接続を行っているので作業性に問題はなかった。しかし、それよりも太い電線(330mm2以上)の場合は、打込力を補うために油圧式打込機などの重量工具を使用して接続を行っているので、その作業性(取扱い操作が難しく時間が掛る)と安全性に問題があった。
本考案は、このような問題を解決しようとするもので、重量工具を使うことなく作業員2人によって安全、容易に作業を行うことができる軽量(5kg)かつ簡便な楔打込用の治具(取付けた加工物と加工物を正しく当てて工作する道具)を提供するものである。
本考案は、このような問題を解決しようとするもので、重量工具を使うことなく作業員2人によって安全、容易に作業を行うことができる軽量(5kg)かつ簡便な楔打込用の治具(取付けた加工物と加工物を正しく当てて工作する道具)を提供するものである。
また、延線クランプによる電線の仮接続作業においては、電線の中心素線(芯線)に楔を偏心しないよう押込む手段と、適正な位置まで楔を延線クランプ内に挿入した電線に打込む、その打込力を調整する処方とが要事であるため、楔を打込む手法としてボルトネジの螺挿による押込み法とハンマ−の叩打による打込み法とを併用し、適正な押圧力が挿入した電線内に発生し、延線クランプが電線を確実に把持することを可能とする操作機能と構造を具備したクランプ打込用治具を提供するものである。
この考案は、上記目的を達成するために創作されたもので、その特徴は、適用する電線サイズに関係なく、ハンマ−による楔の打込み処方を前提条件とし、打込まれる楔がハンマ−の叩打によって偏心(片寄り)することなく電線の中心部に押込まれる仕組みとするため、楔をハンマ−により打込む前にネジ切りボルト(押込み兼打込ボルトで、以下、ボルトネジという)のラチェット操作(螺挿)により楔をクランプ本体内に嵌挿した電線に押込んだ後、打込ボルトネジの後部ナットをハンマ−を使って叩打し、楔を所定の位置まで打込んて押込量を調整する処方とする。
そのため、延線クランプの本体とボルトネジの中心軸とが一直線になるようクランプの本体を固定する金具とボルトネジを掴持する軸受金具とを所定の間隔を離間させて対隅配置し、それぞれの金具を締着ボルトによて2個のア−ム材(以下、枠体という)より構成の固定フレ−ムに取付けることとボルトネジを掴持する軸受金具を締着するネジ孔を長溝形(小判形)とし、締着ボルトを緩めて軸受金具を長溝孔の中心軸間の長さだけ後退させた後、ハンマ−を使ってボルトネジを打込むことを可能とするクランプ装着治具を構成する。この治具に装着したボルトネジのラチェット操作(螺挿)による押込みとハンマ−による打込によってクランプの本体に挿入した電線とクランプの本体との間に押圧、圧着力を派生させることよって延線クランプに適正な把持力を確保するものである。
この考案による打込治具を使用することによってクランプ本体に挿入した電線の中心軸となる芯線に楔を正確に打込むことができるので叩打による偏心問題が解消される。
また、この治具による楔の打込み操作(手作業)は、一人の作業員によって容易かつ確実に行うことができるので作業性(軽量、簡便、省力等)が一段と向上する。
また、治具の構造が簡単で、製作も容易であり廉価なので実用性(汎用、補修管理面)に富んでいる。
以下、本考案の実施例を添付図面によって説明する。図1〜図7は、本考案の打込治具の実施形態を示す平面図、側面図および断面図で、図1は、仮接続する電線Wの末端部が挿入された延線クランプ本体3を固定フレ−ム2に装着する図1(a)のクランプ固定金具4と電線Wに楔14を押込んだ後、打込むことができる構造のボルトネジ5を掴持した状態で固定フレ−ム2に装着する図1(b)の軸受金具6(ボルトネジ5に螺接したダブルナット6aに挟着板6bが溶接されてなる)を相対する2個の枠体2aにそれぞれ2本の締着ボルト7を使って固定フレ−ム2に組込み、横長長方形の打込治具1を構成する。
図2は、延線クランプ本体3とボルトネジ5を固定する固定フレ−ム2の枠体2aを示すもので幅Bが42mm、長さLが237mm、厚さtが6mmの鋼板よりなる枠体2aの左端部にクランプ固定金具4を固定するネジ孔12を穿孔し、所定の間隔を置いて右端部にボルトネジ軸受金具6を固定する長溝ネジ孔11を穿孔するとともに打込治具に装着する延線クランプ本体3を掛止する爪部2bを左端部のネジ孔12の下部に形設する。この同形2枚の枠体2aを対隅的に並行配置して横長長方形の固定フレ−ム2を構成する。
図3は、クランプ本体3内に挿入した電線Wに楔14を押込み、打込むために使用する外径16mmφ(M16)、長さ135・5mmのボルトネジ5の構造を示すもので、図4に示すようにボルトネジ5の先端部(前)に打込用のヘッド9を冠着するヘッド取付部10を形成し、それより83mm幅をM20ボルトのネジ山寸法によって螺刻するとともにその後端部にM16のナット2個をダブルナット状に固着して打込ナット8を形成する。
打込ナット8をスパナやラチェットを使ってボルトネジ5を螺挿操作して楔14をクランプ本体3に挿入した電線Wの芯線Cに押込んだ後、軸受金具6の締着ボルト7を緩めて軸受金具6を長溝の中心軸幅11a(12mm)だけ後退させた後、ハンマ−17によってナット8を叩打し、芯線Cに押込み被嵌した楔14を所定の位置まで打込む。
打込ナット8をスパナやラチェットを使ってボルトネジ5を螺挿操作して楔14をクランプ本体3に挿入した電線Wの芯線Cに押込んだ後、軸受金具6の締着ボルト7を緩めて軸受金具6を長溝の中心軸幅11a(12mm)だけ後退させた後、ハンマ−17によってナット8を叩打し、芯線Cに押込み被嵌した楔14を所定の位置まで打込む。
図5は、電線の末端と電線あるいはワイヤ−とを仮接続する場合に使用する延線クランプの形状を示すもので、クランプ本体3にクレビス3aが螺着されている。
図6は、クランプ本体3に嵌挿した電線Wに打込むテ−パ−ピン状(円錐形)の楔14の形状を示すもので、先端の直径が3〜4mmφ、長さが100〜140mmで、その中心部に挿通孔14aが穿孔されている。また、図7は、楔14を打込む打込器13を示すもので、先端に挿通孔14aが穿孔され、末端に叩打部13aが形成されており、この打込器13とハンマ−17によって楔14を延線クランプ3内の電線Wに打込んで仮接続をしている。
図6は、クランプ本体3に嵌挿した電線Wに打込むテ−パ−ピン状(円錐形)の楔14の形状を示すもので、先端の直径が3〜4mmφ、長さが100〜140mmで、その中心部に挿通孔14aが穿孔されている。また、図7は、楔14を打込む打込器13を示すもので、先端に挿通孔14aが穿孔され、末端に叩打部13aが形成されており、この打込器13とハンマ−17によって楔14を延線クランプ3内の電線Wに打込んで仮接続をしている。
図8は、太い電線Wを仮接続する場合に使用する楔14の打込機15で、油圧ジャッキ16を使用しているので重量が6〜37kgと重いため、取扱い操作に手間が掛かる。
図9は、現行の楔14を打込む手法を示すもので、延線クランプ本体3に挿入した電線Wの芯線Cをマ−キングした後、芯線Cに楔14の挿通孔14aを当て、ハンマ−17を使って楔14を打込んでいる。図10は、仮接続作業の要でもある楔14の打込み加減を示すもので、(a)図のようにクランプ本体3の末端と電線Wとの飛出し高さHとが5mm程度となるよう楔14を芯線Cに被嵌(押込)した後、(b)図のように楔14を電線Wの末端部より深めに打込むことが肝要であるが、打込み過ぎないよう注意しなければならない。打込力が強過ぎると電線Wがクランプの本体3より押出(摺動)された状況となり、所期の把持力が得られず不安全要素を含んだ接続となるので、打込んだ楔14を引抜器(図示せず)によって引抜き打込み直しをすることにもなるため打込深(飛出し高)の調整が課題であった。
本考案の治具は、上記の現行手法での諸問題を解決するために創案されたもので、軽量(5kg)で簡便な機能を備えた延線クランプによる打込治具の提供を可能とした。
本考案の治具は、上記の現行手法での諸問題を解決するために創案されたもので、軽量(5kg)で簡便な機能を備えた延線クランプによる打込治具の提供を可能とした。
W 電線(より線) 6a M20ナット(ダブル)
C 芯線(鋼線) 6b 挟着板
¢ 中心線 7 締着ボルト
L 長さ 8 打込ナット(M16、ダブル)
B 幅 9 打込ヘッド(楔用)
H 飛出し高(打込深さ調整幅) 10 ヘッド取付部
t 厚み 11 長溝ネジ孔(打込調整用)
1 打込治具 12 ネジ孔(クランプ固定金具用)
2 固定フレ−ム 13 打込器
2a ア−ム材(枠体) 13a 叩打部
2b 爪部 14 楔
3 延線クランプ本体 14a 挿通孔(芯線用)
3a クレビス部 15 打込機(油圧式クランプ着脱機)
4 クランプ固定金具 16 油圧ジャッキ
4a サドル部 16a クランプ取付リンク
5 ボルトネジ(押込、打込用) 16b 楔押付金具
5a 螺刻部(ネジ山:M20) 17 ハンマ−
6 軸受金具(ボルトネジ) 18 マ−キング
C 芯線(鋼線) 6b 挟着板
¢ 中心線 7 締着ボルト
L 長さ 8 打込ナット(M16、ダブル)
B 幅 9 打込ヘッド(楔用)
H 飛出し高(打込深さ調整幅) 10 ヘッド取付部
t 厚み 11 長溝ネジ孔(打込調整用)
1 打込治具 12 ネジ孔(クランプ固定金具用)
2 固定フレ−ム 13 打込器
2a ア−ム材(枠体) 13a 叩打部
2b 爪部 14 楔
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3a クレビス部 15 打込機(油圧式クランプ着脱機)
4 クランプ固定金具 16 油圧ジャッキ
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5a 螺刻部(ネジ山:M20) 17 ハンマ−
6 軸受金具(ボルトネジ) 18 マ−キング
Claims (3)
- 架空送電線に使用する電線(鋼心アルミ撚線などのより線)相互または電線と牽引用ワイヤ−とを仮接続して延緊線するために使用する延線クランプの楔を打込む手法であって、
延線クランプ本体の中心軸とクランプ本体に挿入した電線の芯線に打込む楔の中心軸とその楔を押込み打込むためのボルトネジの中心軸とが同心軸で一直線状に配列するため2枚一組のア−ム材(枠体)にクランプ本体を固定する金具とボルトネジを把持する軸受金具とを対隅的、一体的に装着して固定フレ−ムを構成すことを特徴とする延線クランプの楔打込用治具。 - 固定フレ−ムの左側部にクランプ本体を固定する金具によってクランプ本体を固定し、その右側部に押込(打込)用ボルトネジを把持する軸受金具によってボルトネジを固定する。クランプ本体の中に切断した電線の末端部を挿入し、その電線の末端がクランプ本体より1cm程度とび出た状態とする。より線の芯線にマジックで目印をつけ、その芯線に楔の尖端を押し当て、ボルトネジにより楔を押込んだ後、打込器とハンマ−によって楔を所定の位置まで打込むことを特徴とする請求項1に記載の延線クランプの楔打込用治具。
- 押込(打込)用ボルトネジの前端に押込(打込)用ヘッドを装着した後、ボルトネジの後端に装着の打込用ナットをラチェット操作(螺挿)して楔を芯線に押込み被嵌する。
楔のヘッド(後頭部)が電線の末端より1cm程度出た状態でラチェットによる押込み操作を止めた後、軸受金具の締付ボルトを緩めてボルトネジを掴持した状態の軸受金具をア−ム材(枠体)に穿設した締付ボルト用長溝孔の調整幅まで後退させた後、ハンマ−によって楔を所定の位置まで打込むことにより打込んだ楔とクランプ本体内の電線との間に適正な把持力を確保することを特徴とする請求項1に記載の延線クランプの楔打込用治具。
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JP2008006165U JP3147904U (ja) | 2008-08-05 | 2008-08-05 | 延線クランプ打込治具 |
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JP2008006165U JP3147904U (ja) | 2008-08-05 | 2008-08-05 | 延線クランプ打込治具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108270187A (zh) * | 2018-04-25 | 2018-07-10 | 河南新弘电力科技有限公司 | 一种三跨安全后备楔形线夹 |
CN114516010A (zh) * | 2020-11-20 | 2022-05-20 | 吴桂坤 | 电线穿拉头修护工具 |
CN115064988A (zh) * | 2022-07-28 | 2022-09-16 | 广东电网有限责任公司 | 一种线夹固定装置 |
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2008
- 2008-08-05 JP JP2008006165U patent/JP3147904U/ja not_active Expired - Fee Related
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CN108270187A (zh) * | 2018-04-25 | 2018-07-10 | 河南新弘电力科技有限公司 | 一种三跨安全后备楔形线夹 |
CN108270187B (zh) * | 2018-04-25 | 2024-03-15 | 河南新弘电力科技有限公司 | 一种三跨安全后备楔形线夹 |
CN114516010A (zh) * | 2020-11-20 | 2022-05-20 | 吴桂坤 | 电线穿拉头修护工具 |
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