JP3147422B2 - ナフタレンジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ナフタレンジカルボン酸の製造方法

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JP3147422B2 JP22503691A JP22503691A JP3147422B2 JP 3147422 B2 JP3147422 B2 JP 3147422B2 JP 22503691 A JP22503691 A JP 22503691A JP 22503691 A JP22503691 A JP 22503691A JP 3147422 B2 JP3147422 B2 JP 3147422B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジイソプロピルナフタ
レン(以後、DIPNと略称する)を分子状酸素により
液相酸化して、ナフタレンジカルボン酸(以後、NDC
と略称する)を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】DIPNをコバルト、マ
ンガンなどの重金属と臭素もしくは臭素化合物(以下単
に具素化合物とも言う)からなる触媒の存在下、分子状
酸素により液相酸化して、2,6−NDCを製造する方
法は公知である。DIPNの酸化反応は、2,6−ジメ
チルナフタレンの酸化に較べて容易ではなく、2,6−
ジメチルナフタレンに対する公知の酸化条件、例えば特
公昭56−3337号記載の方法を2,6−DIPNの
液相酸化に適用しても、2,6−NDCの收率は50%
を下廻り、多量の副生成物とタール状物質そしてトリメ
リット酸などのナフタレン環の開裂生成物が生成するこ
とが認れられる。このように、2,6−ジメチルナフタ
レンと2,6−DIPNの酸化は、明らかに様相を異に
している。この理由は明らかではないが、次のように推
察される。即ち、イソプロピル基では、反応初期の水素
引き抜きによるラジカルの生成とヒドロペルオキシドの
生成は極めて速く進行し、生成したヒドロペルオキシド
もコバルト、マンガンなどの重金属触媒や臭素化合物に
よって容易に分解され、アルコール、ケトン、オレフィ
ンなどの酸化中間体に転化する。これら酸化中間体は、
例えば特公昭56−3337号に記載された2,6−ジ
メチルナフタレンを2,6−NDCに酸化する反応条件
では、カルボン酸にまで酸化されづらく、重縮合や部分
酸化など複雑な副反応を受けて、2,6−NDC以外の
好ましくない副生物にさらに転化してしまうと考えられ
る。このように、イソプロピル基の酸化の場合、酸化中
間体をカルボン酸まで円滑に酸化できないことが、選択
的な液相酸化が難しい原因となっていると考えられる。
【0003】この解決法として、各種の提案がなされて
いる(特開平1−121240号、特開昭63−250
344号、特開平1−160943号、特開昭60−8
9445号、特開昭60−89446号など)。特に、
2,6−DIPNを炭素数3以下の脂肪族モノカルボン
酸を少なくとも50重量%含む溶媒中で、コバルト及び
/又はマンガンよりなる重金属と臭素からなる触媒の存
在下に、該重金属を2,6−DIPN1モル当たり、少
なくとも0.2モル使用する液相空気酸化法(特開昭6
0−89445号)、該重金属を溶媒に対して少なくと
も1重量%存在させる液相空気酸化法(特開昭60−8
9446号)に代表されるように、上掲の提案すべてに
共通する点は、2,6−DIPNに対してコバルトとマ
ンガンの重金属触媒及び臭素化合物を従来よりも遥かに
多量に用いることである。特開昭60−89445号、
特開昭60−89446号の各公報に示された実施例に
よると、酢酸溶媒中で重金属を2,6−DIPN1モル
に対して0.28〜3.9モルと多量に用いることによ
り、2,6−NDCが収率70〜90%もの高成績で得
られると報告されている。多量の触媒を用いる効果は明
確ではないが、反応初期に多量に生成する酸化中間体で
触媒が失活し、反応系内での賦活・再生が遅いため、こ
れを補うために多量の触媒が必要である旨特開昭60−
89445号、60−89446号公報に記載されてい
る。上掲公報の実施例に共通するもう一つの点は、反応
温度と反応圧力が高いという点にある。例えば、特開昭
60−89445号、特開昭60−89446号公報に
示された実施例では、反応温度は160〜200℃、反
応圧力は20〜30Kg/cm2Gであり、特開昭1−
121240号公報記載の実施例では、180〜200
℃、反応圧力は15〜30Kg/cm2Gであり、特開
昭63−250344号公報記載の実施例では、180
〜200℃、反応圧力は15Kg/cm2Gであり、特
開平1−160943号公報記載の実施例では、200
℃、30Kg/cm2Gである。従来提案された技術に
共通した内容をまとめると、酢酸及び/又はプロピオン
酸を溶媒として用い、コバルト、マンガンなどの重金属
触媒と臭素化合物触媒存在下に、2,6−DIPNを液
相空気酸化して2,6−NDCを製造する際に、2,6
−DIPNに対して多量の重金属および臭素触媒を使用
し、かつ160〜200℃、15〜30Kg/cm2
の高温高圧の条件下で、2,6−NDCが高収率で得ら
れることが教示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、コバル
ト、マンガンなどの重金属および臭素化合物存在下に、
DIPNを分子状酸素含有ガスにより液相酸化してND
Cを得る方法について、種々検討の結果、多量の触媒を
使用して、かつ高温高圧下にDIPNを酸化してNDC
を製造する条件では、確かに、高収率でNDCが得られ
るが、溶媒である炭素数3以下の脂肪族モノカルボン
酸、即ち酢酸やプロピオン酸が同時に空気酸化により燃
焼し、一酸化炭素や二酸化炭素として多量に損失すると
いう工業化する上に好ましくない事実が起きていること
を見いだすに至った。酢酸やプロピオン酸は溶媒として
多量に使用しており、燃焼損失分を生成したNDC当た
りに換算すると極めて大きな値となり、また環境保全の
点で大気中に多量の一酸化炭素を放出することができな
いので高価な排ガス処理装置が必要になるなど、NDC
のコストアップの原因となることが判明した。本発明
は、溶媒である酢酸やプロピオン酸の燃焼損失を抑えつ
つ、同時にDIPNを分子状酸素含有ガスにより液相酸
化して、高収率でNDCを製造できる方法を提供するこ
とをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コバル
ト、マンガンなどの重金属及び臭素もしくは臭素化合物
存在下に、DIPNを分子状酸素含有ガスにより液相酸
化してNDCを得る方法について、鋭意研究の結果、特
定の温度に加熱された気液混合槽中に原料DIPNと分
子状酸素含有ガスを同時に供給して効率よく接触せしめ
た後、この気液混合物を予め分子状酸素含有ガスにより
前処理したコバルト、マンガンなどの重金属触媒と臭素
もしくは臭素化合物を含む酢酸及び/又はプロピオン酸
溶液中に供給すれば、従来の酸化技術では到底酸化が円
滑に進行しない低温・低圧の温和な酸化条件下であって
も、意外にもDIPNの酸化が円滑に進行し、高収率で
NDCが得られ、同時に酢酸やプロピオン酸の燃焼損失
も著しく抑えることが可能となることを見い出し、本発
明を完成するに至ったのである。即ち、本発明は、DI
PNを酢酸及び/又はプロピオン酸からなる溶媒中、コ
バルト、マンガンなどの重金属触媒および臭素もしくは
臭素化合物存在下に、分子状酸素含有ガスにより酸化し
て、酢酸及び/又はプロピオン酸の燃焼損失を著しく抑
え、かつ高収率でNDCを製造する方法を提供するもの
である。
【0006】本発明における原料であるジイソプロピル
ナフタレンとしては、2,6体、2,7体の他、全ての
異性体を使用することが出来る。本発明において使用す
る溶媒としては、酢酸及び/又はプロピオン酸あるい
は、酢酸及び/又はプロピオン酸と他の溶媒との混合物
を用いる。他の溶媒としては、ベンゼン、モノクロロベ
ンゼン、モノブロモベンゼンなどに例示される、酸化に
対して安定な溶媒を用いる。水の存在は、ある程度は許
容されるが、多量に存在すると酸化を阻害するので好ま
しくない。酸化触媒としては、コバルト、マンガン等か
らなる重金属と臭素化合物を併用して用いる。コバル
ト、マンガン等の重金属は、酸化物、水酸化物、炭酸
塩、有機酸塩、ハロゲン化物などであることができる
が、これらの内、有機酸塩、特に酢酸塩が好ましい。臭
素化合物としては、臭素、臭化水素、臭化水素塩などの
無機臭素化合物、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピ
ル、臭化エチレンなどの臭化アルキル等が挙げられる。
これらの中で、臭素、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化
カリウム、臭化アンモニウム、臭化コバルト、臭化マン
ガンの使用が特に好ましい。
【0007】本発明で用いる重金属触媒において、コバ
ルトとマンガンを併用することにより、コバルトまたは
マンガンを単独で使用した場合と較べて高い触媒作用が
認められる。この場合、触媒として使用するコバルトと
マンガンの比は、原子比で、0.2≦Co/(Co+M
n)≦0.8、好ましくは、0.4≦Co/(Co+M
n)≦0.7である。この範囲を外れると、NDC収率
が低下する。コバルト、マンガンを合計した重金属のD
IPN(モル数)に対する使用量は、0.1≦(Co+
Mn)/DIPN≦10、好ましくは0.2≦(Co+
Mn)/DIPN≦4である。(Co+Mn)/DIP
N比がこの範囲より小さいと、NDC収率が低下し、ト
リメリット酸の副生量が著しく増加する。この範囲より
大きいと、多量の触媒を使用することになるので、生成
し、析出したNDCに重金属が同伴し、NDCの純度低
下をもたらすだけでなく、触媒損失につながる。また、
反応器が大きくなってNDC生産性が低下する、分子状
酸素含有ガスの吹き込み管に触媒が析出して閉塞する等
の工業的に好ましくない事態が起きる。臭素もしくは臭
素化合物のDIPNに対する使用量は、モル比で表現し
て、0.01≦Br/DIPN≦2、好ましくは、0.
05≦Br/DIPN≦1である。Br/DIPN比が
この範囲より小さいと、酸化反応が円滑に進まず、ND
C収率が低下する。この範囲より大きいと、臭素のナフ
タレン環への付加反応が起き、NDC収率の低下、ND
C純度の低下や品質悪化をもたらすので好ましくない。
分子状酸素含有ガスとしては、空気をそのまま使用する
ことが出来る。また、酸素や空気を不活性ガスで希釈し
たものを用いることが出来る。空気を用いた場合の反応
圧力は、10Kg/cm2未満で十分である。10Kg
/cm2以上では、溶媒を構成する酢酸及び/又はプロ
ピオン酸の燃焼損失が増加するので、好ましくない。反
応温度は、150〜180℃の範囲で実施することが好
ましい。この範囲より低い温度では、DIPNから酸化
中間体への酸化は速やかに進むが、酸化中間体からND
Cへの酸化が円滑に進まず、NDC収率が低下する。こ
の範囲を越えると溶媒である酢酸やプロピオン酸の燃焼
損失が増加し、経済的に好ましくない。
【0007】本発明方法の酸化反応を実施するに当たっ
ては、加熱された気液混合槽にジイソプロピルナフタレ
ンと分子状酸素含有ガスを同時に供給して接触せしめた
後、この気液混合物を予め分子状酸素含有ガスにより前
酸化したコバルト、マンガン等の重金属及び臭素もしく
は具素化合物を含む酢酸及び/又はプロピオン酸溶液、
あるいは、酢酸及び/又はプロピオン酸と他の溶媒から
なる溶液中に供給する。他の溶媒としては、ベンゼン、
モノクロルベンゼン、モノブロモベンゼンなどの酸化に
対して安定な溶媒が用いられる。気液混合槽は、酸素含
有ガスと液体である原料DIPNが効率よく、混合でき
る構造を有していればよく、その構造は限定されない。
原料DIPN、例えば2,6−DIPNの融点は、70
℃であり、固化しやすい。固化によるラインの閉塞を防
止する意味と触媒を含む酢酸及び/又はプロピオン酸溶
液中への原料の拡散効率を高める意味から、気液混合槽
を100〜300℃、好ましくは130〜250℃の範
囲で加熱することが好ましい。気液混合槽内での2,6
−DIPNの固化を防止するために、ベンゼン、モノク
ロロベンゼン、モノブロモベンゼンなどに例示される、
酸化に対して安定な溶媒で希釈しても差し支えない。酢
酸及び/又はプロピオン酸、あるいは酢酸及び/又はプ
ロピオン酸と他の溶媒との混合物にコバルト、マンガン
等の重金属及び臭素もしくは臭素化合物を溶解させて酸
化反応に供することになるが、高収率でNDCを製造す
るには、酸素含有ガスで予め酸化処理を行うことが必要
である。処理温度は、室温〜180℃の範囲で行うこと
が好ましい。この範囲を越えると溶媒の燃焼損失が無視
できなくなる。前酸化の方法としては、該触媒溶液に酸
素含有ガスを、ノズル、リングスパージャー、焼結金
属、多孔質磁器製の微細気泡ディフューザーなどを通し
て供給することにより、実施される。前酸化処理によ
り、触媒活性が向上する理由は明確ではないが、これは
酸化処理により、配位子の構造が変わり、活性化コバル
ト、活性化マンガンなどの活性種が新たに生成したこと
によると推察される。前酸化処理の時間は、特に限定さ
れないが、0.5〜5時間、好ましくは1〜2時間であ
る。本発明方法は、バッチでも連続でも実施できるが、
連続又は触媒溶液中に原料DIPNを連続で供給して酸
化反応を行うセミ・バッチ方式が好ましい。
【0008】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0009】実施例1 容量300mlのチタン製オートクレーブに触媒とし
て、酢酸コバルト四水塩0.05モル、酢酸マンガン四
水塩0.05モル、臭化ナトリウム0.025モル、氷
酢酸125mlを仕込み、撹拌下、圧力を8Kg/cm
2Gに保ちながら、圧縮空気を標準状態に換算して50
0ml/minで供給した。室温から170℃まで1時
間かけて徐々に昇温し、前酸化処理を行った。170℃
に到達後、2.6−DIPN50gをクロロベンゼン1
00gに溶解した原料液を1時間かけて定量ポンプを用
い、15.73g/hrの供給速度で圧縮空気と共に、
300℃に加熱した外径1インチ、内径21.4mm、
長さ250mm(内部にヘリパックを充填したもの)の
sus製管の中に供給して気液混合後、上記の触媒溶液
中に分散させた。空気の供給速度は標準状態換算で50
0ml/minを維持した。原料供給後は、圧縮空気だ
けを供給し、2hrポストオキシデーションを行った。
反応終了後、生成物を濾過し、淡黄色固体と触媒を含む
濾液に分離し、それぞれに含まれる2,6−NDCとト
リメリット酸(TMA)を液体クロマトにより定量し
た。2,6−NDCの収率(2,6−DIPN基準)
は、85%、TMA収率(2,6−DIPN基準)は、
0.6%であった。また、反応生成物中の酢酸濃度をガ
スクロマトにより、測定して仕込み酢酸に対する燃焼損
失量を求めた結果、1時間当たり、0.4モル%であっ
た。
【0010】実施例2 2,6−DIPN50gをクロロベンゼン100gに溶
解した原料液を7.87g/hrの速度で2時間かけて
供給し、ポストオキシデーションを2時間行う以外は、
実施例1と同一条件で反応せしめ、同じ後処理の後、淡
黄色固体を回収した。2,6−NDC収率は90%、T
MA収率は0.7%であった。また、酢酸の燃焼損失
は、仕込み酢酸に対して0.4モル%/hrであった。
【0011】実施例3 2,6−DIPN50gをクロロベンゼン100gに溶
解した原料液を7.87g/hrの速度で6時間かけて
供給し、ボストオキシデーションを4時間行う以外は、
実施例1と同一条件で反応せしめ、同じ後処理の後、淡
黄色固体を回収した。2,6−NDC収率は90%、T
MA収率は7%であった。また、酢酸の燃焼損失は、仕
込み酢酸に対して0.4モル%/hrであった。
【0012】実施例4 2,7−DIPN50gをクロロベンゼン100gに溶
解した原料液を7.87g/hrの速度で6時間かけて
供給し、ポストオキシデーションを4時間行う以外は、
実施例1と同一条件で反応せしめ、同じ後処理の後、淡
黄色固体を回収した。2,6−NDC収率は91%、T
MA収率は6%であった。また、酢酸の燃焼損失は、
0.3モル%/hrであった。
【0013】実施例5 2,6−DIPN50gをクロロベンゼン100gに溶
解した原料液を7.87g/hrの速度で2時間かけて
供給し、ポストオキシデーションを4時間行う以外は、
実施例1と同一条件で反応せしめ、同じ後処理の後、淡
黄色固体を回収した。2,6−NDC収率は91%、T
MA収率は0.8%であった。また、酢酸の燃焼損失
は、0.4モル%/hrであった。
【0014】比較例1 容量300mlのチタン製オートクレーブに触媒とし
て、酢酸コバルト四水塩0.05モル、酢酸マンガン四
水塩0.05モル、臭化ナトリウム0.025モル、氷
酢酸125mlを仕込み、撹拌下、圧力を8Kg/cm
2Gに保ちながら、窒素ガスを標準状態に換算して50
0ml/minで供給した。室温から170℃まで1時
間かけて徐々に昇温し、170℃に到達後、窒素ガスの
供給を止め、続いて、2.6−DIPN50gをクロロ
ベンゼン100gに溶解した原料液を1時間かけて定量
ポンプを用い、15.73g/hrの供給速度で圧縮空
気とは別のラインから上記の触媒溶液中に供給した。圧
縮空気は、原料供給開始とともに原料とは別のラインか
ら標準状態換算で500ml/minの速度で触媒溶液
中に供給した。原料供給完了後は、圧縮空気だけを供給
し、2hrポストオキシデーションを行った。反応終了
後、生成物を濾過し、淡黄色固体と触媒を含む濾液に分
離し、それぞれに含まれる2,6−NDCとトリメリッ
ト酸(TMA)を液体クロマトにより定量した。2,6
−NDCの収率(2,6−DIPN基準)は、54%、
TMA収率(2,6−DIPN基準)は、1.7%であ
った。また、反応生成物中の酢酸濃度をガスクロマトに
より、測定して仕込み酢酸に対する燃焼損失量を求めた
結果、1時間当たり、0.5モル%であった。
【0015】比較例2 容量300mlのチタン製オートクレーブに触媒とし
て、酢酸コバルト四水塩0.05モル、酢酸マンガン四
水塩0.05モル、臭化ナトリウム0.025モル、氷
酢酸125mlを仕込み、撹拌下、圧力を8Kg/cm
2Gに保ちながら、窒素ガスを標準状態に換算して50
0ml/minで供給した。室温から170℃まで1時
間かけて徐々に昇温し、170℃に到達後、窒素ガスの
供給を止め、続いて、2,6−DIPN50gをクロロ
ベンゼン100gに溶解した原料液を1時間かけて定量
ポンプを用い、15.73g/hrの供給速度で圧縮空
気と共に、300℃に加熱した外径1インチ、内径2
1.4mm、長さ250mm(内部にヘリパックを充填
したもの)のsus製管の中に供給して気液混合後、上
記の触媒溶液中に分散させた。空気の供給速度は標準状
態換算で500ml/minを維持した。原料供給完了
後は、圧縮空気だけを供給し、2hrポストオキシデー
ションを行った。反応終了後、生成物を濾過し、淡黄色
固体と触媒を含む濾液に分離し、それぞれに含まれる
2,6−NDCとトリメリット酸(TMA)を液体クロ
マトにより定量した。2,6−NDCの収率(2,6−
DIPN基準)は、78%、TMA収率(2,6−DI
PN基準)は、0.8%であった。また、反応生成物中
の酢酸濃度をガスクロマトにより、測定して仕込み酢酸
に対する燃焼損失量を求めた結果、1時間当たり、0.
4モル%であった。
【0016】比較例3 2,6−DIPN50gをクロロベンゼン100gに溶
解した原料液を1時間かけて定量ポンプを用い、15.
73g/hrの供給速度で圧縮空気とは別のラインから
触媒溶液中に供給するに際して、原料供給ラインを30
0℃に加熱する以外は、比較例1と同一条件で反応せし
め、同一の後処理を行った。その結果、2,6−NDC
の収率(2,6−DIPN基準)は、69%、TMA収
率(2.6−DIPN基準)は、1.2%であった。ま
た、反応生成物中の酢酸濃度をガスクロマトにより、測
定して仕込み酢酸に対する燃焼損失量を求めた結果、1
時間当たり、0.6モル%であった。
【0017】比較例4 反応温度を190℃、反応圧力を30Kg/cm2Gと
する以外は、実施例1と同一条件で反応せしめ、同一の
後処理を行った。その結果、2,6−NDCの収率
(2,6−DIPN基準)は、81%、TMA収率
(2,6−DIPN基準)は、3.5%であった。ま
た、反応生成物中の酢酸濃度をガスクロマトにより、測
定して仕込み酢酸に対する燃焼損失量を求めた結果、1
時間当たり、2.5モル%であった。
【0018】比較例5 反応温度を190℃、反応圧力を15Kg/cm2Gと
する以外は、実施例1と同一条件で反応せしめ、同一の
後処理を行った。その結果、2,6−NDCの収率
(2,6−DIPN基準)は、85%、TMA収率
(2,6−DIPN基準)は、3.1%であった。ま
た、反応生成物中の酢酸濃度をガスクロマトにより、測
定して仕込み酢酸に対する燃焼損失量を求めた結果、1
時間当たり、2.3モル%であった。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、特定の
温度に加熱された気液混合槽中に原料DIPNと分子状
酸素含有ガスを同時に供給して効率よく接触せしめた
後、この気液混合物を予め分子状酸素含有ガスにより前
処理したコバルト、マンガンなどの重金属触媒と臭素化
合物を含む酢酸及び/又はプロピオン酸溶液中に供給す
るので、従来の酸化技術では到底酸化が円滑に進行しな
い低温・低圧の温和な酸化条件下であっても、意外にも
DIPNの酸化が円滑に進行し、高収率でNDCが得ら
れ、同時に酢酸やプロピオン酸の燃焼損失も著しく抑え
ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橘 躍動 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−250344(JP,A) 特開 平1−121240(JP,A) 特開 昭60−89445(JP,A) 特開 昭60−89446(JP,A) 特開 平1−160943(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 63/38 B01J 31/04 C07C 51/265 C07B 61/00 300

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジイソプロピルナフタレンを分子状酸素
    により酸化してナフタレンジカルボン酸を製造する方法
    において、加熱された気液混合槽にジイソプロピルナフ
    タレンと分子状酸素含有ガスを同時に供給して接触せし
    めた後、この気液混合物を予め分子状酸素含有ガスによ
    り前処理したコバルト、マンガン及び臭素化合物を含む
    酢酸及び/又はプロピオン酸溶液中に供給することを特
    徴とするナフタレンジカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 該酸化を150〜180℃、反応圧力1
    0Kg/cm2未満で行うことを特徴とする請求項1の
    方法。
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