JP3147277U - 実質的にディンプルのないゴルフボール - Google Patents

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友彦 佐藤
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Abstract

【課題】ディンプルのないゴルフボールを提供する。
【解決手段】実質的にディンプルのないゴルフボールであって、三角形又は五角形面を320〜720面形成してなる多面体から構成されている。多面体の稜線を介して隣接する面体のなす角度は5°以上9°以下に設計され、多面体の頂角を介して対向する面体のなす角度が17°以下に設計され、多面体はゴルフボールの飛行方向時に空気流に対し平行でない多角形、三角形又は五角形の稜線で主として形成することができる。
【選択図】図1

Description

この考案は、従来、ゴルフボールの飛距離を大きくするために設けられるディンプルを有しないゴルフボールに関する。
従来、ゴルフボールにおいては20〜70m/secの速度で回転しながら飛行するため、ディンプルのないものよりもディンプルを有するものの方が抗力が小さく、同じ初速度を与えられると、長い飛距離を得ることができることは広く認識されている。そして、低速では大きなディンプルが好ましく、高速では小さなディンプルが好ましいことも広く知られている。
そこで、近年、ゴルフボールの飛距離に影響を与える揚抗比(揚力/抗力)を大きくすることを念頭にディンプルの形状、ディンプルの断面形状が種々検討されている。例えば、ディンプルの表面形状を三角形とし、所定の間隔をおいて分散配置し、逆三角錐形状とするもの(特許文献1)、ディンプルの表面形状を三角形とし、所定の間隔をおいて分散配置し、逆円錐形状の断面形状とするもの(特許文献2)、ディンプルの表面形状を多角形状とし、隣接するディンプルの境界にリッジ形状を形成するもの(特許文献3)が提案されている。
すなわち、従来のゴルフボールにおいては揚抗比(揚力/抗力)を大きくするためにはいずれにしてもディンプルは必須のものであり、要すれば隣接するディンプル間には所定の平面又はリッジ部が必要であるとの考えが支配的であった。
米国特許第4,830,378号明細書 特開平06−190082号公報 特開2005−185341号公報
しかしながら、本考案者らはゴルフボールの改善研究の過程でディンプルを形成したゴルフボールは高速域では、ディンプルによる問題が発生するとの知見を得た。
そこで、本考案は、ディンプルを使用せず、高速域での抵抗を減少させることのできるゴルフボールを提供することを課題とする。
すなわち、本考案者らは、上記課題を解決するために鋭意研究の結果、空気力学実験およびその考察から従来の考え方は必ずしも正しいものでないことがわかった。すなわち、回転しながら飛行するゴルフボールはその最大径付近に剥離点が存在し、その剥離点からゴルフボールの後方に発生する渦の影響による抗力が発生し、この剥離域の影響を大きく受ける。そのため、従来は、ディンプルの形成によりこの渦の剥離位置をより後方に移動させ、剥離域を縮小させて抗力を減少させるとともに、ディンプルによるゴルフボールの上下の空気流速差により揚力を得ようとするものでディンプルの形成は必須であるとする考えであった。
しかしながら、回転しながら飛行するゴルフボールと周囲空気との間には抵抗による渦の発生は避けられないものの、ディンプルを形成せず、三角形等の多角形の多面体でゴルフボールを形成すると、ディンプル形成時より剥離点は下流側に移動する。すなわち、ゴルフボールが320面体から720面体で形成される領域においては、多面体の稜線を介して隣接する面体同士のなす角度が適切な範囲に設定されるため、流れに対し多面体の傾斜した稜線から出る渦は境界層の剥離耐性を増し(縦渦が境界層にエネルギーを供給するので剥離しにくくなる)、しかも、面体の稜線で発生する渦に時間差が生じ、渦は相互に干渉するため、剥離点がより下流側に移動し、剥離域を縮小する。その結果、抗力係数を低下させるものと推測される。
すなわち、本考案者らはディンプルのない多面体及びその面体のなす角度はボール最大径付近で発生しようとする剥離点をより下流側に移動させるため、その剥離域がより縮小し、抗力係数を低下させることができることを見出し、かかる知見に基づき、本考案を完成した。
本考案は、三角形または五角形面を320〜720面形成してなる多面体から構成され、実質的にディンプルのない擬似球体であることを特徴とする実質的にディンプルのないゴルフボールにある。
本考案において、三角形の320面体で疑似球体を構成すると、多面体の稜線を介して隣接する面体のなす角度が約8.2°、500面体では約6.6°、720面体では約5.5°となって、5°以上9°以下に設計することができる。他方、多面体の頂角を介して対向する面体のなす角度は320面体で疑似球体を構成すると、約16.5°、500面体では約13°、720面体では約11°となって、17°以下に設計される。
本考案によれば、三角形または五角形から構成される多面体はディンプルを有するゴルフボールのように、単に縦渦を発生させるのではなく、隣接する面体のなす角度が5°以上9°以下の範囲に設定されるため、空気流れはそれに対して傾斜した稜線に沿って後方に円滑に流れ、傾斜した稜線から出る渦によって剥離耐性が増し(縦渦が境界層にエネルギーを供給するので剥離しにくくなる)、剥離点をより下流側に移行させる。しかも、飛行するゴルフボールの稜線と空気流との接触により発生する渦は時間差をもつ結果、互いに干渉し合う。このため、ゴルフボール後方に形成される渦の剥離域はディンプルを形成する場合より縮小し、抗力係数が低下する結果、ディンプルを形成したゴルフボールより、本考案のゴルフボールは飛距離が向上することになる。
本考案においては、ディンプルを設けず、抗力係数を減少させる多面体の効果を阻害しない範囲で種々表面形状を変形することができる。
例えば、多面体に区分する各稜線上にそれに沿って稜線部の一部又は全部を面取りして隣接する面体のなす角度を調整することができる。また、多面体の稜線に沿って部分的または全体に延びる溝を形成することによりトリッピングワイヤと同様の効果を持たせ、揚力を調整することも可能である。
さらにまた、多面体に区分する稜線が形成する頂点を平面又は半径Rの球体の曲率以下の球面でカットするのが、ボールの転がりが自然と成るので好ましいが、多角形面の有する面積を50%以上残すことにより多面体の形成する効果を減殺しないので好ましい。
本考案は、面体をフラットな平面で構成することを基本とするが多面体を半径Rの擬似球体とするとき、多面体の1つの面体が半径Rの球体の曲率より小さい曲率を有する(曲率半径は大きくなる)球面を有することにより多面体が平面である場合と実質的に同一の機能を持たせることになる。また、当業者であれば、本考案の多面体の要旨を逸脱せず抗力減少機能を調整する目的で部分的にディンプルを設け、または多面体の表面粗さを調整することもできる。
以下、本考案を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1は本考案の一実施形態によるゴルフボールを示す。図において、1は稜線2で示す三角形の320面体で形成した擬似球体をなすゴルフボールである。
図1において、球の直径Rを42.7mmとするとき隣接する面体のなす角度は約8.2°となる。因みに三角形の500面体では隣接する面体のなす角度は約6.6°となり、同様に720面体では隣接する面体のなす角度は約5.5°となる。それに対して頂角を挟んで対向する面体のなす角度は320面体では約16.5°、500面体では約13°、720面体では約11°となる。
図2は第2の実施形態を示す。本例のゴルフボール1'では三角形の多面体の頂点3が平面状(直径Rの球の曲率よりも小さい曲率の曲面状でもよい)に面取りされている。
図3は第3の実施形態を示す。本例のゴルフボール1''では三角形の各稜線上に沿って溝4が形成されている。稜線部に沿って形成される凹部は所定のレイノズル数の範囲で稜線部で発生するのを小さくするのを増強することができる場合がある。図では稜線部全体にわたって形成したが、部分的に形成するように設計することもできる。多面体をなす面体数、多角形の形状等を考慮して稜線部での渦の発生具合では、上記凹部に代えて平面部とすることもできる。
多面体の形成については種々の多面体が考えられるが、ゴルフボールは空中飛行だけでなく、グリーン上の転がりをも考慮しなければならないので、320面体、特に500面体から720面体の間で形成し、更に転がりを良くするために、多面体の稜線、頂点部分を面取りしてもよいが、50%以上を残すようにするのがよい。そして、隣接する面体のなす角度が抗力係数の減少に大きく貢献するので、5°以上9°以下の角度を確保するのがよい。
図1に示す三角形320面体で形成したゴルフボールと従来のディンプルボールについて空気流を図5に示される注入トレーサ法により風洞内で観測したところ、図4の(A)(B)に示す如くになり、ディンプルのないゴルフボールでは図4の(A)に示すように空気がボール表面に沿ってスムーズに流れ、最大径から剥離境界は下流側に移行し、空気流の幅、即ち剥離域が狭くなった。これに対し、ディンプルボールでは図4の(B)に示すように空気がボール表面に沿って流れて最大径付近の剥離境界で剥離すると、後方に乱れた流れを形成し、剥離域が非常に大きくなった。
なお、本考案は三角形の多面体で構成された実施例に基づいて説明したが、空気の流れに対し稜線が傾斜する五角形の多面体においても同様の効果が得られる。
本考案の第1の実施形態によるゴルフボールの全体を示す斜視図である。 第2の実施形態を示す斜視図である。 第3の実施形態を示す斜視図である。 図1のゴルフボールとディンプルボールにおける空気流の測定結果を模式的に示す図である。 注入トレーサ法を実行する設備を示す図である。
符号の説明
1,1',1'' 多面体からなるゴルフボール
2 稜線、 3 稜点面取り部
4 連続凹穴部

Claims (7)

  1. 三角形または五角形面を320〜720面形成してなる多面体から構成され、実質的にディンプルのない擬似球体であることを特徴とする実質的にディンプルのないゴルフボール。
  2. 多面体の稜線を介して隣接する面体のなす角度が5°以上9°以下に設計される請求項1記載の実質的にディンプルのないゴルフボール。
  3. 多面体の頂角を介して対向する面体のなす角度が17°以下に設計される請求項1記載の実質的にディンプルのないゴルフボール。
  4. 多面体の稜線に沿って部分的または全体に延びる溝を形成する請求項1記載の実質的にディンプルのないゴルフボール。
  5. 多面体に区分する稜線が形成する頂点を平面又は半径Rの球体の曲率以下の球面でカットし、多角形面の有する面積を50%以上残してなる請求項1記載の実質的にディンプルのないゴルフボール。
  6. 多面体に区分する稜線の一部又は全部を面取りする請求項1記載の実質的にディンプルのないゴルフボール。
  7. 多角形を形成する面体の一部または全部が、それを半径Rの擬似球体とするとき、半径Rの球体の曲率以下の曲率を有する球面を有する請求項1記載の実質的にディンプルのないゴルフボール。
JP2008005842U 2008-08-21 実質的にディンプルのないゴルフボール Expired - Lifetime JP3147277U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012081594A1 (ja) * 2010-12-15 2012-06-21 Umemura Sunao 非円形ディンプルゴルフボール
JP2021510578A (ja) * 2018-01-12 2021-04-30 ベラトリス,ニコラオス より低い抗力係数を有する多面体ゴルフボール

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