JP3145898B2 - インクジェットプリント装置およびファクシミリ装置 - Google Patents

インクジェットプリント装置およびファクシミリ装置

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JP3145898B2
JP3145898B2 JP12230695A JP12230695A JP3145898B2 JP 3145898 B2 JP3145898 B2 JP 3145898B2 JP 12230695 A JP12230695 A JP 12230695A JP 12230695 A JP12230695 A JP 12230695A JP 3145898 B2 JP3145898 B2 JP 3145898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットプリント
装置に関し、詳しくは、ファクシミリ装置、プリンタ、
複写機等に用いられるインクジェットプリント装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の装置として、ファクシミリ装置
に用いられるものについて図1を参照して説明する。
【0003】記録紙Pはカセット51に複数枚が積み重
ねられて収納されており、給紙ローラ52によって1枚
ずつ繰り出され、搬送ローラ53が形成する搬送路へと
送り出される。さらに、搬送ローラ53の回転によりプ
リント部Bへと搬送される。このプリント部Bは、記録
紙Pの搬送方向(副走査方向)に複数(例えば64個)
の吐出口を配列し、上記搬送方向と直交する方向(主走
査方向)に走査可能に設けられたインクジェットヘッド
を有し、記録紙Pに対してインクを吐出することによっ
て画像等をプリントする。プリントがなされた記録紙P
は、その搬送路においてプリント部Bの下流側に配置さ
れた排紙ローラ対54によって下ガイド55に沿って排
出部へ搬送され、排出ローラ56および排出コロ57に
より排出積載部である排紙スタッカ58上へ排出され、
積載される。
【0004】ところで、紙,OHP用シート等の被プリ
ント媒体に対してプリントを行なう方式としては種々知
られているが、この中でも上述した従来装置で用いられ
るインクジェット方式は、被プリント媒体に対して直接
インクを吐出するものであり、ランニングコストが比較
的低く、また、その動作に伴なって生ずる騒音が小さい
等の利点を有するものである。このような利点を有する
一方、インクジェット方式では、インク切れや吐出不良
を速やかに発見し、プリント不良等を未然に防止するこ
とが必要となる。
【0005】インクジェットプリント装置においてイン
ク切れや目詰まりによる不吐出など、吐出不良状態を検
知する方法として、透過型フォトセンサの発光素子と受
光素子との間を吐出されたインク滴が通過し、上記素子
間の光を遮るか否かに基づいて検知を行う技術が知られ
ている。
【0006】上記透過型フォトセンサの一構成例では、
発光素子の発光面にレンズが一体成形され、これによ
り、受光素子に向けて略平行光を投射できるようになっ
ている。他方、受光素子の受光面においてはモールド部
材により0.7mm×0.7mm程度の穴が光軸上に形
成され、これにより受光,発光間全域において検出範囲
を高さ方向の約0.7mm、幅方向約0.7mmに絞り
込んでいる。また、発光素子と受光素子は、これらを結
ぶ光軸がインクジェットヘッドの吐出口列と平行でかつ
吐出インク滴の飛翔経路と交わるように配置され、ま
た、発光素子と受光素子の間隔は上記吐出口列の範囲よ
りも広くなるよう設けられる。これにより、インクジェ
ットヘッドの各吐出口から吐出されるインク滴は全て発
光素子と受光素子の間の検出範囲を通過でき、インク吐
出が良好に行われ、この検出範囲をインク滴が通過する
場合には、インク滴が発光側からの光を遮り、受光側へ
の光量を減少させ、受光素子の出力の変化が得られる構
成になっている。吐出されるインク滴はその径が50μ
m以下の霧状の微小な液滴であり、通常、1つの吐出口
からの吐出によって発光側からの光を完全に遮るもので
はなく、吐出する吐出口数に応じて徐々に遮光の割合が
増加するものである。従って、透過型フォトセンサの出
力が一定量以上に変化すればインク吐出は正常であると
検知し、逆に、出力変化が一定量以下であれば、インク
の吐出が不良であると検知することができる。
【0007】上述した吐出不良の検知技術はインクジェ
ットヘッドに特別な部品を付加することなく検知を行う
ようにすることができるので、有効な手段として用いら
れいる。
【0008】ところで、上述のような吐出不良を検知す
るときは、フォトセンサ光軸とインクジェットヘッドの
吐出口列との位置合わせを行い、その光路に交差するよ
うに各吐出口からインクを吐出する必要がある。その場
合、基本的にはヘッドの基準位置から上記光軸までの移
動量を予め設定しておき、これに従ったヘッドの移動を
行うことにより上記位置決めを行う。
【0009】しかしながら、ヘッドの移動にかかる機構
の各構成部品の製造ばらつき、インクジェットヘッドの
製造ばらつきによるインクの吐出角度のばらつき等によ
り、上記のような位置決め処理を行ったとしても、フォ
トセンサ光軸に対しヘッドの各吐出口から吐出されるイ
ンク滴が最大1mm程度ずれるということを考慮し、従
来技術にあっては、吐出不良検知の際には、上記ずれの
範囲より大きめの、光軸に対して両側約2mmの範囲に
おいて、吐出を行うようにしている。そして、その吐出
の間のフォトセンサ出力が一定量を越えるか否かを判断
することにより、吐出不良の検知を行うものとしてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、吐出不良検知の際には、フォトセン
サの光軸の両側2mmの範囲でインクが吐出されるた
め、各吐出口から吐出されるインク滴数は約50〜10
0発となる。従って、例えば吐出口数が64とすると検
知毎に3200〜6400発のインク滴が吐出されるこ
とになり、その消費量は比較的大量となる。その結果、
インクジェットプリント装置のランニングコストを上昇
させるものとなっていた。
【0011】また、インクジェットプリント装置のコス
トダウンを図るため各構成部品において比較的大きな寸
法許容差を認める場合には、上記光軸とヘッドとの位置
合せのばらつきがさらに大きくなるため、インク消費量
の状況がさらに悪化することになる。
【0012】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、フォトセンサとインクジェットヘッドとの位置
合せに関する各構成部品の精度がそれ程高くなくても、
吐出不良検知処理で用いるインク量を少なくできるイン
クジェットプリント装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
複数のインク吐出口を有したインクジェットヘッドを用
い、被プリント媒体にインクを吐出してプリントを行う
インクジェットプリント装置において、発光素子および
受光素子を有した検出手段と、該検出手段と前記インク
ジェットヘッドとを相対的に移動させる移動手段と、該
移動手段により、前記検出手段と前記インクジェットヘ
ッドとを相対的に移動させ、当該移動の間に、前記発光
素子と前記受光素子との間に形成される光路を含む所定
の第1移動範囲で前記インクジェットヘッドから吐出を
行わせる吐出制御手段と、該吐出制御手段による前記第
1移動範囲の前記インクジェットヘッドからのインク吐
出によって変化する前記検出手段の出力の分布を求め、
該分布から前記第1移動範囲に含まれる所定の第2移動
範囲を定める範囲決定手段と、前記移動手段により前記
インクジェットヘッドと前記検出手段とを相対的に移動
させ、当該移動の間に前記第2移動範囲で前記インクジ
ェットヘッドから吐出を行わせるとともに、当該吐出時
の前記検出手段の出力に基づいて当該吐出口の吐出不良
を検知する吐出不良検知手段と、を具えたことを特徴と
する。
【0014】また、複数のインク吐出口を有したインク
ジェットヘッドを用い、受信したデータに基づいてプリ
ント出力を行うファクシミリ装置において、発光素子お
よび受光素子を有した検出手段と、該検出手段と前記イ
ンクジェットヘッドとを相対的に移動させる移動手段
と、該移動手段により、前記検出手段と前記インクジェ
ットヘッドとを相対的に移動させ、当該移動の間に、前
記発光素子と前記受光素子との間に形成される光路を含
む所定の第1移動範囲で前記インクジェットヘッドから
吐出を行わせる吐出制御手段と、該吐出制御手段による
前記第1移動範囲の前記インクジェットヘッドからのイ
ンク吐出によって変化する前記検出手段の出力の分布を
求め、該分布から前記第1移動範囲に含まれる所定の第
2移動範囲を定める範囲決定手段と、前記移動手段によ
り前記インクジェットヘッドと前記検出手段とを相対的
に移動させ、当該移動の間に前記第2移動範囲で前記イ
ンクジェットヘッドから吐出を行わせるとともに、当該
吐出時の前記検出手段の出力に基づいて当該吐出口の吐
出不良を検知する吐出不良検知手段と、を具えたことを
特徴とする。
【0015】
【作用】以上の構成によれば、検出手段とインクジェッ
トヘッドとの位置関係を、所定の第1の範囲でインク吐
出を行い、そのときの検出手段の出力分布に基づいて知
ることができるので、吐出不良検知の際のインク吐出す
る範囲を最小限の第2の範囲とすることができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0017】(第1実施例)図2は本発明を適用したフ
ァクシミリ装置の一例を側方から視た断面図である。
【0018】まず、図2を参照してファクシミリ装置の
概略構成について説明する。図2において、符号Aは原
稿を光学的に読み取る読取部、符号Bはインクジェット
プリント装置を用いたプリント部、符号Cはシートカセ
ットとこれに積載された記録紙等のシートを分離してこ
れをプリンタ部Bに供給する給紙部をそれぞれ示す。な
お、これら各部の機械的構成は公知のものと同様であ
る。
【0019】記録紙Pの搬送経路は矢印Gで示す通りで
ある。すなわち、給紙部Cの給紙カセット1に積載され
た記録紙Pは、給紙ローラ2および分離爪3によってピ
ックアップされ、搬送手段としての搬送ローラ4によっ
てプリント部Bに送り込まれる。プリント部Bにおいて
は、インクジェットヘッド5よりインクが吐出されてプ
リントが行われ、その後、装置内をある程度の距離搬送
された後、排紙ローラ6によって排紙スタッカ7に排
出,積載される。
【0020】次にプリント部Bの詳細な構成について図
3を参照して説明する。
【0021】図3において、本実施例のインクジェット
ヘッド5(図3には不図示)はインクタンクと一体に形
成され、そのタンクのインクが無くなった時点でこのタ
ンクとともに新たなものと交換されるカートリッジ形態
のインクジェットカートリッジ50として構成されるも
のである。インクジェットヘッド5は、密度360DP
Iで、64個の吐出口を1列に配し、各吐出口に対応し
てその内部のインク路には電気熱変換素子が設けられ、
その発熱によって膜沸騰を起こしてインク中に生じる気
泡の圧力によって吐出口よりインクを吐出するものであ
る。
【0022】インクジェットカートリッジ50を着脱自
在に装着するキャリッジ15は、記録紙Pの搬送方向
(副走査方向、図中矢印G方向)とは直交する方向、す
なわち主走査方向(図中矢印H方向)に往復移動できる
ようガイド棒16および突き当て部15aにより摺動自
在に保持されている。上記キャリッジ15の往復移動
は、キャリッジモータ30(図4参照)によって駆動さ
れるプーリ17およびこれに巻回されるタイミングベル
ト18によって行われ、この際にインクジェットヘッド
5に与える吐出信号および電力は、フレキシブルケーブ
ル19によって装置本体の電気回路等より供給される。
【0023】また、キャップ20は、上記キャリッジ1
5がプリント動作を待機する位置(ホームポジション)
に対応して配置され、必要に応じて上下動し、上昇時は
インクジェットヘッド5の吐出口が配設面を覆ってイン
クの蒸発やゴミの付着を防止する。ここで、インクジェ
ットヘッド5とキャップ20との相対的位置関係の制御
は、装置本体に設けられたキャリッジホームセンサ21
とキャリッジ15に設けられた遮光板15bとを用いて
行われる。このキャリッジホームセンサ21としては透
過型のフォトインタラプタが用いられ、キャリッジ15
が移動して待機位置まで移動した時に、キャリッジホー
ムセンサ21の一部から照射された光が遮光板15bに
よってその透過が遮られることを利用し、インクジェッ
トヘッド5とキャップ20とが相対的に対向した所定の
位置にあることを検知するものである。
【0024】記録紙Pは図中プリント部の下側より上方
へ給紙され、搬送ローラ4および紙ガイド22によって
水平方向に曲げられて、矢印G方向に搬送される。搬送
ローラ4および排紙ローラ6は、それぞれ紙送りモータ
31(図4参照)によって駆動され、キャリッジ15の
往復移動と連動して高精度に記録紙Pを図中G方向に搬
送する。拍車23は排紙ローラ6に対向する位置で、図
示しない軸受部材により主走査方向と平行に所定の長さ
離間して複数箇所に配設されており、プリント直後の記
録紙上の未定着画像に接触しても画像に影響を与えずに
記録紙Pをガイドし搬送するよう構成されている。その
ため、拍車23は、撥水性の高い材料で形成され、記録
紙面とのこ刃状の円周部のみで記録紙Pに接触する。
【0025】フォトセンサ8は、上記キャップ20と搬
送される記録紙Pの一方の端部との間で、インクジェッ
トヘッド5の吐出口列が通過する範囲に対応した位置に
配置され、インクジェットヘッド5の各吐出口から吐出
されるインク滴を光学的に検知する透過型フォトインタ
ラプタであり、インクジェットヘッド5におけるインク
吐出不良をその出力から判断できるものである。
【0026】本実施例で用いているフォトセンサ8は、
発光素子に赤外LEDを用い、そのLEDの発光面には
レンズを一体成形し、これにより略平行な光が投射され
る。フォトセンサ8の受光素子には、フォトトランジス
タが用いられ、受光素子の受光面にはモールド部材によ
り0.7mm×0.7mmの穴が光軸上に形成され、受
光,発光間全域において検出範囲が高さ方向の0.7m
m、幅方向0.7mmに絞り込まれる。また、発光素子
と受光素子とは、これらを結ぶ光軸が、インクジェット
ヘッド5の吐出口列と平行で、かつ、発光素子と受光素
子の間隔がインクジェットヘッド5の吐出口配列範囲よ
りも広くなるよう配置され、これにより、上記光軸に対
応する位置にインクジェットヘッド5の吐出口列が位置
すると、各吐出口から吐出されるインク滴は全て発光素
子と受光素子の間の検出範囲を通過可能となる。
【0027】このように、本実施例で用いるフォトセン
サ8は、上記従来例で説明したものと同様のものであ
り、従って、前述したように、このセンサの受光素子,
発光素子のばらつき、これら素子の組立ガタ等により、
センサによって最大20%程度の出力誤差を有してい
る。
【0028】なお、インクジェットヘッド5の吐出口列
とフォトセンサ8の光軸との相対的位置の制御は、前述
のキャップ20との位置決め同様に、装置本体に設けら
れたキャリッジホームセンサ21を用いる。すなわち、
このセンサ21が検出するホームポジションの位置から
フォトセンサ8の光軸まで移動する所定の距離を、キャ
リッジを駆動するモータのステップ数に換算し予めシー
ケンス上に定数として設定しておくものである。
【0029】次に、本実施例ファクシミリ装置の電気回
路主要部を図4に示すブロック図を参照して説明する。
【0030】図4において、24はファクシミリ装置全
体を制御するための制御部でありマイクロプロセッサ等
のCPU25、このCPU25が実行する制御プログラ
ムや各種データを記憶しているROM26、およびCP
U25のワークエリアとして使用され、各種データを一
時的に保存するためのRAM27等を有している。この
制御部24は装置において基板上の回路として形成され
る。フォトセンサ8の出力はA/D変換回路28により
ディジタル値に変換され、CPU25にて解析可能なも
のとされる。キャリッジモータ30および紙送りモータ
31は、それぞれモータ駆動回路33および32による
パルスステップ数によって回転角度制御可能なモータで
あり、制御部24によってその回転が制御される。キャ
リッジホームセンサ21の出力は制御部24に入力し、
インクジェットヘッドの移動制御に用いられる。
【0031】図5は、本実施例の上記構成に基づく吐出
不良検知に係るシーケンスを示すフローチャート、図6
は、その検知に係る本例装置における構成の模式図、図
7は、シーケンスに係るタイミングチャートである。以
下、これらの図を参照して本実施例の吐出不良検知に係
る処理について説明する。
【0032】ファクシミリ装置の電源が投入されると
(ステップS1)、キャリッジ15を移動させることに
よりキャリッジホームセンサ21によってキャリッジ1
5のホームポジションを検出する(ステップS2)。次
に、ホームポジションから一定速度(約300mm/S
ec)でキャリッジを移動し、図6に示すように、イン
クジェットヘッド5の吐出口列5cの位置がフォトセン
サ8の検出位置に達する(約2mm)手前の所定位置P
1から、検出位置を(約2mm)越えた所定位置P2ま
での間においてヘッド5の全吐出口よりインクを6kH
zの周波数で連続吐出し、その後キャリッジを停止する
(ステップS3)。ここにおけるインクの吐出発数はキ
ャリッジの移動速度、吐出範囲によって定めるものであ
り、各吐出口より80発吐出する。
【0033】そして、この連続吐出の間、フォトセンサ
8の出力をA/D変換回路28を介して微小時間間隔
(100μs)でサンプリングする(ステップS4)。
さらにこのサンプリングデータからフォトセンサ8の出
力分布の最大値Vmax、ホームポジションからこのV
maxを出力する位置までの時間t1、および上記キャ
リッジ速度と時間t1に基づくホームポジションからV
maxを出力する位置までのキャリッジモータ30のス
テップ数Sを求め(ステップS5、図7参照)、ステッ
プ数SをRAM27に記憶し(ステップS6)、プリン
ト命令があるまで待機状態とする(ステップS7)。
【0034】プリント命令を受けると記録紙Pをピック
アップしてプリント部Bへ送り、1ページ分の画像デー
タについてプリントを行った後(ステップS8)、RA
M27に記憶しているステップ数Sのデータを参照し
て、キャリッジ15をホームポジションからステップ数
Sを送った位置に移動し停止させる(ステップS9)。
この移動により、インクジェットヘッド5の吐出口列5
cの位置はフォトセンサ8の光軸に対応し吐出インク滴
がセンサ8の光路と交差できる位置関係となる。なお、
この位置関係は基本的にインクジェットヘッドや装置の
構成部品を交換しない限り維持されるが、上述のように
装置の電源投入時にはステップ数Sを求める処理を行
い、より正確に見回すことができる。なお、上記フォト
センサ8の出力分布を得るときに、複数の吐出口の一部
に吐出不良を生じていることもあり得るが、この場合に
おいても出力分布の最大となる位置は、ヘッドとフォト
センサの上述した適切な位置関係をなすものであるので
差し支えない。また、ステップ数Sを一点に対応させる
のではなく、従来例で示したP1 〜P2 より狭い範囲に
対応させ、この間で以下に示す処理を行うようにしても
よい。
【0035】次に、ヘッドの全吐出口より各10発ずつ
インクを吐出するとともに(ステップS10)、この吐
出の間、フォトセンサ8の出力をステップS4の処理と
同様にサンプリングする(ステップS11)。そして、
このサンプリングデータに基づき、フォトセンサ8の出
力が一定値に達しない場合は、吐出不良が生じていると
してエラー動作を行う(ステップS14)。例えば受信
データをメモリに格納するとともにエラー表示を出力
し、また、プリント動作を終了する。フォトセンサ8の
出力が一定以上と判断し、かつこのあと次の頁が存在す
る場合は(ステップS12,S13)、次の紙のピック
アップを開始して、同様の動作を繰り返す。次ページの
データが存在しなければステップS9の待機状態に戻る
(ステップS13)。
【0036】なお、上述したように、ヘッドとフォトセ
ンサとの適切な位置関係を求める処理においても、ある
程度の広い範囲にインク吐出を行い、インクを消費する
ことになるが、この処理は電源投入時のみに行われ、そ
の後の吐出不良検知のための吐出は、本実施例の場合、
ページ毎に上記により定められた位置のみで行われるた
め、従来例よりもはるかに少ないインク消費量となる。
【0037】なお、上記構成ではA/D変換回路を使用
し高速にサンプリングする例について説明したが、A/
D変換回路を使用せずにより廉価なオペアンプによるコ
ンパレータ回路を使用し、ここで、センサ出力値に対し
て一定の閾値を設定し、センサ出力がその閾値を越えた
瞬間および閾値より下がった瞬間を制御部に割り込みを
かけて時間を計測し、その二時点の中間点を最大値が得
られる時間t1として近似することも可能である。
【0038】次に、上記実施例のプリント部に用いられ
るインクジェットヘッドの吐出原理について説明する。
【0039】インクジェットヘッドは、一般に微細な液
体吐出口(オリフィス)、液路(インク路)およびこの
液路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部
にある液体に作用させる熱エネルギーを発生するエネル
ギー発生素子とを備え、キャリッジに対し交換可能に設
けられるものである。
【0040】このようなエネルギーを発生する他のエネ
ルギー発生素子としては、ピエゾ素子等の電気機械変換
体を用いたもの、レーザ等の電磁波を照射して、そこに
ある液体に吸収させて発熱させ、該発熱による作用で液
滴を吐出、飛翔させるようにしたもの等が知られてい
る。その中でも上記実施例のように電気熱変換素子が発
生する熱エネルギーによって液体を吐出させる方式は、
インクジェットヘッドの液体吐出口(オリフィス)を高
密度に配列することができるために高解像力のプリント
を行うのに適している。
【0041】また、電気熱変換素子を用いたインクジェ
ットヘッドは、全体的なコンパクト化も容易で、かつ、
最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が
著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活
用でき、長尺化および面状化(2元化)が容易であるこ
と等から、マルチノズル化、高密度実装化が容易で、し
かも大量に生産性よく、製造コストも廉価なものを提供
することが可能である。
【0042】このようにエネルギー発生手段に電気熱変
換素子を用い、半導体製造プロセスを経て製造されたイ
ンクジェット用ヘッドは、一般には各インク吐出口に対
応した液路を設け、該液路ごとに該液路を満たす液体に
熱エネルギーを作用させて、対応するインク吐出口から
液体を吐出して飛翔用液滴を形成する手段としての電気
熱変換素子が設けられ、各液路には、各液路に連通して
いる共通液室から液体が供給される構造となっている。
【0043】なお、インク吐出部の製造方法について本
出願人は、第1の基板上に、少なくとも液路を形成する
ための固体層と、少なくとも液路の壁の形成に利用する
活性エネルギー線硬化性材料層と、第2の基板を順次積
層した後、該第2の基板上にマスクを積層し、該マスク
の上方から活性エネルギー線を照射して、活性エネルギ
ー線硬化性材料層の少なくとも液路の壁を構成部分とし
て硬化させ、さらに固体層と活性エネルギー線硬化性材
料層の未硬化部分を二つの基板間から除去し、少なくと
も液路を形成する方法を提案している(例えば特開昭6
2−253457号公報参照)。
【0044】(その他の実施例)上記第一の実施例の吐
出不良検知のシーケンスにおけるステップS4では全吐
出口(64個の吐出口)からインクを吐出するものとし
たが、本実施例では一部の吐出口のみ吐出させ、キャリ
ッジとフォトセンサの最も適した位置関係を求めること
もできる。ここで、一部の吐出口とは、例えば64個の
吐出口のうち、第1番目から第16番目までの16個の
吐出口であり、これのみを使用することにより、一層本
発明の目的であるインク消費量を少なくしてランニング
コストの低減を図ることができる。
【0045】なお、一部の吐出口を用いる場合にフォト
センサ出力が所定量に達しない場合、すなわち一部に吐
出不良を生じているおそれがある場合には、他の一部の
吐出口を用いて上記位置関係を求めることもできる。
【0046】また、上記のように一部の吐出口を使用
し、キャリッジとフォトセンサの最も適した位置関係を
求めることを、仮に吐出不良検知毎に実行したとして
も、従来例に比べてインクの消費量を抑えることができ
ることは明らかである。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、検出手段とインク
ジェットヘッドとの位置関係を、所定の第1の範囲でイ
ンク吐出を行い、そのときの検出手段の出力分に基づい
て知ることができるので、吐出不良検知の際のインク吐
出する範囲を最小限の第2の範囲とすることができる。
【0048】この結果、フォトセンサ等、検出手段のヘ
ッドとの位置合せに係る精度がそれ程高くなくても、少
ないインク消費量で確実な吐出不良検知を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファクシミリ装置の一従来例を示す側方から視
た断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係るファクシミリ装置を側
方から視た断面図である。
【図3】上記ファクシミリ装置におけるプリント部の詳
細を示す斜視図である。
【図4】上記ファクシミリ装置の制御構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る吐出不良検知に係
る処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】上記第1の実施例に係る吐出不良検知処理のた
めの構成を示す模式図である。
【図7】上記第1の実施例に係る吐出不良検知処理のタ
イミングチャートである。
【符号の説明】
A 読取り部 B プリント部 C 給紙部 5 インクジェットヘッド 8 フォトセンサ 15 キャリッジ 21 ホームポジションセンサ 24 制御部 25 CPU 26 ROM 27 RAM 28 A/D変換回路 30 キャリッジモータ 31 紙送りモータ 32,33 モータ駆動回路
フロントページの続き (72)発明者 小野 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 野畠 之雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 郡 慎一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−7159(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインク吐出口を有したインクジェ
    ットヘッドを用い、被プリント媒体にインクを吐出して
    プリントを行うインクジェットプリント装置において、 発光素子および受光素子を有した検出手段と、 該検出手段と前記インクジェットヘッドとを相対的に移
    動させる移動手段と、 該移動手段により、前記検出手段と前記インクジェット
    ヘッドとを相対的に移動させ、当該移動の間に、前記発
    光素子と前記受光素子との間に形成される光路を含む所
    定の第1移動範囲で前記インクジェットヘッドから吐出
    を行わせる吐出制御手段と、 該吐出制御手段による前記第1移動範囲の前記インクジ
    ェットヘッドからのインク吐出によって変化する前記検
    出手段の出力の分布を求め、該分布から前記第1移動範
    囲に含まれる所定の第2移動範囲を定める範囲決定手段
    と、 前記移動手段により前記インクジェットヘッドと前記検
    出手段とを相対的に移動させ、当該移動の間に前記第2
    移動範囲で前記インクジェットヘッドから吐出を行わせ
    るとともに、当該吐出時の前記検出手段の出力に基づい
    て当該吐出口の吐出不良を検知する吐出不良検知手段
    と、 を具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第2移動範囲は、前記出力分布の最
    大値に対応した一点であることを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェットプリント装置。
  3. 【請求項3】 前記吐出制御手段は、前記インクジェッ
    トヘッドの複数の吐出口のうち、一部の吐出口を用いて
    前記第1移動範囲での吐出を行うことを特徴とする請求
    項1または2に記載のインクジェットプリント装置。
  4. 【請求項4】 前記インクジェットヘッドは、熱エネル
    ギーを利用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成
    に基づいてインクを吐出するものであることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット
    プリント装置。
  5. 【請求項5】 複数のインク吐出口を有したインクジェ
    ットヘッドを用い、受信したデータに基づいてプリント
    出力を行うファクシミリ装置において、 発光素子および受光素子を有した検出手段と、 該検出手段と前記インクジェットヘッドとを相対的に移
    動させる移動手段と、 該移動手段により、前記検出手段と前記インクジェット
    ヘッドとを相対的に移動させ、当該移動の間に、前記発
    光素子と前記受光素子との間に形成される光路を含む所
    定の第1移動範囲で前記インクジェットヘッドから吐出
    を行わせる吐出制御手段と、 該吐出制御手段による前記第1移動範囲の前記インクジ
    ェットヘッドからのインク吐出によって変化する前記検
    出手段の出力の分布を求め、該分布から前記第1移動範
    囲に含まれる所定の第2移動範囲を定める範囲決定手段
    と、 前記移動手段により前記インクジェットヘッドと前記検
    出手段とを相対的に移動させ、当該移動の間に前記第2
    移動範囲で前記インクジェットヘッドから吐出を行わせ
    るとともに、当該吐出時の前記検出手段の出力に基づい
    て当該吐出口の吐出不良を検知する吐出不良検知手段
    と、 を具えたことを特徴とするファクシミリ装置。
  6. 【請求項6】 前記第2移動範囲は、前記出力分布の最
    大値に対応した一点であることを特徴とする請求項5に
    記載のファクシミリ装置。
  7. 【請求項7】 前記吐出制御手段は、前記インクジェッ
    トヘッドの複数の吐出口のうち、一部の吐出口を用いて
    前記第1移動範囲での吐出を行うことを特徴とする請求
    項5または6に記載のファクシミリ装置。
  8. 【請求項8】 前記インクジェットヘッドは、熱エネル
    ギーを利用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成
    に基づいてインクを吐出するものであることを特徴とす
    る請求項5ないし7のいずれかに記載のファクシミリ装
    置。
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