JP3145707U - 犠牲電極材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 犠牲電極材に対して、リード線を剥き出しにするための作業が省けるようにし、また曲面に沿わせて人の手で容易に設置できるようにする。
【解決手段】
本考案の犠牲電極材1は、リード線3と、このリード線3に被着された電極体4と、を備えた犠牲電極材1であって、電極体4は、リード線3の長手方向に互いに距離をあけて複数設けられており、互いに隣り合った電極体4間のリード線3は、露出状態とされると共に、電極体4同士の相対位置が調整可能となるように変形自在とされていることを特徴とするものである。なお、リード線3は、長手方向の両端が電極体4より突出しているのが好ましい。
【選択図】図2
【解決手段】
本考案の犠牲電極材1は、リード線3と、このリード線3に被着された電極体4と、を備えた犠牲電極材1であって、電極体4は、リード線3の長手方向に互いに距離をあけて複数設けられており、互いに隣り合った電極体4間のリード線3は、露出状態とされると共に、電極体4同士の相対位置が調整可能となるように変形自在とされていることを特徴とするものである。なお、リード線3は、長手方向の両端が電極体4より突出しているのが好ましい。
【選択図】図2
Description
本考案は、犠牲防食により金属製部材の防食を可能とする犠牲電極材に関するものである。
例えば、ステンレス鋼製のストレージタンク、貯湯槽、熱交換器などは、ステンレス鋼の部材同士を溶接して形成される。これらの部材同士の溶接部は、構造部材よりも卑であるため構造部材との間に酸素濃淡電池を形成しやすく、隙間腐食や粒界腐食などが発生しやすい。また、一度腐食が発生すると、孔食となって腐食が進行しやすい。それゆえ、このような溶接部の周囲に構造体や溶接部より卑なアルミニウムの犠牲電極材を取り付けて防食が行われることが多い。
例えば、特許文献1や特許文献2には、リード線と、このリード線に被着された電極からなる犠牲電極材が開示されている。これらの犠牲電極材は、溶接部に対して陽極として働いて自らが積極的に腐食されることで溶接部の腐食を防止できるようになっている。
特開昭50−32212号公報
特公昭50−24689号公報
例えば、特許文献1や特許文献2には、リード線と、このリード線に被着された電極からなる犠牲電極材が開示されている。これらの犠牲電極材は、溶接部に対して陽極として働いて自らが積極的に腐食されることで溶接部の腐食を防止できるようになっている。
ところで、特許文献1や特許文献2の犠牲電極材は、円筒状の電極材とこの円筒状の電極材の中心を貫通するリード線とで形成されている。つまり、通常リード線は電極材の中に埋め込まれたようになっているので、露出状態としなければリード線で導通を確保することができない。
そこで、上述の犠牲電極材では、電極材の両端側から円筒状の電極材だけをバーナーによって加熱除去してリード線を露出させたりコードストリッパなどで電極材だけをはぎ取ってリード線を露出させたりする。そして、露出されたリード線を防食したい部材に巻き付けるなどして電極材と溶接部分との導通が確保できるようにしている。
そこで、上述の犠牲電極材では、電極材の両端側から円筒状の電極材だけをバーナーによって加熱除去してリード線を露出させたりコードストリッパなどで電極材だけをはぎ取ってリード線を露出させたりする。そして、露出されたリード線を防食したい部材に巻き付けるなどして電極材と溶接部分との導通が確保できるようにしている。
しかし、電極材を例えばアルミニウムのような低融点金属で形成したとしても、電極材をバーナーで溶かしたりコードストリッパなどで剥ぎ取るのは非常に手間のかかる作業であり、作業環境が整っていない現場でこれらの作業を行うことが困難な場合も多い。
また、防食しようとする部材がストレージタンクのように複雑な曲面を備えている場合は、犠牲電極材を曲面に沿わせて様々な曲率に曲げたり曲がり方を修正したりする必要がある。ところが、犠牲電極材は、露出した両側部分以外は電極材で覆われており、この電極材で覆われた中途側は人の手で容易に曲げられるものではない。それゆえ、設置の際に犠牲電極材を曲げる作業にも工具等が必要となり、作業として非常に手間と時間とがかかるという問題があった。
また、防食しようとする部材がストレージタンクのように複雑な曲面を備えている場合は、犠牲電極材を曲面に沿わせて様々な曲率に曲げたり曲がり方を修正したりする必要がある。ところが、犠牲電極材は、露出した両側部分以外は電極材で覆われており、この電極材で覆われた中途側は人の手で容易に曲げられるものではない。それゆえ、設置の際に犠牲電極材を曲げる作業にも工具等が必要となり、作業として非常に手間と時間とがかかるという問題があった。
本考案は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、リード線の露出作業を行う必要が無く、また曲面に沿わせて人の手で容易に曲げることができる犠牲電極材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本考案は次の技術的手段を講じている。
即ち、本考案の犠牲電極材は、リード線とこのリード線に被着された電極体とを備えた犠牲電極材であって、前記電極体は、前記リード線の長手方向に互いに距離をあけて複数設けられて、互いに隣り合った前記電極体間のリード線は、露出されると共に、当該電極体同士の相対位置が調整可能となるように変形自在とされていることを特徴とするものである。
本考案の創作者らは、リード線を露出させる作業に手間をかける位なら、最初からリード線を露出した状態にしておけば良いのではできないかと考えた。そして、複数の電極体を距離をあけて設けると共にそれぞれの電極体同士を露出状態とされたリード線で連結すれば、リード線の露出作業を行う必要が無くなり設置に手間がかからないことを見出した。また、電極体同士を連結するリード線を変形自在とすることで、さらにリード線を人の手で容易に曲げて犠牲電極材自体の形状を設置したい部分に合わせて容易に変形できることを見出して本考案を完成するに至ったのである。
即ち、本考案の犠牲電極材は、リード線とこのリード線に被着された電極体とを備えた犠牲電極材であって、前記電極体は、前記リード線の長手方向に互いに距離をあけて複数設けられて、互いに隣り合った前記電極体間のリード線は、露出されると共に、当該電極体同士の相対位置が調整可能となるように変形自在とされていることを特徴とするものである。
本考案の創作者らは、リード線を露出させる作業に手間をかける位なら、最初からリード線を露出した状態にしておけば良いのではできないかと考えた。そして、複数の電極体を距離をあけて設けると共にそれぞれの電極体同士を露出状態とされたリード線で連結すれば、リード線の露出作業を行う必要が無くなり設置に手間がかからないことを見出した。また、電極体同士を連結するリード線を変形自在とすることで、さらにリード線を人の手で容易に曲げて犠牲電極材自体の形状を設置したい部分に合わせて容易に変形できることを見出して本考案を完成するに至ったのである。
それゆえ、本考案の犠牲電極材では、複数の電極体同士を連結するリード線が最初から露出状態にされているので、リード線を露出させるための面倒な作業を行う必要が無い。加えて、リード線が変形自在とされているので、曲面に沿わせて人の手で容易に曲げることができる。
なお、前記リード線の長手方向の両端は、前記電極体より突出しているのが好ましい。
長手方向の両端のリード線を電極体より突出させることで、この突出したリード線を折り曲げたりより合わせたりして犠牲電極材の取り付けを容易に行うことができるからである。
なお、前記リード線の長手方向の両端は、前記電極体より突出しているのが好ましい。
長手方向の両端のリード線を電極体より突出させることで、この突出したリード線を折り曲げたりより合わせたりして犠牲電極材の取り付けを容易に行うことができるからである。
また、犠牲電極材は、湾曲した面に沿わせて設置できるように、互いに隣り合った前記電極体間のリード線が前記湾曲した面に沿わせて変形可能となっているのが好ましい。このようにすれば、例えばストレージタンクの内壁面などのように湾曲した部材に対しても犠牲電極材を容易に設置することが可能となる。
さらに、前記電極体間の距離を調整できるように、互いに隣り合った前記電極体間のリード線が折り返し状に変形可能となっているのが好ましい。このようにすれば、設置しようとする部材に対して電極体のピッチが合わなくなっても、電極体間の距離を調整して犠牲電極材を容易に設置することが可能となる。
さらに、前記電極体間の距離を調整できるように、互いに隣り合った前記電極体間のリード線が折り返し状に変形可能となっているのが好ましい。このようにすれば、設置しようとする部材に対して電極体のピッチが合わなくなっても、電極体間の距離を調整して犠牲電極材を容易に設置することが可能となる。
本考案の犠牲電極材により、リード線の露出作業を行う必要が無く、また曲面に沿わせて人の手で容易に曲げることができる。
以下、本考案に係る犠牲電極材1の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1に示されるように、犠牲電極材1は、リード線3と、このリード線3に被着される電極体4と、を備えており、防食を行いたい部材に取り付けることで電極体4が自ずから積極的に腐食することで取り付けられた部材の腐食を抑制するものである。
本実施形態の犠牲電極材1は、ストレージタンク2に取り付けられて、その腐食を抑制(防食)している。以降では、まず犠牲電極材1が取り付けられるストレージタンク2について簡単に説明する。
図1に示されるように、犠牲電極材1は、リード線3と、このリード線3に被着される電極体4と、を備えており、防食を行いたい部材に取り付けることで電極体4が自ずから積極的に腐食することで取り付けられた部材の腐食を抑制するものである。
本実施形態の犠牲電極材1は、ストレージタンク2に取り付けられて、その腐食を抑制(防食)している。以降では、まず犠牲電極材1が取り付けられるストレージタンク2について簡単に説明する。
ストレージタンク2は、ステンレス系合金で形成されたタンクであり、内部が空洞とされた円筒体5と、円筒体5の一方の開口(図1の左側の開口)を塞ぐ第1蓋体6と、他方の開口(図1の右側の開口)を塞ぐ第2蓋体7とを備えている。ストレージタンク2は、円筒体5と第1蓋体6とが、及び円筒体5と第2蓋体7とが溶接により密閉状に接合されており、内部に液体やガスを貯められるようになっている。
円筒体5と第1蓋体6との溶接部分8及び円筒体5と第2蓋体7との溶接部分9にはタンクを構成するステンレス系合金に加えてろう材成分が含まれており、溶接部分8、9はろう材成分の影響で円筒体5より酸化還元電位が卑となっている。それゆえ、円筒体5と溶接部分8、9との間には酸素濃淡電池が形成されやすく、隙間腐食や粒界腐食などが発生しやすい。
円筒体5と第1蓋体6との溶接部分8及び円筒体5と第2蓋体7との溶接部分9にはタンクを構成するステンレス系合金に加えてろう材成分が含まれており、溶接部分8、9はろう材成分の影響で円筒体5より酸化還元電位が卑となっている。それゆえ、円筒体5と溶接部分8、9との間には酸素濃淡電池が形成されやすく、隙間腐食や粒界腐食などが発生しやすい。
そこで、図2に示すように、ストレージタンク2の内部には、溶接部分8、9近傍の内壁面2aに沿って犠牲電極材1が取り付けられる。犠牲電極材1は、溶接部分8、9より卑な金属で形成された電極体4を有しており、この電極体4を溶接部分8、9の近傍に取り付けて両者の間に導通を確保することで電極体4が陽極及び溶接部分8、9が陰極となる。そして、電極体4自らが積極的に腐食されることで、溶接部分8、9での腐食の発生や進行が予防される。
なお、犠牲電極材1は、円筒体5と第1蓋体6との溶接部分8の近傍及び円筒体5と第2蓋体7との溶接部分9の近傍に対して、これらのいずれか又は双方に設けることができるが、本実施形態では円筒体5と第1蓋体6との溶接部分8の近傍に設けられたものを例に挙げて説明を行う。
なお、犠牲電極材1は、円筒体5と第1蓋体6との溶接部分8の近傍及び円筒体5と第2蓋体7との溶接部分9の近傍に対して、これらのいずれか又は双方に設けることができるが、本実施形態では円筒体5と第1蓋体6との溶接部分8の近傍に設けられたものを例に挙げて説明を行う。
図3に示すように、リード線3は、ステンレス、銅、ニッケル、カーボンなどの耐食性と電気伝導性とを兼ね備えた材料で断面が円形に形成された線材であり、ストレージタンク2に設置する場合は必要な長さに切断して用いられる。
電極体4は、ストレージタンク2を構成するステンレス系合金に比べて酸化還元電位が卑なアルミニウム、亜鉛、スズなどの金属で形成されており、本実施形態ではアルミニウム合金を用いている。
電極体4は、リード線3の線径より太い円筒状に形成されており、この円筒形の回転軸心をリード線3が貫通している。すなわち、電極体4は、リード線3の周囲を同軸状に被覆するように被着されており、リード線3の長手方向に互いに距離をあけて複数設けられている。電極体4同士の間隔は、溶接部分8に対して周方向の部分による差がないように犠牲防食作用を発揮できるように、好ましくは50mm以上とされている。
電極体4は、ストレージタンク2を構成するステンレス系合金に比べて酸化還元電位が卑なアルミニウム、亜鉛、スズなどの金属で形成されており、本実施形態ではアルミニウム合金を用いている。
電極体4は、リード線3の線径より太い円筒状に形成されており、この円筒形の回転軸心をリード線3が貫通している。すなわち、電極体4は、リード線3の周囲を同軸状に被覆するように被着されており、リード線3の長手方向に互いに距離をあけて複数設けられている。電極体4同士の間隔は、溶接部分8に対して周方向の部分による差がないように犠牲防食作用を発揮できるように、好ましくは50mm以上とされている。
電極体4は、長手方向に隣り合ったもの同士の間隔が50mm以上とされており、電極体4同士を離間して配置することで隣り合ったもの同士の間のリード線3が露出状態となっている。このように電極体4同士を離間して配置することで、電極体4の形成に必要な金属の量を減らすことが可能となり、省資源に寄与できると共に環境に対する負荷をも低減することが可能となる。なお、この露出状態とされたリード線3については、後ほど詳述する。
電極体4は、電極体4を構成する金属や防食する部材により大きさが設定される。例えば、アルミニウム製の場合は直径が10mmφ以上、長さが50mm以上とされている。電極体4を直径が10mmφ以上、長さが50mm以上とすることで、長期間に亘ってステンレス合金製のストレージタンク2の溶接部分8に犠牲防食作用を発揮できる。
電極体4は、電極体4を構成する金属や防食する部材により大きさが設定される。例えば、アルミニウム製の場合は直径が10mmφ以上、長さが50mm以上とされている。電極体4を直径が10mmφ以上、長さが50mm以上とすることで、長期間に亘ってステンレス合金製のストレージタンク2の溶接部分8に犠牲防食作用を発揮できる。
本考案の犠牲電極材1は、互いに隣り合った電極体4間のリード線3が、上述のように露出されると共に、電極体4同士の相対位置が調整可能となるように変形自在とされていることを特徴とするものである。
すなわち、図3に示すように、本実施形態の犠牲電極材1は、リード線3の長手方向に互いに距離をあけて複数の電極体4を有しており、リード線3の長手方向の両端は電極体4より突出している。この突出したリード線3と互いに隣り合った電極体4間のリード線3とは電極体4に覆われていない露出状態となっており、この露出状態のリード線3を直接ストレージタンク2に接触させることで犠牲電極材1の導通を確保することができるようになっている。
すなわち、図3に示すように、本実施形態の犠牲電極材1は、リード線3の長手方向に互いに距離をあけて複数の電極体4を有しており、リード線3の長手方向の両端は電極体4より突出している。この突出したリード線3と互いに隣り合った電極体4間のリード線3とは電極体4に覆われていない露出状態となっており、この露出状態のリード線3を直接ストレージタンク2に接触させることで犠牲電極材1の導通を確保することができるようになっている。
また、リード線3は、露出部分の長さやリード線3の材質に応じて好ましい線径が変化するものの、その線径が2mm以下とされていれば、人の手やプライヤなどの工具で容易に変形することができる。このようにリード線3を人の手やプライヤなどの工具で折り曲げたり伸ばしたりすることで、電極体4同士の相対位置を変化させてリード線3に連結された電極体4同士の位置や距離を自由に変更することができる。
上記実施形態の犠牲電極材1は、具体的には次のようにしてストレージタンク2に設置することができる。
上記実施形態の犠牲電極材1は、具体的には次のようにしてストレージタンク2に設置することができる。
犠牲電極材1は通常はコイル状に巻き回されており、犠牲電極材1の両端はリード線3が電極体4より突出した状態となっている。
まず、ストレージタンク2の内壁面2aの周方向長さに合わせて、犠牲電極材1からこの周方向長さよりやや長めとなるようにリード線3を切断する。このとき、リード線3を、互いに隣り合った電極体4間の中間で切断する。このようにすれば、切断されたリード線3の両端を電極体4より突出させることができ、導通の確保に利用することが可能となる。
まず、ストレージタンク2の内壁面2aの周方向長さに合わせて、犠牲電極材1からこの周方向長さよりやや長めとなるようにリード線3を切断する。このとき、リード線3を、互いに隣り合った電極体4間の中間で切断する。このようにすれば、切断されたリード線3の両端を電極体4より突出させることができ、導通の確保に利用することが可能となる。
次に、図4(a)に示すように、切り出された犠牲電極材1について、電極体4間のリード線3を湾曲したストレージタンク2の内壁面2aに沿わせて円弧状に折り曲げる。電極体4間のリード線3は電極体4で被覆されていない(露出状態となっている)ので、人の手で容易に変形することができる。このようにすれば、犠牲電極材1を内壁面2aとほぼ同じ曲率の円弧状に切り出された犠牲電極材1を変形させることができ、犠牲電極材1をストレージタンク2の内壁面2aにぴったりと合わせて設置することができる。
最後に、犠牲電極材1をストレージタンク2に対して導通させる。切り出された犠牲電極材1については、リード線3の長手方向の両端が電極体4より突出しており、この突出したリード線3は露出状態とされている。そこで、この露出された両端のリード線3同士を寄り合わせ、寄り合わせたリード線3の先端をストレージタンク2に対して接触させて導通を確保する。
最後に、犠牲電極材1をストレージタンク2に対して導通させる。切り出された犠牲電極材1については、リード線3の長手方向の両端が電極体4より突出しており、この突出したリード線3は露出状態とされている。そこで、この露出された両端のリード線3同士を寄り合わせ、寄り合わせたリード線3の先端をストレージタンク2に対して接触させて導通を確保する。
このように犠牲電極材1は最初から電極体4間のリード線3が露出状態になっているので、従来の犠牲電極材1のようにリード線3を露出状態にするための作業、例えばバーナーを用いたり電極材を剥ぎ取ったりする作業に手間をかける必要がない。
なお、電極体4は上述のように50mm以上の固定ピッチで配置されているので、内壁面2aの周方向長さに対して犠牲電極材1の長さを調整したいという場合には、互いに隣り合った電極体4間のリード線3を図4(b)にあるように蛇行状(スパイラル状)に折り曲げたり図4(c)にあるように折り返し状に折り曲げたりして長さを調整する。このようにすれば、犠牲電極材1の長さを内壁面2aの周方向長さに合わせて調整して設置することができる。
なお、電極体4は上述のように50mm以上の固定ピッチで配置されているので、内壁面2aの周方向長さに対して犠牲電極材1の長さを調整したいという場合には、互いに隣り合った電極体4間のリード線3を図4(b)にあるように蛇行状(スパイラル状)に折り曲げたり図4(c)にあるように折り返し状に折り曲げたりして長さを調整する。このようにすれば、犠牲電極材1の長さを内壁面2aの周方向長さに合わせて調整して設置することができる。
また、互いに隣り合った電極体4間のリード線3を電極体4の際で切断しても犠牲陽極材1として用いることができる。 具体的には、図5(a)に示すように、長尺の犠牲電極材1に対して、隣り合う2つの電極体4間のリード線3を残した上で、それぞれの電極体4の他端側(図5に示す点線)のリード線3を各電極体4の際で切断し、この加工(切断)により、一対の電極体4間を1本のリード線3で結ぶ犠牲陽極材1を作成する。一方で、図5(b)に示すように、ストレージタンク2の内壁面2a側に、複数の金属製の取り付け具11を取り付けておき、上述した方法で作成した犠牲陽極材1のリード線3を取り付け具11に取り付ける。
このようにすれば、一対の電極体4間をリード線3で結ぶ犠牲陽極材1としてストレージタンク2に簡単に取り付けることができ、電極体4の端部側の両方を突出させなくても犠牲電極材1として用いることができる。
本考案は上記各実施形態に限定されるものではなく、考案の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。
上記実施形態では、ストレージタンク2に取り付けられる犠牲電極材1を例示した。しかし、本考案の犠牲電極材1は貯湯槽、熱交換器などにも用いることができる。
本考案は上記各実施形態に限定されるものではなく、考案の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。
上記実施形態では、ストレージタンク2に取り付けられる犠牲電極材1を例示した。しかし、本考案の犠牲電極材1は貯湯槽、熱交換器などにも用いることができる。
上記実施形態では、犠牲電極材1を取り付けるストレージタンク2として比較的大きな略円筒形状のタンクを例示すると共に、このストレージタンク2の円弧状の内壁面2aに沿って犠牲電極材1を円環状に曲げながら設置する例を挙げた。
しかし、犠牲電極材1が取り付けられるタンクは、例示したようなサイズでなくても良い。例えば、卓上型タンクのように小さなものから、屋外ガスタンクのように大きなものまで、様々な大きさのタンクに犠牲電極材1は取り付けることができる。
また、犠牲電極材1の取り付け方は、円環状に曲げながら設置するものだけに限定されない。例えば、犠牲電極材1をタンクの内壁面に沿ってその形状が多角形状となるように取り付けたり、直線状、折れ線状又は曲線状の線分となるように取り付けることもできる。
しかし、犠牲電極材1が取り付けられるタンクは、例示したようなサイズでなくても良い。例えば、卓上型タンクのように小さなものから、屋外ガスタンクのように大きなものまで、様々な大きさのタンクに犠牲電極材1は取り付けることができる。
また、犠牲電極材1の取り付け方は、円環状に曲げながら設置するものだけに限定されない。例えば、犠牲電極材1をタンクの内壁面に沿ってその形状が多角形状となるように取り付けたり、直線状、折れ線状又は曲線状の線分となるように取り付けることもできる。
上記実施形態では、ステンレス系合金の防食を目的として電極体4がアルミニウム合金で形成されたものを例示した。しかし、防食したいものがステンレス系合金でない場合は、例えば亜鉛、スズ、銅、鉄、マグネシウムなどのアルミ以外の金属を電極体4に用いることもできる。
上記実施形態では、電極体4が円筒状とされリード線3が円形断面の線材でなる犠牲電極材1を例示した。しかし、例えば電極材を角筒状としてリード線3に帯板状の線材を用いることもできる。
上記実施形態では、電極体4が円筒状とされリード線3が円形断面の線材でなる犠牲電極材1を例示した。しかし、例えば電極材を角筒状としてリード線3に帯板状の線材を用いることもできる。
1 犠牲電極材
2 ストレージタンク
2a内壁面
3 リード線
4 電極体
5 円筒体
6 第1蓋体
7 第2蓋体
8 第1蓋体と円筒体との溶接部分
9 第2蓋体と円筒体との溶接部分
11 取り付け具
2 ストレージタンク
2a内壁面
3 リード線
4 電極体
5 円筒体
6 第1蓋体
7 第2蓋体
8 第1蓋体と円筒体との溶接部分
9 第2蓋体と円筒体との溶接部分
11 取り付け具
Claims (4)
- リード線と、このリード線に被着された電極体と、を備えた犠牲電極材であって、
前記電極体は、前記リード線の長手方向に互いに距離をあけて複数設けられて、互いに隣り合った前記電極体間のリード線は、露出されると共に、当該電極体同士の相対位置が調整可能となるように変形自在とされていることを特徴とする犠牲電極材。 - 前記リード線の長手方向の両端は、前記電極体より突出していることを特徴とする請求項1に記載の犠牲電極材。
- 湾曲した面に沿わせて設置できるように、互いに隣り合った前記電極体間のリード線が前記湾曲した面に沿わせて変形可能となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の犠牲電極材。
- 前記電極体間の距離を短くできるように、互いに隣り合った前記電極体間のリード線が折り返し状に変形可能となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の犠牲電極材。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008005473U JP3145707U (ja) | 2008-08-06 | 2008-08-06 | 犠牲電極材 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110304361A (zh) * | 2018-03-27 | 2019-10-08 | 中国石油天然气股份有限公司 | 液体容器 |
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2008
- 2008-08-06 JP JP2008005473U patent/JP3145707U/ja not_active Expired - Fee Related
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CN110304361A (zh) * | 2018-03-27 | 2019-10-08 | 中国石油天然气股份有限公司 | 液体容器 |
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