JP3145501B2 - エンジン停止装置 - Google Patents

エンジン停止装置

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JP3145501B2 JP25157892A JP25157892A JP3145501B2 JP 3145501 B2 JP3145501 B2 JP 3145501B2 JP 25157892 A JP25157892 A JP 25157892A JP 25157892 A JP25157892 A JP 25157892A JP 3145501 B2 JP3145501 B2 JP 3145501B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン停止スイッチ
部とエンジン停止回路部とを一体にしたエンジン停止装
置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、この種のエンジン停止装置として
は、例えば特開平３−１８６６８号公報、或は実開昭５
７−３０３８１号公報に開示されているように、エンジ
ン停止スイッチをＯＮすると、まず、エンジン停止回路
のエンジン停止用サイリスタがターンオンして保持コン
デンサを充電し、次いで、ある時定数を有して上記保持
コンデンサからの放電電圧により上記エンジン停止用サ
イリスタのゲートにターンオン電圧が印加され、このエ
ンジン停止用サイリスタのターンオンにより、上記エン
ジン停止スイッチをＯＦＦ状態に戻しても点火コイルの
一次側の遮断を不可として失火させてエンジンを停止さ
せるものが多い。
【０００３】また、エンジン停止スイッチとしては金属
接点を有する常開スイッチが多く用いられている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した先
行技術にはエンジン停止回路とエンジン停止スイッチと
の構成が明確に記載されいるわけではないが、このエン
ジン停止回路と上記エンジン停止スイッチとは別体に設
けられているのが一般的である。
【０００５】したがって、装置全体しては、比較的形状
が大型化し、エンジン停止回路と上記エンジン停止スイ
ッチとの結線を必要とする分、組立が煩雑化するばかり
でなく、部品点数の増大を招き、製品の信頼性上問題が
ある。
【０００６】また、スイッチに金属接点を用いているた
め錆等の発生により接触不良が生じ易く、屋外での長時
間使用等での耐久性が問題になる。
【０００７】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、エンジン停止回路とエンジン停止スイッチとの結線
を不要とし装置全体の小型化、簡素化が実現できて、部
品点数の低減が図れるととともに、高い信頼性を得るこ
とのできるエンジン停止装置を提供することを目的とし
ている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によるエンジン停止装置は、基板上に、エン
ジン停止スイッチ部のスイッチ電極と、このスイッチ電
極が短絡したときにエンジンが停止するまでマグネトか
ら供給される点火用電源の短絡状態を保持するエンジン
停止回路部とを一体的に設け、また上記エンジン停止ス
イッチ部の上記スイッチ電極に対設するスイッチ接点を
感圧導電部材にて形成し、上記感圧導電部材の上記スイ
ッチ電極に対する接圧力を設定する反転部材と、上記反
転部材を挟着すると共に上記基板の外周をシールする内
側ケースと、上記内側ケースを外側ケースの内面に密着
させて配置したことを特徴とする 。
【０００９】
【作 用】上記構成によれば、基板上に、エンジン停止
スイッチ部のスイッチ電極とエンジン停止回路部とを一
体的に設けたので、結線が不要になり、装置全体の小型
化、簡素化が実現でき、その分、部品点数及び組立工数
の低減を図ることができる。 また、エンジン停止スイ
ッチ部の上記スイッチ電極に対設するスイッチ接点を感
圧導電部材にて形成したので、金属接点部分が無くなり
耐久性が向上する。
【００１０】さらに上記感圧導電部材の上記スイッチ電
極に対する接圧力を反転部材で設定するようにしたの
で、誤動作がなく、製品の信頼性が一層向上する。また
内側ケースにより上記反転部材を挟着すると共に上記基
板の外周をシールし、さらにこの内側ケースを上記外側
ケースの内面に密着させて配置したので、基板への水滴
などの進入を防止することができる。
【００１１】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【００１２】図面は本発明の一実施例を示し、図１は図
３のＩ−Ｉ断面図、図２はエンジン停止装置の一部断面
分解斜視図、図３はエンジン停止装置の平面図、図４は
図３の左側面図、図５はエンジン停止回路部及び点火回
路部の回路図である。
【００１３】図中の符号Ａはエンジン停止装置、１はこ
のエンジン停止装置Ａの外側ケースで、この外側ケース
１の底面１ａが開口され、上面にスイッチ窓１ｂが形成
され、側面に配線窓１ｃが形成されている。
【００１４】また、上記外側ケース１に内側ケース２が
装着されている。この内側ケース２はゴム製で袋状に形
成されており、上面に、上記外側ケース１のスイッチ窓
１ｂから露呈するスイッチ押圧部２ａが形成され、ま
た、一側に、上記配線窓１ｃに装着されるケーブル保持
部２ｂが一体的に形成されている。
【００１５】また、この内側ケース２の上記スイッチ押
圧部２ａの内面のほぼ中央に、方形の導電ゴム収納部２
ｃが形成され、さらに、この導電ゴム収納部２ｃの中央
に上記導電ゴム収納部２ｃに内接する円形の反転ばね収
納部２ｄが形成されている。また、上記導電ゴム収納部
２ｃの両側に位置決め用ボス２ｅが突設されている。さ
らに、上記ケーブル保持部２ｂにガイド孔２ｆが穿設さ
れている。
【００１６】また、上記内側ケース２の内面に形成され
た上記反転ばね収納部２ｄに、反転部材の一例である反
転ばね３が収納されている。さらに、上記導電ゴム収納
部２ｃに感圧導電部材の一例である感圧導電ゴム４が収
納されている。この感圧導電ゴム４は、外圧が印加され
ない通常の状態では抵抗値の大きい、いわゆる絶縁状態
にあり、外力により圧接されたときに導電状態になる特
性を有している。
【００１７】また、上記反転ばね３の外周が上記感圧導
電ゴム４に設置され、中央部が上記反転ばね収納部２ｄ
側へ凸湾曲する形状に形成されており、反転ばね３は、
この中央部を設定以上の圧力で押圧すると反転状態に弾
性変形する。
【００１８】また、上記内側ケース２の内面に絶縁シー
ト５を介して基板６が装着されている。この絶縁シート
５と基板６とに位置決め孔５ａ，６ａがそれぞれ穿設さ
れており、この各位置決め孔５ａ，６ａが上記位置決め
用ボス２ｅに装着されて位置決めされている。なお、上
記基板６の外周が上記内側ケース２の内周にタイト気味
に装着されている。
【００１９】また、上記基板６の上記感圧導電ゴム４に
対峙する面にエンジン停止スイッチ部７を構成するスイ
ッチ電極７ａが櫛歯状に印刷されている。さらに、上記
絶縁シート５に、上記スイッチ電極７ａと上記感圧導電
ゴム４との間に絶縁空間を形成する導通窓５ｂが穿設さ
れている。この導通窓５ｂは上記感圧導電ゴム４よりも
小さい寸法で形成されており、したがって、このスイッ
チ電極７ａと上記感圧導電ゴム４との間の絶縁空間距離
は上記絶縁シート５の板厚、すなわち図の実施例では２
００μｍである。
【００２０】また、上記基板６の上記スイッチ電極７ａ
の反対面に、エンジン停止回路部１０を構成するコンデ
ンサ、ダイオード等の電子部品が実装されているととも
に、上記内側ケース２の上記ケーブル保持部２ｂに穿設
されたガイド孔２ｆから延出する二本の接続ケーブル８
ａ，８ｂの基端が接続されている。
【００２１】さらに、上記外側ケース１内の上記基板６
と底面１ａとの間にエポキシ樹脂等の硬化性絶縁材９が
充填されている。
【００２２】上記基板６、絶縁シート５、内側ケース２
が上記硬化性絶縁材９の充填により上記外側ケース１内
に密閉状態で固定されるとともに、この内側ケース２の
外周が上記外側ケース１の内面に密着され、さらに、上
記感圧導電ゴム４と上記反転ばね３とが上記内側ケース
２のスイッチ押圧部２ａと上記絶縁シート５との間に挟
着されている。
【００２３】図５に示すように、上記エンジン停止回路
部１０のエンジン停止用サイリスタSCR のカソード側が
ダイオードＤ1 のアノード側に接続されているととも
に、抵抗Ｒ4 を介してマグネト（図示せず）から供給さ
れる点火用電源ＶC に接続され、さらに、このエンジン
停止用サイリスタSCR のアノード側がグランドＧに接続
されている。
【００２４】また、上記点火用電源ＶC に一端を接続す
る保持コンデンサＣ1 の他端が上記ダイオードＤ1 のカ
ソード側に接続され、同様に、上記点火用電源ＶC に一
端を接続するコンデンサＣ2 の他端が、抵抗Ｒ5 を介し
て上記ダイオードＤ1 のカソード側に接続されていると
ともに、上記エンジン停止サイリスタSCR のゲート側に
接続されている。
【００２５】また、上記抵抗Ｒ4 、ダイオードＤ1 のア
ノード側、及びエンジン停止サイリスタSCR のカソード
側の接続点Ｐに、一端を上記グランドＧに接続するエン
ジン停止スイッチ部７のスイッチ電極７ａの他端が接続
されている。
【００２６】一方、上記エンジン停止回路部１０に点火
回路部１６が接続されている。この点火回路部１６のト
ランジスタＴR1、ＴR2のエミッタ側が上記点火用電源Ｖ
C に接続され、また、このパワートランジスタＴR1のコ
レクタ側が上記グランドＧに接続され、さらに、上記ト
ランジスタＴR2のコレクタ側が抵抗Ｒ1 を介して上記グ
ランドＧに接続されている。
【００２７】また、上記パワートランジスタＴR1のベー
スが上記トランジスタＴR2のコレクタ側に接続され、さ
らに、上記トランジスタＴR2のベースが上記点火用電源
ＶCとグランドＧとに直列接続した抵抗Ｒ2 ，Ｒ3 との
間に分岐接続されている。
【００２８】また、符号１７は点火コイルで、この点火
コイル１７の一次側の一端が上記点火用電源ＶC に接続
され、他端が上記グランドＧに接続されている。また、
上記点火コイル１７の二次側に点火プラグ１８が接続さ
れている。
【００２９】次に、上記構成による実施例の作用につい
て説明する。
【００３０】通常、エンジンが稼働中は、エンジン回転
に同期した交流出力が点火用電源ＶC として点火回路部
１６、エンジン停止回路部１０、及び点火コイル１７の
一次側に印加される。
【００３１】エンジン停止回路部１０では、エンジン停
止スイッチ部７が一度ＯＮされない限りエンジン停止用
サイリスタSCR がＯＦＦ状態を維持している。
【００３２】一方、点火回路部１６では、上記点火用電
源ＶC の電圧がマイナスになると抵抗Ｒ1 ，Ｒ2 によっ
てトランジスタＴR2のベースにバイアス電圧が印加さ
れ、このトランジスタＴR2のベース電圧が上昇してトラ
ンジスタＴR2がＯＮすると、パワートランジスタＴR1が
ＯＮし、点火コイル１７の一次側が短絡され、この一次
側に高圧電圧が発生する。
【００３３】その結果、上記点火コイル１７の二次側に
点火プラグ１８の電極間の絶縁破壊電圧以上の高圧電圧
が誘起されてスパークし、さらに上記点火コイル１７の
一次側の遮断に伴う減衰振動により、放電に必要なエネ
ルギーが所定時間持続される。
【００３４】一方、エンジンを停止させる場合、まず、
エンジン停止装置Ａの外側ケース１のスイッチ窓１ｂか
ら露呈する内側ケース２のスイッチ押圧部２ａのほぼ中
央を押圧する。すると、このスイッチ押圧部２ａの内面
に形成した反転ばね収納部２ｃに収納した反転ばね３が
反転し、感圧導電ゴム４を押圧する。
【００３５】その結果、この感圧導電ゴム４が基板６に
形成したスイッチ電極７ａに圧接し、このスイッチ電極
７ａを短絡させ、エンジン停止スイッチ部７をＯＮさせ
る。
【００３６】この感圧導電ゴム４のストロークは絶縁シ
ート５の板厚分にすぎない為、ＯＮ／ＯＦＦを繰返して
も疲労が少なく、また、温度変化により上記スイッチ電
極７ａと上記感圧導電ゴム４との間の密閉された空間が
膨張、収縮しても容積変化が少ないので、上記感圧導電
ゴム４に悪影響が及ぶことはなく、優れた耐久性を得る
ことができる。
【００３７】さらに、この感圧導電ゴム４は、外圧が印
加されたときに抵抗値が低下して導電状態になるので、
外圧の印加されていない通常状態で、例えばこの感圧導
電ゴム４が経時変化により誤って上記スイッチ電極７ａ
に接触してもエンジン停止回路部１０が誤動作すること
はない。さらに，感圧導電ゴム４の使用により金属接点
がなくなり、その分、錆等による接触不良が発生しに難
くなり耐久性、信頼性が一層向上する。
【００３８】また、反転ばね３により上記感圧導電ゴム
４の被押圧面側が保護されているため、多少の外圧を受
けてもエンジン停止スイッチ部７が誤動作することはな
く耐振性に優れ、高い信頼性を得ることができる。さら
に、この感圧導電ゴム４は反転ばね３と絶縁シート５と
の間に挟着されているだけであるため、接着等が不要と
なり組付が簡単である。
【００３９】また、上記エンジン停止装置Ａに、エンジ
ン停止回路部１０とエンジン停止スイッチ部７とが一体
に組付けられているため、組付性が良く、取扱いが容易
になり、しかも、スイッチ電極７ａが基板６に印刷形成
されているので、結線が不要になり、その分、部品点数
の削減が図れるばかりでなく、装置全体のコンパクト化
を実現することができる。
【００４０】さらに、内側ケース２の外面が外側ケース
１の内面に密着されているため、例えば、上記外側ケー
ス１のスイッチ窓１ｂから装置内部に水滴等が進入し難
くなり、優れた防水性、防塵性を得ることができる。ま
た、上記基板６の外周端が上記内側ケース２にタイト気
味に装着され、しかも、上記エンジン停止スイッチ部７
が上記基板６のほぼ中央に設けられているため、水滴等
の侵入を途中で完全に阻止することができ、したがっ
て、長時間の屋外での使用に際しても充分対応すること
ができる。
【００４１】一方、エンジン停止時、上記エンジン停止
スイッチ部７がＯＮすると、グランドＧ側からダイオー
ドＤ1 を介して保持コンデンサＣ1 に充電電流ＩC が流
れ、この保持コンデンサＣ1 が充電される。
【００４２】そして、上記点火用電源電圧ＶC がマイナ
スになると、Ｃ1 、Ｒ5 なる時定数でエンジン停止用サ
イリスタSCR のゲートにターンオン電流が供給される。
すると、このエンジン停止用サイリスタSCR から上記保
持コンデンサＣ1 に充電電流が流れる。
【００４３】したがって、上記エンジン停止スイッチ部
が一度ＯＮすれば、以後このエンジン停止スイッチ部７
のＯＮ／ＯＦＦに拘らず、このエンジン停止用サイリス
タSCR はＯＮ／ＯＦＦを繰返す。
【００４４】上記エンジン停止用サイリスタSCR がＯＮ
すると、点火用電源電圧がマイナスの期間、順方向に電
流が流れ、トランジスタＴR1による点火コイル１７の一
次側の遮断を不可として、失火させ、エンジンを停止さ
せる。
【００４５】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
基板上に、エンジン停止スイッチ部のスイッチ電極とエ
ンジン停止回路部とを一体的に設けたので、結線が不要
になり、装置全体の小型化、簡素化が実現でき、その
分、部品定数及び組立工数の低減を図ることができる。
【００４６】また、エンジン停止スイッチ部の上記スイ
ッチ電極に対設するスイッチ接点を感圧導電部材にて形
成したので、錆等が発生せず接触不良を未然に回避する
ことができ、耐久性、信頼性が向上する。
【００４７】さらに上記感圧導電部材の上記スイッチ電
極に対する接圧力を反転部材で設定するようにしたの
で、誤動作がなく、製品の信頼性が一層向上する。また
内側ケースにより上記反転部材を挟着すると共に上記基
板の外周をシールし、さらにこの内側ケースを上記外側
ケースの内面に密着させて配置したので、基板への水滴
などの進入を防止することができ、優れた防水性、防振
性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図３のＩ−Ｉ断面図
【図２】エンジン停止装置の一部断面分解斜視図
【図３】エンジン停止装置の平面図
【図４】図３の左側面図
【図５】エンジン停止回路部及び点火回路部の回路図
【符号の説明】１…外側ケース ２…内側ケース ３…反転部材 ４…感圧導電部材 ６…基板 ７…エンジン停止スイッチ部 ７ａ…スイッチ電極 １０…エンジン停止回路部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F02P 9/00 301 H01H 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】基板上に、エンジン停止スイッチ部のスイ
    ッチ電極と、 このスイッチ電極が短絡したときにエンジンが停止する
    までマグネトから供給される点火用電源の短絡状態を保
    持するエンジン停止回路部とを一体的に設け、 また上記エンジン停止スイッチ部の上記スイッチ電極に
    対設するスイッチ接点を感圧導電部材にて形成し、上記感圧導電部材の上記スイッチ電極に対する接圧力を
    設定する反転部材と、 上記反転部材を挟着すると共に上記基板の外周をシール
    する内側ケースと、 上記内側ケースを外側ケースの内面に密着させて配置し
    た ことを特徴とするエンジン停止装置。
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